JP2514285Y2

JP2514285Y2 - 調理器

Info

Publication number: JP2514285Y2
Application number: JP1992003917U
Authority: JP
Inventors: 清岡部; 正美山岡
Original assignee: 山岡金属工業株式会社
Priority date: 1992-02-05
Filing date: 1992-02-05
Publication date: 1996-10-16
Anticipated expiration: 2006-10-16
Also published as: JPH0565092U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、焼肉等を行う調理器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ホテル等のパーテイ会場でステー
キ等を焼く調理器が普及してきている。この調理器は、
下側にキヤスターが付いた大型の移動式のもので、熱源
として、ガス、電気等が使用されているが、安全性およ
び調理効率を考慮して、電磁誘導加熱方式のものが利用
されてきている。この種の調理器は、電磁誘導加熱コイ
ルにより、その上側に配された磁性材を有する調理板に
うず電流を生じさせて調理板を急激に高温にし、調理の
効率を高めていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、この種の調理
器は、電磁誘導加熱コイルの直上の調理板中央部分のみ
が、急激に高温に熱せられるので、中央部分では肉焼が
可能であるが、調理板の周辺部は、低温となつており、
肉焼には適さない。また、周辺部も高温にする手段とし
て、電磁誘導加熱コイルを周辺部にも配して、調理板全
面が急激に高温になるよう構成することも考えられる
が、この場合、加熱コイルが高価で大容量の電源を要す
るといった問題が生じる。

【０００４】一方、ステーキを需要者に供給するとき、
いわゆる「付け合わせ」として野菜等を同時に提供して
いる。これらの野菜等は、予めボイルしたものを調理板
で再度温めて提供するため、調理板の中央で肉を加熱
し、周辺で野菜等を加熱する。しかし、この場合、中央
に加熱コイルを有していても、調理板の周辺は低温であ
るため、肉の調理完了時に野菜等の付け合わせがほとん
ど加熱されていない場合が多い。

【０００５】また、調理板の周辺に加熱コイルがあった
としても、一旦ボイルした野菜を急激に加熱すればこげ
目が付くので、付け合わせの調理部としても適さない。

【０００６】本考案は、上記に鑑み、中央部を肉焼等の
調理に適するよう高温下で急激に加熱し、周辺部を付け
合わせ等の調理に適するよう徐々に加熱し、調理板の全
面を有効に利用できる調理器を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案による課題解決手
段は、図１，２の如く、被調理物を直接加熱調理するた
めの磁性材を有する調理板２と、該調理板２の下面中央
部に配され肉焼等の調理に適するよう前記調理板２を急
激に高温加熱するための電磁誘導加熱コイル３と、前記
調理板２の下面周辺部に配され野菜等の調理に適するよ
う前記調理板２を徐々に加熱する電気ヒータとを備えた
ものである。

【０００８】

【作用】上記課題解決手段において、電源を入れると、
調理板２上の中心部が電磁誘導加熱コイル３の磁力線に
より、うず電流を生じて急激に高温になる。また、調理
板２上の周辺部が電気ヒータ４の輻射熱により、徐々に
温度上昇する。

【０００９】このとき、調理板２の中央部が高温に達し
ていても、周辺部においては温度上昇の過程であって徐
々に加熱されるため、調理板２の中央部で急激な高温加
熱に適した肉焼等の調理を行い、調理板２の周辺部で徐
々に加熱するのに適した野菜等の付け合わせの調理が行
える。

【００１０】

【実施例】図１は本考案の一実施例に係る調理器の断面
図、図２は電磁誘導加熱コイルと電気ヒータの配置を示
す調理器の平面図、図３は調理器の正面図、図４は調理
器の側面図、図５のＡは電磁誘導コイル、Ｂは電気ヒー
タの各温度上昇を示す図である。

【００１１】本実施例の調理器は、図１ないし図４の如
く、調理器本体１の上部に着脱自在に取付けられた磁性
材を有する調理板２と、該調理板２の中央下部に配され
た電磁誘導加熱コイル３と、該電磁誘導加熱コイル３の
外側で前記調理板２の周囲に配された電気ヒータ４とを
備えたものである。

【００１２】前記調理器本体１内には、調理時に発生し
た燃焼煙を吸引する吸引ダクト５が形成されている。な
お、図１中、７は吸気孔、８は燃焼煙の油ミストや煙分
を除く油煙集塵器、９は排気孔である。

【００１３】前記電磁誘導加熱コイル３は、調理板２の
下面中央に結晶化硝子１０および断熱材１１を挟んで固
設され、磁力線により調理板２にうず電流を発生させて
急激に調理板上の肉等を高温加熱するための電気回路
（整流回路、インバータ回路等）が接続されている。

【００１４】前記電気ヒータ４は、シーズヒータであ
り、調理板２の下面周辺に固設されている。また、電磁
誘導加熱コイル３および電気ヒータ４による加熱温度
は、調理器本体１に配された電磁側温度調節器１２およ
びヒータ側温度調節器１３により、調節可能とされてい
る。

【００１５】なお、図中、１４はフード、１５は折り畳
み自在、着脱自在なテーブル、１６ａ，１６ｂは吸排出
口、１７は取手、１８は電磁コントロールモジユール、
１９はコントロールモジユール冷却フアン、２０はダス
ト投入口、２１はダストボツクス、２２は電磁部スイツ
チ、２３はヒータスイツチ、２４はパイロツトランプで
ある。

【００１６】上記構成の調理器において、電源を入れ
て、スイツチオンすると、調理板２上の中心部が電磁誘
導加熱コイル３の磁力線によりうず電流を生じて、図５
のＡの如く、急激に高温になる。また、調理板２上の周
辺部が電気ヒータ４の輻射熱により、図５のＢの如く、
徐々に温度上昇する。

【００１７】この調理板２上で、ステーキと付け合わせ
の野菜等を調理するとき、調理板２の中央部が急激に加
熱され高温Ｔ（約２００℃）になると、調理板２の中央
部でステーキを焼き始め、それと同時に周辺部で付け合
わせの野菜等を加熱し始める。

【００１８】このとき、調理板２の中央部が高温Ｔに達
していても、周辺部においては、温度上昇の過程であ
り、付け合わせの野菜等を加熱し始めるには適度な温度
となっている。そして、ステーキの調理完了時には、付
け合わせの野菜等は、徐々に加熱されることにより、こ
げ目が付かず、ほどよく調理されている。

【００１９】また、続けて上記調理を繰り返すときも、
調理板２の中央部は加熱コイルによって迅速に設定温度
に達し、また調理板２の周辺部は、その都度、付け合わ
せの野菜等と熱交換を行って常に温度上昇の過程にある
ため、ほどよく調理が行える。なお、図５中、ｔ₁は約
５分、ｔ₂は２０分〜４０分である。

【００２０】このように、調理板２の中央部が肉焼等の
調理に適するよう電磁誘導加熱コイル３により急激に高
温加熱され、周辺部が付け合わせ等の調理に適するよう
電気ヒータ４により徐々に加熱されるため、調理板２の
全面を有効に利用することができ、調理の効率が向上す
る。

【００２１】なお、本考案は、上記実施例に限定される
ものではなく、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。

【００２２】

【考案の効果】以上の説明から明らかな通り、本考案に
よると、調理板の中央部が肉焼等の調理に適するよう電
磁誘導加熱コイルにより急激に高温加熱され、周辺部が
野菜等の調理に適するよう電気ヒータにより徐々に加熱
されるため、調理板の全面を有効に利用することがで
き、調理の効率が向上するといった優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る調理器の断面図

【図２】電磁誘導加熱コイルと電気ヒータの配置を示す
調理器の平面図

【図３】調理器の正面図

【図４】調理器の側面図

【図５】Ａは電磁誘導コイル、Ｂは電気ヒータの各温度
上昇を示す図

【符号の説明】

２調理板３電磁誘導加熱コイル４電気ヒータ

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被調理物を直接加熱調理するための磁性
材を有する調理板と、該調理板の下面中央部に配され肉
焼等の調理に適するよう前記調理板を急激に高温加熱す
るための電磁誘導加熱コイルと、前記調理板の下面周辺
部に配され野菜等の調理に適するよう前記調理板を徐々
に加熱する電気ヒータとを備えたことを特徴とする調理
器。