JP2510906Y2 - プリンタの自動用紙厚設定機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ドットプリンタなどのプリンタにおいて、
使用する用紙の厚さに応じてプラテンと印字ヘッドの間
隔を、良好な印字が得られるよう正確に調整する自動用
紙厚設定機構に関する。

（従来の技術） 従来、この種の自動用紙厚設定機構は、例えば、第２
図に示すように、印字ヘッド３とプラテン５にセットさ
れた用紙４の間の隙間を設定するため、用紙４に対し、
印字ヘッド３の横にスペーサ１を取り付け、そのスペー
サを用紙に突き当てて用紙の厚さを測定し、その測定結
果にもとづいて印字するときの印字ヘッド３の位置を定
めていた。

（考案が解決しようとする課題） 上述した従来のプリンタの自動用紙厚設定機構は、プ
ラテンに対する印字ヘッドの位置を規正したいのに、こ
れを決めるためのスペーサの位置が印字ヘッドの位置か
ら離れている。したがって、スペーサの取付け位置に高
い精度が要求されるので、スペーサ取付け作業がむつか
しい。また、規正された印字ヘッド位置に誤差を生じ易
い欠点がある。

本考案はこのような欠点を解決し、スペーサの取付け
位置の調整を必要とせず、また、プラテンにセットされ
た異なる用紙に対し、印字ヘッドが常に正確な相対位置
に規正されるようなプリンタの自動用紙厚設定機構を提
供することにある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するために本考案のプリンタの自動
用紙厚設定機構は、プラテン５と印字ヘッド３の間に用
紙４を介在させ、前記プラテン５と前記印字ヘッド３の
相互位置を変えることによってプラテン５と印字ヘッド
３の隙間を用紙厚に応じて設定し、その結果にもとづい
て印字するときのプラテン５と印字ヘッド３の隙間を調
整する用紙厚設定機構において、用紙４と印字ヘッド３
の間に挿入され、前記用紙４と印字ヘッド３の隙間を適
正値にするためのスペーサ１と、前記スペーサ１を前記
用紙４と印字ヘッド３の間に挿入，退避させるアクチュ
エータ２とを有し、前記プラテン５にセットされた用紙
４に対し、前記アクチュエータ２を駆動して前記スペー
サ１を前記用紙４と印字ヘッド３の間に挿入し、前記用
紙４と印字ヘッド３の隙間を狭めて前記スペーサ１の一
面を前記用紙４に、他面を前記印字ヘッド３に当接さ
せ、前記用紙４と印字ヘッド３の間を開いて前記スペー
サ１を退避させた後、前記用紙４と印字ヘッド３の隙間
を狭めて前記スペーサ１が前記用紙４と印字ヘッド３に
当接したときの隙間に前記用紙４と印字ヘッド３の隙間
を設定する構造とする。

（実施例） 次に、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は、本考案の一実施例の構造と使用状態を示す
断面図（説明図）である。

第１図に示すように本実施例には、図中上下に移動す
ることができるスペーサ１と、スペーサ１を上下に移動
させるアクチュエータとしてのソレノイド２を有してい
る。なお、３はプリンタヘッド、４は用紙、５はプラテ
ン、６は摩擦によってプラテンを回すフリクションロー
ラ、７は用紙案内用のペーパガイドである。

用紙４をプラテン５に供給するときは、第１図（ａ）
に示すように、プラテン５が図中の矢印方向に回転する
ことにより、プラテン５とフリクションローラ６により
吸入される。このときスペーサ１は、ソレノイド２によ
り下方に移動している。

プラテン５に対する印字ヘッド３の相対位置を決める
ときは、同図（ｂ）のようにスペーサ１は、ソレノイド
２により移動し、用紙４と印字ヘッド１の間に入り、印
字ヘッド３は、図示しないステッピングモータの駆動に
より前方に移動し、スペーサ１に突き当る。その位置で
印字ヘッド３はステッピングモータがトルク出力臨界点
で脱調して停止し、用紙面からの基準位置が得られる。

つぎに同図（ｃ）に示すように、印字ヘッド３は図示
しないステッピングモータの逆回転により、スペーサ１
から離れる。この場合のステッピングモータへ与えられ
る送りステップ数は一定である。

つぎに同図（ｄ）に示すように、スペーサ１は、ソレ
ノイド２により下方へ移動し、用紙４から遠ざけられ
る。その後、印字ヘッド１は、同図（ｃ）におけるステ
ップ数に一定数を加えたステップ数がステッピングモー
タに与えられ、その回転により前進し、用紙４と印字ヘ
ッド３の間の隙間が、用紙厚の大小にかかわらず一定に
設定され、印字が開始される。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は、プラテンに対する印
字ヘッドの位置を設定するとき、用紙と印字ヘッドの間
にスペーサを挿入してそのときの印字ヘッドの位置か
ら、印字する場合の印字ヘッド位置を設定することによ
り、用紙面から印字ヘッドまでの隙間を常に正確に適正
値に保つことができるという効果がある。

したがって本実施例を使用すれば、従来のようにスペ
ーサの取付け位置を高い精度で取り付ける必要がなく、
誰でも簡単に取りつけられ、また規正される印字ヘッド
位置には誤差を生じないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を使用例とともに示す説明
図（断面図）である。 第２図は、従来の用紙厚設定機構を示す斜視図である。 １……スペーサ ２……ソレノイド ３……印字ヘッド ４……用紙 ５……プラテン ６……フリクションローラ ７……ペーパガイド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンと印字ヘッドの間に用紙を介在さ
   せ、前記プラテンと前記印字ヘッドの相互位置を変える
   ことによってプラテンと印字ヘッドの隙間を用紙厚に応
   じて設定し、その結果にもとづいて印字するときのプラ
   テンと印字ヘッドの隙間を調整する用紙厚設定機構にお
   いて、 用紙と印字ヘッドの間に挿入され、前記用紙と印字ヘッ
   ドの隙間を適正値にするためのスペーサと、前記スペー
   サを前記用紙と印字ヘッドの間に挿入，退避させるアク
   チュエータとを有し、 前記プラテンにセットされた用紙に対し、前記アクチュ
   エータを駆動して前記スペーサを前記用紙と印字ヘッド
   の間に挿入し、前記用紙と印字ヘッドの隙間を狭めて前
   記スペーサの一面を前記用紙に、他面を前記印字ヘッド
   に当接させ、 前記用紙と印字ヘッドの間を開いて前記スペーサを退避
   させた後、 前記用紙と印字ヘッドの隙間を狭めて前記スペーサが前
   記用紙と印字ヘッドに当接したときの隙間に前記用紙と
   印字ヘッドの隙間を設定することを特徴とするプリンタ
   の自動用紙厚設定機構。