JPH07208329A - 液撃防止器付流量調整弁 - Google Patents

液撃防止器付流量調整弁

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JPH07208329A
JPH07208329A JP459094A JP459094A JPH07208329A JP H07208329 A JPH07208329 A JP H07208329A JP 459094 A JP459094 A JP 459094A JP 459094 A JP459094 A JP 459094A JP H07208329 A JPH07208329 A JP H07208329A
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JP
Japan
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liquid hammer
valve
liquid
absorber
fluid
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Application number
JP459094A
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English (en)
Inventor
Norio Hayakawa
則男 早川
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HAYAKAWA VALVE SEISAKUSHO KK
Original Assignee
HAYAKAWA VALVE SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 供給されてくる流体の液撃を吸収することが
できて、流体の流量調整を行うことのできる液撃防止器
付流量調整弁を簡単な構造によって提供すること。 【構成】 水道水等の流体を送る管路30の途中に設け
られる弁本体20と、この弁本体20内に設けた弁座2
3と、これに対する位置調整を行うことにより、管路3
0中の流体の調整を行う弁体22と、この弁体22の弁
座23に対する位置調整を行うために先端が弁本体20
から外方に突出する弁軸21とを有する流量調整弁10
0であって、弁軸21の先端に、液撃吸収体11を備え
た液撃防止器10の取付基部14を接続するとともに、
この取付基部14、弁体23及び弁軸21の略中心に、
管路30中と液撃吸収体11内とを連通させる貫通孔1
4a、24を形成して、管路30内での流体の流量調整
を行うとともに、管路30中に生じた液撃を液撃防止器
10の液撃吸収体11によって吸収するようにしたこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々な流体を管路を介
して種々な機器に供給する場合に使用されて、流体の流
量調整及び停止を行う流量調整弁に関し、特に管路中に
生ずる液撃の吸収をも行うようにした液撃防止器付流量
調整弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば流体として水道水を採ってみた場
合、この水道水は、図5に示すような状態で台所の流し
台や浴室の浴槽等に給液管を介して供給されるものであ
るが、この供給に際しては、管路の途中に、例えば図3
及び図4の各(ロ)に示すような流量調整弁を配置し
て、この流量調整弁によって各機器に最適な流量の水道
水を供給するようにしている。
【0003】ところで、この水道水には供給するのため
の一定の圧力が付加されている。このため、例えば流し
台等において出していた水を止めると、水の流れが急に
止められることになって、所謂ウォーター・ハンマーと
言われる液撃が発生することがある。この液撃は、水道
水を使用する各機器において水の流れを機械的かつ急激
に停止させる場合によく発生するものであり、この液撃
によって他の機器において異音を発生することにもなる
のである。
【0004】このような液撃は、図5に示した給湯器か
ら、図中の点線にて示したように分配される給湯管にお
いても生ずるものであり、要するに、比較的大きな貫性
重量を有した流体に所定の圧力を付与して種々な場所に
供給する場合によく生ずる現象である。このような液撃
現象は何等かの手段・方法によって発生しないようにし
ないと、例えば集合住宅における夜間の静寂を維持でき
ないことになるのである。このため、例えばある機器へ
の分配管途中に逆流防止弁を介在させて上述した液撃が
他の機器へ伝播しないようにすることも考えれたのであ
るが、この逆流防止弁が弁座に着座する場合、この着座
が急激であるため結局異音を発生することになったので
ある。そこで、さらに工夫が加えられて、図8に示すよ
うな液撃防止器が提案されたのである。この従来の液撃
防止器においては、管路に連通するゴム製の液撃吸収体
を管路中に取付けて、その周囲を保護筒によって保護し
てあり、液撃吸収体が図8の側方へのみ拡開するように
したものである。
【0005】このような従来の液撃防止器によれば、こ
れが取付けられている管路の近傍において液撃が生じた
場合に、この液撃が液撃吸収体内の液に伝わって液撃吸
収体を拡開するため、この液撃は柔らげられることにな
るものである。しかしながら、この従来の液撃防止器に
おいては、液撃吸収体が保護筒内に言わば伸縮しない状
態で収納されているため、液撃の吸収が完全に行えない
ものである。それだけでなく、液撃吸収体の側方への拡
開を十分なものとしようとすれば、保護管に内部の空気
の出入を可能にする穴を形成しなければならないことに
なる。そうなると、この穴を通して空気が内部のゴム製
の液撃吸収体に供給されることになって、液撃吸収体の
経年変化が早まってしまうだけでなく、穴を通して水等
が保護管内に入ることから、このような液撃防止器を土
中や壁中に埋設することもできなくなるのである。
【0006】特に、新興住宅地域におけるように、最初
は少ない住宅戸数の場合に供給すべき水道水の圧力を、
水源において3〜5キロ/平方センチメートルと設定し
ておいても十分であったが、戸数が増加するに従って、
水道水の水源での圧力をより高くしないと、全ての住宅
に所定の圧力の水道水を供給することができなくなって
くるものである。また、住宅地域が傾斜地に建設されて
いて、低地の住宅と同時に高台の住宅にも一つの水源か
ら水道水を供給しようとすれば、低地の住宅に供給され
る水道水の圧力は高台のそれより高くならざるを得ない
ものであり、戸数の変化に加えて、各戸に供給される水
道水の圧力も、1〜10キロ/平方センチメートルとい
ったように幅広いものとなるのである。このため、最初
は、液撃が生じない住宅であっても、状況が変化するに
従って液撃の発生がみられるようになるのである。
【0007】このため、既設の管路中に図8に示したよ
うな液撃防止器を設けることが当然考えられるのである
が、水道管等の管路は、土中や壁内等に隠された状態で
配管されているのが大部分であり、液撃防止器を設ける
といってもそれ程簡単なことではないのである。
【0008】そこで、本発明者がこのような液撃防止器
を既設の管路に設けるにはどうしたらよいかについて種
々検討を重ねてきた結果、管路というものは全て隠され
るものではなく、前述した流量調整弁は調整作業を行う
必要があることから、壁等から露出しているものである
ことに気付き、本発明を完成したのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、供給されてくる流体その液撃吸収をも十分か
つ確実に行いながら、流量調整をも行えるようにするこ
とである。
【0010】そして、本発明の目的とするところは、供
給されてくる流体の液撃を吸収することができて、流体
の流量調整を行うことのできる液撃防止器付流量調整弁
を簡単な構造によって提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の採った手段は、実施例において使用する
符号を付して説明すると、「水道水等の流体を送る管路
30の途中に設けられる弁本体20と、この弁本体20
内に設けた弁座23と、これに対する位置調整を行うこ
とにより、管路30中の流体の調整を行う弁体22と、
この弁体22の弁座23に対する位置調整を行うために
先端が弁本体20から外方に突出する弁軸21とを有す
る流量調整弁100であって、弁軸21の先端に、液撃
吸収体11を備えた液撃防止器10の取付基部14を接
続するとともに、この取付基部14、弁体23及び弁軸
21の略中心に、管路30中と液撃吸収体11内とを連
通させる貫通孔14a、24を形成して、これによって
管路30内での流体の流量調整を行うとともに、管路3
0中に生じた液撃を液撃防止器10の液撃吸収体11に
よって吸収するようにしたことを特徴とする液撃防止器
付流量調整弁100」である。
【0012】すなわち、本発明に係る液撃防止器付流量
調整弁100は、管路30中の流体の流量調整を行う弁
体22を有した弁本体20に、液撃吸収体11を有する
液撃防止器10を一体化したものであり、この一体化に
際しては、弁本体20側の弁軸21及び弁体22に連通
孔24を形成しておき、かつ液撃防止器10側の取付基
部14に連通穴14aを形成しておいて、これらの連通
穴14a及び連通孔24によって、液撃防止器10の液
撃吸収体11内と連結部21a内とを連通させるように
したものである。
【0013】
【発明の作用】以上のように構成した本発明に係る液撃
防止器付流量調整弁100の作用を、添付の図面を参照
して詳細に説明する。本発明においては、弁本体20に
設けた液撃防止器10の作用が重要になってくるので、
以下の説明ではまず液撃防止器10の作用を中心にして
行う。
【0014】まず、この液撃防止器付流量調整弁100
を構成している液撃防止器10は、種々な管路30の途
中に取付けられる取付基部14と、これにそれぞれ気密
的に取付けられる液撃吸収体11及び保護筒12とから
なっているので、その構成が非常に簡単であるととも
に、各液撃吸収体11及び保護筒12についても所謂型
成形し易いものであるから、製造も容易なものとなって
いるのである。
【0015】すなわち、この液撃防止器10は、図1に
も示したように、液撃吸収体11の内部と管路30中と
が取付基部14の連通穴14a、及び後述する弁本体2
0側の弁軸21及び弁体22にそれぞれ設けた連通孔2
4を介して連通したものとなるのであり、管路30内の
圧力の変化は直ちにこの液撃吸収体11内に伝えられる
ものとなっている。また、この液撃吸収体11の周囲に
は、これを完全に密閉した状態で保護筒12が位置して
いるのであり、この保護筒12の上端と液撃吸収体11
の頂部11c間には空気室13が形成されているのであ
る。
【0016】つまり、図1に示した実施例に係る液撃吸
収体11は、保護筒12内にて伸縮自在の状態で収納さ
れているのであって、液撃吸収体11内の圧力が高くな
れば空気室13内に向けて伸びて保護筒12内の空気を
圧縮させるのであり、液撃吸収体11内の圧力が通常状
態に戻るに従って、空気室13内の圧縮された空気の圧
力及び液撃吸収体11自体の弾性により、液撃吸収体1
1の弾性特性に従った一定の速度で弾力的に元の状態に
戻るのである。このため、管路30のどこかで急激な圧
力変動があって、液撃が他の部分に伝播しようとして
も、その前にこの液撃防止器10による衝撃吸収が行わ
れて異音が発生しないだけでなく、液撃が他の部分に伝
播することもないのである。
【0017】そして、この実施例においては、蛇腹形状
に形成した液撃吸収体11を、その頂部11cとの間に
空気室13を形成するように保護筒12内に収納すると
ともに、保護筒12を液撃吸収体11の全体を気密的に
覆うような構造のものとしたので、管路30内に液撃が
生じたときの衝撃を空気室13内の空気の圧縮という手
段を利用しながら確実に吸収するとともに、保護筒12
によって液撃吸収体11が酸素に接触するのが防止され
ているため、耐久性に優れたものとなっているのであ
る。なお、この保護筒12が液撃吸収体11を完全に保
護するとともに、液撃吸収体11の作動を許容する空気
室13を形成するように構成してあるから、液撃吸収体
11の保護を確実に行っているとともに、液撃吸収体1
1の作動空間の確保を行っているのである。
【0018】なお、この液撃防止器10においては、複
数ある各蛇腹部11bの内径を順次変化するものとして
あるから、供給されている流体の圧力が1〜10キロ/
平方センチメートルの範囲で変化し、かつその変化した
圧力で液撃が生じても、その全域にわたって液撃の吸収
がなされるのである。その理由は、次の通りである。
【0019】まず、この液撃防止器10を接続した管路
30中に、低い圧力の流体が流れていたときに液撃が生
じたとすると、この液撃は前述したように液撃吸収体1
1内に導かれるのであるが、この液撃はその圧力・衝撃
が比較的小さいものである。ところで、液撃吸収体11
においては、その複数の蛇腹部11bが段階的に変化す
る内径を有しているものとしてあるため、内径の大きい
蛇腹部11bにおいては低い圧力の液撃に対して吸収作
用を確実に発揮し、内径の小さい蛇腹部11bにおいて
は、大きい内径の蛇腹部11bにおいて吸収できなかっ
た高い圧力の液撃を吸収し得るものとなっているのであ
る。従って、低い圧力の流体が管路30中を流れていて
この流体に液撃が発生した場合には、液撃吸収体11の
内径の大きい蛇腹部11bにおいて、その低い圧力の液
撃が吸収されることになるのである。
【0020】一方、管路30中に最大級の高い圧力の流
体が流れていて、この流体中に液撃が生じたりすると、
この液撃は、内径の大きい蛇腹部11bにて吸収される
と同時に、この内径の大きい蛇腹部11bにて吸収され
なかった残りの液撃は内径の小さい蛇腹部11bにて最
終的に吸収されてしまうのである。
【0021】以上のように、この液撃防止器10では、
その液撃吸収体11の各蛇腹部11bが段階的に変化す
る内径を有したものとしあるから、供給される流体の圧
力に変化があり、これに従って液撃の圧力に変化があっ
たとしても、これに十分対応した液撃吸収を行うのであ
る。勿論、上記の説明では、供給される流体の圧力が最
低の場合と最高の場合のみを行っているが、各蛇腹部1
1bの内径が段階的に変化する複数のものであるから、
中間の圧力の流体の場合でも、中間の内径の蛇腹部11
bを中心とした液撃吸収が行われることは当然である。
【0022】なお、以下に示す実施例においては、各蛇
腹部11b間にゴム等の材料からなるクッションリング
15を嵌め込んでいるため、液撃を吸収する際の各蛇腹
部11bの膨張を、これらのクッションリング15によ
って弾力的かつ確実に行うものである。また、実施例に
示す液撃吸収体11では、その各蛇腹部11bの内径の
段階的変化として、この液撃吸収体11の取付基部14
側を最大として先端に行くのに従って小さくなるように
したものを示しているが、これとは逆に実施しても、上
記作用は十分発揮するものである。
【0023】そして、本発明に係る液撃防止器付流量調
整弁100においては、図1に示したように、前述した
液撃防止器10を、弁本体20の図示上端側に設けてあ
るのであるが、この弁本体20は、図1の図示下端に伸
びてきている管路30の上端と、図示左側に横方向に伸
びる管路30の右端に接続されるものであり、図中の矢
印にて示すような流路を形成するものである。この流路
は、弁本体20内に形成した弁座23に弁体22が当接
した時に遮断されるものであるが、弁体22の弁座23
に対する位置調整を行うことにより、流量調整もなされ
るものである。すなわち、弁本体20に対する弁軸21
の位置を、この弁軸21を螺進・螺退させることによ
り、弁体22の弁座23に対する位置調整がなされるの
であり、本発明においては弁軸21の連結部21aに連
結してある液撃防止器10の保護筒12を回転させるこ
とによりなされるものである。
【0024】この液撃防止器付流量調整弁100におい
て重要なことは、連通孔24を有する弁軸21の連結部
21aに、連通穴14aを有する取付基部14にて弁本
体20側に一体化したことであり、既に設置してある止
水弁に代えて、図1に示したような液撃防止器10を一
体化した弁本体20を使用することにより、管路30の
止水及び流量調整作用とともに、管路30内にて液撃の
吸収をも行えるようにしたことである。
【0025】換言すれば、水道管や給湯管等のように、
既に設置されている管路30の途中に一般的な流量調整
弁が設けてあって、その家の付近の状況に変化があるこ
とにより、それまで無かった液撃による異音が生じるよ
うになった場合に、それまで使用していた流量調整弁に
代えて、この液撃防止器付流量調整弁100を設けれ
ば、流量調整弁としての機能をそのまま備えながら、液
撃吸収をも行えるようにし得るのである。特に、通常の
流量調整弁において、その流量調整を行うネジは、図1
に示した弁軸21のように外側(部屋側)に突出させた
ものであるため、その流量調整弁と当該液撃防止器付流
量調整弁100との交換は他に何等の工事をも施すこと
なく行えるのである。
【0026】すなわち、本発明に係る液撃防止器付流量
調整弁100は、図3及び図4の各(イ)に示したよう
な外観を有しているものであり、図3及び図4の各
(ロ)に示したような従来の流量調整弁または止水弁に
代えて取付けが可能なものとなっているのである。な
お、図3と図4とに示した各例の違いは、弁軸21の弁
本体20に対する調整ネジ部にあるものである。このよ
うにした液撃防止器付流量調整弁100は、例えば図2
に示した湯水混合栓におけるように接続されるものであ
り、この場合には一つの混合栓に供給される水及び湯の
ための各管路30中にそれぞれ接続するものである。
【0027】勿論、この液撃防止器付流量調整弁100
においては、その液撃防止器10が図1に示したような
形態のものに限らず、図6に示したような液撃吸収体1
1を二重にしたものや、図8に示した従来のものを適用
して実施してもよいものであり、この場合には、弁軸2
1及び弁体22に連通孔24を形成しておき、この連通
孔24と液撃防止器10側の取付基部14に設けておい
た連通穴14aによって、連結部21a内と液撃吸収体
11内とを連通させるようにすればよいものである。
【0028】以上のような液撃防止器付流量調整弁10
0を使用して、図7の(イ)に示すような液撃を連結部
21a中に生じさせた場合の液撃の吸収状況を実験して
みたところ、図7の(ロ)に示すようになった。この実
験は、社団法人日本水道協会の「水撃緩衝効果試験」と
して規定された審査基準に基づいて行ったものであり、
水撃の元となる電磁弁を、この液撃防止器付流量調整弁
100の後流側2mの位置に配置するとともに、液撃防
止器付流量調整弁100の1m上流側の圧力変化を測定
したものである。この測定実験においては、まず管路3
0中の流速を2.5m/secと一定のものとしてお
き、給水圧力2.0kgf/cm2 の液圧における液撃
の減衰変化を調べたものである。
【0029】この図7の(ロ)で理解できるように、当
該液撃防止器付流量調整弁100によれば、液撃が十分
吸収されていて、しかも液撃の減衰も、より短い時間内
で行われている。しかも、管路30中の圧力が1〜10
キロ/平方センチメートルと変化しても、液撃の吸収率
が30%前後と略一定であり、この液撃防止器付流量調
整弁100は、汎用性の高い液撃吸収を行っていること
が理解できる。
【0030】そして、この液撃防止器付流量調整弁10
0において重要なことは、一般に厳寒時では流量調整弁
は、各配管や機器における凍結、及びこれに伴う破損を
防止するために止水状態にされるのであるが、本発明に
係る液撃防止器付流量調整弁100においては、そのよ
うな操作を行う必要が全くないものとなっていることで
ある。何故なら、管路30中の水が凍結して各機器等が
破損するのは、水が凍結するに際して膨張し、これによ
り機器内等の圧力が高まるからであるが、本発明の液撃
防止器付流量調整弁100においては、この圧力は液撃
防止器10内の弾力性に富む液撃吸収体11によって吸
収されてしまうからである。従って、この液撃防止器付
流量調整弁100を設けた管路30やこれに接続した機
器が、液撃防止器付流量調整弁100に何等の操作を施
さなくても、厳寒時において凍結による破損を生じるこ
とは全くないのである。
【0031】
【実施例】次に、本発明に係る液撃防止器付流量調整弁
100を、図面に示した各実施例に従って説明すると、
図1には当該液撃防止器付流量調整弁100の断面図が
示してある。つまり、この液撃防止器付流量調整弁10
0は、図5に示した家庭における水道水や湯の配管経路
中において使用されるものであり、本実施例において
は、本管や給湯器の直近に配置される管路30に一体的
に設けられるものである。
【0032】この液撃防止器付流量調整弁100は、弁
本体20に対して液撃防止器10を一体化したものであ
り、この液撃防止器10は、管路30に接続される取付
基部14と、これに接続される液撃吸収体11と、この
液撃吸収体11を密閉状態で包み込む保護筒12とから
なっている。本実施例の液撃吸収体11は、合成ゴム等
により一体的に形成されるものであり、図1等に示した
ように、有蓋筒状でかつ蛇腹状のものである。従って、
この液撃吸収体11は、内部に空気や流体を収納するた
めの空間を有するものとなっているのであり、その蛇腹
部11bにて図示上下方向に伸縮自在なものとなってい
るのである。勿論、この液撃吸収体11の下端は、取付
基部14の取付部14bに取付けられるべき開口取付部
11aが形成してある。そして、この液撃吸収体11内
は、これを取付基部14に取付けたとき、取付基部14
の連通穴14aを介して弁本体20内に連通するもので
ある。
【0033】なお、図1〜図4に示した実施例の液撃吸
収体11においては、その各蛇腹部11b間に、液撃吸
収体11と同様なゴム材料によって形成したクッション
リング15をそれぞれ嵌め込むようにしている。これら
のクッションリング15は、各蛇腹部11b間の外径に
応じて順径が変化するものであるが、液撃吸収体11自
体に液撃を効率良く吸収し得るような十分な弾力性を付
与するものである。勿論、液撃吸収体11自体の肉厚調
整を図ったり、各蛇腹部11bの幅を適宜決定すること
により、各クッションリング15を必要としない液撃吸
収体11とすることはできるが、液撃吸収体11の型成
形を容易にしながら必要な弾力性を得るためには、これ
らのクッションリング15を各蛇腹部11b間に嵌め込
むのが、実際の製造上は有利である。
【0034】この液撃防止器10の外周を覆うための保
護筒12は、合成樹脂や金属等の剛性のある材料によっ
て形成したものであり、液撃吸収体11の蛇腹部11b
が最大限に伸びきったときの長さよりも僅かに高い高さ
を有したものとしてある。従って、この保護筒12を、
その下端に形成した開口取付部12aにて取付基部14
の外周に気密的に取付けたとき、この保護筒12との
間、及びその上端と液撃吸収体11の頂部11c間に
は、図1に示したような形状の空気室13が形成される
ものである。そして、この保護筒12は、この空気室1
3内の空気の出入を許容しないように、また当該液撃防
止器10そのものを単独で土中や壁内に埋設した場合に
土や水が内部に入らないようにするために、取付基部1
4の取付部14bの外周に気密的に取付けられるべき開
口取付部12a以外は穴を全く有していないものとして
あるのである。
【0035】取付基部14は、上記の液撃吸収体11及
び保護筒12を連結して、これらを管路30中に接続す
るためのものであり、種々な形態のものが採用される
が、一番重要なことは、その中心に連通穴14aを形成
しておき、この連通穴14aを介して管路30と液撃吸
収体11内とを連通させるようにすることである。な
お、例えば保護筒12の直径が43mmで、取付部14
b以外の高さが100mmである液撃防止器付流量調整
弁100の場合、取付基部14の直径は40mmであ
り、取付基部14の取付部14bの長さは14mmであ
る。そして、このような取付基部14中に形成される連
通穴14aの直径は12mmとなるものである。
【0036】この取付基部14は、前述したように、液
撃吸収体11とこれを囲む保護筒12とを気密的に連結
するものであるから、図1等に示したように、液撃吸収
体11の開口取付部11aを取付ける部分と、保護筒1
2の開口取付部12aを取付ける部分とを段階的に形成
したものである。勿論、取付部14bの形状は、図1又
は図2に示したように、接続すべき管路30側の状況に
応じて種々なものが適用できるものである。
【0037】なお、液撃防止器10としては、図1に示
したような構造のものに限らず、例えば図6に示すよう
な液撃吸収体11が二重構造となっているものを採用し
て実施してもよいものである。また、この液撃防止器1
0としては、図8に示したような液撃吸収体11が蛇腹
形状ではなくてストレートなものとなっているものを適
用してもよいし、内部に圧力流体を封入したシリンダタ
イプのもの、あるいは液撃吸収体11としてダイアフラ
ム形式のゴムを採用したものを採用して実施してもよい
ものである。
【0038】そして、以上のような液撃防止器10は、
その取付基部14にて弁本体20側の弁軸21の連結部
21aに連結してあるのである。この弁本体20は、図
1に示した実施例では、図示下端部と図示左端部とに連
結部21aがそれぞれ連結され、図示上端部にて前述し
た液撃防止器10が接続されるものであり、通水口を有
する弁座23を略中央部に形成したものである。
【0039】この弁本体20は、図1及び図2の(ロ)
に示すように、部屋内等に露出している管路30中に介
装されるものであり、管路30中の流体の流れを止めた
り、流量の調整を行うためのものである。このため、こ
の弁本体20は、図1に示したように、連結部21aが
露出する弁軸21と、この弁軸21の内端側に一体化さ
れる弁体22とを有しているものであり、これらの弁軸
21及び弁体22の軸心には連通孔24が形成してある
ものである。勿論、この弁本体20は、弁軸21の螺着
量を調整することにより、その先端に設けた弁体22
の、管路30内側に形成した弁座23に対する位置調整
を行って、管路30内を流れる流体の流量調整を行うも
のである。
【0040】そして、重要なことは、この液撃防止器付
流量調整弁100において、その弁本体20を構成して
いる弁軸21及び弁体22に形成した連通孔24を介し
て、管路30内と液撃吸収体11内とが常に連通したも
のとしている点である。これにより、液撃吸収体11に
よる前述した液撃の吸収が行えるのであり、かつ管路3
0内の流体の止水や流量調整が行えるのである。しか
も、この液撃防止器付流量調整弁100は、部屋内等に
露出している管路30に接続されるものであるから、既
に介装してある一般的な止水弁や流量調整弁に代えて取
付けることにより、他の部分に変更を加えることなく、
当該液撃防止器付流量調整弁100の設置が行えるもの
である。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、上
記実施例にて例示した如く、「水道水等の流体を送る管
路30の途中に設けられる弁本体20と、この弁本体2
0内に設けた弁座23と、これに対する位置調整を行う
ことにより、管路30中の流体の調整を行う弁体22
と、この弁体22の弁座23に対する位置調整を行うた
めに先端が弁本体20から外方に突出する弁軸21とを
有する流量調整弁100であって、弁軸21の先端に、
液撃吸収体11を備えた液撃防止器10の取付基部14
を接続するとともに、この取付基部14、弁体23及び
弁軸21の略中心に、管路30中と液撃吸収体11内と
を連通させる貫通孔14a、24を形成して、これによ
って管路30内での流体の流量調整を行うとともに、管
路30中に生じた液撃を液撃防止器10の液撃吸収体1
1によって吸収するようにしたこと」にその構成上の特
徴があり、これにより供給されてくる流体の液撃を吸収
することができて、流体の流量調整を行うことのできる
液撃防止器付流量調整弁を簡単な構造によって提供する
ことができるのである。
【0042】すなわち、本発明に係る液撃防止器付流量
調整弁100によれば、 (1)本来の流体の圧力調整及び止水を行うことができ
るとともに、その液撃防止器10によって液撃の吸収を
も行うことができる。 (2)既設のものとの交換を何等の支障を来すことなく
行うことができる。 (3)構造が簡単で耐久性の優れたものとすることがで
きる。 (4)液撃防止器10としては種々なタイプのものを適
用することができる。 (5)何等の操作を行わなくても、厳寒時における凍結
防止をも図ることができる。 といった優れた効果を発揮するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液撃防止器付流量調整弁の断面図
である。
【図2】同液撃防止器付流量調整弁の取付例を示す側面
図である。
【図3】同液撃防止器付流量調整弁と従来の流量調整弁
とを比較したもので、(イ)は本発明に係る液撃防止器
付流量調整弁の正面図、(ロ)は従来のものの分解正面
図である。
【図4】同液撃防止器付流量調整弁と従来の流量調整弁
とを比較したもので、(イ)は本発明に係る液撃防止器
付流量調整弁の正面図、(ロ)は従来のものの分解正面
図である。
【図5】一般家庭における水道水や湯の配管例を示す配
管路図である。
【図6】液撃防止器の他の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る液撃防止器を使用していない場合
(イ)と使用した場合(ロ)との液撃の変化を示すグラ
フである。
【図8】従来の液撃防止器を示す一部破断正面図であ
る。
【符号の説明】
100 液撃防止器付流量調整弁 10 液撃防止器 11 液撃吸収体 11a 開口取付部 11b 蛇腹部 11c 頂部 12 保護筒 12a 開口取付部 13 空気室 14 取付基部 14a 連通穴 14b 取付部 15 クッションリング 20 弁本体 21 弁軸 21a 連結部 22 弁体 23 弁座 24 連通孔 30 管路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水道水等の流体を送る管路の途中に設け
    られる弁本体と、この弁本体内に設けた弁座と、これに
    対する位置調整を行うことにより、前記管路中の流体の
    調整を行う弁体と、この弁体の前記弁座に対する位置調
    整を行うために先端が弁本体から外方に突出する弁軸と
    を有する流量調整弁であって、 前記弁軸の先端に、液撃吸収体を備えた液撃防止器の取
    付基部を接続するとともに、この取付基部、前記弁体及
    び弁軸の略中心に、前記管路中と液撃吸収体内とを連通
    させる貫通孔を形成して、 これによって管路内での流体の流量調整を行うととも
    に、前記管路中に生じた液撃を前記液撃防止器の液撃吸
    収体によって吸収するようにしたことを特徴とする液撃
    防止器付流量調整弁。
JP459094A 1994-01-20 1994-01-20 液撃防止器付流量調整弁 Pending JPH07208329A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101021884B1 (ko) * 2008-11-25 2011-03-18 주식회사 아세아유니온 워터햄머 흡수기용 밸브조립체
CN102720649A (zh) * 2012-06-27 2012-10-10 合肥华升泵阀有限责任公司 一种隔膜计量泵
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JPS6435032U (ja) * 1987-08-27 1989-03-03

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