JP2508363Y2 - シ―ルド掘進機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はリトラクタブルホッパを有するシールド掘
進機に関する。

（従来の技術） 従来トンネルを掘削するシールド掘進機は，シールド
本体の前部にカッタモータにより回転されるカッタヘッ
ドが設けられていて，このカッタヘッドによりシールド
本体前方の切羽を掘削するようになっており，カッタヘ
ッドで掘削された土砂はシールド本体前部のチャンバ内
へ取込まれた後スクリュウコンベヤなどの排土装置によ
りチャンバ内より搬出されるようになっている。

またシールド掘進機が岩盤層などを掘削する場合は，
チャンバ内にホッパを設けて，カッタヘッドが掘削した
岩石やズリをこのホッパ内へ収容した後排土装置により
搬出しており，ホッパはスクリュウコンベヤのケーシン
グやバルクヘッドを利用してチャンバ内に取付けてい
た。

（考案が解決しようとする課題） しかしシールド掘進機で断層破砕帯や軟弱地山などを
掘進する場合はホッパが不用となるため，従来ではチャ
ンバ内に作業員が入ってホッパを外しており，ホッパの
着脱作業に多くの工数を要して作業能率が悪いと共に，
作業に危険が伴うなどの不具合があった。

また掘進中に地質が変化したような場合，ホッパの脱
着ができないため，予想外の地質の変化に対応できない
などの不具合があった。

この考案は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で，チャンバ内へ出入れ自在なリトラクタブルホッパを
設けたシールド掘進機を提供して，ホッパの脱着を必要
とせずに広範囲な地質に対応できるようにしたものであ
る。

（課題を解決するための手段及び作用） この考案は上記目的を達成するために，シールド本体
の前部に設けられたカッタヘッドにより掘削されてチャ
ンバ内に取込まれた土砂を，排土装置によりチャンバ内
より搬出するようにしたシールド掘進機において，上記
シールド本体の前部に，ホッパスライドジャッキにより
先端部がチャンバ内へ出し入れ自在なリトラクタブルホ
ッパを設け，かつこのリトラクタブルホッパに収容され
た岩石などを排土装置によりチャンバ内より搬出するよ
うにしたもので，掘進する地質が断層破砕帯や軟弱地山
などの場合は，上記リトラクタブルホッパをチャンバ内
より後退させることにより，土砂の搬出能率を低下させ
ることなく土砂の搬出を可能にしたものである。

（実施例） この考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

図において１はシールド本体,2は該シールド本体１の
前部に設けられたカッタヘッドで，シールド本体１内に
設けられたカッタヘッドサポート1aに軸受け３を介して
回転自在に支承されている。４は上記カッタヘッド２を
回転するカッタヘッドモータ,5はカッタヘッド２の前面
に取付けられた多数のディスクカッタを示す。

上記カッタヘッド２の回転によりディスクカッタ５に
より掘削された土砂や岩石は，土砂取込み口2aよりチャ
ンバ1b内へ取込まれた後，カッタヘッド２の内側に設け
られたバケット2bにより掻き上げられ，リトラクタブル
ホッパ６の開口部6aへ落下されるようになっている。

上記リトラクタブルホッパ６は筒状に形成されてい
て，カッタヘッドサポート1aに設けられたガイド筒1c内
に前後摺動自在に収容されており，リトラクタブルホッ
パ６とガイド筒1cの間には水などの侵入を阻止するシー
ル７が介在させれている。

また上記リトラクタブルホッパ６の前端側上半分は切
欠されていて，バケット2bより落下される岩石などが効
率よく収容できるようになっていると共に，リトラクタ
ブルホッパ６のほぼ中間部には隔壁6bが設けられてい
て，この隔壁6bとカッタヘッドサポート1aより後方へ向
けて突設されたジャッキサポート９の間にホッパスライ
ドジャッキ10が横架され，このホッパスライドジャッキ
10によりリトラクタブルホッパ６をチャンバ1b内へ出入
れできるようになっている。

一方図中11はスクリュウコンベヤよりなる排土装置
で，ケーシング11aの前端がリトラクタブルホッパ６の
隔壁6bを貫通してチャンバ1b内へ突出されている。

上記ケーシング11aの一部は隔壁6bに固着されてい
て，リトラクタブルホッパ６の進退動とともに排土装置
11もシールド本体１内で進退動されると共に，リトラク
タブルホッパ６よりケーシング11a内へ取込まれた岩石
などはケーシング11a内に設けられたスクリュウ11bによ
り搬出され，さらに排土装置11の後端に接続された別の
排土装置（図示せず）によりシールド本体１の後方へ搬
出されるようになっている。

なお図中13はチャンバ1b内へ入るためのマンホール
で，平時はカバー14により閉鎖されている。

次に作用を説明すると，岩盤層などを掘削する場合は
ホッパスライドジャッキ10によりリトラクタブルホッパ
６を第１図に示す位置まで前進させ掘進する。

屈進に伴いカッタヘッド２で掘削された岩石は土砂取
込み口2aよりチャンバ1b内へ取込まれた後カッタヘッド
２の回転に伴いバケット2bで掻き上げられリトラクタブ
ルホッパ６の開口部6a内へ落下される。

そして排土装置11によりチャンバ1b内より搬出され
る。

一方掘進中断層破砕層や軟弱地山へ突出したり，はじ
めから断層破砕層や軟弱地山を掘削する場合は，ホッパ
スライドジャッキ10によりリトラクタブルホッパ６を後
退させ，リトラクタブルホッパ６の先端をチャンバ1b内
より退入させる。

そしてこの状態で掘進することにより，チャンバ1b内
へ取込まれた土砂は排土装置11によりチャンバ1bより搬
出されるほか，チャンバ1b内にリトラクタブルホッパ６
が突出されていないので，土砂の流動が阻害されたり，
リトラクタブルホッパ６に土砂が付着することなく効率
よく土砂の搬出が行えるようになる。

なお上記実施例ではリトラクタブルホッパ６に排土装
置11が固着されているため，リトラクタブルホッパ６を
後退させると排土装置11も後退されて土砂の取込み性能
が低下することがある。

そこでリトラクタブルホッパ６と排土装置11の間を予
め摺動自在な構成とすることにより，リトラクタブルホ
ッパ６のみを進退動できるようにして土砂の取込み性能
が低下しないようにしてもよい。

（考案の効果） この考案は以上詳述したように，シールド本体の前部
にチャンバ内へ出入れ自在なリトラクタブルホッパを設
けて，岩盤層を掘進する際，このリトラクタブルホッパ
により岩石やズリを排土装置の開口部へ集めるようにし
たことから，掘削した岩石などの搬出が能率よく行える
ようになる。

また断層破砕帯や軟弱地山を掘進する場合は，リトラ
クタブルホッパをチャンバ内より後退させることによ
り，チャンバ内での土砂の流動が良好となるため，土砂
の搬出が効率よく行えると共に，従来のようにチャンバ
内へ作業者が入ってホッパを脱着する作業を必要としな
いので，段取り時間が大幅に短縮でき，かつ安全性も向
上する。

しかも掘進中でもリトラクタブルホッパの出入れがで
きるため，急激な地質の変化にも対応することができる
ようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し，第１図はシールド本
体の断面図，第２図は第１図II-II線に沿う断面図であ
る。 １……シールド本体、1b……チャンバ、２……カッタヘ
ッド、６……リトラクタブルホッパ、10……ホッパスラ
イドジャッキ、11……排土装置

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−51398（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−47199（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−160692（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シールド本体１の前部に設けられたカッタ
   ヘッド２により掘削されてチャンバ1b内に取込まれた土
   砂を，排土装置11によりチャンバ1b内より搬出するよう
   にしたシールド掘進機において，上記シールド本体１の
   前部に，ホッパスライドジャッキ10により先端部がチャ
   ンバ1b内へ出し入れ自在なリトラクタブルホッパ６を設
   け，かつリトラクタブルホッパ６内に収容された岩石な
   どを排土装置11により搬出するようにしてなるシールド
   掘進機。