JP2510736B2 - 透析装置の除水制御監視システム - Google Patents

透析装置の除水制御監視システム

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JP2510736B2
JP2510736B2 JP1270464A JP27046489A JP2510736B2 JP 2510736 B2 JP2510736 B2 JP 2510736B2 JP 1270464 A JP1270464 A JP 1270464A JP 27046489 A JP27046489 A JP 27046489A JP 2510736 B2 JP2510736 B2 JP 2510736B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、透析装置に係り、特に除水制御機構を備
えた透析装置における除水制御の監視システムに関す
る。
〔従来の技術〕
今日、透析装置は、慢性腎不全患者の透析療法を行う
装置として広く普及されている。この透析療法は、特に
尿の出ない患者にとって、飲食した水分を除去する(一
般に除水という)という生命を維持するために必要な手
段であり、透析装置の存在は極めて重要である。
近時、高性能のダイアライザ(透析器)が開発され、
多量の除水が可能となったが、反面除水制御を誤ると、
必要以上に除水したりまたは充分な除水ができなくな
り、患者の生命に危険を及ぼす事態を生じる惧れがあ
り、このため透析装置は適正かつ安全な除水管理を行う
ことができる機能を保持することが要求されるようにな
った。
このような観点から、ダイアライザに流入する透析液
流量と、ダイアライザから流出する透析液流量とを等し
くする複式ポンプを使用した透析液の等流量回路を構成
し、しかもこの等流量回路から所定量の液を除去する
と、これと同等量の水分をダイアライザの血液側から除
去することができる除水ポンプを設けた除水制御機構を
備えた透析装置が開発されている。
そこで、この種の透析装置は、任意の除水量を設定す
ると、この制定された値に従って除水ポンプを介して除
水量に見合う液が除去されるため、ダイアライザの性能
のバラツキによる除水誤差を無視することができ、正確
な除水を達成することができる。しかし、この種の透析
装置においても、長時間運転を行うと、ダイアライザの
透析膜に目詰まりを生じたり、塵芥や炭酸塩析出物の噛
み込み等により背圧弁のダイアフラムからの洩れやポン
プ機械部品の摩耗等を生じて、正確な除水制御を行うこ
とが困難となり、除水不良を生じる危険がある。このた
め、従来の透析装置では、除水不なの原因となる現象を
透析液圧の変化で検出する監視方式が採用されている。
第7図は、現在実用化されている除水制御機構を備え
た透析装置の構成を示す概略系統図である。第7図にお
いて、参照符号10はダイアライザを示し、このダイアラ
イザ10の透析液側には、複式ポンプ12を介して等流量回
路を構成する透析液給液系14と透析液排液系16とが接続
されている。この場合、複式ポンプ12は、単一のプラン
ジャと2つの同一容積からなる交互に吸込・吐出動作を
行うポンプ部18a,18bを備えた往復動ポンプで構成され
る。なお、ダイアライザ10と近接して、透析液給液系14
と透析液排液系16にそれぞれ電磁切換弁を介して前記ダ
イアライザ10の入口と出口とをバイパス管20により短絡
する。前記透析液排液系16には、バイパス管20と複式ポ
ンプ12との接続点間に加圧ポンプ22を設け、この加圧ポ
ンプ22の下流側に脱気チャンバ24を介して除水ポンプ26
を備えた除水系28が分岐接続される。この場合、前記複
式ポンプ12および除水ポンプ26のそれぞれ吐出側には、
背圧弁を設けて、各ポンプの背圧を所定値に保持するよ
う設定することにより、各ポンプの吐出流量を一定に保
持することができる。この場合、脱気チャンバ24は、電
磁開閉弁を介して導出される脱気パイプ30を複式ポンプ
12の下流側の透析液排液系16に連通接続する。一方、ダ
イアライザ10の血液側には、適宜血液ポンプ32を介して
患者Kと接続される血液系34が接続される。
このように構成される透析装置には、透析液排液系16
に対し、加圧ポンプ22の上流側に透析液圧力を測定する
透析液圧力センサ36を付設すると共に、血液系34の静脈
接続側に静脈圧力センサ38を付設して、後述する透析治
療に際しての監視機構として使用される。
しかるに、前記構成からなる透析装置においては、バ
イパス管20を遮断して透析液給液系14と透析液排液系16
とをダイアライザ10に連通し、複式ポンプ12、加圧ポン
プ22および除水ポンプ26をそれぞれ駆動して透析液を供
給すると共に、血液ポンプ32を駆動して前記ダイアライ
ザ10に患者Kの血液を供給することにより、透析治療が
行われる。この場合、透析液は、透析液給液系14の流量
と透析液排液系16の流量は等しくなり、これら透析液系
は等流量回路を構成する。そこで、除水ポンプ26の駆動
により、所定の除水量を透析液排液系16から除水系28へ
除去すれば、ダイアライザ10の透析膜を通して血液側か
ら透析液側に前記除水量と同量の水分を除去することが
できる。なお、除水ポンプ26を備えた除水系28は、透析
液給液系14に設けることもできる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述した従来の透析装置において、その性能を評価す
る基準として、限外過率(UFR)が用いられる。一般
に、この限外過率(UFR)は、限外過圧(TMP)との
関係から、次のような近似式で表される。
但し、 TMP=Δp+α ……(2) Δpは圧勾配 αは補正項 除水速度は単位時間当りの除水量 ここで、前記Δpは膜内外の圧勾配であり、近似値と
して次式で示される。
但し、PB1は血液流入部圧 PB0は血液流出部圧 PD1は透析液流入部圧 PD0は透析液流出部圧 しかし、実際の測定に際しては、血液側は静脈圧(P
B0)を監視し、透析液側は排液系圧(PD0)を監視し
て、次式により概算することができる。
(Δp)=PB0−PD0 ……(4) ∴TMP=PB0−PD0+α ……(5) そこで、従来においては、前述した第7図に示す透析
装置に設けた透析液圧力センサ36と静脈圧力センサ38と
により、限外過率(UFR)の異常に基づく透析装置の
安全管理を実施している。
通常の透析装置における前記TMPの経時的変化は、第
8図に示すようになる。すなわち、TMPは、実線で示す
ように時間の経過と共に緩やかな上昇曲線を描く。そこ
で、この場合、透析開始時点t1から透析終了時点t3まで
のTMPの変化を許容する変域a1〜a2を設定し、測定するT
MPが前記変域を越えた際に警報を発生して、透析異常を
報知することができる。従って、従来においては、例え
ば前記変域を考慮して、透析液圧力センサ36および静脈
圧力センサ38にそれぞれ透析液圧および静脈圧の許容限
界値を設定して、前記各センサの測定値がそれぞれ設定
された許容限界値を越えた際に警報を発生させる等の便
宜的方法が採用されている。
しかしながら、今日の透析療法においては、患者の生
理的条件に適合させて、医師の判断により、透析治療の
途中で除水速度を変更(一般に、除水速度の増大)する
ことが行われる。この場合、第8図に破線で示すよう
に、除水速度変更時点t2でTMPが前記変域a2を越えて、
誤警報を生じてしまうことになる。このような事態を回
避するためには、前記TMPの変域の上限を増大させる必
要があるが、このようにTMPの変域の幅を広げると、例
えば除水制御機構が故障したような場合に、除水量の比
較的大きな過不足を許容してしまうため、患者に対する
影響が極めて大きくなる難点がある。
そこで、本発明の目的は、除水制御機構を備えた透析
装置において、透析治療の途中で除水速度を変更場合
に、除水制御機構等の故障により生じる限外過率(UF
R)の変動を適正に検出して、円滑かつ安全な透析治療
を行うことができる透析装置の除水制御監視システムを
提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る透析装置の除水制御監視システムは、ダ
イアライザの透析液側に給液量と排液量とを等しくする
透析液等流量回路を設け、この等流量回路に除水ポンプ
を備えた除水系を接続配置してなる透析装置において、 ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈圧
を検出すると共に透析液側に接続される等流量回路の一
部から透析液圧を検出し、検出される静脈圧と透析液圧
とからダイアライザの透析膜の限外過圧(TMP)を連
続的に算出し、ある時点の限外過圧(TMP)が予め設
定した基準時の基準点に対する許容変域外となった際に
警報を発生する演算手段を設けることを特徴とする。
前記演算手段は、ダイアライザの透析膜の限外過圧
(TMP)を次式により算出することができる。
TMP=PB0−PD0+α 但し、PB0は静脈圧 PD0は透析液圧 αは補正項 この場合、演算手段は、除水速度が0の場合でのダイ
アライザの透析膜の限外過圧(TMP)から外乱αの補
正を行うよう構成すれば好適である。
なお、演算手段により連続的に算出される限外過圧
(TMP)と比較される基準点の許容変域は、各基準点の
限外過圧(TMP)の変化率に対応させてそれぞれ変化
するよう設定すれば好適である。また、演算手段により
連続的に算出される限外過圧(TMP)との比較を行う
基準点は、限外過圧(TMP)の変化率に対応させて対
応させてそれぞれ変化率が大きい場合は基準点の時間間
隔を短く設定し、また変化率が小さい場合は基準点の時
間間隔を長く設定すれば好適である。
また、本発明の除水制御監視システムとして、ダイア
ライザの透析液側に給液量と排液量とを等しくする透析
液等流量回路を設け、この等流量回路に除水ポンプを備
えた除水系を接続配置してなる透析装置において、 ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈圧
を検出すると共に透析液側に接続される等流量回路の一
部から透析液圧を検出し、さらに除水系の除水速度を検
出し、これらの検出される静脈圧と透析液圧と除水速度
とから除水速度に関係のないダイアライザの限外過率
(UFR)を連続的に算出し、ある時点の限外過率(UF
R)が予め設定した基準時の基準点に対する許容変域外
となった際に警報を発生する演算手段を設けた構成とす
ることができる。
さらに、本発明の除水制御監視システムとして、前記
透析装置において、ダイアライザの血液側に接続される
血液系から静脈圧を検出すると共に透析液側に接続され
る等流量回路の一部から透析液圧を検出し、さらに除水
系の除水速度を検出し、これらの検出される静脈圧と透
析液圧とからダイアライザの透析膜の限外過圧(TM
P)を連続的に算出し、一方前記静脈圧と透析液圧と除
水速度とから除水速度に関係のないダイアライザの限外
過率(UFR)を予め設定した基準時の基準点として算
出すると共にこの基準点から前記限外過圧(TMP)の
基準点とその許容変域を設定し、連続的に算出される限
外過圧(TMP)が前記基準点の許容変域外となった際
に警報を発生する演算手段を設けた構成とすることもで
きる。
これらの場合、演算手段は、ダイアライザの透析膜の
限外過圧(TMP)との関連で除水速度に関係のないダ
イアライザの限外過率(UFR)を次式により算出する
ことができる。
但し、 TMP=PB0−PD0+α PB0は静脈圧 PD0は透析液圧 αは補正項 そして、この場合も、演算手段、除水速度が0の場合
でのダイアライザの透析膜の限外過圧(TMP)から外
乱αの補正を行うよう構成すれば好適である。
なお、演算手段により算出される限外過率(UFR)
の基準点は、限外過率(UFR)の値の変化率に対応さ
せてそれぞれ変化率が大きい場合は基準点の時間間隔を
短く設定し、また変化率が小さい場合は基準点の時間間
隔を長く設定すれば好適である。
また、演算手段により連続的に算出される限外過圧
(TMP)と比較される限外過率(UFR)から算出された
限外過圧(TMP)の基準点の許容変域は、各基準点の
限外過率(UFR)の値の変化率に対応させてそれぞれ
変化するよう設定することができる。
〔作用〕
本発明に係る透析装置の除水制御監視システムによれ
ば、ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈
圧を検出し、透析液側から透析液圧を検出し、これらの
検出値よりダイアライザの透析膜の限外過圧すなわち
TMP値を予め設定した基準時毎に算出し、それぞれ透析
時間に対する経時的に変化する基準点を定めると共にこ
の基準点に対する許容変域をそれぞれ設定して、連続的
に測定する前記TMP値が透析時間中常に所定の許容変域
内にあるかを微細にかつ高精度に監視することができ
る。
特に、本発明においては、透析時間中に除水速度が変
化した場合、前記TMP値と除水速度との関係から限外
過率すなわちUFR値を算出してその許容変域内の変動を
監視したり、さらには前記UFR値からTMP値を算出してそ
の許容変域内の変動を監視することにより、除水速度の
変化に対応した除水制御の監視を有効に行うことができ
ると共に前記TMP値とその許容変域の設定も適正かつ簡
便に行うことができる。
〔実施例〕
次に、本発明に係る透析装置の除水制御監視システム
の好適な実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳
細に説明する。
第1図は、本発明に係る除水制御監視システムによっ
て監視されるダイアライザの透析膜の限外過圧TMPを
透析時間の変化と共に示す特性線図である。ここで、透
析時間の変化に対するTMP値は、前記式(5)に基づい
て算出され、第8図と同様の特性となる。なお、後述す
る本発明の除水制御監視システムは、前述した第7図に
示す構成からなる透析装置により、容易に実施し得るも
のであるが、これに限定されることなく、その他の除水
制御機構を備えた同種の透析装置にも広く適用できるこ
とは勿論である。
そこで、本実施例においては、前記TMP値の測定に関
し、次のような解析を行う。
透析開始時点(t0) まず、この時点では、除水速度0でTMP値の0補正を
行う。これは、前記前記式(3)により、静脈圧PB0
ら透析液圧PD0を差し引いた見掛けのTMPより、ダイアラ
イザの位置や血液と透析液との浸透圧差等による外乱α
の補正をするためである。
除水速度とTMP値の基準点の設定(t1〜tn) 除水速度を設定して除水を開始した時点(t1)のTMP
値(p1)を算出し、このTMP値(p1)を基準点として予
め所定の上下限値(破線で示す)を与えて第1の許容変
域を設定する。次いで、所定時間経た時点(t2)でTMP
値(p2)を算出し、このTMP値(p2)を基準点として前
記と同様に第2の許容変域を設定する。以後、順次同様
の操作を繰り返して、それぞれの基準時(t3〜tn)にお
けるTMP値(p3〜pn)を算出し、各TMP値に応じた許容変
域を設定する。
また、前記基準点を設定する基準時(t1〜tn)は、TM
P値の変化率に合わせて、TMP値の変化率が大きい場合
(透析初期の段階)は一定基準点の時間間隔を短く設定
し、またTMP値の変化が小さい場合(透析後半の段階)
は一定基準点の時間間隔を長く設定する。このように設
定することにより、それぞれの基準点に対する許容変域
の幅をほぼ一定にすることができ、異常状態の検出精度
を向上することができる。例えば、前記基準時の時間間
隔は、透析開始から30分迄は3分間隔とし、30分から2
時間迄は15分間隔とし、2時間以降は1時間間隔とする
ことができる。
警報の発生(異常状態の検出) 前述したように、予め設定した各基準時毎にTMP値の
基準点に対する許容変域が設定される。そこで、例えば
第1図に示すように、基準時のt8〜t9の間においてTMP
値がその時に設定された基準点に対する許容変域越える
ような変動を生じれば、この状態を検知して警報を発生
することができる。
TMP値の基準点の平均化 第1図に示すTMP値の基準点の設定方法によると、各
基準時におけるTMP値が基準点となるため、ある基準時
から次の基準時に至る許容変域は、上限で厳しく下限で
緩くなる傾向となる。そこで、第2図に示すように、あ
る基準時と次の基準時とでTMP値の平均化処理を行うこ
とにより、各基準時の間のTMP値の基準点をその中点に
設定することができる。
除水速度の変更による基準点の設定 一定の除水速度で除水運転を行っている間に、除水速
度を変更すると、TMP値が急変することは既に述べた通
りである(第8図参照)。従って、この場合、前述した
実施例では、誤警報が発せられてしまう。そこで、この
際には、除水速度が変更される信号を受けて、警報動作
を一時的に解除し、除水速度の変更後のTMP初期値の再
設定を行う。このように構成することにより、第3図に
示すような除水速度の変更による基準点とその許容変域
の設定を行うことができる。
しかし、前述した実施例によれば、除水速度の変更に
際して、警報動作を一時的に解除すると、患者の安全性
に問題を生じると共に、除水速度の変更後に再設定する
TMP初期値を定めるのが困難となる難点がある。
しかるに、除水速度が変化しても変動を生じない透析
装置の特性を示す関数として限外過率(UFR)が知ら
れている。この限外過率(UFR)は、前記式(1)に
示す通りである。この場合、それぞれ透析時間に対する
前記UFRとTMRの関係は、第4図に示す通りである。第4
図から明らかなように、UFRは、TMPと異なり除水速度に
関係なく、ある一定の法則に従って減少傾向を示してい
る。
従って、前記UFRを監視することにより、除水速度の
変更時の誤警報の発生を抑止することができる。また、
このUFRの監視は、第4図に示す特性曲線から、例えば
透析開始初期の異常すなわちUFR値が所定値まで至らな
かったり極端な変動を生じた場合には、透析装置の異常
として警報を発生するようにすることもできる。さら
に、このUFR値は、個々のダイアライザによって透析時
間に対する特性(減少率)がほぼ決まっているため、こ
のUFR値を前述のTMP値の場合と同様にして監視し、これ
が許容値を越えた場合に透析装置の異常として警報を発
生するようにすることができる。
次に、前記UFRの監視について、UFR値の測定と、その
解析につき説明する。
本実施例において、UFR値の測定は、第5図に示すよ
うに、前述したTMP値の測定と同様に、所定の基準時
と、その時の基準点を設定するものである。
透析開始時点(t1) まず、UFR値は前記式(1),(2)から次式が導か
れる。
但し、PB0は静脈圧 PD0は透析液圧 αはTMPの補正項 前記式(6)から、除水速度を変更した場合、その変
化率に比例してTMP値(PB0−PD0)が変化しても、外乱
要素としてのαが存在するため、正しいUFR値が得られ
ない。
そこで、透析開始時には、TMP値の0補正を行うこと
により、外乱要素としてのαを削除することができる。
なお、この外乱要素としてのαは、透析時間中一定とは
限らないため、透析時間の途中で再度TMP値の0補正を
行えば、より正確なUFR値を求めることができる。
FUR値の基準点の設定(t1〜tn) 前述したTMP値の測定と同様に、UFR値の基準点を設定
する基準時を決定し、前記式(6)に基づいてUFR値の
基準点を求める。この場合、単位時間当りの除水量を検
出するか、または直接除水ポンプの除水速度を求めて演
算を行うことができる。
このようにして、第5図に示すように、各基準時にお
ける基準点をそれぞれ設定することができる。この場
合、基準時の設定は、それぞれUFR値の変化率に合わせ
て、UFR値の変化率が大きい場合は基準点の時間間隔を
短く設定し、またUFR値の変化率が小さい場合は基準点
の時間間隔を長く設定する。
UFR値の基準点の平均化 UFR値のそれぞれ基準時の間に設定される基準点の平
均化処理を行う。これにより、各基準時の間のUFR値の
基準点をその中点に設定することができる。
UFR値の基準点よりTMP値とその許容変域の設定 前記のようにして各基準時毎に算出されたUFR値の基
準時から、前記式(1)に基づいてTMP値を算出する。
この結果、第6図に示すようなTMP値の予測値(基準
点)を求めることができる。従って、このTMP値の基準
点から前述したようにそれぞれ許容変域(破線で示す)
を設定する。
このように構成することにより、透析装置において、
静脈圧と透析液圧とからTMP値を連続的に測定して、前
記設定値と比較演算することにより、前記測定値が設定
値を越えた場合に適正な警報動作を行うことができる。
特に、UFR値を監視するシステムにおいては、除水速度
の変更が生じた場合において、TMP値の予測値(基準
点)の設定が適正に行われるため、誤警報の発生を有効
に防止することができる。
〔発明の効果〕
前述した実施例から明らかな通り、本発明に係る透析
装置の除水制御監視システムによれば、ダイアライザの
血液側に接続される血液系から静脈圧を検出し、透析液
側から透析液圧を検出し、これらの検出値よりダイアラ
イザの透析膜の限外過圧すなわちTMP値を予め設定し
た基準時毎に算出し、それぞれ透析時間に対する経時的
に変化する基準点を定めると共にこの基準点に対する許
容変域をそれぞれ設定して、連続的に測定する前記TMP
値が透析時間中常に所定の許容変域内にあるかを監視す
ることにより、時間の経過と共に変化する除水制御特性
に十分適合した除水制御監視を行うことができる。
特に、本発明においては、透析時間中に除水速度が変
化した場合、前記TMP値と関連する限外過率すなわちU
FR値を算出してその許容変域内の変動を監視したり、さ
らには前記UFR値からTMP値を算出してその許容変域内の
変動を監視することにより、除水速度の変化に対応した
除水制御の監視を有効に行うことができると共にTMP値
とその許容変域の設定も適正かつ簡便に行うことがで
き、この種透析装置の性能の向上と共により一層の安全
性を向上することができる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本
発明は前述した実施例に限定されることなく、本発明の
精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし
得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る透析装置の除水制御監視システム
の一実施例としての監視内容を示す説明図、第2図は第
1図に示す処理内容の変形例を示す説明図、第3図は第
1図に示す監視内容の変形例を示す説明図、第4図は本
発明監視システムの別の実施例としての監視内容の概略
を示す説明図、第5図は第4図に示す監視内容の一部を
示す説明図、第6図は第4図に示す監視内容の他の部分
を示す説明図、第7図は本発明に係る除水制御監視シス
テムを実施する透析装置の一構成例を示す概略系統図、
第8図は本発明に係る透析装置の除水制御監視システム
の対象となるダイアライザの除水制御特性線図である。 10……ダイアライザ、12……複式ポンプ 14……透析液給液系、16……透析液排液系 18a,18b……ポンプ部、20……バイパス管 22……加圧ポンプ、24……脱気チャンバ 26……除水ポンプ、28……除水系 30……脱気パイプ、32……血液ポンプ 34……血液系、36……透析液圧力センサ 38……静脈圧力センサ

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイアライザの透析液側に給液量と排液量
    とを等しくする透析液等流量回路を設け、この等流量回
    路に除水ポンプを備えた除水系を接続配置してなる透析
    装置において、 ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈圧を
    検出すると共に透析液側に接続される等流量回路の一部
    から透析液圧を検出し、検出される静脈圧と透析液圧と
    からダイアライザの透析膜の限外過圧(TMP)を連続
    的に算出し、ある時点の限外過圧(TMP)が予め設定
    した基準時の基準点に対する許容変域外となった際に警
    報を発生する演算手段を設けることを特徴とする透析装
    置の除水制御監視システム。
  2. 【請求項2】演算手段は、ダイアライザの透析膜の限外
    過圧(TMP)を次式により算出してなる請求項1記載
    の透析装置の除水制御監視システム。 TMP=PB0−PD0+α 但し、PB0は静脈圧 PD0は透析液圧 αは補正項
  3. 【請求項3】演算手段は、除水速度が0の場合でのダイ
    アライザの透析膜の限外過圧(TMP)から外乱αの補
    正を行うよう構成してなる請求項2記載の透析装置の除
    水制御監視システム。
  4. 【請求項4】演算手段により連続的に算出される限外
    過圧(TMP)と比較される基準点の許容変域は、各基準
    点の限外過圧(TMP)の変化率に対応させてそれぞれ
    変化するよう設定してなる請求項1ないし3のいずれか
    に記載の透析装置の除水制御監視システム。
  5. 【請求項5】演算手段により連続的に算出される限外
    過圧(TMP)との比較を行う基準点は、限外過圧(TM
    P)の変化率に対応させてそれぞれ変化率が大きい場合
    は基準点の時間間隔を短く設定し、また変化率が小さい
    場合は基準点の時間間隔を長く設定してなる請求項1な
    いし4のいずれかに記載の透析装置の除水制御監視シス
    テム。
  6. 【請求項6】ダイアライザの透析液側に給液量と排液量
    とを等しくする透析液等流量回路を設け、この等流量回
    路に除水ポンプを備えた除水系を接続配置してなる透析
    装置において、 ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈圧を
    検出すると共に透析液側に接続される等流量回路の一部
    から透析液圧を検出し、さらに除水系の除水速度を検出
    し、これらの検出される静脈圧と透析液圧と除水速度と
    から除水速度に関係のないダイアライザの限外過率
    (UFR)を連続的に算出し、ある時点の限外過率(UF
    R)が予め設定した基準時の基準点に対する許容変域外
    となった際に警報を発生する演算手段を設けることを特
    徴とする透析装置の除水制御監視システム。
  7. 【請求項7】ダイアライザの透析液側に給液量と排液量
    とを等しくする透析液等流量回路を設け、この等流量回
    路に除水ポンプを備えた除水系を接続配置してなる透析
    装置において、 ダイアライザの血液側に接続される血液系から静脈圧を
    検出すると共に透析液側に接続される等流量回路の一部
    から透析液圧を検出し、さらに除水系の除水速度を検出
    し、これらの検出される静脈圧と透析液圧とからダイア
    ライザの透析膜の限外過圧(TMP)を連続的に算出
    し、一方前記静脈圧と透析液圧と除水速度とから除水速
    度に関係のないダイアライザの限外過率(UFR)を予
    め設定した基準時の基準点として算出すると共にこの基
    準点から前記限外過圧(TMP)の基準点とその許容変
    域を設定し、連続的に算出される限外過圧(TMP)が
    前記基準点の許容変域外となった際に警報を発生する演
    算手段を設けることを特徴とする透析装置の除水制御監
    視システム。
  8. 【請求項8】演算手段は、ダイアライザの透析膜の限外
    過圧(TMP)との関連で除水速度に関係のないダイア
    ライザの限外過率(UFR)を次式により算出してなる
    請求項6または7記載の透析装置の除水制御監視システ
    ム。 但し、 TMP=PB0−PD0+α PB0は静脈圧 PD0は透析液圧 αは補正項
  9. 【請求項9】演算手段は、除水速度が0の場合でのダイ
    アライザの透析膜の限外過圧(TMP)から外乱αの補
    正を行うよう構成してなる請求項8記載の透析装置の除
    水制御監視システム。
  10. 【請求項10】演算手段により算出される限外過率
    (UFR)は、限外過率(UFR)の値の変化率に対応させ
    てそれぞれ変化率が大きい場合は基準点の時間間隔を短
    く設定し、また変化率が小さい場合は基準点の時間間隔
    を長く設定してなる請求項6ないし9のいずれかに記載
    の透析装置の除水制御監視システム。
  11. 【請求項11】演算手段により連続的に算出される限外
    過圧(TMP)と比較される限外過率(UFR)から算出
    された限外過圧(TMP)の基準点の許容変域は、各基
    準点の限外過率(UFR)の値の変化率に対応させてそ
    れぞれ変化するよう設定してなる請求項7ないし10のい
    ずれかに記載の透析装置の除水制御監視システム。
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