JP2507202B2 - ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体

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JP2507202B2
JP2507202B2 JP3201852A JP20185291A JP2507202B2 JP 2507202 B2 JP2507202 B2 JP 2507202B2 JP 3201852 A JP3201852 A JP 3201852A JP 20185291 A JP20185291 A JP 20185291A JP 2507202 B2 JP2507202 B2 JP 2507202B2
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foaming
sheet
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博文 井上
俊弘 新井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
架橋発泡体に関し、さらに詳しくは、発泡シートの流れ
方向と幅方向との物性差が少なく、熱成形時のドローダ
ウンが抑制され、成形加工性に優れたポリオレフィン系
樹脂架橋発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィン系樹脂架橋発
泡体は、断熱材、クッション材、雑貨などの広範な用途
に使用されており、最近では、自動車などの車両用内装
材として、天井、ドア、インストルメントパネル等の断
熱材として汎用されている。
【0003】これらの断熱材等は、一般に、シート状の
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体(発泡シート)を真空
成形や圧空成形などの熱成形法により所定形状に加工し
て、製品化されている。
【0004】熱成形法は、一般に、発泡シートを加熱す
る工程、これを真空または圧縮空気の力ないしは金型に
挟んで成形する工程、これを冷却する工程、および成形
品から余分な箇所を切断する工程から成っている。発泡
シートを加熱する工程では、クランプ間で保持した発泡
シートを加熱して軟化させるが、この加熱時に発泡シー
トの自重による垂れ下がり現象(ドローダウン)が生じ
る。ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体によっては、この
ドローダウンが激しく、成形できないか、あるいは成形
品にしわが生じたり、肉厚が不均一となって商品価値が
損なわれる場合がある。
【0005】一方、最近、複雑で深い形状の発泡体成形
品が要求されるようになり、高度の深絞り成形が必要と
なっている。ところが、深絞り成形のためには、発泡シ
ートをかなりの高温にまで加熱しなければならないが、
その結果、ドローダウンがより激しくなり、熱成形が一
層困難となっている。
【0006】また、ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
は、ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発泡剤を含有
する樹脂組成物を該発泡剤の分解温度未満の温度で発泡
性樹脂組成物シートに成形し、ついで架橋した後、加熱
発泡させる。発泡方法には、塩浴発泡、横型熱風発泡、
竪型熱風発泡等があるが、これらの発泡工程の管理は、
主として発泡倍率や発泡前シート(発泡性樹脂組成物シ
ート)の厚み、幅等の設計、発泡温度等について行なわ
れているに過ぎない。従って、発泡体の流れ方向(M
D)と幅方向(TD)で物性に差が生じることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発泡
体の方向による基本物性の差、および熱成形時のドロー
ダウンが最小限に抑制され、成形加工性が改善されたオ
レフィン系樹脂架橋発泡体を提供することにある。
【0008】本発明者らは、従来技術の有する問題点を
克服するために鋭意研究した結果、発泡終点近傍の発泡
シートを少なくとも1方向に延伸するとともに、発泡倍
率と発泡前後のシートの厚み、幅および長さとの関係が
一定の範囲内になるように制御することにより、発泡体
の流れ方向(MD)と幅方向(TD)での物性の差が少
なく、ドローダウンが大幅に抑制された発泡シートの得
られることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリオ
レフィン系樹脂および熱分解型発泡剤を含有する発泡性
樹脂組成物シートを架橋し、加熱発泡して得られる架橋
発泡体において、該発泡体が少なくとも1方向に延伸さ
れ、かつ、下記式〔1〕ないし〔4〕により発泡倍率と
発泡前後のシートの厚み、幅および長さとの関係を規定
した場合、定数A、BおよびCが次の関係を満足するこ
とを特徴とするポリオレフィン系樹脂架橋発泡体が提供
される。
【0010】0.5≦A<1.0 0.5≦B<1.0 1.1≦C<2.5 式〔1〕 H=(T2/T1)×(W2/W1)×(L2/L1) 式〔2〕 T2/T1=A×3√H 式〔3〕 W2/W1=B×3√H 式〔4〕 L2/L1=C×3√H ただし、A×B×C=1 また、各記号の意味は下記の通りである。 H :発泡倍率 T1:発泡前シートの厚味 T2:発泡シートの厚味 W1:発泡前シートの幅 W2:発泡シートの幅 L1:発泡前シートの長さ L2:発泡シートの長さ
【0011】以下、本発明について詳述する。ポリオレ
フィン系樹脂架橋発泡体の製造工程では、先ず、ポリオ
レフィン系樹脂に熱分解型発泡剤、その他必要に応じて
抗酸化剤、架橋助剤、顔料などを配合し、発泡剤の分解
する温度未満の温度で溶融混練して、押出機等(単軸押
出機、2軸押出機、加圧ニーダー等)でシート状に成形
する。
【0012】得られた発泡性シートは、電離性放射線
(α線、β線、γ線、電子線等)を照射し架橋させる。
架橋は、有機過酸化物による化学架橋法、あるいはビニ
ルトリメトキシシラン等を樹脂にグラフトまたは共重合
させ、水架橋する方法などを採用してもよい。
【0013】架橋した発泡性シートは、発泡剤の分解温
度以上に加熱して発泡させる。発泡法には、熱風循環式
の竪型発泡炉や横型発泡炉を用いて、発泡炉中の予熱領
域および発泡領域を通過させる方法、あるいは塩浴法な
ど各種の方法がある。
【0014】本発明においては、加熱発泡された発泡シ
ートは、少なくとも1方向に延伸処理を行なう。延伸処
理法としては、発泡終点近傍で所定の幅になるようにシ
ート幅を拡大する(拡幅工程)方法が挙げられる。
【0015】発泡シートを拡幅するには、例えば、発泡
シートの両端部を吸引式ガイダーで吸引する方法、発泡
シートの両端部をテンターで引っ張る方法、円形ガイダ
ーやロール式ガイダーにより発泡シート幅方向外方へ接
触摩擦力を付与する方法などが挙げられる。この拡幅処
理は、1段または多段に行なうことができる。また、1
段目の拡幅処理後に発泡シートの温度を低下させてか
ら、2段目の拡幅処理を行なってもよい。
【0016】また、延伸処理としては、発泡シートの引
き取りに際し、ロール間の速度を変えることにより、流
れ方向に延伸させる方法がある。さらに、これらの方法
を組み合わせることもできる。
【0017】このような延伸処理により、発泡シート
は、完全な自由発泡(縦方向、横方向、厚み方向に対し
て全く延伸処理がなされない発泡)に対して、少なくと
も1方向に延伸される。
【0018】本発明においては、このような延伸処理を
行なうことにより、発泡シートが、前記式〔1〕ないし
〔4〕により発泡倍率と発泡前後のシートの厚み、幅お
よび長さとの関係を規定した場合、定数A、BおよびC
が前記の関係を満足するように制御する。
【0019】なお、A×B×C≒1となる。また、L2
/L1は、発泡前シートの長さ方向に長さ50cm
(L1)の線をフェルトペン等で引き、発泡後にその線
の長さ(L2)を測り、その比から算出する。
【0020】定数A、BおよびCの内のいずれか1つで
も前記関係を満足しない場合には、発泡シートの長さ方
向と幅方向の物性の差が非常に大きくなり、また、熱成
形時の加熱工程において、発泡シートのドローダウンが
大きくなる。
【0021】その理由は、現段階では必ずしも明確では
ないが、前記条件を満足する発泡シートは、熱成形時の
加熱工程において、発泡シートが軟化点まで加熱された
場合、1種のアニーリングが生じ、発泡シートの自重に
よる垂れ下がり分が吸収されるためであると推定され
る。したがって、前記条件の1つでも満たされない場合
には、線膨張分を吸収しきれなかったり、長さ方向と、
幅方向の物性の差が非常に大きくなり、成形加工が極め
て困難となる。
【0022】これらの関係式を満足するように発泡工程
を管理するには、あらかじめ各発泡方法において、発泡
倍率、発泡前シートの厚みや幅、発泡温度等だけではな
く、延伸処理条件と発泡シートの前記関係式との関連性
について実験を行なっておくことが望ましい。
【0023】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(L
−LDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)等が上げられるが、特に限
定するものではない。
【0024】熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボン
アミド(ADCA)、オキシベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が挙げら
れ、その添加量は所望の発泡倍率によって適宜調整され
るが、通常樹脂100重量部に対して2〜25重量部程
度である。
【0025】また、トリメチロールプロパントリメタク
リレート(TMP)などの架橋剤、難燃剤、着色剤、抗
酸化剤(フェノール系酸化防止剤など)、充填剤、発泡
助剤、滑剤等を所望により添加してもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0027】[実施例]表1に示す配合処方の樹脂組成
物を2軸押出機で押出し、幅400mm、厚み1.0m
mのシートを得た。このシートに表1で示す線量の電子
線を照射して架橋させた後、熱風循環式横型発泡炉中に
導入し、上下面からの熱風により約155℃にまで予熱
し、そこから発泡領域に移行させ、230℃の熱風によ
り加熱発泡させた。
【0028】発泡シートは、発泡炉に隣接して配置した
吸引式ガイダーで発泡シートの両端部を吸引した。発泡
倍率は、発泡剤の添加部数とヒーター加熱量で調整し、
巾は、吸引式ガイダーの位置により調整し、また、長さ
は、シートの供給、引取速度で調整した。結果を表2に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】<ドローダウンの評価>発泡体を70×7
0cmに切断してクランプで保持し、上下面からヒータ
ーにより表面温度が160℃になるまで加熱した。その
際、発泡体が自重により垂れ下がるが、発泡シートの中
央部の垂れ下がりの一番大きな箇所の垂れ下がり長さ
(mm)を測定した。その結果、垂れ下がり長さが10
mm以内を○、10mmを越える場合を×とした。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、発泡体の流れ方向によ
る物性差が小さく、ドローダウンの少ない、成形性に優
れた発泡体が提供される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発
    泡剤を含有する発泡性樹脂組成物シートを架橋し、加熱
    発泡して得られる架橋発泡体において、該発泡体が少な
    くとも1方向に延伸され、かつ、下記式〔1〕ないし
    〔4〕により発泡倍率と発泡前後のシートの厚み、幅お
    よび長さとの関係を規定した場合、定数A、BおよびC
    が次の関係を満足することを特徴とするポリオレフィン
    系樹脂架橋発泡体。 0.5≦A<1.0 0.5≦B<1.0 1.1≦C<2.5 式〔1〕 H=(T2/T1)×(W2/W1)×(L2/L1) 式〔2〕 T2/T1=A×3√H 式〔3〕 W2/W1=B×3√H 式〔4〕 L2/L1=C×3√H ただし、A×B×C=1 また、各記号の意味は下記の通りである。 H :発泡倍率 T1:発泡前シートの厚味 T2:発泡シートの厚味 W1:発泡前シートの幅 W2:発泡シートの幅 L1:発泡前シートの長さ L2:発泡シートの長さ
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57145130A (en) * 1981-03-03 1982-09-08 Furukawa Electric Co Ltd:The Heat-processable crosslinked polypropylene foam sheet
JPH0362832A (ja) * 1989-07-31 1991-03-18 Toray Ind Inc ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその加熱形成方法

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