JP2514690Y2 - 振動部品供給機における部品整送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は振動部品供給機における部品整送装置に関す
るものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

例えば、数mm長さのコイルフィラメントのように、小
径に巻回したコイル部の両端部に、該コイル部に対して
長さのより大きい直線状の脚部を備えた部品は、パーツ
フィーダのらせん状のトラック内でからみを分離した
後、所定距離下流側にセットされた移送路上に落下さ
せ、両端の脚部を該移送路に跨がせることにより所望の
姿勢にし、更に、該移送路の終端部に間隙をおいて配設
されたリニア振動フィーダに転送するようにしている。

ところで、振動パーツフィーダの移送路上で移送され
てきた部品をリニア振動フィーダに乗り移す部分では、
種々のトラブルが生ずる。

振動パーツフィーダの移送路からリニア振動フィーダ
に転送する部分では、両者の振動が異なることから間隙
部で部品が詰まりやすい。コイルフィラメントのように
巻回部を備えた部品の場合には、特に部品が相互にから
みやすく、その進行が阻止される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記問題に鑑みてなされ、からみやすい部品
でも、部品の詰まりを速やかに処理し得る振動部品供給
機における部品整送装置の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は振動により所定の第１移送路及び該第１移
送路と間隔をおいて配設される第２移送路に沿って部品
を移送するようにした振動部品供給機における部品整送
装置において、前記第１移送路と前記第２移送路との間
の間隙の近傍に部品詰まり検知装置を設け、該部品詰ま
り検知装置により部品が詰まったことを検知したときに
は前記第２移送路を所定の軸の回りに所定量回動させ、
かつ前記間隙の近傍に配設された空気噴出手段を作動さ
せて、前記間隙の近傍で詰まっていた部品を外方へと吹
き飛ばし、所定時間後前記軸の回りに反対方向に回動さ
せ、前記第２移送路を前記第１移送路と整列させる位置
に復帰させるようにしたことを特徴とする振動部品供給
機における部品整送装置、によって達成される。

〔作用〕

上記構成によれば、検知装置が部品の詰まりを検知し
ていないときには、第２移送路は第１移送路に沿って位
置し、検知装置が部品の詰まりを検知したときには、前
記第２移送路を回動させ、その部分に空気噴出手段を作
動させることにより部品の詰まりを移送路から排除し、
所定時間後、第２移送路を反対方向に復帰させることに
より、部品の移送が再び可能となる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例による振動部品供給機における
部品整送装置について図面を参照して説明する。なお、
本考案で整送される部品ｍは、第１図に示したように、
小径、例えば１〜2mmの直径で巻回されたコイル部ma
と、該コイル部maの両端部に同一方向に延びる直線状の
脚部mb、mbとを備えたコイルフィラメントである。

第２図及び第３図において振動部品供給機は全体とし
て（１）で示され、この振動部品供給機（１）は振動パ
ーツフィーダ（50）と、該振動パーツフィーダ（50）に
部品ｍを供給するホッパ切出し装置（59）と、振動パー
ツフィーダ（50）の移送路の終端に、所定の間隔を隔て
て移送路が配置されたリニア振動フィーダ（86）とから
なっており、振動パーツフィーダ（50）には、からみ分
離装置（79）が配設されている。

振動パーツフィーダ（50）に形成された椀状のボール
（51）は公知のように、その底部に形成された可動コア
（52）がベースブロック（53）と傾斜した複数の板ばね
（56）により結合されており、ベースブロック（53）の
上にはコイル（54）を巻装した電磁石（55）が固定さ
れ、該電磁石（55）は上述の可動コア（52）と空隙をお
いて対向している。以上のようにして振動パーツフィー
ダ（50）のねじり振動駆動部が形成され、該ねじり振動
駆動部は筒（57）により被覆され、振動パーツフィーダ
（50）全体は防振ゴム（58）により基台Ｓ上に設置され
ている。

ホッパ切出し装置（59）は、ホッパ（62）とこれの切
出し手段である振動フィーダ（63）とからなり、この振
動駆動部を支持するブロックは基台Ｓから垂直に延びる
支柱上に防振ゴムを介して支持されている。

ボール（51）内には公知のようにスパイラル状に移送
トラック（60）が形成され、該移送トラック（60）は径
外方側に下向きに傾斜している。この移送トラック（6
0）の一部には孔（60a）が形成され、該孔（60a）に
は、第５図にも示されるようにＵ字状の吸引ダクト（7
6）が接続され、この上方の開口端（78）は部品からみ
分離装置（79）内に開口している。

吸引ダクト（76）には吸引装置（77）が設置され、該
吸引装置（77）により部品ｍを吸引して強制的にからみ
分離装置（79）に導入するようにしている。

からみ分離装置（79）のケーシング（81）の上壁部に
は、パンチメタル（80）が張設されており、その底部
（82）は傾斜しており、ここに落下した部品ｍは、ここ
を滑走し、からみ分離された部品ｍは再び振動パーツフ
ィーダ（50）と一体的に形成された受トラフ（83）内に
導かれるようになっている。

受トラフ（83）の終端部下方には、第６図に明示した
ように、振動パーツフィーダ（50）の第１の移送路（7
4）を構成する弧状の帯板（75）が移送トラック（60）
の側壁部に一体的に支持されており、該帯板（75）は、
第８図に明示したように、受トラフ（83）の側壁（83
a）に整列して、下方に段差をもって配置されている。

第９図及び第12A図に示したように、リニア振動フィ
ーダ（86）のトラフに形成された第２の移送路（11）
は、帯板（75）に形成された第１の移送路（74）と同一
平面上に配置され、これらは間隙Ｐをおいて配置されて
いる。又、この第２の移送路（11）の大部分は、該第２
の移送路（11）上を移送される部品ｍが落下しないよう
に、断面コ字状の押え板（15）によって覆われている。

リニア振動フィーダ（86）のトラフ（12）を取りつけ
たブロック（64）はウェイトブロック（66）と前後一対
の板ばね（65）によって結合され、ウェイトブロック
（66）は、下側取付ブロック（67）とばね常数の小さい
一対の防振用板ばね（68）（68）によって結合されてい
る。ウェイトブロック（66）の上面にはコイル（70）を
巻装した電磁石（71）が固定され、これは上述のブロッ
ク（64）に固定された可動コア（72）と空隙をおいて対
向している。

以上のように構成される振動駆動部は角筒（73）によ
り被覆され、リニア振動フィーダ（86）全体は、基台
（84）上にフィーダ高さ調整用ねじ（85）（85）を介し
て支持されている。

振動パーツフィーダ（50）に形成された第１の移送路
（74）と、リニア振動フィーダ（86）に形成された第２
の移送路（11）との間には、部品詰まり検知手段（2
0）、空気噴出手段（30）及び移送路傾斜手段（40）が
配設されている。

部品詰まり検知手段（20）は、反射式光センサ（21）
からなるもので、該光センサ（21）は、押え板（15）に
支持され、その検出部は間隙Ｐの近傍に臨んでいる。光
センサ（21）は間隙Ｐ付近の部品ｍの詰まりを検知し、
これを検知すると図示しない制御器に出力する。

空気噴出手段（30）は、圧縮空気源に接続されたノズ
ル（31）からなるもので、間隙Ｐの上流側で第１の移送
路（74）の上方からほぼ間隙Ｐへの方向に向かって噴出
空気を吹きつける位置に、吐出口（31a）の向きが調節
されている。上記部品詰まり検知手段（20）で部品の詰
まりが検知されると、上記制御器からの出力により、所
定時間、強い空気流が噴出される。

移送路傾斜手段（40）は、第１の移送路（74）に臨む
第２の移送路（11）に関連して構成されている。第２の
移送路（11）の第１の移送路（74）側の端部は、軸（4
1）によって回動自在に支承された搬送板（42）によっ
て構成され、該搬送板（42）に移送路傾斜手段（40）が
設けられている。

搬送板（42）は、第11図に示したように、第２の移送
路（11）を上面に形成した立設片（43）と、該立設片
（43）をねじ（44）によって固定した支持片（45）とか
らなり、該搬送板（42）は、歯車（46）を備えた軸部材
（47）に回動軸（41）を介して一体的に支持されてい
る。回動軸（41）はねじ（48）（48）により、軸部材
（47）及び搬送板（42）を一体的に組付けし、これによ
り、歯車（46）が回動すると搬送板（42）も共に回動す
る。又、軸部材（47）はボール（51）に取りつけられた
装置フレーム（49）にベアリング（７）（７）を介して
回動自在に支承されている。

歯車（46）の歯（46a）には、ラック（８）の歯（8
a）が噛合している。ラック（８）は、シリンダ装置
（９）のシリンダロッド（10）の先端部に支持され、上
記制御器からの指令によりシリンダ装置（９）が作動さ
れると、シリンダロッド（10）の伸縮により、ラック
（８）は歯車（46）を一方向に又は他方向に回動させ
る。

なお、第10図及び第11図に示した符号（68）はポケッ
トを示したもので、該ポケット（68）に落下した部品ｍ
は振動パーツフィーダ（50）のボール（51）内に戻され
る。

本考案の一実施例による部品整送装置を備えた振動部
品供給機（１）は以上のように構成されるが、次にその
作用について説明する。

ホッパ（62）内には大量の部品ｍが投入されている。
ホッパ切出し装置（59）の駆動部を駆動すると、振動に
よりホッパ（62）から部品ｍがボール（51）の中央底部
（61）へと切り出される。切り出された部品ｍはボール
（51）の公知のねじり振動によりトラック（60）の登り
口へと導かれるが、振動により移送されていく部品ｍの
姿勢は、その脚部mb、mb又はコイル部maをトラック（6
0）の側壁にガイドされて搬送される。トラック（60）
の孔（60a）に至ると、部品ｍは該孔（60a）から部品か
らみ分離装置（79）へと吸引装置（77）の作用によりダ
クト（76）に全て吸引されて、からみ分離装置（79）の
ケーシング（81）の上壁部としてのパンチメタル（80）
に勢いよく吹き飛ばされこれと衝突され、からんでいる
部品はこれにより分離される。部品ｍは底部（82）に落
下すると、ここを滑走し再び振動パーツフィーダ（50）
の受トラフ（83）へと導かれる。

部品受トラフ（83）へと導かれた部品ｍは、その最終
端から下方の帯板（75）上に落下し（第６図及び第７図
参照）、その大部分は脚部mb、mbが第１の移送路（74）
を跨ぐ姿勢となり帯板（75）に保持される。こうして、
第１の移送路（74）により姿勢を保持された部品ｍは、
該第１の移送路（74）の最終端部から間隙Ｐを越えてリ
ニア振動フィーダ（86）の第２の移送路（11）に転送さ
れる。以後、リニア振動フィーダ（86）の振動力を受け
て、上方を押え板（15）により姿勢を保持されて、所定
位置に搬送される。

今、第１の移送路（74）と第２の移送路（11）との間
の間隙Ｐで部品ｍが詰まったとする。部品ｍの搬送がこ
こで停止すると、部品詰まり検知手段（20）の光センサ
（21）がこれを検知し、制御器に出力する。制御器は、
光センサ（21）からの信号により、空気噴出手段（30）
及びシリンダ装置（９）に出力信号を送信し、これによ
りノズル（31）は、以後所定時間強い空気流を噴出す
る。

一方、シリンダ装置（９）では、制御器からの信号に
よりシリンダロッド（10）が延び、ラック（８）によ
り、歯車（46）が第10図において時計方向に回動し、こ
れにより搬送板（42）が回動軸（41）を支点として回動
し、第２の移送路（11）としての搬送板（42）は第１の
移送路（74）との整列が解除され、第１の移送路（74）
側に向かって下向きに傾斜する。これにより、間隙Ｐの
近傍で詰まった部品ｍ及び搬送が停止していた部品ｍは
全て下方に落下もしくは滑走し、ポケット（68）内に収
容され、振動パーツフィーダ（50）に戻される。この
際、第１の移送路（74）の排出端付近の部品ｍも同時に
空気噴出手段（30）からの空気流によりポケット（68）
内に落下する。

部品詰まり検知手段（20）が部品ｍの詰まりを検知し
てから所定時間が経過すると、空気噴出手段（30）は噴
出停止し、シリンダ装置（９）のシリンダロッド（10）
は元の位置に復動し、歯車（46）がこれに応じて回動
し、第２の移送路（11）が第１の移送路（74）に整列す
る位置に復帰する。以上により、部品ｍの詰まりは確実
に除去され、搬送されてくる部品ｍの転送が可能とな
る。

以上、本考案の実施例について説明したが、勿論、本
考案はこれに限定されることなく本考案の技術的思想に
基いて種々の変形が可能である。

例えば、以上の実施例ではホッパ切出し装置としては
ホッパと振動フィーダのトラフが一体化した装置を説明
したが、勿論これらは別体として形成され、ホッパは静
止部に対し支持されるようにしてもよい。又ホッパから
の切り出し手段ととしては、振動フィーダを用いたがこ
れに限ることなく、ベルトフィーダやあるいは他の切り
出し手段を用いるようにしてもよい。

なお、以上の実施例では、搬送板（42）の傾斜する角
度の規制について特に述べなかったが、シリンダ装置
（９）内でのエア給排によるピストン（シリンダロッド
（10）と一体）の移動に対するストッパ手段や、その他
部材に設けたリミットスイッチのON-OFF信号によりエア
給排の制御を行なうようにしてもよい。

又、シリンダ装置（９）に代えて、歯車（46）を直
接、パルスモータで所定量、駆動するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る振動部品供給機におけ
る部品整送装置では、部品の詰まりが検知されると、第
２の移送路が所定量回動し、詰まっていた部品が空気噴
出手段により外方へと吹き飛ばされるので、部品の詰ま
りを速やかに処理し、解除することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に適用される部品の拡大斜視図、第２図
は本考案による振動部品供給機の部分破断側面図、第３
図は同平面図、第４図は第３図におけるIV-IV線方向断
面図、第５図は第３図におけるＶ−Ｖ線方向の一部断面
斜視図、第６図は第５図の部分破断斜視図、第７図は第
６図における部品の搬送姿勢の動作変化を説明する側面
図、第８図は第７図の正面図、第９図は本考案の要部の
拡大平面図、第10図は第９図の部分破断側面図、第11図
は第10図におけるXI-XI線方向の側断面図、第12A図及び
第12B図はそれぞれ本考案の要部の動作を説明する部分
側断面図である。 なお、図において （１）……振動部品供給機 （９）……シリンダ装置 （11）……第２の移送路 （20）……部品詰まり検知手段 （30）……空気噴出手段 （41）……回動軸 （42）……搬送板 （74）……第１の移送路 Ｐ……間隙

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】振動により所定の第１移送路及び該第１移
   送路と間隔をおいて配設される第２移送路に沿って部品
   を移送するようにした振動部品供給機における部品整送
   装置において、前記第１移送路と前記第２移送路との間
   の間隙の近傍に部品詰まり検知装置を設け、該部品詰ま
   り検知装置により部品が詰まったことを検知したときに
   は前記第２移送路を所定の軸の回りに所定量回動させ、
   かつ前記間隙の近傍に配設された空気噴出手段を作動さ
   せて、前記間隙の近傍で詰まっていた部品を外方へと吹
   き飛ばし、所定時間後前記軸の回りに反対方向に回動さ
   せ、前記第２移送路を前記第１移送路と整列させる位置
   に復帰させるようにしたことを特徴とする振動部品供給
   機における部品整送装置。
2. 【請求項２】前記第１移送路及び前記第２移送路に部品
   を懸吊姿勢で移送するようにした請求項（１）に記載の
   振動部品供給機における部品整送装置。