JP2508720Y2 - 床暖房用パネルにおける面状発熱体の電極構造 - Google Patents

床暖房用パネルにおける面状発熱体の電極構造

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JP2508720Y2
JP2508720Y2 JP1989122870U JP12287089U JP2508720Y2 JP 2508720 Y2 JP2508720 Y2 JP 2508720Y2 JP 1989122870 U JP1989122870 U JP 1989122870U JP 12287089 U JP12287089 U JP 12287089U JP 2508720 Y2 JP2508720 Y2 JP 2508720Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、面状発熱体を内蔵してなり、床暖房に用い
られるパネルに関し、特に前記パネルに内蔵された面状
発熱体の電極構造の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
通常、床暖房用パネルPは、例えば第8図に示す如
く、合板等からなる基板aの上に合成樹脂絶縁層b、c
で挟持した面状発熱体dを積層し、該発熱体d上に化粧
材eを積層して構成されている。又、発熱体d上には、
化粧材eとの間に均熱板fとして金属板等が組み込まれ
ることもある。
この床暖房用パネルPは、床を構成する根太gの上に
配設されて床面からの暖房を可能とし、又、パネルPの
下面には、必要に応じて発泡合成樹脂等の断熱材hが設
けられたりする。
そして、前記面状発熱体dとしては、例えばパネル平
面の長手方向両側に配置した銅箔製帯状電極間に、導電
性カーボンを配合してなる合成樹脂ペーストを印刷して
発熱体層を形成し、両帯状電極間に電圧を印加すること
により前記発熱体層を発熱させてなるものがある。この
ような面状発熱体における電極構造は、例えば第9図に
示す如く、基板aとしての合板に接続孔jを設け、該接
続孔j内に電極ピン取付孔kを有する接続金具lを接着
材等にて固着し、該接続金具lの上に帯状電極mを重ね
て前記取付孔k部分に電極ピンnを打ち込んで帯状電極
mを接続金具lと電極ピンnとの間に挟み込み、しかる
後、帯状電極mの上から発熱体qを塗布等にて形成する
一方、パネルPの裏面においては、電源からのリード線
rを電極ピンnの下面へネジo等にて接続して構成され
る。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところが、前記のような電極構造の場合、接続金具l
と基板aとの間は、通常、接着剤を介してのみ取付けら
れており、基板として合板等を用いた場合には、合板中
の水分により該接続金具lにおける絶縁が破壊され、こ
の部分で漏電するおそれがある。又、帯状電極mは、接
続金具lと電極ピンnとの間に挟み込んでいるだけなの
で両者の密着性がわるく、異常発熱の原因になることも
ある。更には、前記電極ピンn上面と帯状電極m表面と
の間に段差があると帯状電極m上に形成される発熱体q
が前記接続部分で不均一層となり、この部分で発熱体q
が断線し易くなる。そのうえ、基板aとして合板等を用
いた場合には、合板の膨張、収縮等の変形により接続金
具lや電極ピンnが基板aから脱落してしまう、といっ
た多くの問題点を有していた。
本考案は上記の問題点に鑑み、床暖房用パネルにおけ
る面状発熱体の電極構造を改良することにより、電極部
分の絶縁を完全として基板としての合板に含まれる水分
等の影響により絶縁が破壊されて漏電したりすることが
なく、又、電極ピンと帯状電極との接続を確実にして該
接続部における異常発熱を防止しうるとともに、電極ピ
ン部分における発熱体が不均一層となって断線の原因に
なることもなく、更には、電極ピンを基板へ確実に固着
することにより、基板の膨張、収縮等の変形により、又
は電極ピンへのリード線接続作業の際に電極ピンが基板
から脱落したりすることのない床暖房用パネルにおける
面状発熱体の電極構造を提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る床暖房用パネルにおける面状発熱体の電
極構造は上記の目的を達成するために、基板の接続孔内
に設けられ、基板表面側に形成された開口凹所の底面か
ら基板裏面側へ貫通孔が形成された強化プラスチック材
からなる絶縁部と;前記絶縁部の開口凹所内面を含む基
板表面に貼着してなる帯状電極と;前記絶縁部の貫通孔
に嵌挿しうる大きさで下面にリード線接続部を有する軸
部と、絶縁部の開口凹所内に没する大きさの頭部とから
なる電極ピンと;よりなり、電極ピンを、その軸部を絶
縁部の貫通孔内に嵌入し、頭部下面と開口凹所底面との
間に帯状電極を挟持した状態で絶縁部内に埋設し、前記
開口凹所内へ充填した半田にて該開口凹所を完全に被覆
するとともに電極ピンと帯状電極とを接続固定し、基板
裏面側から前記電極ピンのリード線接続部へ電源からの
リード線を接続して構成してなる。
〔作用〕
本考案に係る床暖房用パネルにおける面状発熱体の電
極は上記の如く構成してなり、電極ピンは、その頭部と
軸部との全てが、強化プラスチック材からなり防水性、
絶縁性に優れた絶縁部内に埋設されているいるので、基
板としての合板中に含まれる水分の影響により該電極ピ
ン部分で絶縁が破壊されることがない。又、電極ピンと
帯状電極とは、電極ピン頭部下面と絶縁部の開口凹所底
面との間で帯状電極を挟持するとともに、両者を半田付
けにて強固に固着してなるから、電極ピンと帯状電極と
の密着が悪くなって接続部分で異常発熱したりすること
がない。しかも、前記接続部の開口凹所を半田にて完全
に被覆してその表面を帯状電極と同一平面としてなるの
で、その上に形成される発熱体が不均一層となって断線
の原因となることもない。更に、前記電極ピンは、強化
プラスチックにて作成された極めて強固な絶縁部内に埋
設してなるので、電極ピンへのリード線接続作業時や、
基板の膨張、収縮等の変形により電極ピンが基板から脱
落することもない。
〔実施例〕
以下、図面に示した実施例に基づき本考案を更に詳細
に説明する。
床暖房用パネル1は、例えば1尺×6尺程度の大きさ
に形成され、これが3枚一組として図例の如く大引2上
に固定された根太3上に配設され、各パネル1間は該パ
ネル1側縁にさね加工4を施して凹凸嵌合により互いに
接合されている。
前記パネル1は内部に面状発熱体層5を内蔵するとと
もに、床暖房時の過熱による危険を防止すべくサーモス
タット6が設置されている。図例のものはパネル1裏面
の長手方向に3箇所、3枚一組で合計9箇所のサーモス
タット6が直列に連結され、3枚のパネル1のいづれか
の場所でパネル1表面に遮蔽物が置かれて過熱したりし
た場合には3枚のパネル1の全てに対する通電が停止さ
れるようになっている。このように面状発熱体層5がパ
ネル1内に一体化された構造のため、故障発生のおそれ
が極めて小さい。
前記面状発熱体層5は、パネル1平面の長手方向両側
に対向配置された1対の帯状電極7と、該帯状電極7を
被覆するとともに帯状電極7の略全長にわたって前記電
極の長さ方向と直交する方向、即ちパネル1の幅方向で
両帯状電極7間に多数の平行線状の発熱線8aを形成して
なる発熱体8からなり、本考案においては、この面状発
熱体層5の電極構造として、基板11の接続孔15内に設け
られ、基板11表面側に形成された開口凹所17aの底面か
ら基板裏面側に貫通孔17bが形成された強化プラスチッ
ク材からなる絶縁部16と、前記絶縁部16の開口凹所17a
内面を含む基板11表面に貼着してなる帯状電極7と、前
記絶縁部16の貫通孔17bに嵌挿しうる大きさで下面にリ
ード線接続部として螺孔18cを設けた軸部18bと、絶縁部
16の開口凹所17a内に没する大きさの頭部18aとからなる
電極ピン18と、から構成し、電極ピン18を、その軸部18
bを絶縁部16の貫通孔17b内に嵌入し、その頭部18a下面
と開口凹所17a底面との間に帯状電極7を挟持した状態
で絶縁部16内に埋設し、前記開口凹所17a内へ充填した
半田25にて該開口凹所17aを完全に被覆するとともに電
極ピン18と帯状電極7とを接続固定し、前記電極ピン18
の軸部18bへ基板11の裏面側から電源からのリード線10
を接続してなり、コントローラを介して両帯状電極7間
に電圧を印加することにより前記発熱体8が発熱して、
パネル1による床暖房を可能とするものである。尚、パ
ネル1の下面には必要に応じて断熱材等を配設すること
もある。
前記パネル1の全体構成は、合板等からなる基板11
と、該基板11上に形成されガラスクロス又はガラスペー
パー等の芯材を含んだ熱硬化性合成樹脂からなる絶縁保
護層(A)と、前記絶縁保護層(A)上に積層された面
状発熱体層5と、該面状発熱体層5を被覆して前記絶縁
保護層(A)上に形成された絶縁保護層(B)と、前記
絶縁保護層(B)上に積層された化粧材12と、よりな
り、実施例においては、絶縁保護層(B)と化粧材12と
の間に表面保護強化材13が配設されている。
前記基板11はラワン材等の単板11aを複数積層してな
る合板等から構成される。このように、基板11を木材
(合板)にて構成することにより、熱効率のよい床暖房
用パネルとすることができる。そして実施例において
は、合板表面における単板11aの木目がパネル1の幅方
向に沿うように構成した、所謂逆貼合板を用いている。
このように基板11表面の木目をパネル1の幅方向と同方
向とすることにより、面状発熱体層5における両帯状電
極7を木目に対して直交する方向に配置するとともに両
帯状電極7間の木目に沿って発熱線8aを形成して両帯状
電極7間の発熱線8aの断線を防止してなるのである。
前記基板11の上に形成される絶縁保護層(A)は、ガ
ラスクロス又はガラスペーパー等の芯材を含む熱硬化性
合成樹脂にて構成されており、この熱硬化性合成樹脂と
しては、不飽和ポリエステル樹脂の他、エポキシ樹脂、
アルキッド樹脂、シリコン樹脂等が使用でき、これらの
合成樹脂に充填剤として炭酸カルシウム又は水酸化アル
ミニウム等を配合してなるものである。前記ガラスクロ
ス又はガラスペーパー等の芯材とは、これらクロス状又
はペーパー状物の他、ガラス繊維からなる織布、不織布
等で、絶縁保護層(A)内にあって芯材としてその強度
及び寸法安定性を付与するものを含むものである。この
絶縁保護層(A)を熱可塑性合成樹脂にて形成すると、
面状発熱体層5の発熱により該絶縁保護層(A)を構成
する合成樹脂が軟化して移動するおそれがあるため好ま
しくない。そしてこの熱硬化性合成樹脂は常温乃至70〜
80℃程度で硬化する合成樹脂を用いることにより、合成
樹脂硬化時の過熱により基板11としての合板が過度に乾
燥して基板11にソリやネジレが発生することを防止しう
る。そしてこの絶縁保護層(A)を前記の如く充填剤を
配合し且つガラスペーパー、ガラスクロス等の芯材を含
む熱硬化性合成樹脂層にて構成することにより、該絶縁
保護層(A)にピンホール等が発生することを防止して
絶縁性、防水性を向上させ、且つ、合成樹脂成分及び充
填剤成分により多孔質な合板表面の目止めを行い、暖房
時に基板11が加熱されて合板が含有する水分がその上部
に位置する面状発熱体層5へ移行して面状発熱体層5が
絶縁不良を起こすことを防止する。そのうえ、絶縁保護
層(A)はクロス状又はペーパー状等の面状に構成され
たガラス繊維により強化されているから、寸法安定性に
優れ、且つ強度も大きいことから、基材11の膨張、収縮
等の変形により面状発熱体層5が破壊されることを防止
するとともに、基板11自体の補強材をも兼ねる。更に
は、この絶縁保護層(A)は、厚みが均一で、且つ下面
に位置する基板11表面の凹凸により影響されることな
く、その表面を平滑に形成することができ、該絶縁保護
層(A)上に形成される発熱体8の厚みを均一として発
熱ムラの発生を防止しうる。又、充填剤として水酸化ア
ルミニウムを用いた場合には、火災に対する自己消火機
能をも付与しうる。
そして、前記絶縁保護層(A)の上面にはパネル1両
側の長さ方向に沿って基板11表面の木目と直交する方向
に銅箔製帯状電極7が配設されている。前記両帯状電極
7の長手方向端部寄りの位置には、リード線10を介して
電源に接続する電極ピン18が埋設されている。該電極ピ
ン18は、基板11に形成された接続孔15内に強化プラスチ
ック、例えばガラスファイバー粉を含むポリエステル樹
脂を充填して形成された絶縁部16内に埋設され、この電
極ピン18下面へ基板11の裏面側でリード線10の丸端子10
aをネジ19にて固定してなるものである。前記絶縁部16
は、基板11表面側に開口凹所17aを形成するとともに、
該開口凹所17aの底面中央に基板11裏面へ連通する貫通
孔17bを形成してなる。そして前記絶縁部16内に埋設さ
れる電極ピン18は、前記開口凹所17a内に埋没しうる大
きさの頭部18aと前記貫通孔17b内へ嵌入しうる軸部18b
からなり、該軸部18b下面にはネジ19を螺着するための
螺孔18cを有し、前記軸部18bを貫通孔17b内へ嵌挿する
とともに頭部18a下面と開口凹所17a底面との間に帯状電
極7を挟持した状態で絶縁部16内に埋設し、頭部18aを
半田25付けにて帯状電極7へ溶接固定してなる。そし
て、基板11裏面側で電極ピン18の螺孔18cへネジ19にて
リード線10の丸端子10aが接続されている。このよう
に、電極ピン18をガラスファイバー粉を用いて強化プラ
スチック材にて作成された絶縁部16内に埋設し、且つ電
極ピン18の頭部18aを帯状電極7へ半田付けしたことに
より、リード線10の連結作業時に電極ピン18が基板11か
ら脱落したりすることを防止し、且つ、電極ピン18の絶
縁を確実になす。又、帯状電極7と電極ピン18の密着が
わるいと、この部分で異常発熱するおそれがあるが、前
記の如く電極ピン18と帯状電極7とを半田付けにて密着
接続することにより該接続部における異常発熱を防止し
てなる。
前記両帯状電極7間の絶縁保護層(A)上面には、例
えば導電性カーボンを含有してなるペースト状の合成樹
脂発熱体材料を用いて発熱体8が塗布、印刷等の適宜手
段により形成されて面状発熱体層5が構成される。前記
発熱体8は両帯状電極7を含む絶縁保護層(A)上面の
全面に形成しても良いし、図例の如く両帯状電極7間に
多数の平行線状発熱線8aを配線してもよい。この場合、
前記の如く基板11表面の木目方向が帯状電極7の長手方
向と直交するパネル1の幅方向になるように構成するこ
とで、仮に基板11表面の木目により絶縁保護層(A)表
面に凹凸ができた場合でも、前記発熱体8は両帯状電極
7間で基板11の木目に沿って断線のおそれなく形成する
ことができる。
前記の如く構成された面状発熱体層5の上部には、前
記絶縁保護層(A)との間で面状発熱体層5を挟持し、
パネル1表面に水がこぼれた場合や、化粧材12及び補強
材13が含有する水分が面状発熱体層5へ移行することを
防止してその絶縁性を確保するとともに、面状発熱体層
5を保護、補強して基板11の変形等による破壊を防止し
てなる絶縁保護層(B)が形成される。この絶縁保護層
(B)は前記絶縁保護層(A)と同様にガラスペーパー
又はガラスクロス等の芯材を含むウレタン変性ポリエス
テル等の合成樹脂にて構成されるものであり、この場合
にも樹脂硬化時に基板11としての合板が過熱されて変形
することを防止するために、その硬化温度は室温乃至70
〜80℃程度で硬化しうるものを用いることが好ましい。
更に前記絶縁保護層(B)の上面には、表面保護強化
材13が積層される。この表面保護強化材13は、前記面状
発熱体層5を保護するとともに、均熱板の作用も兼ねる
ものであり、合板、又は金属板等が用いられる。図示し
た実施例においては、この表面保護強化材13として、合
板の表面層をサンディングすることにより、その下層に
位置する単板表面を露出させ、この露出面13aを下にし
て前記絶縁保護層(B)上へ積層することにより、両帯
状電極7間に形成される発熱線8a形成方向と積層面13a
の木目の方向とを一致させて木目の凹凸による発熱線8a
の断線を防止してなるものである。
そして、前記表面保護強化材13の上面には化粧材12が
積層される。これは銘木等の突板、樹脂化粧板、その
他、クッションフロア材等、各種のフロア材を採用しう
る。例えば、この化粧材としては、台紙上に、その表面
側で貼着された突板の短冊状定乱尺板を、台紙に貼着し
たままの状態で台紙への貼着面を上にして前記保護強化
材13上に積層、接着した後、表面の台紙をサンディング
等により除去し、その表面をワイピング、更にはウレタ
ン樹脂塗料等にて仕上げを行うものである。
床暖房用パネル1の全体構成は上記のとおりであり、
次ぎにこの床暖房用パネル1の具体的製造工程を第7図
を参照しながら手順に従って説明する。
先ず始めに、基板11としての合板(厚さ10.5t)の所
定位置に略20mmφの電極取付用接続孔15を形成する(第
7図(イ))。
次ぎに、前記接続孔15の裏面側開口を接着テープ21等
にて閉止した後、表面側開口部分から接続孔15内へ強化
プラスチック材料22(ガラスファイバー粉を20%混合し
たポリエステル樹脂(ポリマール6339:武田薬品工業株
式会社商品名))を充填する(同(ロ))。
しかる後、基板11の表面にポリエステル樹脂A′(前
記ポリマール6339へ炭酸カルシウムを1:1の割合で配合
してなるもの)を500g/m2程度で塗布し(同(ハ))、
該ポリエステル樹脂層A′の上から基板11全面を被覆す
るガラスペーパーA″を積層するとともに、前記接続孔
15を含む所定位置にパネル1の長手方向に沿って銅箔製
帯状電極7を積層し(同(ニ))、該帯状電極7の上か
ら前記強化プラスチック材料22を充填してなる接続孔15
部分に、該接続孔15より小さい、四フッ化エチレン樹脂
製の凹所成形用当板23を当ててプレスすることにより、
強化プラスチック材22表面に凹所17aを形成して6kg/c
m2、130℃、2分間で熱圧成形してポリエステル樹脂層
A′とガラスペーパーA″とを一体化して基板11表面に
絶縁保護層(A)を形成すると同時に銅箔帯状電極7を
絶縁保護層(A)表面へ一体に接着し、且つ接続孔15内
の強化プラスチック材料22を硬化させる。このように、
絶縁保護層(A)を熱圧成形することで絶縁保護層
(A)の形成と同時に帯状電極7を絶縁保護層(A)表
面との間に段差なく同一平面として接着し、その上に形
成される発熱体8が帯状電極7との境部にて不均一層と
なって断線することを防止する。又、前記工程により開
口凹所17aの内面に基板11表面から連続して絶縁保護層
(A)及び銅箔帯状電極7が積層状態に形成される。
(同(ヘ))。
次ぎに前記の如く形成された開口凹所17aの底面中央
から基板11の裏面側へ貫通孔17bを穴開け加工して絶縁
部16が形成される(同(ト))。この絶縁部16へ基板11
の表面から電極ピン18を打ち込み、該電極ピン頭部18a
下面と開口凹所17a底面との間に帯状電極7を挟持して
電極ピン18を絶縁部16内に埋設し、前記頭部18aを半田2
5にて帯状電極7に溶接固定するとともに、開口凹所17a
内空間を完全に充填して絶縁保護層(A)表面と面一に
形成する(同(チ))。前記の如く電極ピン18を埋設し
てなる絶縁部16の開口凹所17aを半田25にて完全に充填
して絶縁保護層(A)及び帯状電極7と同一平面に形成
することにより、該帯状電極7上に形成される発熱体8
の厚みがこの接続孔部分で不均一となって断線の原因と
なることを防止しうる。
そしてこの絶縁保護層(A)及び帯状電極7上面に合
成樹脂に導電性カーボンを含有してなるカーボンペース
ト(LON−1:扇化学工業株式会社商品名)をスクリーン
印刷機等にて均一に塗布して発熱体8が形成される(同
(リ))。
上記の如くして基板11上に帯状電極7及び発熱体8か
らなる面状発熱体層5が形成される。
そしてこの面状発熱体層5の上から、ウレタン樹脂系
絶縁塗料(スタビライザーNo.11D:扇化学工業株式会社
商品名)を塗布し、その上にガラスペーパー又はガラス
クロス等の芯材を重ね、更にその上から前記絶縁塗料を
塗布、乾燥させることにより面状発熱体層5上面にガラ
スペーパー又はガラスクロス等を含む合成樹脂層である
絶縁保護層(B)が形成される。
そして、前記絶縁保護層(B)上面に表面保護強化材
13としての合板を積層する。この表面保護強化材13は、
例えば2.3mm厚、3プライの合板の表面をサンディング
することにより表面層(0.6mm厚)の単板をほぼ完全に
除去し、この面を下側に位置させて前記絶縁保護層
(B)上面へ接着する。
そして最後に前記表面保護強化材13の上に適宜化粧材
12を張着し、必要に応じてその表面に仕上げ加工が施さ
れる。
以上の手順により、床暖房用パネル1の作成が完了す
る。
このように作成された床暖房用パネル1は、帯状電極
7の電極ピン18及びサーモスタット6にリード線10を接
続し、図例の如く3枚一組にして根太3上に配設され、
コントローラを介して各床暖房用パネル1の帯状電極7
間に電圧を印加することにより、両帯状電極7間の発熱
体8が発熱して床暖房を可能とする。
この床暖房用パネル1は、予めパネル1内に面状発熱
体層5を内蔵してなるので、現場における施工が極めて
簡易な作業で行うことができ、且つ、故障の発生も少な
い。又、基板11として断熱効果に優れる合板を使用して
いるから、暖房効率がよい。
そして、前記パネル1内に内蔵された面状発熱体層5
は、パネル1の長手方向両側に配置された帯状電極7の
ほぼ全長にわたって該帯状電極7と直交する方向で両帯
状電極7間に配線した多数の平行線状発熱線8aにより発
熱体8を構成しているから、これらの発熱線8aの一部が
断線等により発熱できなくなった場合でも他の多数の発
熱線8a部分が発熱することで十分な暖房効果を奏するこ
とが可能である。又、パネル1の裏面にはサーモスタッ
ト6がパネル一枚当たり3箇所に設けられており、パネ
ル1上に遮蔽物等が載置されてパネル1が局部的に過熱
状態となるときには自動的に送電が停止されて火災等を
未然に防止しうる。
又、面状発熱体層5は、基板11上に積層されたガラス
ペーパー又はガラスクロス等の芯材を含み、ピンホール
が少なく、防水性、絶縁性、平滑性に優れた絶縁保護層
(A)上に形成され、且つ、該絶縁保護層(A)を構成
する合成樹脂成分及び充填剤成分が多孔質な合板表面を
目止めしていることから、基板11としての合板が含有す
る水分が加熱により多孔質の合板表面から面状発熱体層
5へ移行して絶縁不良を起こしたりするのを防止し、且
つ、その優れた補強効果により、基板11の膨張、収縮等
の変形により面状発熱体層5が破壊されることを防止し
うるとともに、その表面の平滑性により、面状発熱体層
5として合成樹脂ペースト等の印刷、塗布等により発熱
体8を形成する場合には、基板11表面の凹凸により発熱
体8の厚みが不均一となり発熱ムラが発生することを防
止しうる。このとき、基板11として用いる合板の表面の
木目が、帯状電極7と直交し両帯状電極7間に形成され
る発熱線8aと同方向になるように構成すれば、前記発熱
線8aは木目に沿って断線のおそれなく形成可能である。
更に、前記面状発熱体層5上面にもガラスクロス又はガ
ラスペーパー等の芯材を含む絶縁保護層(B)を形成し
てなるから、これによりパネル1表面側からの水分の移
行を防止して面状発熱体層5の絶縁性、及び補強はより
完全なものとなる。
又、前記帯状電極7へ電源からのリード線10を接続す
る電極ピン18を、ガラスファイバー粉を含む合成樹脂に
て強化プラスチック化した絶縁部16内に埋設し、しか
も、その頭部18aを帯状電極7へ半田付けしてなるか
ら、該電極ピン18の絶縁を完全として漏電を防止すると
ともに、電極ピン18を確実に基板11へ取付けて施工時等
に電極ピン18が脱落したりすることを防止してなる。
本考案に係る床暖房用パネル1における絶縁性を確認
するために、電極ピンを接着剤のみにて基板に埋設して
なる従来の電極構造のものと比較して絶縁性試験を行っ
た。その結果を下表に示す。
上記の如く、本床暖房用パネル1は、面状発熱体層5
及び電極ピン18等の電気系統の全てを強化プラスチック
化された絶縁層にて被覆して電気的絶縁を確実とすると
ともに、基板11の変形を防止してパネル1内に内蔵され
た面状発熱体層5の破壊を防止してなる。
更に上記実施例によれば、前記絶縁保護層(B)上面
に表面保護強化材13を積層してなるので、これが面状発
熱体層5を保護、補強するとともに、均熱板としても作
用する。又、この表面保護強化材13として合板を用いた
ときには、該合板の表面層をサンディング等にて除去し
て下層を露出させ、接着面を粗面化することで、その接
着性を向上させるとともに、該露出面の木目を発熱体8
のパネル1形成方向と一致させてパネル1幅方向におけ
る変形、破損を防止して発熱線8aの断線防止効果を付与
してなるものである。
〔考案の効果〕
以上述べた如く、本考案によれば、床暖房用パネルに
内蔵してなる面状発熱体の電極ピンを強化プラスチック
材からなる絶縁部内に埋設したことにより、電極ピンと
基板としての合板との間を防水、絶縁して合板中に含ま
れる水分の影響により電極ピンにおける絶縁が破壊され
ることがない。又、面状発熱体の帯状電極を電極ピンと
絶縁部の開口凹所底面との間に挟持するとともに半田付
けにて電極ピンと強固に溶接固着してなるから、両者の
密着不良による異常発熱を防止しうる。しかも、この電
極ピンを埋設してなる絶縁部の開口凹所を半田で被覆し
てその表面を帯状電極と同一平面とすることにより、そ
の上に形成される発熱体が不均一層となってこの部分で
断線することを防止しうる。更には、電極ピンを強化プ
ラスチック化した絶縁部内に埋設してなるので、電極ピ
ンがリード線接続作業時に不用意に脱落したり、又は、
基板の膨張、収拾等の変形により基板から脱落したりす
ることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は床暖房用パネルの組み立て状態を示す実施例斜
視図、第2図はその側面説明図、第3図は前記床暖房用
パネルにおける表面層の一部を破断した状態の簡略平面
図、第4図は前記床暖房用パネルの簡略底面図、第5図
は本考案に係る床暖房用パネルにおける面状発熱体の電
極構造の実施例を示すパネルの断面説明図、第6図は前
記床暖房用パネルの構成を示す部分断面斜視図、第7図
(イ)〜(リ)は前記床暖房用パネルの製作工程の一部
を示す工程説明図、第8図は従来の床暖房用パネルの部
分断面斜視図、第9図は従来の床暖房用パネルにおける
面状発熱体の電極構造を示す断面説明図である。 1:床暖房用パネル、2:大引、3:根太、4:さね加工、5:面
状発熱体層、6:サーモスタット、7:帯状電極、8:発熱
体、8a:発熱線、10:リード線、10a:丸端子、11:基板、1
1a:単板、12:化粧材、13:表面保護強化材、15:接続孔、
16:絶縁部、17a:開口凹所、17b:貫通孔、17c:螺孔、18:
電極ピン、18a:頭部、18b:軸部、21:接着テープ、22:強
化プラスチック材料、23:当板、25:半田、A:絶縁保護層
(A)、B:絶縁保護層(B)。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の接続孔内に設けられ、基板表面側に
    形成された開口凹所の底面から基板裏面側へ貫通孔が形
    成された強化プラスチック材からなる絶縁部と、 前記絶縁部の開口凹所内面を含む基板表面に貼着してな
    る帯状電極と、 前記絶縁部の貫通孔に嵌挿しうる大きさで下面にリード
    線接続部を有する軸部と、絶縁部の開口凹所内に没する
    大きさの頭部とからなる電極ピンと、 よりなり、電極ピンを、その軸部を絶縁部の貫通孔内に
    嵌入し、頭部下面と開口凹所底面との間に帯状電極を挟
    持した状態で絶縁部内に埋設し、前記開口凹所内へ充填
    した半田にて該開口凹所を完全に被覆するとともに電極
    ピンと帯状電極とを接続固定し、基板裏面側から前記電
    極ピンのリード線接続部へ電源からのリード線を接続し
    てなることを特徴とする床暖房用パネルにおける面状発
    熱体の電極構造。
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