JP2509089Y2 - 圧電スピ―カ - Google Patents

圧電スピ―カ

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JP2509089Y2
JP2509089Y2 JP1989130439U JP13043989U JP2509089Y2 JP 2509089 Y2 JP2509089 Y2 JP 2509089Y2 JP 1989130439 U JP1989130439 U JP 1989130439U JP 13043989 U JP13043989 U JP 13043989U JP 2509089 Y2 JP2509089 Y2 JP 2509089Y2
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piezoelectric
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稔 高橋
秀敏 志村
正 北村
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Nippon Chemi Con Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、圧電変換素子を用いて簡易に音響発生を
実現した圧電スピーカに関する。
〔従来の技術〕
従来、ボール紙や薄い合成樹脂板を用いて形成された
外装ケースに圧電変換素子を設置した音響発生装置とし
て圧電スピーカが知られている。この圧電スピーカで
は、外装ケース内に音響発生回路が収容され、その音響
発生回路にはメロディやメッセージを記録したメモリを
備えた集積回路が設置されている。そこで、この圧電ス
ピーカでは、外装ケースの蓋を開けると、音響発生回路
が動作を開始し、メロディやメッセージが圧電変換素子
を通じて再生されるのである。このような圧電スピーカ
では、圧電スピーカの偏平な形状を活かし、外装ケース
を偏平化してカード化することができるので、音声電報
やグリーティングカード等、利用価値の高い製品として
注目されている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、この圧電スピーカは、その外装ケースが紙
等で形成され、その内部に設置される圧電変換素子の支
持体も紙や合成樹脂等であるため、材質的な限界に加
え、圧電変換素子の空間容量が極めて小さく、外装ケー
ス自体に十分なホーン効果が期待できないのである。こ
のため、この圧電スピーカが音声電報やグリーティング
カードとして利用された場合、メッセージの伝達だけの
目的は十分であるにしても、音質的には未だ改善の余地
がある。
そこで、この考案は、材質的、空間的、形状的な限界
を踏まえながら、音質改善を図った圧電スピーカの提供
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この考案の圧電スピーカは、第1図に例示するよう
に、偏平な直方体を成す外装ケース(4)に圧電変換素
子(2)を設置してなる圧電スピーカにおいて、前記外
装ケースに、一方向に空洞が形成された支持板(6)を
設置し、この支持板上の一つの縁部近傍に第1の凹部
(透孔61)を設けて前記圧電変換素子を設置するととも
に、前記第1の凹部から離間した位置に第2の凹部(透
孔62)を設けて前記圧電スピーカの音響発生回路を設置
し、前記圧電変換素子が発した音波により前記支持板の
側壁部分で生じた対向方向の各反射波に対して位相的な
ずれを生じさせる位置に溝部(63)を前記第2のの凹部
の縁部から突出させて形成し、前記溝部によって各反射
波を相殺させることにより不要振動を吸収させたことを
特徴とする。
〔作用〕
以上の構成とすれば、第1の凹部を通して外装ケース
の内部を伝播する音波は、外装ケースの壁面側で反射
し、再び外装ケースの内部に伝播する。対向する壁面で
の音波は、相互に干渉し合って外装ケースの内部に定在
波を生じさせることになる。このような振動現象は、極
度な共振状態を呈することになり、これが音質を低下さ
せる原因になる。
そこで、この考案では、このような反射波の相互干渉
作用の発生を抑えるため、外装ケースの内部に設置され
ている支持体の一部に不要振動を吸収する負荷ともいう
べき溝部を支持板の非等分位置に形成したのである。こ
の負荷は、溝の形状と、その内部にある空気によって生
じ、壁面側からの反射波は、距離の異なる位置にある溝
部にて位相関係が異なって作用するため、両者の位相関
係から互いに消去ないし減衰状態になって両者の振動の
連続性が絶たれることになる。この結果、音圧レベルに
は局所的にレベル低下が生じるが、その部分の共振振動
が圧電スピーカに作用することがなく、音質の低下が防
止されるのである。
そして、この溝部は外気に解放されているので、この
部分から音響発生を生じることにもなるが、支持体上を
伝播する振動形態及び溝部からの放射と、圧電変換素子
から外気に作用する振動形態とは明らかに異なり、溝部
を通じての音響発生は、音源たる圧電変換素子に比較し
て音圧的に極めて少なく、問題にならない。
〔実施例〕
以下、この考案を図面に示した実施例を参照して詳細
に説明する。
第1図は、この考案の圧電スピーカの一実施例を示
す。
音源としての圧電変換素子2を収容する外装ケース4
は、ボール紙等で偏平な直方体に形成されている。この
外装ケース4には、長方形を成す背面板41が設けられ、
各辺に側壁板42、43、44、45が一体に形成され、その中
の3つの側壁板43、44、45には外装ケース4の上面縁部
を覆う舌辺46、47、48が形成され、また、その中の一つ
の側壁板42には、背面板41に対向して外装ケース4の前
面を覆う蓋板49が形成されている。したがって、外装ケ
ース4の内部には、圧電変換素子2を設置するための偏
平な直方体状の空間部が形成される。
この外装ケース4には、内部空間に対応する形状を成
す支持枠として例えば、プラスチック段ボール等の一方
向に空洞が形成された支持板6が収納され、実施例で
は、支持板6は積層された空洞板6A、6Bで構成されてい
る。支持板6を成す各空洞板6A、6Bは、第2図に示すよ
うに、2枚のライナー601、602の間に一定の間隔で垂直
に中芯603を固定したものである。したがって、各空洞
板6A、6Bには、外装ケース4の長手方向に角筒状を成す
連続した空洞604が形成されている。
そして、この支持板6には、蓋板49が形成された側壁
板42によって形成される縁部の近傍に圧電変換素子2を
設置する第1の凹部として円形を成す透孔61が形成され
ているとともに、側壁板43、45によって形成される角部
近傍に音響発生回路や電池等を設置すべき第2の凹部と
して長方形状の透孔62が形成されている。各透孔61、62
は、背面板41によって下面側が閉塞されるので、外装ケ
ース4内ではそれぞれ第1及び第2の凹部として形成さ
れる。また、透孔61に最も近い透孔62の角部には、透孔
61に向かい、かつ、側壁板44、45に平行する細い溝部63
が形成されている。即ち、溝部63は、第3図に示すよう
に、外装ケース4における支持板6の縁部から距離l1
l2(l1>l2)の非等分位置に形成され、この実施例で
は、透孔62の一辺を延長する形で形成されている。
また、透孔61は、第4図に示すように、圧電変換素子
2の振動板20の外径と等しい径大部611とともにそれよ
り小さい径小部612を段部613を設けて形成したものであ
る。段部613には圧電変換素子2の振動板20が接着剤等
を用いて強固に固定され、径小部612は振動板20と背面
板41とで閉じ込められた背面空間8を成している。この
場合、透孔61の径大部611は圧電変換素子2の振動板20
より僅かに小さく形成すれば、空洞板6A、6Bの間に挟み
込んで圧電変換素子2を固定でき、その背面側に同様に
背面空間8を形成することができる。
そして、圧電変換素子2は、第1の電極を兼ねる金属
板からなる振動板20の表裏面側に圧電素子21、22を張り
付け、その上面に第2及び第3の電極24、25が形成され
ている。したがって、この実施例の圧電変換素子2は、
バイモルフ型圧電変換素子を構成している。26、27、28
は、リードを示す。
以上の構成とすれば、圧電変換素子2は音響発生回路
の出力によって駆動され、例えば、蓋板49を背面側41に
対してV字状に開くことによって形成される空間部がホ
ーンとして機能し、その前面側の外気に放射される。
その場合、圧電変換素子2の背面側の振動は、その背
面空間8の空気を振動させるとともに、支持板6の空洞
6040通して伝播される。支持板6は側壁板42、43、44、
45で包囲されているが、側壁板44、45側に伝播した音波
S1、S2は、側壁板44、45側で反射し、圧電変換素子2側
に戻る。ここで、側壁板44側の反射波をS1′、側壁板45
側の反射波をS2′とすると、各反射波S1′、S2′は、溝
部63が存在していない場合、支持板6の内部で相互に干
渉し合って外装ケース4の内部に定在波を生じさせ、こ
のような振動現象は、極度な共振状態を呈することにな
り、圧電変換素子2に帰還されて不要振動を生じさせ、
これが音質を低下させる原因になる。
ところが、支持板6に不要振動を吸収する負荷ともい
うべき溝部63が支持板6の非等分位置(l1≠l2)に形成
されているので、圧電変換素子2から出た音波S1、S2
側壁板44、45に同時に到達したとしても、その反射波
S1′、S2′が溝部63に到達する時間は、距離l1、l2に依
存する。この場合、距離l1>l2であるから、溝部63への
到達時間が異なっているので、溝部63を中心に反射波
S1′、S2′を見ると、溝部63に到達した各反射波S1′、
S2′は位相的なずれを生じ、この結果、両反射波S1′、
S2′で位相関係の不一致ないし逆位相から互いに消去な
いし減衰作用を呈する。この結果、両反射波S1′、S2
の干渉作用ないし重畳作用が遮断されるとともに、両反
射波S1′、S2′の振動の連続性が絶たれ、従来のような
両反射波S1′、S2′の圧電変換素子2への作用が抑制さ
れ、音質の低下が防止されることになる。
そして、この溝部63は外気に解放されているので、こ
の部分から音響発生を生じることにもなるが、反射波
S1′、S2′の相殺作用から、溝部63を通じての音響発生
は、音源たる圧電変換素子2に比較して極めて少ないの
で、問題にならない。
なお、実施例では、溝部63の位置を透孔62の縁部を延
長する形で形成したが、第3図に破線64で示す中間部分
に形成してもよい。
〔実験結果〕
第5図、第8図、第9図、第10図、第11図及び第12図
は、溝部63を形成した圧電スピーカの周波数−音圧レベ
ル特性、第6図、第7図及び第13図は溝部63を形成して
いない圧電スピーカにおける周波数−音圧レベル特性を
示す。
また、溝部63を形成した圧電スピーカでは、溝部63の
ために音圧レベルに共振点が得られ、レベル低下が生じ
ているが、低域から中域の音圧レベルは溝部63を形成し
ていない圧電スピーカに比較して音圧レベルの上昇が見
られ、音質の向上が図られていることがわかる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案によれば、外装ケース
に設置した支持板の非等分位置に溝部を形成したので、
支持板側に伝播する音波の圧電変換素子への影響を除く
ことができ、低域から中域への音圧レベルが増強され、
音質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の圧電スピーカの一実施例を示す斜視
図、 第2図は第1図に示した圧電スピーカの分解斜視図、 第3図は第1図に示した圧電スピーカに用いる支持板を
示す平面図、 第4図は第1図におけるIV−IV線断面図、 第5図ないし第13図はこの考案の圧電スピーカ及び比較
例としての圧電スピーカの音圧レベル−周波数特性を示
す図である。 2……圧電変換素子 4……外装ケース 6……支持板 61……透孔(第1の凹部) 62……透孔(第2の凹部) 63……溝部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏平な直方体を成す外装ケースに圧電変換
    素子を設置してなる圧電スピーカにおいて、 前記外装ケースに、一方向に空洞が形成された支持板を
    設置し、この支持板上の一つの縁部近傍に第1の凹部を
    設けて前記圧電変換素子を設置するとともに、前記第1
    の凹部から離間した位置に第2の凹部を設けて前記圧電
    スピーカの音響発生回路を設置し、 前記圧電変換素子が発した音波により前記支持板の側壁
    部分で生じた対向方向の各反射波に対して位相的なずれ
    を生じさせる位置に溝部を前記第2の凹部の縁部から突
    出させて形成し、前記溝部によって各反射波を相殺させ
    ることにより不要振動を吸収させたことを特徴とする圧
    電スピーカ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60127098U (ja) * 1984-02-06 1985-08-27 三菱電機株式会社 圧電形スピ−カ装置
JPS63172669U (ja) * 1987-05-01 1988-11-09

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