JP2514151B2 - シリンダ洗浄装置用パット - Google Patents

シリンダ洗浄装置用パット

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JP2514151B2
JP2514151B2 JP5051381A JP5138193A JP2514151B2 JP 2514151 B2 JP2514151 B2 JP 2514151B2 JP 5051381 A JP5051381 A JP 5051381A JP 5138193 A JP5138193 A JP 5138193A JP 2514151 B2 JP2514151 B2 JP 2514151B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート状部材としての枚
葉紙を把持する爪の際に洗浄布を圧接するのに好適なシ
リンダ洗浄装置用パットに関する。
【0002】
【従来の技術】枚葉紙印刷機には、圧胴などのシリンダ
の外周面にインクなどが付着し印刷用紙などを汚すこと
を防止するために、シリンダの外周面を洗浄するシリン
ダ洗浄装置が設けられている。シリンダ洗浄装置として
は洗浄布を背面からパットやブレードなどの押圧部材に
よりシリンダの外周面に押圧し、相対的に移動させて洗
浄を行う型式のものが広く用いられている。洗浄布の供
給・巻取り機構および押圧部材は洗浄ユニットとして構
成されている。
【0003】押圧部材による洗浄布のシリンダ外表面へ
の圧接方式としては、洗浄ユニットをシリンダに対して
所定の間隔で定置させ、洗浄時にパット内に圧縮空気を
供給して膨張させ洗浄布をシリンダ外表面に圧接するも
の、また洗浄ユニットをシリンダに対して直線的に移動
させる機構、あるいは洗浄ユニットを軸に支持し、この
軸回りに回動させる機構を設け、洗浄作業のシーケンス
に合わせてシリンダ方向に移動させ、押圧部材により洗
浄布をシリンダ外表面に圧接するものなどが知られてい
る。
【0004】このように構成されたシリンダ洗浄装置を
枚葉紙印刷機の圧胴に適用する場合、枚葉紙を把持する
爪部分では洗浄ユニットを圧胴から離間させる必要があ
る。この洗浄ユニットを離間させるための機構は従来か
ら種々の提案がなされており、例えばカムを圧胴の端面
に設け、このカムによって作動するレバーを介して洗浄
ユニットをシリンダの外周面から離間させるもの、また
洗浄ユニットの駆動部にエアシリンダを用い、このエア
シリンダを押圧部材が爪の部分を通過するタイミングで
作動させ、洗浄ユニットをシリンダ外表面から離間させ
るもの、あるいは押圧部材に爪を逃げる切欠部を設け、
押圧部材がシリンダの外周面に押圧されているときに爪
が押圧部材の切欠部を通過させ、爪が押圧部材に衝突す
るのを避けるようにしたものなどがある。
【0005】この種の提案としては、特開昭63ー37
946号公報、特開昭64ー34742号公報、特開平
1ー122438号公報、特開平2ー108543号公
報などに記載されたものが公知である。近時、枚葉紙の
印刷においては、爪際まで印刷するようになってきてお
り、この爪際のシリンダの外周面の洗浄も印刷品質を低
下させないために重要な課題となってきた。この爪際の
洗浄は爪の部分で離間させた押圧部材を爪の通過直後に
シリンダ方向に移動させ、洗浄布を爪際に圧接すること
により行われている。特に、圧接プレート方式は爪際に
洗浄布を確実に圧接し易いことから、この種のシリンダ
装置に用いられるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧接プレー
ト方式は洗浄布をシリンダの外周面に圧接する面積が圧
接プレートの厚みだけなので、従来のパット方式に比べ
て、所定の洗浄時間内での洗浄効果が十分に得られな
い。そこで、洗浄布の圧接面積を広くするため、圧接プ
レートに対して所定の間隔を設けて、シリンダの外周面
に先端が非接触な部材を平行に配置し、この部材と圧接
プレートの先端部分を結ぶ線がシリンダの輪郭円の線分
の一部をよぎるように構成し、この間に張架される洗浄
布がシリンダの外周面に圧接されるようになっている。
しかし、この方式でもシリンダの外周面に圧接される洗
浄布でプレートから外れた部分の圧接力は洗浄布の張力
によっているため、十分に働かず、この部分の洗浄布に
よる洗浄効果の改善が望まれていた。
【0007】本発明の目的は、シート状部材を把持する
爪際およびシリンダの外周面に確実に洗浄布を圧接し、
洗浄することができるシリンダ洗浄装置用パットを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の本発明はシリンダの外周面に洗浄布を圧
接するシリンダ洗浄装置用パットにおいて、シリンダの
回転方向の上流側に位置される第一の押圧部と該第一の
押圧部に対してシリンダの回転方向の下流側に位置され
る第二の押圧部が弾性材料により一体成形され、第一の
押圧部は弾性変形によって洗浄布をシリンダ表面に押圧
する構造とし、第二の押圧部にはシリンダに対向する面
とシリンダの長手方向に伸びる側部の面の双方にまたが
るように折り曲げられた金属プレートが設けられ、該金
属プレートの折曲げ部分で洗浄布をシリンダ表面に圧し
当てるようにした構成にある。
【0009】また他の発明は、請求項1の発明におい
て、次の構成を備えていることを特徴とする。 (1)シリンダ洗浄装置を構成するサポートバーに、取
付け部材を用いて装着されるパットであって、取付け部
材の係止する取付け用成形部がパットの長手方向の両側
部に設けられている。 (2)第一の押圧部が洗浄布に当接される薄肉の弾性材
層と該弾性材層の背面に添着されたスポンジなどの軟質
弾性材層の2層構造になっている。 (3)第一の押圧部と両側部で囲われた内側に空間を持
つパットであって、該パット内側で第一の押圧部の背部
に介在された軟質弾性部材と、パット内側の空間に挿入
される芯材とを備えている。 (4)第一の押圧部と両側部で囲われた内側に空間を持
っており、シリンダ洗浄装置を構成するサポートバー
に、取付け部材を用いて装着されるパットであって、取
付け部材の係止する取付け用成形部がパットの長手方向
の両側部に設けられているとともに、パット内側の空間
に挿入される芯材を設け、該芯材にはパット側部の端面
に当接する鍔部が形成されている。
【0010】
【作用】洗浄動作が開始されると、押圧部はシリンダの
爪を通過するタイミングに合わせて駆動され、爪際を含
むシリンダの外周面に洗浄布を圧接させて洗浄を行う。
すなわち、弾性押圧部はその弾性変形により洗浄布を幅
広にシリンダの外周面に圧接し、十分な接触面積によっ
て洗浄を行わせることができる。また弾性押圧部では洗
浄布を圧接することができない爪際に対して金属押圧部
の先端部分が圧接するため、この爪際部分のシリンダの
外周面も十分に洗浄することができる。
【0011】また弾性押圧部を2層構造とするパットに
よれば、洗浄布に当接する押圧部を薄肉の弾性材層に形
成し、弾性変形をし易くすることができ、その弾性復元
力の不足を軟質弾性押圧部によって補うことができるた
め、パットの支持構造が簡単な比較的硬い弾性材を使っ
て弾性押圧部を形成することができる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明のシリンダ洗浄装置の実施例
を図面を参照して説明する。図1はシリンダ洗浄装置用
パットの断面による構成を示す。図2は枚葉紙印刷機の
圧胴シリンダに設置されたシリンダ洗浄装置を側面から
見た主要構成を示す。
【0013】図2において、圧胴シリンダ(以下シリン
ダと記す)1の外周には枚葉紙を把持する紙くわえ爪2
が所定の間隔で複数設けられている。シリンダ1に対峙
してシリンダ洗浄装置が配置されている。シリンダ洗浄
装置の主要部をなす洗浄ユニット10は本機フレーム間
に取り付けられた横梁11にベースプレート12を介し
て固定されている。洗浄ユニット10は洗浄布13を連
続または間欠的に供給する洗浄布供給機構14と、供給
された洗浄布13の背面側を押圧し、シリンダ外表面に
圧接するためのパット21を備えた洗浄布押圧機構15
から構成されている。
【0014】ベースプレート12の本機フレーム側の両
端部にはサイドフレーム16が取り付けられており、こ
のサイドフレーム16間にはシリンダ1の軸方向に平行
に、洗浄布供給機構14を構成する布供給ロール17及
び布巻取ロール18のロール軸17a,18aが回転自
在に支持されている。
【0015】布供給ロール17の一方の軸端にはサイド
フレーム16に取り付けられたブレーキ(図示せず)が
係合しており、洗浄時に布供給ロール17の回転を制動
し、この布供給ロール17から供給される洗浄布13に
テンションを与えて洗浄布のたるみを防止するようにし
ている。また布巻取ロール18の一方の軸端はサイドフ
レーム16に取り付けられた軸巻上げ手段(図示せず)
の出力軸に連結されており、洗浄時に軸巻上げ手段によ
り布巻取ロール18を回転させ、布供給ロール17から
洗浄布13を引き出し、布ガイド部材20を介して布巻
取ロール18に巻き取るようになっている。
【0016】洗浄布押圧機構15は、洗浄布13の背面
側を押圧するパット21、このパット21を支持する圧
着レバー22、この圧着レバー22を作動させるアクチ
ュエータ(図示せず)とからなっている。圧着レバー2
2は、布供給ロール17の端面と対をなすサイドプレー
ト16間の布供給ロール17の軸17aと同軸上に回動
自在に配備されている。圧着レバー22の回動支点から
離れた位置にサポートバー23が固定されており、この
サポートバー23のシリンダ1の軸方向に平行な側面に
パット21を装着するための取付け金具24がネジ止め
されている。取付け金具24は、パット21の長手方向
の両側面に形成された溝21aに挿入される係止部24
aが設けられている。ここで、溝21aはサポートバー
23にパットを装着するために設けられた、取付け部材
としての取付け金具24が係止する取付け用成形部を構
成するものである。
【0017】パット21は、図1に示すように、ゴム、
プラスチックなどの弾性体により形成されたパット本体
を有し、このパット本体は洗浄布13の背面に当接され
る円弧状の弾性押圧部30と、この弾性押圧部30に連
続して形成されたパット側部31および32と、弾性押
圧部30と一方のパット側部32の連結部分に金属プレ
ートを取り付けるための金属プレート装着部33によっ
て構成されている。弾性押圧部30と両パット側部3
1,32とで囲われた内側は空間を形成しており、その
空間は弾性押圧部30の反対側が開放されている。空間
にはプラスチックなどにより形成された芯材34が挿入
されている。ここで、弾性押圧部30はシリンダの回転
方向の上流側に位置される第一の押圧部を構成し、また
金属プレート装着部33は弾性押圧部30に対してシリ
ンダの回転方向の下流側に位置される第二の押圧部を構
成するものである。
【0018】芯材34には鍔部34aが設けられてお
り、この鍔部34aをパット側部31,32の端面に当
接させ、パット本体と一体化されている。弾性押圧部3
0の裏側には芯材30との間にスポンジなどの軟質の弾
性体35が配備されている。すなわち、パット21で洗
浄布13をシリンダ1の外周面に押圧したとき、押圧部
30はスポンジ35と共に弾性変形し、所定幅の洗浄布
をシリンダの外周面に圧接する。このとき、パットの圧
接力は押圧部30とスポンジ35のそれぞれの弾性力が
一緒に作用する力になる。
【0019】パット側部31および32の外面には、長
手方向に沿って溝21aが形成されており、パット21
を圧着レバー22に装着する際に、取付け金具24の係
止部24aが係止される。金属プレート装着部33は、
弾性押圧部30側に下り勾配の面とパット側部32の面
を備えており、この2つの面にまたがるように折り曲げ
られた金属プレート36が接着剤により固着されてい
る。金属プレート36の折曲げ部分は爪際を含むシリン
ダの外周面に圧接される、かきとり部36aを形成する
ものである。ここで、金属プレート36とそれを取り付
ける金属プレート装着部33は金属押圧部37を構成す
るものである。
【0020】弾性押圧部30と金属プレート36のかき
とり部36aは、パット21を洗浄位置(図2中の実線
で示す)に移動させたときに、洗浄布13を爪際を含む
シリンダ1の外周面に圧接するようになっている。次に
本実施例の作用を説明する。非洗浄時の圧着レバーは、
図2の一点鎖線で示すように、パット21をシリンダ外
周面から離間させる位置に移動させ、パット21を退避
させている。
【0021】洗浄時には爪2の通過タイミングに同期さ
せてアクチュエータを作動させ、圧着レバー22を矢印
A方向に回動させる。このとき、パット21のかきとり
部36を矢印B方向に回転するシリンダ1の爪際の外周
面に圧接させる。この状態でかきとり部36および弾性
押圧部30にて押圧された洗浄布13によりシリンダの
外周面の洗浄が行われる。
【0022】シリンダ1が1回転してかきとり部が爪装
着部に差しかかるタイミングでアクチュエータを作動さ
せ、圧着レバーを反矢印A方向に回動させてパット21
を離間させる。この離間時に使用された洗浄布を巻き上
げ、新しい洗浄布を供給する。この動作を所定回数繰り
返することにより、爪際を含むシリンダの外周面が洗浄
される。ここで、パットの洗浄布押圧動作およびシリン
ダに対する離間動作を行わせるための作動タイミングは
シリンダの回転位相を検出するエンコーダまたはカムな
どから発生する信号によって決められる。
【0023】本実施例によれば、パットの薄肉の弾性押
圧部により洗浄布をシリンダの外周面に押圧するため、
弾性押圧部およびスポンジの柔軟性によってニップ幅を
広く取ることができ、シリンダの胴中を均一に洗浄する
ことができる。また金属プレートからなるかきとり部に
より爪の際やシリンダの外周面に付着した紙粉やパウダ
などをかき落としながら洗浄する。上記実施例では、オ
フセット印刷機の圧胴洗浄装置用パットについて説明し
たが、他のシリンダ洗浄装置に応用しても同様の効果を
得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
弾性押圧部と金属押圧部を隣接して配置することによ
り、弾性押圧部にて広いニップ幅によって洗浄布を圧接
し、シリンダを均一に洗浄すると共に、金属押圧部にて
爪際に洗浄布を圧接して洗浄しかつシリンダの外周面に
こびりついた埃などの付着物をかき落とし、シリンダの
外周面全体を十分に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシリンダ洗浄装置用パットの断面図
である。
【図2】 シリンダ洗浄装置の主要部を側方から見た構
成図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、2…爪、10…洗浄ユニット、12…ベ
ースプレート、14…洗浄布供給機構、15…洗浄布押
圧機構、17…布供給ロール、18…布巻取りロール、
21…パット、22…圧着レバー、23…サポートバ
ー、24…取付け金具、30…弾性押圧部、31,32
…パット側部、34…芯材、35…スポンジ、36…金
属プレート、37…金属押圧部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの外周面に洗浄布を圧接するシ
    リンダ洗浄装置用パットにおいて、前記シリンダの回転方向の上流側に位置される第一の押
    圧部と該第一の押圧部に対してシリンダの回転方向の下
    流側に位置される第二の押圧部が弾性材料により一体成
    形され、前記第一の押圧部は弾性変形によって洗浄布を
    シリンダ表面に押圧する構造とし、前記第二の押圧部に
    は前記シリンダに対向する面とシリンダの長手方向に伸
    びる側部の面の双方にまたがるように折り曲げられた金
    属プレートが設けられ、該金属プレートの折曲げ部分で
    前記洗浄布をシリンダ表面に圧し当てることを特徴とす
    シリンダ洗浄装置用パット。
  2. 【請求項2】 シリンダ洗浄装置を構成するサポートバ
    ーに、取付け部材を用いて装着されるパット本体に、前
    記取付け部材の係止する取付け用成形部が前記パットの
    長手方向の両側部に設けられていることを特徴とする請
    求項1記載のシリンダ洗浄装置用パット。
  3. 【請求項3】 第一の押圧部が洗浄布に当接される薄肉
    の弾性材層と該弾性材層の背面に添着されたスポンジな
    どの軟質弾性材層の2層構造になっていることを特徴と
    する請求項1記載のシリンダ洗浄装置用パット。
  4. 【請求項4】 第一の押圧部と両側部で囲われた内側に
    空間を持つパットであって、該パット内側で前記第一の
    押圧部の背部に介在された軟質弾性部材と、前記パット
    内側の空間に挿入される芯材とを備えていることを特徴
    とする請求項1記載のシリンダ洗浄装置用パット。
  5. 【請求項5】 第一の押圧部と両側部で囲われた内側に
    空間を持っており、シリンダ洗浄装置を構成するサポー
    トバーに、取付け部材を用いて装着されるパットであっ
    て、前記取付け部材の係止する取付け用成形部が前記パ
    ットの長手方向の両側部に設けられているとともに、前
    記パット内側の空間に挿入される芯材を設け、該芯材に
    は前記パット側部の端面に当接する鍔部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のシリンダ洗浄装置用
    パット。
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