JPH09303667A - 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器 - Google Patents

水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器

Info

Publication number
JPH09303667A
JPH09303667A JP8138132A JP13813296A JPH09303667A JP H09303667 A JPH09303667 A JP H09303667A JP 8138132 A JP8138132 A JP 8138132A JP 13813296 A JP13813296 A JP 13813296A JP H09303667 A JPH09303667 A JP H09303667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water hammer
body case
water
elastic body
preventer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8138132A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority to JP8138132A priority Critical patent/JPH09303667A/ja
Publication of JPH09303667A publication Critical patent/JPH09303667A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L55/00Devices or appurtenances for use in, or in connection with, pipes or pipe systems
    • F16L55/04Devices damping pulsations or vibrations in fluids

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pipe Accessories (AREA)
  • Details Of Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エア室部を容易に製造できる水撃防止器用の
緩衝体と、これを使用して容易に組付けできる水撃防止
器を提供する。 【解決手段】 水撃防止器用の緩衝体190は、有底概
略筒状の弾性体ケース20と、上記弾性体ケース20内
に充填硬化させたシンタクティックフォーム19とから
なり、上記弾性体ケース20には水撃作用方向の高さ間
の何れかの部位において、水撃作用方向と直交する方向
の径を狭幅してなる狭幅部21Gを形成するとともに、
シンタクティックフォーム19は弾性体ケース20の内
径に沿ってその開放口縁にまで至り充填硬化されてい
る。これにより、弾性体ケース20内へのシンタクティ
ックフォーム19の充填作業がその上部に設けた開放口
から確実且つ容易に行なえ、狭幅部も容易に形成され
る。そして、この緩衝体190を通水路に連通した筒穴
状の空間部の内周面に沿って収納配置すると、エア室部
を有する水撃防止器が容易に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる水撃作用
から配管,蛇口機器,水力機械等を保護するための水撃
防止器に係り、エア室部を容易に設けることができる水
撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、水道管において、給水ポンプの
運転中に急に停電した時などに、ポンプ内の羽根車や配
管全体にわたり急激な過負荷状態となる。この現象は、
水の慣性力による水撃作用(ウォータハンマ)として知
られている。この水撃作用は、最近では一般家庭でも1
本のレバーを上下操作することでワンタッチにバルブを
開閉できるシングルレバータイプの蛇口が普及している
ため、頻繁に経験されるようになった。又、全自動洗濯
機の給水配管や水洗トイレの給水配管に関しても、同様
にバルブの急閉によりウォータハンマ現象が発生してい
る。最近の環境保全の高揚から、集合住宅(アパート、
マンション)等において、隣家から発生する水撃音は騒
音の問題にまで発展する社会問題になりつつある。そこ
で、ベローズとスプリング及びクッション材等を組合わ
せた水撃防止器や小型で効果的な装置が多数提案されて
いる。
【0003】このような中、水撃防止器における緩衝機
構の中枢部分にシリコーンゴムやシリコーンゲルを使用
することが、特開平3ー186691号公報をはじめと
して公知である。しかし、単にシリコーンゴムやシリコ
ーンゲルを使用するだけでは、衝撃のピーク値を思うよ
うに低減させることは出来ないことが判明した。種々試
みたところ、ピーク値を効果的に低減させるには、先ず
緩衝材の前面にオリフィスを配置する必要があり、この
オリフィスから噴入する水圧流で針状の穴が明いてしま
うのを防ぐために、緩衝材の前面に保護膜部材を配置す
る必要のあることが分かった。
【0004】そこで、本出願人は、図19に示すよう
に、水道管1の分岐部2との接続具11を有する本体ケ
ース15と、上記本体ケース15内に配置されゲル又は
ゴムを基材17とし、これに有弾性の外殻を有する微小
中空体17Aを添加して形成されるシンタクティックフ
ォームからなる緩衝材19と、上記緩衝材19の表面に
配置され水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される
保護膜部21Aと、上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作
用方向に延長される伸縮部21Bと、上記伸縮部の周囲
から延長されるフランジ部21Cよりなりゴム状弾性体
で形成される伸縮性保護膜21と、上記接続具11の伸
縮性保護膜21と対面するフランジ部11Bの上面位置
に配置される目皿体27と、この小孔27A及び螺子部
11A内のオリフィス13とを備え、本体ケースの外周
縁15Aを接続具11にカシメた水撃防止器10´を開
発した。
【0005】しかし、上記水撃防止器においては、伸縮
性保護膜21と本体ケース15とで形成される空間部内
に緩衝材19を充填するものである。このため、水撃防
止器10´の組立製作時において、本体ケースへの緩衝
材の充填作業は次のようにして行なわれる。先ず、本体
ケースをコップ状に逆立ちさせてその開口部を上向きと
し、この開口部から適量の緩衝材を充填する工程と、こ
の後、伸縮性保護膜や目皿体を挿入する工程と、接続具
のフランジ部を本体ケースに挿入する工程と、本体ケー
スの外周縁をカシメる工程とからなる。
【0006】従って、自動組立や手作業による組立工程
にかかわりなく、コップ状に逆立ちさせた本体ケースの
底面をコンベヤ上又は作業台上に載せた状態で緩衝材を
充填することになり、本体ケースとコンベヤ上又は作業
台との接触度が増し、作業中に本体ケースの外面に傷付
きを多発させてしまう問題がある。又、本体ケースへの
緩衝材の充填作業は、最初の工程になるから、重量の大
きい本体ケースを工程毎に移動させ、その搬送効率を悪
くするし、その搬送姿勢も上向きに制限される。更に、
より一層の水撃作用を発揮させるために、緩衝材中に空
気室を設けて緩衝性能を向上させたい場合に、単に緩衝
材を本体ケースに充填するのでは、空気室を別部材で挿
入するなど、製造上の困難さと労力が増大し、コスト高
を招くという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記背景に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、水撃の
ピーク値を確実に低減させ緩衝性能を発揮できる空気室
を緩衝体中に設けた緩衝体を容易に製造でき、且つこれ
を使用した水撃防止器を容易に組付け出来るものを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の請求項1の水撃防止器用の緩衝体は、有底概略
筒状の弾性体ケースと、上記弾性体ケース内に充填硬化
させたシンタクティックフォームとからなり、通水路に
連通した筒穴状の空間部の内周面に沿って収納配置され
る水撃防止器用の緩衝体であって、上記弾性体ケースに
は水撃作用方向の高さ間の何れかの部位において、水撃
作用方向と直交する方向の径を狭幅してなる狭幅部を形
成するとともに、シンタクティックフォームは弾性体ケ
ースの内径に沿ってその開放口縁にまで至り充填硬化さ
れていることを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項1の水撃防止器用の緩衝体
によると、弾性体ケース内へのシンタクティックフォー
ムの充填作業がその上部に設けた開放口から確実且つ容
易に行なえる。これにより、弾性体ケースの内径に沿っ
てその開放口縁にまで至り充填硬化され、併せて狭幅部
が容易に形成される。この後に、通水路に連通した筒穴
状の空間部の内周面に沿って上記緩衝体は、容易に収納
組込みされ、エア室が容易に形成される。
【0010】又、本発明の請求項2の水撃防止器用の緩
衝体は、請求項1記載の水撃防止器用の緩衝体におい
て、弾性体ケースは、ミラブル型シリコーンゴムである
ことを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項2の水撃防止器用の緩衝体
によると、弾性体ケースをミラブル型シリコーンゴムで
形成したから、耐熱性,高引裂性,安全性の点で優れて
おり、瞬間湯沸かし器,給湯器等に使用することも可能
である。
【0012】又、本発明の請求項3の水撃防止器用の緩
衝体は、請求項1又は2記載の水撃防止器用の緩衝体に
おいて、シンタクティックフォームは、JIS K 6
833による粘度が1000〜6000センチポアーズ
にある液体原料を用い、JIS K 6301による硬
度が数10程度に硬化するシリコーンゴムを基材とし
て、これに有弾性の外殻を有する粒径数10μm〜数1
00μmの微小中空体を2〜4%添加して硬化させてな
ることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項3の水撃防止器用の緩衝体
によると、水撃エネルギーは、先ず弾性体ケースに作用
し、次いで、この内部の緩衝材に伝播して更に低減され
る。その際、シリコーンゴムは適度な硬さで水撃エネル
ギーに対して抵抗を生じながら変形する。この変形は同
時に、微小中空体そのものの変歪による抵抗を生ずると
ともに、各微小中空体間の相互の位置関係を変えるに伴
う抵抗も生ずる。これらの抵抗たる抗力が衝撃のピーク
値を良く低下させ、また、水撃エネルギーを吸収する。
また、適度な硬さのシリコーンゴムであることは、適当
量の変形を生じることでもあるから、これら変形を繰返
し受けても耐久性がある。
【0014】また、本発明の請求項4の水撃防止器用の
緩衝体は、請求項1乃至3記載の水撃防止器用の緩衝体
において、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水圧の受
圧時に空間部内面に密着される密閉縁部を形成したこと
を特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項4の水撃防止器用の緩衝体
によると、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水撃エネ
ルギーが加圧されると、この弾性体ケースの密閉縁部が
空間部内面に密着し、水圧による空間部内への水漏れを
防止する。
【0016】また、本発明の請求項5の水撃防止器用の
緩衝体は、請求項1乃至3記載の水撃防止器用の緩衝体
において、弾性体ケースの受圧面側をドーム状にシンタ
クティックフォーム側に膨出させるとともに、受圧面側
の外周面に空間部内面との間で嵌合凹凸部を設けたこと
を特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項5の水撃防止器用の緩衝体
によると、弾性体ケースの受圧面側に水撃エネルギーが
加圧されると、弾性体ケースの受圧面側の外周面がシン
タクティックフォーム側に膨出する。これにより、弾性
体ケースの筒状部に受圧面側の外周面の内壁が密着し、
更に嵌合凹凸部が空間部内面と密着し、水圧による空間
部内への水漏れを防止する。
【0018】また、本発明の請求項6の水撃防止器は、
請求項1乃至5記載の水撃防止器用の緩衝体を、水栓器
具の内部の通水路の適所に形成した筒穴状の空間部内に
挿入嵌合し、この空間部内に通水路に面して弾性体ケー
スに被覆されたシンタクティックフォーム充填部と、空
間部内と弾性体ケースの狭幅部の間たるエア室部と、を
形成させたことを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項6の水撃防止器によると、
水栓器具等に内蔵する緩衝体及びこの緩衝体にエア室部
とを形成しているから、緩衝体による水撃エネルギーの
低減作用と、エア室部のエアーダンパー作用とが複合作
用して緩衝性能の向上が図られ、急激に閉弁される水栓
器具等においても、水撃のピーク値及びハンマ音を抑え
られる。
【0020】また、本発明の請求項7の水撃防止器は、
請求項1乃至5記載の水撃防止器用の緩衝体を、水路と
結合部を形成した筒穴状のケーシング内に挿入嵌合し、
該ケーシング内に弾性体ケースに被覆されたシンタクテ
ィックフォーム充填部と、該ケーシングと弾性体ケース
の狭幅部の間たるエア室部と、を形成させたことを特徴
とするものである。
【0021】本発明の請求項7の水撃防止器によると、
水路の任意箇所の配管上に水撃防止器を後付けできると
ともに、緩衝体及びこの緩衝体にエア室部とを形成して
いるから、緩衝体による水撃エネルギーの低減作用と、
エア室部のエアーダンパー作用とが複合作用して緩衝性
能の向上が図られ、急激に閉弁される水栓器具等におい
ても、水撃のピーク値及びハンマ音を抑えられる。
【0022】また、本発明の請求項8の水撃防止器は、
請求項6又は7記載の水撃防止器において、弾性体ケー
スの通水路に面する位置に対向して第1のオリフィスを
配置するとともに、上記弾性体ケースの通水路に面する
位置に接近して孔径が上記第1のオリフィスよりも小さ
く設定された第2のオリフィスを配置したことを特徴と
するものである。
【0023】本発明の請求項8の水撃防止器によると、
2つのオリフィスにより、水撃エネルギーが順次に低減
される。そして、本体ケース内に伝播した水撃エネルギ
ーは、弾性体ケースを介して緩衝体による減衰作用を受
ける。ここで、緩衝体自体の衝撃吸収作用とエア室部の
エアダンパー作用とが複合作用して緩衝性能の向上が図
られ、水撃ピーク値を抑える。この減衰作用は、小流量
から大流量まで広い範囲に適用され、サヤ管ヘッダ方式
の樹脂管でのピーク値を抑える効果も発揮する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。図1は本発明の水撃防止器10に使用
される緩衝体の製造法とその構造を示している。先ず、
図1(a)に示すように、有底概略筒状の弾性体ケース
20は、保護膜部21Aと、この周囲から上方へ延長さ
れた筒状部21Dと、筒状部21Dの中腹付近から筒状
部21Dの径を狭幅してなる狭幅部21Gと、上部の開
口部21Hからなっている。
【0025】上記弾性体ケース20内に、上部の開口部
21Hから緩衝材となるシンタクティックフォーム19
の原液を注入器Cにより充填する。そして、図1(b)
に示すように、弾性体ケース20の内径に沿って、その
開口部(開放口縁)21Hにまで至り充填硬化させる。
筒状部21Dの径を狭幅してなる狭幅部21Gは、シン
タクティックフォーム19が充填されずエア室部Sを一
体形成される。
【0026】上記のようにしてシンタクティックフォー
ム19を充填硬化させた緩衝体190は、図1(c)に
示すように、水道管等1の通水路1Aに筒穴状の空間部
1Cを形成し、空間部1C内の内面1Dに沿って接着剤
層23を介して収納される。上記空間部1Cに緩衝体1
90を収納することで、狭幅部21Gはエア室部Sを形
成する。尚、接着剤層23は空間部1Cの内面1Dの一
部を接着するものでも良いし、接着剤層23がなくても
良い。次に、筒穴状の空間部1Cのネジ部1Eに蓋19
1のネジ部191Bを螺着して固定する。上記蓋191
には、オリフィス191Aがあけられ、これが水撃エネ
ルギーを減衰させた後、上記シンタクティックフォーム
19が更に水撃エネルギーを減衰する。
【0027】続いて、上記緩衝体190を構成する各部
材の最適な材質を説明する。まず、緩衝材を構成するシ
ンタクティックフォーム19の物性は、ゲル又はゴムを
基材17とし、これに有弾性の外殻を有する微小中空体
17Aを添加して形成されるものである。これはシンセ
ティックフォームとも言われるものであって、好適に
は、シリコーン製シンタクティックフォームが用いられ
る。この場合、シリコーンゲル又はシリコーンゴムは、
JIS K 2207(50g荷重)による針入度20
0〜JIS K 6301によるゴム硬度が50程度の
範囲にあるものが適用でき、又、微小中空体17Aは数
十μm〜千μmの微小中空球体であって、これが1〜6
%程度添加されているものである。
【0028】更に好ましくは、JIS K 6833に
よる粘度が1000〜6000センチポアーズにある液
体原料を用い、JIS K 6301による粘度が数1
0程度に硬化するシリコーンゴムを基材として、これに
有弾性の外殻を有する粒径数10μm〜数100μmの
微小中空体を2〜4%添加して硬化させてなるものを使
用する。
【0029】上記シリコーンゴムとしては、液体原料の
状態においてJIS K 6833による粘度が100
0〜6000センチポアーズにあり、これを硬化させた
状態においてJIS K 6301による硬度が数10
程度の範囲にあるものであり、その好適なものとして、
東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のCY5
2ー282等がある。これはシリカ添加で強化され、ま
た数分で硬化し始める高速硬化型品で、液体原料の状態
において上記粘度が5000センチポアーズ程度にあ
り、これを硬化させた状態におけるJIS K 630
1による所謂ゴムA硬度が20程度である。また、上記
JIS K 6301によるゴム硬度より柔らかいゴム
や発泡エラストマー、スポンジ等を測定するに適するも
のとしてきて規定されるSRIS101(日本ゴム協会
規格)やJIS S 6050により測定されたアスカ
ーC硬度によれば、55程度に硬化するものである。ま
た、これよりも多少硬く好適なものに、東レ・ダウコー
ニング・シリコーン株式会社製のCY52ー205があ
り、これは、上記粘度が35程度である。勿論、これら
品番のシリコーンゴムなくても、上記物性の範囲内にあ
るものであれば、同様に適用できるものである。又、シ
リコーンゲルとしては、東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン株式会社製のCY52ー276等がある。勿論、こ
れらシリコーンゲルやシリコーンゴムでなくとも、上記
硬さを備え、温度特性に優れ、溶出の点でも心配がな
く、変質せず、耐久性がある等の基本的な諸物性を満た
すものであれば適用できるものである。
【0030】また、添加される微小中空体は、自己弾性
変形し得る有弾性の合成樹脂を材料とした殻を有してい
る直径数十μm〜千μmの微小中空体であり、好適なも
のとして、日本フィライト(株)社のエクスパンセル
(登録商標)、松本油脂製薬(株)社のマツモトマイク
ロスフェアー等が例示できる。本実施形態では、マツモ
トマイクロスフェアー80EDL(直径500μm)を
使用している。
【0031】なお、これら微小中空体は、一般に5μm
〜100μm程度のものが一般グレードとして市販され
ている。しかし、これに改良を加え、200μm〜10
00μm程度に膨張させたものが好適である。200μ
m〜500μmのものが優れた緩衝効果を示す結果が得
られている。
【0032】上記弾性体ケース21は、ゴム状弾性体に
より形成されるものであり、シリコーンゴム,EPDM
(イソプレンゴム)等の合成ゴムや天然ゴム等の内か
ら、耐久性や水に対する溶出性などを考慮して選択され
るものである。本実施形態ではミラブル型シリコーンゴ
ム(東芝シリコーン製TSE260ー3U)が使用され
ている。このものは、耐熱性,高引裂性,安全性の点で
優れており、瞬間湯沸かし器,給湯器等に使用すること
も可能である。
【0033】また、上記弾性体ケース21の形状である
が、例えば、図13に示すようになっている。シンタク
ティックフォーム19の表面であって水撃作用方向にほ
ぼ直交する方向に延長される保護膜部21Aと、保護膜
部21Aの周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮
部21Bと、上記伸縮部21Bの周囲から延長されるフ
ランジ部21Cから形成されている。
【0034】また、このものの板厚は、水撃エネルギー
を吸収して緩衝材19と一緒に凹み変位し、水撃エネル
ギーの消滅で、緩衝材19の復元力と自己の復元力とで
一緒に復帰するように5mm前後に条件設定されてい
る。更に、保護膜部21Aのシンタクティックフォーム
19側には、筒状部21Dを一体形成している。この筒
状部21Dは本体ケース15の内周壁面15Bに沿って
配置され、接着剤層23を介して内周壁面15Bに密着
し、この内部にシンタクティックフォーム19を充填し
ている。
【0035】上記筒状部21Dの上縁部21Eは、本体
ケース15の内周壁面15Bとの頂板15Cの湾曲内面
に密着している。また、筒状部21Dの中腹付近から中
心側へ絞った絞部21Fと、この内端縁を上方へ立上げ
た狭幅部21Gとで、前記上縁部21Eとの間に環状の
エア室部Sを一体形成する。上記保護膜部21Aに対し
て一体形成したエア室部Sを除く筒状部21D内にその
開口部21Hからシンタクティックフォーム19が充填
可能に形成される。尚、筒状部21Dは、絞部21Fか
ら上を省略し、図6のように形成しても良い。
【0036】また、上記筒状部21D及びエア室部S
は、図2〜8に示す変形実施形態のようにも設計変更が
可能である。図2は筒状部21Dの中心位置にエア室部
Sとなる内壁部21Iと、その底面にシンタクティック
フォーム19を充填する連絡孔21Jを設けたものであ
る。また、図3は筒状部21Dの中腹に小径部21Kを
設けて環状のエア室部Sを形成し、この上部にシンタク
ティックフォーム19を充填する連絡孔21Jを設けた
ものである。更に、図4は筒状部21Dの頂部にエア室
部Sとなる球状部21Lを形成し、この上下部にシンタ
クティックフォーム19を充填する連絡孔21J,21
J´を設けたものである。尚、連絡孔21J´について
は、孔を設けない状態で成形後、注入器でピンホール状
の孔をあけて注入するようにしても良い。そして、図5
は筒状部21Dの頂部にエア室部Sとなる環状部21M
を形成し、この環状部21Mの上面を開口するととも
に、中心部を開口させ、シンタクティックフォーム19
を充填する連絡孔21J〃を設けたものである。
【0037】更に、図6は筒状部21Dの上部外周位置
にエア室部Sを形成したものである。また、弾性体ケー
ス21の受圧面側である保護膜部21Aをドーム状に上
方へ膨出させ、更に、その外周縁21Cも同形に屈曲形
成されている。上記弾性体ケース20に外側から被冠す
る本体ケース15は、上記弾性体ケース20の外形に近
似した形状に成型され、上記外周縁21Cに面接合する
外周面15Xを形成している。
【0038】上記のように、図6に示す弾性体ケース2
0及びこの本体ケース15によると、弾性体ケース20
の受圧面側の外周面となる保護膜部21Aに水撃エネル
ギーが加圧されると、この弾性体ケースの保護膜部21
Aが上方へ膨出し、その筒状部21Dが本体ケース15
の内周壁面15Bに密着するとともに、上記外周縁21
Cも外周面15Xに強く密着し、水圧による空間部内へ
の水漏れを防止する。
【0039】更に、図7,8は緩衝体190と本体ケー
ス15との水漏れ対策を施した弾性体ケース20の変形
実施形態を示している。上記弾性体ケース20の受圧面
側である保護膜部21Aをドーム状にシンタクティック
フォーム側に膨出させるとともに、筒状部21Dの内面
に接近するように沿設する。そして、受圧面側の外周縁
面21Cに設けた嵌合凹凸部21Xを空間部の内面に設
けた嵌合凹凸部と嵌合係止させる。図示では、接続具1
1の頂環部11Dに設けた嵌合凹凸部11Eと外周縁面
21Cに設けた嵌合凹凸部21Xとを嵌合係止させ、本
体ケース15の外周縁15Aと接続具11のフランジ部
11Bとをカシメている。
【0040】上記弾性体ケース20の構成により、図8
に示すように、保護膜部21Aに水撃エネルギーが加圧
されると、保護膜部21Aがシンタクティックフォーム
19側に更に膨出する。このとき、弾性体ケース20の
筒状部21Dに受圧面側の保護膜部21Aの内壁が密着
し、更に、嵌合凹凸部21X,11Eとが強く密着し合
い、水圧による空間部内への水漏れを防止する。
【0041】上記のような弾性体ケース20の構成によ
ると、弾性体ケース20内にシンタクティックフォーム
19を充填硬化すれば、エア室部Sのある緩衝体190
を容易に製造でき、且つ、容器の空間部1C内に容易に
組み込める効果が発揮される。
【0042】そして、保護膜部21Aをドーム状とする
ことで、弾性体ケース20の筒状部21Dに受圧面側の
保護膜部21Aの内壁が密着し、更に嵌合凹凸部21
X,11Eとすることで強く密着し合い、水圧による空
間部内への水漏れを防止する効果が発揮される。
【0043】次に、図9,10を参照して、上記緩衝体
190を、水栓器具100の内部の通水路109の適所
に形成した筒穴状の空間部101内に挿入配置した水撃
防止器10の第1実施形態を説明する。上記水栓器具1
00は、通水路109の水源側であるサプライ管110
に接続され、本体103内に収納する弁機構105をレ
バー107により開閉操作し、水Wを蛇口110から噴
出・遮蔽するものである。このような水栓器具100の
内部に形成した筒穴状の空間部101内に小孔113を
介して通水路109に連通した状態で緩衝体190を収
納する。そして、緩衝体190は、弾性体ケース20に
被覆されたシンタクティックフォーム充填部と、空間部
101内と弾性体ケース20の狭幅部の間に形成された
エア室部Sからなる。
【0044】図10に示すように、緩衝体190は、弾
性体ケース20を接着剤層23を介して円筒体25に挿
入・密着させ、このものを外部に開放する空間部101
内に挿入し、リングナット115をネジ部117に螺合
して弾性体ケース20の外周縁21B´を空間部101
の底面101Aに押圧させ、水漏れしないように密着さ
せている。勿論、上記緩衝体190の空間部101に対
する収納は、図1(c)に示す方法によっても良い。ま
た、上記実施形態では円筒体25を介して空間部101
に挿入したが、弾性体ケース20を直接空間部に挿入し
てもよい。なお、上記弾性体ケース20は、上記図2〜
8で示す各実施形態のものが採用できることは勿論であ
る。
【0045】また、図11,12を参照して、本発明の
緩衝体190を水栓器具100を接続するための接続具
たるエルボ管120に一体形成した水撃防止器10の第
2実施形態を説明する。このものは、エルボ管120の
屈曲部121に凸設した取付座部123に配置させたも
のであり、上記緩衝体190はエルボ管120の屈曲部
121に凸設した取付座部123に本体ケース15を、
その外周縁15Aをシール材127を介してカシメるこ
とにより取付られている。これにより、上記緩衝体19
0はエルボ管120の通水路129に対して、小孔12
5を介して連通される。その他の構成は上記第1実施形
態と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】上記水撃防止器10は、シンタクティック
フォーム19を納めた弾性体ケース20を、水栓器具1
00の内部の通水路109の適所に形成した筒穴状の空
間部101内に挿入配置させたり、エルボ管120の屈
曲部121に凸設した取付座部123に、弾性体ケース
20を収納する本体ケース15を取付けたりするもので
あり、簡単な作業で、容易に組付けられるものである。
【0047】また、水栓器具100内に収納したりエル
ボ管120に取付けた水撃防止器10は、弾性体ケース
20に収納されたシンタクティックフォーム19及びエ
ア室部Sを形成しているから、シンタクティックフォー
ム19による水撃エネルギーの減衰作用と、エア室部S
のエアダンパー作用とが複合作用して緩衝性能が発揮さ
れ、急激に閉弁される水栓器具100等においても、本
発明の水撃防止器10による水撃ピーク値及びハンマ音
を抑えることができる。
【0048】上記本発明の水撃防止器10によると、緩
衝体190を水栓器具100に組み込んだり、エルボ管
120に一体形成するので、取付作業が簡単、且つ、容
易に行なえる効果がある。
【0049】また、水栓器具100内に収納したりエル
ボ管120に取付けたりする水撃防止器10は、シンタ
クティックフォーム19及びエア室部Sを形成している
から、急激に閉弁される水栓器具100等において水撃
エネルギーの減衰作用と、エア室部Sのエアダンパー作
用とが複合作用し、水撃ピーク値及びハンマ音を抑える
効果がある。
【0050】続いて、図13,14を参照して、本発明
の緩衝体190を内蔵する水撃防止器10の第3実施形
態を説明する。このものは、水道配管1の配管途上に設
けた分岐管2に対して、その接続具11に設けた螺子部
11Aを螺着して設置される。上記接続具11は、その
入口に第1のオリフィス13を付設するとともに、上方
にフランジ部11Bを形成している。上記フランジ部1
1Bには、下方が開口した円筒状(直径30mm前後、
長さ30mm前後)の本体ケース15が被冠されてい
る。この本体ケース15内には、筒状部21Dを有する
弾性体ケース21が配置され、本体ケース15の内壁面
15Bに密着する筒状部21Dには、シンタクティック
フォーム19が充填されている。このシンタクティック
フォーム19は、上記図1で説明するシンタクティック
フォーム19と同一構成、同一材質からなり、また、環
状のエア室部Sを形成している。
【0051】また、上記シンタクティックフォーム19
は、その表面(本体ケース15の開口側)に弾性体ケー
ス21が密着して装着されており、上記弾性体ケース2
1のフランジ部21Cを挟み込んだ状態で、本体ケース
15の外周縁15Aを接続具11のフランジ部11B
に、シール材12を介してカシメて一体化している。本
実施形態においては、弾性体ケースの保護膜部21Aの
前面に目皿体27を介在させてカシメられており、この
目皿体27には第2のオリフィス27Aが中心位置にあ
けられている。その他の構成は上記第1実施形態と同様
であり、同一符号を付して説明を省略する。
【0052】以上の構成を基にその作用を説明する。ま
ず、水撃防止器10の組立工程から説明する。本発明の
水撃防止器の製造においては、別途弾性体ケース21上
に一体形成した筒状部21D内に、その頂部の開口部2
1Hからシンタクティックフォーム19の原液を充填す
る。このとき、筒状部21Dのエア室部Sとなる部位に
至らずに充填される。そして最終の組立工程において、
本体ケース15の内周壁面15Bに接着剤層23を塗布
し、筒状部21Dを嵌合・挿入させ密着させる。これ
で、本体ケース15内にシンタクティックフォーム19
が収められ、その開口部側に弾性体ケース21が配置さ
れる。これにより、本体ケース15内にエア室部Sが形
成される。次に、本体ケース15内に目皿体27を挿入
し、更に第1のオリフィス13を有する接続具11のフ
ランジ部11Bを挿入する。最後に、本体ケース15と
接続具11のフランジ部11Bとを、シール材12を介
してその外周縁15Aにて強くカシメる。これにより、
筒状部21Dの適所にエア室部Sを形成した水撃防止器
10を完成させる。
【0053】次に、上記水撃防止器10の作用を説明す
る。まず、水道管1の配管途上に設置した水撃防止器1
0の入口の第1オリフィス13は、水道管内の急激なバ
ルブ閉口動作によって発生する水撃エネルギーを減衰
し、且つ、本体ケース15内に伝播した水撃エネルギー
は、目皿板27の第2のオリフィス27Aで二次減衰し
た上で、弾性体ケース21で被覆されたシンタクティッ
クフォーム19によって減衰作用を受ける。上記のよう
に水撃エネルギーは、三段階の減衰作用を受ける。ここ
で、シンタクティックフォームは水撃エネルギーを受け
つつ変形して衝撃を吸収し、エア室部Sは緩衝材の変形
許容域として機能するとともに、エアークッション的に
作用して吸収を行なう。
【0054】しかして、上記シンタクティックフォーム
19を備えた水撃防止器10によると、シンタクティッ
クフォーム19とエア室部Sの協働作用で、そのピーク
値を抑える減衰効果が増大する。この減衰作用は、小流
量から大流量まで広い範囲に適用され、サヤ管でのピー
ク値を抑える効果も発揮する。
【0055】次に、本発明の第1,2,3実施形態の水
撃防止器について、図15に示すような水撃防止効果試
験装置40に接続して水撃防止効果を試験した。上記装
置について説明すると、給水系統41は、圧力ポンプ4
3から給水される配管45からなっている。上記配管4
5には圧力調節弁47、逆止弁48、急閉弁49及び流
量調節弁51を有する。本発明の水撃防止器10は配管
45の逆止弁48と急閉弁49との間に分岐管53を介
してネジ接続される。又、水撃防止器10の上流側に分
岐管55を接続し、ここに圧力センサ57と、この圧力
センサ57に接続されたEFTアナライザ59とを備え
ている。
【0056】上記水撃防止効果については、ウォータハ
ンマ現象を受けて水撃のピーク値がどのように抑制され
るかを示すピーク抑制効果と、ウォータハンマ現象が発
生してからの振動減衰(振動収束)を示すダンピング特
性として表わせるので、この両者について試験を行っ
た。又、耐久性については、所定の間隔で上記試験を1
回〜10万回まで繰返し実施し、その変化を確認した。
以下、その結果を示す。
【0057】(試験例)圧力調節弁47で基準水圧を2
kgf/cm2 とし、水撃防止器を全く使用ない場合の
水撃圧力が約20kgf/cm2 となるような位置に水
撃防止器1を設置して試験した。この試験例でピーク値
抑制効果は次の通りであった。尚、500μmの中空球
体を採用している。 (1)図16は、水撃防止器無しの状態における水撃圧
力特性を示し、ピーク値が20.3kgf/cm2 とな
り、ピーク後の振動が衰えず長引いている。 (2)図17は、伸縮性保護膜21と目皿体27とを備
えた従来タイプ(図19に示す)の水撃防止器10´の
水撃圧力特性を示し、ピーク値が7.9kgf/cm2
で水撃防止器無しに較べてピーク値が抑えられ、ピーク
後の減衰作用もられる。 (3)図18は、500μmの中空球体の緩衝材19
と、エア室部Sを形成した本発明の水撃防止器10の水
撃圧力特性を示し、ピーク値が6.5kgf/cm 2
なり、ピーク後の減衰作用も見られる。
【0058】上記試験結果から、本発明の水撃防止器1
0は、水撃のピーク値を抑制する緩衝性能が発揮でき、
また、耐久性についても、10万回に及ぶ試験中に上記
性能が維持され、充分な耐久性を有することが確認され
ている。又、水密性については、上記の試験結果ととも
に、100kgf/cm2 の水圧で加圧して水漏れの無
を試験したところ、水漏れは全くなく、充分な水密性が
あることが確認された。
【0059】以上、上記第1,2,3実施形態による
と、以下のような効果を奏することができる。まず、本
体ケース内に納める弾性体ケース21に一体形成した筒
状部21Dを設け、これにシンタクティックフォーム1
9を充填するようにしたから、水撃防止器10の製造に
おいて、先ず、別途筒状部にシンタクティックフォーム
19を充填し、最終の組立工程において、本体ケースに
筒状部21Dを挿入することができるので、本体ケース
の表面を傷付けることがなく、また、重量の大きい本体
ケースを工程毎に移動させる必要もないから搬送効率が
よく、能率よく組立られる。また、緩衝材の充填作業も
筒状部に注入すればよいから容易であり、水撃防止器の
製造を簡単、且つ、確実に行える効果がある。
【0060】また、弾性体ケース21に一体形成した筒
状部21Dにエア室部Sを一体成形したから、エア室部
Sを容易に形成できる。また、これにより、シンタクテ
ィックフォーム19の水撃減衰作用に加え、エア室部S
のエアダンパー作用による収縮による変形許容域の増大
で緩衝性能の向上が得られる。特に、上記第1,2,3
実施形態では筒状の本体ケース15に対して筒状部21
Dを凸型の対称形にしたので、腰があるが柔軟性もあ
り、高い緩衝性能が発揮される。従って、サヤ管の水道
管においてもウォータハンマ現象を効果的に低減でき
る。
【0061】本発明は、上記第1,2,3実施形態に限
定されず、その要旨内での細部の設計変更は自由に行わ
れること勿論である。例えば、エア室部Sの形状は任意
に変更できる。また、配管1の途上に取付ける後付けの
水撃防止器10においては、2つのオリフィス13,2
7Aを設けたが、この2つのオリフィスを上記第1,2
実施形態の水栓器具内蔵式の水撃防止器10にも設けて
もよい。また、接続具11や本体ケース15等の形状変
更やこの取付方法等も図示のものに限定されない。上記
第2,3実施形態において、組立方法をカシメに代え
て、シーム溶接によってもよい。更に、本発明の水撃防
止器10は水道管1に適用した例を示したが、水以外の
液体にも適用できること勿論である。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1の水撃防止器用の緩衝
体は、有底概略筒状の弾性体ケースには水撃作用方向の
高さ間の何れかの部位において、水撃作用直交方向の径
を狭幅してなる狭幅部を形成するとともに、シンタクテ
ィックフォームを弾性体ケースの内径に沿ってその開放
口縁にまで至り充填硬化されているから、弾性体ケース
内へのシンタクティックフォームの充填作業がその上部
に設けた開放口から確実且つ容易に行なえる。また、通
水路に連通した筒穴状の空間部の内周面に沿って上記緩
衝体を容易に収納配置でき、併せて狭幅部によりエア室
部が容易に形成される効果がある。
【0063】また、本発明の請求項2の水撃防止器用の
緩衝体は、弾性体ケースをミラブル型シリコーンゴムで
形成したから、耐熱性,高引裂性,安全性の点で優れて
おり、瞬間湯沸かし器,給湯器等に使用することも可能
となる効果がある。
【0064】また、本発明の請求項3の水撃防止器用の
緩衝体によると、シンタクティックフォームは、JIS
K 6833による粘度が1000〜6000センチ
ポアーズにある液体原料を用い、JIS K 6301
による粘度が数10程度に硬化するシリコーンゴムを基
材として、これに有弾性の外殻を有する粒径数10μm
〜数100μmの微小中空体を2〜4%添加して硬化さ
せたから、水撃エネルギーは、弾性体ケースを介してこ
の内部のシンタクティックフォームに伝播して低減さ
れ、このとき、シリコーンゴムの抵抗による変形と同時
に、微小中空体そのものの変歪による抵抗を生じ、これ
らの抵抗力が衝撃のピーク値を低下させ、また、水撃エ
ネルギーを効率良く吸収する効果が発揮される。
【0065】また、適度な硬さのシリコーンゴムである
ことは、適当量の変形を生じることでもあるから、これ
ら変形を繰返し受けても耐久性が発揮される効果があ
る。
【0066】また、本発明の請求項4の水撃防止器用の
緩衝体によると、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水
圧の受圧時に空間部内面に密着される密閉縁部を形成し
たから、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水撃エネル
ギーが加圧されると、この弾性体ケースの密閉縁部が空
間部内面に密着し、水圧による空間部内への水漏れを防
止する効果が発揮される。
【0067】また、本発明の請求項5の水撃防止器用の
緩衝体によると、弾性体ケースの受圧面側をドーム状に
シンタクティックフォーム側に膨出させるとともに、受
圧面側の外周面に空間部内面との間で嵌合凹凸部を設け
たから、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水撃エネル
ギーが加圧されると、シンタクティックフォーム側に更
に膨出し、弾性体ケースの筒状部に受圧面側の外周面の
内壁が密着し、且つ嵌合凹凸部が空間部内面と密着し、
水圧による空間部内への水漏れを防止する効果が発揮さ
れる。
【0068】また、本発明の請求項6の水撃防止器によ
ると、水栓器具内の適所の空間部内に挿入嵌合し、この
空間部内に通水路に面して弾性体ケースに被覆されたシ
ンタクティックフォーム充填部と、空間部内と弾性体ケ
ースの狭幅部の間たるエア室部とを形成させたから、水
栓器具を交換するだけで水撃防止器を組み込めむことが
でき、緩衝体による水撃エネルギーの低減作用と、エア
室部のエアーダンパー作用とが複合作用して緩衝性能の
向上が図られ、急激に閉弁される水栓器具等において
も、水撃のピーク値及びハンマ音を抑えられる効果が発
揮される。
【0069】また、本発明の請求項7の水撃防止器によ
ると、水路と結合部を形成した筒穴状のケーシング内に
挿入嵌合し、該ケーシング内に弾性体ケースに被覆され
たシンタクティックフォーム充填部と、該ケーシングと
弾性体ケースの狭幅部の間たるエア室部とを形成させた
から、水路の任意箇所の配管上に水撃防止器を後付けで
きるとともに、緩衝体による水撃エネルギーの低減作用
と、エア室部のエアーダンパー作用とが複合作用して緩
衝性能の向上が図られ、急激に閉弁される水栓器具等に
おいても、水撃のピーク値及びハンマ音を抑えられる効
果が発揮される。
【0070】又、本発明の請求項8の水撃防止器による
と、弾性体ケースの通水路に面する位置に対向して配置
される第1のオリフィスとともに、上記弾性体ケースの
表面に接近して孔径が上記第1のオリフィスよりも小さ
く設定された第2のオリフィスを配置したから、この2
つのオリフィスにより、水撃エネルギーが順次に低減さ
れ、本体ケース内に伝播した水撃エネルギーは、弾性体
ケースを介してシンタクティックフォームによる減衰作
用と、エア室部のエアダンパー作用とが複合作用して緩
衝性能の向上が図られ水撃ピーク値を抑える効果が発揮
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図で、緩衝体の製造法
とその構造の断面図である。
【図2】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図3】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図4】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図5】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図6】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図7】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの断面図である。
【図8】本発明の変形実施形態を示す図で、弾性体ケー
スの作用断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態を示す図で、水撃防止器
を水栓器具に内蔵した断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態を示す図で、水撃防止
器を水栓器具に内蔵した要部の断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す図で、エルボ管
に水撃防止器を付設した斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態を示す図で、エルボ管
に水撃防止器を付設した要部の断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示す図で、配管上に
水撃防止器を付設した断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態を示す図で、水撃防止
器を切開した斜視図である。
【図15】本発明の水撃防止器の水撃防止効果試験装置
の正面図である。
【図16】水撃防止器無しの水撃圧力特性を示す特性図
である。
【図17】水撃防止器有りの水撃圧力特性を示す特性図
である。
【図18】水撃防止器有りの水撃圧力特性を示す特性図
である。
【図19】従来例の水撃防止器の断面図である。
【符号の説明】
1 水道配管 1A 通水路 2 分岐管 10 水撃防止器 11 接続具 11A 螺子部 11B フランジ部 11E,21X 嵌合凹凸部 12,127 シール材 13 第1のオリフィス 15 本体ケース 15B 内周壁面 17 基材 17A 微小中空体 19 緩衝材 190 緩衝体 20 弾性体ケース 21A 保護膜部 21B 伸縮部 21B´ 外周縁 21C フランジ部 21D 筒状部 21E 上縁部 21F 絞部 21G 狭幅部 21H 開口部 23 接着剤層 25 円筒体 27 目皿体 27A 第2のオリフィス 40 水撃防止効果試験装
置 100 水栓器具 101 空間部 103 本体 105 弁機構 107 レバー 109,129 通水路 110 蛇口 113,125,191A 小孔 115 リングナット 120 エルボ管 123 取付座部 123A フランジ部 S エア室部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底概略筒状の弾性体ケースと、上記弾
    性体ケース内に充填硬化させたシンタクティックフォー
    ムとからなり、通水路に連通した筒穴状の空間部の内周
    面に沿って収納配置される水撃防止器用の緩衝体であっ
    て、上記弾性体ケースには水撃作用方向の高さ間の何れ
    かの部位において、水撃作用方向と直交する方向の径を
    狭幅してなる狭幅部を形成するとともに、シンタクティ
    ックフォームは弾性体ケースの内径に沿ってその開放口
    縁にまで至り充填硬化されていることを特徴とする水撃
    防止器用の緩衝体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水撃防止器用の緩衝体に
    おいて、弾性体ケースは、ミラブル型シリコーンゴムで
    あることを特徴とする水撃防止器用の緩衝体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の水撃防止器用の緩
    衝体において、シンタクティックフォームは、JIS
    K 6833による粘度が1000〜6000センチポ
    アーズにある液体原料を用い、JIS K 6301に
    よる硬度が数10程度に硬化するシリコーンゴムを基材
    として、これに有弾性の外殻を有する粒径数10μm〜
    数100μmの微小中空体を2〜4%添加して硬化させ
    てなることを特徴とする水撃防止器用の緩衝体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の水撃防止器用の緩
    衝体において、弾性体ケースの受圧面側の外周面に水圧
    の受圧時に空間部内面に密着される密閉縁部を形成した
    ことを特徴とする水撃防止器用の緩衝体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3記載の水撃防止器用の緩
    衝体において、弾性体ケースの受圧面側をドーム状にシ
    ンタクティックフォーム側に膨出させるとともに、受圧
    面側の外周面に空間部内面との間で嵌合凹凸部を設けた
    ことを特徴とする水撃防止器用の緩衝体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の水撃防止器用の緩
    衝体を、水栓器具の内部の通水路の適所に形成した筒穴
    状の空間部内に挿入嵌合し、この空間部内に、通水路に
    面して弾性体ケースに被覆されたシンタクティックフォ
    ーム充填部と、空間部内と弾性体ケースの狭幅部の間た
    るエア室部と、を形成させたことを特徴とする水撃防止
    器。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5記載の水撃防止器用の緩
    衝体を、水路と結合部を形成した筒穴状のケーシング内
    に挿入嵌合し、該ケーシング内に弾性体ケースに被覆さ
    れたシンタクティックフォーム充填部と、該ケーシング
    と弾性体ケースの狭幅部の間たるエア室部と、を形成さ
    せたことを特徴とする水撃防止器。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の水撃防止器におい
    て、弾性体ケースの通水路に面する位置に対向して第1
    のオリフィスを配置するとともに、上記弾性体ケースの
    通水路に面する位置に接近して孔径が上記第1のオリフ
    ィスよりも小さく設定された第2のオリフィスを配置し
    たことを特徴とする水撃防止器。
JP8138132A 1996-03-15 1996-05-31 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器 Pending JPH09303667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8138132A JPH09303667A (ja) 1996-03-15 1996-05-31 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-59713 1996-03-15
JP5971396 1996-03-15
JP8138132A JPH09303667A (ja) 1996-03-15 1996-05-31 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09303667A true JPH09303667A (ja) 1997-11-28

Family

ID=26400788

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8138132A Pending JPH09303667A (ja) 1996-03-15 1996-05-31 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09303667A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6688335B2 (en) 2000-07-14 2004-02-10 Suzuki Sogyo Co., Ltd. Liquid hammer prevention device
JP2009508070A (ja) * 2005-09-15 2009-02-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 緩衝部材が組み込まれた圧力制御弁
KR101021884B1 (ko) * 2008-11-25 2011-03-18 주식회사 아세아유니온 워터햄머 흡수기용 밸브조립체
KR20150102529A (ko) * 2014-02-28 2015-09-07 한온시스템 주식회사 압축기의 토출포트 커넥터

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6688335B2 (en) 2000-07-14 2004-02-10 Suzuki Sogyo Co., Ltd. Liquid hammer prevention device
KR100488261B1 (ko) * 2000-07-14 2005-05-11 스즈키소교 가부시키가이샤 액격방지기
JP2009508070A (ja) * 2005-09-15 2009-02-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 緩衝部材が組み込まれた圧力制御弁
KR101021884B1 (ko) * 2008-11-25 2011-03-18 주식회사 아세아유니온 워터햄머 흡수기용 밸브조립체
KR20150102529A (ko) * 2014-02-28 2015-09-07 한온시스템 주식회사 압축기의 토출포트 커넥터

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4122223B2 (ja) 配管直列型液撃防止器
WO2001063139A1 (fr) Structure de fixation de couvercle de protection contre la poussiere pour amortisseur hydraulique
US9777880B2 (en) Pressure absorber for a fluid system and method of use
JPH09303667A (ja) 水撃防止器用の緩衝体及び水撃防止器
US4492366A (en) Elastically damping device for the suspension of an engine
JP6914953B2 (ja) 弾性ボール/振り子軸受を有する風力発電機
JP4440782B2 (ja) 衛生設備に用いられる組込み部材
EP1172599B1 (en) Liquid hammer prevention device
JPH08145271A (ja) ウォータハンマ防止器
CN101909491A (zh) 用于床垫的支架结构
KR100562165B1 (ko) 소음방지용 이음관
JP2908998B2 (ja) ウォータハンマ防止器
JPH03186691A (ja) 水撃防止装置
JP3020335U (ja) ウォータハンマ防止器
JP2506201Y2 (ja) 給液管用の液撃防止器
CN205155001U (zh) 气缸
CN208660340U (zh) 一种防水不倒翁
JPH0914564A (ja) 水撃防止器用の緩衝材とその製造方法
JPH11201368A (ja) 水撃防止器
KR102606228B1 (ko) 내진 보강 구조를 갖는 물탱크
JPH07208329A (ja) 液撃防止器付流量調整弁
JP2002243089A (ja) 液撃防止器
JPH04106579U (ja) 衝撃波吸収装置
JPH0821567A (ja) ウォーターハンマー防止装置
KR200301101Y1 (ko) 배수이음관