JP2514895Y2 - エアバッグ付きインナーミラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両に装着するインナーミラーに関し、特に
車両衝突時にドライバーの頭、顔部が直接インナーミラ
ーに激突しないようにしたエアバッグ付きのインナーミ
ラーに係わる。

［従来技術］ 一般にインナーミラーはドライバーの斜め上方の窓縁
部に取付けられ、車両の衝突、急停車によりドライバー
が一定以上の力でミラーに接触したときには、ドライバ
ーの顔、頭を保護するためミラーが脱落または回避する
ようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで前記従来形のインナーミラーは、車両の急停
車、衝突時にドライバーの身体の一部がミラーに接触し
たのちに脱落する構成となっており、しかも車両衝突時
のドライバーの動きが複雑であることも相俟って、ミラ
ーに接触（衝突）した際に負傷する可能性があった。

本考案は前記従来形の難点を排除するためになされた
もので、その目的とするところは構造簡単にして、車両
急停車、衝突時にドライバーの頭、顔部を確実に保護す
ることの出来るインナーミラーを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するために本考案のインナーミラー
は、ステー上端内側に折畳み状態のエアバッグと、ガス
発生装置を配置し、車両前端部に取付けた検出装置によ
って前記ガス発生装置を作動させてガスをエアバッグ内
に充填し、前記エアバッグをインナーミラー前面に突出
させ、搭乗者の頭部とインナーミラーとの衝突を回避す
るようにしたものである。

前記構成の本考案のエアバッグ付インナーミラーは、
車両衝突時にガスにより膨脹したエアバッグがステーか
らミラー前面に突出するので、ドライバーが直接ミラー
に顔、頭を打ちつけることがなく、ドライバーの顔面、
頭部の安全を確保する。

［実施例］ 以下図示の実施例に基づき本考案を具体的に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図で、符号10が
エアバッグ付インナーミラーであって、ステー11とステ
ー11の下端部にピボット12を介してミラー13を保持する
ミラーボデー14が回動自在に取付けられており、前記ス
テー11の上端面を車室の天井面に配置したベースにビ
ス、板バネ（いずれも図示省略）を用いて固定させるも
ので、前記ステー11の上端部内側に設けた空間部11aに
はエアバッグ15が収納されている。

前記エアバッグ15は、袋状で合成樹脂製の繊維からな
り両面をシリコンゴムでコーティングしたもので、一側
方の中央部にガス充填用の流入口16が形成されており、
この流入口16をガス発生装置17の噴射口18に取付け、固
定具18bを用いて締め付け固定し、通常は折畳んだ状態
で前記ガス発生装置17の上面に載置されている。

ガス発生装置17は、金属製の筒状ケーシング19内に配
置した点火用フィラメント20、伝火剤21、ガス発生剤22
を主要構成部材とする。すなわちケーシング19の中央部
に点火用フィラメント20を配置し、このフィラメント20
は車両のバンパー（図示省略）に取付けられた検出器Ｓ
が所定の衝撃荷重を検出したときに作動するスイッチン
グ回路SW及び電源Ｂに接続されている。そして前記フィ
ラメント20の先端にはフィラメント20を取り巻くように
ボロン硝石を主成分とする伝火剤21が充填されると共
に、前記伝火剤20の外側には難燃製のスクリーン23に包
囲されるようにしてアジ化ソーダを主成分とするガス発
生剤22が充填されている。

なお前記エアバッグ15、ガス発生装置17を収納するス
テー11の空間部11a上面には薄肉ヒンジ24を介してカバ
ー25が取付けられ、通常は前記カバー25の自由端側に設
けた係合爪26をステー11の外壁11bの内側に掛け止めて
いる。

［作用］ 次に前記構成の本考案のエアバッグ付インナーミラー
10の作用について説明する。

車両走行中に衝突事故が発生すると、バンパーに取付
けたセンサーＳが衝撃を感知し、スイッチング回路SWに
信号を送ってガス発生装置17の点火フィラメント20に通
電する。これにより点火フィラメント20が赤熱し、伝火
剤21に着火させ、ついでガス発生剤22に着火してこのガ
ス発生剤22から多量の窒素ガスを発生させる。窒素ガス
はスクリーンを通過して燃えカスの除去が行われ、かつ
冷却されたのちガス噴射口18からエアバッグ15に充填さ
れ、バッグ15を膨脹させる。ガスが充填され膨脹するエ
アバッグ15はバッグ収納空間11aの上面に配置されたカ
バー25を押上げて、ステー11の前面に突出すると共に、
膨脹状態でミラー13の前面に展張される。

それによりドライバーが衝突の衝撃でインナーミラー
10側に前のめり状態で突っ込んでも、エアバッグ15によ
って顔面、頭部が保護され、ミラー13、ミラーボデー14
に直接ぶつかることがなく、負傷を免れる。

なお前記実施例においては、インナーミラーを車両に
固定するタイプのものを用いて説明したが、一定の衝撃
により脱落する所謂脱落式のインナーミラー、また回転
回避式のインナーミラーにエアバッグを装着してもよ
い。

さらに本考案は、前記実施例に限定されるものではな
く、考案の趣旨を変更しない限度において種々の修正、
設計変更が可能であることはいうまでもない。

［考案の効果］ 本考案は前記の構成としたので、車両衝突時に生じる
ドライバーへの衝撃を緩和し、かつ頭部、顔面の負傷を
確実に防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は要部
の一部破断した図、第３図はセンサー、スイッチング回
路を示す図、第４図はエアバッグ膨脹状態を示す斜視図
である。 10:エアバッグ付インナーミラー 11:ステー、11a:空間部、11b:外壁 12:ピボット、13:ミラー、14:ミラーボデー、15:エアバ
ッグ、16:流入口、17:ガス発生装置、18:噴射口、18b:
固定具、19:筒状ケーシング、20:点火フィラメント、2
1:伝火剤、22:ガス発生剤、23:スクリーン、24:薄肉ヒ
ンジ、25:カバー、26:係合爪、S:センサー、SW:スイッ
チ、D:電源

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】インナーミラーのステー上端内側に折畳み
   状態のエアーバッグと、ガス発生装置を配置し、車両の
   前端部に取付けた検出装置によって、前記ガス発生装置
   を作動させてガスをエアバック内に充填し、前記エアー
   バッグをインナーミラー前面に突出させ、搭乗者の頭部
   とインナーミラーとの衝突を回避することを特徴とする
   エアーバッグ付きインナーミラー。