JP2512844Y2 - 植付部の梱包枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は乗用田植機に着脱自在に連結される植付部を
本機と分離してトラックで運搬したり倉庫等に段積みし
たりする際に使用する梱包枠に関するものである。

従来の技術 乗用田植機の植付部は下方に前後方向に比較的長い田
面滑走用のフロートを有し、また上方には横幅及び高さ
共寸法大で表面積の大きい苗載台が上下傾斜状に架設さ
れており、全体が嵩ばるため植付部をまとめて１個の梱
包体に梱包することは梱包しにくいばかりでなくトラッ
ク等に対する積載効率が悪くなるものである。特に、６
条植えや８条植え等の多条上の田植機においてその傾向
が強い。そのため、従来はフロート等の部品を取外して
木枠等で梱包するようにしたものが多い。また、製品輸
送時におけるトラック等への積降ろしに際しては、一般
にフォークによる持上げやチェンブロック等による吊上
げ作業で梱包物を移動していた。

考案が解決しようとする課題 しかし、植付部の部品を取外して梱包する場合分解部
品が多くあると現地での組立に多くの時間を要するばか
りでなく誤組立を起し易いため所期の性能を充分発揮で
きなかったり、故障の原因となっていた。また、トラッ
ク等への積降ろしの際チェンブロック等の吊上げ設備が
ない場合は梱包物を移動するのに非常に苦労しているの
が実状である。

課題を解決するための手段 そこで本考案は、乗用田植機の植付部を着脱自在に支
持する架台に、前記植付部に連結した植付部移動用の車
輪を架台の外側方に位置して設け、架台の少なくとも前
記車輪が位置する側の反対側にフォーク爪差込部を設け
ると共に、前記車輪とフォーク爪差込部を外側方に露出
させた状態で植付部の少なくとも前後および上下の４面
を覆う枠体であってかつ植付部の前後巾は枠体内に位置
し植付部の左右の側部は枠体からはみだした状態になる
枠体を、前記架台に着脱自在に連結したことにより上記
の問題点を解決しようとするものである。

作用 本考案に係る梱包体で植付部全体を梱包することによ
り、倉庫内等における段積み作業時やトラックへの積載
時等には、車輪の反対側の枠部を人力で又はフォーク爪
を差込んで持上げることにより車輪のみ接地することに
なるので、該車輪を利用して植付部を梱包状態のまま容
易に移動可能となり作業能率が一層高められる。

実施例 本考案の構成を図面に示された一実施例により説明す
る。１は乗用田植機の植付部ａを着脱自在に支持する架
台で、該架台１は次のように構成されている。即ち、ア
ングル材等により中桟２、３、４を介して横長方形状に
枠組形成された基台フレーム５の一側端面にフォーク爪
イの差込口ｈを一体に設け、基台フレーム５上に立設し
た主柱６と該主柱６の上部に交差状に斜設されたアング
ル状の受座７からなる左右一対の受部８を設けて架台１
を構成したもので、受座７には植付部固定用Ｕボルト等
の挿入穴（図示せず）が設けられている。また、架台１
には基台フレーム５に固定した連結管９を介して植付部
移送用の車輪10,11が架台の下方に収納された状態で軸
支されている。前記受座７には植付部ａの苗載台ｂ裏面
側下方に横架されている軸部（植付部機体フレーム部Ｆ
₁及び植付部伝動フレーム部Ｆ₂）が受止め支持され、Ｕ
ボルト等の固定具（図示せず）を介して植付部ａ全体を
架台１に着脱自在に固定し得るようになっている。尚、
図示例では上記車輪10,11のうち一方の車輪10は自在車
輪（キャスター）が、他方の車輪11は自在車輪10よりも
径大なタイヤ車輪が使用されている。

ところで、上記架台１には車輪10を外側方に露出させ
た状態で植付部ａの少なくとも前後及び上下の４面を覆
う枠体12が連結金具13及びボルト、ナット又は連結ピン
等の連結具14を介して着脱自在に連結されている。上記
枠体12は夫々アングル材で形成した門形状の左右の側枠
12a及び天枠12b、底枠12cをボルト、ナット14′で連結
してなり、架台１の受座８及び枠体12の各コーナー部等
には補強用の筋交15,16,17が設けられており、枠体12の
前・後面下方の筋交17部はフォーク爪イの差込口ｈ′に
なっていて、架台１の一側方及び枠体12の前後両方の３
方からフォーク爪イを差込み得るように構成され、積載
荷役作業の省力化が図られるようになっている。

第６図乃至第17図は、植付部ａを正規姿勢即ち植付部
ａの接地姿勢で梱包した場合は前後幅、高さ共トラック
等に対する積載効率が悪いため、植付部ａを前後方向に
傾斜させた状態で梱包することにより前後幅寸法を短く
して積載効率を向上させるようにしたものである。即
ち、第６図乃至第８図において、主柱６′に対する受座
７′の取付角度をナット18の回動操作により変更可能に
構成すると共に、受座７′の下方に位置させて主柱６′
側にはブラケット19を介し調整ネジ20を進退自在螺装
し、該調整ネジ20の先端部を受座７′の傾斜下方部側に
当接させたもので、植付部ａを正規姿勢で梱包する場合
は第７図図示のように受座７′を緩傾斜にセットする
が、第図８図示のように受座７′を急傾斜にセットする
と、植付部ａ全体を起すような傾斜角度で梱包できるの
で、その分植付部ａ及び枠体12の前後幅を短縮できるも
のである。第１図乃至第５図に示す固定受座７に木材等
からなる間座（図示せず）を入れて植付部ａの傾斜角度
を調整することも可能である。

尚、架台１に対し植付部ａを傾斜姿勢にセットする
と、枠体12を外して植付部ａを本機に取付ける場合、当
初のセット角度ではヒッチ連結が不可能であるため植付
部ａが水平姿勢になるよう受座７′の角度を再度調整す
る必要があるが（第15図及び第16図参照）、その角度調
整はナット18及び調整ネジ20の回動操作で容易に行える
ので、本機への取付けをスムーズにできる。

第９図乃至第13図に示すものは、植付部移送用車輪1
0,11を支持する連結管９に受座７′ａを固着した主柱
６′ａをセットピン21で着脱自在に連結し、植付部傾斜
梱包時には、連結管９から外した主柱６′ａをへの字状
に屈曲した荷造り金具22を介し連結管９の前面側にセッ
トするように構成したものである。連結管９及び主柱
６′ａに設けるピン穴及び該ピン穴に差込むセットピン
21、荷造り金具22は角状にしてもよい。

上記の構成において、植付部ａを梱包する場合には、
枠体12を架台１から取外した状態で植付部ａを架台１に
搭載するものであるが、この際、第５図に示すように、
植付部ａの軸部である機体フレーム部Ｆ₁を受座７の傾
斜上部側に、また、植付部伝動フレーム部Ｆ₂を受座７
の傾斜下部側に載せＵボルト等の固定具で植付部ａを架
台１に固定する。尚、植付部ａの軸部のうち受座７に当
接する部分には予め布地等の保護材を巻いておいた方が
良い。植付部ａを架台１に固定した状態では車輪10,11
が接地しているので、架台１を押引きすることにより植
付部ａの移動は容易に行える。次いで、第１図及び第２
図に示すように植付部ａを固定した架台１に対し左右の
側枠12a,12a、上枠12b、底枠12cを組込めば、架台１上
の植付部ａは枠体12により前後及び上下の４面を覆うよ
うな状態で梱包される。このようにして植付部ａを梱包
することにより、倉庫内等における段積み作業時やトラ
ックへの積載時等には、自在車輪10の反対側の枠部を人
力で又はフォーク爪イを差込んで持上げることにより自
在車輪10のみが接地することになるので、該自在車輪10
を利用して植付部ａを梱包状態のまま容易に移動可能と
なり作業能率が一層高められる。特にトラック等の荷台
上での移動は一々チェンブロック等で吊上げたりするこ
となく人力で簡便に行うことができる。積載後は枠体12
の底枠12cが床面に接地するので、乱りに移動すること
はない。また、解梱する場合は、前記と逆の手順で枠体
12を取外した後、植付部ａを架台１に固定した状態のま
ま本機のある場所に移動して本機に連結し、その後、架
台１を植付部ａから外す。尚、枠体12の取外し時には、
左右の側枠12の筋交17がスタンドの作用をするので、側
枠12aの倒状によって植付部ａを損傷したり周囲の人に
ケガさせたりするのを防止できる。

考案の効果 上記したように、本考案は、植付部に連結した植付部
移動用の車輪を架台の外側方に位置して設け、架台の少
なくとも前記車輪が位置する側の反対側にフォーク爪差
込部を設け、前記車輪とフォーク爪差込部を外側方に露
出させて植付部の少なくとも前後および上下の４面を覆
う枠体を架台に着脱自在に連結したので、倉庫内等の段
積みやトラックへの積み卸し等の作業時には、露出した
前記車輪とフォーク爪差込部を利用して、植付部を梱包
状態で容易に移動できる。

また、植付部の少なくとも前後および上下の４面を覆
い、かつ植付部の前後巾は前記枠体内に位置しかつ植付
部の左右の側部は枠体からはみだした状態になる枠体
を、架台に着脱自在に連結したので、全体が嵩張った植
付部であってもフロート等の部品を分解せずに一体のま
ま梱包できて分解した部品の現地での再組み立てを必要
とせず、また梱包枠材を節減できる上に梱包状態での容
積が小さくてトラック等の積載効率が良く、更に枠体の
組み立て、分解・取り外しが容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は梱包枠の斜視図、第２図は梱包枠の背面図、第
３図は梱包状態の植付部を車輪を利用して移動している
状態を示す背面図、第４図は梱包枠の部分拡大斜視図、
第５図は梱包枠の後面側からフォーク爪を差込んでいる
状態を示す側面図、第６図乃至第８図は受部の他の実施
例を示すもので、第６図は受部の正面図、第７図は正規
姿勢セット時の受部の側面図、第８図は植付部を傾斜姿
勢でセットする場合の受部の側面図、第９図乃至第14図
は受部の更に他の実施例を示すもので、第９図及び第10
図は正規姿勢セット時の受部の斜視図及び側面図、第11
図及び第12図は傾斜姿勢セット時における受部の斜視図
及び側面図、第13図は荷造金具の斜視図、第14図は植付
部を傾斜姿勢で架台上に固定した状態の側面図、第15図
は架台上の植付部を本機に連結した状態の側面図、第16
図は植付部を傾斜姿勢で梱包した状態の側面図、第17図
は枠体の側枠を取外した状態の斜視図である。 １……架台、10,11……車輪、12……枠体、ａ……植付
部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】乗用田植機の植付部を着脱自在に支持する
   架台に、前記植付部に連結した植付部移動用の車輪を架
   台の外側方に位置して設け、架台の少なくとも前記車輪
   が位置する側の反対側にフォーク爪差込部を設けると共
   に、前記車輪とフォーク爪差込部を外側方に露出させた
   状態で植付部の少なくとも前後および上下の４面を覆う
   枠体であってかつ植付部の前後巾は枠体内に位置し植付
   部の左右の側部は枠体からはみだした状態になる枠体
   を、前記架台に着脱自在に連結するように構成したこと
   を特徴とする植付部の梱包枠。