JP2509284Y2 - 流動層炉 - Google Patents

流動層炉

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JP2509284Y2
JP2509284Y2 JP5369691U JP5369691U JP2509284Y2 JP 2509284 Y2 JP2509284 Y2 JP 2509284Y2 JP 5369691 U JP5369691 U JP 5369691U JP 5369691 U JP5369691 U JP 5369691U JP 2509284 Y2 JP2509284 Y2 JP 2509284Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、粉粒体を流動化する
ことにより各種の反応や焼成などを行う流動層炉に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】容器内にいれた粉粒体を、その容器の下
方から導入するガスなどの流体によって流動化させなが
ら化学反応や焼成等を進行させる流動層炉は、石炭の乾
留やセメント・石灰の焼成、鉄鉱石の還元など、多様な
用途に使用されている。
【0003】流動層炉においては、導入する流体を整流
するために、炉体下方の風箱(流体導入室)と炉体上方
の流動層室との間に分散板(整流器)を備えるのが普通
である。分散板には、粉粒体の粒度や量、流体流量など
に応じて、適当な径および数(分布)の流体通孔(ノズ
ル)が設けられている。つまり、分散板上に充填された
粉粒体は、風箱から分散板の通孔を経て流入する流体に
よって流動し、流動層を形成する。
【0004】分散板には、流動層室内の粉粒体や導入流
体中のダストによって通孔の目詰まりすることがあり、
また粉粒体との接触による摩耗も生じるため、流動層炉
は、分散板の掃除や交換などが可能なように構成される
必要がある。実開平2−137698号公報に記載の流
動層炉は、そういった分散板のメンテナンスを確実かつ
容易に行えるようにしたものである。すなわち、流動層
室と分散板、分散板と風箱とをそれぞれ上下に分離可能
に接合するとともに、分散板の横行手段を設けている。
流動層室を上昇させるかまたは風箱を下降させ、流動層
室および風箱から分散板を分離したうえ、それを横行手
段で外へ取り出すことにより、そのメンテナンスが行え
る状態になる。
【0005】なお、導入流体の流量など操業条件が大幅
に変更される場合のある流動層炉においては、通孔の開
口比などを操業条件に適合させる目的で、分散板を複数
のうちから選択して使用できるようにすることも必要で
ある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記公報の流動層炉に
は、つぎのような課題があった。
【0007】イ) 流動層室と風箱とのうち上記のように
上下に変位する方については、それにつながった管路や
支持部材(鉄骨フレームなど)に関し、特殊な構造を配
備するか、さもなくば煩雑な作業を止むなしとしなけれ
ばならない。すなわち、これら管路や支持部材は、炉側
(流動層室または風箱)の上下変位を吸収する特殊な部
材(伸縮継手や昇降架台など)がそれぞれ配備されてい
る場合を除いて、メンテナンスのために分散板を炉から
取り出す都度、フランジやボルト等による接続部にて作
業者が炉側と切り離してやらねばならない。流動層室に
は粉粒体の投入管や流体の排出管が接続され、風箱にも
流体の導入管などが必ず接続されているほか、比較的大
型の炉では流動層室と風箱とのそれぞれが支持部材にて
支えられているので、このような課題は必ず発生する。
【0008】ロ) 炉が大型になると、分散板の出し入れ
に際して流動層室または風箱を短時間のうちに上下変位
させることが簡単ではなくなる。流動層室や風箱のそれ
ぞれが、一体でかなりの重量を有するうえ、高さや形状
の点で安定的とはいい難い構造物だからである。このた
め、上下変位を与える手段(ジャッキなど)として大容
量のものを多数配備する必要があり、またそれらを迅速
に操作することも難しいので、設備コストと作業の所要
時間との両面でムダがともなうことになる。
【0009】本考案の目的は、炉につながる管路や支持
部材に特殊な構造が不要で、ジャッキなどの設備負担も
軽いものでありながら、メンテナンスのための分散板の
出し入れを軽作業にて速やかに行える流動層炉を提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案の流動層炉は、分
散板を取り外し可能に取り付けているほか、風箱の下部
と流動層室とをそれぞれ固定配置し、風箱の上部を、固
定されたその下部と接続されたまま上下に変位可能な伸
縮構造としたものである。分散板の取り外しを容易にす
るためには、前記公報に記載のような横行手段(たとえ
ば車輪やレールなどを含むもの)を分散板の外側に設け
るとよい。また、取り外した分散板に代えて炉に取り付
ける交換用の分散板を、やはり横行手段とともに配備し
ておくのもよい。
【0011】請求項2に記載した流動層炉は、上記の炉
についてさらに、風箱の上部と、流動層室の下端部、交
換用を含めた複数の分散板、およびそれら分散板の交換
手段を、密閉式のケーシング内に配備したものである。
分散板の交換手段とは、使用ずみの分散板を取り出して
交換用の分散板を置き換えるもので、たとえば、上記の
ような横行手段などで構成すればよい。
【0012】
【作用】本考案の流動層炉では、風箱の上部が伸縮構造
であり、下方および上方へ変位(昇降)することが可能
である。したがって、たとえば流動層室内(つまり分散
板上)の粉粒体が排出され流体の導入が停止された状態
で、風箱の上部を下方へ変位させると同時に、その風箱
上部と分散板との間および分散板と流動層室との間を分
離すれば、分散板を外へ取り出し、交換もしくはメンテ
ナンスを行うことができる。
【0013】風箱の上部が上記のように昇降可能である
のに対し、風箱の下部と流動層室とはそれぞれ固定配
置、つまり不動の状態に設置されている。したがって本
考案の流動層炉には、作用的につぎの特徴がある。
【0014】1) 炉を支えるための支持部材や、炉への
粉粒体および流体の導入・排出用の管路などを、固定配
置されている風箱の下部と流動層室とに対してそれぞれ
直接に接続することができる。直接に接続するというの
は、伸縮継手や昇降架台など特殊な構造部分を含まず、
溶接やボルト結合などによる最も簡便な方法で接続する
ことである。分散板のメンテナンスの際、風箱の下部と
流動層室を移動することはないためこうした接続を解く
必要はなく、作業負担が増大することはない。
【0015】2) 風箱の全体ではなくその上部のみを変
位させるため、変位をもたらすジャッキなどの設備を簡
素化でき、その変位を速やかになすことができる。変位
させる対象を風箱の上部のみに限るなら、重量や高さ・
形状の点で、変位を与えやすいからである。
【0016】請求項2の流動層炉では、分散板の交換、
つまり元の分散板を炉から取り出して交換用の分散板を
取り付けることが、極めて能率的に行える。運転中の炉
の内部は極めて高温度もしくは高活性の状態にあるの
で、流体が停止され分散板上の粉粒体がなくなったの
ち、さらにそうした状態が鎮静化するのを待って分散板
の取り出しを行うのが本来であるが、この炉によると、
その鎮静化を待たずに、場合によっては流量の導入も停
止しないで、分散板の交換が行えるのである。なぜな
ら、この炉では、交換用のものを含めた複数の分散板
や、流動層室の下部、風箱の上部などが密閉式のケーシ
ング内にあるので、分散板の交換のため風箱の上部を下
方に変位させている間も、炉の内部や分散板などが直接
には外部に露出しないからである。分散板の交換が終わ
った炉は、風箱の上部を上方(元の位置)へ戻したのち
に運転(流体の導入が継続されておれば、粉粒体の投入
のみ)を再開すればよく、炉から取り出した分散板につ
いては、炉の運転中にケーシング内で上記鎮静化の時間
をおいたのち、必要ならケーシングから取り出すかケー
シングを開くかしてメンテナンスを施す。
【0017】
【実施例】本考案の一実施例である流動層炉1を、図1
〜図3に示す。図1(a)は炉1を正面から見た縦断面
図、同(b)は同(a)のb部詳細図、図2は図1(a)のII
−II矢視図、図3は図1(a)のIII−III矢視図である。
【0018】この流動層炉1は、直接還元製鉄法におい
て鉄鉱石の還元に用いられるものである。図1に従って
説明すると、粉粒体である鉄鉱石(粉鉱)は、分散板2
0A上の流動層室10内に投入管4より投入され、下方
の導入管2より風箱30を経て導入される還元ガスによ
り還元鉄(固体)に還元される。還元ガスは、風箱30
から分散板20Aの通孔21を通って上昇し、上記の鉄
鉱石を流動させる。ガスは千℃前後と高温度なうえ、C
OやHなどの還元成分を含むため、流動させる間に鉄
鉱石を還元する能力がある。ガスが上方の排ガス管3よ
り排出される一方、還元ずみの鉄鉱石(還元鉄)は、排
出管5(図2参照)から排出される。炉1の本体は、全
体的には鉄皮の内側に耐火物を張った、図のように縦に
長い構造物である。
【0019】この流動層炉1は、分散板20A(および
20B)のメンテナンスに関連してつぎの構成を配した
点に特徴がある。すなわち、1) 流動層室10と分散板
20Aおよび風箱30を、それぞれ分離可能に接合して
炉1の本体を構成している。そうした接合面で分離する
ことにより、分散板20Aを炉1の外側(側方)へ取り
出してメンテナンス(通孔21の掃除など)ができるよ
うにしたのである。炉1の軸心が鉛直であるのに対し、
各接合面は水平に形成している。
【0020】2) 上記接合面の分離をなすために、風箱
上部40(風箱30の上部)をベローズ形の伸縮構造に
し、その上端が下方へ(また復帰時には上方へ)変位し
得るようにした。風箱上部40は、図1(b)のように、
上端フランジ41とベローズ42・下端フランジ43・
耐火物44などを組み付けて筒状にしたもので、下端フ
ランジ43を風箱下部50のフランジ51にボルト・ナ
ットで締結し固定している。ベローズ42を利用して上
下端のフランジ41・43間が伸縮可能なように、耐火
物44はベローズ42の本体からやや離して内側に設
け、風箱下部50の耐火物との間にも隙間をとってい
る。符号47は、この隙間にダスト等が堆積するのを防
止し、同時にベローズ42を冷却するための窒素ガスの
吹き込み管である。
【0021】3) 上記の風箱上部40についての伸縮の
ための駆動源として、下端フランジ43にブレーキつき
モータ45を取り付け、それによって回転させられるボ
ルト46の雄ネジ部を、上端フランジ41の雌ネジ穴に
はめこんだ。モータ45でボルト46を回せば、固定さ
れた下端フランジ43に対し上端フランジ41を昇降す
る(つまり風箱上部40を伸縮させる)ことができる。
このようなモータ45とボルト46とは、風箱上部40
の周囲にガイドロッド(図示せず)とともに複数配備し
て同時に駆動する。上昇させた上端フランジ41が分散
板20Aを持ち上げ、それを流動層室10の下端面に押
し付けた図1(a)の状態になると、モータ45を停止し
て付属のブレーキを効かせ、その状態を保持させる。つ
まり分散板20Aは、ボルト・ナット等によらずに流動
層室10および風箱30(風箱上部40)と接合される
ようにしている。これらの点は、いずれも、炉1からの
分散板20Aの取り出し作業を簡単にするための工夫で
ある。なお、モータ45・ボルト46に代えて他の形式
のジャッキを使用してもよい。
【0022】4) 図1(a)および図2のように、ガスの
導入管2と排ガス管3、粉粒体の投入管4と排出管5、
さらには、炉1を支える支持フレーム19や同59を、
流動層室10または風箱下部50に接続した。分散板の
メンテナンスの際、分散板20A(および20B)のほ
かには風箱上部40のみが変位し、流動層室10と風箱
下部50は(他の機会を含めてもほとんど)移動もしく
は変位することがないため、これらに対して外部配管や
支持を施すのは極めて合理的(つまり簡単な接続構造が
とれ、分離・再接続の必要もない)だからである。風箱
上部40には配管や支持を設けないのがよいが、設ける
とすれば、フレキシブルなホースを用いるか、または図
1(b)のように吹き込み管47を接続したベローズ42
の下端部付近とする必要がある。なお、風箱上部40と
分散板20Aの重量は、下端フランジ43(図1(b))
を介して風箱下部50とともにフレーム59にて支持さ
れる。
【0023】5) 風箱上部40を下降させて分散板20
Aを流動層室10および風箱30から分離したのちの作
業、つまり、その分散板20Aを炉1より取り出して代
わりの分散板20Bに置き換える作業を容易にするた
め、下記のような交換手段60を配備した。すなわち図
2および図3のように、各分散板20A・20Bの外側
に車輪61を取り付け、それらを、梁63上のレール6
2に載せている。レール62や梁63にかかる荷重は支
持フレーム69(図1)で受ける。二つの分散板20A
・20Bは、図1(b)に示すようにそれぞれのブラケッ
ト64A・64B間に通したピン65を介して連結して
いるので、一方の分散板20Aを図3の右方(仮想線の
位置)へ取り出したとき、交換用の他方の分散板20B
が炉1内に運ばれる。これらの分散板20A・20B
は、レール62の両端付近に設けたウィンチ(図示せ
ず)によりワイヤ(同)を介し牽引されてレール62上
を移動する。なお、図1(b)における分散板20Aのよ
うに、炉1内に運ばれて風箱上部40により流動層室1
0の下端面に押し付けられた状態の分散板については、
図2のとおり車輪61がレール62から浮き上がる。逆
に、風箱上部40を縮める(下降させる)ときには、流
動層室10から分離したのちの分散板20Aが途中でレ
ール62上に載ることにより、さらに下降する風箱上部
40と離れるのである。レール62に特別な昇降機構を
設けなくてもこういった接合・分離が可能である点は、
流動層室10の下部を伸縮構造とするのでなく風箱30
の上部40を伸縮構造にしたことによる利点である。
【0024】6) 操業を完全には停止せずに(つまり、
分散板20A上の粉粒体が排出された状態で、還元ガス
の導入は継続したまま)しかも安全に分散板20A・2
0Bの交換が行えるよう、炉1の側部に密閉式のケーシ
ング70を取り付けた。ケーシング70は、図1(b)の
とおり、流動層室10の下端面のフランジ11に上部を
付け、風箱上部40の下端フランジ43に下部を付けた
もので、横方向には、図3のとおり二つの分散板20A
・20Bの移動範囲を囲むよう、梁63に沿って(図1
(b)参照)形成した。したがってこのケーシング70の
内側には、風箱上部40のほか、流動層室10の下端
面、分散板20A・20B、およびそれらの交換手段6
0を収めたことになる。ただし、分散板20A・20B
を駆動する前記のウィンチは、ケーシング70の外にシ
ール機構を介して配置している。なお、このケーシング
70には、分散板20A・20Bのメンテナンス時に開
放されるフタ71(図1(a)(b))を設けたほか、パー
ジ用窒素ガスの吹き込み管72(図1(b))を接続し
た。
【0025】さて、以上のように構成したこの流動層炉
1において、運転中、分散板20Aに鉄鉱石が溶着した
り、その通孔21に導入ガス中のダストが付着・溶着し
たりすると、その分散板20Aは、他の分散板20Bに
交換するとともに掃除・補修などの整備(メンテナン
ス)を施すことになるが、その手順は下記のとおりであ
る。
【0026】 密閉したケーシング70内に管72か
ら窒素ガスを吹き込むことにより内部の空気をパージ
し、窒素ガスが充満してケーシング70内が風箱30と
均圧状態になるようにする。
【0027】 分散板20A上の鉄鉱石のほぼ全量が
排出された段階で、風箱上部40を縮め、風箱上部40
・分散板20A・流動層室10の各間の接合面を分離す
る。ケーシング70は密閉状態にあるうえ内部の空気が
窒素ガスで置換されていることから、炉1内に赤熱状態
の鉄鉱石が残存していても、また高温度のCOやH2
含有ガスが導入されても、何ら問題はない。すなわちこ
のの操作は、分散板20Aを含む炉1の内部が冷却さ
れるのを待たずに、また還元ガスの導入を止めずに行う
ことができる。
【0028】 上記によって分散板20Aの車輪6
1もレール62上に載ることになるので、交換手段60
によって分散板20A・20Bを移動し、整備の必要な
分散板20Aに代えて整備ずみの分散板20Bを炉1の
軸心上に運ぶ。
【0029】 風箱上部40を伸ばし、図1(b)と同
じように流動層室10との間に挟み付けるかたちで、流
動層室10・風箱上部40間に分散板20Bを接合す
る。
【0030】 そののち、ケーシング70の内側では
炉1より取り出された分散板20Aの温度が下がるのを
待つが、それと並行して、炉1では、鉄鉱石原料を再投
入して運転を開始する。つまり炉1の運転は、上記か
らまでの極めて短い中断ののちに再開できることにな
る。なお、管72からケーシング70内に吹き入れるガ
スは、徐々に空気に変えていけばよいが、分散板20A
の温度が高いうちは窒素ガスの方が好ましい。
【0031】 分散板20Aの温度がケーシング70
内で十分に低下し、ケーシング70内のガスも空気に置
換された後に、フタ71を開き、通孔21の掃除など、
分散板20Aに相応の整備を行う。必要なら、分散板2
0Aをさらに別の分散板に交換する。なお、こういった
整備の間にも炉1の運転を継続できることはもちろんで
ある。
【0032】図4は、本考案の別の実施例を示す図で、
流動層炉101を分散板の高さでみた水平断面図(つま
り図3に対応する図面)である。この炉101は、前記
実施例の流動層炉1と同様に風箱130の上部140
(破線で示す)が上下に変位するが、下記の点につき独
特の構成をもつ。
【0033】a) 風箱上部140と流動層室の下部(図
示せず)とをつなぐケーシング170のうちに、三つの
分散板120A・120B・120Cを移動可能に設け
ている。ケーシング170は図のように円筒形(上下も
密閉)に形成し、分散板交換手段としてのレール162
は、そのケーシング170の内部に同心円状に敷設・固
定した。分散板120A・120B・120Cは、ブラ
ケット164および連結ピン165を介し互いに連結さ
れた状態で、車輪161によりそのレール162上を
(風箱130と中心軸の重なる位置を含む経路で)移動
する。
【0034】b) 三つの分散板120A・120B・1
20Cは、それぞれ同じものではなく、通孔121の数
や大きさなどについて異なるものとした。分散板120
Aに比べると、分散板120Bは通孔121の数が多
く、分散板120Cは通孔121の数が少ないうえ各径
も小さい。この流動層炉101では、導入ガスの流量や
粉粒体の処理量などが大幅に変わっても適正な流動化が
可能なように、通孔開口比の異なる複数の分散板のうち
から、操業条件に応じ選択して分散板を使用するように
したのである。なお分散板は、この例に準じて四つ以上
配置するのも容易である。また、使用中でない分散板に
メンテナンス等を施す目的で、ケーシング170にフタ
を設けることなども有意義である。
【0035】以上、実施例を二つ紹介したが、本考案は
鉄鉱石の還元炉に限らず、石炭の乾留炉、セメントや石
灰の焼成炉など、分散板の点検・整備が必要な各種の流
動層炉において実施できる。
【0036】
【考案の効果】本考案の流動層炉によれば、1)炉につな
がる管路や支持部材に、伸縮継手や昇降架台などの特殊
な構造が不要で、2)流動層室・分散板・風箱の各間を開
くためのジャッキ等の設備負担も軽微でありながら、3)
メンテナンスのための分散板の出し入れを軽作業にて速
やかに行うことができる。またこの流動層炉は、前掲の
公報(実開平2−137698号)に記載のものが有す
る利点もすべて備えている。
【0037】とくに請求項2の流動層炉は、分散板の交
換をするのに必要な運転中断時間が極めて短くてすむ。
運転の中断といっても、粉粒体を炉内から排出するとと
もに炉内への投入を止めておくだけでよしとする(その
間に分散板を交換する)ことも可能である。したがっ
て、生産性が高いことはもちろん、炉内の熱量や化学的
エネルギーなどについてムダが少ない点でも効率的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本考案の第一実施例である流動層
炉を正面から見た縦断面図、同(b)は同(a)のb部詳細
図である。
【図2】上記流動層炉の側面図(図1(a)のII−II矢視
図)である。
【図3】上記流動層炉の平面視断面図(図1(a)のIII
−III矢視図)である。
【図4】本考案の第二実施例である流動層炉の平面視断
面図(分散板の位置で見たもの)である。
【符号の説明】
1・101 流動層炉 10 流動層室 20A・20B・120A・120B・120C 分散
板 30・130 風箱 40・140 風箱上部 50 風箱下部 60 交換手段 70・170 ケーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 辰田 聡 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 実開 平2−137698(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方の風箱と上方の流動層室との間に、
    流体の通孔を有する分散板が取り外し可能に取り付けら
    れた流動層炉であって、 風箱の下部と流動層室とをそれぞれ固定配置し、風箱の
    上部を、固定されたその下部と接続されたまま上下に変
    位可能な伸縮構造としたことを特徴とする流動層炉。
  2. 【請求項2】 上記した風箱の上部と、流動層室の下端
    部、交換用を含めた複数の分散板、およびそれら分散板
    の交換手段を、密閉式のケーシング内に配備した請求項
    1に記載の流動層炉。
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