JP2510785B2 - オクタ―2,7―ジエン―1―オ―ルの製造法 - Google Patents
オクタ―2,7―ジエン―1―オ―ルの製造法Info
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Description
ジエン−1−オールを製造するための改良された方法に
関するものである。
されるn−オクタノールはジオクチルフタレート等の可
塑剤の原料として有用であり、またオクタ−2,7−ジエ
ン−1−オールをオキソ反応に付し、得られる生成物を
水素化することにより製造される1,9−ノナンジオール
は耐加水分解性に優れたポリエステルを製造するための
原料として有用である。
オクタ−2,7−ジエン−1−オールを合成する反応自体
は公知である。周知のごとく、パラジウム触媒は極めて
高価な貴金属触媒であるので、工業的規模でオクタ−2,
7−ジエン−1−オールを安価に大量生産するためには
次の1)〜4)の技術的課題を解決することが重要であ
る。
(反応混合液1あたりパラジウム原子換算で数ミリグ
ラム原子程度)において高い反応速度が達成されるこ
と、 2) オクタ−2,7−ジエン−1−オールへの選択率が
充分高いこと、 3) パラジウム触媒の活性が長期に亘つて安定に保持
されること、 4) 生成したオクタ−2,7−ジエン−1−オールがパ
ラジウム触媒の活性低下を伴うことなく効率よく反応混
合液から分離されること。
ム触媒を含む反応混合液を蒸留することにより分離され
るが、本発明者らの詳細な検討によれば、蒸留温度が約
120℃を越える場合パラジウム触媒がメタル化して失活
する傾向が認められた。
うちのひとりを含む2人は下記の如き製造方法をすでに
提案した(特公昭63−37774号公報参照)。
級アミンの炭酸塩および/または重炭酸塩を含むスルホ
ラン水溶液中、パラジウム化合物およびパラジウム1グ
ラム原子あたり少なくとも6モルの親水性の単座配位性
ホスフインの存在下でブタジエンと水とを反応させるこ
とによつてオクタ−2,7−ジエン−1−オールを合成
し、 (II) 工程(I)で得られる反応混合液の少なくとも
一部を飽和脂肪族炭化水素、モノオレフイン性炭化水素
または脂環式炭化水素で抽出することによつてオクタ−
2,7−ジエン−1−オールを抽出分離し、 (III) 工程(II)における触媒成分を含む抽残液の
少なくとも一部を工程(I)のオクタ−2,7−ジエン−
1−オール合成反応工程に循環して使用することからな
るオクタ−2,7−ジエン−1−オールの製造方法。
えば、オクタ−2,7−ジエン−1−オールを低濃度のパ
ラジウム触媒の存在下でも高い反応速度と高い選択率で
生成させることができ、しかもパラジウム触媒の活性を
低下させることなく反応混合液からオクタ−2,7−ジエ
ン−1−オールを分離することができ、パラジウム触媒
は循環して使用することができる。しかしながら、この
方法においてもなお工業的な規模で長期に亘つて連続運
転を行つた場合には解決すべき課題が存在することが明
らかとなつた。すなわち、反応混合液からオクタタ−2,
7−ジエン−1−オールを分離する際得られる抽出液中
には極めて微量ではあるが、パラジウム触媒、リン化合
物、第3級アミンおよびスルホラン等の触媒成分が溶出
している。この抽出液をそのまま蒸留工程に付して未反
応のブタジエン、抽剤および触媒成分をオクタ−2,7−
ジエン−1−オールと分離する際、溶出したパラジウム
触媒のほとんどが蒸留塔缶液においてメタルとして析出
するので、リボイラーの熱効率の低下が経時的に生じ、
蒸留分離が困難になるばかりでなく、高沸物の副生が増
加することがわかつた。特公昭63−37774号公報には、
抽出液からのオクタ−2,7−ジエン−1−オールの分離
操作に先立ち、抽出液を例えばスルホラン水溶液で洗浄
することによつて極微量含まれる触媒およびホスフイン
を除去することもできると記憶されているが、本発明者
らの検討によれば、上記の方法における抽出液からのパ
ラジウム触媒の回収率は高々30〜40%程度であり、装置
的に洗浄効率を高める工夫をしただけでは蒸留工程にお
けるリボイラーの熱効率の低下および高沸物の副生を抑
え得る程度にまで、該抽出液からパラジウム触媒を回収
することは困難であることがわかつた。また、蒸留工程
において回収されるパラジウム化合物およびリン化合物
は、もはやそのままでは触媒活性を有しない形態になつ
ており、何等かの再処理が必要である。かかる再処理量
が多いプロセスは経済的とは言い難い。n−オクタノー
ルのような比較的安価で大量生産される化合物を製造す
る場合、たとえ数パーセントと言えどもパラジウム触媒
の抽出液への溶出量の増加、触媒成分の回収率の低下、
高沸物の生成およびリボイラーの熱効率の低下等が重大
な問題となることは言うまでもない。
タ−2,7−ジエン−1−オールの製造方法を提供するこ
とにある。
ン−1−オールの製造方法を開発するために鋭意検討を
重ねた結果、オクタ−2,7−ジエン−1−オールを含む
抽出液を水溶性ホスフインの存在下にスルホラン水溶液
で洗浄することによつて該抽出液からパラジウム触媒お
よびリン化合物の触媒活性を維持したまま効率よく回収
し得ることを見い出し、本発明を完成するに至つた。
級アミンの炭酸塩および/または重炭酸塩を含むスルホ
ラン水溶液中、ブタジエンとオクタ−2,7−ジエン−1
−オールのモル比を0.6以上に維持し、パラジウム化合
物およびホスホニウム塩の存在下でブタジエンと水とを
反応させることによつてオクタン−2,7−ジエン−1−
オールを合成し、 (2) 工程(1)で得られる反応混合液の少なくとも
一部を飽和脂肪族炭化水素、モノオレフイン性炭化水素
または脂環式炭化水素で抽出することによつてオクタ−
2,7−ジエン−1−オールを分離し、 (3) 工程(2)で得られる触媒成分を含む抽残液の
少なくとも一部を工程(1)のオクタ−2,7−ジエン−
1−オール合成反応工程にフイードし、 (4) 工程(2)で得られるオクタ−2,7−ジエン−
1−オールを含む抽出液を水溶性ホスフインの存在下に
スルホラン水溶液で洗浄し、スルホラン水溶液層と洗浄
される抽出液層に分離し、 (5) 工程(4)で得られるスルホラン水溶液層の少
なくとも一部を抽出工程(2)にフイードし、 (6) 工程(4)で得られる洗浄された抽出液層を蒸
留する ことを特徴とするオクタ−2,7−ジエン−1−オールの
製造法を提供することによつて達成される。
られるオクタ−2,7−ジエン−1−オールを含む抽出液
をスルホラン水溶液で洗浄する際に存在させる水溶性ホ
スフインとしては、下記一般式(I) (式中、Mはアルカリ金属を表す)で示されるホスフイ
ンが好ましい。一般式(I)におけるMが表すアルカリ
金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウムおよび
カリウムが挙げられる。水溶性ホスフインの量は工程
(2)で得られる抽出液中に含まれるパラジウム原子に
対して1当量以上が適当である。水溶性ホスフインが存
在しない場合には、工程(2)で得られる抽出液中に含
まれるパラジウム触媒の30〜40%程度しかスルホラン水
溶液中に回収することはできない。工程(2)で得られ
る抽出液中に含まれるパラジウム原子に対して1当量以
上の水溶性ホスフインを存在させることによつて、抽出
液中に含まれるパラジウム触媒の90〜100%がスルホラ
ン水溶液中に回収される。しかも、その際にオクタ−2,
7−ジエン−1−オールを含む抽出液中へのリン化合物
の溶出量は増加することはない。水溶性ホスフインの使
用量の上限はないが、その使用量は工程(4)で得られ
る洗浄された抽出液中に含まれる量に相当する量、すな
わち、反応系外に溶出するリン化合物のモル相当の量が
好ましい。工程(4)で用いられるスルホラン水溶液と
しては工程(6)で得られる蒸留塔缶液から回収される
スルホラン溶液の少なくとも一部をスルホラン水溶液と
して用いるのが好ましい。この際、使用される水の量
は、工程(1)の反応で消費される水および工程(4)
の抽出液層に溶出する水の合計量以下に相当する量であ
るのが望ましい。洗浄操作は二酸化炭素の雰囲気下で行
うのが適当である。二酸化炭素の分圧は3絶対圧力より
大きく20絶対圧力より小さい圧力であるのが好ましく、
4〜16絶対圧力であるのがより好ましい。二酸化炭素の
圧力によつてパラジウム触媒およびリン化合物のスルホ
ラン水溶液への回収率はほとんど変化しない。二酸化炭
素の圧力は第3級アミンの回収率に大きな影響を与え、
二酸化炭素の圧力が高いほど第3級アミンの回収率は高
くなり、二酸化炭素の分圧が20絶対圧力以上になると第
3級アミンは100%回収される。第3級アミンは工程
(6)における蒸留操作によつても抽剤とともに効率よ
く回収されることから、工程(4)において二酸化炭素
の分圧を敢えて高圧にする必要はない。
活性を保つたままで回収するうえで、0〜80℃の範囲の
温度を採用することが好ましく、5〜30℃の範囲の温度
を採用することがより好ましい。洗浄操作を80℃より高
い温度で行う場合、回収されるパラジウム触媒の活性が
低下するばかりか、第3級アミンの回収率も低下し、ま
た0℃より低い温度で洗浄を行う場合、洗浄界面の分離
性が悪くなることから、いずれの場合も好ましくない。
洗浄操作はバツチでも連続的にも実施することが可能で
あり、通常よく知られる抽出・洗浄装置を用いて実施さ
れる。
られる洗浄された抽出液を蒸留操作に付する際に、該抽
出液に予めジメチルグリオキシムを添加するのが好まし
い。ジメチルグリオキシムは蒸留塔缶液でのパラジウム
触媒のメタル化を抑制するのに効果がある。ジメチルグ
リオキシムの添加量は、該洗浄された抽出液中に溶存す
るパラジウム原子に対するモル比で10以上であることが
好ましい。工程(4)においてパラジウム触媒の回収が
効果的に実施されておれば、洗浄された抽出液を蒸留す
る際に該抽出液にジメチルグリオキシムを敢えて加える
必要はない。工程(4)におけるパラジウム触媒の回収
により、また蒸留操作中におけるパラジウム触媒のジメ
チルグリオキシムによる安定化効果により、蒸留塔缶液
でのパラジウム触媒のメタル化を抑制することができ、
安定な蒸留運転が保証される。
クタ−2,7−ジエン−1−オールを蒸留分離して得られ
る蒸留塔缶液から回収される。
るジオクタジエニルエーテル、炭素数9のラクトン(以
下、これをC9ラクトンと称す)等の高沸物が存在し、こ
れら副生物はスルホランと共沸混合物を形成する。その
共沸混合物は室温付近の温度で相分離し、スルホランリ
ツチな下層を形成する。スルホランと上記高沸物との選
択分離性は良好ではないが、蒸留塔缶液または蒸留塔缶
液を蒸発させて得られる液を水洗する場合には、90%以
上の回収率でスルホランが回収される。水洗に使用され
る水の量は、工程(1)の反応で消費される水および工
程(4)の抽出液層に溶出する水の合計量の0.2〜1重
量倍の範囲であることが好ましい。水の使用量が0.2重
量倍よりも少ない場合には、スルホランの回収率が低下
することから好ましくない。また水の使用量が1重量倍
を越える場合には、越えた分の水を蒸留除去する操作が
必要になるとともに、蒸発除去する際の加熱操作によ
り、スルホラン水溶液中に含まれるC9ラクトン等の高沸
物が加水分解し、炭素数9の不飽和カルボン酸が生成す
る。かかる炭素数9の不飽和カルボン酸を含むスルホラ
ン水溶液を工程(4)における洗浄液として使用する場
合、該不飽和カルボン酸は工程(4)で得られるスルホ
ラン水溶液層に止まり、次いで工程(2)で得られる抽
残液に移行し、工程(1)のオクタ−2,7−ジエン−1
−オール合成反応工程に循環されることになる。不飽和
カルボン酸はパラジウム不倍の活性を一時的に抑制する
作用を有することから、触媒系でその定常状態における
濃度が高くなることは好ましくない。したがつて、水洗
時の温度は室温付近の温度であることが好ましく、また
水洗時の滞留時間は相分離に要する時間よりも極端に長
い時間は避けるのが望ましい。蒸留塔缶液または蒸留塔
缶液を蒸発させて得られる液からスルホランを回収する
に際し、ヘキサンを用いることはさらに好ましい。蒸留
塔缶液または蒸留塔缶液を蒸発させて得られる液にヘキ
サンを加えることにより98%以上のスルホランを回収す
ることが可能になる。この場合、水を用いないことから
炭素数9の不飽和カルボン酸の生成を抑制することが可
能になる。また、スルホラン回収のためにヘキサンと水
を併用することも可能である。洗浄操作はバツチでも連
続的にも実施することが可能であり、通常よく用いられ
る抽出・洗浄装置を用いて実施される。
ジエン−1−オールは、塩基性定数(pKa)が7以上の
単座配位性第3級アミンの炭酸塩および/または重炭酸
塩を含むスルホラン水溶液中、ブタジエンとオクタ−2,
7−ジエン−1−オールのモル比を0.6以上に維持し、パ
ラジウム化合物およびホスホニウム塩の存在下でブタジ
エンと水とを反応させることによつて得ることができ
る。ブタジエンとオクタ−2,7−ジエン−1−オールの
モル比は0.6以上に維持させることが必要であり、0.8〜
1.6の範囲に維持することが好ましい。ブタジエンとオ
クタ−2,7−ジエン−1−オールのモル比が0.6よりも小
さい場合には、反応混合液中への不溶性重合物の蓄積、
パラジウム触媒の失活、反応速度および反応の選択率の
低下、さらにオクタ−2,7−ジエン−1−オールを分離
する際に、抽出液中へのパラジウム触媒の溶出量が多く
なる。また、そのモル比の上限については特に制限はな
いが、通常2.0以下であることが好ましい。モル比が2.0
より大きい場合には、ブタジエンの回収量が多くなるう
えに、反応混合液が不均一系となり、オクタ−2,7−ジ
エン−1−オール合成反応に続いて実施される抽出操作
において抽出液中へのスルホラン等の溶出量が増加し、
また大きな反応装置が必要となるなど経済的に不利とな
る。
品、化学反応用グレード品および石油化学工業において
通常C4留分と呼ばれている炭化水素混合物のいずれをも
使用することができる。しかし、反応速度の高さおよび
未反応ブタジエンの回収の容易さを考慮すると、重合グ
レード品または化学反応用グレード品を使用するのが好
ましい。
(pKa)が7以上の単座配位性第3級アミンの炭酸塩お
よび/または重炭酸塩は、オクタ−2,7−ジエン−1−
オールへの選択率を高い水準に維持したまま反応速度を
著しく向上させ、パラジウム触媒の活性を安定化し、ま
た反応工程(I)に続く抽出工程(2)においてオクタ
−2,7−ジエン−1−オールの抽出率を増大させる作用
を有する。このような単座配位性第3級アミンとして
は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リn−ブチルアミン、1−N,N−ジメチルアミノ−2−
プロパノール、N,N−ジメチル−2−メトキシエチルア
ミン、N−メチルモルホリン、N,N,N′,N′−テトラメ
チルヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これら
のうちでも反応成績、沸点、溶解性、価格などの諸点を
考慮するとトリメチルアミンまたはトリエチルアミンが
特に好ましい。単座配位性第3級アミンの炭酸塩および
/または重炭酸塩の添加による上述の優れた効果は、例
えばピリジン、ジピリジルなどのpKaが7未満の単座ま
たは二座配位性第3級アミンの炭酸塩および/または重
炭酸塩、またたとえpKaが7以上であるとしてもN,N,
N′,N′−テトラメチルジアミノエタン、N,N−ジメチル
−2−アミノプロピオノニトリルなどの二座配位能の強
い第3級アミンの炭酸塩および/または重炭酸塩を用い
たのでは十分に発現しない。
び/または重炭酸塩は反応系中において炭酸イオンおよ
び/または重炭酸イオンおよび単座配位性第3級アミン
との平衡混合物として存在し(下記平衡式参照)、反応
条件下における第3級アミンの炭酸塩および/または重
炭酸塩の存在比率は反応系での温度および二酸化炭素の
分圧に依存する。
10気圧(絶対分圧)となるような状態で行われる。反応
成績、抽出効率、第3級アミンの抽出層への溶出量など
を考慮すると第3級アミンの炭酸塩および/または重炭
酸塩を反応混合液に対して5〜30重量%の範囲内となる
ような量で用いるのが好ましい。
ルホラン水溶液は長期の連続使用に悪影響を及ぼさない
のみならず、反応混合物からの抽出による生成物の分離
を可能にする。また、反応速度を高め、オクタ−2,7−
ジエン−1−オールへの選択率を高める効果がある。ス
ルホラン水溶液中の水の濃度はブタジエンの溶解度なら
びにオクタ−2,7−ジエン−1−オールの抽出効率を考
慮すると、水とスルホランの重量比で70対30〜30対70、
好ましくは60対40〜40対60に保つことが望ましい。水の
量が多くなると反応速度が低下する傾向にあり、逆に水
の量が少なくなるとオクタ−2,7−ジエン−1−オール
の抽出率が低下し、かつスルホランおよび触媒成分の抽
出液中への溶出量が大きくなる傾向がある。
せるパラジウム化合物はとくに限定されるものではな
い。パラジウム触媒としては例えばこれまでにオクタ−
2,7−ジエン−1−オールの合成反応に溶いることが提
案されているパラジウム化合物が使用可能である。これ
らのパラジウム化合物の具体例として、パラジウムアセ
チルアセトナート、π−アリルパラジウムアセテート、
π−アリルパラジウムクロライド、酢酸パラジウム、炭
酸パラジウム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、ナト
リウムクロロパラデート、ビスベンゾニトリルパラジウ
ムクロライド、ビストリフエニルホスフインパラジウム
クロライド、ビストリフエニルホスフインパラジウムア
セテート、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウ
ム、ビス−π−アリルパラジウムなどを挙げることがで
きる。オクタ−2,7−ジエン−1−オールの合成反応に
おける真のパラジウム触媒の活性種は低原子価パラジウ
ム錯体であるので、二価のパラジウム化合物を触媒とし
て用いる場合には、それを反応系中に存在するブタジエ
ンで還元することによつてパラジウム触媒の活性種を形
成させることもできるが、同一反応系内または別の反応
容器内で該二価のパラジウム化合物に還元剤を作用させ
ることによつてパラジウム触媒の活性種を形成させ、そ
れを使用することもできる。この目的に用いられる還元
剤としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属カルボ
ン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛末、マグネシウ
ム、ヒドラジンなどを挙げることができる。反応系中に
存在させるパラジウム化合物の量については特別な制限
はないが、工業的には反応混合液1あたりパラジウム
原子として好ましくは0.1〜50ミリグラム原子、より好
ましくは0.5ミリグラム原子の濃度となるような量で存
在させるのが望ましい。
せるホスホニウム塩としては下記一般式(II) (式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子または置換基を
有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R3
は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜
5の炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表し、Xは
水酸基またはヒドロカルボニルオキシ基を表す)で示さ
れるホスホニウム塩が好ましい。一般式(II)におい
て、R1およびR2が表す炭素数1〜12の炭化水素基として
は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−
ペンチル、n−オクチルなどのアルキル基、2−プロペ
ニル、3−ブテニル、4−ペンテニルなどのアルケニル
基などの脂肪族炭化水素;シクロヘキシルなどのシクロ
アルキル基などの脂環式炭化水素基;およびフエニル、
トリルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基
などの芳香族炭化水素基を例示することができる。R3が
表す炭素数1〜5の炭化水素基としては、メチル、エチ
ル、プロピルなどのアルキル基;アリル、4−ペンテニ
ルなどのアルケニル基などの脂肪族炭化水素基などを例
示することができる。上記の置換基としては、例えば、
ジメチルアミノ基などのジ(低級アルキル)アミノ基;
シアノ基;式−SO3Mまたは−COOM(式中、Mはリチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属を表す)
で示される基などが挙げられる。またMが表すアルカリ
金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウムおよび
カリウムが挙げられる。ホスホニウム塩の使用量は、反
応速度およびオクタ−2,7−ジエン−1−オールへの選
択率の高さ、パラジウム触媒の活性の長期安定化、次の
抽出工程(2)における抽出液中のパラジウム触媒の溶
出抑制効果などを考慮して通常パラジウム1グラム原子
あたり6モル以上、好ましくは10モル以上である。ホス
ホニウムの使用量について厳密な意味での上限はない
が、ホスホニウム塩は一般的にはパラジウム1グラム原
子あたり150モル以下となるような量で使用され、好ま
しくは80モル以下となるような量で用いられる。
ム化合物の存在下、かつ炭酸イオンおよび/または重炭
酸イオンを含有する水の存在下において前記一般式
(I)で示されるホスフインを該ホスフインに対して等
モル以上の一般式(III) (式中、R1、R2およびR3は前記定義のとおりである)で
示されるアリルアルコールと反応させることによつて容
易に得ることができる。
0〜110℃の温度で実施される。反応装置としては撹拌型
反応槽、気泡塔型反応槽などそれ自体公知の気液接触型
の装置を用いることができる。
オクタ−2,7ジエン−1−オールは、反応混合液の少な
くとも一部を抽剤で抽出することによつて分離される
が、抽剤として使用可能なものは、オクタ−2,7−ジエ
ン−1−オールよりも低い沸点を有する飽和脂肪族炭化
水素、モノオレフイン性炭化水素および脂環式炭化水素
である。これらの具体例としては、n−ブタン、イソブ
タン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、イソオクタンなどの飽和脂肪族炭化水素;
ブテン、イソブテンなどのモノオレフイン性炭化水素;
シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサ
ンなどの脂環式炭化水素が挙げられ、またブタジエン源
としてのC4留分中に含まれるブタン、ブテン、イソブテ
ンなどの炭化水素の混合物を挙げることができる。この
中でも特に好ましく用いることができるものはn−ペン
タン、n−ヘキサン、シクロヘキサンおよびメチルシク
ロヘキサンである。これらの抽剤は単独で使用しても混
合して使用してもよい。抽剤はオクタ−2,7−ジエン−
1−オールの抽出効率、抽出液中への触媒成分およびス
ルホランの溶出量を考慮して、オクタ−2,7−ジエン−
1−オールの合成反応によつて得られる反応混合液に対
する容量比で0.3〜3の範囲内の量で用いられる。
る。二酸化炭素の分圧は3絶対圧力より大きく20絶対圧
力より小さい圧力であるのが好ましく、4〜16絶対圧力
であるのがより好ましい。二酸化炭素の分圧が3絶対圧
力以下では第3級アミンの溶出量が多くなるばかりでな
く、パラジウム触媒の溶出量の経時的増加が認められ
る。また、抽出液および触媒液からなる抽出界面の安定
性も悪い。一方、二酸化炭素の分圧を20絶対圧力以上に
することはパラジウム触媒の溶出抑制効果以上の不必要
な二酸化炭素を使用することになるので経済的ではな
い。抽出操作における温度としてはパラジウム触媒およ
び第3級アミンの溶出を抑えるうえで、0〜40℃の範囲
の温度を採用することが好ましく、5〜30℃の範囲の温
度を採用することがより好ましい。抽出操作を40℃より
高い温度で行う場合、第3級アミンの溶出量が増加する
のみならず、生成したオクタ−2,7−ジエン−1−オー
ルが同一触媒系で分解反応を受けて選択率の低下を招
く。さらには、オクタ−2,7−ジエン−1−オールの分
解に伴つてパラジウム触媒の溶出量の経時的増加が認め
られる。抽出温度の低下とともにパラジウム触媒の溶出
量および第3級アミンの溶出量は減少する傾向にある
が、0℃より低い温度で抽出を行う場合には抽出界面の
分離性が悪くなる。工程(2)で使用される抽出装置と
しては、工業的に汎用な撹拌型抽出器、RDC型抽出器、
多孔板塔などが適用可能である。工業的には相分離する
のに充分な静置槽を備えることにより連続方式によつて
抽出操作が行われる。
ホラン水溶液)の少なくとも一部は工程(1)のオクタ
−2,7−ジエン−1−オール合成反応工程にフイードし
再使用される。工程(4)で用いられる水溶性ホスフイ
ンは該工程(4)における洗浄過程ないしは工程(5)
でスルホラン水溶液層に含まれた状態でフイードされる
抽出工程(2)において完全にホスホニウム塩に転化さ
れることから、工程(3)で工程(1)のオクタ−2,7
−ジエン−1−オール合成反応工程にフイードされる抽
残液中には水溶性ホスフインが含まれることはない。抽
残液は所望によりその一部を取り出し、触媒賦活処理を
施したのち、上記合成反応工程に循環してもよい。
工程(4)およびそれに続く工程(6)の操作を施すこ
とにより、オクタ−2,7−ジエン−1−オールを得るこ
とができる。
発明はこれらによつて何ら制限されるものではない。
い、定常状態における反応成績を調べた。
ードポンプ、触媒液フイードポンプ、二酸化炭素導入
口、調圧弁および液面計を備えたステンレス製耐圧反応
装置。反応混合液は減圧弁を経て抽出装置に送られる。
ンプ、追加液フイードポンプ、液面計および界面計を備
えたミキサーセトラー型抽出器。抽残触媒液は触媒貯槽
を経て反応装置に触媒液フイードポンプで定量的にフイ
ードされる。抽出液は抽出液フイードポンプで抽出液の
スルホラン水溶液洗浄装置にフイードされる。
ンプ、スタテイツクミキサーおよび静置槽を備えた洗浄
装置。下層のスルホラン水溶液層は追加液フイードポン
プで触媒調製槽および抽出装置にフイードされる。上層
の洗浄された抽出液層は減圧弁を経てブタジエン回収塔
にフイードされる。
収)、抽剤回収塔(抽剤および第3級アミンの回収)、
薄膜蒸発器(溶出パラジウム触媒、溶出リン化合物の回
収および高沸カット)、低沸カツト(低沸カツト)、精
製塔(オクタ−2,7−ジエン−1−オールの精製)を備
えた蒸留装置。
槽を備えた回収装置。下層はスルホラン水溶液フイード
ポンプで抽出液のスルホラン水溶液洗浄装置にフイード
される。
の組成はスルホラン30重量%、水27.5重量%、トリエチ
ルアミン9.6重量%、パラジウム触媒(酢酸パラジウム
から形成された触媒)1.1mg原子/(パラジウム原子
換算)、式 で表されるホスホニム塩41ミリモル/、ブタジエン1.
2モル/、オクタ−2,7−ジエン−1−オール0.9モル
/に維持され、反応温度70℃、反応圧力14kg/cm2G
(二酸化炭素により加圧)、反応液滞留時間1.0時間の
条件で運転した。
トリエチルアミンを含むn−ヘキサン溶液)との容量比
0.8で6絶対圧力の炭酸ガス加圧下、20℃で抽出した。
抽出液中の生成物、ブタジエン、トリエチルアミンおよ
びスルホランをガスクロマトグラフイーで、パラジウム
触媒を原子吸光分析法で、リン化合物を比色定量法でそ
れぞれ分析した結果、抽出液中のオクタ−2,7−ジエン
−1−オール濃度は10重量%であり、抽剤中への溶媒お
よび触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)1.2pp
m、リン化合物(リン原子換算)3.6ppm、スルホラン1.0
重量%、トリエチルアミン0.40重量%、水0.15重量%で
あつた。
1.5重量部および水15重量部を含むスルホラン水溶液
(抽出液中のパラジウム触媒に対して1.5モル倍のジフ
エニルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのリチウ
ム塩を転化溶解)を、温度20℃、6絶対圧力(炭酸ガス
で加圧)の条件下にスタテイツクミキサーで混合し、静
置槽で分液した。上層液の分析結果、オクタ−2,7−ジ
エン−1−オール濃度は10重量%で変化なく、溶媒およ
び触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)0.06pp
m、リン化合物(リン原子換算)0.7ppm、スルホラン1.0
5重量%、トリエチルアミン0.12重量%、水0.15重量%
であつた。この結果、パラジウム触媒の95%、リン化合
物の80%、トリエチルアミンの70%が下層に回収された
ことがわかる。スルホラン11重量部、水15重量部および
C9ラクトン0.2重量部を含む下層液を、連続的に抽出装
置にフイードした。触媒液中のC9ラクトン濃度は0.3重
量%であつた。また、高速液体クロマトグラフイーによ
り触媒液の分析を行つたところ、該触媒液中にジフエニ
ルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのリチウム塩
の存在は認められなかつた。
ブタジエン、炭酸ガス、トリエチルアミンがほぼ定量的
に回収され、純度99.9%のオクタ−2,7−ジエン−1−
オールが得られた。
1.5重量部、C9ラクトン3重量部を含む)にヘキサン16
重量部および水15重量部を加え、スタテイツクミキサー
を用いて混合し、静置した。下層液としてスルホラン11
重量部およびC9ラクトン1.5重量部を含むスルホラン水
溶液が得られた。この結果より、スルホランの回収率は
96%であることがわかる。このスルホラン水溶液を抽出
液の洗浄装置に定量的にフイードした。
ラジウム触媒およびホスホニウム塩をスルホラン水溶液
に溶解させてフイードしたが、反応液中のパラジウム触
媒およびホスホニウム塩の濃度はほぼ一定に保たれた。
また、反応液中のスルホランおよび水の濃度を微調整す
るため、フレツシユなスルホラン水溶液および水を適宜
抽出装置にフイードした。反応液中のトリエチルアミン
濃度の微調整は、必要に応じて抽剤中にトリエチルアミ
ンをフイードすることによつて実施した。
は極めて安定であり、一定の反応成績を示した。
行い、蒸留工程において回収されたスルホラン水溶液に
よる抽出液の洗浄操作を省略し、回収スルホラン水溶液
を直接抽出装置にフイードする以外は同様な反応条件、
抽出条件および蒸留条件で7日間連続運転を実施した。
量部(スルホラン10.9重量部、C9ラクトン4重量部を含
む)に水13重量部を加え、スタテイツクミキサーを用い
て混合し、静置した。下層液としてスルホラン10重量部
およびC9ラクトン1.4重量部を含むスルホラン溶液が得
られた。この結果より、スルホランの回収率は92%であ
ることがわかる。
まで増加し、抽出液中のオクタ−2,7−ジエン−1−オ
ールの濃度は9.2重量%まで低下した。抽剤中への溶媒
および触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)1.7p
pm、リン化合物(リン原子換算)3.9ppm、スルホラン1.
0重量%、トリエチルアミン0.4重量%、水0.14重量%で
あつた。
操作を省略すると、生産性が低下し、パラジウム触媒の
溶出量も増加することがわかる。
ラジウム触媒の回収について検討した。炭酸ガスで置換
した内容量1の電磁撹拌式耐圧硝子オートクレーブ
に、実施例1で得られた抽出液700m(469g、0.56mgのパ
ラジウム原子および1.69mgのリン原子を含む)を空気に
触れないように圧送し、温度20℃で炭酸ガス5kg/cm2G圧
に加圧した。1000rpmで撹拌しながら、オートクレーブ
に第1表に示す水またはスルホラン水溶液を所定量フイ
ードし、30分間撹拌した。水溶性リン化合物はスルホラ
ン水溶液に溶解して添加した。10分間静置したのち、下
層を抜き取り、ついで上層を抜き取つた。上層および下
層中のパラジウム触媒を原子吸光分析法で、リン化合物
を比色定量法でそれぞれ分析した。結果を第1表に示
す。
るリン化合物の回収率は大きくなるが、パラジウム触媒
の回収率には変化がないこと、また水溶性リン化合物を
添加した場合、溶出するリン化合物の回収率には変化が
ないが、パラジウム触媒はほぼ定量的に回収されること
がわかる。
いて検討した。
ジエニルエーテル12重量%の組成を有する蒸留塔缶液10
0gに第2表に示す量のヘキサンおよび水を添加し、室温
で撹拌し、静置した。下層への回収率を第2表に示す。
収率は低いが、ヘキサン単独またはヘキサンと水を併用
した多くの場合、スルホランはほぼ定量的に回収される
ことがわかる。ヘキサンを用いた場合にはC9ラクトンも
下層に溶出されるが、このC9ラクトンは工程(4)にお
いてヘキサン層に再抽出される。
に第3表に示す添加剤を加え、150℃、3時間加熱し
た。ヘキサンは留出し、約7倍に濃縮された。パラジウ
ムメタルの析出が観察された。濃縮液を過したのち、
溶解しているパラジウム触媒を原子吸光分析法で定量し
た。結果を第3表に示す。
する場合、加熱しても溶出したパラジウム触媒はパラジ
ウムメタルとして析出しないことがわかる。
の組成はスルホラン29重量%、水28.5重量%、トリエチ
ルアミン9.8重量%、パラジウム触媒(酢酸パラジウム
から形成された触媒)1.3mg原子/(パラジウム原子
換算)、式 で表されるホスホニウム塩39ミリモル/、ブタジエン
1.0モル/、オクタ−2,7−ジエン−1−オール0.9モ
ル/に維持され、反応温度70℃、反応圧力14kg/cm2G
(二酸化炭素により加圧)、反応滞留時間1.0時間の条
件で運転した。
トリエチルアミンを含むn−ヘキサン溶液)との容量比
0.6で6絶対圧力の炭酸ガス加圧下、20℃で抽出した。
抽出液中の生成物、ブタジエン、トリエチルアミンおよ
びスルホランをガスクロマトグラフイーで、パラジウム
触媒を原子吸光分析法で、リン化合物を比色定量法でそ
れぞれ分析した結果、抽出液中のオクタ−2,7−ジエン
1−オール濃度は11.2重量%であり、抽剤中への溶媒お
よび触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)1.5pp
m、リン化合物(リン原子換算)4.3ppm、スルホラン1.2
重量%、トリエチルアミン0.48重量%、水0.18重量%で
あつた。
クトン2.8重量部からなるスルホラン溶液と水16重量部
を、温度20℃、6絶対圧力(炭酸ガスで加圧)の条件下
にスタテイツクミキサーで混合し、静置槽で分液した。
上層液の分析結果、オクタ−2,7−ジエン−1−オール
濃度は11.2重量%で変化なく、溶媒および触媒の溶出量
はパラジウム触媒(原子換算)0.97ppm、リン化合物
(リン原子換算)0.9ppm、スルホラン1.25重量%、トリ
エチルアミン0.12重量%、水0.16重量%であつた。この
結果、パラジウム触媒の35%、リン化合物の80%、トリ
エチルアミンの75%が下層に回収されたことがわかる。
スルホラン12重量部、水16重量部およびC9ラクトン0.3
重量部を含む下層液を、連続的に抽出装置にフイードし
た。触媒液中のC9ラクトン濃度は0.3重量%であつた。
の組成はスルホラン35重量%、水25重量%、トリメチル
アミン5.2重量%、パラジウム触媒(酢酸パラジウムか
ら形成された触媒)1.2mg原子/(パラジウム原子換
算)、式 で表されるホスホニウム塩36ミリモル/、ブタジエン
1.2モル/、オクタ−2,7−ジエン−1−オール1.0モ
ル/に維持され、反応温度70℃、反応圧力14kg/cm2G
(二酸化炭素により加圧)、反応液滞留時間1.2時間の
条件で運転した。
トリメチルアミンを含むn−ヘキサン溶液)との容量比
0.8で6絶対圧力の炭酸ガス加圧下、20℃で抽出した。
抽出液中の生成物、ブタジエン、トリメチルアミンおよ
びスルホランをガスクロマトグラフイーで、パラジウム
触媒を原子吸光分析法で、リン化合物を比色定量法でそ
れぞれ分析した結果、抽出液中のオクタ−2,7−ジエン
−1−オール濃度は9.3重量%であり、抽剤中への溶媒
および触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)1.5p
pm、リン化合物(リン原子換算)3.0ppm、スルホラン1.
3重量%、トリメチルアミン0.10重量%、水0.15重量%
であつた。
1.5重量部および水15重量部を含むスルホラン水溶液
(抽出液中のパラジウム触媒に対して1.5モル倍のジフ
エニルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのナトリ
ウム塩を添加溶解)を、温度20℃、6絶対圧力(炭酸ガ
スで加圧)の条件下にスタテイツクミキサーで混合し、
静置槽で分液した。上層液の分析結果、オクタ−2,7−
ジエン−1−オール濃度は9.3重量%で変化なく、溶媒
および触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)0.10
ppm、リン化合物(リン原子換算)0.4ppm、スルホラン
1.2重量%、トリメチルアミン0.05重量%、水0.15重量
%であつた。この結果、パラジウム触媒の93%、リン化
合物の87%、トリメチルアミンの50%が下層に回収され
たことがわかる。スルホラン13重量部、水15重量部およ
びC9ラクトン0.2重量部を含む下層液を、連続的に抽出
装置にフイードした。触媒液中のC9ラクトン濃度は0.3
重量%であつた。また、高速液体クロマトグラフイーに
より触媒液の分析を行つたところ、該触媒液中にジフエ
ニルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのナトリウ
ム塩の存在は認められなかつた。
ブタジエン、炭酸ガス、トリメチルアミンがほぼ定量的
に回収され、純度99.9%のオクタ−2,7−ジエン−1−
オールが得られた。
重量部、C9ラクトン4重量部を含む)にヘキサン20重量
部および水15重量部を加え、スタテイツクミキサーを用
いて混合し、静置した。下層液としてスルホラン13重量
部およびC9ラクトン1.5重量部を含むスルホラン水溶液
が得られた。この結果より、スルホランの回収率は93%
であることがわかる。このスルホラン水溶液を抽出液の
洗浄装置に定量的にフイードした。
ラジウム触媒およびホスホニウム塩をスルホラン水溶液
に溶解させてフイードしたが、反応液中のパラジウム触
媒およびホスホニウム塩の濃度はほぼ一定に保たれた。
また、反応液中のスルホランおよび水の濃度を微調整す
るため、フレツシユなスルホラン水溶液および水を適宜
抽出装置にフイードした。反応液中のトリメチルアミン
濃度の微調整は、必要に応じて抽剤中にトリメチルアミ
ンをフイードすることによつて実施した。
は極めて安定であり、一定の反応成績を示した。
の組成はスルホラン31重量%、水27重量%、トリエチル
アミン9.8重量%、パラジウム触媒(酢酸パラジウムか
ら形成された触媒)1.1mg原子/(パラジウム原子換
算)、式 で表されるホスホニウム塩41ミリモル/、ブタジエン
1.2モル/、オクタ−2,7−ジエン−1−オール0.9モ
ル/に維持され、反応温度70℃、反応圧力14kg/cm2G
(二酸化炭素により加圧)、反応液滞留時間1.0時間の
条件で運転した。
トリエチルアミンを含むシクロヘキサン溶液)との容量
比0.8で6絶対圧力の炭酸ガス加圧下、20℃で抽出し
た。抽出液中の生成物、ブタジエン、トリエチルアミン
およびスルホランをガスクロマトグラフイーで、パラジ
ウム触媒を原子吸光分析法で、リン化合物を比色定量法
でそれぞれ分析した結果、抽出液中のオクタ−2,7−ジ
エン−1−オール濃度は9.5重量%であり、抽剤中への
溶媒および触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)
3.5ppm、リン化合物(リン原子換算)4.7ppm、スルホラ
ン1.8重量%、トリエチルアミン0.6重量%、水0.2重量
%であつた。
1.4重量部および水15重量部を含むスルホラン水溶液
(抽出液中のパラジウム触媒に対して1.5モル倍のジフ
エニルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのナトリ
ウム塩を添加溶解)を、温度20℃、6絶対圧力(炭酸ガ
スで加圧)の条件下にスタテイツクミキサーで混合し、
静置槽で分液した。上層液の分析結果、オクタ−2,7−
ジエン−1−オール濃度は9.5重量%で変化なく、溶媒
および触媒の溶出量はパラジウム触媒(原子換算)0.35
ppm、リン化合物(リン原子換算)1.4ppm、スルホラン
1.83重量%、トリエチルアミン0.21重量%、水0.15重量
%であつた。この結果、パラジウム触媒の90%、リン化
合物の70%、トリエチルアミンの65%が下層に回収され
たことがわかる。スルホラン18重量部、水15重量部およ
びC9ラクトン0.2重量部を含む下層液を、連続的に抽出
装置にフイードした。触媒液中のC9ラクトン濃度は0.4
重量%であつた。また、高速液体クロマトグラフイーに
より触媒液の分析を行つたところ、該取触媒液中にジフ
エニルホスフイノベンゼン−m−スルホネートのナトリ
ウム塩の存在は認められなかつた。
ブタジエン、炭酸ガス、トリエチルアミンがほぼ定量的
に回収され、純度99.9%のオクタ−2,7−ジエン−1−
オールが得られた。
重量部、C9ラクトン3重量部を含む)にヘキサン25重量
部および水15重量部を加え、スタテイツクミキサーを用
いて混合し、静置した。下層液としてスルホラン18重量
部およびC9ラクトン1.5重量部を含むスルホラン水溶液
が得られた。この結果より、スルホランの回収率は95%
であることがわかる。このスルホラン水溶液を抽出液の
洗浄装置に定量的にフイードした。
ラジウム触媒およびホスホニウム塩をスルホラン水溶液
に溶解させてフイードしたが、反応液中のパラジウム触
媒およびホスホニウム塩の濃度はほぼ一定に保たれた。
また、反応液中のスルホランおよび水の濃度を微調整す
るため、フレツシユなスルホラン水溶液および水を適宜
抽出装置にフイードした。反応液中のトリエチルアミン
濃度の微調整は、必要に応じて抽剤中にトリエチルアミ
ンをフイードすることによつて実施した。
は極めて安定であり、一定の反応成績を示した。
抽出工程で得られた抽出液を水溶性ホスフインを含むス
ルホラン水溶液で洗浄することにより、リン化合物の溶
出量を増加させることなく、パラジウム触媒の反応系外
への溶出をほぼ完全に抑制することができる。しかも、
回収されたパラジウム触媒は活性を維持しているので、
反応系に追加すべきパラジウム触媒の量は反応系外へ溶
出した微量でよい。さらに、洗浄された抽出液中にジメ
チルグリオキシムを添加すれば、オクタ−2,7−ジエン
−1−オールの蒸留分離時に該抽出液に含まれる微量の
パラジウム触媒によつて生じる種々の不都合を最小限に
抑えることができる。
アミンおよびスルホランの回収率が向上する。しかも副
生物の反応系内への混入を最小限に抑え、その定常状態
における濃度を最小とすることができる。その結果、高
いパラジウム触媒活性を維持することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】(1) 塩基性定数(pKa)が7以上の単
座配位性第3級アミンの炭酸塩および/または重炭酸塩
を含むスルホラン水溶液中、ブタジエンとオクタ−2,7
−ジエン−1−オールのモル比を0.6以上に維持し、パ
ラジウム化合物およびホスホニウム塩の存在下でブタジ
エンと水とを反応させることによつてオクタ−2,7−ジ
エン−1−オールを合成し、 (2) 工程(1)で得られる反応混合液の少なくとも
一部を飽和脂肪族炭化水素、モノオレフイン性炭化水素
または脂環式炭化水素で抽出することによつてオクタ−
2,7−ジエン−1−オールを分離し、 (3) 工程(2)で得られる触媒成分を含む抽残液の
少なくとも一部を工程(1)のオクタ−2,7−ジエン−
1−オール合成反応工程にフイードし、 (4) 工程(2)で得られるオクタ−2,7−ジエン−
1−オールを含む抽出液を水溶性ホスフインの存在下に
スルホラン水溶液で洗浄し、スルホラン水溶液層と洗浄
された抽出液層に分離し、 (5) 工程(4)で得られるスルホラン水溶液層の少
なくとも一部を抽出工程(2)にフイードし、 (6) 工程(4)で得られる洗浄された抽出液層を蒸
留することを特徴とするオクタ−2,7−ジエン−1−オ
ールの製造法。 - 【請求項2】第3級アミンがトリメチルアミンまたはト
リエチルアミンである請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】ホスホニウム塩がパラジウム1グラム原子
あたり少なくとも6モルの量である請求項1または2記
載の製造法。 - 【請求項4】水溶性ホスフインの量がオクタ−2,7−ジ
エン−1−オールを含む抽出液中に含まれるパラジウム
原子に対して1当量以上である請求項1〜3のいずれか
1つに記載の製造法。 - 【請求項5】工程(6)で得られる蒸留塔缶液または蒸
留塔缶液を蒸発させて得られる液にヘキサンを加えるこ
とによつてスルホランを回収する請求項1〜4のいずれ
か1つに記載の製造法。 - 【請求項6】工程(6)で得られる蒸留塔缶液または蒸
留塔缶液を蒸発させて得られる液に水または水とヘキサ
ンを加えることによつてスルホランを回収する請求項1
〜4のいずれか1つに記載の製造法。 - 【請求項7】請求項5または6で回収したスルホランを
工程(4)におけるスルホラン水溶液として使用する請
求項1〜4のいずれか1つに記載の製造法。 - 【請求項8】工程(4)で得られる洗浄された抽出液層
中に、該抽出液層中のパラジウム原子に対するモル比で
10倍以上のジメチルグリオキシムを添加する請求項1〜
7のいずれか1つに記載の製造法。
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JP1-341691 | 1989-12-30 | ||
JP2337364A JP2510785B2 (ja) | 1989-12-30 | 1990-11-30 | オクタ―2,7―ジエン―1―オ―ルの製造法 |
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