JP2507190Y2 - 熱交換器におけるヘッダタンクと出入口パイプの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、熱交換器のヘッダタン
クに連通接続される出入口パイプの取付け構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】パラレルフロータイプの熱交換器は、チ
ューブとフィンとが交互に積層され、チューブの両端側
にはヘッダタンクが連通接続されている。また、ヘッダ
タンクには冷媒を流出する出口パイプ又は冷媒を流入す
る入口パイプが連通接続されている。この出入口パイプ
とヘッダタンクとの取付け構造としては、例えば、特
開平１−２９１０９８号や、実開昭６４−３１３８８
号に記載されたものが知られている。上記において
は、ヘッダタンクか出入口パイプの一方の周壁に流通孔
を穿設するとともに、他方の周壁に周縁を一方の外周面
に適合する弧状とする切込み孔を形成し、この切込み孔
の弧状周縁を上記流通孔の周りの外周面に当接して両者
を一体ろう付け等により接合される。また、上記にお
いては、ヘッダタンクの外周部に突出管を一体形成する
とともに、この突出管に出入口パイプを嵌合して一体的
に接合される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記によ
れば、熱交換器から出入口パイプの張出し量が少なくて
済む利点を有するが、切込み孔の弧状周縁を流通孔の周
りの外周面に当接して組付け、その後ろう付け等により
一体接合されるので、切込み孔と流通孔の周りの外周面
とは線接触となり確実な接合を期待できず、また、冶具
によっても位置決めがむずかしいという欠点がある。

【０００４】上記によれば、突出管に出入口パイプを
差込んで接合しているので、面接触となり接合が確実と
なるが、差込み量が必要となり熱交換器から出入口パイ
プが張出し、熱交換器の寸法が増大する不具合がある。

【０００５】そこで、本考案は、出入口パイプの張出し
量を減少でき、組付け時に出入口パイプの位置決めが容
易となり、更に確実な接合が可能となるヘッダタンクと
出入口パイプの取付け構造を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の取付け構造は、
チューブとフィンとが互いに平行に積層されるとともに
チューブの両端にヘッダタンクが接続され、ヘッダタン
クに出入口パイプが接続されたパラレルフロータイプの
熱交換器のヘッダタンクと出入口パイプの取付け構造で
あって、前記ヘッダタンクおよび出入口パイプに互いに
嵌合可能な筒状のバーリングを設け、外側から嵌合する
一方のバーリングの先端面を相手方の周面に倣う曲面に
形成した構成とされている。

【０００７】

【作用】したがって、外側に位置するバーリングの先端
面が相手方の周面に倣うように形成されていることか
ら、組付け時に出入口パイプとヘッダタンクの相互の位
置決めがなされるとともに、バーリング同士に加えバー
リング先端面においても接合されることとなり、より接
合が確実となり強度も向上する。また、バーリング同士
の嵌合により接合されるので、出入口パイプの張出しが
減少する。

【０００８】

【実施例】以下に本考案の第１実施例を図面に基づき説
明する。図１は本実施例の熱交換器１の正面を示し、こ
の熱交換器１は、偏平チューブ２と波状フィン３とが交
互に積層され、積層された偏平チューブ２の両端にはヘ
ッダタンク４がそれぞれ連通接続されている。ヘッダタ
ンク４は軸方向に二分割されるタンクプレート５とエン
ドプレート６により構成され、各ヘッダタンク４の各端
部開口が盲キャップ７により閉塞されている。また、一
方のヘッダタンク４には冷媒の入口パイプ８が連通接続
され、他方のヘッダタンク４には、出口パイプ９が連通
接続され、各ヘッダタンク４に介装された仕切り板１０
により、入口パイプ８と出口パイプ９との間で、冷媒が
複数回蛇行して通流される。尚、図１中、１１は補強用
のサイドプレートを示し、盲キャップ側又は出入口パイ
プ側の一方がグラッド材により被覆されたものとされて
いる。

【０００９】また、本実施例では、出入口パイプ８，９
は図２に示すように盲キャップ７に取付けられている。
すなわち、盲キャップ７の平板部中央部には円筒状のバ
ーリング１３が突設される一方、出入口パイプ８，９に
はこの盲キャップ側のバーリング１３内に嵌合する円筒
状のバーリング１４が突設されている。更に、外側から
嵌合する盲キャップ側のバーリング１３は、図３および
図４に示すように、その先端面１３ａが出入口パイプ
８，９の周面に倣う曲面に形成されている。したがっ
て、盲キャップ側のバーリング１３を出入口パイプ側の
バーリング１４に外側から嵌合させて組付けると、盲キ
ャップ側のバーリング１３の先端面１３ａが出入口パイ
プ８，９の周面に開口部全周に亘り面接触する。このた
め、組付け時における出入口パイプ８，９の向きが定ま
り位置決めが確実となり、場合によっては組付け冶具を
不要ともすることが可能となる。また、双方のバーリン
グ１３，１４が嵌合するとともに盲キャップ側のバーリ
ング１３の先端面が面接触した状態で一体ろう付けが行
なわれるので、双方の接合が確実となり強度が向上す
る。更に、バーリング同士の嵌合により出入口パイプが
取付けられるので、出入口パイプの張出し量を減少させ
ることができる。

【００１０】次に本考案の第２実施例について説明す
る。本実施例では、図５に示すように、ヘッダタンク４
のタンクプレート５にバーリング１５を突設し、出入口
パイプ８，９に突設したバーリング１６を外側から嵌合
させ、一体接合する構成としたものである。そして、出
入口パイプ側のバーリング１６の先端面１６ａが図６な
いし図８に示すように、タンクプレート５の周面に倣う
曲面に形成されており、双方のバーリング１５，１６の
嵌合時には一方のバーリング１６の先端面１６ａがタン
クプレート５の外周面に全周に亘り当接することにな
り、上記実施例同様の効果を有する。

【００１１】更に、本考案の第３実施例について説明す
る。本実施例では、図９に示すように、ヘッダタンク４
のタンクプレート５の周面の一部に切欠により平坦面１
８を形成し、この平坦面１８の箇所にバーリング１９を
突設し、このバーリング１９に出入口パイプ８，９に突
設されたバーリング２０を外側から嵌合させて出入口パ
イプ８，９が取付けられるようにしたものである。本実
施例では、ヘッダタンク側のバーリング１９の突設箇所
が平坦面１８に形成されているので、出入口パイプ側の
バーリング２０の先端面は上記平坦面１８に対応して平
坦に形成されており、先の実施例同様の効果を有する。
尚、この場合、平坦面を出入口パイプ側に設けるように
してもよい。

【００１２】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、ヘ
ッダタンクおよび出入口パイプに互いに嵌合するバーリ
ングを突設して外側に位置するバーリングの先端面を相
手方の周面に倣う曲面に形成したので、バーリング同士
の周面の接合に加え外側に位置するバーリング先端面も
接合されることになり、確実な接合が可能となる。ま
た、組付け時に外側のバーリング先端面が相手側の周面
に当接されるので、組付け時における出入口パイプおよ
びヘッダタンクとの間での位置決めが容易となり、組付
け冶具を不要とすることも可能となる。更に、バーリン
グ同士を嵌合することにより接合されるので、出入口パ
イプの張出しが減少し、接合部の強度が高まる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係り、熱交換器の正面図
である。

【図２】出入口パイプ取付け構造の分解斜視図である。

【図３】出入口パイプ取付け構造の縦断面図である。

【図４】図３中のIV矢視図である。

【図５】本考案の第２実施例に係り、出入口パイプ取付
け構造の分解斜視図である。

【図６】バーリング先端面を示す斜視図である。

【図７】出入口パイプ取付け構造の横断面図である。

【図８】出入口パイプ取付け構造の平面図である。

【図９】本考案の第３実施例に係り、出入口パイプ取付
け構造の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 熱交換器 ２ チューブ ３ フィン ４ ヘッダタンク ８ 入口パイプ ９ 出口パイプ １３〜１６，１９，２０ バーリング １３ａ，１６ａ 先端面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チューブとフィンとが互いに平行に積層
   されるとともにチューブの両端にヘッダタンクが接続さ
   れ、ヘッダタンクに出入口パイプが接続されたパラレル
   フロータイプの熱交換器のヘッダタンクと出入口パイプ
   の取付け構造において、前記ヘッダタンクおよび出入口
   パイプに互いに嵌合可能な筒状のバーリングを設け、外
   側から嵌合する一方のバーリングの先端面を相手方の周
   面に倣う曲面に形成したことを特徴とする熱交換器にお
   けるヘッダタンクと出入口パイプの取付け構造。