JP2506245B2 - 透析装置の限外濾過制御監視システム - Google Patents

透析装置の限外濾過制御監視システム

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JP2506245B2
JP2506245B2 JP3229882A JP22988291A JP2506245B2 JP 2506245 B2 JP2506245 B2 JP 2506245B2 JP 3229882 A JP3229882 A JP 3229882A JP 22988291 A JP22988291 A JP 22988291A JP 2506245 B2 JP2506245 B2 JP 2506245B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、限外濾過制御機構を
備えた透析装置に係り、特に透析治療中における限外濾
過制御機構の故障等による限外濾過制御不良を監視する
限外濾過制御監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、透析装置は、慢性腎不全患者の透
析療法を行う装置として広く普及されている。この透析
療法は、特に尿の出ない患者にとって、飲食した水分を
除去する(一般に限外濾過という)という生命を維持す
るために必要な手段であり、透析装置の存在は極めて重
要である。
【0003】近時、高性能のダイアライザ(透析器)が
開発され、多量の限外濾過が可能となったが、反面限外
濾過制御を誤ると、必要以上に水分を除去したりまたは
充分な水分を除去ができなくなり、患者の生命に危険を
及ぼす事態を生じる惧れがあり、このため透析装置は適
正かつ安全な限外濾過管理を行うことができる機能を保
持することが要求されるようになった。
【0004】このような観点から、ダイアライザに流入
する透析液流量と、ダイアライザから流出する透析液流
量とを等しくする複式ポンプを使用した透析液の等流量
回路を構成し、しかもこの等流量回路から所定量の液を
除去すると、これと同等量の水分をダイアライザの血液
側から除去することができる限外濾過ポンプを設けた限
外濾過制御機構を備えた透析装置が開発されている。
【0005】そこで、この種の透析装置は、任意の限外
濾過量を設定すると、この設定された値に従って限外濾
過ポンプを介して限外濾過量に見合う液が除去されるた
め、ダイアライザの性能のバラツキによる限外濾過誤差
を無視することができ、正確な限外濾過を達成すること
ができる。しかし、この種の透析装置においても、長時
間運転を行うと、ダイアライザの透析膜に目詰まりを生
じたり、塵芥や炭酸塩析出物の噛み込み等により背圧弁
のダイアフラムからの洩れやポンプ機械部品の摩耗等を
生じて、正確な限外濾過制御を行うことが困難となり、
限外濾過不良を生じる危険がある。このため、従来の透
析装置では、限外濾過不良の原因となる現象を透析液圧
の変化で検出する監視方式が採用されている。
【0006】図5は、現在実用化されている限外濾過制
御機構を備えた透析装置の一構成例を示す概略系統図で
ある。図5において、参照符号10はダイアライザを示
し、このダイアライザ10の透析膜10aを介して画成
された透析液側には、複式ポンプ12を介して等流量回
路を構成する透析液給液系14と透析液排液系16とが
接続されている。この場合、複式ポンプ12は、単一の
プランジャと2つの同一容積からなる交互に吸込・吐出
動作を行うポンプ部18a,18bを備えた往復動ポン
プで構成される。なお、ダイアライザ10と近接して、
透析液給液系14と透析液排液系16にそれぞれ電磁切
換弁を介して前記ダイアライザ10の入口と出口とをバ
イパス管20により短絡する。前記透析液排液系16に
は、バイパス管20と複式ポンプ12との接続点間に加
圧ポンプ22を設け、この加圧ポンプ22の下流側に脱
気チャンバ24を介して限外濾過ポンプ26を備えた限
外濾過系28が分岐接続される。この場合、前記複式ポ
ンプ12および限外濾過ポンプ26のそれぞれ吐出側に
は、背圧弁を設けて、各ポンプの背圧を所定値に保持す
るよう設定することにより、各ポンプの吐出流量を一定
に保持することができる。この場合、脱気チャンバ24
は、電磁開閉弁を介して導出される脱気パイプ30を複
式ポンプ12の下流側の透析液排液系16に連通接続す
る。一方、ダイアライザ10の透析膜10aを介して画
成された血液側には、適宜血液ポンプ32を介して患者
Kと結合される血液系34が接続される。このように構
成される透析装置には、透析液排液系16に対し、加圧
ポンプ22の上流側に透析液圧力を測定する透析液圧力
センサ36を付設すると共に、血液系34の静脈接続側
に静脈圧力センサ38を付設して、後述する透析治療に
際しての監視機構として使用する。
【0007】しかるに、前記構成からなる透析装置にお
いては、バイパス管20を遮断して透析液給液系14と
透析液排液系16とをダイアライザ10に連通し、複式
ポンプ12、加圧ポンプ22および限外濾過ポンプ26
をそれぞれ駆動して透析液を供給すると共に、血液ポン
プ32を駆動して前記ダイアライザ10に患者Kの血液
を供給することにより、透析治療が行われる。この場
合、透析液は、透析液給液系14の流量と透析液排液系
16の流量は等しくなり、これら透析液系は等流量回路
を構成する。そこで、限外濾過ポンプ26の駆動によ
り、所定の限外濾過量を透析液排液系16から限外濾過
系28へ除去すれば、ダイアライザ10の透析膜10a
を通して血液側から透析液側に前記限外濾過量と同量の
水分を除去することができる。なお、限外濾過ポンプ2
6を備えた限外濾過系28は、透析液給液系14に設け
ることもできる。
【0008】さらに、限外濾過制御機構を備えた透析装
置としては、隔膜チャンバを利用するもの(特公昭56
−82号公報)やビスカスチャンバを利用するもの(特
開平1−280468号公報)などが現在実用化されて
いる。
【0009】そこで、従来の限外濾過制御監視システム
Mとしては、図6において略示するように、ダイアライ
ザ10に流入する透析液流量QDiとダイアライザ10か
ら流出する透析液流量QDoを制御することによって、ダ
イアライザ10に流入する血液流量QBiとダイアライザ
10から流出する血液流量QBoを制御して、患者Kの限
外濾過量を制御するよう構成され、これにより透析液側
のダイアライザ10の出口圧PDoである排液系圧と、血
液側のダイアライザ10の出口圧PBoである静脈圧と
で、基本的に次のような限外濾過制御監視を行ってい
る。
【0010】(1)透析治療中の透析液圧に対して所定
の幅の上下限警報レベルを設け、透析液圧の前記所定幅
以上の変化により警報を発生する。 (2)透析治療中の静脈圧と透析液圧からダイアライザ
の透析膜の限外濾過圧(TMP)を算出し、このTMP
に対して所定の幅の上下限警報レベルを設け、TMPの
前記所定幅以上の変化により警報を発生する。
【0011】すなわち、前述した従来の透析装置におい
て、その性能を評価する基準として、限外濾過率(UF
R)が用いられる。一般に、この限外濾過率(UFR)
は、限外濾過圧(TMP)との関係から、次のような近
似式で表される。
【0012】
【数8】
【0013】ここで、前記Δpは膜内外の圧勾配であ
り、近似値として次式で示される。
【0014】
【数9】
【0015】しかし、実際の測定に際しては、血液側は
静脈圧(PBo)を監視し、透析液側は排液系圧(PDo)
を監視して、次式により概算することができる。 TMP(=Δp)=PBo−PDo ……… (4) TMP=PBo−PDo+α ……… (5) そこで、従来においては、前述した図6に示す透析装置
に設けた透析液圧力センサ36と静脈圧力センサ38と
により、限外濾過率(UFR)の異常に基づく透析装置
の安全管理を実施している。
【0016】通常の透析装置における前記TMPの経時
的変化は、図7に示すようになる。すなわち、TMP
は、実線で示すように時間の経過と共に緩やかな上昇曲
線を描く。そこで、この場合、透析開始時点t1 から透
析終了時点t3 までのTMPの変化を許容する変域a1
〜a2すなわち上下限警報レベルを設定し、測定するT
MPが前記変域を越えた際に警報を発生して、透析異常
を報知することができる。従って、従来においては、例
えば前記変域を考慮して、透析液圧力センサ36および
静脈圧力センサ38にそれぞれ透析液圧および静脈圧の
許容限界値を設定して、前記各センサの測定値がそれぞ
れ設定された許容限界値を越えた際に警報を発生させる
等の便宜的方法が採用されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日の
透析療法においては、患者の生理的条件に適合させて、
医師の判断により、透析治療の途中で限外濾過速度を変
更(一般に、限外濾過速度の増大)することが行われ
る。この場合、図7に破線で示すように、限外濾過速度
変更時点t2 でTMPが前記変域a2 (上限警報レベ
ル)を越えて、誤警報を生じてしまうことになる。この
ような事態を回避するためには、前記TMPの変域の上
限を増大させる必要があるが、このようにTMPの変域
の幅を広げると、例えば限外濾過制御機構が故障したよ
うな場合に、限外濾過量の比較的大きな過不足を許容し
てしまうため、患者に対する影響が極めて大きくなる難
点がある。 また、限外濾過制御機構は正常に動作して
いるにも拘らず、ダイアライザの透析膜の目詰まり、血
漿浸透圧の変化、血液流量の変化等により、前記と同様
に誤警報を生じてしまう難点がある。
【0018】そこで、本発明の目的は、限外濾過制御機
構を備えた透析装置において、ダイアライザの透析膜の
目詰まりによる限外濾過率(UFR)の経時的変化、血
漿浸透圧の経時的変化、血液流量の変化および限外濾過
速度の変化等に影響されることなく、円滑かつ安全な透
析治療を行うことができる透析装置の限外濾過制御監視
システムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る透析装置の
限外濾過制御監視システムは、限外濾過制御機構を備え
た透析装置において、ダイアライザの透析膜に対する限
外濾過圧(TMP)と限外濾過速度(v)とから限外濾
過率(UFR)を連続的に算出し、ある時点の限外濾過
率の変化量とその時点以前の限外濾過率の変化量とを比
較してその比較値が予め設定した警報条件に適合した際
に警報を発生する演算手段を設けることを特徴とする。
【0020】前記の限外濾過制御監視システムにおい
て、演算手段は、ダイアライザの限外濾過率(UFR)
を、ダイアライザの血液側の出口圧(PBo)と、透析液
側の出口圧(PDo)とから下記式10により限外濾過圧
(TMP)を算出し、この限外濾過圧(TMP)と限外
濾過速度(v)とから下記式11により算出することが
できる。
【0021】
【数10】
【0022】
【数11】
【0023】また、演算手段は、ダイアライザの限外濾
過率(UFR)を、ダイアライザの血液側の入口圧(P
Bi)と、透析液側の入口圧(PDi)とから下記式12に
より限外濾過圧(TMP´)を算出し、この限外濾過圧
(TMP´)と限外濾過速度(v)とから下記式13に
より算出することもできる。
【0024】
【数12】
【0025】
【数13】
【0026】さらに、演算手段は、ダイアライザの限外
濾過率(UFR)を、ダイアライザの血液側の出口圧
(PBo)および入口圧(PBi)と、透析液側の出口圧
(PDo)および入口圧(PDi)とから下記式14により
圧勾配(Δp)を算出し、この圧勾配(Δp)から下記
式15により限外濾過圧(TMP)を求め、この限外濾
過圧(TMP)と限外濾過速度(v)とから下記式16
により算出することもできる。
【0027】
【数14】
【0028】
【数15】
【0029】
【数16】
【0030】この場合、演算手段として、血液側の平均
圧力または透析液側の平均圧力のいずれか一方を、動脈
圧(PBi)または静脈圧(PBo)とし、あるいは給液系
圧(PDi)または排液系圧(PDo)として使用し、これ
を前記式14ないし16に準じて演算を行い、ダイアラ
イザの限外濾過率(UFR)を算出することも可能であ
る。
【0031】なお、演算手段は、ある時点(tn )のダ
イアライザの限外濾過率の変化量(ΔUFRtn )を、
その時点の限外濾過率とそれより所定の時間間隔(Δ
t)前の時点(tn −Δt1 )の限外濾過率との偏差と
して算出することができる。そして、演算手段は、限外
濾過速度が0の場合でのダイアライザの透析膜の限外濾
過圧から外乱αの補正を行うよう構成することにより、
正確な限外濾過率(UFR)を算出することができる。
【0032】また、演算手段における所定の時間間隔
(Δt)は、透析開始後は小さく設定し、透析が経過す
るに従って大きく設定すれば好適であり、また、演算手
段における警報条件は、透析開始直後は緩やかに設定
し、透析が経過するに従って厳しく設定すれば好適であ
る。
【0033】
【作用】本発明に係る透析装置の限外濾過制御監視シス
テムによれば、ダイアライザの血液側に接続される血液
系からその出口圧ないしは入口圧を検出すると共に透析
液側に接続される等流量回路の一部から透析液圧を検出
し、検出される血液圧と透析液圧とからダイアライザの
透析膜の限外濾過率(UFR)を連続的に算出し、ある
時点の限外濾過率の変化量とその直前の限外濾過率の変
化量とを比較して、これを予め設定した警報条件と照合
することにより、限外濾過制御の適正状態を容易にかつ
高精度に監視することができる。
【0034】特に、本発明においては、ダイアライザの
透析膜の目詰まりによる限外濾過率の経時的変化、血漿
浸透圧の経時的変化、血液流量の変化および限外濾過速
度の変化に対応した限外濾過制御の監視を有効に行うこ
とができると共にこの種透析装置の性能の向上並びに限
外濾過制御の安全性を一層向上することができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明に係る透析装置の限外濾過制御
監視システムの好適な実施例につき、添付図面を参照し
ながら以下詳細に説明する。
【0036】図1は、本発明に係る限外濾過制御監視シ
ステムによって監視されるダイアライザの限外濾過率
(UFR)を透析時間の変化と共に示す特性線図であ
る。
【0037】ここで、透析時間の変化に対するUFR値
の変化量を算出する。すなわち、時間tn におけるUF
R値の変化量ΔUFRtn を、時間tn におけるUFR
値(UFRtn )と時間tn −Δt1 におけるUFR値
(UFRtn −Δt1 )とを次式(6)により求める。 ΔUFRtn =UFRtn −(UFRtn −Δt1 ) ……… (6) また、時間tn −Δt1 におけるUFR値の変化量Δ
(UFRtn −Δt1 )を、時間tn −Δt1 における
UFR値(UFRtn −Δt1 )と時間tn −Δt2
おけるUFR値(UFRtn −Δt2 )とを次式(7)
により求める。 Δ(UFRtn −Δt1 )=(UFRtn −Δt1 ) −(UFRtn −Δt2 ) ……… (7) そして、ここで求められたUFR値の変化量ΔUFRt
n とΔ(UFRtn −Δt1 )とを比較し、この比較値
が予め設定した警報条件に適合する場合は、警報動作を
行うよう演算回路を構成する。
【0038】さらに、前記UFR値の特性は、図2に示
すように、透析開始直後の減少率は大きく、透析時間が
経過するに従い、この減少率は小さくなる。そこで、前
記UFR値の変化に対応する時間間隔Δtまたは警報条
件に、次のような調整を行うことにより、透析治療中の
限外濾過制御監視システムの感度を同一状態に保持する
ことができる。 (a)時間間隔Δtを、透析開始後は小さくし、透析が
経過するに従って大きくする。 (b)警報条件を、透析開始直後は緩やかにし、透析が
経過するに従って厳しくする。
【0039】次に、UFR値の算出方法について説明す
る。
【0040】UFR値の算出方法(1) 図3に示すように、ダイアライザ10の血液側の出口圧
すなわち静脈圧(PBo)と、ダイアライザ10の透析液
側の出口圧すなわち排液系圧(PDo)とをそれぞれ静脈
圧力センサ40および排液系圧力センサ42により検出
して、これらの検出値を前記式(4)に代入して限外濾
過圧TMP値を算出し、このTMP値と限外濾過速度v
を前記式(1)に代入してUFR値を算出する。
【0041】UFR値の算出方法(2) 図4に示すように、ダイアライザ10の血液側および透
析液側に生じる圧力損失による算出誤差を削減するため
に、ダイアライザ10の血液側の出口圧および入口圧す
なわち静脈圧(PBo)および動脈圧(PBi)と、ダイア
ライザ10の透析液側の出口圧および入口圧すなわち排
液系圧(PDo)および給液系圧(PDi)とをそれぞれ静
脈圧力センサ40と動脈圧力センサ44および排液系圧
力センサ42と給液系圧力センサ46とにより検出し
て、これらの検出値を前記式(3)に代入して圧勾配Δ
pを演算し、前記式(4)に基づいてTMP値を求め、
このTMP値と限外濾過速度vを前記式(1)に代入し
てUFR値を算出する。
【0042】外乱αの補正 前記のUFR値の算出方法(1)および(2)におい
て、TMP値の演算に際し、限外濾過速度vが0の場合
におけるダイアライザの透析膜のTMP値から外乱αの
補正を前記式(5),(2)により行ってTMP値を求
め、このTMP値に基づいてそれぞれUFR値を算出す
る。この結果、正確なUFR値を算出することができ
る。特に、この場合、透析液側から血液側に液が移動す
る逆限外濾過の要因となる負のUFR値を正確に算出す
ることができる。
【0043】その他のUFR値の算出方法について (a) 図3に示すUFR値の算出方法(1)に対し
て、ダイアライザ10の血液側の入口圧すなわち動脈圧
(PBi)と、ダイアライザ10の透析液側の入口圧すな
わち給液系圧(PDi)とをそれぞれ対応する圧力センサ
(図4参照)を設けて検出し、これらの検出値を前記式
(4)に準じた式に代入して限外濾過圧(TMP´)を
算出し、この限外濾過圧(TMP´)と限外濾過速度v
を前記式(1)に代入してUFR値を算出することがで
きる。このように、限外濾過圧を算出する方法として、
静脈圧(PBo)の代りに動脈圧(PBi)を、そして排液
系圧(PDo)代りに給液系圧(PDi)を使用しても、流
路固有抵抗が異なるだけのため、本発明の意図するUF
Rの変化量を監視することは可能である。
【0044】(b) 図4に示すUFR値の算出方法
(2)に対して、血液側の平均圧力または透析液側の平
均圧力のいずれか一方を、動脈圧(PBi)または静脈圧
(PBo)とし、あるいは給液系圧(PDi)または排液系
圧(PDo)として使用し、前記式(3)に準じた式に代
入して圧勾配Δpを演算し、前記式(4)に基づいてT
MP値を求め、このTMP値と限外濾過速度vを前記式
(1)に代入してUFR値を算出することができる。こ
の場合においても、前記と同様に流路固有抵抗が異なる
だけのため、本発明の意図するUFRの変化量を監視す
ることは可能である。また、前記圧勾配ΔpまたはTM
P値としては、算術平均値のみならず対数平均値を使用
することも可能である。
【0045】なお、一般に、ダイアライザのUFR値は
予め判明していることから、例えば前述した算出方法
(2)により得られるUFR値に対し、所定の幅の上下
限警報レベルを設定しておくことにより、検出される前
記UFR値が警報レベルを越えた際に警報を発生させる
ことができると共に、透析治療中(特に開始直後)の異
常なUFR値の検出に際しても適正な動作を行う限外濾
過制御監視システムを構築することができる。
【0046】
【発明の効果】前述した実施例から明らかな通り、本発
明に係る透析装置の限外濾過制御監視システムによれ
ば、ダイアライザの血液側に接続される血液系からその
出口圧もしくは入口圧を検出し、透析液側からその出口
圧もしくは入口圧を検出し、これらの検出値よりダイア
ライザの透析膜の限外濾過率すなわちUFR値を予め設
定した時間間隔で算出し、ある時点の限外濾過率の変化
量とその時点以前の限外濾過率の変化量とを比較してそ
の比較値が予め設定した警報条件との適合性を監視する
演算手段を設けることにより、時間の経過と共に変化す
る限外濾過制御特性に十分適合した限外濾過制御監視を
行うことができる。
【0047】特に、本発明においては、ダイアライザの
透析膜の目詰まりによる限外濾過率(UFR)の経時的
変化、血漿浸透圧の経時的変化、血液流量の変化および
限外濾過速度の変化に対応した限外濾過制御の監視を有
効に行うことができると共にこの種透析装置の性能の向
上を図り、さらに限外濾過制御の安全性を一層向上する
ことができる。
【0048】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前述した実施例に限定されることな
く、本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設
計変更をなし得ることは勿論である。例えば、前述した
実施例においては、本発明の限外濾過制御監視システム
を適用する限外濾過制御機構を設けた透析装置として、
ダイアライザの透析液側に複式ポンプを利用して等流量
回路を構成した場合を示したが、この実施例に限定され
ることなく、従来公知の隔膜チャンバを利用したり、ビ
スカスチャンバを利用したり、あるいは給排液系にそれ
ぞれ設けたポンプを電磁流量計により流量制御すること
によって、それぞれ等流量回路を構成した限外濾過制御
機構を有する透析装置に対しても、本発明の限外濾過制
御監視システムを適用し得ることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透析装置の限外濾過制御監視シス
テムの一実施例としての監視内容を示すものであって、
透析時間に対する限外濾過率の特性線図である。
【図2】透析時間に対する限外濾過率の一般的な特性線
図である。
【図3】本発明に係る透析装置の限外濾過制御監視シス
テムにおけるダイアライザの監視条件を示す説明図であ
る。
【図4】本発明に係る透析装置の限外濾過制御監視シス
テムにおけるダイアライザの監視条件の別の構成例を示
す説明図である。
【図5】本発明に係る限外濾過制御監視システムを実施
する透析装置の一構成例を示す概略系統図である。
【図6】従来の透析装置における限外濾過制御監視シス
テムの概略を示す系統図である。
【図7】従来の透析装置における限外濾過制御監視シス
テムによるダイアライザの除水制御特性線図である。
【符号の説明】
10 ダイアライザ 12 複式ポンプ 14 透析液給液系 16 透析液排液
系 18a,18b ポンプ部 20 バイパス管 22 加圧ポンプ 24 脱気チャン
バ 26 限外濾過ポンプ 28 限外濾過系 30 脱気パイプ 32 血液ポンプ 34 血液系 36 透析液圧力
センサ 38 静脈圧力センサ 40 静脈圧力セ
ンサ 42 排液系圧力センサ 44 動脈圧力セ
ンサ 46 給液系圧力センサ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限外濾過制御機構を備えた透析装置にお
    いて、ダイアライザの透析膜に対する限外濾過圧(TM
    P)と限外濾過速度(v)とから限外濾過率(UFR)
    を連続的に算出し、ある時点の限外濾過率の変化量とそ
    の時点以前の限外濾過率の変化量とを比較してその比較
    値が予め設定した警報条件に適合した際に警報を発生す
    る演算手段を設けることを特徴とする透析装置の限外濾
    過制御監視システム。
  2. 【請求項2】 演算手段は、ダイアライザの限外濾過率
    (UFR)を、ダイアライザの血液側の出口圧(PBo)
    と、透析液側の出口圧(PDo)とから下記式1により限
    外濾過圧(TMP)を算出し、この限外濾過圧(TM
    P)と限外濾過速度(v)とから下記式2により算出し
    てなる請求項1記載の透析装置の限外濾過制御監視シス
    テム。 【数1】 【数2】
  3. 【請求項3】 演算手段は、ダイアライザの限外濾過率
    (UFR)を、ダイアライザの血液側の入口圧(PBi)
    と、透析液側の入口圧(PDi)とから下記式3により限
    外濾過圧(TMP´)を算出し、この限外濾過圧(TM
    P´)と限外濾過速度(v)とから下記式4により算出
    してなる請求項1記載の透析装置の限外濾過制御監視シ
    ステム。 【数3】 【数4】
  4. 【請求項4】 演算手段は、ダイアライザの限外濾過率
    (UFR)を、ダイアライザの血液側の出口圧(PBo)
    および入口圧(PBi)と、透析液側の出口圧(PDo)お
    よび入口圧(PDi)とから下記式5により圧勾配(Δ
    p)を算出し、この圧勾配(Δp)から下記式6により
    限外濾過圧(TMP)を求め、この限外濾過圧(TM
    P)と限外濾過速度(v)とから下記式7により算出し
    てなる請求項1記載の透析装置の限外濾過制御監視シス
    テム。 【数5】 【数6】 【数7】
  5. 【請求項5】 演算手段は、ある時点(tn )のダイア
    ライザの限外濾過率の変化量(ΔUFRtn )を、その
    時点の限外濾過率とそれより所定の時間間隔(Δt)前
    の時点(tn −Δt1 )の限外濾過率との偏差として算
    出してなる請求項1ないし4のいずれかに記載の透析装
    置の限外濾過制御監視システム。
  6. 【請求項6】 演算手段は、限外濾過速度が0の場合で
    のダイアライザの透析膜の限外濾過圧から外乱αの補正
    を行うよう構成してなる請求項2ないし4のいずれかに
    記載の透析装置の限外濾過制御監視システム。
  7. 【請求項7】 演算手段における所定の時間間隔(Δ
    t)は、透析開始後は小さく設定し、透析が経過するに
    従って大きく設定してなる請求項5記載の透析装置の限
    外濾過制御監視システム。
  8. 【請求項8】 演算手段における警報条件は、透析開始
    直後は緩やかに設定し、透析が経過するに従って厳しく
    設定してなる請求項1記載の透析装置の限外濾過制御監
    視システム。
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