JPH0646294U - 流動層炉 - Google Patents

流動層炉

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JPH0646294U
JPH0646294U JP5369691U JP5369691U JPH0646294U JP H0646294 U JPH0646294 U JP H0646294U JP 5369691 U JP5369691 U JP 5369691U JP 5369691 U JP5369691 U JP 5369691U JP H0646294 U JPH0646294 U JP H0646294U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉につながる管路や支持部材に特殊な構造が
不要で、ジャッキなどの設備負担が軽く、しかも、メン
テナンスのための分散板の出し入れを軽作業にて速やか
に行える流動層炉を提供する。 【構成】 分散板20Aを取り外し可能に取り付けてい
るほか、風箱30の下部50と流動層室10とをそれぞ
れ固定配置し、風箱の上部40を、固定されたその下部
50と接続されたまま上下に変位可能な伸縮構造とし
た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、粉粒体を流動化することにより各種の反応や焼成などを行う流動 層炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
容器内にいれた粉粒体を、その容器の下方から導入するガスなどの流体によっ て流動化させながら化学反応や焼成等を進行させる流動層炉は、石炭の乾留やセ メント・石灰の焼成、鉄鉱石の還元など、多様な用途に使用されている。
【0003】 流動層炉においては、導入する流体を整流するために、炉体下方の風箱(流体 導入室)と炉体上方の流動層室との間に分散板(整流器)を備えるのが普通であ る。分散板には、粉粒体の粒度や量、流体流量などに応じて、適当な径および数 (分布)の流体通孔(ノズル)が設けられている。つまり、分散板上に充填され た粉粒体は、風箱から分散板の通孔を経て流入する流体によって流動し、流動層 を形成する。
【0004】 分散板には、流動層室内の粉粒体や導入流体中のダストによって通孔の目詰ま りすることがあり、また粉粒体との接触による摩耗も生じるため、流動層炉は、 分散板の掃除や交換などが可能なように構成される必要がある。実開平2−13 7698号公報に記載の流動層炉は、そういった分散板のメンテナンスを確実か つ容易に行えるようにしたものである。すなわち、流動層室と分散板、分散板と 風箱とをそれぞれ上下に分離可能に接合するとともに、分散板の横行手段を設け ている。流動層室を上昇させるかまたは風箱を下降させ、流動層室および風箱か ら分散板を分離したうえ、それを横行手段で外へ取り出すことにより、そのメン テナンスが行える状態になる。
【0005】 なお、導入流体の流量など操業条件が大幅に変更される場合のある流動層炉に おいては、通孔の開口比などを操業条件に適合させる目的で、分散板を複数のう ちから選択して使用できるようにすることも必要である。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上記公報の流動層炉には、つぎのような課題があった。
【0007】 イ) 流動層室と風箱とのうち上記のように上下に変位する方については、それ につながった管路や支持部材(鉄骨フレームなど)に関し、特殊な構造を配備す るか、さもなくば煩雑な作業を止むなしとしなければならない。すなわち、これ ら管路や支持部材は、炉側(流動層室または風箱)の上下変位を吸収する特殊な 部材(伸縮継手や昇降架台など)がそれぞれ配備されている場合を除いて、メン テナンスのために分散板を炉から取り出す都度、フランジやボルト等による接続 部にて作業者が炉側と切り離してやらねばならない。流動層室には粉粒体の投入 管や流体の排出管が接続され、風箱にも流体の導入管などが必ず接続されている ほか、比較的大型の炉では流動層室と風箱とのそれぞれが支持部材にて支えられ ているので、このような課題は必ず発生する。
【0008】 ロ) 炉が大型になると、分散板の出し入れに際して流動層室または風箱を短時 間のうちに上下変位させることが簡単ではなくなる。流動層室や風箱のそれぞれ が、一体でかなりの重量を有するうえ、高さや形状の点で安定的とはいい難い構 造物だからである。このため、上下変位を与える手段(ジャッキなど)として大 容量のものを多数配備する必要があり、またそれらを迅速に操作することも難し いので、設備コストと作業の所要時間との両面でムダがともなうことになる。
【0009】 本考案の目的は、炉につながる管路や支持部材に特殊な構造が不要で、ジャッ キなどの設備負担も軽いものでありながら、メンテナンスのための分散板の出し 入れを軽作業にて速やかに行える流動層炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本考案の流動層炉は、分散板を取り外し可能に取り付けているほか、風箱の下 部と流動層室とをそれぞれ固定配置し、風箱の上部を、固定されたその下部と接 続されたまま上下に変位可能な伸縮構造としたものである。分散板の取り外しを 容易にするためには、前記公報に記載のような横行手段(たとえば車輪やレール などを含むもの)を分散板の外側に設けるとよい。また、取り外した分散板に代 えて炉に取り付ける交換用の分散板を、やはり横行手段とともに配備しておくの もよい。
【0011】 請求項2に記載した流動層炉は、上記の炉についてさらに、風箱の上部と、流 動層室の下端部、交換用を含めた複数の分散板、およびそれら分散板の交換手段 を、密閉式のケーシング内に配備したものである。分散板の交換手段とは、使用 ずみの分散板を取り出して交換用の分散板を置き換えるもので、たとえば、上記 のような横行手段などで構成すればよい。
【0012】
【作用】
本考案の流動層炉では、風箱の上部が伸縮構造であり、下方および上方へ変位 (昇降)することが可能である。したがって、たとえば流動層室内(つまり分散 板上)の粉粒体が排出され流体の導入が停止された状態で、風箱の上部を下方へ 変位させると同時に、その風箱上部と分散板との間および分散板と流動層室との 間を分離すれば、分散板を外へ取り出し、交換もしくはメンテナンスを行うこと ができる。
【0013】 風箱の上部が上記のように昇降可能であるのに対し、風箱の下部と流動層室と はそれぞれ固定配置、つまり不動の状態に設置されている。したがって本考案の 流動層炉には、作用的につぎの特徴がある。
【0014】 1) 炉を支えるための支持部材や、炉への粉粒体および流体の導入・排出用の 管路などを、固定配置されている風箱の下部と流動層室とに対してそれぞれ直接 に接続することができる。直接に接続するというのは、伸縮継手や昇降架台など 特殊な構造部分を含まず、溶接やボルト結合などによる最も簡便な方法で接続す ることである。分散板のメンテナンスの際、風箱の下部と流動層室を移動するこ とはないためこうした接続を解く必要はなく、作業負担が増大することはない。
【0015】 2) 風箱の全体ではなくその上部のみを変位させるため、変位をもたらすジャ ッキなどの設備を簡素化でき、その変位を速やかになすことができる。変位させ る対象を風箱の上部のみに限るなら、重量や高さ・形状の点で、変位を与えやす いからである。
【0016】 請求項2の流動層炉では、分散板の交換、つまり元の分散板を炉から取り出し て交換用の分散板を取り付けることが、極めて能率的に行える。運転中の炉の内 部は極めて高温度もしくは高活性の状態にあるので、流体が停止され分散板上の 粉粒体がなくなったのち、さらにそうした状態が鎮静化するのを待って分散板の 取り出しを行うのが本来であるが、この炉によると、その鎮静化を待たずに、場 合によっては流量の導入も停止しないで、分散板の交換が行えるのである。なぜ なら、この炉では、交換用のものを含めた複数の分散板や、流動層室の下部、風 箱の上部などが密閉式のケーシング内にあるので、分散板の交換のため風箱の上 部を下方に変位させている間も、炉の内部や分散板などが直接には外部に露出し ないからである。分散板の交換が終わった炉は、風箱の上部を上方(元の位置) へ戻したのちに運転(流体の導入が継続されておれば、粉粒体の投入のみ)を再 開すればよく、炉から取り出した分散板については、炉の運転中にケーシング内 で上記鎮静化の時間をおいたのち、必要ならケーシングから取り出すかケーシン グを開くかしてメンテナンスを施す。
【0017】
【実施例】
本考案の一実施例である流動層炉1を、図1〜図3に示す。図1(a)は炉1を 正面から見た縦断面図、同(b)は同(a)のb部詳細図、図2は図1(a)のII−II 矢視図、図3は図1(a)のIII−III矢視図である。
【0018】 この流動層炉1は、直接還元製鉄法において鉄鉱石の還元に用いられるもので ある。図1に従って説明すると、粉粒体である鉄鉱石(粉鉱)は、分散板20A 上の流動層室10内に投入管4より投入され、下方の導入管2より風箱30を経 て導入される還元ガスにより還元鉄(固体)に還元される。還元ガスは、風箱3 0から分散板20Aの通孔21を通って上昇し、上記の鉄鉱石を流動させる。ガ スは千℃前後と高温度なうえ、COやHなどの還元成分を含むため、流動させ る間に鉄鉱石を還元する能力がある。ガスが上方の排ガス管3より排出される一 方、還元ずみの鉄鉱石(還元鉄)は、排出管5(図2参照)から排出される。炉 1の本体は、全体的には鉄皮の内側に耐火物を張った、図のように縦に長い構造 物である。
【0019】 この流動層炉1は、分散板20A(および20B)のメンテナンスに関連して つぎの構成を配した点に特徴がある。すなわち、 1) 流動層室10と分散板20Aおよび風箱30を、それぞれ分離可能に接合 して炉1の本体を構成している。そうした接合面で分離することにより、分散板 20Aを炉1の外側(側方)へ取り出してメンテナンス(通孔21の掃除など) ができるようにしたのである。炉1の軸心が鉛直であるのに対し、各接合面は水 平に形成している。
【0020】 2) 上記接合面の分離をなすために、風箱上部40(風箱30の上部)をベロ ーズ形の伸縮構造にし、その上端が下方へ(また復帰時には上方へ)変位し得る ようにした。風箱上部40は、図1(b)のように、上端フランジ41とベローズ 42・下端フランジ43・耐火物44などを組み付けて筒状にしたもので、下端 フランジ43を風箱下部50のフランジ51にボルト・ナットで締結し固定して いる。ベローズ42を利用して上下端のフランジ41・43間が伸縮可能なよう に、耐火物44はベローズ42の本体からやや離して内側に設け、風箱下部50 の耐火物との間にも隙間をとっている。符号47は、この隙間にダスト等が堆積 するのを防止し、同時にベローズ42を冷却するための窒素ガスの吹き込み管で ある。
【0021】 3) 上記の風箱上部40についての伸縮のための駆動源として、下端フランジ 43にブレーキつきモータ45を取り付け、それによって回転させられるボルト 46の雄ネジ部を、上端フランジ41の雌ネジ穴にはめこんだ。モータ45でボ ルト46を回せば、固定された下端フランジ43に対し上端フランジ41を昇降 する(つまり風箱上部40を伸縮させる)ことができる。このようなモータ45 とボルト46とは、風箱上部40の周囲にガイドロッド(図示せず)とともに複 数配備して同時に駆動する。上昇させた上端フランジ41が分散板20Aを持ち 上げ、それを流動層室10の下端面に押し付けた図1(a)の状態になると、モー タ45を停止して付属のブレーキを効かせ、その状態を保持させる。つまり分散 板20Aは、ボルト・ナット等によらずに流動層室10および風箱30(風箱上 部40)と接合されるようにしている。これらの点は、いずれも、炉1からの分 散板20Aの取り出し作業を簡単にするための工夫である。なお、モータ45・ ボルト46に代えて他の形式のジャッキを使用してもよい。
【0022】 4) 図1(a)および図2のように、ガスの導入管2と排ガス管3、粉粒体の投 入管4と排出管5、さらには、炉1を支える支持フレーム19や同59を、流動 層室10または風箱下部50に接続した。分散板のメンテナンスの際、分散板2 0A(および20B)のほかには風箱上部40のみが変位し、流動層室10と風 箱下部50は(他の機会を含めてもほとんど)移動もしくは変位することがない ため、これらに対して外部配管や支持を施すのは極めて合理的(つまり簡単な接 続構造がとれ、分離・再接続の必要もない)だからである。風箱上部40には配 管や支持を設けないのがよいが、設けるとすれば、フレキシブルなホースを用い るか、または図1(b)のように吹き込み管47を接続したベローズ42の下端部 付近とする必要がある。なお、風箱上部40と分散板20Aの重量は、下端フラ ンジ43(図1(b))を介して風箱下部50とともにフレーム59にて支持され る。
【0023】 5) 風箱上部40を下降させて分散板20Aを流動層室10および風箱30か ら分離したのちの作業、つまり、その分散板20Aを炉1より取り出して代わり の分散板20Bに置き換える作業を容易にするため、下記のような交換手段60 を配備した。すなわち図2および図3のように、各分散板20A・20Bの外側 に車輪61を取り付け、それらを、梁63上のレール62に載せている。レール 62や梁63にかかる荷重は支持フレーム69(図1)で受ける。二つの分散板 20A・20Bは、図1(b)に示すようにそれぞれのブラケット64A・64B 間に通したピン65を介して連結しているので、一方の分散板20Aを図3の右 方(仮想線の位置)へ取り出したとき、交換用の他方の分散板20Bが炉1内に 運ばれる。これらの分散板20A・20Bは、レール62の両端付近に設けたウ ィンチ(図示せず)によりワイヤ(同)を介し牽引されてレール62上を移動す る。なお、図1(b)における分散板20Aのように、炉1内に運ばれて風箱上部 40により流動層室10の下端面に押し付けられた状態の分散板については、図 2のとおり車輪61がレール62から浮き上がる。逆に、風箱上部40を縮める (下降させる)ときには、流動層室10から分離したのちの分散板20Aが途中 でレール62上に載ることにより、さらに下降する風箱上部40と離れるのであ る。レール62に特別な昇降機構を設けなくてもこういった接合・分離が可能で ある点は、流動層室10の下部を伸縮構造とするのでなく風箱30の上部40を 伸縮構造にしたことによる利点である。
【0024】 6) 操業を完全には停止せずに(つまり、分散板20A上の粉粒体が排出され た状態で、還元ガスの導入は継続したまま)しかも安全に分散板20A・20B の交換が行えるよう、炉1の側部に密閉式のケーシング70を取り付けた。ケー シング70は、図1(b)のとおり、流動層室10の下端面のフランジ11に上部 を付け、風箱上部40の下端フランジ43に下部を付けたもので、横方向には、 図3のとおり二つの分散板20A・20Bの移動範囲を囲むよう、梁63に沿っ て(図1(b)参照)形成した。したがってこのケーシング70の内側には、風箱 上部40のほか、流動層室10の下端面、分散板20A・20B、およびそれら の交換手段60を収めたことになる。ただし、分散板20A・20Bを駆動する 前記のウィンチは、ケーシング70の外にシール機構を介して配置している。な お、このケーシング70には、分散板20A・20Bのメンテナンス時に開放さ れるフタ71(図1(a)(b))を設けたほか、パージ用窒素ガスの吹き込み管7 2(図1(b))を接続した。
【0025】 さて、以上のように構成したこの流動層炉1において、運転中、分散板20A に鉄鉱石が溶着したり、その通孔21に導入ガス中のダストが付着・溶着したり すると、その分散板20Aは、他の分散板20Bに交換するとともに掃除・補修 などの整備(メンテナンス)を施すことになるが、その手順は下記のとおりであ る。
【0026】 密閉したケーシング70内に管72から窒素ガスを吹き込むことにより内 部の空気をパージし、窒素ガスが充満してケーシング70内が風箱30と均圧状 態になるようにする。
【0027】 分散板20A上の鉄鉱石のほぼ全量が排出された段階で、風箱上部40を 縮め、風箱上部40・分散板20A・流動層室10の各間の接合面を分離する。 ケーシング70は密閉状態にあるうえ内部の空気が窒素ガスで置換されているこ とから、炉1内に赤熱状態の鉄鉱石が残存していても、また高温度のCOやH2 の含有ガスが導入されても、何ら問題はない。すなわちこのの操作は、分散板 20Aを含む炉1の内部が冷却されるのを待たずに、また還元ガスの導入を止め ずに行うことができる。
【0028】 上記によって分散板20Aの車輪61もレール62上に載ることになる ので、交換手段60によって分散板20A・20Bを移動し、整備の必要な分散 板20Aに代えて整備ずみの分散板20Bを炉1の軸心上に運ぶ。
【0029】 風箱上部40を伸ばし、図1(b)と同じように流動層室10との間に挟み 付けるかたちで、流動層室10・風箱上部40間に分散板20Bを接合する。
【0030】 そののち、ケーシング70の内側では炉1より取り出された分散板20A の温度が下がるのを待つが、それと並行して、炉1では、鉄鉱石原料を再投入し て運転を開始する。つまり炉1の運転は、上記からまでの極めて短い中断の のちに再開できることになる。なお、管72からケーシング70内に吹き入れる ガスは、徐々に空気に変えていけばよいが、分散板20Aの温度が高いうちは窒 素ガスの方が好ましい。
【0031】 分散板20Aの温度がケーシング70内で十分に低下し、ケーシング70 内のガスも空気に置換された後に、フタ71を開き、通孔21の掃除など、分散 板20Aに相応の整備を行う。必要なら、分散板20Aをさらに別の分散板に交 換する。なお、こういった整備の間にも炉1の運転を継続できることはもちろん である。
【0032】 図4は、本考案の別の実施例を示す図で、流動層炉101を分散板の高さでみ た水平断面図(つまり図3に対応する図面)である。この炉101は、前記実施 例の流動層炉1と同様に風箱130の上部140(破線で示す)が上下に変位す るが、下記の点につき独特の構成をもつ。
【0033】 a) 風箱上部140と流動層室の下部(図示せず)とをつなぐケーシング17 0のうちに、三つの分散板120A・120B・120Cを移動可能に設けてい る。ケーシング170は図のように円筒形(上下も密閉)に形成し、分散板交換 手段としてのレール162は、そのケーシング170の内部に同心円状に敷設・ 固定した。分散板120A・120B・120Cは、ブラケット164および連 結ピン165を介し互いに連結された状態で、車輪161によりそのレール16 2上を(風箱130と中心軸の重なる位置を含む経路で)移動する。
【0034】 b) 三つの分散板120A・120B・120Cは、それぞれ同じものではな く、通孔121の数や大きさなどについて異なるものとした。分散板120Aに 比べると、分散板120Bは通孔121の数が多く、分散板120Cは通孔12 1の数が少ないうえ各径も小さい。この流動層炉101では、導入ガスの流量や 粉粒体の処理量などが大幅に変わっても適正な流動化が可能なように、通孔開口 比の異なる複数の分散板のうちから、操業条件に応じ選択して分散板を使用する ようにしたのである。なお分散板は、この例に準じて四つ以上配置するのも容易 である。また、使用中でない分散板にメンテナンス等を施す目的で、ケーシング 170にフタを設けることなども有意義である。
【0035】 以上、実施例を二つ紹介したが、本考案は鉄鉱石の還元炉に限らず、石炭の乾 留炉、セメントや石灰の焼成炉など、分散板の点検・整備が必要な各種の流動層 炉において実施できる。
【0036】
【考案の効果】
本考案の流動層炉によれば、1)炉につながる管路や支持部材に、伸縮継手や昇 降架台などの特殊な構造が不要で、2)流動層室・分散板・風箱の各間を開くため のジャッキ等の設備負担も軽微でありながら、3)メンテナンスのための分散板の 出し入れを軽作業にて速やかに行うことができる。またこの流動層炉は、前掲の 公報(実開平2−137698号)に記載のものが有する利点もすべて備えてい る。
【0037】 とくに請求項2の流動層炉は、分散板の交換をするのに必要な運転中断時間が 極めて短くてすむ。運転の中断といっても、粉粒体を炉内から排出するとともに 炉内への投入を止めておくだけでよしとする(その間に分散板を交換する)こと も可能である。したがって、生産性が高いことはもちろん、炉内の熱量や化学的 エネルギーなどについてムダが少ない点でも効率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本考案の第一実施例である流動層
炉を正面から見た縦断面図、同(b)は同(a)のb部詳細
図である。
【図2】上記流動層炉の側面図(図1(a)のII−II矢視
図)である。
【図3】上記流動層炉の平面視断面図(図1(a)のIII
−III矢視図)である。
【図4】本考案の第二実施例である流動層炉の平面視断
面図(分散板の位置で見たもの)である。
【符号の説明】
1・101 流動層炉 10 流動層室 20A・20B・120A・120B・120C 分散
板 30・130 風箱 40・140 風箱上部 50 風箱下部 60 交換手段 70・170 ケーシング
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
フロントページの続き (72)考案者 岸本 充晴 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)考案者 辰田 聡 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下方の風箱と上方の流動層室との間に、
    流体の通孔を有する分散板が取り外し可能に取り付けら
    れた流動層炉であって、 風箱の下部と流動層室とをそれぞれ固定配置し、風箱の
    上部を、固定されたその下部と接続されたまま上下に変
    位可能な伸縮構造としたことを特徴とする流動層炉。
  2. 【請求項2】 上記した風箱の上部と、流動層室の下端
    部、交換用を含めた複数の分散板、およびそれら分散板
    の交換手段を、密閉式のケーシング内に配備した請求項
    1に記載の流動層炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511259A (ja) * 2008-02-08 2011-04-07 フォスター ホイーラー エナージア オサケ ユキチュア 酸素燃焼流動床反応器及びこのような反応器の作動方法

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