JP2512845Y2 - 燃圧レギュレ―タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は主として、電磁燃料噴射弁によって燃料をエ
ンジンの吸気管内に噴射する低圧燃料噴射装置におい
て、前記電磁燃料噴射弁の燃料流入側の燃料圧力を一定
に保つ燃圧レギュレータの構成に関する。

［従来技術］ 第２図は特公昭49-37049号開示の圧力調整弁の構成を
示す。

第２図において符号１は弁筐体、２は前記弁筐体１に
形成された弁室、３は前記弁室２の中心部に開口し燃料
流出通路に通じる弁口、４はダイアフラムで該ダイアフ
ラム４は前記弁室２が開口する前記弁筐体１の端面と蓋
体５との間に配置され、該ダイアフラム４は前記弁口３
を開閉する弁体６を備え、前記蓋体５と前記ダイアフラ
ム４との間にはコイルスプリング７が配置されて前記ダ
イアフラム４を前記弁体６が前記弁口３を閉じる方向に
付勢する。８は前記弁室２に燃料系、例えば図に示して
いない前記電磁燃料噴射弁の燃料流入側と導通する燃料
圧力導入通路であって、燃料圧力が特定の圧力迄上昇す
ると、前記ダイアフラム４は前記コイルスプリング７の
付勢に抗し、前記弁体６を伴って前記コイルスプリング
７を圧縮するから、前記弁体６は前記弁口３の周縁に形
成された弁座９から離座して燃料が前記弁口３から流出
して燃料圧力が前記特定圧力以上に上昇することが防止
されて、燃料系の圧力が特定圧力の保たれる。而して前
記弁体６は円板状の弁板６−１と球状部材６−２とが一
体に形成されてなり、前記ダイアフラム４に固定された
保持体10と保持板11とによって揺動自在に保持されて、
開弁時に前記弁座９と弁板６−１との平行が保たれて、
特定圧力を超えた圧力と開弁時の流路断面積との間に一
定の関係が得られて燃圧が正しく制御される。第３図は
弁体６、該弁体６の保持体10と保持板11との拡大図であ
る。

第４図は特開平1-92572号開示の燃料圧力調整器の構
成を示し、１から11までの各符号は第２図、第３図中の
符号と同一の部分を示す。弁体６が、弁座９に着座する
球面部分６−３と保持体10に保持される板状部分６−４
とからなり、該板状部分６−４が保持体10と保持板11と
によって、保持体10又は保持板11に対して摺動自在に保
持されて弁体６と弁座９との同心が与えられる。

第２図、第３図の構成、第４図の構成は弁体６、保持
板11が極めて小さい部品で保持体10に取付ける作業が困
難であるため、簡素化した第５図に示す構成の燃圧レギ
ュレータを試みた。

第５図において１から８に至る各符号は第２図、第３
図、第４図中の符号と同一の部分を示す。第５図の構成
では円板状の板部材からなる弁体６が、コイルスプリン
グ７の受皿12と共に直接ダイアフラム４に固定されてい
て、弁座９と該弁座９に着座すべき弁体６の平面との平
行を得ることが困難であって、開弁時、弁座９と弁体６
とが片当りとなり、開弁圧力が低下すると云う問題があ
る。弁体６の平面と弁座９の平面との平行が得難い原因
は、ダイアフラム４を弁筐体１と蓋体５との間に組付の
際に、最初から弁体６が弁座９に対して傾斜すること、
コイルスプリング７の両端面が組付前から平行でないば
かりでなく、取付後の圧縮の際に平行を保って縮まない
こと、ダイアフラム４の側とは反対側のコイルスプリン
グ７の受皿13の、該コイルスプリング７との当り面が弁
座９に対して傾斜することなどが挙げられる。

［考案が解決しようとする課題］ 弁体をダイアフラムに固定しても、常に弁体と弁座と
の同心が得られ、また上述の各種原因によってダイアフ
ラム、従って該ダイアフラムに固定されるコイルスプリ
ングの受皿が傾斜しても、一定の特定圧力まで燃圧が上
昇したとき正確に開弁する燃圧レギュレータを得ること
が本考案の課題である。

［課題を解決するための手段］ 弁筐体に形成された弁室の中心部に燃料流出通路が開
口し、前記弁室が開口する前記弁筐体の端面と蓋体との
間に、前記燃料流出通路の開口部を開閉する弁体を備え
たダイアフラムが配置され、前記蓋体と前記ダイアフラ
ムとの間に前記弁体が前記燃料流出通路の開口部を閉じ
る方向に前記ダイアフラムを付勢するコイルスプリング
が配置され、前記弁室に導かれる燃料系の燃料圧力が特
定圧力を超えると前記弁体が前記燃料流出通路の開口部
から離座して燃料を流出させることによって前記燃料系
の圧力を一定に保つ燃圧レギュレータにおいて、前記弁
体が前記ダイアフラムに固定されて球状弁体からなり、
前記燃料流出通路開口部周縁に形成した固定弁座上に摺
動自在に前記燃料流出通路よりも小径の弁口が開口する
弁座体を配置して弁座を形成した構成とする ［作用］ 球状弁体が着座する弁座体は固定弁座に対して摺動自
在であるから、球状弁体が着座の際、球状の面によって
案内されて、球状弁体に対して同心となって片当りする
ことなく着座する。

燃圧が特定圧力迄上昇して球状弁体が離座するときは
摺動自在の弁座体の開口面積は固定弁座の開口面積より
も小さいから摺動自在の弁座体両面に作用する差圧によ
って固定弁座に押えられて移動することがなく、球状弁
体と摺動自在の弁座体とは開弁後も同心を保って環状の
燃料流出口を形成して燃料系の燃料圧力を特定の一定圧
力に正確に保つことができる。

［実施例］ 第１図は本考案の燃圧レギュレータの実施例の構成を
示す縦断面図で符号101は弁筐体、102は弁室で、該弁室
102の中心部に燃料流出通路103が開口し、開口部に固定
弁座104が形成され、燃料流出通路103の流路断面と固定
弁座104の弁口とは同径に形成されている。105は前記固
定弁座104上に載置された摺動自在の弁座体で該弁座体1
05の弁口は前記固定弁座104の弁口よりも径が小さい。1
06は燃圧を制御すべき燃料系に導通する燃料流入通路で
ある。107は蓋体、108はダイアフラムで周縁部で前記弁
筐体101と蓋体107との間に挾持されている。109は球状
弁体、110は前記球状弁体109を加締めによって固定する
保持体で後述するコイルスプリングの２つの受皿111と
共に前記ダイアフラム108の中心部に固定される。112は
コイルスプリングで前記球状弁体109が前記摺動自在の
弁座体105に着座する方向に前記ダイアフラム108を付勢
する。113はダイアフラム108の側とは反対側の、コイル
スプリングの受皿である。尚本考案に関係はないが、11
4は球状弁体109が前記摺動自在の弁座体105から離座す
るときの燃料圧力を調節する螺子部材、115はエンジン
の吸気管負圧を導入する通路である。

組立が行われると球状弁体109の球状面が案内となっ
て摺動自在の弁座体105が球状弁体105と同心となる位置
に位置決めされ、燃料が導びかれ、燃料圧力が特定圧力
を超えるとダイアフラム108に作用する燃料圧力によっ
てコイルスプリング112を圧縮して球状弁体109を離座さ
せるから燃料流出通路103から燃料が流出し、燃料圧力
が特定の圧力まで降下するとコイルスプリング112の付
勢によって球状弁体109が着座する。球状弁体109が離座
しているときも、燃料流出口103側の圧力よりも弁室102
側の圧力が高いから差圧によって摺動自在の弁座体105
は固定弁座104に押圧されて位置のずれを生じない。

［考案の効果］ （１） 弁体が球状弁体であるから、板状の弁体の様に
弁座が片当りとなって開弁圧力を狂わせることがなく、
又閉弁時には球状弁体の球状面を案内面として摺動自在
の弁座体の位置決めが行われて完全に閉弁できるから燃
料圧力を一定に保つべき燃料系の燃料圧力を特定圧力に
一定に保つことができる。

（２） 球状弁体が保持体を介してダイアフラムに固定
できて構成が簡単となり、組立作業も容易でコストを低
減できる。

と云う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の燃圧レギュレータの実施例の縦断面
図、第２図は特公昭49-37049号開示の圧力調整弁の構成
を示す図、第３図は第２図の構成の弁体及び該弁体を保
持する保持体と保持板の拡大図、第４図は特開平1-9257
2号開示の構成を示す図、第５図は構成を簡単にするた
めに試みた従来構成を示す図である。 101……弁筐体、102……弁室、103……燃料流出通路、1
04……固定弁座、105……摺動自在の弁座体、106……燃
料流入通路、107……蓋体、108……ダイアフラム、109
……球状弁体、110……保持体、111……コイルスプリン
グの受皿、（ダイアフラムに固定）112……コイルスプ
リング、113……ダイアフラムと反対側のコイルスプリ
ングの受皿、114……燃料圧力を調節する螺子部材、115
……吸気負圧導入通路。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】弁筐体（101）に形成された弁室（102）の
   中心部に燃料流出通路（103）が開口し、前記弁室（10
   2）が開口する前記弁筐体（101）の端面と蓋体（107）
   との間に、前記燃料流出通路（103）の開口部を開閉す
   る弁体を備えたダイアフラム（108）が配置され、前記
   蓋体（107）と前記ダイアフラム（108）との間に前記弁
   体が前記燃料流出通路（103）の開口部を閉じる方向に
   前記ダイアフラム（108）を付勢するコイルスプリング
   （112）が配置され、前記弁室（102）に導びかれる燃料
   系の燃料圧力が特定圧力を超えると前記弁体が前記燃料
   流出通路（103）の開口部から離座して燃料を流出させ
   ることによって前記燃料系の圧力を一定に保つ燃圧レギ
   ュレータにおいて、前記弁体が前記ダイアフラム（10
   8）に固定された球状弁体（109）からなり、前記燃料流
   出通路開口部周縁に形成した固定弁座（104）上に摺動
   自在で前記燃料流出通路（103）よりも小径の弁口が開
   口する弁座体（105）を配置して弁座を形成してなる燃
   圧レギュレータ。