JP2511434Y2 - パネル取付台車 - Google Patents

パネル取付台車

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JP2511434Y2
JP2511434Y2 JP2339791U JP2339791U JP2511434Y2 JP 2511434 Y2 JP2511434 Y2 JP 2511434Y2 JP 2339791 U JP2339791 U JP 2339791U JP 2339791 U JP2339791 U JP 2339791U JP 2511434 Y2 JP2511434 Y2 JP 2511434Y2
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義之 福澤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、住宅ユニットに外壁パ
ネル等の壁パネルを取付けるラインにおいて、壁パネル
をユニット搬送方向に搬送するパネル取付台車に関す
る。
【0002】
【背景技術】ユニット住宅を構成する住宅ユニットは、
工場において柱、梁でボックス状の骨組みを構成し、こ
の骨組みに外壁パネルや造作・設備材を取付けて生産し
ていた。この際、外壁パネルは比較的重量があり、また
住宅ユニットに取付ける際に吊り上げた状態で行う必要
があるためホイストを用いて搬送していた。すなわち、
外壁パネルのストック場所から外壁パネルを取付ける場
所までレールを架設し、このレール上を移動するホイス
トで外壁パネルを吊り上げて搬送し、その外壁パネルを
ホイストで吊り上げた状態で住宅ユニットの骨組みに取
付けていた。
【0003】ところで、この従来の外壁パネルの取付け
は、住宅ユニットを外壁パネルの取付箇所に停止させて
行っているため、その取付けに手間取るとライン全体が
停止されてしまいユニットの生産性が低下するという問
題があった。このため、本願出願人は、住宅ユニットを
搬送しながら外壁パネルを取付けることができる装置を
考えた。
【0004】この装置では、住宅ユニットにはモジュー
ル寸法の異なる複数種類のユニットがあることや、外壁
パネルは住宅ユニットの長辺側に取付ける場合と短辺側
に取付ける場合とがあることなどを考慮し、住宅ユニッ
トの搬送方向に移動されるパネル取付台車にホイストを
支持し、外壁パネルをユニット搬送に合わせて移動させ
て取付ける構成とした。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、パネル取付
台車を用いて外壁パネルを取付ける場合、パネル取付台
車の移動をユニット搬送に同期させてパネル取付台車
と、搬送されている住宅ユニットとを相対的に停止させ
て壁パネルを取付けることが望ましい。このため、本願
出願人は、ユニット搬送に同期して駆動されるスラット
コンベアにパネル取付台車を載置して同期移動させるよ
うにした。
【0006】しかしながら、パネル取付台車をユニット
搬送に同期移動させ、壁パネルを住宅ユニットに対して
停止させて取付ける場合に、壁パネルの位置を最適な取
付位置まで移動させなければならないことがあった。こ
のため、パネル取付台車もユニットと同期移動されるだ
けでなく、住宅ユニットに対して相対的に移動できて住
宅ユニットに対する壁パネルの位置を調整できるものが
望まれていた。
【0007】本考案の目的は、搬送されている住宅ユニ
ットに対して相対的に移動可能なパネル取付台車を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案に係るパネル取付
台車は、ユニット搬送方向に直交するパネル取付台車の
長手方向の両側に回転駆動される走行用ローラが設けら
れていることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】このような本考案においては、パネル取付台車
は通常スラットコンベア等によってユニット搬送に同期
移動される。ここで、パネル取付台車のモータを駆動し
て走行用ローラを回転駆動すればスラットコンベア上を
パネル取付台車が移動して住宅ユニットに対して相対的
に移動され、壁パネルを所望の位置に移動することが可
能となる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】図1は、図2で示した天井パネル1と床パ
ネル2と2個の妻パネル3,4とで組み立てられる図3
の住宅ユニット5の生産工程を示すブロック図である。
天井パネル1は、長辺梁生産ライン6で長辺梁7を生産
した後、天井パネル生産ライン8において2本の平行な
長辺梁7を野縁9で連結して天井用面材10を取付ける
ことにより作られる。また、床パネル2は、長辺梁生産
ライン6で生産された長辺梁7を床パネル生産ライン1
1に送り、この生産ライン11において2本の平行な長
辺梁7を根太で連結した後に床用面材12を取付けるこ
とにより作られる。さらに、妻パネル3,4は、柱生産
ライン13、短辺梁生産ライン14で柱15、短辺梁1
6を生産し、妻パネル生産ライン17において2本の平
行な柱15の上端間および下端間を短辺梁16で溶接接
合することにより作られる。
【0012】以上の天井パネル1、床パネル2、妻パネ
ル3,4は総組みライン19に送られ、この総組みライ
ン19において、図2に示すように妻パネル3,4は天
井パネル1、床パネル2の両側に配置され、柱15の上
下端と天井パネル1、床パネル2の各長辺梁7の両端部
とが溶接されることにより、図3の住宅ユニット5の骨
組み5Aが組み立てられる。
【0013】この住宅ユニット5の骨組み5Aは、ロー
ラコンベア20上を移動可能な板状の移動台車21に枕
22を介して載置固定される。この骨組み5Aは、移動
台車21に載置された状態で外壁パネル取付ライン23
を搬送され、この搬送中に骨組み5Aの所定の外面に軽
量気泡コンクリート製の外壁パネルが取付けられる。さ
らに、この骨組み5Aは、移動台車21に載置されたま
ま造作・設備取付ライン24を搬送され、この搬送中に
間仕切壁、階段、キッチン等の造作材や、エアコン、ガ
ス給湯器などの設備材が取付けられ、これにより住宅ユ
ニット5が完成する。
【0014】このように工場で生産された複数の住宅ユ
ニット5はトラックで建設現場に運ばれ、これらの住宅
ユニット5が前後、左右、上下に組み合わされて結合さ
れることにより、ユニット住宅ができあがる。
【0015】図4および図5には、図1に示す外壁パネ
ル取付ライン23が示されている。外壁パネル取付ライ
ン23は、ユニット搬送ライン25の上に設けられたコ
ンベア架構85と、コンベア架構85の側方に設けられ
た略U字状のホイスト走行レール30とを備えている。
ユニット搬送ライン25は、ローラコンベア20および
図示しないチェーンコンベア等の牽引手段を備えて住宅
ユニット5が載置された移動台車21を搬送するライン
である。
【0016】コンベア架構85内では、複数、例えば8
台のパネル取付台車100がユニット搬送ライン25に
沿って立体的に循環移動されている。このパネル取付台
車100はホイスト31を支持可能に構成され、ホイス
ト31はパネル取付台車100を介してホイスト走行レ
ール30上を平面的に循環移動される。このホイスト3
1は複数台設けられ、これらのホイスト31により吊り
上げ搬出された外壁パネル26は、ホイスト31が台車
100に支持されている間に住宅ユニット5の骨組み5
Aに取付けられる。
【0017】ホイスト31は、図6にも示すように、I
型鋼のホイスト走行レール30を走行可能な電動トロリ
32を備えている。このトロリ32には、ホイスト走行
レール30に沿って設けられた集電レール33に電気的
に接続される集電子34が取付けられている。この集電
子34はトロリ32の両側に設けられ、ホイスト31の
向きに応じて集電レール33に何れか一方側の集電子3
4が接続されるように設けられている。この集電子34
のうち一側の集電子34と他側の集電子34とはそれぞ
れが集電レール33に接続されたときに極が入れ替わる
ように構成され、ホイスト31が順方向であっても逆方
向であっても前進を指示すれば前進し、後退を指示すれ
ば後退するように構成されている。
【0018】このホイスト31には、ホイスト31の巻
上機によって昇降されるフック35が設けられ、このフ
ック35には断面L字形の長尺のアングル材からなる壁
パネル支持部材36が取付けられている。壁パネル支持
部材36には、長手方向に渡って複数のチェーン係止孔
37が形成され、吊り上げる外壁パネル26の幅寸法に
応じた位置の孔37にチェーン38が着脱自在に取付け
られている。チェーン38の下端には、フック39が設
けられ、このフック39を外壁パネル26の上面に取付
けられたIボルト27に掛けて壁パネル支持部材36を
巻き上げることで外壁パネル26が吊り上げられる。
【0019】また、ホイスト31には、四角枠状のフレ
ーム40を介してホイスト31の駆動を制御する制御盤
41が取付けられるとともに、壁パネル支持部材36を
ガイドするガイド枠42が取付けられている。ガイド枠
42は、略円周上に配置された略U字型の4つのガイド
フレーム43を備え、フック35を巻き上げてこれらの
ガイドフレーム43間に壁パネル支持部材36を配置す
ることで支持部材36をホイスト31の移動方向および
この移動方向に直交する方向にガイド可能に構成されて
いる。
【0020】ホイスト31の駆動は、制御盤41にケー
ブル44を介して接続された制御ペンダント45で制御
されている。制御ペンダント45には、図7に示すよう
に、少なくとも6個の押釦46が設けられている。この
釦46の内、上下の釦46A,46Bを押すことにより
フック35つまり壁パネル支持部材36が昇降され、右
左の釦46C,46Dを押すことによりホイスト31が
ホイスト走行レール30に沿って進退移動される。ま
た、前後の釦46E,46Fはホイスト31がパネル取
付台車100に支持されている時に、台車100の移動
を制御するために用いられる。なお、ケーブル44の途
中は、フレーム40の側面に固定されたガイドレール4
7をスライド移動可能なスライダ48によって係止され
ており、このスライダ48を移動させることで制御ペン
ダント45の吊り下げ位置を適宜変更できるようになっ
ている。
【0021】このホイスト31が走行するホイスト走行
レール30の下方には、図5に示すように、外壁パネル
搬送コンベア50が設けられている。外壁パネル搬送コ
ンベア50は、モータ51で駆動されるコンベア52を
備え、図示しないラックにストックされた外壁パネル2
6をホイスト走行レール30の下方の外壁パネル搬出部
53に順次搬送するように構成されている。
【0022】外壁パネル搬送コンベア50の側方には、
レール切替装置55が設けられている。レール切替装置
55は、図4や図5に示すように、外壁パネル搬送コン
ベア50から外壁パネル26を吊り上げたホイスト31
を、回動部材61によって回動される切替レール62を
介して短辺パネル搬入レール56および長辺パネル搬入
レール57に適宜切り替えて搬送する装置である。
【0023】レール切替装置55に連結された短辺パネ
ル搬入レール56および長辺パネル搬入レール57は、
図5に示すようにコンベア架構85の一端側に設けられ
た短辺パネル入口部86および長辺パネル入口部87ま
で延長されている。また、コンベア架構85の他端側に
はホイスト走行レール30の端部が設けられたホイスト
出口部88が設けられている。
【0024】コンベア架構85は、図8〜図10にも示
すように、上下に二重に設けられたフレーム89A,8
9Bおよび柱90でその骨組みが構成されている。下側
のフレーム89Bの両端部には、所定間隔離れた2枚の
スプロケット91が固定されたコンベア軸92がそれぞ
れ回動自在に取付けられている。スプロケット91間に
はトッププレート付コンベアチェーン93が掛け渡さ
れ、このチェーン93は軸92を回転駆動するモータ9
4によって駆動されている。モータ94は、ユニット搬
送ライン25の牽引手段に同期して駆動され、よってチ
ェーン93はユニット搬送に同期して駆動される。これ
らのスプロケット91、コンベア軸92、コンベアチェ
ーン93、モータ94によりスラットコンベア95が構
成される。
【0025】スラットコンベア95上にはパネル取付台
車100が載置されている。パネル取付台車100は、
図11および図12に示すように、四角枠状の本体フレ
ーム101と、本体フレーム101に支持フレーム10
2を介して取付けられたホイスト支持レール103とを
備えている。本体フレーム101の四隅部には、それぞ
れ走行用ローラ104が回動自在に取付けられ、これら
の走行用ローラ104の外側にはそれぞれ昇降用ローラ
105が回動自在に取付けられている。これらのローラ
104,105のうち、本体フレーム101の長辺側の
一側面に設けられた一対のローラ104,105は、モ
ータ106および軸106Aにより回転駆動され、他側
面に設けられた一対のローラ104,105は自由に回
転できるように構成されている。
【0026】モータ106は、本体フレーム101に取
付けられた制御装置107で制御されている。この制御
装置107には、スラットコンベア95に沿って配置さ
れた図示しない集電レールを介して外壁パネル取付ライ
ン23全体の制御装置が接続され、この制御装置からの
信号によりモータ106の駆動を制御している。なお、
ホイスト支持レール103には、後述するように短辺パ
ネル入口部86および長辺パネル入口部87でホイスト
31が移し替えられるが、ホイスト支持レール103で
ホイスト31を支持している場合には図12に示すよう
に、パネル取付台車100に取付けられた集電レール1
08にホイスト31の集電子34が接続されるため、ホ
イスト31の制御ペンダント45の押釦46E,46F
により台車100の駆動を制御することができる。
【0027】走行用ローラ104は、スラットコンベア
95上に配置され、スラットコンベア95の駆動により
ユニット搬送に同期して移動される。また、走行用ロー
ラ104はモータ106の駆動によりスラットコンベア
95上を移動でき、これにより住宅ユニット5に対して
相対的な移動が可能である。なお、本体フレーム101
の短辺側側面には図12に示すように係止爪109が固
定されている。
【0028】コンベア架構85の短辺パネル入口部86
およびホイスト出口部88には、図8に示すように、入
口側昇降装置110および出口側昇降装置111が設け
られている。これらの昇降装置110,111は同一構
成なので、以下出口側昇降装置111の構成を図13を
参照して説明する。
【0029】出口側昇降装置111は、モータ112の
回転によってウォームおよびラック等を用いて昇降され
る2本のロッド113と、このロッド113の上端に固
定された昇降部材114と、図8に示すようにロッド1
13の両側に設けられたガイドレール115に当接して
ガイドされるガイドローラ116とを備えている。ロッ
ド113および昇降部材114は、スラットコンベア9
5の外側に設けられ、昇降部材114にはスラットコン
ベア95上に配置されたパネル取付台車100の昇降用
ローラ105が載置可能に配置されている。なお、昇降
部材114には、シリンダ等で出没される図示しないス
トッパが設けられ、このストッパで係止爪109を係止
してパネル取付台車100を昇降部材114上に固定し
ている。
【0030】スラットコンベア95の上方には、図8に
示すように出口側昇降装置111から入口側昇降装置1
10まで延長されたH型鋼からなる返送レール120が
図9に示すようにブラケット121を介して柱90に固
定されている。返送レール120の端部は、昇降部材1
14の端部に水平方向に僅かに重なるように形成され、
これにより図13の2点鎖線で示すように昇降装置11
1で上昇されたパネル取付台車100が昇降部材114
上を移動する間に返送レール120上に走行用ローラ1
04が移動されて乗り移りできるように構成されてい
る。
【0031】入口側昇降装置110では、返送レール1
20から昇降部材114上に乗り移られたパネル取付台
車100を下降させてスラットコンベア95上に載置す
るように構成されている。また、コンベア架構85のフ
レーム89B上の長辺パネル入口部87およびホイスト
出口部88の手前には、図8に示すようにパネル取付台
車100の係止爪109に当接するストッパを備えてパ
ネル取付台車100を停止可能な台車停止装置122が
設けられている。
【0032】コンベア架構85の短辺パネル入口部8
6、長辺パネル入口部87およびホイスト出口部88に
は、ホイスト移替装置123A,123B,123Cが
それぞれ設けられている。ホイスト移替装置123A,
123B,123Cは、図14に詳細に示すように、レ
ール相互の位置合わせを行うレール芯合せ装置66と、
レール芯合せ装置66によって開閉されるゲート67と
で構成されている。レール芯合せ装置66は、連結され
るレールの一方側であるレール56,57,88側に設
けられたパワーシリンダ68と、このパワーシリンダ6
8でレール62に沿って移動される位置決めロッド69
とを備えている。位置決めロッド69は、レール56,
57,88にプレート70を介して固定されたガイド部
材71のガイド孔72でガイドされている。
【0033】一方、連結される他方側のホイスト支持レ
ール103には、プレート73を介して位置決め部材7
4が固定されている。前記位置決めロッド69は、図1
4に実線で示す没状態ではその先端がレール56,5
7,88の端面より内側に位置され、2点鎖線で示す突
出状態ではその先端がレール56,57,88の端面よ
り突出されて位置決め部材74の嵌合孔75に嵌合する
ように構成されている。従って、各レール56,57,
88とホイスト支持レール103との端面が対向された
状態でパワーシリンダ68により位置決めロッド69を
突出させて嵌合孔75に嵌合させればレール同士は自動
的に位置合わせされる。
【0034】この位置決めロッド69の出没の状態は、
ロッド69の後部の検出プレート76が切替レール62
に沿って設けられた2つのリミットスイッチに当接する
ことで検出される。
【0035】一方、プレート70,73にはブラケット
78がそれぞれ立設され、各ブラケット78には軸79
が回動自在に軸支されている。各軸79には、互いに約
90度の角度で設けられた第1および第2のアーム8
0,81が固定されている。第2のアーム81には上下
のみ移動可能なゲート部材82がそれぞれ連結されてい
る。ゲート部材82は、下降した際に各レールの両側に
配置されてホイスト31の移動を規制するものである。
【0036】位置決めロッド69の中間部には、ロッド
69が突出状態のときにレール56,57,88側の第
1のアーム80に当接する当接部83が設けられてい
る。この当接部83およびロッド69の先端が各第1の
アーム80を押すと、アーム80、軸79、アーム81
を介してゲート部材82が上昇され、ゲート67が開か
れてホイスト31の移動が可能となる。
【0037】次に、このように構成された外壁パネル取
付ライン23の作用について説明する。総組みライン1
9で組み立てられた住宅ユニット5の骨組み5Aは、移
動台車21に載置固定される。移動台車21は、牽引手
段によりローラコンベア20上を移動されて外壁パネル
取付ライン23のユニット搬送ライン25上を搬送され
る。
【0038】住宅ユニット5に取付けられる外壁パネル
26は、搬送される住宅ユニット5の順番に合わせて外
壁パネル搬送コンベア50のラックに入れられ、順次外
壁パネル搬出部53に送られる。
【0039】外壁パネル搬出部53では、制御ペンダン
ト45を用いて外壁パネル搬出部53の上まで移動した
ホイスト31の壁パネル支持部材36を降ろし、そのフ
ック39を壁パネル26のIボルト27に掛けてから壁
パネル支持部材36を巻き上げて壁パネル26を吊り上
げる。このホイスト31をレール切替装置55を介して
短辺パネル搬入レール56あるいは長辺パネル搬入レー
ル57に移動する。
【0040】一方、コンベア架構85を循環移動される
複数のパネル取付台車100のうちの1台は、入口側昇
降装置110に係止された状態でスラットコンベア95
上に載置され、スラットコンベア95の駆動に関係なく
短辺パネル入口部86に配置されている。
【0041】ここで、短辺パネル搬入レール56にホイ
スト31が移動されると、レール56に設けられたセン
サによりホイスト31が検出され、レール56に設けら
れたホイスト移替装置123Aによりレール56と台車
100のホイスト支持レール103とが連結され、ゲー
ト67が開かれる。この後、ペンダント45を操作して
ホイスト31を台車100の支持レール103に移動す
る。
【0042】一方、長辺パネル搬入レール57にホイス
ト31が移動されると、レール57に設けられたセンサ
によりホイスト31が検出される。この検出に応じて、
入口側昇降装置110のストッパが解除されて、昇降装
置110に係止されていたパネル取付台車100はスラ
ットコンベア95の駆動により長辺パネル入口部87に
向かって移動される。長辺パネル入口部87では、台車
停止装置122が作動されて移動してきた台車100を
長辺パネル入口部87に停止させ、ホイスト移替装置1
23Bによりレール57とホイスト支持レール103と
が連結され、ゲート67が開かれる。この後、ペンダン
ト45を操作してホイスト31を台車100の支持レー
ル103に移動する。
【0043】短辺パネル入口部86あるいは長辺パネル
入口部87でパネル取付台車100のホイスト支持レー
ル103にホイスト31が支持されると、このホイスト
31がレール103に支持されていることを検出するセ
ンサからの信号により入口側昇降装置110あるいは台
車停止装置122のストッパが解除され、パネル取付台
車100はスラットコンベア95の駆動に伴い移動され
る。
【0044】スラットコンベア95は、ユニット搬送ラ
イン25の住宅ユニットの搬送に同期して駆動されるた
め、コンベア95上のパネル取付台車100およびホイ
スト31は住宅ユニット5と同期して移動される。従っ
て、コンベア95上の台車100を移動させなければホ
イスト31に吊り下げられた外壁パネル26は住宅ユニ
ット5の骨組み5Aに対して相対的に停止した状態で移
動される。
【0045】また、コンベア95上の台車100をペン
ダント45を用いて移動させれば、外壁パネル26は骨
組み5Aに対して相対的に移動されるので、台車100
およびホイスト31を移動させることで外壁パネル26
は骨組み5Aの所定の取付位置に移動される。この後、
パネル取付台車100およびホイスト31を停止させれ
ば、外壁パネル26はスラットコンベア95の駆動によ
り住宅ユニット5に同期して移動され、この状態で骨組
み5Aに取付けられる。
【0046】この際、骨組み5Aの短辺側に外壁パネル
26を取付ける場合には、パネル取付台車100を骨組
み5Aの短辺に沿って配置し、ホイスト31をホイスト
支持レール103の略中央部に配置し、外壁パネル26
をユニット搬送方向に直交する方向に向けて配置すれば
よい。また、骨組み5Aの長辺側に外壁パネル26を取
付ける場合には、パネル取付台車100を骨組み5Aの
長辺中央部に配置し、ホイスト31を骨組み5Aの長辺
に沿って配置し、外壁パネル26をユニット搬送方向に
平行に配置すればよい。
【0047】外壁パネル26を住宅ユニット5の骨組み
5Aに取付けた後に、壁パネル支持部材36をペンダン
ト45を操作して上昇させ、ガイド枠42のガイドフレ
ーム43間に配置して支持部材36をホイスト31の移
動方向つまりホイスト支持レール103に沿った方向に
ガイドする。
【0048】外壁パネル26を取付けた後のパネル取付
台車100は、スラットコンベア95によりホイスト出
口部88の出口側昇降装置111まで移動され、昇降部
材114上に台車100の昇降用ローラ105が載せら
れた状態でストッパにより係止される。なお、昇降部材
114が下降位置まで移動していない場合や昇降部材1
14上に別の台車100が係止されている場合には、出
口側昇降装置111の手前側に設けられた台車停止装置
122によってパネル取付台車100は昇降部材114
上に移動可能な状態になるまで停止される。
【0049】パネル取付台車100が昇降部材114上
に停止されると、ホイスト移替装置123Cが作動して
ホイスト支持レール103とホイスト走行レール30と
が連結されてゲート67が開かれる。次いで、例えばホ
イスト出口部88に設けられた発光源からホイスト31
に設けられた光検出器に光を当てるなどでホイスト31
に信号を送り、ホイスト31を自動発進させる。ホイス
ト31は自己保持により外部から制御しなくても支持レ
ール103から走行レール30に乗り換えて走行レール
30を自動走行し、外壁パネル搬出部53まで返送され
る。
【0050】一方、出口側昇降装置111は、ホイスト
31が走行レール30に移動した後にホイスト移替装置
123Cを作動させてレール30,103の連結を解除
し、昇降部材114上に載せられたパネル取付台車10
0を返送レール120の高さ位置まで上昇させる。この
上昇位置には複数のリミットスイッチが設けられ、台車
100毎に異なる位置に設けられたドグにより上昇され
た台車100の番号が検出される。外壁パネル取付ライ
ン23全体を制御する制御装置は、この番号が検出され
た台車100を返送レール120に沿って配置された集
電レールを介して制御して返送レール120上をモータ
106を駆動させて自走させる。
【0051】返送レール120上を移動するパネル取付
台車100は、入口側昇降装置110の手前側に返送レ
ール120に沿って台車100の数だけ配置された複数
のリミットスイッチにより減速、停止される。すなわ
ち、ライン23の制御装置は、まず台車100が何台停
止されているかをスイッチが入れられたリミットスイッ
チの数により判断し、この最後部に停止されている台車
100が当接しているリミットスイッチから2つ目のリ
ミットスイッチを移動している台車100が通過したら
その台車100を減速させ、1つ目のリミットスイッチ
に当接したところでその台車100を停止させる。
【0052】このようにして停止されたパネル取付台車
100は、順次入口側昇降装置110上に移動し、昇降
装置110により短辺パネル入口部86のスラットコン
ベア95上に載置される。以下、前述の動作を繰り換え
すことにより、住宅ユニット5の骨組み5Aに順次外壁
パネル26が取付けられる。
【0053】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。
【0054】すなわち、パネル取付台車100にモータ
106で駆動される走行用ローラ104を設け、このロ
ーラ104をユニット搬送に同期して駆動されるスラッ
トコンベア95上に配置したので、モータ106を駆動
しないときにはスラットコンベア95の駆動によりパネ
ル取付台車100をユニット搬送に同期して移動でき、
モータ106を駆動することによりパネル取付台車10
0をスラットコンベア95上で走行させてユニットに対
して相対的に移動することができる。このため、住宅ユ
ニット5に対してパネル取付台車100つまり外壁パネ
ル26を前後に移動して外壁パネル26のユニット搬送
方向の位置を自由に調整できる。さらに、ホイスト31
が台車100のホイスト支持レール103上でユニット
搬送方向に直交する方向に移動可能であることから、外
壁パネル26のユニット搬送方向に直交する方向の位置
も自由に調整できる。従って、ホイスト31およびパネ
ル取付台車100を適宜移動させることで外壁パネル2
6を水平方向に自由に移動できて住宅ユニット5の短辺
側および長辺側のどちら側にも取付けることができる。
【0055】また、壁パネル26を自由に移動できるた
め、長辺側あるいは短辺側のモジュール寸法が異なる種
々の住宅ユニット5にも適宜パネル取付台車100やホ
イスト31を移動させることで取付けることができる。
【0056】さらに、パネル取付台車100を住宅ユニ
ット5に対して相対的に移動できるので、各パネル入口
部86,87にパネル取付台車100を停止させてホイ
スト31の移替作業を行っている間に住宅ユニット5が
搬送されて前方に移動しても、モータ106を駆動する
ことでその住宅ユニット5まで壁パネル26を搬送して
取付けることができる。よって、ホイスト31の移替作
業時にパネル取付台車100に合わせて住宅ユニット5
の搬送を停止させる必要がなく、ライン全体を停止させ
ることがないので、ユニットの生産性を向上できる。
【0057】また、パネル取付台車100を移動させる
スラットコンベア95は、ユニット5の搬送に同期して
駆動されるため、台車100をユニット5と同速度で移
動でき、住宅ユニット5が搬送されていてもユニット5
に対して外壁パネル26が停止された状態で取付作業を
行える。従って、住宅ユニット5を搬送していても、作
業者はユニット5の搬送を考慮せずに従来のように住宅
ユニット5を停止させた状態と同様の作業が行えるの
で、作業性が低下することなく生産性を向上できる。ま
た、スラットコンベア95は住宅ユニット5の搬送に常
に同期しているので、パネル取付時に作業者がコンベア
95の駆動を制御する必要がなく、取付作業をより容易
に行える。
【0058】さらに、パネル取付台車100はコンベア
架構85内を立体的に循環移動され、ホイスト31はパ
ネル取付台車100およびホイスト走行レール31上を
平面的に循環移動されるため、複数の台車100および
ホイスト31を配置して順次外壁パネル26の取付けを
行うことができ、かつ外壁パネル取付ライン23におい
て複数の住宅ユニット5に同時に外壁パネル26を取付
けることもでき、生産性や作業性を向上できる。
【0059】なお、本考案は前述の実施例に限定される
ものではなく、本考案の目的を達成できる範囲での変
形、改良等は本考案に含まれるものである。
【0060】例えば、前記実施例ではスラットコンベア
95を用いてパネル取付台車100を住宅ユニット5の
搬送に同期させていたが、ベルトコンベア等を用いてパ
ネル取付台車100を同期搬送してもよい。また、コン
ベア95を設けずにパネル取付台車100のモータ10
6の駆動をラインの制御装置で制御してユニット搬送に
同期移動させてもよい。なお、コンベア95を用いない
場合には、ラインの制御装置からの同期信号に制御ペン
ダント45からの信号を加えてモータを作動させること
でユニット5に対してパネル取付台車100を相対的に
移動させればよい。
【0061】また、本考案は、住宅ユニット5の骨組み
5Aに外壁パネルを取付ける場合に限らず、内壁パネル
や間仕切壁等の壁パネルの取付けに広範に利用できる。
【0062】また、前記実施例は一例であり、ホイスト
31やスラットコンベア95、各昇降装置110,11
1等の具体的構成は前記実施例のものに限らず、他の構
成のものを用いてもよい。
【0063】
【考案の効果】以上の本考案のパネル取付台車によれ
ば、搬送されている住宅ユニットに対して同期移動され
ていても相対的に移動できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の住宅ユニットの生産工程を
示すブロック図である。
【図2】本実施例で生産される住宅ユニットを示す分解
斜視図である。
【図3】住宅ユニットおよび移動台車を示す斜視図であ
る。
【図4】本考案の一実施例の外壁パネル取付ラインを示
す概略斜視図である。
【図5】外壁パネル取付ラインの平面図である。
【図6】ホイストを示す正面図である。
【図7】ホイストの制御ペンダントを示す正面図であ
る。
【図8】コンベア架構の一部を省略した正面図である。
【図9】コンベア架構を示す側面図である。
【図10】コンベア架構の一部を省略した平面図である。
【図11】パネル取付台車およびホイストを示す正面図で
ある。
【図12】パネル取付台車およびホイストを示す側面図で
ある。
【図13】出口側昇降装置を示す斜視図である。
【図14】ホイスト移替装置を示す正面図である。
【符号の説明】
5 住宅ユニット 23 外壁パネル取付ライン 25 ユニット搬送ライン 26 外壁パネル 31 ホイスト 95 スラットコンベア 100 パネル取付台車 103 ホイスト支持レール 104 走行用ローラ 106 モータ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅ユニットに壁パネルを取付けるライ
    ンにおいて壁パネルをユニット搬送方向に搬送するパネ
    ル取付台車であって、ユニット搬送方向に直交するパネ
    ル取付台車の長手方向の両側に回転駆動される走行用ロ
    ーラが設けられていることを特徴とするパネル取付台
    車。
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