JP3165876B2 - 給液管用の液撃防止器 - Google Patents
給液管用の液撃防止器Info
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Description
介して種々な機器に並列的に供給する場合に生ずる液撃
を防止する液撃防止器に関するものである。
合、この水道水は、図5に示すような状態で台所の流し
台や浴室の浴槽等に給液管を介して供給されるものであ
るが、この水道水には供給するのための一定の圧力が付
加されている。このため、例えば流し台等において出し
ていた水を止めると、水の流れが急に止められることに
なって、所謂ウォーター・ハンマーと言われる液撃が発
生することがある。この液撃は、水道水を使用する各機
器において水の流れを機械的かつ急激に停止させる場合
によく発生するものであり、この液撃によって他の機器
において異音を発生することにもなるのである。
ら、図中の点線にて示したように分配される給湯管にお
いても生ずるものであり、要するに、比較的大きな貫性
重量を有した液体に所定の圧力を付与して種々な場所に
供給する場合によく生ずる現象である。このような液撃
現象は何等かの手段・方法によって発生しないようにし
ないと、例えば集合住宅における夜間の静寂を維持でき
ないことになるのである。このため、例えばある機器へ
の分配管途中に逆流防止弁を介在させて上述した液撃が
他の機器へ伝播しないようにすることも考えれたのであ
るが、この逆流防止弁が弁座に着座する場合、この着座
が急激であるため結局異音を発生することになったので
ある。そこで、さらに工夫が加えられて、図10に示す
ような液撃防止器が提案されたのである。この従来の液
撃防止器においては、管路に連通するゴム製の液撃吸収
体を管路中に取付けて、その周囲を保護筒によって保護
してあり、液撃吸収体が図10の側方へのみ拡開するよ
うにしたものである。
れが取付けられている管路の近傍において液撃が生じた
場合に、この液撃が液撃吸収体内の液に伝わって液撃吸
収体を拡開するため、この液撃は柔らげられることにな
るものである。しかしながら、この従来の液撃防止器に
おいては、液撃吸収体が保護筒内に言わば伸縮しない状
態で収納されているため、液撃の吸収が完全に行えない
ものである。それだけでなく、液撃吸収体の側方への拡
開を十分なものとしようとすれば、保護管に内部の空気
の出入を可能にする穴を形成しなければならないことに
なる。そうなると、この穴を通して空気が内部のゴム製
の液撃吸収体に供給されることになって、液撃吸収体の
経年変化が早まってしまうだけでなく、穴を通して水等
が保護管内に入ることから、このような液撃防止器を土
中や壁中に埋設することもできなくなるのである。
いは空調機器等の実状からすると、管路内に供給される
水等の圧力が、1〜10キロ/平方センチメートルとい
ったように幅広いものとなってきている。つまり、各機
器が十分な機能を発揮するようにするためには、これら
の機器に供給されるべき水等の液体の圧力は十分高いこ
とが必要であり、また管路の末端に位置する機器に対す
る水等は当然圧力が低いものとならざるを得ないもので
あるからである。そうなると、ウォーター・ハンマー現
象も圧力の幅の広いものとなってくるのであり、衝撃吸
収をするものの弾力性も幅広い圧力域に対応できるもの
としなければならなくなってくるのである。
は少ない住宅戸数の場合に供給すべき水道水の圧力を、
水源において3〜5キロ/平方センチメートルと設定し
ておいても十分であったが、戸数が増加するに従って、
水道水の水源での圧力をより高くしないと、全ての住宅
に所定の圧力の水道水を供給することができなくなって
くるものである。また、住宅地域が傾斜地に建設されて
いて、低地の住宅と同時に高台の住宅にも一つの水源か
ら水道水を供給しようとすれば、低地の住宅に供給され
る水道水の圧力は高台のそれより高くならざるを得ない
ものであり、戸数の変化に加えて、各戸に供給される水
道水の圧力も、前述したように、1〜10キロ/平方セ
ンチメートルといったように幅広いものとなるのであ
る。このため、一戸の住宅で発生する液撃の圧力も、付
近の地形及び住宅の立て込み具合いの変化によって変化
してくるものであり、液撃吸収器も幅の広い圧力に対応
できるものでなければならなくなってきていのである。
0キロ/平方センチメートルといったように幅広いもの
となっても、一個の液撃防止器で十分対処できるように
するにはどうしたらよいかについて鋭意検討を重ねてき
た結果、本発明を完成したのである。
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、供給されてくる液体の圧力が変化しても、そ
の液撃吸収を十分かつ確実に行うことである。そして、
本発明の目的とするところは、供給されてくる液体の圧
力が変化しても、液撃吸収体の作動が確実に行えること
は当然として、種々な場所に適用することのできる液撃
防止器を簡単な構造によって提供することにある。
めに、請求項1に係る発明の採った手段は、実施例にお
いて使用する符号を付して説明すると、「管路40の途
中に設けられて当該管路40中に連通する連通穴14a
を設けた取付基部14と、これに取付けられる液撃吸収
体11と保護筒12とを備えた液撃防止器10であっ
て、液撃吸収体11を、弾性材料によって取付基部14
の連通穴14aにのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能
な蛇腹形状に形成するとともに、その各蛇腹部11bの
内径が段階的に変化するものとして形成し、さらに各蛇
腹部11b間にゴム等の材料からなるクッションリング
15を嵌め込み、かつ、保護筒12を、液撃吸収体11
の周囲を完全に包み込み、その頂部11cとの間に空気
室13を形成するものとして形成して、液撃吸収体11
及び保護筒12の各開口取付部11a・12aを取付基
部14に気密的に取付けたことを特徴とする液撃防止器
10」である。
は、請求項1に係る液撃防止器10について、取付基部
14を、管路40中に収納されて軸心に連通孔24を形
成した止水弁20の弁軸21外端に連結して、液撃吸収
体11内を連通孔24を介して管路40中に連通させた
ものである。
係る液撃防止器10の作用を、添付の図面を参照して詳
細に説明する。
ついて まず、この液撃防止器10は、種々な管路40の途中に
取付けられる取付基部14と、これにそれぞれ気密的に
取付けられる液撃吸収体11及び保護筒12とからなっ
ているので、その構成が非常に簡単であるとともに、各
液撃吸収体11及び保護筒12についても所謂型成形し
易いものであるから、製造も容易なものとなっているの
である。
14にしても、管路40の種類に応じたものを形成する
ものであるが、その場合には、液撃吸収体11の開口取
付部11a及び保護筒12の開口取付部12aを取り付
ける部分(例えば取付部14a)さえ確保しておけばど
のような形状としてもよく、しかも保護筒12を共通し
て使用できるのであるから、その製造は、当該液撃防止
器10の汎用性を確保したまま容易に行えるのである。
も示したように、液撃吸収体11の内部と管路40中と
が取付基部14の連通穴14aを介して連通したものと
なるのであり、管路40内の圧力の変化は直ちにこの液
撃吸収体11内に伝えられるものとなっている。また、
この液撃吸収体11の周囲には、これを完全に密閉した
状態で保護筒12が位置しているのであり、この保護筒
12の上端と液撃吸収体12の上端と液撃吸収体11の
頂部11c間は勿論のこと、図1にも示したように、液
撃吸収体11の側方周囲との間にも空気室13が形成さ
れているのである。
た従来の液撃吸収体と同様に側方に拡開し得る状態で収
納されているとともに、保護筒12内にて伸縮自在の状
態で収納されているのであって、液撃吸収体11内の圧
力が高くなれば空気室13側に向けて伸びて保護筒12
内の空気を圧縮させるのであり、液撃吸収体11内の圧
力が通常状態に戻るに従って、空気室13内の圧縮され
た空気の圧力及び液撃吸収体11自体の弾性により、液
撃吸収体11の弾性特性に従った一定の速度で弾力的に
元の状態に戻るのである。このため、管路40のどこか
で急激な圧力変動があって、液撃が他の部分に伝播しよ
うとしても、その前にこの液撃防止器10による衝撃吸
収が行われて異音が発生しないだけでなく、液撃が他の
部分に伝播することもないのである。
した液撃吸収体11を、図10に示した従来の液撃吸収
体と同様に側方に拡開し得る状態で収納し、その周囲に
空気室13を形成するように保護筒12内に収納すると
ともに、保護筒12を液撃吸収体11の全体を気密的に
覆うような構造のものとしたので、管路40内に液撃が
生じたときの衝撃を空気室13内の空気の圧縮という手
段を利用しながら確実に吸収するとともに、保護筒12
によって液撃吸収体11が酸素に接触するのが防止され
ているため、耐久性に優れたものとなっているのであ
る。また、この保護筒12が液撃吸収体11を完全に保
護するとともに、液撃吸収体11の作動を許容する空気
室13を形成するように構成してあるから、この液撃防
止器10を例えばヘッダーとともに地中や壁中に埋設す
ることを可能にしているのである。
数ある各蛇腹部11bの内径を順次変化するものとして
あるから、供給されている液体の圧力が1〜10キロ/
平方センチメートルの範囲で変化し、かつその変化した
圧力で液撃が生じても、その全域にわたって液撃の吸収
がなされるのである。その理由は、次の通りである。
40中に、低い圧力の液体が流れていたときに液撃が生
じたとすると、この液撃は前述したように液撃吸収体1
1内に導かれるのであるが、この液撃はその圧力・衝撃
が比較的小さいものである。ところで、液撃吸収体11
においては、その複数の蛇腹部11bが段階的に変化す
る内径を有しているものとしてあるため、内径の大きい
蛇腹部11bにおいては低い圧力の液撃に対して吸収作
用を確実に発揮し、内径の小さい蛇腹部11bにおいて
は、大きい内径の蛇腹部11bにおいて吸収できなかっ
た高い圧力の液撃を吸収し得るものとなっているのであ
る。従って、低い圧力の液体が管路40中を流れていて
この液体に液撃が発生した場合には、液撃吸収体11の
内径の大きい蛇腹部11bにおいて、その低い圧力の液
撃が吸収されることになるのである。
力の液体が流れていて、この液体中に液撃が生じたとす
ると、この液撃の一部は、内径の大きい蛇腹部11b
が、図10に示した従来の液撃吸収体と同様に側方に拡
開し得る状態で収納されていることにより、この内径の
大きい蛇腹部11bにて吸収されると同時に、この内径
の大きい蛇腹部11bにて吸収されなかった残りの液撃
は、当該蛇腹部11bの次段に位置してこれより内径の
小さい蛇腹部11bにて吸収されるのである。
0では、その液撃吸収体11の各蛇腹部11bが段階的
に変化する内径を有したものとしてあるから、供給され
る液体の圧力に変化があり、これに従って液撃の圧力に
変化があったとしても、これに十分対応した液撃吸収を
行うのである。勿論、上記の説明では、供給される液体
の圧力が最低の場合と、これより高い場合のみを行って
いるが、各蛇腹部11bの内径が段階的に変化する複数
のものであるから、中間あるいは最高の圧力の液体の場
合でも、中間あるいは最高の内径の蛇腹部11bを中心
とした液撃吸収が行われることは当然である。
止器10においては、各蛇腹部11b間にゴム等の材料
からなるクッションリング15を嵌め込んでいるため、
液撃を吸収する際の各蛇腹部11bの膨張を、これらの
クッションリング15によって弾力的かつ確実に行うも
のである。また、実施例に示す液撃吸収体11では、そ
の各蛇腹部11bの内径の段階的変化として、この液撃
吸収体11の取付基部14側を最大として先端に行くの
に従って小さくなるようにしたものを示しているが、こ
れとは逆に実施しても、上記作用は十分発揮するもので
ある。
を管路40に接続するには、具体的には図6に示すよう
にして行われる。すなわち、図6の(イ)に示すよう
に、管路40中にT型エルボ管を配置して、このT型エ
ルボ管の一端側に液撃防止器10の取付基部14を接続
すればよく、さらには図6の(ロ)に示すように接続し
て実施してもよい。また、同様にして、図6の(ハ)の
図示右方側に配設した液撃防止器10のように取付けて
実施してもよいものである。以上のようにするために
は、図1及び図2に示したように、液撃防止器10の取
付基部14における取付部14bの形状を種々変化させ
ておけばよいものである。
ついて この液撃防止器10の基本的作用は、上述した請求項1
に係る液撃防止器10と実質的に同様であるが、この液
撃防止器10においては、管路40中に配置されるべき
止水弁20と一体化したことによって、次のような作用
を発揮するものとなっている。
0の具体的実施例は図3に示してあるが、この液撃防止
器10はその取付基部14を止水弁20の弁軸21に液
密的に接続してあり、止水弁20はその弁軸21及び弁
体22の軸心に連通孔24を有したものとしてある。従
って、止水弁20側の連通孔24を介して、図3に示し
た管路40中と液撃防止器10内とは連通したものとな
っており、管路40内にて生じた液撃は当該液撃防止器
10にて吸収されるのである。
は、連通孔24を有する弁軸21の連通部21aに、連
通穴14aを有する取付基部14にて止水弁20側に一
体化したことであり、既に設置してある止水弁に代え
て、図3に示したような液撃防止器10を一体化した止
水弁20を使用することにより、管路40の止水作用と
ともに、管路40内にて液撃の吸収をも行えるようにし
たことである。換言すれば、水道管や給湯管等のよう
に、既に設置されている管路40の途中に一般的な止水
弁が設けてあって、その家の付近の状況に変化があるこ
とにより、それまで無かった液撃による異音が生じるよ
うになった場合に、それまで使用していた止水弁に代え
て、この液撃防止器10を設ければ、止水弁としての機
能をそのまま備えながら、液撃吸収をも行えるようにし
得るのである。特に、通常の止水弁において、その流量
調整を行うネジは、図3に示した弁軸21のように外側
(部屋側)に突出させたものであるため、その止水弁と
当該液撃防止器10との交換は他に何等の工事をも施す
ことなく行えるのである。
は、弁軸21の内端側に弁体22が一体化してあり、弁
軸21のネジ込み量を調整することにより、管路40内
に設けた弁座23に対する弁体22の位置調整が行える
ものであるから、この止水弁20が止水のみでなく流量
調整も行えるものであることは当然である。
40に対する接続は、より具体的には図7の(ロ)に示
すようにしてなされる。図7の(イ)に示した接続は、
請求項1に係る液撃防止器10を止水弁の近傍に設けた
ものであって、設置してあった止水弁はそのまま利用し
て接続を行うものであるが、図7の(ロ)の方は、請求
項2に係る液撃防止器10であって止水弁20を有して
いるものであるから、管路40中に直接接続することに
より、前述したように、止水弁及び液撃防止器としての
役割を同時に果たすものである。
施例について 図4には、請求項1に係る液撃防止器10の他の実施例
が示してあるが、この液撃防止器10は、管路40に軸
心接続される接続管30内に収納したものであり、供給
される液体は図4中の矢印方向に流れ、かつ接続管30
と液撃防止器10の保護筒12との間に流通路32を通
ってから、液撃防止器10側の取付基部14に設けた通
水口16から図示下方に流れるようにしたものである。
の軸心に一致させて接続される接続管30中に収納し
て、その保護筒12の外周に液体を流しながら、液撃防
止器10の取付基部14に形成した通水口16から液撃
防止器10の開口取付部12a側に流すようにするとと
もに、液撃吸収体11の開口取付部11a内に配置され
て先端が通水口16より先に位置する区画筒17に向け
て流出するようにしたことにより、この区画筒17内の
流体の圧力が管路40中のそれよりも低くなるようにし
たものである。これにより、この液撃防止器10におい
ては、その液撃吸収体11内の圧力が、管路40中の定
常状態で流れている液体の圧力よりも低くなっているか
ら、管路40中に液撃が生じた場合には液撃吸収体11
内の低圧によってこの液撃は直ちに吸収されるのであ
る。
10においては、その液撃吸収体11内は管路40中を
流れる圧力よりも低い圧力になっていて、液撃吸収体1
1それ自体は自然状態に比較して少し縮んだ状態にある
のであり、言わば液撃を吸収するための準備が管路40
内を液体が流れている限り、常に行われているのであ
る。勿論、液撃によって液撃吸収体11が自然状態に戻
っても液撃が完全に吸収されない場合には、前述したよ
うに、この液撃防止器10の液撃吸収体11における本
来の液撃吸収作用がなされるのであり、結果的に、液撃
吸収作用が完了するのである。
防止器10は、図6の(ハ)の左側に示しているように
接続されるものである。つまり、この液撃防止器10
は、その軸心が管路40のそれと一致するように配置さ
れるのであり、管路40に対する接続は、図4に示した
ように、その接続管30を利用して行うものである。こ
の接続をするに際しては、接続管30内を流れる液体の
方向が、図4の矢印にて示した方向となるようにする必
要がある。
器10を使用して実験したデータによって裏付けると、
図8に示したグラフのようになる。この実験は、社団法
人日本水道協会の「水撃緩衝効果試験」として規定され
た審査基準に基づいて行ったものであり、水撃の元とな
る電磁弁を、この液撃防止器10の後流側2mの位置に
配置するとともに、液撃防止器10の1m上流側の圧力
変化を測定したものである。この測定実験においては、
まず管路40中の流速を2.5m/secと一定のもの
としておき、給水圧力2.0kgf/cm2 の液圧にお
ける液撃の減衰変化を調べたものである。
液撃防止器10を設けないで電磁弁を閉じて生じた液撃
及びその後の減衰状況を示したものであり、(ロ)のグ
ラフは、液撃防止器10を設けて(イ)に示した液撃を
生じさせた場合の、測定場所での圧力変化を示したもの
である。また、図9は、水道圧力(横軸)が変化した場
合の液撃(縦軸)の瞬間圧と本発明に係る液撃防止器に
よる効果を示すグラフであり、このグラフに示した結果
の具体的数値は、次の表1に示したものである。
るように、当該液撃防止器10によれば、液撃が十分吸
収されていて、しかも液撃の減衰も、より短い時間内で
行われている。しかも、管路40中の圧力が1〜10キ
ロ/平方センチメートルと変化しても、液撃の吸収率が
30%前後と略一定であり、この液撃防止器10は、汎
用性の高い液撃吸収を行っていることが理解できる。
いても、請求項1に係る液撃防止器10のように、構成
が簡単で製造が容易であること、耐久性に優れたものと
なっていることに関しても、同様である。
を、図面に示した各実施例に従って説明すると、図1に
は請求項1に係る液撃防止器10の断面図が示してあ
る。つまり、この液撃防止器10は、図5に示した家庭
における水道水や湯の配管経路中において使用されるも
のであり、本実施例においては、本管や給湯器の直近に
配置されるヘッダーあるいは管路40に一体的に設けら
れるものである。
たように、管路40に接続される取付基部14と、これ
に接続される液撃吸収体11と、この液撃吸収体を密閉
状態で包み込む保護筒12とからなっている。液撃吸収
体11は、合成ゴムなどにより一体的に形成されるもの
であり、図1等に示したように、有蓋筒状でかつ蛇腹状
のものである。従って、この液撃吸収体11は、内部に
空気や液体を収納するための空間を有するものとなって
いるのであり、その各蛇腹部11bが、図10に示した
従来の液撃吸収体と同様に側方に拡開し得るとともに、
図1等の図示上下方向にも伸縮自在なものとなっている
のである。勿論、この液撃吸収体11の下端は、取付基
部14の取付部14bに取付けられるべき開口取付部1
1aが形成してある。そして、この液撃吸収体11内
は、これを取付基部14に取付けたとき、取付基部14
の連通穴14aを介して管路40内あるいはヘッダー内
に連通するものである。
る液撃吸収体11は、図1〜図4に示したように、複数
(実施例においては4段)の蛇腹部11bを有している
ものであり、各蛇腹部11bの内径は段階的に変化させ
たものである。特に、実施例の液撃吸収体11は、その
開口取付部11aに近接する蛇腹部11bの内径を最大
にして、次段になる各蛇腹部11bをその内径が順次小
さくなるようにしてある。勿論、各蛇腹部11bの内径
の変化を図面に示したものの逆となるようにして実施し
てもよいものであり、この場合には、開口取付部11a
を最小の径のものとすることができて、この開口取付部
11aに接続されるべき取付基部14の形状を小さくし
得るものである。
示したように、その液撃吸収体11について、その各蛇
腹部11b間に、液撃吸収体11と同様なゴム材料によ
って形成したクッションリング15をそれぞれ嵌め込む
ようにしている。これらのクッションリング15は、各
蛇腹部11b間の外径に応じて順に径が変化するもので
あるが、液撃吸収体11自体に液撃を効率良く吸収し得
るような十分な弾力性を付与するものである。このよう
に、クッションリング15を各蛇腹部11b間に嵌め込
むのが、液撃吸収体11自体の肉厚調整を図ったり、各
蛇腹部11bの幅を適宜決定することよりは、液撃吸収
体11の実際の製造上は有利である。
護筒12は、合成樹脂や金属等の剛性のある材料によっ
て形成したものであり、液撃吸収体11の蛇腹部11b
が最大限に伸びきったときの長さよりも僅かに高い高さ
を有したものとしてある。従って、この保護筒12を、
その下端に形成した開口取付部12aにて取付基部14
の外周に気密的に取付けたとき、この保護筒12との
間、及びその上端と液撃吸収体11の頂部11c間に
は、図1に示したような形状の空気室13が形成される
ものである。そして、この保護筒12は、この空気室1
3内の空気の出入を許容しないように、また当該液撃防
止器10を土中や壁内に埋設した場合に土や水が内部に
入らないようにするために、取付基部14の取付部14
bの外周に気密的に取付けられるべき開口取付部12a
以外は穴を全く有していないものとしてあるのである。
び保護筒12を連結して、これらを管路40中に接続す
るためのものであり、種々な形態のものが採用される
が、一番重要なことは、その中心に連通穴14aを形成
しておき、この連通穴14aを介して管路40と液撃吸
収体11内とを連通させるようにすることである。な
お、例えば保護筒12の直径が43mmで、取付部14
b以外の高さが100mmである液撃防止器10の場
合、取付基部14の直径は40mmであり、取付基部1
4の取付部14bの長さは14mmである。そして、こ
のような取付基部14中に形成される連通穴14aの直
径は12mmとなるものである。
撃吸収体11とこれを囲む保護筒12とを気密的に連結
するものであるから、図1等に示したように、液撃吸収
体11の開口取付部11aを取付ける部分と、保護筒1
2の開口取付部12aを取付ける部分とを段階的に形成
したものである。勿論、取付部14bの形状は、図1又
は図2に示したように、接続すべき管路40側の状況に
応じて種々なものが適用できるものである。
示すものであるが、この液撃防止器10における取付基
部14には、図1及び図2に示したような取付部14b
は形成していないものであり、その代わり、この取付基
部14の図示下端にネジ穴を形成しているものである。
すなわち、この請求項2に係る液撃防止器10は、その
取付基部14側に、止水弁20を構成している弁軸21
の連通部21aをネジ込んで連結したものであり、この
止水弁20は次のように構成してある。
すように、部屋内等に露出している管路40中に介装さ
れるものであり、管路40中の液体の流れを止めたり、
流量の調整を行うためのものである。このため、この止
水弁20は、図3に示したように、連通部21aが露出
する弁軸21と、この弁軸21の内端側に一体化される
弁体22とを有しているものであり、これらの弁軸21
及び弁体22の軸心には連通孔24が形成してあるもの
である。勿論、この止水弁20は、弁軸21の螺着量を
調整することにより、その先端に設けた弁体22の、管
路40内側に形成した弁座23に対する位置調整を行っ
て、管路40内を流れる流体の流量調整を行うものであ
る。
る液撃防止器10において、その止水弁20を構成して
いる弁軸21及び弁体22に形成した連通孔24を介し
て、管路40内と液撃吸収体11内とが常に連通したも
のとしている点である。これにより、液撃吸収体11に
よる前述した液撃の吸収が行えるのであり、かつ管路4
0内の流体の止水や流量調整が行えるのである。しか
も、この液撃防止器10は、部屋内等に露出している管
路40に接続されるものであるから、既に介装してある
一般的な止水弁に代えて取付けることにより、他の部分
に変更を加えることなく、当該液撃防止器10の設置が
行えるものである。
器10の実施例が示してあり、この液撃防止器10の構
成部材の内、図1あるいは図2に示したものと共通する
ものについては、実施例中で使用したのと同一の符号を
付してその説明を省略する。
は、これが管路40に対して軸心接続、つまり、当該液
撃防止器10の軸心と、これが接続されるべき管路40
の軸心とが一致するように接続されるものである点であ
り、保護筒12の外周を包み込む接続管30を有してい
る点である。この接続管30は、図4に示した例で説明
すると、その上端が図示しない上方の管路40の下端側
に接続され、下端に液密的に取り付けた流出側接続部3
1にて図示しない下方の管路40に接続されるものであ
り、液体が上方から下方に向けて流れるように設置され
るものである。そして、流出側接続部31内には前述し
たのと略同様な液撃防止器10が、これと接続管30と
の間に流通路32を形成する状態で取り付けられるので
ある。
4には、保護筒12と接続管30間に形成された流通路
32内を流れてきた液体を通すための通水口16が形成
してあるのであり、この通水口16は、取付基部14の
連通穴14a内に固定されて液撃吸収体11内と連通す
る通孔を有した区画筒17の外側に開口しているもので
ある。つまり、この液撃防止器10においては、図4の
図示上方から流れてきた液体が保護筒12と接続管30
との間の流通路32を流れて室33を通り、通水口16
から区画筒17の外周に流れ込んでから、図示下端側に
接続される管路40内に流れるようにしたものである。
16から区画筒17の外周に向けて流れ込んだ液体は、
図示下方に流れるに際して、区画筒17の通孔を介して
液撃吸収体11内側の液体をも引き込むものであり、液
撃吸収体11内の液体の圧力を管路40内を流れる液体
の圧力に対して常に低い状態にするものである。これに
より、この液撃防止器10は、管路40内を液体が流れ
ている場合には、液撃吸収体11を自然状態に比して縮
んだ状態のものとするものであり、これによって液撃吸
収体11による液撃吸収をより一層効率良く行えるよう
にしているものである。
発明によれば、上記実施例にて例示した如く、「管路4
0の途中に設けられて当該管路40中に連通する連通穴
14aを設けた取付基部14と、これに取付けられる液
撃吸収体11と保護筒12とを備えた液撃防止器10で
あって、液撃吸収体11を、弾性材料によって取付基部
14の連通穴14aにのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮
可能な蛇腹形状に形成するとともに、その各蛇腹部11
bの内径が段階的に変化するものとして形成し、さらに
各蛇腹部11b間にゴム等の材料からなるクッションリ
ング15を嵌め込み、かつ、保護筒12を、液撃吸収体
11の周囲を完全に包み込み、その頂部11cとの間に
空気室13を形成するものとして形成して、液撃吸収体
11及び保護筒12の各開口取付部11a・12aを取
付基部14に気密的に取付けたこと」にその構成上の特
徴があり、これにより供給されてくる液体の圧力が変化
しても、液撃吸収体の作動が確実に行えることは当然と
して、種々な場所に適用することのできる液撃防止器を
簡単な構造によって提供することができるのである。
によれば、液撃吸収体11を、段階的に内径が変化する
蛇腹部11bを有したものとしたから、管路40中を流
れる液体の供給圧力に変化があったとしても、全ての圧
力変化に対応した液撃の吸収を行うことができて、汎用
性に優れたものとすることができるのである。換言すれ
ば、液撃の大きさに合わせた吸収器を複数設ける必要は
全くないのであり、本発明に係る液撃防止器10一個の
みで、所定場所における液撃吸収を確実に行うことがで
きるのである。そして、この請求項1に係る液撃防止器
10によれば、蛇腹形状に形成した液撃吸収体11を、
その頂部11cとの間に空気室13を形成するように保
護筒12内に収納するとともに、保護筒12を、液撃吸
収体11の全体を気密的に覆うような構造のものとした
ので、管路40内に液撃が生じたときの衝撃を空気室1
3内の空気の圧縮という手段を利用しながら確実に吸収
することができるとともに、保護筒12によって液撃吸
収体11が酸素に接触するのを防止することができるた
め、耐久性に優れたものとすることができるのである。
また、この保護筒12が液撃吸収体11を完全に保護す
るとともに、液撃吸収体11の作動を許容する空気室1
3を形成するように構成してあるから、この液撃防止器
10を例えばヘッダーとともに地中や壁中にそのまま埋
設することができるのである。
12を接続管30によって包み込んだものとし、かつ通
水口16から流れてくる液体を区画筒17の外周に向か
うようにしたものを採用することによって、管路40内
を液体が流れている際に、この流れにより液撃吸収体1
1内の圧力を低くなるようにすることができ、液撃吸収
体11による液撃吸収をより一層確実に行うことができ
るのである。
れば、請求項1に係る液撃防止器10について、取付基
部14を、管路40中に収納されて軸心に連通孔24を
形成した止水弁20の弁軸21外端に連結して、液撃吸
収体11内を連通孔24を介して管路40中に連通させ
たものしたことにその構成上の特徴があり、これによ
り、その設置をより簡単に行えて、止水弁としての役目
も果たすことができ、かつ十分な液撃吸収を行うことが
できるのである。
も、その液撃吸収体11を構成している各蛇腹部11b
間にクッションリング15を嵌め込むようにしたから、
液撃吸収体11の製造を制限なく行うことができて、十
分な液撃吸収を行うことができるものとすることができ
るのである。
(イ)は部分縦断面図、(ロ)は一部を底面図とした平
面図である。
(イ)は部分縦断面図、(ロ)は一部を底面図とした平
面図である。
ある。
を示す一部破断正面図である。
例を示す配管路図である。
す部分正面図である。
す部分正面図である。
(イ)と使用した場合(ロ)との液撃の変化を示すグラ
フである。
明に係る液撃防止器による効果を示すグラフである。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 管路の途中に設けられて当該管路中に連
通する連通穴を設けた取付基部と、これに取付けられる
液撃吸収体と保護筒とを備えた液撃防止器であって、 前記液撃吸収体を、弾性材料によって前記取付基部の連
通穴にのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能な蛇腹形状
に形成するとともに、その各蛇腹部の内径が段階的に変
化するものとして形成し、さらに各蛇腹部間にゴム等の
材料からなるクッションリングを嵌め込み、 かつ、前記保護筒を、前記液撃吸収体の周囲を完全に包
み込み、その頂部との間に空気室を形成するものとして
形成して、 前記液撃吸収体及び保護筒の各開口取付部を前記取付基
部に気密的に取付けたことを特徴とする液撃防止器。 - 【請求項2】 前記取付基部を、前記管路中に収納され
て軸心に連通孔を形成した止水弁の弁軸外端に連結し
て、前記液撃吸収体内を前記連通孔を介して前記管路中
に連通させたことを特徴とする請求項1に記載の液撃防
止器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00259894A JP3165876B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 給液管用の液撃防止器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00259894A JP3165876B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 給液管用の液撃防止器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07208328A JPH07208328A (ja) | 1995-08-08 |
JP3165876B2 true JP3165876B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=11533831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00259894A Expired - Fee Related JP3165876B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 給液管用の液撃防止器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165876B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102720649A (zh) * | 2012-06-27 | 2012-10-10 | 合肥华升泵阀有限责任公司 | 一种隔膜计量泵 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2939839B2 (ja) * | 1991-04-17 | 1999-08-25 | エヌオーケー株式会社 | アキュムレータ用ブラダ |
JPH058001U (ja) * | 1991-07-10 | 1993-02-02 | エヌオーケー株式会社 | アキユムレータ |
JPH0550106U (ja) * | 1991-12-13 | 1993-07-02 | エヌオーケー株式会社 | アキュムレータ |
-
1994
- 1994-01-14 JP JP00259894A patent/JP3165876B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07208328A (ja) | 1995-08-08 |
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