以下、本開示の実施形態に係るセラミックヒータ及びヒータシステムについて、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上の模式的なものである。従って、細部は省略されていることがあり、また、寸法比率は必ずしも現実のものとは一致していない。また、セラミックヒータ及びヒータシステムは、各図に示されていない周知の構成部材をさらに備えていても構わない。
また、第2実施形態以降においては、先に説明された実施形態の構成と同様の構成について、先に説明された実施形態の構成に付された符号と同一の符号を付し、また、説明を省略することがある。先に説明された実施形態の構成に対応する(類似する)構成に対して、先に説明された実施形態の構成に付した符号とは異なる符号を付した場合においても、特に断りがない事項については、先に説明された実施形態の構成と同様とされてよい。
<第1実施形態>
(ヒータシステム)
図1は、実施形態に係るヒータシステム100の構成を示す概略図である。
ヒータシステム100は、ヒータ(セラミックヒータ)10と、ヒータ10を駆動する駆動装置50とを有している。以下、これらについて順に説明する。
なお、ヒータ10は、必ずしも図1の紙面上方を実際の上方として利用される必要はない。以下では、便宜上、図1の紙面上方が実際の上方であるものとして、上面及び下面等の用語を用いることがある。
(ヒータ)
ヒータ10は、例えば、概略板状(図示の例では円盤状)のヒータ本体10aと、ヒータ本体10aから下方へ延びているパイプ10bとを有している。
ヒータ本体10aは、その上面10cに加熱対象物の一例としてのウェハが載置され、ウェハの加熱に直接に寄与する部分である。パイプ10bは、例えば、ヒータ本体10aの支持、及び/又はヒータ本体10aに接続されるケーブル(不図示)の保護に寄与する部分である。なお、パイプ10bを除くヒータ本体10aのみによってヒータが定義されてもよい。
ヒータ本体10aの上面10c及び下面(符号省略)は、例えば、概ね平面である。ヒータ本体10aの平面形状及び各種の寸法は、加熱対象物の形状及び寸法等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、平面形状は、円形(図示の例)または矩形である。寸法の一例を示すと、直径は20cm以上35cm以下、厚さは5mm以上30mm以下である。
パイプ10bは、上下(軸方向両側)が開口している中空部材である(図2も参照)。その横断面(軸方向に直交する断面)及び縦断面(軸方向に平行な断面)の形状、並びに各種の寸法は適宜に設定されてよい。図示の例では、パイプ10bは、軸方向の位置に対して径が一定の円筒形状である。また、パイプ10bの横断面は、例えば、ヒータ本体10aの下面よりも小さい。パイプ10bは、ヒータ本体10aの下面の中央に位置している。
パイプ10bは、セラミック等の絶縁材料から構成されていてもよいし、金属(導電材料)から構成されていてもよい。また、パイプ10bは、ヒータ本体10a(厳密には後述する基体1)と同じ材料によって形成され、ヒータ本体10aと一体的に形成されることによりヒータ本体10aと固定されていてもよいし、ヒータ本体10aとは別に作製され、ねじ、その他の固定具、又は接着剤によってヒータ本体10aと固定されていてもよい。
平面透視において、ヒータ本体10aのうちパイプ10bの内縁によって規定される領域は、後述する複数の端子5(図2参照)が配置される端子配置領域10d(図3参照)となっている。複数の端子5は、ヒータ本体10aの下面からヒータ本体10aの外部へ露出している。
パイプ10b内には不図示の複数のケーブルが挿通される。複数のケーブルは、一端が複数の端子5に接続され、他端が駆動装置50に接続される。これにより、ヒータ本体10aと駆動装置50とが電気的に接続される。なお、複数のケーブルは、纏められて1本のケーブルのようになっていてもよいし、纏められていなくてもよい。
(ヒータ本体の内部構造)
図2は、ヒータ10の分解斜視図である。なお、完成後のヒータ10又はヒータ本体10aは、例えば、分解不可能に一体的に形成されている。すなわち、図2の分解斜視図のように分解可能である必要はない。
ヒータ本体10aは、絶縁性の基体1(符号は図1参照。図2では、1a、1b及び1cからなる)と、基体1に埋設されている抵抗発熱体2と、抵抗発熱体2に電力を供給するための各種の導体とを備えている。各種の導体は、例えば、接続部3(図2~図4では図5よりも模式的に示されている。)、配線4及び端子5である。抵抗発熱体2に電流が流れることによって、ジュールの法則に従って熱が発生し、ひいては、基体1の上面10cに載置されているウェハが加熱される。
(基体)
基体1の外形は、ヒータ本体10aの外形を構成している。従って、上述のヒータ本体10aの形状及び寸法に係る説明は、そのまま基体1の外形及び寸法の説明と捉えられてよい。
基体1の材料は、例えば、セラミックスである。セラミックスは、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、炭化珪素(SiC)及び窒化珪素(Si3N4)等を主成分とする焼結体である。なお、窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム質セラミックスは、例えば、耐食性に優れている。従って、基体1を窒化アルミニウム質セラミックスによって構成した場合、例えば、腐食性の高いガス雰囲気下での使用に有利である。
なお、主成分は、例えば、材料の質量の50%以上又は80%以上を占める成分である。後述する合金の主成分についても同様である。
図2では、基体1は、第1セラミック層1a~第3セラミック層1cからなる。なお、基体1は、第1セラミック層1a~第3セラミック層1cとなる材料(例えばセラミックグリーンシート)が積層されて作製されてもよいし、そのような方法とは異なる方法によって作製され、完成後に抵抗発熱体2等の存在によって概念的に第1セラミック層1a~第3セラミック層1cからなると捉えることができるだけであってもよい。
第1セラミック層1aは、ヒータ本体10aの上面10cを構成している層である。第3セラミック層1cは、ヒータ本体10aの下面を構成している層である。第2セラミック層1bは、第1セラミック層1aと第3セラミック層1cとの間に位置している層である。第1セラミック層1a~第3セラミック層1cは、例えば、それぞれ、概ね一定の厚さの層状(板状)であり、その平面形状は、上述したヒータ本体10a(基体1)全体としての平面形状と同様である。各層の厚さは、各層の役割に応じて適宜に設定されてよい。
(抵抗発熱体)
抵抗発熱体2は、第1セラミック層1aと第2セラミック層1bとの間に位置する導体パターンによって構成されている。当該導体パターンは、第2セラミック層1bの上面(別の観点では第1セラミック層1aの下面)上において当該上面に沿って(別の観点では基体1の上面10cに沿って)延びている。また、抵抗発熱体2は、概して言えば線状である。
図3は、第2セラミック層1bの上面を示す平面図である。
抵抗発熱体2は、例えば、ヒータ本体10aにおいて1本のみ設けられており、その一端(第1主給電部Pa)から他端(第2主給電部Pb)まで自己に対して交差することなく延びている。
抵抗発熱体2の両端は、抵抗発熱体2に電力を供給するための第1主給電部Pa及び第2主給電部Pb(以下、単に「主給電部P」といい、両者を区別しないことがある。)となっている。ただし、主給電部Pは、抵抗発熱体2の両端からずれていてもよい。また、そのようなずれの有無に関わらず、1対の主給電部P間の部分に対して抵抗発熱体2の語を用いるように用語の定義をしてもよい。以下の説明では、便宜上、抵抗発熱体2の両端と1対の主給電部Pとは同義であるものとする。
なお、抵抗発熱体2は、主給電部Pにおいて特別な構成(例えばパッド状になっているなど)を有している必要はなく、抵抗発熱体2の大部分と同様の構成であってよい。図3では、主給電部Pの位置を明らかにする便宜上、第2セラミック層1bを貫通する貫通導体(符号省略)を主給電部Pの位置で図示している。この貫通導体は、後述するように、接続部3又は端子5を構成するものである。ただし、抵抗発熱体2は、主給電部Pにおいて特別な構成を有していてもよい。
平面視において、抵抗発熱体2の両端(Pa、Pb)の位置、及び抵抗発熱体2の経路の位置及び形状は適宜に設定されてよい。例えば、抵抗発熱体2の両端は、上述した端子配置領域10dに収まっている。
また、例えば、抵抗発熱体2は、平面視において基体1を周方向に分割した第1領域Ar1~第4領域Ar4(図示の例では扇形の領域。以下、単に領域Arということがある。)を順に延びている。複数の領域Arの分割数及び大小関係は適宜に設定されてよい。図示の例では、分割は、等分割である。ただし、等分割でなくてもよい。また、等分割は、図示の例では、4等分である。ただし、等分割は、4等分に限定されず、2等分、3等分又は5等分以上であってもよい。
各領域Arそれぞれにおける抵抗発熱体2の経路も適宜に設定されてよい。図示の例では、抵抗発熱体2は、各領域Arにおいて、概略、蛇行するように(ミアンダ状に)延びている。すなわち、抵抗発熱体2は、所定の第1方向(図3の紙面左右方向)の位置をずらしつつ、第1方向に直交する第2方向(図3の紙面上下方向)において往復するように延びている。また、抵抗発熱体2は、上記のように蛇行した部分に加えて、基体1の外縁に沿って延びる部分を有している。
抵抗発熱体2の材料は、電流が流れることによって熱を生じる導体(例えば金属)である。導体は、適宜に選択されてよく、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)若しくはインジウム(In)又はこれらを主成分とする合金である。また、抵抗発熱体2の材料は、前記のような金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、抵抗発熱体2の材料は、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末等の添加剤(別の観点では無機絶縁物)を含むものであってもよい。
抵抗発熱体2の全部又は一部は、温度を検出するセンサ素子(サーミスタ)として兼用されてもよい。抵抗発熱体2の材料としてタングステン又はタングステンを主成分とする合金を用いた場合、例えば、タングステンは抵抗温度係数が比較的高いことから、温度の検出精度が向上する。
(分岐給電部)
抵抗発熱体2は、1対の主給電部Pの間に(別の観点では抵抗発熱体2の中途位置に)、抵抗発熱体2に電力を供給するための1以上の分岐給電部(第1分岐給電部D1~第3分岐給電部D3。以下、これらを区別せずに単に「分岐給電部D」ということがある。)を有している。従って、抵抗発熱体2は、一の主給電部Pと一の分岐給電部Dとの間、又は2つの分岐給電部Dの間に電力供給がなされることが可能である。すなわち、抵抗発熱体2は、部分的に電力供給がなされることが可能である。別の観点では、抵抗発熱体2は、1対の主給電部P間の部分に、分岐給電部Dによって区切られた第1分割区間R1~第4分割区間R4を有している。
なお、抵抗発熱体2が分岐給電部Dを有しているといっても、主給電部Pと同様に、抵抗発熱体2は、分岐給電部Dにおいて特別な構成(例えばパッドなど)を有している必要はなく、分岐給電部Dは、抵抗発熱体2の他の大部分と同様の構成でよい。図3では、主給電部Pと同様に、便宜上、第2セラミック層1bを貫通する貫通導体(符号省略。接続部3)を分岐給電部Dの位置で図示している。
ただし、抵抗発熱体2は、分岐給電部Dにおいて特別な構成を有していてもよい。例えば、分岐給電部Dは、抵抗発熱体2の他の大部分を構成する材料とは異なる材料(例えば接続部3を構成する材料)によって構成されていても構わない。すなわち、材料の観点からは複数の抵抗発熱体が直列に接続されて抵抗発熱体2を構成していてもよい。本実施形態の説明では、便宜上、抵抗発熱体2は、1本であるものとして説明する。
分岐給電部Dの数(分割区間Rnの数)、分岐給電部Dの、抵抗発熱体2の経路上における主給電部P又は他の分岐給電部Dに対する相対位置(分割区間Rnの長さ)、分岐給電部Dの基体1に対する位置(分割区間Rnの基体1に対する位置)は、適宜に設定されてよい。図示の例では、以下のとおりである。
分岐給電部Dは、例えば、合計で3つ設けられている。そして、抵抗発熱体2の経路上において、第2主給電部Pbから第1主給電部Paへ、順に、第1分岐給電部D1、第2分岐給電部D2及び第3分岐給電部D3が位置している。ひいては、分割区間Rnは、合計で4つ設けられている。そして、抵抗発熱体2の経路上において、第2主給電部Pbから第1主給電部Paへ、順に、第1分割区間R1、第2分割区間R2、第3分割区間R3及び第4分割区間R4が位置している。複数の分割区間Rnの長さは、例えば、概ね互いに同等である。また、複数の分割区間Rnは、例えば、概ね複数の領域Arに分配されている。
(接続導体、配線及び端子)
図4は、図3のIV-IV線における断面図である。
図2及び図4に示す接続部3、配線4及び端子5は、抵抗発熱体2に電力を供給するためのものであり、基体1に設けられている。配線4は、抵抗発熱体2に対して下層に位置する階層配線となっており、複数の給電部(P及びD)のいずれかと複数の端子5のいずれかとを接続している。接続部3は、配線4と給電部との間に介在してこれらの接続に寄与している。このような階層配線が設けられることによって、例えば、抵抗発熱体2の任意の位置(給電部)と、任意の位置に配置された端子5とを接続することが可能となっている。
より具体的には、例えば、端子5は、既に述べたように、基体1の平面視における中央側の領域の一部である端子配置領域10d(図3)において、基体1の下面から基体1の外部へ露出している。そして、例えば、主給電部P及び分岐給電部Dのうち、端子配置領域10dの外側に位置するもの(本実施形態ではD1及びD3)は、接続部3及び配線4を介して端子5に接続されている。一方、主給電部P及び分岐給電部Dのうち、端子配置領域10dに位置するもの(本実施形態ではPa、Pb及びD2)は、例えば、配線4を介さずに端子5に直接的に接続されている。
接続部3は、例えば、基体1の一部(第2セラミック層1b)を貫通する貫通導体を含んでいる。そして、第1分岐給電部D1及び第3分岐給電部D3の直下に位置することによって、これらの給電部に接続されている。換言すれば、接続部3は、基体1の内部において、抵抗発熱体2の給電部から基体1の上面10cとは反対側に突出している。
配線4は、例えば、第2セラミック層1bと第3セラミック層1cとの間に位置する導体パターンによって構成されている。すなわち、配線4は、基体1に埋設されている。配線4の寸法及び形状は適宜に設定されてよい。図示の例では、配線4は、概ね一定の幅で直線状に延びている。また、平面視において、端子5が基体1の中央側の一部である端子配置領域10dに位置し、かつ第1分岐給電部D1及び第3分岐給電部D3が端子配置領域10dの外側に位置していることに対応して、配線4は、概ね、基体1の半径方向において延びている。また、配線4は、基体1の上面10cに平行に延びている。
複数の端子5のうち、配線4に接続されるものは、例えば、第3セラミック層1cを貫通する貫通導体によって構成されている。そして、この端子5は、配線4の接続部3とは反対側の概ね端部において配線4の直下に位置することによって、配線4に接続されている。
複数の端子5のうち、配線4を介さずに給電部(Pa、Pb及びD2)に直接に接続されるものは、例えば、第2セラミック層1b及び第3セラミック層1cを貫通する貫通導体によって構成されている。そして、この端子5は、抵抗発熱体2の直下に位置することによって、給電部(Pa、Pb及びD2)に接続されている。
なお、特に図示しないが、端子5は、基体1の下面から突出していてもよいし、雌ねじ部又は雄ねじ部が形成されていてもよい。又は、端子5は、基体1の下面に位置するパッド(層状導体)を更に有していてもよい。
接続部3、配線4及び端子5の材料は、適宜な導体(例えば金属)とされてよい。例えば、これらの材料は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)又はこれらを主成分とする合金である。また、接続部3、配線4及び/又は端子5の材料は、前記のような金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、これら導体の材料は、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末を含むものであってもよい。また、これらの材料は、抵抗発熱体2の材料と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。端子5の外部に露出する表面は、接合性及び/又は耐食性に優れた金属によって表面が覆われていてもよい。
接続部3(後述する接続導体3aも同様)及び/又は端子5を構成する貫通導体は、例えば、多層配線基板において用いられている種々のものと同様とされてよい。貫通導体は、セラミック層に形成された孔内に充填された導体であってもよいし(中実であってもよいし)、前記の孔内の内周面に成膜された導体であってもよい(中空であってもよい)。ただし、中実であれば、導通面積を確保することが容易である。中空の貫通導体の内部には、その一部又は全体に絶縁材料が充填されていてもよい。また、貫通導体は、径が一定のものであってもよいし、径が変化するもの(例えばテーパ状又は逆テーパ状のもの)であってもよい。貫通方向に直交する断面の形状も適宜に設定されてよく、例えば、当該形状は円形である。貫通導体が2層以上のセラミック層に亘っている場合においては、当該貫通導体は、各セラミック層を貫通する導体が重ねられて作製されたものであってもよいし、2層以上のセラミック層を貫通するように作製されたものであってもよい。
貫通導体(接続部3及び端子5)と層状パターン(抵抗発熱体2及び配線4)との接続部においては、材料若しくは製造工程等の観点から見て、層状パターンの上面又は下面に貫通導体が接続されていてもよいし、貫通導体の周囲に層状パターンが接続されていてもよいし、そのような区別が不可能であってもよい。本実施形態の説明においては、便宜上、いずれの場合であっても、抵抗発熱体2及び配線4の上面又は下面に接続部3及び/又は端子5が接続されていると概念的に捉えて説明する。
(接続部の詳細(複数の接続導体))
図5は、接続部3及びその周囲を拡大して示す斜視図である。
各接続部3は、例えば、複数(図示の例では3つ)の接続導体3aを含んでいる。複数の接続導体3aは、抵抗発熱体2の経路に沿って(抵抗発熱体の延びる方向へ)配列されており、1つの給電部(本実施形態ではD1又はD3)と1つの配線4(別の観点では1つの端子5)との間で並列接続されている。これにより、抵抗発熱体2と配線4との導通面積が確保されやすくなっている。各接続導体3aは、接続部3の説明として既に述べたように、例えば、第2セラミック層1bを貫通する貫通導体によって構成されている。
各接続導体3aの形状及び寸法は適宜に設定されてよい。例えば、接続導体3aを構成する貫通導体は、既に述べたように、多層配線基板で用いられているものと同様でよく、一例として、概略円柱状である。また、各接続導体3aの径(例えば最大径又は抵抗発熱体2の幅方向の径)は、例えば、抵抗発熱体2の幅と概ね同等である。概ね同等という場合、例えば、両者の差は、抵抗発熱体2の幅の10%以下である。換言すれば、接続導体3aの径は抵抗発熱体2の幅の0.9倍以上1.1倍以下である。もちろん、接続導体3aの径は、抵抗発熱体2の幅と同等でなくてもよい。寸法の一例を示すと、例えば、抵抗発熱体2の幅は1mm以上10mm以下である。また、例えば、接続導体3a(円柱状)の直径は1mm以上7mm以下である。
複数の接続導体3aの数及び相対位置等は適宜に設定されてよい。接続導体3aの数は、図示の例とは異なり、2又は4以上であっても構わない。一の給電部に対応する複数の接続導体3aの相対位置は、複数の接続導体3aが抵抗発熱体2の経路に沿って配列されていることから、抵抗発熱体2の経路によって規定される。図示の例では、抵抗発熱体2が比較的曲率半径が大きい円弧となっている部分において給電部(D1又はD3)が位置していることから、複数の接続導体3aは、概略直線状に配列されている。抵抗発熱体2の経路の形状及び給電部の位置によっては、3つの接続導体3aは、例えば、三角状に配置される。一の給電部に対応する複数の接続導体3aの間隔は、適宜に設定されてよい。また、当該間隔は、比較的狭くてよい。複数の接続導体3a同士が短絡してしまっても、電気的な不都合は生じない。
なお、配線4の接続部3との接続部における形状は、複数の接続導体3aとの接続が可能になるように適宜に設定されてよい。図示の例では、複数の接続導体3aの配列が、概ね配線4の幅方向に沿っているとともに、複数の接続導体3aの配列の長さが、配線4の幅よりも大きいことに対応して、配線4の接続部3との接続部は、幅方向両側に延びる2つの枝部4aを有している。なお、複数の接続導体3aの配置に応じて、このような枝部4aが設けられなかったり、枝部4aが適宜な方向へ延びたりしてよい。また、枝部4aを設けるのではなく、パッド状部分を形成したりしてもよい。
(各部の断面積の相対関係)
互いに直列接続されている端子5、配線4、接続部3(複数の接続導体3a)及び抵抗発熱体2の断面積及びその相対関係は、適宜に設定されてよい。なお、実施形態の説明において、これらの導体について断面積という場合、特に断りがない限りは、これらの導体の横断面の面積をいうものとする。端子5又は接続部3の横断面は、上面10cに平行な断面であり、配線4又は抵抗発熱体2の断面積は、これらの導体の延びる方向に直交する断面である。
上記の導体を断面積が大きい順に挙げると、例えば、端子5、配線4、接続部3(複数の接続導体3aの断面積の合計)及び抵抗発熱体2となる。すなわち、抵抗発熱体2側ほど断面積が小さくなっている。このようにすることにより、例えば、端子5から抵抗発熱体2へ至る途中における発熱を低減しやすくなっている。ただし、これらの導体の断面積は、このような相対関係になっていなくてもよい。
なお、各導体において、断面積が位置によって異なる場合においては、例えば、最小の断面積(別の観点では発熱しやすい部分)によって比較がなされてよい。例えば、図5の例では、配線4は、大部分が一定の幅で延びている一方で、端部において2つの枝部4aが設けられることによって幅が広くなっている。この場合、一定の幅で延びている部分の断面積が他の導体の断面積と比較されてよい。
上記断面積の相対関係は、各導体の横断面のいずれの方向の寸法の設定によって実現されてもよい。例えば、以下のとおりである。
上述のように、接続導体3aは、概ね円柱状に形成されており、その直径は、抵抗発熱体2の幅と同等とされている。一方、抵抗発熱体2は、厚さが幅に対して小さい層状である。これにより、各接続導体3aの断面積は、抵抗発熱体2の断面積よりも大きくなりやすくなっている。そして、(1つの接続部3を構成する)複数の接続導体3aの断面積の合計は、抵抗発熱体2の断面積よりも大きくなっている。例えば、複数の接続導体3aの断面積の合計は、抵抗発熱体2の断面積の2倍以上又は5倍以上とされてよく、また、抵抗発熱体2の断面積の10倍程度とされてもよい。
配線4は、例えば、接続導体3aの直径に比較して幅が広くされることによって断面積が確保されている。ひいては、(1つの接続部3を構成する)複数の接続導体3aの断面積の合計よりも大きくされている。なお、図5では、図示の都合上、配線4の断面積が複数の接続導体3aの断面積の合計よりも小さい寸法比率で配線4及び接続導体3aが示されている。
端子5は、例えば、円柱状であり、また、直径が配線4の幅と同等とされている。一方、配線4は、幅に対して厚さが小さい層状である。これにより、端子5の断面積は、配線4の断面積よりも大きくされている。
なお、配線4と抵抗発熱体2とを比較したとき、配線4の断面積は、例えば、抵抗発熱体2の断面積の2倍以上又は5倍以上である。配線4の厚みは、抵抗発熱体2の厚みに対して、薄くてもよいし、同等でもよいし、厚くてもよい。なお、配線4の厚みが抵抗発熱体2の厚みと概ね同等という場合、例えば、両者の差は、抵抗発熱体2の厚さの10%以下である。寸法の一例を示すと、抵抗発熱体2の幅は1mm以上10mm以下、抵抗発熱体2の厚さは10μm以上150μm以下、配線4の幅は抵抗発熱体2の10倍程度、配線4の厚さは抵抗発熱体2の厚さと同程度である(配線4の断面積は抵抗発熱体2の断面積の10倍程度である。)。
なお、配線4を介さずに給電部(Pa、Pb及びD2)に直接接続される端子5は、例えば、その軸方向(基体1の厚さ方向)の長さを除いては、図5に示す端子5と同様の形状及び寸法である。
(駆動装置)
図1に示した駆動装置50は、例えば、電源回路及びコンピュータ等を含んで構成されており、商用電源からの電力を適宜な電圧の交流電力及び/又は直流電力に変換してヒータ10(複数の端子5)に供給する。コンピュータは、例えば、IC(Integrated Circuit)及び/又はパーソナルコンピュータによって構成されている。また、コンピュータは、例えば、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置を備えており、CPUがROM等に記憶されているプログラムを実行することによって、制御部等の各種の機能部が構成される。なお、所定の演算処理を行う回路を組み合わせて制御部等を構成してもよい。駆動装置50が行う処理は、デジタル処理であってもよいし、アナログ処理であってもよい。
(制御方法)
図6(a)は、ヒータシステム100における制御系の構成の概略を示した模式図である。
この図では、紙面上部において左右方向に延びる白抜きの線によって、抵抗発熱体2が模式的に示されている。その両端は、1対の主給電部Pであり、中途には、複数の分岐給電部Dが位置している。抵抗発熱体2の周囲の記号又は図形は、駆動装置50の構成要素を模式的に示している。
駆動装置50は、例えば、主駆動部51と、追加駆動部52とを有している。主駆動部51は、1対の主給電部P間に主電力(第1電力。主電流)を供給する。すなわち、主駆動部51は、抵抗発熱体2の全体に主電力を供給する。また、追加駆動部52は、例えば、複数の給電部(P及びD)のうち、抵抗発熱体2の経路上において互いに隣り合うもの同士の間に追加電力(第2電力。追加電流)を個別に供給する。すなわち、追加駆動部52は、複数の分割区間Rnに対して追加電力を個別に供給する。
従って、抵抗発熱体2においては、その全体を流れる主電流に重畳して部分的に追加電流が流れることになる。その結果、例えば、ヒータ本体10aが生じる熱量の大部分を主電力によって実現しつつ、ヒータ本体10aの領域Ar毎に、その領域Arに適した温度制御を行うことができる。ひいては、例えば、ヒータ本体10aにおける温度分布を均一化したり、逆に、ヒータ本体10aに所望の温度勾配を生じさせたりすることが容易化される。
主電力は、直流電力及び交流電力のいずれであってもよい。追加電力も、直流電力及び交流電力のいずれであってもよい。例えば、主電力は直流電力であり、追加電力は、交流電力である。又は、主電力は交流電力であり、追加電力は主電力よりも周波数が高い交流電力である。
図6(b)は、ヒータシステム100における温度制御の例を模式的に示した図である。この図において、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。
図示の例では、駆動装置50は、例えば、ヒータ本体10aの温度分布が均一になり、かつその温度が時間経過に対して一定な目標温度tr0に収束するように主電力及び追加電力を制御する。具体的には、例えば、駆動装置50は、主電力による加熱によって、ヒータ本体10aの温度が目標温度tr0よりも低い設定温度traとなるように主電力を制御する。また、駆動装置50は、各分割区間Rn(領域Ar)の温度が目標温度tr0になるように、分割区間Rn毎に追加電力を制御する。これにより、各分割区間Rnの温度は、設定温度traから、追加電力による加熱に起因する温度上昇分taddで上昇する。その結果、各分割区間Rnの温度は目標温度tr0に収束する。
なお、図6(b)は模式図であることから、温度tr0と温度上昇分taddとを加算した温度が目標温度tr0に対して振動している様子を比較的大きく、かつ矩形波で表現している。実際には、このような振動は、PID(Proportional Integral Differential)制御などの精緻な制御方式を採用することによって低減されてよい。
図6(a)に戻って、駆動装置50は、例えば、第1絶縁トランスT1~第4絶縁トランスT4(以下、単に「絶縁トランスT」といい、これらを区別しないことがある。)を有していてもよい。絶縁トランスTは、例えば、分割区間Rn毎に設けられており、追加駆動部52から分割区間Rnへの追加電力としての交流電力の供給を仲介する。このような絶縁トランスTが設けられていることによって、例えば、交流電力の周波数よりも高い周波数の成分(ノイズ)が追加電力に含まれている場合、当該成分が抵抗発熱体2へ流れるおそれを低減することができる。
また、駆動装置50は、例えば、第1コンデンサC1~第4コンデンサC4(以下、単に「コンデンサC」といい、これらを区別しないことがある。)を有していてもよい。コンデンサCは、例えば、分割区間Rn毎に設けられており、追加駆動部52と分割区間Rnとの間に直列接続されている。このようなコンデンサCが設けられていることにより、例えば、直流電流又は相対的に周波数が低い交流電流である主電流が追加駆動部52側へ流れてしまうおそれを低減する一方で、相対的に周波数が高い交流電流である追加電流を抵抗発熱体2へ流すことができる。
(ヒータの製造方法)
ヒータ10の製造方法は、例えば、以下のとおりである。
まず、第1セラミック層1a~第3セラミック層1cとなるセラミックグリーンシートを準備する。グリーンシートは、例えば、ドクターブレード法によってスラリーをシート状にすることによって形成されてもよいし、スラリーを噴霧造粒法(スプレードライ法)により噴霧乾燥して造粒し、ロールコンパクション法を利用することによって形成されてもよい。グリーンシートは、概ね一定の厚さに形成される。スラリーは、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素又は炭化珪素が主成分となるように主成分原料を準備し、これに焼結助剤、バインダ、溶媒及び分散剤等を所定量添加して混合することによって作製される。
次に、グリーンシートに対し、所望の形状になるようにレーザ加工及び/又は金型を用いた打ち抜き加工を行う。この際、例えば、接続部3及び端子5が配置される孔が形成される。
次に、抵抗発熱体2、接続部3、配線4及び端子5等の導体となる金属ペーストをスクリーン印刷等の適宜な方法によってグリーンシートに配置する。例えば、第2セラミック層1bとなるグリーンシートの上面(第1セラミック層1aとなるグリーンシートの下面でもよい。)に抵抗発熱体2となる金属ペーストを配置する。第3セラミック層1cとなるグリーンシートの上面(第2セラミック層1bとなるグリーンシートの下面でもよい。)に配線4となる金属ペーストを配置する。第2セラミック層1bとなるグリーンシートに形成された孔に接続部3となる金属ペーストを充填する。第3セラミック層1cとなるグリーンシートに形成された孔に端子5となる金属ペーストを充填する。金属ペーストは、例えば、AIN等のセラミック粉末を含んでいる。抵抗発熱体2及び/又は配線4となる金属ペーストは、例えば、スクリーン印刷等の公知の方法によって塗布される。
抵抗発熱体2及び/又は配線4となる材料は、導電材料とセラミック粉末とを含んだ導電シートであってもよい。導電シートは、例えば、後述のグリーンシートの積層体の作製の際に、グリーンシートによって挟み込まれる。また、グリーンシートに溝を掘り、導電シートをこの溝内に配置してもよい。
また、接続部3及び/又は端子5となる材料は、完成後の接続部3及び/又は端子5と同様のものであってもよい。すなわち、当該材料は、固体状かつ柱状の金属(金属バルク材)であってもよい。この場合、接続部3及び端子5が配置される孔は、後述する焼成におけるグリーンシートと金属バルク材との収縮率の差を考慮して、金属バルク材の径及び軸長さよりも径及び貫通長さが大きくされてよい。
次に、グリーンシートを積層し、グリーンシートの積層体を作製する。なお、シートを積層するときに用いる接合材としては、上述したスラリーを用いれば良い。
そして、グリーンシートの積層体を主成分の焼成条件に合わせて焼成する。これにより、抵抗発熱体2、接続部3、配線4及び端子5を内部に設けた焼結体(基体1)を得ることできる。なお、焼成の際、基体1(第1セラミック層1a~第3セラミック層1c)は収縮する。また、基体1に配される各種の導体もセラミック粉末が添加されていることによって収縮する。
抵抗発熱体2、接続部3、配線4及び端子5以外に、プラズマ処理用電極もしくは静電チャック用電極となる金属ペースト、金属板又は金属メッシュを積層時に挟み込むことによって、プラズマ処理用のテーブルもしくは静電チャックを作製することもできる。
以上のとおり、本実施形態では、ヒータ10は、基体1と、抵抗発熱体2と、複数の接続導体3aと、端子5とを有している。基体1は、所定面(上面10c)を有しているとともに絶縁性を有している。抵抗発熱体2は、上面10c上又は基体1内(本実施形態では基体1内)にて、上面10cに沿って延びている。複数の接続導体3aは、抵抗発熱体2から上面10cが面する側とは反対側へ延びている部分(本実施形態では接続導体3aの全部)をそれぞれ含んでいる。(1つの)端子5は、上面10cが面する側とは反対側へ露出しており、複数の接続導体3aが互いに並列に電気的に接続されている。複数の接続導体3aは、抵抗発熱体2の延びる方向へ抵抗発熱体2の経路に沿って配列されている。
従って、例えば、1つの貫通導体(接続導体3a)によって抵抗発熱体2と端子5とを接続する場合に比較して、抵抗発熱体2と接続部3との導通面積を大きくすることができる。導通面積を大きくすることによって、例えば、断線のおそれを低減したり、接続部3において発熱するおそれを低減したりすることができる。
別の観点では、例えば、導通面積を確保するために、抵抗発熱体2の幅を給電部において局部的に大きくしたり、接続導体3aの径を大きくしたりする必要性が低減される。その結果、例えば、抵抗発熱体2の全体に亘って、抵抗発熱体2の互いに隣接する部分同士の中心間距離を短くして、抵抗発熱体2を密に配置することができる。換言すれば、抵抗発熱体2を密に配置しても、抵抗発熱体2の給電部と、抵抗発熱体2の給電部でない部分との短絡が生じるおそれが低減される。このような効果は、本実施形態のように、抵抗発熱体2の端部だけでなく、抵抗発熱体2の中途位置に分岐給電部Dが設けられる場合において特に有効である。
また、例えば、平面視において貫通導体を抵抗発熱体2に沿う細長い形状にするのではなく、抵抗発熱体2に沿って複数の接続導体3aを配列することから、接続導体3aとして、従来公知の概略円柱状の貫通導体を用いることができる。
また、本実施形態では、(1つの接続部3を構成する)複数の接続導体3aのその延びる方向に直交する断面の面積の合計は、抵抗発熱体2のその延びる方向に直交する断面の面積よりも大きい。
従って、例えば、複数の接続導体3aにおいて生じる熱量を低減することができる。その結果、例えば、抵抗発熱体2の給電点付近において局所的に温度が上昇するおそれが低減される。すなわち、上面10cにおける発熱量が均等化される。
また、本実施形態では、配線パターン(本実施形態では配線4)のその延びる方向に直交する断面の面積は、複数の接続導体3aのその貫通方向に直交する断面の面積の合計よりも大きい。
従って、例えば、配線4において生じる熱量を低減することができる。その結果、例えば、ウェハの加熱に直接に寄与しない基体1の下面側における発熱が抑制される。ひいては、電力の無駄な消費を低減することができる。
本実施形態では、複数の接続導体3aの少なくともいずれか1つの、抵抗発熱体2の幅方向における径は、抵抗発熱体2の幅の0.9倍以上1.1倍以下の大きさである。
すなわち、接続導体3aの径が抵抗発熱体2の幅に極力近づけられる。その結果、例えば、接続導体3aの径が抵抗発熱体2の幅よりも小さい場合に比較して、上述した抵抗発熱体2の幅を局部的に大きくすることなく導通面積を大きくする効果が向上する。また、例えば、接続導体3aの径が抵抗発熱体2の幅よりも大きい場合に比較して、接続導体3aと、抵抗発熱体2の給電部でない部分とが短絡してしまうおそれが低減される。
<第2実施形態>
(ヒータの構成)
図7(a)は、第2実施形態に係るヒータ210の一部を拡大して示す斜視図であり、図5の紙面右側の一部に相当している。図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線における断面図である。
ヒータ210は、基本的に、接続部203の接続導体203aの構成のみが第1実施形態のヒータ10と相違する。他の構成は、第1実施形態の構成と同様とされてよい。なお、図示の例では、配線4は、図5の例とは異なり、複数の接続導体203aに至るまで一定の幅とされている。
接続導体203aは、抵抗発熱体2及び配線4を貫通している点が第1実施形態の接続導体3aと相違する。より詳細には、接続導体3aの上端は、例えば、抵抗発熱体2を貫通するとともに抵抗発熱体2の上方へ突出している(第1セラミック層1a内に埋設されている。)。また、接続導体3aの下端は、例えば、配線4を貫通するとともに配線4の下方に突出している(第3セラミック層1c内に埋設されている。)。その突出量は適宜に設定されてよい。
接続導体203aの材料は、例えば、純金属、又は金属元素のみを含む合金である。別の観点では、第1実施形態では、接続導体3aの材料は、セラミック粉末及び/又はガラス粉末(無機絶縁物)を含むものとされてよいことを述べたが、接続導体203aの材料は、そのような無機絶縁物を含まないものとされている。純金属の金属元素又は合金の主成分の金属元素は、当該金属元素は、抵抗発熱体2、配線4及び/又は端子5の主成分の金属元素と同一であってもよいし、異なっていてもよい。純金属の金属元素又は合金の主成分の金属元素は、例えば、タングステン(W)又はモリブデン(Mo)である。
第1実施形態では、貫通導体(接続導体3a又は端子5)と層状パターン(抵抗発熱体2又は配線4)との接続部においては、材料若しくは製造工程等の観点から見て、層状パターンの上面又は下面に貫通導体が接続されていてもよいし、貫通導体の周囲に層状パターンが接続されていてもよいことを述べた。本実施形態では、層状パターン(抵抗発熱体2又は配線4)は、例えば、接続導体203aの周囲に接続されている。
接続導体203aの寸法は、長さ(上下方向)を除いて、第1実施形態の接続導体3aの寸法と同様とされてよい。例えば、接続導体203aの径は、抵抗発熱体2の幅の0.9倍以上1.1倍以下とされてよいし、これよりも大きく、又は小さくされてもよい。図示の例では、接続導体203aの径が抵抗発熱体2の幅よりも小さくされており、接続導体203aは、抵抗発熱体2に形成された孔(符号省略)に挿通されている。
なお、接続導体203aの径は、抵抗発熱体2の幅以上とされ、抵抗発熱体2に形成された孔(符号省略)に挿通された態様でなくてもよい。すなわち、接続導体203aは、抵抗発熱体2を分断するように設けられていてもよい。当該態様も、接続導体203aが抵抗発熱体2を貫通していると表現することとする。同様に、接続導体203aによって配線4の外縁の一部に切欠きが形成されている場合も、接続導体203aが配線4を貫通していると表現することとする。
(ヒータの製造方法)
図8(a)及び図8(b)は、ヒータ210の製造方法を説明するための断面図であり、図7(b)に対応している。なお、図8(b)では、第1セラミック層1a~第3セラミック層1cのハッチングを省略している。また、図8(a)及び図8(b)では、製造工程の進行に伴って部材の特性及び寸法等が変化しても当該部材に同一の符号を用いている。
ヒータ210の製造方法は、例えば、接続導体203aに用いる材料を除いては、第1実施形態と同様でよい。具体的には、以下のとおりである。
図8(a)に示すように、第2セラミック層1bとなるセラミックグリーンシートには、第1実施形態と同様に、接続導体203aが設けられる貫通孔(符号省略)が形成される。この貫通孔には、接続導体203aが配置される。
第1実施形態では、上記の貫通孔に配置される接続導体3aの材料として、例えば、AIN等のセラミック粉末(無機絶縁物)が添加された導電ペーストが用いられる。一方、本実施形態の接続導体203aの材料は、そのようなセラミック粉末が添加されていないものである。
例えば、貫通孔に配置される接続導体203aは、完成後のヒータ210における接続導体203aと同様のものである。換言すれば、貫通孔に配置される材料は、固体状かつ柱状の金属(金属バルク材)である。その形状及び寸法は、例えば、概略、第2セラミック層1bとなるセラミックグリーンシートに形成された貫通孔の形状及び寸法と同一である。なお、接続導体203aの外周面と、貫通孔の内周面との間に隙間が形成されるなどしていてもよい。当該隙間は、例えば、収縮しない金属バルク材と、グリーンシートとの収縮率の差を加味して設定されてよい。
また、例えば、接続導体203aの材料として、溶融状態の金属(純金属又は金属元素のみからなる合金)がセラミックグリーンシートの貫通孔に充填されてもよい。そして、セラミックグリーンシートの焼成前に当該金属が凝固して接続導体203aが形成されてもよい。また、接続導体203aの材料として、金属粉末と樹脂溶液とを含み、セラミック粉末等の無機絶縁物を含まない導電ペーストがセラミックグリーンシートの貫通孔に充填されてもよい。
接続導体203a(又はその材料)が第2セラミック層1bとなるセラミックグリーンシートの貫通孔に配置されると、第1セラミック層1a~第3セラミック層1cとなるセラミックグリーンシートが積層される。その後、セラミックグリーンシートの積層体は焼成される。
図8(b)において矢印で示すように、焼成により、セラミックグリーンシートの積層体(基体1)は、厚み方向及び平面方向に収縮する。また、セラミック粉末が添加された導電ペースト(抵抗発熱体2及び配線4)も同様に収縮する。一方、接続導体203aは、例えば、金属バルク材であり、セラミック粉末が添加された導電ペーストではないから収縮しない、若しくは収縮量が小さい。
従って、接続導体203aは、基体1の厚み方向における収縮によって、抵抗発熱体2及び配線4を貫通する。さらには、接続導体203aは、第1セラミック層1a及び第3セラミック層1c内に突出する。
また、接続導体203aが抵抗発熱体2及び配線4を貫通した状態から、さらに基体1、抵抗発熱体2及び配線4の収縮が進むと、接続導体203aは、抵抗発熱体2及び配線4によって平面方向に締め付けられる。これにより、接続導体203aの外周面と、層状パターン(抵抗発熱体2及び配線4)との導通が確実になされる。
なお、図8(b)の例では、接続導体203aの上端面及び下端面は、抵抗発熱体2及び配線4となる導電ペーストのうちの接続導体203aによって打ち抜かれた部分によって構成されている。当該部分は、接続導体203aとは別の部材として捉えられてもよいし、接続導体203aの一部として捉えられてもよい。別の観点では、接続導体203aは、純金属又は金属元素のみを含む合金からなると捉えられてもよいし、他の材料を含んで構成されていると捉えられてもよい。また、セラミックグリーンシートにおいて、接続導体203aと重なる領域に抵抗発熱体2及び配線4となる導電ペーストを設けないようにし、上記の打ち抜かれた部分が形成されないようにしてもよい。
特に図示しないが、各端子5の一部又は全部も、接続導体203aと同様の構成とされてよい。例えば、端子5は、純金属、又は金属元素のみを含む合金から構成されてよい。この純金属又は合金の主成分の金属元素は、タングステン又はモリブデンとされてよい。配線4に接続される端子5(給電部D1又はD3に対応する端子5)は、上端が配線4を貫通してよい。抵抗発熱体2に直接に接続される端子5(給電部Pa、Pb又はD2に対応する端子5)は、上端が抵抗発熱体2を貫通してよい。また、端子5の下端は、基体1の下面から突出してよい。
(第2実施形態の製造方法の変形例)
図9(a)は、ヒータ210の製造方法の変形例を示す断面図であり、図8(a)に対応している。すなわち、図9(a)は、焼成前のヒータ210の一部を示している。
この図に示すように、第1セラミック層1a及び第3セラミック層1cとなるセラミックグリーンシートの接続導体203a側の面には、接続導体203aに重なる位置に凹部1rが形成されていてもよい。
凹部1rは、例えば、概略、上面10cに平行な断面形状が深さ方向(上下方向)に亘って一定の形状である。凹部1rの平面形状(寸法含む)は、例えば、焼成後において接続導体203aと概ね同等となるように設定されている。ただし、凹部1rの平面形状は、焼成後において接続導体203aに対して小さく、又は大きくなるように設定されていてもよい。また、2つの凹部1rの深さの合計は、例えば、焼成後において接続導体203aが第1セラミック層1a及び第3セラミック層1c内に突出する深さの合計と同等とされている。ただし、前者は、後者に対して小さく、又は大きくされていてもよい。
このような凹部1rを設けることにより、焼成に伴って基体1が収縮するときに、接続導体203aが第1セラミック層1a及び/又は第3セラミック層1cを上下方向に押圧する力が低減される、又は無くされる。これにより、例えば、基体1の上面10cの平坦性が損なわれるおそれを低減できる。
なお、凹部1rの一部又は全部には、抵抗発熱体2及び配線4となる導電ペーストと同一の導電ペーストを配置してもよい。そして、接続導体203aの上端及び下端に抵抗発熱体2及び配線4と一体的に形成された部分が形成されてもよい。また、凹部1rは、第1セラミック層1a及び第3セラミック層1cの一方のみに形成されてもよい。
(第2実施形態の製造方法の他の変形例)
図9(b)は、ヒータ210の製造方法の他の変形例を示す断面図であり、図8(a)に対応している。すなわち、図9(b)は、焼成前のヒータ210の一部を示している。
図9(b)において、金属203aaは、図8(a)の接続導体203aと同一のものであり、固体状かつ柱状の金属(金属バルク材)である。この場合において、金属203aaと、貫通孔との間に導電ペースト203abが配置されてもよい。導電ペースト203abは、例えば、抵抗発熱体2及び/又は配線4となる導電ペーストと同一の材料である。そして、金属203aaと、導電ペースト203abとによって、接続導体203aが構成されてもよい。
この場合、例えば、接続導体203aは、抵抗発熱体2及び/又は配線4と一体的に形成された部分を有する。その結果、接続導体203aと、層状パターン(抵抗発熱体2及び/又は配線4)との導通が確実になされる。
なお、上記では、導電ペースト203abによって構成される部分も接続導体203aの一部として捉えたが、金属203aaのみによって構成される部分を接続導体203aとして捉えてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、第1実施形態と同様に、複数の接続導体203aが、抵抗発熱体2の延びる方向へ抵抗発熱体2の経路に沿って配列されている。従って、第1実施形態と同様の効果が奏される。例えば、抵抗発熱体2の幅を大きくせずに、抵抗発熱体2と接続部3との導通面積を大きくすることができる。
また、本実施形態では、基体1は、セラミックスにより構成されている。(1つの接続部3内の)複数の接続導体203aの少なくともいずれか1つは、純金属、又は金属元素のみを含む合金(セラミックス粉末を含まない合金)により構成されている。
従って、例えば、図8(b)を参照して説明したように、焼成したときに、セラミックグリーンシート(基体1)及び導電ペースト(抵抗発熱体2及び配線4)に比較して、金属である接続導体203a(例えば金属バルク材)は収縮しない。その結果、抵抗発熱体2及び/又は配線4によって接続導体203aを締め付けて、これらの導通を確実に行うことができる。また、接続導体203aは、例えば、無機絶縁物を含まないから、抵抗値を小さくしやすい。その結果、接続導体203aにおいて生じる熱量を低減することができる。
また、本実施形態では、上記の純金属の金属元素又は合金の主成分の金属元素は、タングステン又はモリブデンである。
ここで、タングステン又はモリブデンは、抵抗発熱体2の材料として用いることができるものである。従って、例えば、抵抗発熱体2の材料の主成分が接続導体203aの主成分と同一である場合に、抵抗発熱体2と接続導体203aとの間の接合強度の向上及び/又は電気抵抗の低減が期待される。
また、本実施形態では、(1つの接続部3内の)複数の接続導体203aの少なくともいずれか1つは、抵抗発熱体2を貫通している。
従って、例えば、接続導体203aの上面が、抵抗発熱体2よりも下方に位置してしまい、両者の導通がなされないというような不都合が生じるおそれが低減される。また、図8(b)を参照して説明したように、焼成の際に収縮する抵抗発熱体2によって接続導体203aを締め付け、両者を確実に導通させることができる。また、例えば、両者の導通を確実になすことによって、両者の接合部において抵抗値が高くなるおそれを低減でき、ひいては、抵抗発熱体2の給電点付近において局所的に温度が上昇するおそれを低減できる。すなわち、上面10cにおける発熱量が均等化される。
また、本実施形態では、(1つの接続部3内の)複数の接続導体203aの少なくともいずれか1つは、配線4を貫通している。
従って、例えば、接続導体203aの下面が、配線4よりも上方に位置してしまい、両者の導通がなされないというような不都合が生じるおそれが低減される。また、図8(b)を参照して説明したように、焼成の際に収縮する配線4によって接続導体203aを締め付け、両者を確実に導通させることができる。また、例えば、両者の導通を確実になすことによって、両者の接合部において抵抗値が高くなるおそれを低減でき、ひいては、ウェハの加熱に直接に寄与しない基体1の下面側における発熱が抑制される。すなわち、電力の無駄な消費を低減することができる。
<種々の変形例>
図10(a)~図11(b)は、種々の変形例を示す模式図である。ここでは、接続導体として、第1実施形態の接続導体3aを例に取る。ただし、以下の変形例は、第2実施形態に適用されてもよい。また、以下の変形例は、適宜に互いに組み合わされてよい。
図10(a)は、給電部Pa、Pb又はD2における端子5周辺の拡大斜視図である。
第1実施形態の説明では、複数の端子5のうち、給電部Pa、Pb又はD2に直接に接続されるものは、第2セラミック層1b及び第3セラミック層1cを貫通する貫通導体によって構成されているものとして述べた。換言すれば、端子5と給電部Pa、Pb又はD2との間には、複数の接続導体3a(接続部3)が介在しないものとして説明した。
ただし、図10(a)に示すように、端子5上に複数の接続導体3aが互いに並列に設けられ、この複数の接続導体3aによって、端子5と抵抗発熱体2とが接続されていてもよい。
なお、この変形例を第2実施形態に適用した場合において、端子5は、例えば、接続導体203aとは異なり、導電ペーストによって形成されてよい。この場合、接続導体203aの下端が端子5に食い込んでよい。また、上記とは逆に、端子5は、接続導体203aと同様に、純金属、又は金属元素のみを含む合金から構成されてもよい。
図10(b)及び図10(c)は、端子5から接続導体3aまでの構成を下方から見た平面図である。
第1実施形態の説明において、配線4は、枝部4aが設けられなくてもよいことに言及した。また、第2実施形態の説明では、配線4が複数の接続導体203a付近において一定の幅で延びる態様を例示した。さらに、図10(b)に示すように、配線4は、端子5から複数の接続導体203aまで一定の幅で延びてもよい。この場合、端子5から複数の接続導体203aに至るまで、断面積が減じられることがなく、ひいては、不要な発熱を低減することができる。
また、図10(c)に示すように、1つの端子5と、当該端子5に対して電気的に互いに並列に接続される複数の接続導体3aとは、複数の配線304aによって、別々に接続されていてもよい。この場合、例えば、1本の配線4によって接続する場合に比較して、基体1と配線304aとの熱膨張差に起因して生じる応力を分散させることができる。ひいては、例えば、断線等のおそれを低減することができる。なお、1本の配線4は、複数の配線304aに比較して、抵抗値を小さくしやすい。
図示の例では、複数の配線304aの数は、接続導体3aの数と同数とされており、1対1で(個別に)接続されている。ただし、複数の配線304aの数は、接続導体3aの数よりも少なくされてもよい。
なお、配線4と、複数の配線304aとは、1つの端子5に対して複数の接続導体3aを互いに並列に接続する点に関して互いに同一の機能を有している。そこで、配線4と、複数の配線304aとの上位概念の用語として、配線パターンを定義するものとする。例えば、図10(b)においては、配線パターン(符号省略)は、配線4からなる。図10(c)においては、配線パターン304は、複数の配線304aからなる。
配線パターン304のその延びる方向に直交する断面積は、例えば、複数の配線304aのその延びる方向における断面積の合計によって特定されてよい。複数の配線304aの断面積は、例えば、各配線304aの最小値とされてよい。当該最小値の断面積を有する断面の位置及び法線の方向は、複数の配線304a間で互いに同一とは限らない。複数の枝部4aの断面積の合計も同様に特定されてよい。
図11(a)及び図11(b)は、変形例に係るヒータの構成を示す断面図であり、図4に相当している。
実施形態では、抵抗発熱体2は、セラミックからなる基体1に埋設された。ただし、図11(a)に示すヒータ410のように、抵抗発熱体2は、セラミックからなる基体401の上面上に位置していてもよい。
図示の例では、抵抗発熱体2は、基体401とは異なる絶縁材料(例えばY2O3、CaO、MgO、Al2O3、SiO2等の無機絶縁材料)からなる被覆層461によって覆われている。この場合、基体401と被覆層461との全体を基体として定義して、抵抗発熱体2が基体に埋設されていると捉えても構わない。
実施形態では、配線4は、セラミックからなる基体1に埋設された。ただし、図11(b)に示すヒータ510のように、配線4は、セラミックからなる基体501の表面(下面)に位置していてもよい。
図示の例では、配線4は、基体501とは異なる絶縁材料(例えばソルダーレジスト等の有機絶縁材料、又はY2O3、CaO、MgO、Al2O3、SiO2等の無機絶縁材料)からなる被覆層507によって覆われている。この場合、基体501と被覆層507との全体を基体として定義して、配線4が基体に埋設されていると捉えても構わない。
また、図11(b)に関して、別の観点では、配線4の端部が端子5に兼用されてもよい。なお、兼用されていると捉えるのではなく、端子5として機能する部分以外を配線4として定義してもよい。図11(b)では、配線4のうち被覆層507から露出している部分が端子5となる部分である。
<応用例>
図12(a)は、本開示のヒータシステムを適用した応用例を示す図である。図12(a)では、半導体製造装置のチャンバ25内に、本開示に係るヒータ30を備えた様子を示している。ヒータ30の上面には、加熱対象物としてのウェハ40が載置されている。
図12(b)は、ヒータ30の構成を示す模式図である。ヒータ30は、例えば、上述した各種の実施形態又は変形例に係るヒータのいずれかと同様の構成に電極12等を加えた構成とされている。なお、ヒータ30は、各種の実施形態又は変形例に係るヒータのいずれかと同様の構成であっても構わない。
電極12は、例えば、プラズマ処理用電極(例えばRF(Radio Frequency)電極)である。この場合、ヒータ30、駆動装置50、及びプラズマ処理用電極に電圧を印加する不図示の駆動装置等を含むシステムは、プラズマ処理装置を構成する。
また、電極12は、例えば、静電チャック用電極である。この場合、ヒータ30は静電チャックを構成し、また、ヒータ30、駆動装置50、及び静電チャック用電極に電圧を印加する不図示の駆動装置を含むシステムは、吸着装置を構成する。
また、ヒータ30は、半導体製造におけるCVD(chemical vapor deposition)工程に適用されてもよい。
本開示に係る技術は、以上の実施形態及び変形例等に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
実施形態では、1つの抵抗発熱体の中途に給電部(D1~D3)が配置された。これにより、実質的に複数の抵抗発熱体が実現された。別の観点では、複数の抵抗発熱体同士において、給電部(D1~D3)が共用された。ただし、抵抗発熱体は、両端部にのみ給電部(Pa及びPb)を有していてもよい。換言すれば、実質的に抵抗発熱体が1つのみ設けられてもよい。また、複数の抵抗発熱体は、互いに分離されていてもよい。別の観点では、複数の抵抗発熱体は、給電部を互いに共用していなくてもよい。
給電部を互いに共用していない複数の抵抗発熱体は、互いに接続されていないから、実施形態のように共通の電流(主電流)を流すことはできない。従って、複数の抵抗発熱体は、互いに独立に電力が供給される。また、実施形態のように、複数の抵抗発熱体が互いに接続されている場合においても、主電流を流さずに、複数の抵抗発熱体に互いに独立に電力が供給されてよい。
配線パターン(配線4、複数の配線304a)は設けられなくてもよい。全ての給電部において、図10(a)の構成が採用されてもよい。別の観点では、複数の端子は、種々の位置に点在していてもよい。また、例えば、配線パターンは、実施形態とは逆に、中央側の給電部と、外周側の端子とを接続するものであってもよい。別の観点では、複数の端子は外周側に集約されてもよい。
配線パターンは、抵抗発熱体に対して平行でなくてもよい。そのような構成のヒータは、例えば、焼結体(基体1)をホットプレス法で作製し、その際に配線パターンとなるワイヤーを埋め込むことによって製造することができる。