JPH0248023B2 - - Google Patents
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- JPH0248023B2 JPH0248023B2 JP58161771A JP16177183A JPH0248023B2 JP H0248023 B2 JPH0248023 B2 JP H0248023B2 JP 58161771 A JP58161771 A JP 58161771A JP 16177183 A JP16177183 A JP 16177183A JP H0248023 B2 JPH0248023 B2 JP H0248023B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crosslinking
- foam
- foaming
- ethylene polymer
- acid amide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Molding Of Porous Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の背景
技術分野
本発明は、架橋エチレン重合体からなる発泡体
の製造法に関する。さらに具体的には、本発明
は、発泡体を構成する樹脂成分の一つとしてのエ
チレン重合体の側鎖に持たせた加水分解性シリル
基を介して水分との接触により架橋を行なわせる
ことからなる架橋発泡体の製造法に関する。
の製造法に関する。さらに具体的には、本発明
は、発泡体を構成する樹脂成分の一つとしてのエ
チレン重合体の側鎖に持たせた加水分解性シリル
基を介して水分との接触により架橋を行なわせる
ことからなる架橋発泡体の製造法に関する。
架橋エチレン重合体からなる発泡体の製造法に
ついては、従来から多数の技術が知られている。
ついては、従来から多数の技術が知られている。
そのような技術の一つは、エチレン重合体と発
泡剤との混合物に電離性放射線を照射することに
よつて架橋反応を生起させたのち、常圧下で加熱
して発泡させる方法である。別の代表的な方法と
して、有機過酸化物と熱分解型発泡剤とエチレン
重合体との混合物を使用発泡剤の分解温度以下で
しかも使用有機過酸化物の分解温度以上に加熱し
て架橋反応を生起させ、次いで常圧下で該発泡剤
の分解温度以上に加熱して発泡させる方法があ
る。
泡剤との混合物に電離性放射線を照射することに
よつて架橋反応を生起させたのち、常圧下で加熱
して発泡させる方法である。別の代表的な方法と
して、有機過酸化物と熱分解型発泡剤とエチレン
重合体との混合物を使用発泡剤の分解温度以下で
しかも使用有機過酸化物の分解温度以上に加熱し
て架橋反応を生起させ、次いで常圧下で該発泡剤
の分解温度以上に加熱して発泡させる方法があ
る。
これら公知技術はすでにエチレン重合体からな
る架橋発泡体の製造法として実用化されている
が、種々の問題点があつて完全に満足すべきもの
とはいえない。すなわち、放射線照射による方法
では特殊かつ高価な装置が必要であるうえ、放射
線が肉厚成形品たとえばシートの内部にまで達し
難いので均一な架橋が行なえないからである。一
方、過酸化物による架橋を行なう方法では、過酸
化物をエチレン重合体に加熱混練するときにすで
に架橋反応が始まつてしまい易く、そのためたと
えば発泡シートの製造の場合には良好に発泡成形
された原反シートの生産が困難である。
る架橋発泡体の製造法として実用化されている
が、種々の問題点があつて完全に満足すべきもの
とはいえない。すなわち、放射線照射による方法
では特殊かつ高価な装置が必要であるうえ、放射
線が肉厚成形品たとえばシートの内部にまで達し
難いので均一な架橋が行なえないからである。一
方、過酸化物による架橋を行なう方法では、過酸
化物をエチレン重合体に加熱混練するときにすで
に架橋反応が始まつてしまい易く、そのためたと
えば発泡シートの製造の場合には良好に発泡成形
された原反シートの生産が困難である。
このような電離放射線の照射あるいは有機過酸
化物の加熱分解による架橋法の外に、発泡体を構
成すべきエチレン重合体それ自身を加水分解性シ
リル側鎖の導入によつて架橋可能として、そのシ
リル基の加水分解によつて架橋を行なわせる方法
が知られている。すなわち、エチレン性不飽和シ
ラン化合物をランダム共重合またはグラフト共重
合によつて共重合されたエチレン重合体(以下、
シリル化エチレン重合体ということがある)と熱
分解型発泡剤と架橋触媒とからなる組成物を混練
してシートその他に成形し、これを水分と接触さ
せて架橋反応を生起させたのち、常圧下で使用発
泡剤の分解温度以上に加熱して発泡を行なわせる
方法である。
化物の加熱分解による架橋法の外に、発泡体を構
成すべきエチレン重合体それ自身を加水分解性シ
リル側鎖の導入によつて架橋可能として、そのシ
リル基の加水分解によつて架橋を行なわせる方法
が知られている。すなわち、エチレン性不飽和シ
ラン化合物をランダム共重合またはグラフト共重
合によつて共重合されたエチレン重合体(以下、
シリル化エチレン重合体ということがある)と熱
分解型発泡剤と架橋触媒とからなる組成物を混練
してシートその他に成形し、これを水分と接触さ
せて架橋反応を生起させたのち、常圧下で使用発
泡剤の分解温度以上に加熱して発泡を行なわせる
方法である。
しかし、この方法もまた、前記の諸方法と同様
に、発泡性成形体たとえばシートの形成工程と発
泡工程とが分れており、また架橋工程も充分な高
温の印加のもとに実施できないため迅速な処理が
行なえないこともあつて、いずれにしても非能率
であるといわざるを得ない。
に、発泡性成形体たとえばシートの形成工程と発
泡工程とが分れており、また架橋工程も充分な高
温の印加のもとに実施できないため迅速な処理が
行なえないこともあつて、いずれにしても非能率
であるといわざるを得ない。
上記した従来の諸方法に共通して存在する問題
点は、製品発泡体を長時間にわたつて高温にさら
したときに大きく収縮しやすいということであ
る。これは発泡を架橋後に行なうことに起因す
る、所謂「記憶効果」によるものである。
点は、製品発泡体を長時間にわたつて高温にさら
したときに大きく収縮しやすいということであ
る。これは発泡を架橋後に行なうことに起因す
る、所謂「記憶効果」によるものである。
一方、発泡性成形体(たとえばシート)の形成
および発泡を一工程で行なう方法として、熱可塑
性樹脂と発泡剤とを混練して低圧帯域へ押出して
発泡成形体を得る方法も公知である。得られた発
泡体に前記の架橋手段を適用すれば、少なくとも
上記の記憶効果による問題点は解決されるであろ
う。
および発泡を一工程で行なう方法として、熱可塑
性樹脂と発泡剤とを混練して低圧帯域へ押出して
発泡成形体を得る方法も公知である。得られた発
泡体に前記の架橋手段を適用すれば、少なくとも
上記の記憶効果による問題点は解決されるであろ
う。
この発泡方法を架橋触媒を混練したシリル化エ
チレン重合体組成物(架橋触媒はシリル化エチレ
ン重合体組成物に混練しないで、発泡成形体を水
と接触させるときに架橋触媒を同時に接触させる
ことによつてその触媒作用を発現させることもで
きるが、混練時に組成物に加える方が簡便である
ことはいうまでもない。)に適用して架橋発泡体
を得ようとする場合は、発泡後の成形体に水分と
の接触による架橋(以下、水架橋ということがあ
る)を行なわせざるを得ないところ、シリル化エ
チレン重合体は本質的に疎水性であるため水分の
吸収速度が遅く、従つて非常に長い架橋時間が必
要である。この点はシリル化重合体を押出機中で
水分と接触させることによつて解決できるように
みえようが、その場合は押出機中で架橋反応の進
んだものに剪断力を印加することになるので、分
子鎖の切断や発熱を惹起すること等のため、良好
な発泡押出がなされない。特に、架橋度の高いも
のや高倍率発泡体を得ようとするときは、この押
出機内架橋は著しく不都合である。
チレン重合体組成物(架橋触媒はシリル化エチレ
ン重合体組成物に混練しないで、発泡成形体を水
と接触させるときに架橋触媒を同時に接触させる
ことによつてその触媒作用を発現させることもで
きるが、混練時に組成物に加える方が簡便である
ことはいうまでもない。)に適用して架橋発泡体
を得ようとする場合は、発泡後の成形体に水分と
の接触による架橋(以下、水架橋ということがあ
る)を行なわせざるを得ないところ、シリル化エ
チレン重合体は本質的に疎水性であるため水分の
吸収速度が遅く、従つて非常に長い架橋時間が必
要である。この点はシリル化重合体を押出機中で
水分と接触させることによつて解決できるように
みえようが、その場合は押出機中で架橋反応の進
んだものに剪断力を印加することになるので、分
子鎖の切断や発熱を惹起すること等のため、良好
な発泡押出がなされない。特に、架橋度の高いも
のや高倍率発泡体を得ようとするときは、この押
出機内架橋は著しく不都合である。
また、一般に、発泡剤含有樹脂組成物を混練押
出しして発泡体を製造する場合には、押出後の発
泡体が収縮し易くかつ熟成による寸法回復が遅い
という問題がある。収縮後の回復が遅いといる問
題は、シリル化エチレン重合体組成物の場合に特
に顕著である。すなわち、熟成は収縮した発泡体
を加熱空気中に置くことによつて行なわれるとこ
ろ、架橋触媒を予じめ組成物中に含ませてある場
合は加熱空気中の水分により架橋反応が進行し、
また架橋触媒を発泡体に接触させる場合は時間短
縮のため熟成前から発泡体に架橋触媒を塗布する
ことになつて、やはり熟成工程で架橋反応が進行
し、しかも加熱条件下にあるため架橋反応が過度
に進行して寸法回復に悪影響を及ぼし易いからで
ある。熟成条件を十分コントロールすればこの問
題はある程度回避できるけれども、収縮からの回
復が不十分であれば、所期の発泡倍率が得られな
いことになるのはいうまでもない。
出しして発泡体を製造する場合には、押出後の発
泡体が収縮し易くかつ熟成による寸法回復が遅い
という問題がある。収縮後の回復が遅いといる問
題は、シリル化エチレン重合体組成物の場合に特
に顕著である。すなわち、熟成は収縮した発泡体
を加熱空気中に置くことによつて行なわれるとこ
ろ、架橋触媒を予じめ組成物中に含ませてある場
合は加熱空気中の水分により架橋反応が進行し、
また架橋触媒を発泡体に接触させる場合は時間短
縮のため熟成前から発泡体に架橋触媒を塗布する
ことになつて、やはり熟成工程で架橋反応が進行
し、しかも加熱条件下にあるため架橋反応が過度
に進行して寸法回復に悪影響を及ぼし易いからで
ある。熟成条件を十分コントロールすればこの問
題はある程度回避できるけれども、収縮からの回
復が不十分であれば、所期の発泡倍率が得られな
いことになるのはいうまでもない。
ところで、発泡性樹脂組成物を混練押出しして
発泡させる場合に、この組成物にある種の界面活
性剤を添加して発泡状態を制御することあるいは
寸法回復を促進することが知られている。しか
し、樹脂がシリル化エチレン重合体の場合は、こ
れらの界面活性剤では、架橋触媒配合組成物に添
加して混練押出しすると異常な発泡体が生成する
ことがわかつた。すなわち、水酸基を含有する界
面活性剤たとえばステアリン酸モノグリセライド
を添加した場合には、前記した水と共に混練押出
しした場合と同じような不満足な発泡体しか得ら
れないのである。
発泡させる場合に、この組成物にある種の界面活
性剤を添加して発泡状態を制御することあるいは
寸法回復を促進することが知られている。しか
し、樹脂がシリル化エチレン重合体の場合は、こ
れらの界面活性剤では、架橋触媒配合組成物に添
加して混練押出しすると異常な発泡体が生成する
ことがわかつた。すなわち、水酸基を含有する界
面活性剤たとえばステアリン酸モノグリセライド
を添加した場合には、前記した水と共に混練押出
しした場合と同じような不満足な発泡体しか得ら
れないのである。
〔〕 発明の概要
要 旨
本発明は上記の点に解決を与えることを目的と
し、シリル化エチレン重合体組成物に特定の物質
と発泡剤とを組合せて発泡を行なつたのち、水分
と接触させて架橋を行なわせることによつてこの
目的を達成しようとするものである。
し、シリル化エチレン重合体組成物に特定の物質
と発泡剤とを組合せて発泡を行なつたのち、水分
と接触させて架橋を行なわせることによつてこの
目的を達成しようとするものである。
従つて、本発明による架橋発泡体の製造法は、
水分との接触により架橋部位を与えるべき架橋性
エチレン重合体を含むポリエチレン樹脂に発泡剤
と水酸基不含脂肪酸アミドとを混合して加圧下に
混練し、これを低圧域へ押出して発泡押出物を形
成させ、次いでこの発泡押出物をシラノール縮合
触媒の存在下に水と接触させて架橋反応を進行さ
せることを特徴とするものである。
水分との接触により架橋部位を与えるべき架橋性
エチレン重合体を含むポリエチレン樹脂に発泡剤
と水酸基不含脂肪酸アミドとを混合して加圧下に
混練し、これを低圧域へ押出して発泡押出物を形
成させ、次いでこの発泡押出物をシラノール縮合
触媒の存在下に水と接触させて架橋反応を進行さ
せることを特徴とするものである。
効 果
このように本発明では水酸基不含脂肪酸アミド
を含む発泡性組成物を押出発泡させる点に重要な
特徴を有するが、脂肪酸アミドの配合によつて、
いくつかの効果が実現される。
を含む発泡性組成物を押出発泡させる点に重要な
特徴を有するが、脂肪酸アミドの配合によつて、
いくつかの効果が実現される。
すなわち、その一つは、押出直後の発泡体の収
縮抑制と収縮からの早期回復、である。この効果
は、特定の発泡剤(詳細後記)を使用した場合に
特に顕著である。
縮抑制と収縮からの早期回復、である。この効果
は、特定の発泡剤(詳細後記)を使用した場合に
特に顕著である。
この効果の他の一つは、発泡体外面から接触す
ることになる水または水および架橋触媒の発泡体
内部すなわち樹脂マトリツクスへ浸透が容易にな
つて、架橋速度が向上するということである。し
かも、本発明者らの観察したところによれば、架
橋速度の向上は予想以上に大きい。なお、架橋速
度が大きいということは、有限の熟成期間内での
ゲル分率達成度が大きいということを意味する。
ることになる水または水および架橋触媒の発泡体
内部すなわち樹脂マトリツクスへ浸透が容易にな
つて、架橋速度が向上するということである。し
かも、本発明者らの観察したところによれば、架
橋速度の向上は予想以上に大きい。なお、架橋速
度が大きいということは、有限の熟成期間内での
ゲル分率達成度が大きいということを意味する。
この両効果は、本発明の好ましい実施態様にお
いて特に有利に作用する。すなわち、本発明の好
ましい実施態様では熟成工程に付す発泡体の架橋
触媒および水を接触させておいて同工程と架橋工
程とを同時に実施するが、このような実施態様で
は本発明に従つて脂肪酸アミドを配合しておく
と、寸法回復速度と架橋速度が釣合つて、脂肪酸
アミド不含の場合に認められた問題点、すなわち
回復にくらべて架橋反応が先行しすぎると回復速
度が一層低下して、場合によつては実用的な回復
機能を失なつてしまうので、熟成工程(架橋工程
でもある)での温度および水分を慎重に制御しな
ければならないこと、ならびにそれでもなお製品
品質にバラつきが生じ易いこと、が回避される。
いて特に有利に作用する。すなわち、本発明の好
ましい実施態様では熟成工程に付す発泡体の架橋
触媒および水を接触させておいて同工程と架橋工
程とを同時に実施するが、このような実施態様で
は本発明に従つて脂肪酸アミドを配合しておく
と、寸法回復速度と架橋速度が釣合つて、脂肪酸
アミド不含の場合に認められた問題点、すなわち
回復にくらべて架橋反応が先行しすぎると回復速
度が一層低下して、場合によつては実用的な回復
機能を失なつてしまうので、熟成工程(架橋工程
でもある)での温度および水分を慎重に制御しな
ければならないこと、ならびにそれでもなお製品
品質にバラつきが生じ易いこと、が回避される。
上記の効果は脂肪酸アミドに個有なものと解さ
れるが、この脂肪酸アミドはシリル基と反応する
水酸基を持たないものであるので、これをシリル
化エチレン重合体組成物に配合してもシリル基と
の反応は実質的に生起せず、従つて押出発泡成形
すべき発泡性組成物中に予じめ架橋触媒を配合し
ておくと否とにかゝわらず、架橋等の反応により
発泡成形に不都合が生じることあるいは最終製品
の架橋度が低下してしまうこと等は認められな
い。
れるが、この脂肪酸アミドはシリル基と反応する
水酸基を持たないものであるので、これをシリル
化エチレン重合体組成物に配合してもシリル基と
の反応は実質的に生起せず、従つて押出発泡成形
すべき発泡性組成物中に予じめ架橋触媒を配合し
ておくと否とにかゝわらず、架橋等の反応により
発泡成形に不都合が生じることあるいは最終製品
の架橋度が低下してしまうこと等は認められな
い。
なお、脂肪酸アミドはスリツプ剤あるいはアン
チブロツキング剤として使用しうるものが多いか
ら、本発明によつて得られる発泡体は滑生化処理
されたものとなることがふつうである。
チブロツキング剤として使用しうるものが多いか
ら、本発明によつて得られる発泡体は滑生化処理
されたものとなることがふつうである。
〔〕 発明の具体的説明
本発明方法は、シリル化エチレン重合体を含む
ポリエチレン樹脂に発泡剤と脂肪酸アミドと場合
によつて架橋触媒とを添加して発泡押出物を形成
させる工程とこの発泡押出物を水とあるいは場合
によつて水および架橋触媒と接触させて架橋を進
行させる工程とからなるものである。
ポリエチレン樹脂に発泡剤と脂肪酸アミドと場合
によつて架橋触媒とを添加して発泡押出物を形成
させる工程とこの発泡押出物を水とあるいは場合
によつて水および架橋触媒と接触させて架橋を進
行させる工程とからなるものである。
1 ポリエチレン樹脂
上記のように、このポリエチレン樹脂はシリ
ル化エチレン重合体を含むものである。ここで
「含む」ということは、シリル化エチレン重合
体のみからなる場合の外に、シリル化エチレン
重合体と両立性の樹脂材料、発泡助剤、核剤、
充填剤、滑剤、その他熱可塑性樹脂組成物に使
用することができる補助成分を含む混合物をも
包含するものである。この「ポリエチレン樹
脂」は、本発明の趣旨からいつて、シラノール
縮合触媒を含む場合を包含するものである(詳
細後記)。
ル化エチレン重合体を含むものである。ここで
「含む」ということは、シリル化エチレン重合
体のみからなる場合の外に、シリル化エチレン
重合体と両立性の樹脂材料、発泡助剤、核剤、
充填剤、滑剤、その他熱可塑性樹脂組成物に使
用することができる補助成分を含む混合物をも
包含するものである。この「ポリエチレン樹
脂」は、本発明の趣旨からいつて、シラノール
縮合触媒を含む場合を包含するものである(詳
細後記)。
「ポリエチレン樹脂」中のシリル化エチレン
重合体の含量は100〜5重量%程度であるが、
この含量は製品発泡体のゲル含量が5〜95%程
度となるように選ぶべきである。
重合体の含量は100〜5重量%程度であるが、
この含量は製品発泡体のゲル含量が5〜95%程
度となるように選ぶべきである。
(1) シリル化エチレン重合体
(1) 種類
シリル化エチレン重合体、すなわち「水
分との接触により架橋部位を与えるべきシ
リル基を側鎖に有する架橋性エチレン重合
体」、の一群はエチレンと不飽和シラン化
合物とのランダム共重合体であり、他の一
群はエチレン重合体と不飽和シラン化合物
との共重合体、すなわちグラフト共重合
体、である。
分との接触により架橋部位を与えるべきシ
リル基を側鎖に有する架橋性エチレン重合
体」、の一群はエチレンと不飽和シラン化
合物とのランダム共重合体であり、他の一
群はエチレン重合体と不飽和シラン化合物
との共重合体、すなわちグラフト共重合
体、である。
これらのいずれの共重合体であつても、
一般に共重合反応の特性からいつて、また
具体的にはエチレン(ランダム共重合の場
合)またはエチレン重合体(グラフト共重
合の場合)に比べて不飽和シラン化合物は
少量である(詳細後記)ことから、共重合
体中の重合体分子のすべてがシリル基を有
するものであるか否かは不明であり、また
それを確認する実益もない。従つて、本発
明で使用するシリル化エチレン重合体は、
不飽和シラン化合物を共単量体とする所定
ランダムないしグラフト共重合反応によつ
て得られた重合体生成物、として理解すべ
きである。
一般に共重合反応の特性からいつて、また
具体的にはエチレン(ランダム共重合の場
合)またはエチレン重合体(グラフト共重
合の場合)に比べて不飽和シラン化合物は
少量である(詳細後記)ことから、共重合
体中の重合体分子のすべてがシリル基を有
するものであるか否かは不明であり、また
それを確認する実益もない。従つて、本発
明で使用するシリル化エチレン重合体は、
不飽和シラン化合物を共単量体とする所定
ランダムないしグラフト共重合反応によつ
て得られた重合体生成物、として理解すべ
きである。
臭気が少ないこと、架橋後も熱融着が可
能であること、架橋速度が大きいこと、そ
の他からランダム共重合体が好ましい。
能であること、架橋速度が大きいこと、そ
の他からランダム共重合体が好ましい。
(2) エチレン重合体部分
いずれの共重合体であつても「エチレン
重合体」という用語はエチレン単独重合体
およびエチレンを主成分とする共重合体な
らびにこれらの混合物のいずれをも意味す
るものである。エチレン共重合体の場合の
共単量体としては、エチレンと共重合可能
な任意のものがありうる。具体的には、た
とえば、エチレン以外のα−オレフインた
とえばプロピレン、ヘキセン−1、4−メ
チルベンテン−1、酢酸ビニル、(メタ)
アクリル酸ないしその塩、(メタ)アクリ
ル酸エステル、塩化ビニル、その他がある
(「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸お
よびメタクリル酸のいずれとも指称するも
のとする)。
重合体」という用語はエチレン単独重合体
およびエチレンを主成分とする共重合体な
らびにこれらの混合物のいずれをも意味す
るものである。エチレン共重合体の場合の
共単量体としては、エチレンと共重合可能
な任意のものがありうる。具体的には、た
とえば、エチレン以外のα−オレフインた
とえばプロピレン、ヘキセン−1、4−メ
チルベンテン−1、酢酸ビニル、(メタ)
アクリル酸ないしその塩、(メタ)アクリ
ル酸エステル、塩化ビニル、その他がある
(「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸お
よびメタクリル酸のいずれとも指称するも
のとする)。
なお、ここでエチレン重合体部分という
のは、グラフト共重合体の場合は幹重合体
のこととなる。
のは、グラフト共重合体の場合は幹重合体
のこととなる。
(3) シリル基源
このようなエチレン重合体にシリル基を
導入するための不飽和シラン化合物として
は、下式で表わされるものがある。
導入するための不飽和シラン化合物として
は、下式で表わされるものがある。
RSiR′oY3-o
(こゝで、Rはエチレン性不飽和ヒドロカ
ルビルまたはヒドロカルビルオキシ基、
R′は脂肪族飽和ヒドロカルビル基、Yは
加水分解可能な有機基、nは0または1ま
たは2を表わす。Yが複数個あるときは、
それぞれ同一でなくてもよい。) この不飽和シラン化合物の具体例は、R
がたとえば、ビニル、アリル、プロペニ
ル、ブテニル、シクロヘキセニル、γ−メ
タクリロキシプロピル、がメトキシ、エト
キシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロ
ピオノキシ、アルキルないしアリールアミ
ノ、R′がメチル、エチル、プロピル、デ
シル、フエニル等の各基のものである。特
に好ましい不飽和シラン化合物は、下式で
表わされるものである。
ルビルまたはヒドロカルビルオキシ基、
R′は脂肪族飽和ヒドロカルビル基、Yは
加水分解可能な有機基、nは0または1ま
たは2を表わす。Yが複数個あるときは、
それぞれ同一でなくてもよい。) この不飽和シラン化合物の具体例は、R
がたとえば、ビニル、アリル、プロペニ
ル、ブテニル、シクロヘキセニル、γ−メ
タクリロキシプロピル、がメトキシ、エト
キシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロ
ピオノキシ、アルキルないしアリールアミ
ノ、R′がメチル、エチル、プロピル、デ
シル、フエニル等の各基のものである。特
に好ましい不飽和シラン化合物は、下式で
表わされるものである。
CH2=CHSi(OA)3
(こゝで、Aは炭素数1〜8、好ましくは
1〜4、のヒドロカルビル基である) 最も好ましい化合物は、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
およびビニルトリアセトキシシランであ
る。
1〜4、のヒドロカルビル基である) 最も好ましい化合物は、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
およびビニルトリアセトキシシランであ
る。
(4) 重合
このような不飽和シラン化合物とエチレ
ン(および必要に応じて使用する共単量
体)とのランダム共重合体およびグラフト
共重合体は、合目的的な任意の方法に従つ
て製造することができる。
ン(および必要に応じて使用する共単量
体)とのランダム共重合体およびグラフト
共重合体は、合目的的な任意の方法に従つ
て製造することができる。
ランダム共重合体の製造法については、
たとえば、特開昭55−9611号公報を参照す
ることができる。グラフト共重合体の製造
法については、たとえば、特公昭48−1711
号公報を参照することができる。
たとえば、特開昭55−9611号公報を参照す
ることができる。グラフト共重合体の製造
法については、たとえば、特公昭48−1711
号公報を参照することができる。
(5) シリル基含量、MFRその他
ランダム共重合体であつてもグラフト共
重合体であつても、シリル化エチレン重合
体は、不飽和シラン化合物単位の含量が
0.01〜15%、好ましくは0.05〜5%、特に
好ましくは0.1〜2%(いずれも重量%)、
であるのが適当である。具体的な不飽和シ
ラン化合物単位の含量は、最終製品発泡体
のゲル分率が5〜95%となるように選ぶべ
きである。
重合体であつても、シリル化エチレン重合
体は、不飽和シラン化合物単位の含量が
0.01〜15%、好ましくは0.05〜5%、特に
好ましくは0.1〜2%(いずれも重量%)、
であるのが適当である。具体的な不飽和シ
ラン化合物単位の含量は、最終製品発泡体
のゲル分率が5〜95%となるように選ぶべ
きである。
シリル化エチレン重合体のMFRは、10
g/10分以下、特に5g/10分以下、程度
であることが好ましい。
g/10分以下、特に5g/10分以下、程度
であることが好ましい。
(2) 配合樹脂材料
必要に応じて配合される樹脂材料の一具体
例は、エチレン重合体である。これは、シリ
ル化エチレン重合体の「エチレン重合体」と
同様に定義されるものであつて、エチレンの
単独重合体およびエチレンを主成分とする共
重合体ならびにこれらの混合物のいずれをも
意味するものである。また、共重合体の場合
の共単量体の具体例も、シリル化エチレン重
合体について前記したものと同じである。
例は、エチレン重合体である。これは、シリ
ル化エチレン重合体の「エチレン重合体」と
同様に定義されるものであつて、エチレンの
単独重合体およびエチレンを主成分とする共
重合体ならびにこれらの混合物のいずれをも
意味するものである。また、共重合体の場合
の共単量体の具体例も、シリル化エチレン重
合体について前記したものと同じである。
このエチレン重合体の代表例の一つ(シリ
ル化エチレン重合体がグラフト共重合体であ
る場合の幹重合体の代表例の一つでもある)
は、低〜高密度ポリエチレンである。
ル化エチレン重合体がグラフト共重合体であ
る場合の幹重合体の代表例の一つでもある)
は、低〜高密度ポリエチレンである。
このエチレン重合体は、シリル化エチレン
重合体以外のエチレン重合体のみからなる必
要はない。従つて、このエチレン重合体は主
成分としてのエチレン重合体とこれと混和可
能な熱可塑性樹脂およびゴム、たとえば、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメタリル酸メチル、エチレン−プロ
ピレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジ
エンゴムなど、との混合物であつてもよい。
たゞし、混合物の場合は、その全重量中に占
めるエチレン単位が50重量%以上でなければ
ならない。
重合体以外のエチレン重合体のみからなる必
要はない。従つて、このエチレン重合体は主
成分としてのエチレン重合体とこれと混和可
能な熱可塑性樹脂およびゴム、たとえば、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリメタリル酸メチル、エチレン−プロ
ピレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジ
エンゴムなど、との混合物であつてもよい。
たゞし、混合物の場合は、その全重量中に占
めるエチレン単位が50重量%以上でなければ
ならない。
このエチレン重合体のMFRは、10g/10
分以下、特に5g/10分以下、程度であるこ
とが好ましい。
分以下、特に5g/10分以下、程度であるこ
とが好ましい。
(3) 発泡剤
混練押出によつて低圧域にもちきたされた
ときに発泡作用を示すものがいずれも使用可
能である。
ときに発泡作用を示すものがいずれも使用可
能である。
このような発泡剤の一群は易揮発生液体で
あり、他の一群は圧縮ガスである。前者の具
体例としてはプロパン、ブタン、ペンタン、
塩化メチル、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフロロメタン、1,2−ジク
ロロテトラフロロエタン等があり、後者の具
体例としては二酸化炭素、窒素等がある。こ
れらの物理発泡剤は、押出発泡において発泡
体の発泡倍率を10倍以上にするのに適してい
る。
あり、他の一群は圧縮ガスである。前者の具
体例としてはプロパン、ブタン、ペンタン、
塩化メチル、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフロロメタン、1,2−ジク
ロロテトラフロロエタン等があり、後者の具
体例としては二酸化炭素、窒素等がある。こ
れらの物理発泡剤は、押出発泡において発泡
体の発泡倍率を10倍以上にするのに適してい
る。
このような発泡剤のさらに他の一群は、混
練温度で分解してガスを発生する所謂化学発
泡剤である。具体的には、アゾジカルボンア
ミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、p,p′−オキシビスベンゼンスルホニル
ヒドラジド、N,N′−ジメチル−N,N′−
ジニトロソテレフタルアミド等がある。
練温度で分解してガスを発生する所謂化学発
泡剤である。具体的には、アゾジカルボンア
ミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、p,p′−オキシビスベンゼンスルホニル
ヒドラジド、N,N′−ジメチル−N,N′−
ジニトロソテレフタルアミド等がある。
本発明では、前者の物理発泡剤の方が好ま
しい。物理発泡剤としてはKB値60以上、沸
点10℃以下、分子量40以上の易揮発生物理発
泡剤が特に好ましい。
しい。物理発泡剤としてはKB値60以上、沸
点10℃以下、分子量40以上の易揮発生物理発
泡剤が特に好ましい。
(4) 脂肪酸アミド
本発明で使用する水酸基不含脂肪酸アミド
としては、下式で表わされるものが適当であ
る。
としては、下式で表わされるものが適当であ
る。
(RCO)nNR′o
ここで、Rは炭素数5〜21程度の脂肪族炭
化水素基、好ましくは飽和のもの、R′は水
素または炭素数1〜22の脂肪族炭化水素、好
ましくは飽和のもの、特に低級アルキル基で
あり、mは1〜3の整数、nは0〜2の整数
であつてm+n=3である。
化水素基、好ましくは飽和のもの、R′は水
素または炭素数1〜22の脂肪族炭化水素、好
ましくは飽和のもの、特に低級アルキル基で
あり、mは1〜3の整数、nは0〜2の整数
であつてm+n=3である。
このように脂肪酸アミドの具体例として
は、ステアリン酸アミド、ジステアリン酸ア
ミド、トリステアリン酸アミド、ラウリン酸
アミド、ジラウリン酸アミド、トリラウリン
酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、
N,N−ジメチルステアリン酸アミド、N−
エチルステアリン酸アミド、N,N−ジエチ
ルステアリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、ミリスチン酸アミド等が挙げられる。こ
れらは、併用することができる。これらの中
でも、ステアリン酸アミドおよびパルミチン
酸アミド、ラウリン酸アミドが特に有効であ
る。
は、ステアリン酸アミド、ジステアリン酸ア
ミド、トリステアリン酸アミド、ラウリン酸
アミド、ジラウリン酸アミド、トリラウリン
酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、
N,N−ジメチルステアリン酸アミド、N−
エチルステアリン酸アミド、N,N−ジエチ
ルステアリン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、ミリスチン酸アミド等が挙げられる。こ
れらは、併用することができる。これらの中
でも、ステアリン酸アミドおよびパルミチン
酸アミド、ラウリン酸アミドが特に有効であ
る。
脂肪酸アミドの使用量は、シリル化エチレ
ン重合体を含むポリエチレン樹脂の0.2〜10
%、好ましくは0.5〜5%、程度である。こ
の使用量は、これらの化合物の一部がプラス
チツクフイルムの製造において滑剤ないしは
アンチブロツキング剤等として使用されると
きよりもはるかに多い量である。
ン重合体を含むポリエチレン樹脂の0.2〜10
%、好ましくは0.5〜5%、程度である。こ
の使用量は、これらの化合物の一部がプラス
チツクフイルムの製造において滑剤ないしは
アンチブロツキング剤等として使用されると
きよりもはるかに多い量である。
従つて押出機ホツパーからの供給は難しく
シリンダー途中へ注入するのが便利である。
シリンダー途中へ注入するのが便利である。
(5) シラノール縮合触媒
シラノール縮合触媒の性能を有する多数の
化合物が知られており、本発明に於てはこれ
らのいずれの化合物も使用することができ
る。例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレ
ート、酢酸第一錫、カブリル酸第一錫、ナフ
テン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜
鉛、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸塩、
チタニウムキレート化合物、チタン酸アルキ
ル、ジルコン酸アルキル等の有機金属化合
物、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、ピリジン等の有機塩基、酢酸、オ
レイン酸、フタル酸、トルエンスルホン酸等
の有機酸、硫酸、塩酸等の無機酸をあげるこ
とができる。これらのうちでは、カルボン酸
塩が特に好ましい。
化合物が知られており、本発明に於てはこれ
らのいずれの化合物も使用することができ
る。例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレ
ート、酢酸第一錫、カブリル酸第一錫、ナフ
テン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜
鉛、ナフテン酸コバルト等のカルボン酸塩、
チタニウムキレート化合物、チタン酸アルキ
ル、ジルコン酸アルキル等の有機金属化合
物、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシ
ルアミン、ピリジン等の有機塩基、酢酸、オ
レイン酸、フタル酸、トルエンスルホン酸等
の有機酸、硫酸、塩酸等の無機酸をあげるこ
とができる。これらのうちでは、カルボン酸
塩が特に好ましい。
シラノール縮合触媒の使用量は、所与の触
媒について、後記実施例を参考にして実施者
が適当に決定すれば良い。一般的にいえば、
発泡押出体に対して0.001〜10重量%、好ま
しくは、0.01〜5重量%、最も好ましくは、
0.01〜3重量%、である。
媒について、後記実施例を参考にして実施者
が適当に決定すれば良い。一般的にいえば、
発泡押出体に対して0.001〜10重量%、好ま
しくは、0.01〜5重量%、最も好ましくは、
0.01〜3重量%、である。
(6) 補助成分
上記のような成分の外に、発泡押出体は各
種の補助成分を含んでもよい。
種の補助成分を含んでもよい。
そのような成分の一つは、発泡助剤であ
る。発泡助剤とはこの発泡性組成物を混練し
て低圧域に押出して発泡体を得るときに、発
泡のプロセスまたは発泡状態の改善に有効な
資料であり、具体的には、たとえば、タル
ク、微細ケイ酸カルシウム、ステアリン酸ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、微量の分解型有機または無機発泡剤(た
とえば、アゾジカルボンアミド、重炭酸ナト
リウム)等である。所謂「核剤」として知ら
れているものが一般に使用可能である。
る。発泡助剤とはこの発泡性組成物を混練し
て低圧域に押出して発泡体を得るときに、発
泡のプロセスまたは発泡状態の改善に有効な
資料であり、具体的には、たとえば、タル
ク、微細ケイ酸カルシウム、ステアリン酸ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、微量の分解型有機または無機発泡剤(た
とえば、アゾジカルボンアミド、重炭酸ナト
リウム)等である。所謂「核剤」として知ら
れているものが一般に使用可能である。
その他の補助成分としては、顔料、滑剤、
気泡調整剤、帯電防止剤、劣化防止剤、無機
充填剤、その他がある。
気泡調整剤、帯電防止剤、劣化防止剤、無機
充填剤、その他がある。
2 発泡押出物の形成
上記の成分(場合によつてはシラノール縮合
触媒を除く)を含む組成物を加圧下に混練し、
これを低圧帯域に押出すことによつて、発泡押
出物(実質的に未架橋)を得ることができる。
触媒を除く)を含む組成物を加圧下に混練し、
これを低圧帯域に押出すことによつて、発泡押
出物(実質的に未架橋)を得ることができる。
発泡性熱可塑性樹脂の加圧加熱混練および低
圧帯域への押出はそれ自身公知であり、本発明
においても合目的的な任意な装置を使用して実
施することができる。押出されるべき組成物は
押出用口金の直前で前記の諸成分を含む均質組
成物となつていればよく、従つて、たとえば発
泡剤は押出機バレル途中で導入することの外に
樹脂成分等に混合あるいは含浸させて押出装置
の混練域へ導入することもできる。また、脂肪
酸アミドは滑剤等として使用されている場合よ
りも多量に配合するので押出機ホツパーからの
供給は必ずしも容易ではなく、従つて押出機バ
レル途中で注入するのが好ましい。
圧帯域への押出はそれ自身公知であり、本発明
においても合目的的な任意な装置を使用して実
施することができる。押出されるべき組成物は
押出用口金の直前で前記の諸成分を含む均質組
成物となつていればよく、従つて、たとえば発
泡剤は押出機バレル途中で導入することの外に
樹脂成分等に混合あるいは含浸させて押出装置
の混練域へ導入することもできる。また、脂肪
酸アミドは滑剤等として使用されている場合よ
りも多量に配合するので押出機ホツパーからの
供給は必ずしも容易ではなく、従つて押出機バ
レル途中で注入するのが好ましい。
溶融混練物は口金を通過して圧力が解放され
ると直ちに発泡膨脹を始め、それが通過した口
金通路断面と相似の形状の断面の発泡体とな
る。しかし、希望するならば、所望発泡体断面
形状と無関係の通路断面形状の口金を使用して
発泡押出物をつくり、これを未だ発泡中または
軟化状態のときに別の金型より所望形状に賦形
してもよい。
ると直ちに発泡膨脹を始め、それが通過した口
金通路断面と相似の形状の断面の発泡体とな
る。しかし、希望するならば、所望発泡体断面
形状と無関係の通路断面形状の口金を使用して
発泡押出物をつくり、これを未だ発泡中または
軟化状態のときに別の金型より所望形状に賦形
してもよい。
押出された発泡体は、実質的に未架橋のもの
である。すなわち、不可避的に共存する水分に
よつて生起することあるべき僅かな架橋を除け
ば、この発泡押出物は架橋されていない。
である。すなわち、不可避的に共存する水分に
よつて生起することあるべき僅かな架橋を除け
ば、この発泡押出物は架橋されていない。
この発泡押出物は、特に、発泡倍率が高い軟
質の発泡体の場合には、前記したように、形成
された直後は若干収縮していることが多いか
ら、適当な熟成を行なつて寸法回復を計ること
がふつうである。そのための熟成は、室温放置
でもよいが、適当な加熱処理(たとえば、30〜
70℃程度)によるのが好ましい。加熱熟成の場
合の熟成時間は1〜100時間程度である。
質の発泡体の場合には、前記したように、形成
された直後は若干収縮していることが多いか
ら、適当な熟成を行なつて寸法回復を計ること
がふつうである。そのための熟成は、室温放置
でもよいが、適当な加熱処理(たとえば、30〜
70℃程度)によるのが好ましい。加熱熟成の場
合の熟成時間は1〜100時間程度である。
3 発泡押出物の架橋
上記のようにして得られた発泡押出物をシラ
ノール縮合触媒の存在下に水と接触させて、架
橋反応を生起させる。前記のように、本発明の
好ましい実施態様は、熟成工程において架橋を
も行なわせることである。
ノール縮合触媒の存在下に水と接触させて、架
橋反応を生起させる。前記のように、本発明の
好ましい実施態様は、熟成工程において架橋を
も行なわせることである。
ここで「シラノール縮合触媒の存在下に水と
接触させる」ということは、具体的には、「ポ
リエチレン樹脂」に既にシラノール縮合触媒を
配合しておいて発泡押出物を水と接触させる場
合の外に、押出発泡物中にはシラノール縮合触
媒を配合しておかずに押出後に両者の接触を行
なわせる場合、たとえば発泡押出物にシラノー
ル縮合触媒(溶液の形であることがふつうであ
る)を塗布してから水分と接触させて架橋反応
を生起させる場合、水にシラノール縮合触媒を
溶存または分散ないし乳化させておいて塗布す
る場合、および発泡押出物をシラノール縮合触
媒の溶液または分散液ないし乳化液に浸漬する
場合、その他、を意味する。
接触させる」ということは、具体的には、「ポ
リエチレン樹脂」に既にシラノール縮合触媒を
配合しておいて発泡押出物を水と接触させる場
合の外に、押出発泡物中にはシラノール縮合触
媒を配合しておかずに押出後に両者の接触を行
なわせる場合、たとえば発泡押出物にシラノー
ル縮合触媒(溶液の形であることがふつうであ
る)を塗布してから水分と接触させて架橋反応
を生起させる場合、水にシラノール縮合触媒を
溶存または分散ないし乳化させておいて塗布す
る場合、および発泡押出物をシラノール縮合触
媒の溶液または分散液ないし乳化液に浸漬する
場合、その他、を意味する。
水は、純水の外に、水溶性有機化合物または
水溶性無機化合物が溶存しているものでもよ
く、また液状のものに限らず蒸気状の水でもよ
い。空気中の湿分ででも架橋反応は進行する。
熟成工程の加熱条件で架橋反応は更に促進され
る。
水溶性無機化合物が溶存しているものでもよ
く、また液状のものに限らず蒸気状の水でもよ
い。空気中の湿分ででも架橋反応は進行する。
熟成工程の加熱条件で架橋反応は更に促進され
る。
4 製品発泡体
本発明によつて得られる発泡体は、発泡倍率
2〜60倍、平均気泡径0.3mm以上、およびゲル
分率5〜95%、のものであることがふつうであ
る。これらの物性値は、エチレン性不飽和シラ
ン化合物単位の含量、発泡剤の種類および量、
樹脂成分のMFR値その他の条件を適宜選択す
ることによつて実現することができる。
2〜60倍、平均気泡径0.3mm以上、およびゲル
分率5〜95%、のものであることがふつうであ
る。これらの物性値は、エチレン性不飽和シラ
ン化合物単位の含量、発泡剤の種類および量、
樹脂成分のMFR値その他の条件を適宜選択す
ることによつて実現することができる。
これらの物性値は、下記の方法に従つて測定
したものである。
したものである。
(1) 発泡倍率
JIS−K6767による発泡後の見かけ密度の
逆数を発泡倍率とする。
逆数を発泡倍率とする。
(2) ゲル分率
リービツヒ還流冷却器付のフラスコ中で試
料とその1gにつき約100mlのトルエンとを
トルエンの還流温度で加熱し、10時間後にた
だちに80メツシユのステンレス金鋼にて過
する。金網に残つた樹脂分を減圧乾燥して秤
量し、元の試料重量に対する比率をゲル分率
とする。
料とその1gにつき約100mlのトルエンとを
トルエンの還流温度で加熱し、10時間後にた
だちに80メツシユのステンレス金鋼にて過
する。金網に残つた樹脂分を減圧乾燥して秤
量し、元の試料重量に対する比率をゲル分率
とする。
(3) 平均気泡径
(1) 試験片
試験体から鋭利な刃物を用いて試験体を
切出す (2) 試験装置 拡大倍率10〜100倍程度で目盛のついた
スライドステージを有する顕微鏡、あるい
はこれと同等以上の性質を有する装置、を
使用する。
切出す (2) 試験装置 拡大倍率10〜100倍程度で目盛のついた
スライドステージを有する顕微鏡、あるい
はこれと同等以上の性質を有する装置、を
使用する。
(3) 試験方法
試験片の切断面の縦、横必要ならば厚さ
方向、に平行な一定線近傍の気泡数を、試
験片をスライドさせながら、適当な気泡を
選んでジグザグに20個数え、同時に気泡を
数えた移動距離を読みとる (4) 計算 D=L/N D:平均気泡径(mm/個) L:気泡を数えた移動距離(mm) N:気泡数(20個) (4) MFR JIS K6760(1971)による。
方向、に平行な一定線近傍の気泡数を、試
験片をスライドさせながら、適当な気泡を
選んでジグザグに20個数え、同時に気泡を
数えた移動距離を読みとる (4) 計算 D=L/N D:平均気泡径(mm/個) L:気泡を数えた移動距離(mm) N:気泡数(20個) (4) MFR JIS K6760(1971)による。
本発明によつて得られる発泡体は、各種の形状
でありうるが、シート状のものが最も代表的であ
る。
でありうるが、シート状のものが最も代表的であ
る。
シート状の発泡体はそのまゝあるいは適当な形
状に二次加工して各種用途、特に断熱材および緩
衝材、として利用することができる。本発明によ
る発泡シートはシリル化エチレン重合体の架橋骨
格によつて、耐熱性が良好であつて加熱時の寸法
安定性および溶融による気泡喪失が認められず、
また熱成形性が良好であつて加熱成形時に十分な
抗張力および引張り伸びを有するため深絞りに耐
える。
状に二次加工して各種用途、特に断熱材および緩
衝材、として利用することができる。本発明によ
る発泡シートはシリル化エチレン重合体の架橋骨
格によつて、耐熱性が良好であつて加熱時の寸法
安定性および溶融による気泡喪失が認められず、
また熱成形性が良好であつて加熱成形時に十分な
抗張力および引張り伸びを有するため深絞りに耐
える。
5 実施例
実施例 1
(1) 組成
シリル化エチレン重合体としてビニルトリメ
トキシシラン(VTMOS)とエチレンの高圧
法によるランダム共重合体(三菱油化(株)製、
MFR1.20g/10分、密度0.922g/cm3、
VTMOS含量0.9%) 35部 エチレン重合体としてLDPE(低密度ポリエ
チレン)(三菱油化(株)製、HE−30、MFR0.30、
密度0.92) 60部 シラノール縮合触媒としてジオクチル錫ジラ
ウレート1%を含むLDPE(HE−30)のマスタ
ーバツチ 5.05部 発泡核剤としてタルク 1.0部 (2) 押出発泡 上記組成物を押出機(シリンダー径65mm径、
L/D=35)のホツパーから供給し、更に押出
機シリンダー途中から発泡剤として ジクロロジフロロメタン 28部および パルミチン酸アミド 1.2部 の割合で圧入した。
トキシシラン(VTMOS)とエチレンの高圧
法によるランダム共重合体(三菱油化(株)製、
MFR1.20g/10分、密度0.922g/cm3、
VTMOS含量0.9%) 35部 エチレン重合体としてLDPE(低密度ポリエ
チレン)(三菱油化(株)製、HE−30、MFR0.30、
密度0.92) 60部 シラノール縮合触媒としてジオクチル錫ジラ
ウレート1%を含むLDPE(HE−30)のマスタ
ーバツチ 5.05部 発泡核剤としてタルク 1.0部 (2) 押出発泡 上記組成物を押出機(シリンダー径65mm径、
L/D=35)のホツパーから供給し、更に押出
機シリンダー途中から発泡剤として ジクロロジフロロメタン 28部および パルミチン酸アミド 1.2部 の割合で圧入した。
押出機には約60mm径で0.6mmの円筒間隙を有
する口金を接続してあり、この口金を通して大
気中に混練物を押出して発泡させ、チユーブ状
の発泡体として引取りながら流れ方向に沿つて
切り開いて、シート状の発泡体とした。
する口金を接続してあり、この口金を通して大
気中に混練物を押出して発泡させ、チユーブ状
の発泡体として引取りながら流れ方向に沿つて
切り開いて、シート状の発泡体とした。
押出発泡後の発泡体の寸法挙動は第1図に示
す通りであり、配合の工夫による収縮防止の効
果を有するものであつた。因みに、比較の為に
パルミチン酸アミドの圧入を行なわなかつたサ
ンプル(比較例)は激しい収縮が認められた。
この様な事実は寸法回復の為の加熱熟成が不要
であることを示すもので、後述の様な数々の効
果、利点をもたらすものである。
す通りであり、配合の工夫による収縮防止の効
果を有するものであつた。因みに、比較の為に
パルミチン酸アミドの圧入を行なわなかつたサ
ンプル(比較例)は激しい収縮が認められた。
この様な事実は寸法回復の為の加熱熟成が不要
であることを示すもので、後述の様な数々の効
果、利点をもたらすものである。
(3) 架橋
架橋反応の自然進行や、架橋の過度の先行
(寸法回復に対して)による寸法回復不良化等
を懸念することなく、任意の時に、任意の条件
で架橋処理することが可能となつた。
(寸法回復に対して)による寸法回復不良化等
を懸念することなく、任意の時に、任意の条件
で架橋処理することが可能となつた。
一例として、押出発泡時に霧吹で水を噴霧し
ながら捲きあげた製品ロールをただちに60℃/
50%RHの恒温槽内で9日間架橋反応させたも
のは、ゲル分率31%、発泡倍率33倍、厚み2.3
mm、幅496mmの気泡が十分に膨脹して収縮状態
(シワ等がある)にはない良好なものであつた。
比較例は、2.1mm厚、幅280mm、発泡倍率30倍で
あつた。
ながら捲きあげた製品ロールをただちに60℃/
50%RHの恒温槽内で9日間架橋反応させたも
のは、ゲル分率31%、発泡倍率33倍、厚み2.3
mm、幅496mmの気泡が十分に膨脹して収縮状態
(シワ等がある)にはない良好なものであつた。
比較例は、2.1mm厚、幅280mm、発泡倍率30倍で
あつた。
(4) 効果
(a) 工程の省略。発泡体が収縮すると捲き取つ
た製品ロールが堅捲物となつたり、変形した
りするので、寸法回復熟成に際しては、捲ゆ
るめ、捲なおし等の工程を必要とするのが従
来の例であるが、これらも全く不要となつ
た。
た製品ロールが堅捲物となつたり、変形した
りするので、寸法回復熟成に際しては、捲ゆ
るめ、捲なおし等の工程を必要とするのが従
来の例であるが、これらも全く不要となつ
た。
(b) 架橋工程の自由度が増した。即ち、寸法回
復不良を心配することなく、任意の時に、任
意の条件で、架橋熟成に処すことが可能とな
つた。
復不良を心配することなく、任意の時に、任
意の条件で、架橋熟成に処すことが可能とな
つた。
外的条件(気温湿度)が許す時には自然熟
成も可能となつた。
成も可能となつた。
(c) 気泡に十分な張りがある。外観のすぐれた
ものとなつた。
ものとなつた。
(d) 倍率があがりやすくなつた。可能最高倍数
限度が高くなり、また同発泡剤量でもより高
い発泡倍率が得られるようになつた。
限度が高くなり、また同発泡剤量でもより高
い発泡倍率が得られるようになつた。
実施例 2
(1) 組成
シリル化エチレン重合体としてビニルトリメ
トキシシラン(VTMOS)グラフト化LDPE
(三菱油化(株)製、MFR0.30、密度0.922、不飽和
シラン化合物含量1.2%) 100部 発泡核剤としてタルク 1.0部 (2) 押出発泡 上記組成物を押出機(シリンダー径65mm径、
L/D=35)のホツパーから供給し、更に押出
機シリンダー途中から発泡剤としてブタン16部
および脂肪酸アミド〔日本化成株式会社製
「AP−1」(精製極度硬化牛脂を加アンモニア
分解して得られたもので、炭素18および16の飽
和炭化水素基からなる酸アミドを主とするも
の)〕1.5部の割合で圧入した。押出機には約60
mm径で0.4mmの円筒間隙を有する口金を接続し
てあり、この口金を通して大気中に混練物を押
出して発泡させ、チユーブ状の発泡体として引
取りながら流れ方向に沿つて切り開いて、シー
ト状の発泡体とした。
トキシシラン(VTMOS)グラフト化LDPE
(三菱油化(株)製、MFR0.30、密度0.922、不飽和
シラン化合物含量1.2%) 100部 発泡核剤としてタルク 1.0部 (2) 押出発泡 上記組成物を押出機(シリンダー径65mm径、
L/D=35)のホツパーから供給し、更に押出
機シリンダー途中から発泡剤としてブタン16部
および脂肪酸アミド〔日本化成株式会社製
「AP−1」(精製極度硬化牛脂を加アンモニア
分解して得られたもので、炭素18および16の飽
和炭化水素基からなる酸アミドを主とするも
の)〕1.5部の割合で圧入した。押出機には約60
mm径で0.4mmの円筒間隙を有する口金を接続し
てあり、この口金を通して大気中に混練物を押
出して発泡させ、チユーブ状の発泡体として引
取りながら流れ方向に沿つて切り開いて、シー
ト状の発泡体とした。
押出直後の発泡体の寸法挙動は第2図に示す
通りであつて、脂肪酸アミドによる収縮防止効
果が認められた。
通りであつて、脂肪酸アミドによる収縮防止効
果が認められた。
(3) 架橋
この発泡体を12時間(室温放置(約20℃/60
%RH))後に触媒塗布処理を行ない、次いで
熟成架橋処理を行なつた。触媒塗布処理は、シ
ラノール縮合触媒としてジオクチル−ジラウレ
ート10%を含むエタノール溶液をロール転写法
にてシートの両面に塗布し、直ちに80℃/50%
のRHの温風乾燥炉中を7秒間滞留させること
により行なつた。熟成架橋処理は、60℃/50%
RHの条件下に放置することにより行なつた。
%RH))後に触媒塗布処理を行ない、次いで
熟成架橋処理を行なつた。触媒塗布処理は、シ
ラノール縮合触媒としてジオクチル−ジラウレ
ート10%を含むエタノール溶液をロール転写法
にてシートの両面に塗布し、直ちに80℃/50%
のRHの温風乾燥炉中を7秒間滞留させること
により行なつた。熟成架橋処理は、60℃/50%
RHの条件下に放置することにより行なつた。
触媒塗布直前で0%であつたゲル%は熟成1
日目で71%となり、3日目には77%でほゞ恒量
に達した。また、この時点ですでに寸法回復も
完了していた。脂肪酸アミドAP−1を用いず
かつ触媒を最初から練り込んで押出発泡体およ
び同条件での熟成架橋を行なう場合は6〜7日
間が必要であるから、それに比べ短期の処理が
完了して非常に有利である。なお、このものは
巾620mm、発泡倍率34倍、厚み1.3mmであつた。
日目で71%となり、3日目には77%でほゞ恒量
に達した。また、この時点ですでに寸法回復も
完了していた。脂肪酸アミドAP−1を用いず
かつ触媒を最初から練り込んで押出発泡体およ
び同条件での熟成架橋を行なう場合は6〜7日
間が必要であるから、それに比べ短期の処理が
完了して非常に有利である。なお、このものは
巾620mm、発泡倍率34倍、厚み1.3mmであつた。
(4) 効果
(a) 加熱熟成時間の短縮が可能となつた(AP
−1不含配合では寸法回復の為の加熱熟成が
律速となる)。
−1不含配合では寸法回復の為の加熱熟成が
律速となる)。
(b) その他の効果も実施例1と同様に得られ
た。
た。
実施例 3
(1) 組成
シリル化エチレン重合体としてγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランとエチレンと
の高圧ラジカル重合法による共重合体(三菱油
化(株)製「SDC59」、MFR0.5、密度0.926、ビニ
ルシラン含量1.3%) 35部 不飽和化合物を含まない低密度ポリエチレン
(三菱油化(株)「HE−30」、MFR0.30、密度
0.92) 60部 シラノール縮合触媒としてブチル錫ジラウレ
ート1%を含むLDPE(HE−30)のマスターバ
ツチ 5.05部 (2) 押出発泡 上記組成物を実施例1と同じ装置にて同様に
押出発泡を行なつた。但し、発泡剤としてはジ
クロロジフロロメタンを25部使用し、脂肪酸ア
ミドとしては実施例2と同じAP−1(日本化成
(株)製)を1.2部の割合で使用した。
キシプロピルトリメトキシシランとエチレンと
の高圧ラジカル重合法による共重合体(三菱油
化(株)製「SDC59」、MFR0.5、密度0.926、ビニ
ルシラン含量1.3%) 35部 不飽和化合物を含まない低密度ポリエチレン
(三菱油化(株)「HE−30」、MFR0.30、密度
0.92) 60部 シラノール縮合触媒としてブチル錫ジラウレ
ート1%を含むLDPE(HE−30)のマスターバ
ツチ 5.05部 (2) 押出発泡 上記組成物を実施例1と同じ装置にて同様に
押出発泡を行なつた。但し、発泡剤としてはジ
クロロジフロロメタンを25部使用し、脂肪酸ア
ミドとしては実施例2と同じAP−1(日本化成
(株)製)を1.2部の割合で使用した。
なお、比較の為に上記においてAP−1をの
ぞいた配合組成にて同様に発泡シートを作成し
た。
ぞいた配合組成にて同様に発泡シートを作成し
た。
(3) 架橋
押出発泡数時間後から60℃/50%RHの条件
にて熟成に処した。
にて熟成に処した。
(4) 効果
ポリエチレンの押出発泡において収縮防止効
果を有すると云われるステアリン酸モノグリセ
ライドのような水酸基含有のものをシリル基含
有ポリエチレンおよび架橋触媒と共に押出しを
行なおうとすれば、押出機内で架橋反応が進行
し良好な発泡が阻害されるかあるいは架橋の為
のシリル基が消費されてしまう等トラブルが発
生する。しかしながら、本実施例ではその様な
トラブルは発生しなかつた。因みに、押出発泡
直後に測定したゲル分率は0%であつた。押出
発泡直後からの発泡体シートの寸法挙動(厚み
にて代表)は、比較例と共に第3図に示す通り
であつて、非常に良好な収縮防止効果を示すも
のであつた。
果を有すると云われるステアリン酸モノグリセ
ライドのような水酸基含有のものをシリル基含
有ポリエチレンおよび架橋触媒と共に押出しを
行なおうとすれば、押出機内で架橋反応が進行
し良好な発泡が阻害されるかあるいは架橋の為
のシリル基が消費されてしまう等トラブルが発
生する。しかしながら、本実施例ではその様な
トラブルは発生しなかつた。因みに、押出発泡
直後に測定したゲル分率は0%であつた。押出
発泡直後からの発泡体シートの寸法挙動(厚み
にて代表)は、比較例と共に第3図に示す通り
であつて、非常に良好な収縮防止効果を示すも
のであつた。
本実施例の樹脂、触媒の組合せは極めて高速
の架橋進行(完了)を示す組合せであるが(実
施例1や2に比べてもはるかに速い)、それに
もかかわらず、どの様な熟成条件をとろうとも
架橋の過度の先行による寸法回復遅延ないしは
不良という問題から解放された。即ち、押出数
時間後に60℃/50%RHで熟成させたところ、
4時間目でゲル分率42%、24時間目で同41%、
6日目で同42%であり、1日で実質的に完了し
ていた。熟成1日のサンプルは幅490mm、厚み
2.0mm、倍率31倍であり、寸法未回復の特徴
(シワ等)を全く残していなかつた。熟成6日
のものも全く同様であつた。
の架橋進行(完了)を示す組合せであるが(実
施例1や2に比べてもはるかに速い)、それに
もかかわらず、どの様な熟成条件をとろうとも
架橋の過度の先行による寸法回復遅延ないしは
不良という問題から解放された。即ち、押出数
時間後に60℃/50%RHで熟成させたところ、
4時間目でゲル分率42%、24時間目で同41%、
6日目で同42%であり、1日で実質的に完了し
ていた。熟成1日のサンプルは幅490mm、厚み
2.0mm、倍率31倍であり、寸法未回復の特徴
(シワ等)を全く残していなかつた。熟成6日
のものも全く同様であつた。
一方、比較例であるAP−1を含まないもの
についても同様に熟成架橋に付したが、寸法回
復性は悪くて6日目においても厚み1.7mm、幅
480mm、倍率27倍であり、寸法未回復の特徴で
あるシワのみられるものであつた。以上の通
り、下記の効果が得られる。
についても同様に熟成架橋に付したが、寸法回
復性は悪くて6日目においても厚み1.7mm、幅
480mm、倍率27倍であり、寸法未回復の特徴で
あるシワのみられるものであつた。以上の通
り、下記の効果が得られる。
(1) 熟成回復の為に必要な発泡体シートロール
の捲きゆるめおよび捲き直しといつた繁雑な
工程が省略可能となつた。
の捲きゆるめおよび捲き直しといつた繁雑な
工程が省略可能となつた。
(2) 高温高湿の架橋条件で熟成時間短縮が可能
となつた。
となつた。
(3) 加速架橋配合での製造が可能になつた。
(4) 工程の自由度が増した。即ち、室温放置に
よる架橋および未熟成のまま放置しておいて
任意の時に熟成、のいずれも加可能である。
よる架橋および未熟成のまま放置しておいて
任意の時に熟成、のいずれも加可能である。
以上の様な品質的、経済的効果ははかりしれな
いものである。なお、本実施例の製品は表面滑性
を有し、複雑な形状やより深物の成型を行なう時
すぐれた成型性を示すものであつた。
いものである。なお、本実施例の製品は表面滑性
を有し、複雑な形状やより深物の成型を行なう時
すぐれた成型性を示すものであつた。
第1〜3図は、押出後発泡シートの寸法経時変
化を示すグラフである。 1A……実施例1、1B……実施例1の比較
例、2A……実施例2、2B……実施例2の比較
例、3A……実施例3、3B……実施例3の比較
例。
化を示すグラフである。 1A……実施例1、1B……実施例1の比較
例、2A……実施例2、2B……実施例2の比較
例、3A……実施例3、3B……実施例3の比較
例。
Claims (1)
- 1 水分との接触により架橋部位を与えるべきシ
リル基を側鎖に有する架橋性エチレン重合体を含
むポリエチレン樹脂に発泡剤と水酸基不含脂肪酸
アミドとを混入して加圧下に混練し、これを低圧
域へ押出して発泡押出物を形成させ、次いでこの
発泡押出物をシラノール縮合触媒の存在下に水と
接触させて架橋反応を進行させることを特徴とす
る、架橋発泡体の製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
CA000413052A CA1194650A (en) | 1981-10-08 | 1982-10-07 | Production of foam |
CA413052 | 1982-10-07 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5966432A JPS5966432A (ja) | 1984-04-14 |
JPH0248023B2 true JPH0248023B2 (ja) | 1990-10-23 |
Family
ID=4123738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58161771A Granted JPS5966432A (ja) | 1982-10-07 | 1983-09-02 | 加橋発泡体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5966432A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6301216B2 (ja) * | 2014-08-07 | 2018-03-28 | Dmノバフォーム株式会社 | 水架橋性樹脂組成物並びに発泡体及びその製造方法 |
JP6370632B2 (ja) * | 2014-08-07 | 2018-08-08 | Dmノバフォーム株式会社 | 水架橋性発泡樹脂組成物並びに発泡体及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5330739A (en) * | 1976-09-03 | 1978-03-23 | Hitachi Ltd | Controller for converter |
JPS5436357A (en) * | 1977-08-25 | 1979-03-17 | Furukawa Electric Co Ltd:The | Preparation of silane-crosslinked polyolefin molded product |
JPS5722339A (en) * | 1980-07-15 | 1982-02-05 | Hitachi Ltd | Voltage regulator for charging generator |
-
1983
- 1983-09-02 JP JP58161771A patent/JPS5966432A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5966432A (ja) | 1984-04-14 |
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