JP2512562B2 - 階調補正装置 - Google Patents

階調補正装置

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JP2512562B2 JP1265393A JP26539389A JP2512562B2 JP 2512562 B2 JP2512562 B2 JP 2512562B2 JP 1265393 A JP1265393 A JP 1265393A JP 26539389 A JP26539389 A JP 26539389A JP 2512562 B2 JP2512562 B2 JP 2512562B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、テレビジョン受像機、ビデオテープレコー
ダ等の映像信号の階調を補正する場合に用いることがで
きる階調補正装置に関するものである。
従来の技術 近年、カラーテレビジョン受像機の大型化にともな
い、画像をより鮮明に見せるために映像信号を非線形な
増幅器に通すことによって、映像信号の階調を補正し、
CRT上の画像のダイナミックレンジを拡大するために、
階調補正装置が重要視されてきている。
以下、図面を参照しながら、上述したような従来の階
調補正装置について説明する。第5図は従来の階調補正
装置のブロック図を示す。第5図においては、1は入力
輝度信号のうちの黒部分の信号を検出し、黒検出信号を
出力する黒検出回路である。2は前記黒検出信号をゲイ
ンコントロール電圧により利得制御し、増幅黒検出信号
を出力するゲインコントロール回路である。3は前記入
力輝度信号と前記増幅黒検出信号を加算し、出力輝度信
号を出力する加算回路である。4は前記出力輝度信号の
黒ピークレベルをホールドし、その電圧を黒ピークホー
ルド電圧として比較回路5に出力する黒ピーク出力回路
であり、比較回路5はこの黒ピークホールド電圧と電圧
源6の基準電圧を比較する。
このように構成された階調補正装置について、以下そ
の動作について説明する。第6図は従来例の階調補正装
置の各部の信号を示す。
まず、入力輝度信号aは黒検出回路1に入力され、輝
度信号の一定値以下の部分の黒信号が抜き出され、黒検
出信号bとして出力される。次に、黒検出信号bはゲイ
ンコントロール回路2に入力され、ゲインコントロール
電圧fに応じて、利得が制御され、増幅黒検出信号cと
して出力される。この信号cは次に加算回路3に入力さ
れて、入力輝度信号aと加算され、黒側のダイナミック
レンジが拡大された出力輝度信号dが出力される。この
信号dは同時に黒ピークホールド回路4に入力される。
この黒ピークホールド回路4では、一番黒い輝度信号レ
ベルを検出し、その電圧を黒ピークホールド電圧eとし
て出力する。比較回路5はこの黒ピークホールド電圧e
と電圧源6から発生される基準電圧gを比較し、その差
をゲインコントロール電圧fとしてゲインコントロール
回路2にフィードバックする。このフィードバック系は
黒ピークホールド電圧eが基準電圧gと等しくなると安
定する。このように、黒検出された成分がある場合、こ
の黒ピークホールド電圧eが常に基準電圧gに等しく制
御されることで、黒側のダイナミックレンジが拡大さ
れ、階調補正がなされる。
第7図は他の従来の階調補正装置のブロック図を示
す。第7図において、7は入力輝度信号をデジタル値に
変換するAD変換器である。8は入力輝度信号の輝度分布
を取るヒストグラムメモリであり、一般的にはメモリの
アドレスに輝度をとり、そのデータに度数が入るように
する。9はヒストグラムメモリ8のデータの累積値を計
算するヒストグラム累積加算器である。10はヒストグラ
ム累積加算器9の累積結果を記憶する累積ヒストグラム
メモリであり、一般にメモリのアドレスに輝度をとり、
そのデータに度数が入るようにする。11は累積ヒストグ
ラムデータをもとに、その最大累積度数が出力輝度信号
の最大値になるように各データを正規化するルックアッ
プテーブル演算回路である。12はルックアップテーブル
演算回路11により正規化されたデータを記憶するルック
アップテーブルメモリであり、一般にメモリのアドレス
に入力輝度レベルをとり、そのデータに出力輝度レベル
が入るようにする。13はルックアップテーブル演算回路
11で変換された出力データをアナログ値に変換するDA変
換器である。14はこれらの回路7〜13のタイミングを制
御するタイミング制御回路である。
このように構成された階調補正装置について、以下そ
の動作について説明する。第8図はこの従来例の階調補
正装置における輝度変換の様子をグラフで示したもので
ある。
まず、入力輝度信号aはAD変換器7に入力されてディ
ジタル値に変換され、変換入力輝度信号hとして出力さ
れる。この変換入力輝度信号hはヒストグラムメモリ8
のアドレスとして与えられ、入力データひとつについ
て、そのアドレスのデータに1が加えられる。このメモ
リの内容は一定期間ごとにクリアーされ、各データを0
にする。この期間は一般に1垂直走査期間またはその整
数倍に選ばれる。この様子を第8図(a)に示す。
次にヒストグラム累積加算器9がヒストグラムメモリ
8のヒストグラムメモリデータiを順番に読み出し、そ
れを累積加算して、その結果の累積ヒストグラムデータ
jを累積ヒストグラムメモリ10にストアする。この様子
を第8図(b)に示す。
次に、ルックアップテーブル演算回路11は、累積ヒス
トグラムメモリ10にストアされた累積ヒストグラムメモ
リデータkの最大累積値が出力輝度レベルの最大値にな
るような正規化係数を計算し、この係数を累積ヒストグ
ラムメモリ10の各データに乗算し、その結果のルックア
ップテーブルデータ1をルックアップテーブルメモリ12
にストアする。この様子を第8図(c)に示す。
ルックアップテーブルメモリ12は変換入力輝度信号h
のデータをアドレスにして読み出すことにより、そのア
ドレスのデータが以上のような計算で得られた変換出力
輝度信号mになり、この変換出力輝度信号mをDA変換器
13によりアナログ信号に変換することで、出力輝度信号
dが得られる。この様子を第8図(d)に示す。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成において、まず第5
図の例では、黒信号のみを階調補正の対象としていたた
め、明るい部分や、中間輝度レベルの信号については階
調補正ができず、充分なダイナミックレンジの改善がで
きないという問題を有していた。
また、第7図の例は、一般にヒストグラム平坦化処理
と呼ばれているものであり、ダイナミックレンジでいえ
ば100%に拡大されるが、通常のテレビジョンの動画像
においてこの処理を行うと、現実の画像とかけ離れ、か
えって見にくい画像となってしまうという問題を有して
いた。
本発明は、上記問題を解決するもので、黒側について
はもちろん、明るい部分や中間輝度レベルの信号につい
ても充分に階調補正を行うことのできるとともに、ダイ
ナミックレンジの広がり過ぎを防ぎ、より忠実で高コン
トラストの階調補正を行うことのできる階調補正装置を
提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の階調補正装置は、
ヒストグラムメモリ、ヒストグラム演算回路、ヒストグ
ラムリミッタ・加算・減算・クリップ回路、累積コント
ロールレジスタ回路、正規化コントロールレジスタ回
路、ヒストグラム累積加算回路、累積ヒストグラムメモ
リ、ルックアップテーブル演算回路、ルックアップテー
ブルメモリおよびタイミング制御回路から構成され、ヒ
ストグラム演算回路は、ヒストグラムメモリのデータか
ら入力輝度信号の平均値、モード値、最大値、最小値、
偏差(分散)係数、黒面積、白面積を検出し、これらか
らリミッタ、クリップ、加算、減算、累積スタート、累
積ストップ、最大輝度レベルの各コントロールデータを
計算し、ヒストグラムリミッタ・加算・減算・クリップ
回路は、前記コントロールデータにより、ヒストグラム
メモリのデータに対して、一定値以上あるいは一定値以
下をある一定値に置きかえ(リミッタ、クリップ)た
り、一定値を加算または減算したりして、補正ヒストグ
ラムデータを作成し、累積コントロールレジスタ回路
は、ヒストグラム累積加算回路における累積を始めるス
タート輝度レベルおよび累積を止めるストップ輝度レベ
ルを設定して、前記補正ヒストグラムデータの累積を取
る範囲をコントロールし、さらに正規化コントロールレ
ジスタ回路は、累積ヒストグラムメモリのデータを正規
化するための累積ヒストグラムメモリの最大値データを
コントロールし、階調補正を行うに構成したものであ
る。
作用 上記構成により、ヒストグラムメモリにより入力映像
信号の輝度分布を検出し、従来例で説明した一般によく
行われているヒストグラム平坦化処理を行うに際し、こ
のヒストグラム平坦化処理の高ダイナミックレンジ化の
特徴はそのままに、この効かせ方を映像によって最適化
するために、ヒストグラムメモリの輝度分布データから
ヒストグラム演算回路によって、入力輝度信号の平均
値、モード値、最大値、最小値、偏差係数、黒面積、白
面積を検出し、これらのデータからヒストグラムリミッ
タ・加算・減算・クリップ回路によりヒストグラムメモ
リのデータに対して、一定値以上あるいは一定値以下を
ある一定値に置き換え(リミッタ、クリップ)たり、一
定値を加算または減算して、効果を最適化するための補
正ヒストグラムデータを作成するとともに、ヒストグラ
ム累積加算回路で補正ヒストグラムデータの累積ヒスト
グラムを取る際に、累積コントロールレジスタ回路によ
り累積を始めるスタート輝度レベル、累積を止めるスト
ップ輝度レベルを映像信号に応じて変化させて、累積を
取る範囲をコントロールし、また、累積ヒストグラムメ
モリから出力される累積ヒストグラムメモリデータをル
ックアップテーブル演算回路で正規化する際に、正規化
コントロールレジスタ回路により累積ヒストグラムメモ
リ10が出力される出力輝度信号の最大レベルをコントロ
ールすることで、従来のABLやACLといわれているブライ
トネスやコントラストの自動制御も同時に行うことがで
きる。このようにして、ヒストグラムに対して一定値を
加算したり、減算したり、一定値以上あるいは一定値以
下を一定値に置き換えたりすることで、ヒストグラム平
坦化処理の効果を最適化し、また、累積ヒストグラムを
取る際にその範囲をコントロールしたり、正規化をおこ
なう際にその最大値をコントロールすることで階調補正
が行われる。
実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
説明する。
第1図は本発明の一実施例の階調補正装置のブロック
図を示す。第1図において、7はAD変換器、8はヒスト
グラムメモリ、9はヒストグラム累積加算器、10は累積
ヒストグラムメモリ、11はルックアップテーブル演算回
路、12はルックアップテーブルメモリ、13はDA変換器、
14はタイミング制御回路であり、これらは従来例と同じ
である。
15はヒストグラム演算回路であり、ヒストグラムメモ
リ8のデータから入力輝度信号の平均値を計算する平均
輝度レベル演算回路、モード値を検出するモード輝度レ
ベル検出回路、最大値および最小値を検出する最大値検
出回路および最小値検出回路や、ヒストグラムメモリ8
のデータから偏差(分散)係数を計算する演算回路、白
面積および黒面積を計算する演算回路などを有し、これ
らから得られた結果により、後述するヒストグラムリミ
ッタ・加算・減算・クリップ回路16、累積コントロール
レジスタ回路17、正規化コントロールレジスタ回路18の
各コントロールデータを決定し、各回路、16〜18に出力
する。また、ヒストグラムデータに対し、変換入力輝度
信号データの局所領域の平均を取ったり、メジアンを取
って、その中央の値と置き換えるスムージング演算(平
均値フィルタやメジアンフィルタによる平滑化)を行
い、特異輝度信号の除去や、ノイズに対する変換誤差を
減少させる。
ここで、ヒストグラムメモリ8のデータから輝度信号
の平均値を計算するには、(1)式に従って行う。
平均値=入力輝度レベル×ヒストグラム値 ÷総画素数 ………(1) また、モード値はヒストグラム値の最大値をもつ入力
輝度信号レベルである。最大値はヒストグラム分布の上
限の入力輝度レベルであり、最小値はヒストグラム分布
の下限の入力輝度レベルである。また、黒面積はヒスト
グラム分布の入力輝度レベルがたとえば0〜40%の範囲
の画素数を言い、白面積はヒストグラム分布の入力輝度
レベルがたとえば60%以上の範囲の画素数を言う。偏差
係数は、標準偏差を計算してもよいし、簡単に、(2)
式のようにしても求められる。
偏差係数=(最大値−最小値)×定数 ÷ヒストグラムの最大値 ………(2) 次に、入力輝度信号の平均値、モード値、最大値、最
小値、偏差係数、白面積、黒面積より、リミッタ、クリ
ップ、加算、減算、累積スタート、累積ストップ、最大
輝度レベルの各コントロールデータを計算する。
ヒストグラムリミッタ・加算・減算・クリップ回路16
はヒストグラムメモリ8とヒストグラム累積加算回路9
の間に設けられ、ヒストグラムメモリ8のデータに対し
て、あるレベル以上の度数を一定値に固定するリミッタ
回路、あるレベル以下の度数を零に固定するクリップ回
路、ヒストグラムの累積加算を行う際に、ヒストグラム
データに対し一定レベルの定数または非一定レベルの定
数を加算および減算する加算器および減算器、ヒストグ
ラム分布の輝度の暗い方および明るい方から一定の画素
数を引き算するための減算器を有し、ヒストグラム演算
回路15から与えられるリミット値、クリップ値、加算
値、減算値のコントロールデータにより、前記回路の各
レベルまたは画素数のうちの一部または全部を可変し、
ヒストグラム累積加算回路9に入力するヒストグラムメ
モリデータを補正する。
なお、ここで加算値は、一定値でもよいし、非一定値
でもよい。また、減算値としては、全ヒストグラムデー
タから一定値または、非一定値を引くこと、ヒストグラ
ム分布の下限より減算値の数だけ画素数を引くこと、ヒ
ストグラム分布の上限より減算値の数だけ画素数を引く
ことの3種類の減算値またはそのうちのいくつかをも
つ。
累積コントロールレジスタ回路17は累積ヒストグラム
で累積加算を行う際に、その累積加算を始める輝度レベ
ルと累積加算を止める輝度レベルを設定するためのレジ
スタを有し、ヒストグラム演算回路15から与えられる累
積スタート、累積ストップにより前記レジスタの各レベ
ルを可変し、その値に応じて、累積計算を行うヒストグ
ラム累積加算回路9をコントロールする。
正規化コントロールレジスタ回路18は、累積ヒストグ
ラムメモリ10のデータを正規化しルックアップテーブル
を作成する際に、その正規化後の出力輝度信号の最大輝
度レベルをヒストグラム演算回路15より与えられ、その
値に応じて、ルックアップテーブル演算回路11における
正規化係数をコントロールする。
このように構成された階調補正装置について、以下そ
の動作について説明する。第2図に各部の動作を示す。
まず、入力輝度信号aをAD変換器7に入力し、ディジタ
ル値に変換し、変換後の信号を変換入力輝度信号hとし
て出力する。ヒストグラムメモリ8はこの変換入力輝度
信号hをメモリアドレスとして、そのアドレスのデータ
に1を加える。この動作を1垂直期間行うことによって
入力輝度信号のヒストグラム分布を取ることができる。
これを、第2図(a)に示す。
次に、このヒストグラム分布の入ったヒストグラムメ
モリ8のデータpをヒストグラム演算回路15が読み出し
前述したような方法でスムージング演算を行い、特異信
号を除去してヒストグラムメモリ8に再記録し、かつ入
力輝度信号の平均値、モード値、最大値、最小値、偏差
係数、白面積、黒面積を計算する。そして、この計算し
た各値からリミッタレベル、クリップレベル、加算値、
減算値、累積計算のスタート輝度レベルおよびストップ
輝度レベル、正規化後の最大輝度レベルを求め、これら
のコントロールデータoをリミッタ・加算・減算・クリ
ップ回路16、累積コントロールレジスタ回路17、正規化
コントロールレジスタ18に転送する。
次に、リミッタ・加算・減算・クリップ回路16はヒス
トグラムメモリ8からスムージング演算されたデータi
を読み出し、各データに対し、先ほど転送されたリミッ
タレベル、クリップレベル、加算値、減算値の各データ
を演算し、その結果得られた補正ヒストグラムデータn
をヒストグラム累積加算回路9に出力する(第2図
(b))。ここで、たとえば加算値として第3図(c)
のような加算値であったとすると、累積加算結果は、第
3図(d)のように、従来のr補正特性となる。また、
一定値加算の場合、その加算データが大きいほど、累積
データはリニアに近くなり、小さいほど、よりヒストグ
ラム平坦化処理に近くなる。
そして、ヒストグラム累積加算回路9は累積コントロ
ールレジスタ回路17より与えられる累積スタート輝度レ
ベルと累積ストップ輝度レベルの信号qにより、累積ス
タート輝度レベルから累積ストップ輝度レベルの範囲に
おいて、補正ヒストグラムデータnの累積ヒストグラム
データjを計算し、この結果を累積ヒストグラムメモリ
10にストアする。
次に、ルックアップテーブル演算回路11は以上のよう
にして得られた累積ヒストグラムデータkを累積ヒスト
グラムメモリ10より読みだし、最大累積データが正規化
コントロールレジスタ回路18より与えられるルックアッ
プテーブルの最大出力輝度レベル信号rになるように正
規化係数を決定し、この正規化係数を全累積ヒストグラ
ムデータに対して演算するとともに、結果をルックアッ
プテーブルメモリ12にストアする。このとき、アドレス
は入力輝度レベルとし、そのデータに演算結果であるル
ックアップテーブルデータlをストアする。つまり、平
均輝度レベルが大きいときは、最大出力輝度レベルを下
げ、逆に平均輝度レベルが小さいときは、最大出力輝度
レベルを上げるようにコントロールすることで、従来の
自動コントラストコントロール(ACL)や、自動ブライ
トネスコントロール(ABL)のような動作をさせること
ができる。第2図(e)にこの動作を示す。
次に、ルックアップテーブルデータlがセットされた
ルックアップテーブルメモリ12は従来例と同様に、変換
入力輝度信号hのデータを、このメモリのアドレスとし
て、そのアドレスのデータを読みだし、このデータを第
2図(f)に示すように変換出力輝度信号mとして、DA
変換器13に出力する。そして、DA変換器13は変換出力輝
度信号mをアナログ量の出力輝度信号dに変換し出力す
る。タイミング制御回路14は以上述べたようなタイミン
グで各部の動作が行われるように各回路の動作を制御す
る。
以上のように本実施例によれば、ヒストグラム平坦化
処理をテレビジョン等の映像器の階調補正に応用し、そ
の補正量をヒストグラムデータより求めた平均値、モー
ド値、入力輝度信号の最大値、最小値、黒面積、白面
積、偏差係数等によりコントロールすることで、従来の
ような黒側だけの補正ではなく、明るい部分や中間輝度
レベルの信号についても充分に階調補正を行うことがで
きるとともに、ダイナミックレンジの広がり過ぎを防
ぎ、より忠実で高コントラストの階調補正を行うことが
できる。
第2図は加算値を一定値としたときの動作を説明する
図であるが、第3図は加算値を非一定値としたときの動
作を説明した図である。
第4図は本発明の他の実施例の階調補正装置のブロッ
ク図を示す。第4図において、7はAD変換器、8はヒス
トグラムメモリ、12はルックアップテーブルメモリ、13
はDA変換器、14はタイミング制御回路であり、これらは
従来例と同様である。
19はマイクロコンピュータで構成された演算装置であ
り、ヒストグラムメモリがマイクロコンピュータのメモ
リの一部となっており、マイクロコンピュータはヒスト
グラムデータを呼び出し、前の実施例で述べたような各
種の演算装置を統合した動作を行う。つまり、まず、ヒ
ストグラムデータpに対し平均値フィルタ、メジアンフ
ィルタ等の平滑化を行い、その演算結果のヒストグラム
データiに対し入力輝度信号の平均値、モード値、最大
値、最小値、偏差係数、白面積、黒面積等を検出し、こ
れらのデータから、リミッタ値、加算値、減算値、累積
スタート輝度レベル、累積ストップ輝度レベル、出力最
大輝度レベルを決め、ヒストグラムデータiの累積演算
を行い、これから、ルックアップテーブルデータlを求
め、結果をルックアップテーブルメモリ12にストアす
る。
このように構成された階調補正装置について、以下そ
の動作について説明する。入力輝度信号aはAD変換さ
れ、ヒストグラムメモリ8にそのヒストグラム分布がメ
モリされる。ここまでは、従来例と同様である。このデ
ータiを演算装置19が呼び出し、前に述べたような演算
をおこない、ルックアップテーブルデータkを求め、ル
ックアップテーブルメモリ12にストアする。以降の動作
は、従来例と同様である。なお、全体の動作のタイミン
グは、タイミング制御回路14で行われる。
以上のように、本実施例によれば、演算装置(マイク
ロコンピュータ)により、各部の演算をまとめて行うこ
とで、より少ない回路構成で、前の実例整と同様な階調
補正を行うことができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、階調補正装置にヒスト
グラムメモリ、ヒストグラム演算回路、ヒストグラムリ
ミッタ・加算・減算・クリップ回路、累積コントロール
レジスタ回路、正規化コントロールレジスタ回路、ヒス
トグラム累積加算回路、累積ヒストグラムメモリ、ルッ
クアップテーブル演算回路、ルックアップテーブルメモ
リ、そしてタイミング制御回路を設けることにより、演
算信号の階調の黒側についてはもちろん、明るい部分や
中間輝度レベルの信号についても充分に階調補正を行う
ことのできるとともに、ダイナミックレンジの広がり過
ぎを防ぎ、より忠実で高コントラストの階調補正を行う
ことのできる階調補正装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の階調補正装置のブロック
図、第2図は第1図の各部の動作説明のための特性図、
第3図は第1図の加算値を非一定値とした場合の各部の
動作説明のための特性図、第4図は本発明の他の実施例
の階調補正装置のブロック図、第5図は従来の階調補正
装置のブロック図、第6図は第5図の各部の波形図、第
7図は他の従来の階調補正装置のブロック図、第8図は
第7図の各部の動作説明のための特性図である。 8……ヒストグラムメモリ、9……ヒストグラム累積加
算回路、10……累積ヒストグラムメモリ、11……ルック
アップテーブル演算回路、12……ルックアップテーブル
メモリ、14……タイミング制御回路、15……ヒストグラ
ム演算回路、16……リミッタ・加算・減算・クリップ回
路、17……累積コントロールレジスタ回路、18……正規
化コントロールレジスタ回路、19……演算装置、i……
ヒストグラムメモリデータ、k……累積ヒストグラムメ
モリデータ、l……ルックアップテーブルデータ、n…
…補正ヒストグラムデータ、o……コントロールデー
タ、r……最大出力輝度データ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレビジョン受像機、ビデオテープレコー
    ダ、ビデオカメラ、ビデオディスク等の映像輝度信号の
    ヒストグラムを記憶するヒストグラムメモリと、このヒ
    ストグラムメモリのデータを累積加算するヒストグラム
    累積加算器と、累積加算結果を記憶する累積ヒストグラ
    ムメモリと、この累積ヒストグラムメモリの最大値デー
    タによって、その累積ヒストグラムメモリのデータを正
    規化するルックアップテーブル演算回路と、この結果を
    記憶するルックアップテーブルメモリを具備し、前記ヒ
    ストグラムメモリのデータから入力輝度信号の平均値、
    モード値、最大値、最小値、偏差(分散)係数、黒面
    積、白面積を検出し、これからリミッタ、クリップ、加
    算、減算、累積スタート、累積ストップ、最大輝度レベ
    ルの各コントロールデータを計算するヒストグラム演算
    回路と、このヒストグラム演算回路からのコントロール
    データにより、前記ヒストグラムメモリのデータに対し
    て、一定値以上あるいは一定値以下をある一定値におき
    かえ、一定値を加算または減算して補正ヒストグラムデ
    ータを作成するヒストグラムリミッタ・加算・減算・ク
    リップ回路と、前記ヒストグラム演算回路からのコント
    ロールデータにより、ヒストグラム累積加算回路におけ
    る累積を始めるスタート輝度レベルおよび累積を止める
    ストップ輝度レベルを設定して、前記補正ヒストグラム
    データの累積を取る範囲をコントロールする累積コント
    ロールレジスタ回路と、前記ヒストグラム演算回路から
    のコントロールデータにより、前記累積ヒストグラムメ
    モリのデータを正規化するための累積ヒストグラムメモ
    リの最大値データをコントロールする正規化コントロー
    ルレジスタ回路を設けた階調補正装置。
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