JP2506201Y2 - 給液管用の液撃防止器 - Google Patents

給液管用の液撃防止器

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JP2506201Y2
JP2506201Y2 JP1993034666U JP3466693U JP2506201Y2 JP 2506201 Y2 JP2506201 Y2 JP 2506201Y2 JP 1993034666 U JP1993034666 U JP 1993034666U JP 3466693 U JP3466693 U JP 3466693U JP 2506201 Y2 JP2506201 Y2 JP 2506201Y2
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liquid
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hammer
pressure
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則男 早川
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HAYAKAWA VALVE PRODUCTION CO., LTD.
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、種々な液体を給液管を
介して種々な機器に並列的に供給する場合に生ずる液撃
を防止する液撃防止器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば液体として水道水を採ってみた場
合、この水道水は、図2に示すような状態で台所の流し
や浴室の浴槽等に給液管を介して並列的に供給されるも
のであるが、この水道水には供給するのための一定の圧
力が付加されている。このため、例えば流し等において
出していた水を止めると、水の流れが急に止められるこ
とになって、所謂ウォーター・ハンマーと言われる液撃
が発生することがある。この液撃は、水道水を使用する
各機器において水の流れを機械的かつ急激に停止させる
場合によく発生するものであり、この液撃によって他の
機器において異音を発生することにもなるのである。
【0003】このような液撃は、図2に示した給湯器か
ら分配される給湯管においても生ずるものであり、要す
るに、比較的大きな貫性重量を有した液体に所定の圧力
を付与して種々な場所に供給する場合によく生ずる現象
である。このような液撃現状は何等かの手段・方法によ
って発生しないようにしないと、例えば集合住宅におけ
る夜間の静寂を維持できないことになるのである。この
ため、例えばある機器への分配管途中に逆流防止弁を介
在させて上述した液撃が他の機器へ伝播しないようにす
ることも考えれたのであるが、この逆流防止弁が弁座に
着座する場合、この着座が急激であるため結局異音を発
生することになったのである。そこで、さらに工夫が加
えられて、図10に示すような液撃防止器が提案された
のである。この従来の液撃防止器においては、管路に連
通するゴム製の液撃吸収体を管路中に取付けて、その周
囲を保護筒によって保護してあり、液撃吸収体が図10
の側方へのみ拡開するようにしたものである。
【0004】このような従来の液撃防止器によれば、こ
れが取付けられている管路の近傍において液撃が生じた
場合に、この液撃が液撃吸収体内の液に伝わって液撃吸
収体を拡開するため、この液撃は柔らげられることにな
るものである。しかしながら、この従来の液撃防止器に
おいては、液撃吸収体が保護筒内に言わば伸縮しない状
態で収納されているため、液撃の吸収が完全に行えない
ものである。それだけでなく、液撃吸収体の側方への拡
開を十分なものとしようとすれば、保護管に内部の空気
の出入を可能にする穴を形成しなければならないことに
なる。そうなると、この穴を通して空気が内部のゴム製
の液撃吸収体に供給されることになって、液撃吸収体の
経年変化が早まってしまうだけでなく、穴を通して水等
が保護管内に入ることから、このような液撃防止器を土
中や壁中に埋設することもできなくなるのである。
【0005】さらに、近年の高層住宅用の水道や、ある
いは空調機器等の実状からすると、管路内に供給される
水等の圧力が、1〜10キロ/平方センチメートルとい
ったように幅広いものとなってきている。つまり、各機
器が十分な機能を発揮するようにするためには、これら
の機器に供給されるべき水等の液体の圧力は十分高いこ
とが必要であり、また管路の末端に位置する機器に対す
る水等は当然圧力が低いものとならざるを得ないもので
あるからである。そうなると、ウォーター・ハンマー現
象も圧力の幅の広いものとなってくるのであり、衝撃吸
収をするものの弾力性も幅広い圧力域に対応できるもの
としなければならなくなってくるのである。
【0006】そこで、本考案者は、以上のような従来の
液撃防止器の最大の欠点が、保護筒内での液撃吸収体の
拡開が自由に行えないことにあることに気付き、これを
解消するにはどうしたらよいかについて鋭意検討を重ね
てきた結果、本考案を完成したのである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、液撃吸収体の作動を外界とは遮断した状態で
確実に行わせることである。そして、本考案の目的とす
るところは、液撃吸収体の作動が確実に行えることは当
然として、耐久性にも優れて種々な場所に適用するこ
ができ、しかも圧力の幅の広いウォーター・ハンマー現
象にも幅広く対処できる液撃防止器を簡単な構造によっ
て提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
に、本考案の採った手段は、実施例において使用する
符号を付して説明すると、「管路20の途中に設けられ
て当該管路20中に連通する連通穴14aを設けた取付
基部14と、これに取付けられる蛇腹形状の液撃吸収体
11と保護筒12とを備えた液撃防止器10であって、
液撃吸収体11と保護筒12との間にさらに第二液撃吸
収体15を配置して、この第二液撃吸収体15を、液撃
吸収体11の周囲を完全に包み込み、液撃吸収体11の
頂部11cとの間に空気室13を形成するものとして形
成し、かつこれらの第二液撃吸収体15と液撃吸収体1
1とを、弾性材料によって取付基部14の連通穴14a
にのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能なものに形成す
るとともに、保護筒12を、第二液撃吸収体15の周囲
を完全に包み込み、その頂部15cとの間に空気室13
を形成するものとして形成して、液撃吸収体11、第二
液撃吸収体15及び保護筒12の各開口取付部15a・
11aを取付基部14に気密的に取付けたことを特徴と
する液撃防止器10」である。
【0009】
【考案の作用】以上のように構成した本考案に係る液撃
防止器10の作用を、添付の図面を参照して詳細に説明
する。
【0010】まず、この液撃防止器10は、種々な管路
20の途中に取付けられる取付基部14と、これにそれ
ぞれ気密的に取付けられる液撃吸収体11、第二液撃吸
収体15及び保護筒12とからなっているので、その構
成が非常に簡単であるとともに、各液撃吸収体11、第
二液撃吸収体15及び保護筒12についても所謂型成形
し易いものであるから、製造も容易なものとなっている
のである。
【0011】管路20の途中に設けられるべき取付基部
14にしても、管路20の種類に応じたものを形成する
ものであるが、その場合には、液撃吸収体11の開口取
付部11a及び保護筒12の開口取付部12aを取り付
ける部分(例えば取付部14a)さえ確保しておけばど
のような形状としてもよく、しかも保護筒12を共通し
て使用できるのであるから、その製造は汎用性を確保し
たまま容易に行えるのである。
【0012】以上の液撃防止器10を実際に取付けるに
は、例えば図3に示したようなヘッダー30の一部に取
付基部14を一体的に形成するか、あるいは図7〜図9
に示したような両内ネジニップル41、両外ネジニップ
ル42あるいは内外ネジニップル43にこの取付基部1
4を一体的に形成しておけばよい。そして、図3に示し
たように、この取付基部14の取付部14bに液撃吸収
体11の開口取付部11a、及び第二液撃吸収体15の
それを取付けてから、この第二液撃吸収体15に保護筒
12をかぶせて、この保護筒12の開口取付部12aを
取付基部14の外周に固定すればよいのである。これに
より、この液撃防止器10は、図1に示したような状態
のものになるのである。
【0013】すなわち、この液撃防止器10は、図1に
も示したように、液撃吸収体11の内部と管路20中と
が取付基部14の連通穴14aを介して連通したものと
なるのであり、管路20内の圧力の変化は直ちにこの液
撃吸収体11内に伝えられるものとなっている。また、
この液撃吸収体11の外にある第二液撃吸収体15の周
囲には、これを完全に密閉した状態で保護筒12が位置
しているのであり、この保護筒12の上端と第二液撃吸
収体15の頂部15c間には空気室13が形成されてい
るのである。つまり、液撃吸収体11は、その頂部11
cと第二液撃吸収体15側の頂部15cとの間に空気室
13を形成しながら、第二液撃吸収体15内にて伸縮自
在の状態で収納されているのであり、第二液撃吸収体1
5は保護筒12内にて膨張自在に収納されるのである。
従って、まず、液撃吸収体11内の圧力が高くなれば、
これと第二液撃吸収体15との間にある空気室13内に
向けて伸びて、第二液撃吸収体15内の空気を圧縮させ
るのであり、液撃吸収体11内の圧力が通常状態に戻る
に従って、空気室13内の圧縮された空気の圧力及び液
撃吸収体11自体の弾性により、液撃吸収体11の弾性
特性に従った一定の速度で弾力的に元の状態に戻るので
ある。
【0014】そして、この液撃防止器10においては、
液撃吸収体11と保護筒12と間にさらに第二液撃吸収
体15を配置したことによって、その液撃吸収が次のよ
うにより確実となっている。
【0015】つまり、この液撃防止器10においては、
管路20側からの液撃は、上述したように、まず液撃吸
収体11によって吸収されるのであるが、この液撃吸収
体11による吸収が十分行えない場合に、次段の第二液
撃吸収体15によって吸収されるのであり、結果とし
て、この液撃防止器10の液撃吸収作用は十分なものと
なっているのである。
【0016】このことは、次の点で重要である。すなわ
ち、管路20中の圧力は前述したように幅広いものとな
ってきているが、その全ての範囲内での液撃吸収を行お
うとすると、高い圧力の液撃を吸収するだけでは低い圧
力の液撃を吸収することができず、その逆も言えるので
ある。つまり、低い圧力の液撃を完全に吸収させようと
すれば、液撃吸収体11等の材質を軟質なものとすれば
よいが、それだと高い圧力の液撃には対処することがで
きない。これとは逆に、高い圧力の液撃に対処するため
に、液撃吸収体11等の材質を硬質のものとすれば、低
い圧力の液撃には対処することができないのである。
【0017】この点、本考案に係る液撃防止器10にお
いては、液撃吸収体11と第二液撃吸収体15との言わ
ば二重構造のものとしてあるから、液撃吸収体11を軟
質な材料によって実施例で示すような蛇腹形状のものと
するとともに、第二液撃吸収体15を硬質ではあるがあ
る程度の弾性を有する材料によって形成したことによ
り、低い圧力の液撃は主として液撃吸収体11によって
吸収されるのであり、この液撃吸収体11によって吸収
し切れなかった高い圧力の液撃は第二液撃吸収体15側
にて吸収されるのである。従って、この液撃防止器10
による液撃吸収は、十分かつ完全になされるのであり、
管路20中の圧力は液撃そのものが変化する場合におい
ても、この液撃防止器10一つによって十分対処し得る
のである。
【0018】また、この第二液撃吸収体15は、後述す
るように、液撃吸収体11よりも硬質な材料によって形
成することにより、液撃吸収体11の過大な膨張を阻止
して液撃吸収体11の保護を行っている。すなわち、液
撃の圧力が液撃吸収体11によっては十分吸収できない
程大きなものである場合には、液撃吸収体11はその弾
性限界を越えて膨張しようとすることになるが、その膨
張作用は当該第二液撃吸収体15によって抑えられるの
であり、結果として、この第二液撃吸収体15は液撃吸
収体11の保護を行っているのである。
【0019】って、管路20のどこかで急激な圧力変
動があって、液撃が他の部分に伝播しようとしても、そ
の前にこの液撃防止器10による衝撃吸収が行われて異
音が発生しないだけでなく、液撃が他の部分に伝播する
こともないのである。
【0020】特に、本考案においては、蛇腹形状に形成
した液撃吸収体11を、その頂部11cと第二液撃吸収
体15との間に空気室13を形成し、かつこの第二液撃
吸収体15をその頂部と保護筒12との間に空気室13
を形成しながら、保護筒12内に収納するようにし、
らに保護筒12を第二液撃吸収体15の全体を気密的に
覆うような構造のものとしたので、管路20内に液撃が
生じたときの衝撃を各空気室13内の空気の圧縮という
手段を利用しながら確実に吸収するとともに、保護筒1
2によって第二液撃吸収体15及び液撃吸収体11が酸
素に接触するのが防止されているため、耐久性に優れた
ものとなっているのである。また、この保護筒12が、
第二液撃吸収体15及び液撃吸収体11を完全に保護す
るとともに、第二液撃吸収体15及び液撃吸収体11の
作動を許容する各空気室13を形成するように構成して
あるから、この液撃防止器10を例えばヘッダー30と
ともに地中や壁中に埋設することを可能にしているので
ある。
【0021】以上の作用を、実施例にて示した液撃防止
器10を使用して実験したデータによって裏付けると、
図11〜図15に示したグラフのようになる。この実験
は、社団法人日本水道協会の「水撃緩衝効果試験」とし
て規定された審査基準に基づいて行ったものであり、水
撃の元となる電磁弁を、この液撃防止器10の後流側2
mの位置に配置するとともに、液撃防止器10の1m上
流側の圧力変化を測定したものである。この測定実験に
おいては、まず管路20中の流速を16リットル/分と
一定のものとしておき、次に示す液圧毎に液撃の減衰変
化を調べたものである。
【0022】 図11の実験 液圧 3K 図12の実験 液圧 4K 図13の実験 液圧 5K 図14の実験 液圧 6K 図15の実験 液圧 7K
【0023】そして、図11〜図15の中の、各(イ)
のグラフは、液撃防止器10を設けないで電磁弁を閉じ
て生じた液撃及びその後の減衰状況を示したものであ
り、各(ロ)のグラフは、液撃防止器10を設けて各
(イ)に示した液撃を生じさせた場合の、測定場所での
圧力変化を示したものである。
【0024】これら図11〜図15の各(ロ)で理解で
きるように、当該液撃防止器10によれば、液撃が十分
吸収されていて、しかも液撃の減衰も、より短い時間内
で行われている。しかも、管路20中の圧力が3K〜7
Kと変化しても、液撃の吸収率が30%前後と略一定で
あり、この液撃防止器10は、汎用性の高い液撃吸収を
行っていることが理解できる。
【0025】
【実施例】次に、本考案に係る液撃防止器10を、図面
に示した実施例に従って説明すると、図1にはヘッダー
30に一体化した液撃防止器10の断面図が示してあ
る。つまり、この液撃防止器10は、図2に示した家庭
における水道水や湯の配管経路中において使用されるも
のであり、本実施例においては、本管や給湯器の直近に
配置されるヘッダー30に一体的に設けられるものであ
る。特に、図1に示した液撃防止器10は、図2及び図
3に示したように、給湯器に管路20を介して接続され
て、台所の流しやお風呂の浴槽に供給されるべき湯をそ
れぞれ分配するためのヘッダー30に設けられるもので
ある。
【0026】この液撃防止器10は、図1及び図3に示
したように、管路20に接続されるヘッダー30の基体
に一体的に形成した取付基部14と、これに接続される
液撃吸収体11と、この液撃吸収体11を密閉状態で包
み込む保護筒12とからなっている。液撃吸収体11
は、合成ゴム等により一体的に形成されるものであり、
図1に示したように、有蓋筒状でかつ蛇腹状のものであ
る。従って、この液撃吸収体11は、内部に空気や液体
を収納するための空間を有するものとなっているのであ
り、その蛇腹部11bにて図示上下方向に伸縮自在なも
のとなっているのである。勿論、この液撃吸収体11の
下端は、図1及び図3に示したように、ヘッダー30側
に固定されている取付基部14の取付部14bに取付け
られるべき開口取付部11aが形成してある。そして、
この液撃吸収体11内は、これを取付基部14に取付け
たとき、取付基部14の連通穴14aを介してヘッダー
30内、従ってこのヘッダー30に連結されている管路
20内に連通するものである。
【0027】この液撃防止器10における第二液撃吸収
体15は有蓋筒状のものであり、その図示下端に開口取
付部15aにて液撃吸収体11側の開口取付部11aに
連結されるものである。また、この第二液撃吸収体15
の全体的な大きさは、保護筒12の直径を45mm、高
さを約100mmとした場合に、第二液撃吸収体15の
直径を約34mm、高さを約68mmとしたものであ
る。そして、この第二液撃吸収体15は、硬度70゜の
合成ゴムによって厚さ約4mmのものとしたものであ
り、これに対して内側の液撃吸収体11は硬度50゜の
合成ゴムによって厚さ約4mmのものとしたものであ
る。なお、この第二液撃吸収体15内では、液撃吸収体
11が摺接しながら伸縮するのであるから、この第二液
撃吸収体15の内面にも液撃吸収体11に対する潤滑剤
を塗布しておくとよいものである。
【0028】また、この第二液撃吸収体15は、その頂
部15cの上下に、液撃吸収体11の頂部11c及び保
護筒12の頂部間に位置することになる空気室13をそ
れぞれ積極的に形成できるような形状のものとしてあ
る。この第二液撃吸収体15は、前述したように比較的
硬質な合成ゴムによって有蓋筒状に形成したものである
ため、液撃吸収体11側で吸収できなかった液撃を膨張
によって確実に吸収するものとなるのであるが、そのた
めに、当該第二液撃吸収体15の側面と保護筒12との
間に約3mm程度の隙間を形成するようにしている。
【0029】そして、本実施例に係る第二液撃吸収体1
5においては、その図示下端に位置する開口取付部15
aを液撃吸収体11の開口取付部11aの外周に螺着す
るとともに、この液撃吸収体11の開口取付部11aを
取付基部14の取付部14bに螺着することにより、取
付基部14の連通穴14aを内部に連通された液撃吸収
体11の全体を吸収するようにしているのである。な
お、液撃吸収体11側の開口取付部11aに対しては、
図1に示しているように、当該液撃吸収体11を固定す
るための固定部11cが一体的に形成しておくものであ
り、この固定部11cを液撃吸収体11の下端開口縁内
に埋設することによって液撃吸収体11と開口取付部1
1aとの一体化を図っているものである。また、この液
撃吸収体11側の開口取付部11aと取付基部14側の
連通穴14aとの間にはヘッダー30リングが介在させ
てあり、これにより、当該液撃防止器10の管路20や
ヘッダ30に対する液密化を図っているものである。
【0030】この液撃防止器10の外周を覆うための保
護筒12は、合成樹脂や金属等の剛性のある材料によっ
て形成したものであり、液撃吸収体11の蛇腹部11b
が最大限に伸びきったときの長さよりも僅かに高い高さ
を有したものとしてある。従って、この保護筒12を、
その下端に形成した開口取付部12aにて取付基部14
の外周に気密的に取付けたとき、この保護筒12の上端
と液撃吸収体11の頂部11c間には、図1に示したよ
うな形状の空気室13が形成されるものである。そし
て、この保護筒12は、この空気室13内の空気の出入
を許容しないように、また当該液撃防止器10を土中や
壁内に埋設した場合に土や水が内部に入らないようにす
るために、取付基部14の取付部14bの外周に気密的
に取付けられるべき開口取付部12a以外は穴を全く有
していないものとしてあるのである。
【0031】本実施例の液撃防止器10においては、液
撃吸収体11の外径と第二液撃吸収 体15の内径とを略
同一にするとともに、第二液撃吸収体15の内面に液撃
吸収体11のための潤滑剤を塗布してある。このように
することによって、液撃吸収体11の作動の確実性を確
保しながら、液撃防止器10全体のコンパクト化を図っ
ているのである。
【0032】なお、以上の実施例において適用されてい
るヘッダー30は、図3及び図4に示すように、液撃防
止器10を構成するための取付基部14と、湯を各機器
に分配するための複数の分配管31とを一体的に形成し
たものであり、一方が管路20に接続される開口となっ
ており、他方は密閉したものである。そして、このヘッ
ダー30は、図2に示したように、水道の本管や給湯器
に接続されるものであり、その各分配管31には、図5
に示すように、水や湯を使用する各機器のための管路2
0が接続されるのである。この分配管31としては、図
6に示したような態様のものとすることにより、所謂ビ
ニール管からなる管路20を接続するようにもなされる
ものである。
【0033】以上は、本考案に係る液撃防止器10をヘ
ッダー30に設けた例であるが、本考案の液撃防止器1
0は、図7〜図9に示したような管路20途中に配され
るニップルに直接取付けて実施してもよいものである。
図7は両内ネジニップル41を示すものであり、その両
端に管路20を接続するための内ネジを形成するととも
に、その略中央部にこの両内ネジニップル41の軸心に
直交する状態で液撃防止器10を取付けるための取付基
部14を一体的形成したものである。これに対して図8
は両外ネジニップル42を示すものであり、この両外ネ
ジニップル42の両端は管路20を接続するための外ネ
ジが形成してある。さらに、図9は内ネジと外ネジとを
両側に有するものであり、その中央部に液撃防止器10
を構成するための取付基部14を一体的に形成したもの
であることは、上述した両内ネジニップル41あるいは
両外ネジニップル42と同様である。
【0034】以上のような両内ネジニップル41,両外
ネジニップル42、あるいは内外ネジニップル43は、
本考案の液撃防止器10を言わば一体的に有したもので
あり、これを管路20の適宜な場所に介在させることに
より、管路20に接続されている各機器にて生ずる液撃
を最適な場所で防止するようにできるものである。つま
り、これらの両内ネジニップル41、両外ネジニップル
42、あるいは内外ネジニップル43は、液撃の生じそ
うな場所に近接している管路20内に簡単に介装できる
ものであり、液撃防止を容易に防止することができるの
である。
【0035】
【考案の効果】以上説明した通り、本考案においては、
上記各実施例にて例示した如く、「管路20の途中に設
けられて当該管路20中に連通する連通穴14aを設け
た取付基部14と、これに取付けられる蛇腹形状の液
吸収体11と保護筒12とを備えた液撃防止器10であ
って、液撃吸収体11と保護筒12との間にさらに第二
液撃吸収体15を配置して、この第二液撃吸収体15
を、液撃吸収体11の周囲を完全に包み込み、液撃吸収
体11の頂部11cとの間に空気室13を形成するもの
として形成し、かつこれらの第二液撃吸収体15と液撃
吸収体11とを、弾性材料によって取付基部14の連通
穴14aにのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能なもの
に形成するとともに、保護筒12を、第二液撃吸収体1
5の周囲を完全に包み込み、その頂部15cとの間に空
気室13を形成するものとして形成して、液撃吸収体1
1、第二液撃吸収体15及び保護筒12の各開口取付部
15a・11aを取付基部14に気密的に取付けたこ
と」ことにその構成上の特徴があり、これにより、液撃
吸収体の作動が確実に行えることは当然として、耐久性
にも優れて種々な場所に適用することができ、しかも圧
力の幅の広いウォーター・ハンマー現象にも幅広く対処
できる液撃防止器を簡単な構造によって提供することが
できるのである。
【0036】つまり、この液撃防止器10においては、
液撃吸収体11と保護筒12との間に第二液撃吸収体1
5を介在させたことにその特徴があり、これにより、管
路20内等に生ずる液撃が大きく変化しても十分対処し
て確実に液撃を吸収することができ、結果として、当該
液撃防止器10一種類でどのような場所の液撃に対して
も対応することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る液撃防止器の断面図である。
【図2】家庭における水道水及び湯の配管経路を示す概
略構成図である。
【図3】図2の配管経路中に使用されているヘッダーに
本考案の液撃防止器を適用する場所の一部破断分解図で
ある。
【図4】ヘッダーの部分破断正面図である。
【図5】図4に示したヘッダーの分配管における管接続
を示す部分拡大断面図である。
【図6】他のヘッダーを示す部分破断正面図である。
【図7】本考案の液撃防止器を適用した両内ネジニップ
ルの正面図である。
【図8】本考案の液撃防止器を適用した分配管の正面図
である。
【図9】本考案の液撃防止器を適用した両外ネジニップ
ルの正面図である。
【図10】従来の液撃防止器を示す断面図である。
【図11】請求項2に係る液撃防止器の後流側に位置す
る3Kの圧力のある管路内での、(イ)で示した液撃が
あった場合の圧力変化を(ロ)で示したグラフである。
【図12】圧力4Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図13】圧力5Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図14】圧力6Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図15】圧力7Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 液撃防止器 11 液撃吸収体 11a 開口取付部 11b 蛇腹部 11c 頂部 12 保護筒 12a 開口取付部 13 空気室 14 取付基部 14a 連通穴 14b 取付部 15 第二液撃吸収体 15a 開口取付部 15c 頂部 20 管路 30 ヘッダー 31 分配管 41 両内ネジニップル 42 両外ネジニップル 43 内外ネジニップル

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】路の途中に設けられて当該管路中に連
    通する連通穴を設けた取付基部と、これに取付けられ
    蛇腹形状の液撃吸収体と保護筒とを備えた液撃防止器で
    あって、 前記液撃吸収体と保護筒との間にさらに第二液撃吸収体
    を配置して、この第二液撃吸収体を、前記液撃吸収体の
    周囲を完全に包み込み、液撃吸収体の頂部との間に空気
    室を形成するものとして形成し、かつこれらの第二液撃
    吸収体と液撃吸収体とを、弾性材料によって前記取付基
    部の連通穴にのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能なも
    のに形成するとともに、 前記保護筒を、前記第二液撃吸収体の周囲を完全に包み
    込み、その頂部との間に空気室を形成するものとして形
    成して、前記液撃吸収体、第二液撃吸収体及び保護筒の
    各開口取付部を前記取付基部に気密的に取付けたことを
    特徴とする液撃防止器。
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