JP2512736Y2 - 植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器 - Google Patents
植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器Info
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- JP2512736Y2 JP2512736Y2 JP1991050754U JP5075491U JP2512736Y2 JP 2512736 Y2 JP2512736 Y2 JP 2512736Y2 JP 1991050754 U JP1991050754 U JP 1991050754U JP 5075491 U JP5075491 U JP 5075491U JP 2512736 Y2 JP2512736 Y2 JP 2512736Y2
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-
- Y02P60/216—
Landscapes
- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
- Cultivation Of Plants (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は草花，観賞用小樹木など
を植生するための植物植生用繊維層を収蔵せしめた植木
鉢又はコンクリート容器構造物などからなる植物育成容
器に関するものである。
を植生するための植物植生用繊維層を収蔵せしめた植木
鉢又はコンクリート容器構造物などからなる植物育成容
器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】種を播き、発芽した草花や観賞用小樹木
などを開花の如何に拘らず、植木鉢あるいはコンクリー
ト製容器状構造物などに土を入れて植生することは従来
より広く行われているが、かかる従来の容器栽培におい
ては、一般に土を使用するのが通常であることから土が
流出しないように適当に排水することを含めて種々の工
夫がなされて来た。
などを開花の如何に拘らず、植木鉢あるいはコンクリー
ト製容器状構造物などに土を入れて植生することは従来
より広く行われているが、かかる従来の容器栽培におい
ては、一般に土を使用するのが通常であることから土が
流出しないように適当に排水することを含めて種々の工
夫がなされて来た。
【０００３】ところが近時、土の使用に代わり水耕栽培
などロックウールやポリウレタン発泡体あるいは不織布
を利用して植物を植生することが一部に実施され、植木
鉢などにそれらロックウール塊や不織布構造物を収蔵し
たものが出現している。
などロックウールやポリウレタン発泡体あるいは不織布
を利用して植物を植生することが一部に実施され、植木
鉢などにそれらロックウール塊や不織布構造物を収蔵し
たものが出現している。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】しかし、現在、使用さ
れている上記植木鉢などの不織布構造物あるいはロック
ウール塊などはその吸水性を利用し、水分を保持するた
めのものであり、植生しようとする植物の種まきから育
成に至る一連の状況を見極めたものはなく、従って播種
に始まる一連の植物植生に適合したものは殆ど実施され
ていなかった。 そこで、特開昭６１−７４５２５号公報
により水耕栽培で播種に始まる一連の植生装置が提案さ
れるに至っているが、これも栽培層のベッド構成が上面
にクン炭層を使用するなど複雑さを有している。
れている上記植木鉢などの不織布構造物あるいはロック
ウール塊などはその吸水性を利用し、水分を保持するた
めのものであり、植生しようとする植物の種まきから育
成に至る一連の状況を見極めたものはなく、従って播種
に始まる一連の植物植生に適合したものは殆ど実施され
ていなかった。 そこで、特開昭６１−７４５２５号公報
により水耕栽培で播種に始まる一連の植生装置が提案さ
れるに至っているが、これも栽培層のベッド構成が上面
にクン炭層を使用するなど複雑さを有している。
【０００５】本考案は上述の如き状勢に対処して植木鉢
など植物育成容易に収蔵する構造物の構成を見出すこと
により土を使用することなく、植物育成容器において播
種より植物育成に至る一連の植物植生過程を容易かつ効
率的に行なわしめることを目的とするものである。
など植物育成容易に収蔵する構造物の構成を見出すこと
により土を使用することなく、植物育成容器において播
種より植物育成に至る一連の植物植生過程を容易かつ効
率的に行なわしめることを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
る本考案の特徴とするところは、不織繊維構造体からな
り、大なる通気性を有し、繊維密度，保水性が低く植物
を種から植生するに適した上部植生層と、適度の通気性
を有し繊維密度，保水性ともに高く、通根，根の保持及
び根の保護機能をもつ下部保護層との２層よりなる植物
育成層と、その下面に過剰水分を排水する通水空間を有
する排水層を重合配設し、かつ上部植生層上面に合成樹
脂製網状体からなる表面保護層を、また排水層下層に合
成樹脂製止水シートを配層せしめてなる植物植生用構造
物を植物育成容器内に収蔵してなる構成にある。また、
上記植生層と保持層の２層構成は特定の条件下において
は必ずしも分ける必要はなくその何れか一方の不織繊維
構造体に統一し一層として両層の役割を兼備せしめても
よく請求項２記載の考案はかかる構成である。更に本考
案において配設される排水層の構成も通気，通水に必要
な空間を有する限り繊維構造体よりなるマットでもよ
く、また繊維以外の非繊維資材による多数の小孔の分散
した有孔合成樹脂板と、突起を全面に分散した無孔合成
樹脂板の一体物でもよく、請求項３及び４記載の考案は
夫々かかる構成を特徴とする。
る本考案の特徴とするところは、不織繊維構造体からな
り、大なる通気性を有し、繊維密度，保水性が低く植物
を種から植生するに適した上部植生層と、適度の通気性
を有し繊維密度，保水性ともに高く、通根，根の保持及
び根の保護機能をもつ下部保護層との２層よりなる植物
育成層と、その下面に過剰水分を排水する通水空間を有
する排水層を重合配設し、かつ上部植生層上面に合成樹
脂製網状体からなる表面保護層を、また排水層下層に合
成樹脂製止水シートを配層せしめてなる植物植生用構造
物を植物育成容器内に収蔵してなる構成にある。また、
上記植生層と保持層の２層構成は特定の条件下において
は必ずしも分ける必要はなくその何れか一方の不織繊維
構造体に統一し一層として両層の役割を兼備せしめても
よく請求項２記載の考案はかかる構成である。更に本考
案において配設される排水層の構成も通気，通水に必要
な空間を有する限り繊維構造体よりなるマットでもよ
く、また繊維以外の非繊維資材による多数の小孔の分散
した有孔合成樹脂板と、突起を全面に分散した無孔合成
樹脂板の一体物でもよく、請求項３及び４記載の考案は
夫々かかる構成を特徴とする。
【０００７】
【作用】上記の如き植物育成容器によれば、収蔵された
上記植物育成層はその植生層に植物の種を播いて発芽植
生させ、適当に施肥を行って発芽した植物の発育を助成
するが、植生層は上記植生に適する適当な保水性と通気
性を有し、また適度の排水性を具備して植物の発育を助
成する。一方、保護層は伸びて来た植物の根が通根でき
て、なお、これらの根をしっかり保持する役割を有す
る。そのため繊維密度，保水性が植生層より大きく適当
に垂直、水平両方向の透水性を有し水が溜まり水となっ
て根腐れを起こすことを阻止すると共に、絶えず、新鮮
な水を保水する。しかも通気性は植生層にくらべて小さ
いが適度に酸素の供給を可能として根の保護をはかる。
更に排水層は通水空間を水は流れて充分な排水機能を有
することから溜まり水となって根固め層で根腐れの発生
するのをなくする。また最上層面の合成樹脂製網状体は
全面にかかる荷重を可及的特定の個所に集中させること
なく、全面にわたり均等に分布させると共に、風や台風
などに対する保護作用を奏し、最下層の止水シートは止
水性能と、根切り性能を確保すると共に、余分な雨水や
液肥を適度に排水する。なお、上記の如く、上部の植生
層と、下部の保護層はそれぞれに一般的特性を有してい
るが、特定条件下においては請求項２記載の考案のよう
に何れか一方の不織布繊維構造体で統一し同様な作用を
得る。即ち、上部の植生層に播種した植物の種が発芽し
たる後、その植物の通根力が高く、しかも、表面層の排
水性が低くてもよい場合には、植生層を、下部の保護層
と同じ不織繊維層としてもよい。また、余り保水性など
が要求されず、専ら美観を主体とする場合で、保水性が
低くてもよい植物植生の場合には、下部の保護層を、上
部の植生層と同じ不織繊維層としてよい。換言すれば、
ある特性条件下にあっては、本考案の育成層はある種類
の不織繊維層と、この下部に配設する排水層の２層構造
の場合で前述の作用を達成する。
上記植物育成層はその植生層に植物の種を播いて発芽植
生させ、適当に施肥を行って発芽した植物の発育を助成
するが、植生層は上記植生に適する適当な保水性と通気
性を有し、また適度の排水性を具備して植物の発育を助
成する。一方、保護層は伸びて来た植物の根が通根でき
て、なお、これらの根をしっかり保持する役割を有す
る。そのため繊維密度，保水性が植生層より大きく適当
に垂直、水平両方向の透水性を有し水が溜まり水となっ
て根腐れを起こすことを阻止すると共に、絶えず、新鮮
な水を保水する。しかも通気性は植生層にくらべて小さ
いが適度に酸素の供給を可能として根の保護をはかる。
更に排水層は通水空間を水は流れて充分な排水機能を有
することから溜まり水となって根固め層で根腐れの発生
するのをなくする。また最上層面の合成樹脂製網状体は
全面にかかる荷重を可及的特定の個所に集中させること
なく、全面にわたり均等に分布させると共に、風や台風
などに対する保護作用を奏し、最下層の止水シートは止
水性能と、根切り性能を確保すると共に、余分な雨水や
液肥を適度に排水する。なお、上記の如く、上部の植生
層と、下部の保護層はそれぞれに一般的特性を有してい
るが、特定条件下においては請求項２記載の考案のよう
に何れか一方の不織布繊維構造体で統一し同様な作用を
得る。即ち、上部の植生層に播種した植物の種が発芽し
たる後、その植物の通根力が高く、しかも、表面層の排
水性が低くてもよい場合には、植生層を、下部の保護層
と同じ不織繊維層としてもよい。また、余り保水性など
が要求されず、専ら美観を主体とする場合で、保水性が
低くてもよい植物植生の場合には、下部の保護層を、上
部の植生層と同じ不織繊維層としてよい。換言すれば、
ある特性条件下にあっては、本考案の育成層はある種類
の不織繊維層と、この下部に配設する排水層の２層構造
の場合で前述の作用を達成する。
【０００８】
【実施例】以下、添付図面にもとづき本考案の実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【０００９】図１は本考案に係る植物育成容器の１例と
してコンクコート容器構造物（７）を示し、図におい
て、（１）は植生層、（２）は保護層、（３）は排水層
であり、これら３層重合構造によって容器（７）内に収
蔵された植物植生用構造物が形成されており、更に図に
おいては表面保護のため合成樹脂網状体などの表面保護
層（５）が、一方、排水層（３）の下面には止水性能と
根切り性能をもつ合成樹脂製シート（６）が夫々配層さ
れている。ここで上記植物植生層（１）はその上に植物
の種を播き植生させる層であり、ポリエステル，ポリプ
ロピレン，アクリルなどの合成繊維を主材とし、これ単
独あるいは適宜、吸水性繊維を適当量、例えば１５〜３
０％程度、混合せしめた繊維ウエブをニードリングし、
構成繊維を互いに絡交せしめた、通常、繊維の見掛け密
度0.11g/cm3 程度で厚さ５mm前後の不織布が用いられ
る。吸水性繊維の混合は植生層（１）の保水性を高め、
乾燥による発芽率低下防止を図る上に有効であるがレー
ヨンなどの人造繊維は吸収状態で長期使用すると、腐る
場合があるので、可及的アクリル系吸水繊維を用いるこ
とが好適である。この植生層（１）はその上に種を播
き、発芽させる役目を有することからその特性として測
定値の１例を示せば保水量2.4 kg／ m2 、通気量１７８
cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数1.5 cm／sec を有し保水
性がよく、空気の流通も適度で、また透水性あるいは排
水性も適当に保有している。また、この植生層（１）は
植物の根が背光性を示すため白色よりも黒色が好まし
く、とりわけ、濃緑色は最も良好である。
してコンクコート容器構造物（７）を示し、図におい
て、（１）は植生層、（２）は保護層、（３）は排水層
であり、これら３層重合構造によって容器（７）内に収
蔵された植物植生用構造物が形成されており、更に図に
おいては表面保護のため合成樹脂網状体などの表面保護
層（５）が、一方、排水層（３）の下面には止水性能と
根切り性能をもつ合成樹脂製シート（６）が夫々配層さ
れている。ここで上記植物植生層（１）はその上に植物
の種を播き植生させる層であり、ポリエステル，ポリプ
ロピレン，アクリルなどの合成繊維を主材とし、これ単
独あるいは適宜、吸水性繊維を適当量、例えば１５〜３
０％程度、混合せしめた繊維ウエブをニードリングし、
構成繊維を互いに絡交せしめた、通常、繊維の見掛け密
度0.11g/cm3 程度で厚さ５mm前後の不織布が用いられ
る。吸水性繊維の混合は植生層（１）の保水性を高め、
乾燥による発芽率低下防止を図る上に有効であるがレー
ヨンなどの人造繊維は吸収状態で長期使用すると、腐る
場合があるので、可及的アクリル系吸水繊維を用いるこ
とが好適である。この植生層（１）はその上に種を播
き、発芽させる役目を有することからその特性として測
定値の１例を示せば保水量2.4 kg／ m2 、通気量１７８
cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数1.5 cm／sec を有し保水
性がよく、空気の流通も適度で、また透水性あるいは排
水性も適当に保有している。また、この植生層（１）は
植物の根が背光性を示すため白色よりも黒色が好まし
く、とりわけ、濃緑色は最も良好である。
【００１０】次に前記下部保護層（２）は容易に伸びて
来た植物の根が、通根できて、しかもこれらの根をしっ
かり保持する役目を有するものであり、繊維の見掛け密
度は、適当に大きい方が良い。しかも、通気性が良く
て、酸素の供給が充分に行われ、なお、適当な保水性が
ありながら、適当に垂直、水平方向の透水性があって、
水が溜まり水になって根腐れを起こしたりせぬよう、絶
えず、新鮮な水が保水されることが望ましい。この保護
層（２）は、適当な厚さが必要であり、一般的に（植生
層＋保護層）全体で最小限５cm以上の厚さが必要であ
る。
来た植物の根が、通根できて、しかもこれらの根をしっ
かり保持する役目を有するものであり、繊維の見掛け密
度は、適当に大きい方が良い。しかも、通気性が良く
て、酸素の供給が充分に行われ、なお、適当な保水性が
ありながら、適当に垂直、水平方向の透水性があって、
水が溜まり水になって根腐れを起こしたりせぬよう、絶
えず、新鮮な水が保水されることが望ましい。この保護
層（２）は、適当な厚さが必要であり、一般的に（植生
層＋保護層）全体で最小限５cm以上の厚さが必要であ
る。
【００１１】この保護層（２）はポリエステル繊維から
なる通常、ニードル不織布で測定値の１例を示せば見掛
け密度0.23g ／cm3 、厚さ１０mm前後、保水量6.0 kg／
m2、通気量３６cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数2.3 ×
１０ - 1cm／sec で、圧縮率は7.6 ％と小さく、厚さ回
復率（荷重８００g ／cm2 ）は９４％と高い特性を有す
る。また、別の例として、次のような特性をもつ不織布
と、上記不織布とを適当に混ぜて重ねて使用することも
ある。即ち、その不織布は見掛け密度は、0.05g ／cm3
と小さいので保水量が４０kg／ m2 と大きく、通気量１
２２cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数3.5 cm／sec と大き
いが、それ程圧縮率１７％は大きくなく、厚さ回復率も
９０％前後と大きい、比較的細い太さの繊維からなる不
織布である。また、これら保護層（２）においても、背
光性を示す根に対して、白色よりも黒色系が好ましい。
更に保護層（２）下部の排水層（３）は、通常、５０〜
１００mm/Hr の降水雨量に対しても充分、排水機能を持
ち、しかも保水性は零に近く草花の根に絶えず、新鮮な
水が補給されるものであることが必要であり、排水層で
溜水となって根固め層での根腐れを絶対発生しないよう
にする。
なる通常、ニードル不織布で測定値の１例を示せば見掛
け密度0.23g ／cm3 、厚さ１０mm前後、保水量6.0 kg／
m2、通気量３６cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数2.3 ×
１０ - 1cm／sec で、圧縮率は7.6 ％と小さく、厚さ回
復率（荷重８００g ／cm2 ）は９４％と高い特性を有す
る。また、別の例として、次のような特性をもつ不織布
と、上記不織布とを適当に混ぜて重ねて使用することも
ある。即ち、その不織布は見掛け密度は、0.05g ／cm3
と小さいので保水量が４０kg／ m2 と大きく、通気量１
２２cc／cm2 ／sec 、垂直透水係数3.5 cm／sec と大き
いが、それ程圧縮率１７％は大きくなく、厚さ回復率も
９０％前後と大きい、比較的細い太さの繊維からなる不
織布である。また、これら保護層（２）においても、背
光性を示す根に対して、白色よりも黒色系が好ましい。
更に保護層（２）下部の排水層（３）は、通常、５０〜
１００mm/Hr の降水雨量に対しても充分、排水機能を持
ち、しかも保水性は零に近く草花の根に絶えず、新鮮な
水が補給されるものであることが必要であり、排水層で
溜水となって根固め層での根腐れを絶対発生しないよう
にする。
【００１２】更に、保護層（２）下面の排水層（３）と
しては通気，通水に充分な空間を有するものであれば使
用可能であるが、図１にあっては多数の小孔の分散した
有孔合成樹脂板（３ａ）と、突起（４）を適当数、全面
に分散した無孔の合成樹脂板（３ｂ）とを一体化した排
水層（３）が用いられており、有孔板（３ａ）と無孔板
（３ｂ）の間を、突起（４）のまわりに沿って水が流れ
てゆくようになっている。この排水層（３）の有孔板
（３ａ）の孔径は0.3 〜5.0 mmと多様化されており、ラ
ンダムに配置されていて、この孔に通根した根は水分も
ないのでそれ以上、成育するこくなく枯死する。一方、
無孔板（３ｂ）の突起（４）の高さは最高排水量などか
ら決めればよいが、通常は１０mm高さ位までで充分であ
り、直径１０mmまでの円柱又は截頭円錐形等で形成され
る。勿論、突起（４）の大きさや数、形状は一様ではな
く随時、選択可能である。
しては通気，通水に充分な空間を有するものであれば使
用可能であるが、図１にあっては多数の小孔の分散した
有孔合成樹脂板（３ａ）と、突起（４）を適当数、全面
に分散した無孔の合成樹脂板（３ｂ）とを一体化した排
水層（３）が用いられており、有孔板（３ａ）と無孔板
（３ｂ）の間を、突起（４）のまわりに沿って水が流れ
てゆくようになっている。この排水層（３）の有孔板
（３ａ）の孔径は0.3 〜5.0 mmと多様化されており、ラ
ンダムに配置されていて、この孔に通根した根は水分も
ないのでそれ以上、成育するこくなく枯死する。一方、
無孔板（３ｂ）の突起（４）の高さは最高排水量などか
ら決めればよいが、通常は１０mm高さ位までで充分であ
り、直径１０mmまでの円柱又は截頭円錐形等で形成され
る。勿論、突起（４）の大きさや数、形状は一様ではな
く随時、選択可能である。
【００１３】以上、植生層（１）、保護層（２）及び排
水層（３）の３層について説明したが、本考案の基本と
なる複合構造体の重合形成にあたっては、各層の役割を
阻害しないようにして中間に他の層をあるいは布などを
介在させることも差し支えない。なお、この重合にあた
っては特に互いに各層を接着させることは必須ではな
く、むしろ、植物の根の通根によりこれがパンチングの
如くなって各層を確実に保持する。
水層（３）の３層について説明したが、本考案の基本と
なる複合構造体の重合形成にあたっては、各層の役割を
阻害しないようにして中間に他の層をあるいは布などを
介在させることも差し支えない。なお、この重合にあた
っては特に互いに各層を接着させることは必須ではな
く、むしろ、植物の根の通根によりこれがパンチングの
如くなって各層を確実に保持する。
【００１４】図２は本考案植物育成容器の他の実施例と
して植木鉢（８）の場合を示す。同図において植物植生
育成層は前述した植生層（１）又は保護層（２）の何れ
か一方の繊維構造体で統一された一層の不織繊維構造体
のみが用いられており、また下部の排水層（３）として
は繊維資材からなる例えば５００〜５０００デニール前
後の太さを有する塩化ビニリデン繊維からなる所要厚さ
の排水性のよい不織布マットが用いられている。ここで
植生層（１）、保護層（２）の何れを用いるかは、夫々
の条件に応じて選択され、植生層に播種した植物の種が
発芽した後、その植物の通根力が高く、しかも表層部の
排水性が低くてもよい場合には保護層で統一すればよ
く、また、専ら美観を主体とし保水性が低くてもよい植
物植生の場合には植生層で統一すればよい。また、排水
層（３）としても前述した有孔板（３ａ）と突起（４）
を有する無孔板（３ｂ）からなる非繊維資材を用いるこ
とも可能である。
して植木鉢（８）の場合を示す。同図において植物植生
育成層は前述した植生層（１）又は保護層（２）の何れ
か一方の繊維構造体で統一された一層の不織繊維構造体
のみが用いられており、また下部の排水層（３）として
は繊維資材からなる例えば５００〜５０００デニール前
後の太さを有する塩化ビニリデン繊維からなる所要厚さ
の排水性のよい不織布マットが用いられている。ここで
植生層（１）、保護層（２）の何れを用いるかは、夫々
の条件に応じて選択され、植生層に播種した植物の種が
発芽した後、その植物の通根力が高く、しかも表層部の
排水性が低くてもよい場合には保護層で統一すればよ
く、また、専ら美観を主体とし保水性が低くてもよい植
物植生の場合には植生層で統一すればよい。また、排水
層（３）としても前述した有孔板（３ａ）と突起（４）
を有する無孔板（３ｂ）からなる非繊維資材を用いるこ
とも可能である。
【００１５】以上は本考案における植物植生育成層及び
排水層であるが、本考案では更に重要な要素として表面
保護層（５）及び止水シート（６）が上下に配層され
る。即ち、前記各図における最上層の合成樹脂製網状体
等からなる表面保護層（５）と最下層の合成樹脂製シー
ト（６）がそれであり、先ず、前者、即ち、最上層にの
せる合成樹脂製網状体等の表面保護層（５）は前記３層
の層状構造体の最上層にのせられ、その周囲を適当な間
隔、例えば３０〜５０ｃｍ間隔で留め具で固定される。
排水層であるが、本考案では更に重要な要素として表面
保護層（５）及び止水シート（６）が上下に配層され
る。即ち、前記各図における最上層の合成樹脂製網状体
等からなる表面保護層（５）と最下層の合成樹脂製シー
ト（６）がそれであり、先ず、前者、即ち、最上層にの
せる合成樹脂製網状体等の表面保護層（５）は前記３層
の層状構造体の最上層にのせられ、その周囲を適当な間
隔、例えば３０〜５０ｃｍ間隔で留め具で固定される。
【００１６】この表面保護層（５）は荷重を全面に出来
るだけ均等に分布させて、植生層（１）の特定の場所に
荷重が集中してかかるのを防ぐとともに、風や台風など
に対する保護である。この表面保護層（５）はその具体
例としては高圧ポリエチレン（高密度ポリエチレン）製
の、網目の大きさが１０〜３０mm程度の網状体で縦横引
張強さが５００〜１０００kg／m のものを、全体の大き
さ、面積に合わせて使用する。色彩も緑色系のものが望
ましく、重量も５００〜１０００g ／ m2 のものが適当
である。
るだけ均等に分布させて、植生層（１）の特定の場所に
荷重が集中してかかるのを防ぐとともに、風や台風など
に対する保護である。この表面保護層（５）はその具体
例としては高圧ポリエチレン（高密度ポリエチレン）製
の、網目の大きさが１０〜３０mm程度の網状体で縦横引
張強さが５００〜１０００kg／m のものを、全体の大き
さ、面積に合わせて使用する。色彩も緑色系のものが望
ましく、重量も５００〜１０００g ／ m2 のものが適当
である。
【００１７】一方、最下層の止水、根切のための合成樹
脂製止水シート（６）はシート上の余分な雨水や余分の
液肥が完全に適切な方法で排水されることが必要で、通
常、厚さ１〜３mm程度の軟質塩化ビニールシートなどが
適当であり、色は一般的に黒色が用いられる。かくして
これら表面保護層（５）と止水シート（６）とは前記植
生構造物と協同して止水性能及び植物の根切り性能を確
保することができる。なお、植生育成層に含まれる水が
夏季では高温となったり、冬期に凍結したりすると根が
損傷されて草花が枯れてしまうため、同層中に適当に配
管しておいて、冷水を通したり、温水を通したりするこ
とも可能であり、また草花の育成のために液肥が必要な
ときには、育成層内に多孔管を配管して、該多孔管から
適宜給液することもできる。更に根腐れ防止のため抗菌
剤を液と共に与えてもよく、根の保護層に抗菌性繊維を
使用してもよい。
脂製止水シート（６）はシート上の余分な雨水や余分の
液肥が完全に適切な方法で排水されることが必要で、通
常、厚さ１〜３mm程度の軟質塩化ビニールシートなどが
適当であり、色は一般的に黒色が用いられる。かくして
これら表面保護層（５）と止水シート（６）とは前記植
生構造物と協同して止水性能及び植物の根切り性能を確
保することができる。なお、植生育成層に含まれる水が
夏季では高温となったり、冬期に凍結したりすると根が
損傷されて草花が枯れてしまうため、同層中に適当に配
管しておいて、冷水を通したり、温水を通したりするこ
とも可能であり、また草花の育成のために液肥が必要な
ときには、育成層内に多孔管を配管して、該多孔管から
適宜給液することもできる。更に根腐れ防止のため抗菌
剤を液と共に与えてもよく、根の保護層に抗菌性繊維を
使用してもよい。
【００１８】
【考案の効果】本考案は以上説明したように植生層、保
護層又はその何れか１層及び排水層を含む複合構造体を
植物育成容器内に収蔵せしめたものであり、植生層は植
物を種から植生するのに適当な保水性と通気性を備えて
おり、保護層は通根，根の保持のための必要な空隙と密
度を有し、また排水層は新鮮な給水と根腐れの原因とな
る溜まり水をなくし、過剰水分を適度に排水すると共
に、弾力性を有して全体として土を使用しない植物の植
生を容易ならしめることができ、従ってこれを屋内又は
公園など設置することにより植物植生に必要な根の保
護、空気の流通、適当量の給水、排水、施肥などの要件
を具備して植物育成に土の使用を不要ならしめる顕著な
効果を奏する。更に、最上層面の合成樹脂製網状体は全
面にかかる荷重を特定の個所に集中させることなく、全
面にわたり均等に分布させて荷重集中による影響を排除
すると共に、風や台風などに対する保護を確実にし、一
方、最下層の止水シートは止水性能と、根切り性能を確
保すると共に、余分な雨水や液肥を適度に排水する。
護層又はその何れか１層及び排水層を含む複合構造体を
植物育成容器内に収蔵せしめたものであり、植生層は植
物を種から植生するのに適当な保水性と通気性を備えて
おり、保護層は通根，根の保持のための必要な空隙と密
度を有し、また排水層は新鮮な給水と根腐れの原因とな
る溜まり水をなくし、過剰水分を適度に排水すると共
に、弾力性を有して全体として土を使用しない植物の植
生を容易ならしめることができ、従ってこれを屋内又は
公園など設置することにより植物植生に必要な根の保
護、空気の流通、適当量の給水、排水、施肥などの要件
を具備して植物育成に土の使用を不要ならしめる顕著な
効果を奏する。更に、最上層面の合成樹脂製網状体は全
面にかかる荷重を特定の個所に集中させることなく、全
面にわたり均等に分布させて荷重集中による影響を排除
すると共に、風や台風などに対する保護を確実にし、一
方、最下層の止水シートは止水性能と、根切り性能を確
保すると共に、余分な雨水や液肥を適度に排水する。
【００１９】しかも、本考案における育成層は植生層，
保護層などと排水層で層設されるため、任意の形状に作
成し、各種容器に合わせて簡単に収蔵せしめることがで
き、取扱いはもとより作業面においても、頗る容易であ
り、植物育成用容器として極めて効果的である。
保護層などと排水層で層設されるため、任意の形状に作
成し、各種容器に合わせて簡単に収蔵せしめることがで
き、取扱いはもとより作業面においても、頗る容易であ
り、植物育成用容器として極めて効果的である。
【図１】本考案に係る植物育成用容器の１例を示す一部
切欠斜視図である。
切欠斜視図である。
【図２】本考案の他の実施例を示す一部切欠斜視図であ
る。
る。
（１） 植物植生層 （２） 保護層 （３） 排水層 （３ａ） 有孔合成樹脂板 （３ｂ） 無孔合成樹脂板 （４） 突起 （５） 表面保護層 （６） 合成樹脂製シート （７） 植物育成容器 （８） 植木鉢
フロントページの続き (72)考案者 坪田 亜規良 大津市大萱３丁目17−８−105 (72)考案者 中居 猛 彦根市松原２丁目２−29 (56)参考文献 特開 昭61−74525（ＪＰ，Ａ) 特公 昭49−22808（ＪＰ，Ｂ１)
Claims (4)
- 【請求項１】 不織繊維構造体からなり、大なる通気性
を有し、繊維密度，保水性が低く植物を種から植生する
に適した上部植生層と、適度の通気性を有し繊維密度，
保水性ともに高く、通根，根の保持及び根の保護機能を
もつ下部保護層との２層よりなる植物育成層と、その下
面に過剰水分を排水する通水空間を有する排水層を重合
配設し、かつ上部植生層の上面に合成樹脂製網状体から
なる表面保護層を、また排水層下層に合成樹脂製止水シ
ートを配層せしめてなる植物植生用構造物を植物育成容
器内に収蔵したことを特徴とする植物植生用繊維層を収
蔵した植物育成容器。 - 【請求項２】 植物育成層を請求項１記載の植生層又は
保護層の何れか一方の不織繊維構造体に統一して植物を
種から植生するに適した保水性、通気性を与え、かつ排
水性を具備せしめると共に、通根，根の保持と保護機能
を有せしめた１層の植物育成層となし、該育成層下部に
過剰水分を排水する排水層を重合配設し、かつ上記育成
層上面に合成樹脂製網状体からなる表面保護層を、また
排水層下層に合成樹脂製止水シートを配層せしめてなる
植物植生用構造物を植物育成容器内に収蔵したことを特
徴とする植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器。 - 【請求項３】 排水層が多数の小孔の分散した有孔合成
樹脂板と、突起を全面に分散した無孔の合成樹脂板を一
体化して得た通気，通水に必要な空間を有する非繊維資
材からなる請求項１または２記載の植物植生用繊維層を
収蔵した植物育成容器。 - 【請求項４】 排水層が通気，通水に必要な空間を有す
るマット状繊維構造体かなる請求項１または２記載の植
物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1991050754U JP2512736Y2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1991050754U JP2512736Y2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04136049U JPH04136049U (ja) | 1992-12-17 |
| JP2512736Y2 true JP2512736Y2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=31928026
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1991050754U Expired - Fee Related JP2512736Y2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 植物植生用繊維層を収蔵した植物育成容器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2512736Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4922808A (ja) * | 1972-06-19 | 1974-02-28 | ||
| JPS6174525A (ja) * | 1984-09-19 | 1986-04-16 | 竹原産業開発株式会社 | 水耕栽培装置 |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP1991050754U patent/JP2512736Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04136049U (ja) | 1992-12-17 |
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