JP2507150Y2 - 断熱金属板 - Google Patents

断熱金属板

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JP2507150Y2
JP2507150Y2 JP2867193U JP2867193U JP2507150Y2 JP 2507150 Y2 JP2507150 Y2 JP 2507150Y2 JP 2867193 U JP2867193 U JP 2867193U JP 2867193 U JP2867193 U JP 2867193U JP 2507150 Y2 JP2507150 Y2 JP 2507150Y2
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heat insulating
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正人 奥本
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株式会社淀川製鋼所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、金属板の表面に断熱材
層として発泡ポリエチレンシートを接着した断熱金属板
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば折版屋根は、金属板に放射線架橋
で40倍に発泡させた発泡ポリエチレンシートを接着剤
を介して貼合した断熱金属板をつくり、次にこの断熱金
属板を数段階にわたって凹凸状にロール成形することに
より得ている。ここで発泡ポリエチレンシートを用いる
のは、独立気泡で軽量であり、断熱性に優れ、力学的性
能がよく可撓性があり、加工性にも優れていることによ
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来の折版屋根板で
は、90°以上の曲げ加工部分が無いので、前記断熱金
属板の発泡ポリエチレンシートでも、一部に破れたり位
置ずれしたりの不良部分がありながらも一応は対処でき
ている。
【0004】問題は、ロール成形によるとプレス成形に
よるとを問わず、先の断熱金属板を90°以上、場合に
よっては180°に折り返す状態で曲げ加工する場合で
ある。本考案者の確認したところによれば、発泡ポリエ
チレンシートの発泡率が40倍の前記断熱金属板では、
プレスで90°の曲げ加工をすると、発泡ポリエチレン
シートがプレス金型でかじられて破れる。
【0005】そのため、例えばルームエアコンの外装ケ
ースでは、金属板を予め曲げ加工しておく。そして別に
結露防止用の断熱材として発泡ポリエチレンシートなど
を先の金属板と同一形状に成形する。かくして曲げ加工
済みの金属板に成形済みの発泡ポリエチレンシートを接
着剤で接着する、という面倒な手法を用いて製作してい
た。これはその外装ケースに90°以上、箇所によって
は180°の曲げ加工部分が存在するためである。こう
なると、実際には外装ケースにいくつかの孔が明いてい
るため、前述の金属板と発泡ポリエチレンシートの接着
時にそれぞれの孔合わせ作業までもが面倒になる、とい
った問題があった。
【0006】このような問題は、先の折版屋根の加工方
法と同じように、表面に発泡ポリエチレンシートを貼合
した断熱金属板をつくっておき、この断熱金属板をロー
ル成形ないしプレス成形で所望の形状に曲げ加工すれば
解消できる。但し、そのためには発泡ポリエチレンシー
トを改質して、これが曲げ加工時に破れるのを防止でき
るようにしなければならない。そのとき考慮すべきは、
曲げ加工時に発泡ポリエチレンシートの表面がプレス金
型ないし成形ロールに直接に接触して滑りが生じる訳だ
から、シート自体の摩擦係数および厚みの設定、それに
連続生産性などが検討課題となる。
【0007】本考案は、かかる観点のもとに検討を重ね
て完成したものであり、金属板の表面に発泡ポリエチレ
ンシートを予め貼合した断熱金属板をつくっておき、こ
れをそのまま所望形状にロール成形ないしプレス成形で
きるようにすることを目的とする。本考案の他の目的
は、前記断熱金属板を90°以上、場合によっては18
0°に曲げ加工しても、発泡ポリエチレンシートに破れ
や位置ずれなどのかじりが生じないようにすることにあ
る。本考案の更に他の目的は、発泡ポリエチレンシート
を高発泡倍率に選択できて、断熱性ひいては結露防止対
策などに有利な曲げ加工製品が得られる断熱金属板を提
供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、図1およば図
3に示すごとく金属板1の表面に発泡ポリエチレンシー
ト6を一体に接着した断熱金属板において、発泡ポリエ
チレンシート6が、化学架橋発泡法によりシート成形さ
れていて、摩擦係数が静摩擦および動摩擦の両方とも
1.0以下、厚さが2〜10mmに設定されていること
を特徴とする。
【0009】
【作用】対象の金属板1には亜鉛めっき鋼板、亜鉛・ア
ルミめっき合金鋼板、塗装金属板、アルミ板、ステンレ
ス板などを広く用いることができる。めっき鋼板などを
用いるときは、図3に示すごとく例えばクロメート処
理、塗布型クロメート、リン酸塩処理などによる化成処
理をし、その化成皮膜2上に発泡ポリエチレンシート6
を接着剤層5を介して接着することにより、接着性の向
上を図る。発泡ポリエチレンシート6は、低密度ポリエ
チレンシートを主成分とした化学架橋発泡法によりシー
ト成形し、厚さを2〜10mmに設定する。2mmを下回る
と薄過ぎて曲げ加工時に破れやすくなり、10mmを上回
ると曲げ加工性に劣るからである。
【0010】架橋発泡法の中のシート発泡法には、化学
架橋法と放射線架橋法とが一般に知られている。放射線
架橋法は発泡剤を含むシートを押し出し成形したのち、
電子線放射で架橋し、次に加熱で発泡させる工程を踏む
ので、連続生産性に難があり、厚めの発泡にも問題があ
る。従って本考案では、発泡剤と架橋剤とを含む押し出
しシートを成形したのち、加熱して架橋と発泡とを同時
に行う化学架橋法によるものとし、以て連続生産性に優
れ、厚めの発泡も可能にするにある。
【0011】化学架橋発泡させたポリエチレンシート6
は、発泡倍率が20〜40倍のものから選択するのが望
ましい。20倍を下回ると硬くなって曲げ加工性に劣る
ようになり、40倍を越えると製造が困難になるととも
に、摩擦係数が大きくなり過ぎる傾向になって、成形時
に摩擦により破れやすくなるからである。そのポリエチ
レンシート6の表面は、例えばコロナ放電やプライマー
塗布で表面を極性化し、接着剤による金属板1への密着
性を改質する。
【0012】接着剤は金属板1の界面破壊が生じないも
のであればよく、例えばクロロプレンゴム系、アクリル
系、ウレタン系などの接着剤を用いることができるが、
その接着剤層5の塗布厚は5〜50μm、好ましくは8
〜30μmが適しており、接着力を200g/15mm以
上にしておくと、加工時にロール等の加工工具によって
はぎとられることがなくなる。この接着力の測定は、丸
型テンションゲージ(バネ計り、大場計器社製)を用
い、板の流れ方向に対して幅15mm、長さ200mmの切
り込みを入れて断熱材の一端にクリップで固定し、剥離
速度300mm/分、剥離角90°の方向に引っ張り安定
した時の荷重(接着力)を測定して得たものである。
【0013】発泡ポリエチレンシート6の表面摩擦係数
は、動摩擦および静摩擦の両方とも、新東化学社製の表
面試験機(へイドン:登録商標)による摩擦測定(AS
TMD1894)で1.0以下とする。ここでの表面試
験機は、図4に示すごとく、サンプル取付台11上に対
象の断熱金属板aを載せて取り付け、その発泡ポリエチ
レンシート6側の表面に分銅12の垂直荷重を平面圧子
13を介して上方から加え、サンプル取付台11を左右
方向に移動させて測定したものである。
【0014】
【考案の効果】本考案は、金属板1に化学架橋発泡のポ
リエチレンシート6を貼合した断熱金属板であるから、
これ自体の連続生産性がよく量産に適って安価に提供で
きる。以後はこの断熱金属板を目的物に合わせてそのま
まロール成形ないしプレス成形して所望形状に曲げ加工
でき、この段階での加工手間も予め曲げ加工した金属板
と、これと同形状に成形済みの発泡ポリエチレンシート
とを後から貼り合わせる形式に比べて簡単に行える。し
かも、化学架橋発泡させた発泡ポリエチレンシート6
は、熱伝導率が低く結露防止性能のある20〜40倍の
高発泡のものが採用できるうえに、摩擦係数を静摩擦お
よび動摩擦の両方とも0.1以下、厚さ2〜10mmに
設定してあるから90°以上、更には180°の曲げ加
工によっても、該シート6これ自体の破れや位置ずれな
どの不具合を生じることがなく、図1に示すごとき複雑
な形状の断熱ケースなどを製作するに有利である。
【0015】
【実施例】図2および図3において、厚さ0.7mmの亜鉛
めっき鋼板1aをクロム酸で化成処理してめっき層1b
上に化成皮膜2を有する金属板1をつくり、この金属板
1を原反ロールから繰り出し、ロールコータ3で金属板
1の片面の化成皮膜2の表面にクロロプレンゴム系接着
剤を塗布して加熱炉4で架橋させ、15g/m2(乾燥厚
13μm)の接着剤層5を形成した。別にポリエチレン
に発泡剤および架橋剤を混合して押し出し、よって得た
中間の未発泡シートを加熱して架橋と発泡を同時に行
い、厚さ4.0mmの発泡ポリエチレンシート6をつくっ
た。
【0016】この発泡ポリエチレンシート6を原反ロー
ルから繰り出し、前記金属板1上に該エチレンシート6
をこれのスライス面が外表面6aとなるようにして前記
接着剤層5を介して貼合したのち、冷却工程を経て、図
3に示す断面構造の断熱金属板aを得た。
【0017】次に図1において、平板状をなす断熱金属
板aをプレス金型で90°の第1曲げ部分7と180°
の第2曲げ部分8とを有するルームエアコンのケース9
を曲げ形成した。このとき同時に製品ケース9には、こ
れに機能上必要とされる抜き孔10を適宜貫通状に形成
した。なお、当該ケース9において、発泡ポリエチレン
シート6はエアコンの外側に位置し、結露防止の機能を
果たす。よって得られた製品ケース9を目視したとこ
ろ、発泡ポリエチレンシート6には破れや亀裂が全く認
められず、プレス金型によって「かじられる」こともな
かった。
【0018】(実験方法とその結果) 発泡倍率を10倍、20倍、30倍、40倍、45倍と
したポリエチレンシートを貼った断熱金属板aを用いて
実質的には先の製品ケース9と同一内容の各種サンプル
品をそれぞれ10個ずつ作った。ひとつはプレスで90
°の曲げ試験をした。他は12列のロール成形機にかけ
て90°の曲げ試験をするとともに、別に180°の曲
げ試験をも行った。また、比較例として、公知の放射線
架橋法で発泡倍率が30倍と40倍の発泡ポリエチレン
シートを用いて断熱金属板aをつくり、これを用いて実
質的に先の製品ケース8と同一内容の各種サンプル品を
それぞれ10個ずつ作った。
【0019】それぞれの各サンプル品について、前述し
た新東科学社製の表面試験機(ヘイドン:登録商標)で
発泡ポリエチレンシート6の表面6aの静摩擦および動
摩擦をASTMD1894で測定した。表1はその結果
を示す。
【0020】
【表1】
【0021】これによれば、摩擦係数が静摩擦および動
摩擦の両方とも1.0以下のものは、全て90°およブ
180°の曲げ加工によるも、割れ発生や剥離破れが全
く認められず、良好な結果が得られることを確認でき
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の断熱金属板によって曲げ加工されたも
のの一部縦断斜視図である。
【図2】金属板に発泡ポリエチレンシートを貼合する工
程を示す説明図である。
【図3】本考案に係る断熱金属板の拡大断面図である。
【図4】摩擦係数を測定する表面試験機の概略説明図で
ある。
【符号の説明】
1 金属板 2 化成皮膜 5 接着剤層 6 発泡ポリエチレンシート a 断熱金属板

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板1の表面に発泡ポリエチレンシー
    ト6を一体に接着した断熱金属板において、 発泡ポリエチレンシート6が、化学架橋発泡法によりシ
    ート成形されていて、摩擦係数が静摩擦および動摩擦の
    両方とも1.0以下、厚さが2〜10mmに設定されて
    いることを特徴とする断熱金属板。
JP2867193U 1993-04-30 1993-04-30 断熱金属板 Expired - Lifetime JP2507150Y2 (ja)

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JPH0681731U JPH0681731U (ja) 1994-11-22
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JP6993155B2 (ja) * 2017-09-29 2022-01-13 積水化学工業株式会社 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体及びその成形体
JP7410780B2 (ja) * 2020-03-31 2024-01-10 日本発條株式会社 被覆発泡体からなるシール材、および被覆発泡体からなるシール材の製造方法

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