JPH0640586U - 給液管用の液撃防止器 - Google Patents

給液管用の液撃防止器

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JPH0640586U
JPH0640586U JP3466693U JP3466693U JPH0640586U JP H0640586 U JPH0640586 U JP H0640586U JP 3466693 U JP3466693 U JP 3466693U JP 3466693 U JP3466693 U JP 3466693U JP H0640586 U JPH0640586 U JP H0640586U
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hammer absorber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液撃吸収体の作動が確実に行えることは当然
として、耐久性にも優れて種々な場所に適用することの
できる液撃防止器を簡単な構造によって提供すること。 【構成】 管路20の途中に設けられて当該管路20中
に連通する連通穴14aを設けた取付基部14と、これ
に取付けられる液撃吸収体11と保護筒12とを備えた
液撃防止器10であって、液撃吸収体11を、弾性材料
によって取付基部14の連通穴14aにのみ連通する有
蓋筒状でかつ伸縮可能な蛇腹形状に形成するとともに、
保護筒12を、液撃吸収体11の周囲を完全に包み込
み、その頂部11cとの間に空気室13を形成するもの
として形成したこと。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、種々な液体を給液管を介して種々な機器に並列的に供給する場合に 生ずる液撃を防止する液撃防止器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば液体として水道水を採ってみた場合、この水道水は、図2に示すような 状態で台所の流しや浴室の浴槽等に給液管を介して並列的に供給されるものであ るが、この水道水には供給するのための一定の圧力が付加されている。このため 、例えば流し等において出していた水を止めると、水の流れが急に止められるこ とになって、所謂ウォーター・ハンマーと言われる液撃が発生することがある。 この液撃は、水道水を使用する各機器において水の流れを機械的かつ急激に停止 させる場合によく発生するものであり、この液撃によって他の機器において異音 を発生することにもなるのである。
【0003】 このような液撃は、図2に示した給湯器から分配される給湯管においても生ず るものであり、要するに、比較的大きな貫性重量を有した液体に所定の圧力を付 与して種々な場所に供給する場合によく生ずる現象である。このような液撃現状 は何等かの手段・方法によって発生しないようにしないと、例えば集合住宅にお ける夜間の静寂を維持できないことになるのである。このため、例えばある機器 への分配管途中に逆流防止弁を介在させて上述した液撃が他の機器へ伝播しない ようにすることも考えれたのであるが、この逆流防止弁が弁座に着座する場合、 この着座が急激であるため結局異音を発生することになったのである。そこで、 さらに工夫が加えられて、図11に示すような液撃防止器が提案されたのである 。この従来の液撃防止器においては、管路に連通するゴム製の液撃吸収体を管路 中に取付けて、その周囲を保護筒によって保護してあり、液撃吸収体が図11の 側方へのみ拡開するようにしたものである。
【0004】 このような従来の液撃防止器によれば、これが取付けられている管路の近傍に おいて液撃が生じた場合に、この液撃が液撃吸収体内の液に伝わって液撃吸収体 を拡開するため、この液撃は柔らげられることになるものである。しかしながら 、この従来の液撃防止器においては、液撃吸収体が保護筒内に言わば伸縮しない 状態で収納されているため、液撃の吸収が完全に行えないものである。それだけ でなく、液撃吸収体の側方への拡開を十分なものとしようとすれば、保護管に内 部の空気の出入を可能にする穴を形成しなければならないことになる。そうなる と、この穴を通して空気が内部のゴム製の液撃吸収体に供給されることになって 、液撃吸収体の経年変化が早まってしまうだけでなく、穴を通して水等が保護管 内に入ることから、このような液撃防止器を土中や壁中に埋設することもできな くなるのである。
【0005】 さらに、近年の高層住宅用の水道や、あるいは空調機器等の実状からすると、 管路内に供給される水等の圧力が、1〜10キロ/平方センチメートルといった ように幅広いものとなってきている。つまり、各機器が十分な機能を発揮するよ うにするためには、これらの機器に供給されるべき水等の液体の圧力は十分高い ことが必要であり、また管路の末端に位置する機器に対する水等は当然圧力が低 いものとならざるを得ないものであるからである。そうなると、ウォーター・ハ ンマー現象も圧力の幅の広いものとなってくるのであり、衝撃吸収をするものの 弾力性も幅広い圧力域に対応できるものとしなければならなくなってくるのであ る。
【0006】 そこで、本考案者は、以上のような従来の液撃防止器の最大の欠点が、保護筒 内での液撃吸収体の拡開が自由に行えないことにあることに気付き、これを解消 するにはどうしたらよいかについて鋭意検討を重ねてきた結果、本考案を完成し たのである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、以上のような経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす る課題は、液撃吸収体の作動を外界とは遮断した状態で確実に行わせることであ る。
【0008】 そして、本考案の目的とするところは、液撃吸収体の作動が確実に行えること は当然として、耐久性にも優れて種々な場所に適用することのできる液撃防止器 を簡単な構造によって提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る考案の採った手段は、実施例に おいて使用する符号を付して説明すると、 「管路20の途中に設けられて当該管路20中に連通する連通穴14aを設け た取付基部14と、これに取付けられる液撃吸収体11と保護筒12とを備えた 液撃防止器10であって、 液撃吸収体11を、弾性材料によって取付基部14の連通穴14aにのみ連通 する有蓋筒状でかつ伸縮可能な蛇腹形状に形成するとともに、保護筒12を、液 撃吸収体11の周囲を完全に包み込み、その頂部11cとの間に空気室13を形 成するものとして形成して、 液撃吸収体11及び保護筒12の各開口取付部11a・12aを取付基部14 に気密的に取付けたことを特徴とする液撃防止器10」 である。
【0010】 また、請求項2に係る考案の採った手段は、同様に、 「管路20の途中に設けられて当該管路20中に連通する連通穴14aを設け た取付基部14と、これに取付けられる液撃吸収体11と保護筒12とを備えた 液撃防止器10であって、 液撃吸収体11と保護筒12との間にさらに第二液撃吸収体15を配置して、 この第二液撃吸収体15を、液撃吸収体11の周囲を完全に包み込み、液撃吸収 体11の頂部11cとの間に空気室13を形成するものとして形成し、かつこれ らの第二液撃吸収体15と液撃吸収体11とを、弾性材料によって取付基部14 の連通穴14aにのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能なものに形成するととも に、 保護筒12を、第二液撃吸収体15の周囲を完全に包み込み、その頂部15c との間に空気室13を形成するものとして形成して、液撃吸収体11、第二液撃 吸収体15及び保護筒12の各開口取付部15a・11aを取付基部14に気密 的に取付けたことを特徴とする液撃防止器10」 である。
【0011】
【考案の作用】
以上のように構成した各請求項の考案に係る液撃防止器10の作用を、添付の 図面を参照して詳細に説明する。
【0012】 ・請求項1の考案に係る液撃防止器10について まず、この液撃防止器10は、種々な管路20の途中に取付けられる取付基部 14と、これにそれぞれ気密的に取付けられる液撃吸収体11及び保護筒12と からなっているので、その構成が非常に簡単であるとともに、各液撃吸収体11 及び保護筒12についても所謂型成形し易いものであるから、製造も容易なもの となっているのである。
【0013】 管路20の途中に設けられるべき取付基部14にしても、管路20の種類に応 じたものを形成するものであるが、その場合には、液撃吸収体11の開口取付部 11a及び保護筒12の開口取付部12aを取り付ける部分(例えば取付部14 a)さえ確保しておけばどのような形状としてもよく、しかも保護筒12を共通 して使用できるのであるから、その製造は汎用性を確保したまま容易に行えるの である。
【0014】 以上の液撃防止器10を実際に取付けるには、例えば図3に示したようなヘッ ダー30の一部に取付基部14を一体的に形成するか、あるいは図8〜図10に 示したような両内ネジニップル41、両外ネジニップル42あるいは内外ネジニ ップル43にこの取付基部14を一体的に形成しておけばよい。そして、図3に 示したように、この取付基部14の取付部14bに液撃吸収体11の開口取付部 11aを取付けてから、この液撃吸収体11に保護筒12をかぶせて、この保護 筒12の開口取付部12aを取付基部14の外周に固定すればよいのである。こ れにより、この液撃防止器10は、図1に示したような状態のものになるのであ る。
【0015】 すなわち、この液撃防止器10は、図1にも示したように、液撃吸収体11の 内部と管路20中とが取付基部14の連通穴14aを介して連通したものとなる のであり、管路20内の圧力の変化は直ちにこの液撃吸収体11内に伝えられる ものとなっている。また、この液撃吸収体11の周囲には、これを完全に密閉し た状態で保護筒12が位置しているのであり、この保護筒12の上端と液撃吸収 体11の頂部11c間には空気室13が形成されているのである。つまり、液撃 吸収体11は、保護筒12内にて伸縮自在の状態で収納されているのであり、液 撃吸収体11内の圧力が高くなれば空気室13内に向けて伸びて保護筒12内の 空気を圧縮させるのであり、液撃吸収体11内の圧力が通常状態に戻るに従って 、空気室13内の圧縮された空気の圧力及び液撃吸収体11自体の弾性により、 液撃吸収体11の弾性特性に従った一定の速度で弾力的に元の状態に戻るのであ る。
【0016】 従って、管路20のどこかで急激な圧力変動があって、液撃が他の部分に伝播 しようとしても、その前にこの液撃防止器10による衝撃吸収が行われて異音が 発生しないだけでなく、液撃が他の部分に伝播することもないのである。
【0017】 特に、本考案においては、蛇腹形状に形成した液撃吸収体11を、その頂部1 1cとの間に空気室13を形成するように保護筒12内に収納するとともに、保 護筒12を液撃吸収体11の全体を気密的に覆うような構造のものとしたので、 管路20内に液撃が生じたときの衝撃を空気室13内の空気の圧縮という手段を 利用しながら確実に吸収するとともに、保護筒12によって液撃吸収体11が酸 素に接触するのが防止されているため、耐久性に優れたものとなっているのであ る。また、この保護筒12が液撃吸収体11を完全に保護するとともに、液撃吸 収体11の作動を許容する空気室13を形成するように構成してあるから、この 液撃防止器10を例えばヘッダー30とともに地中や壁中に埋設することを可能 にしているのである。 ・請求項2の考案に係る液撃防止器10について この液撃防止器10の基本的作用は、上述した請求項1に係る液撃防止器10 と実質的に同様であるが、この液撃防止器10においては、液撃吸収体11と保 護筒12と間にさらに第二液撃吸収体15を配置したことによって、その液撃吸 収が次のようにより確実となっている。
【0018】 つまり、この液撃防止器10においても、管路20側からの液撃は、まず液撃 吸収体11によって吸収されるのであるが、この液撃吸収体11による吸収が十 分行えない場合に、次段の第二液撃吸収体15によって吸収されるのであり、結 果として、この液撃防止器10の液撃吸収作用は十分なものとなっているのであ る。
【0019】 このことは、次の点で重要である。すなわち、管路20中の圧力は前述したよ うに幅広いものとなってきているが、その全ての範囲内での液撃吸収を行おうと すると、高い圧力の液撃を吸収するだけでは低い圧力の液撃を吸収することがで きず、その逆も言えるのである。つまり、低い圧力の液撃を完全に吸収させよう とすれば、液撃吸収体11等の材質を軟質なものとすればよいが、それだと高い 圧力の液撃には対処することができない。これとは逆に、高い圧力の液撃に対処 するために、液撃吸収体11等の材質を硬質のものとすれば、低い圧力の液撃に は対処することができないのである。
【0020】 この点、この請求項2に係る液撃防止器10においては、液撃吸収体11と第 二液撃吸収体15との言わば二重構造のものとしてあるから、液撃吸収体11を 軟質な材料によって実施例で示すような蛇腹形状のものとするとともに、第二液 撃吸収体15を硬質ではあるがある程度の弾性を有する材料によって形成したこ とにより、低い圧力の液撃は主として液撃吸収体11によって吸収されるのであ り、この液撃吸収体11によって吸収し切れなかった高い圧力の液撃は第二液撃 吸収体15側にて吸収されるのである。従って、この請求項2に係る液撃防止器 10による液撃吸収は、十分かつ完全になされるのであり、管路20中の圧力は 液撃そのものが変化する場合においても、この液撃防止器10一つによって十分 対処し得るのである。
【0021】 また、この第二液撃吸収体15は、後述するように、液撃吸収体11よりも硬 質な材料によって形成することにより、液撃吸収体11の過大な膨張を阻止して 液撃吸収体11の保護を行っている。すなわち、液撃の圧力が液撃吸収体11に よっては十分吸収できない程大きなものである場合には、液撃吸収体11はその 弾性限界を越えて膨張しようとすることになるが、その膨張作用は当該第二液撃 吸収体15によって抑えられるのであり、結果として、この第二液撃吸収体15 は液撃吸収体11の保護を行っているのである。
【0022】 以上の作用を、実施例にて示した液撃防止器10を使用して実験したデータに よって裏付けると、図12〜図16に示したグラフのようになる。この実験は、 社団法人日本水道協会の「水撃緩衝効果試験」として規定された審査基準に基づ いて行ったものであり、水撃の元となる電磁弁を、この液撃防止器10の後流側 2mの位置に配置するとともに、液撃防止器10の1m上流側の圧力変化を測定 したものである。この測定実験においては、まず管路20中の流速を16リット ル/分と一定のものとしておき、次に示す液圧毎に液撃の減衰変化を調べたもの である。
【0023】 図12の実験 液圧 3K 図13の実験 液圧 4K 図14の実験 液圧 5K 図15の実験 液圧 6K 図16の実験 液圧 7K
【0024】 そして、図12〜図16の中の、各(イ)のグラフは、液撃防止器10を設け ないで電磁弁を閉じて生じた液撃及びその後の減衰状況を示したものであり、各 (ロ)のグラフは、液撃防止器10を設けて各(イ)に示した液撃を生じさせた 場合の、測定場所での圧力変化を示したものである。
【0025】 これら図12〜図16の各(ロ)で理解できるように、当該液撃防止器10に よれば、液撃が十分吸収されていて、しかも液撃の減衰も、より短い時間内で行 われている。しかも、管路20中の圧力が3K〜7Kと変化しても、液撃の吸収 率が30%前後と略一定であり、この液撃防止器10は、汎用性の高い液撃吸収 を行っていることが理解できる。
【0026】 勿論、この請求項2に係る液撃防止器10においても、請求項1に係る液撃防 止器10のように、構成が簡単で製造が容易であること、耐久性に優れたものと なっていることに関しても、同様に作用するものである。
【0027】
【実施例】
次に、各請求項の考案に係る液撃防止器10を、図面に示した各実施例に従っ て説明すると、図1にはヘッダー30に一体化した請求項1に係る液撃防止器1 0の断面図が示してある。つまり、この液撃防止器10は、図2に示した家庭に おける水道水や湯の配管経路中において使用されるものであり、本実施例におい ては、本管や給湯器の直近に配置されるヘッダー30に一体的に設けられるもの である。特に、図1に示した液撃防止器10は、図2及び図3に示したように、 給湯器に管路20を介して接続されて、台所の流しやお風呂の浴槽に供給される べき湯をそれぞれ分配するためのヘッダー30に設けられるものである。
【0028】 この液撃防止器10は、図1及び図3に示したように、管路20に接続される ヘッダー30の基体に一体的に形成した取付基部14と、これに接続される液撃 吸収体11と、この液撃吸収体11を密閉状態で包み込む保護筒12とからなっ ている。液撃吸収体11は、合成ゴム等により一体的に形成されるものであり、 図1に示したように、有蓋筒状でかつ蛇腹状のものである。従って、この液撃吸 収体11は、内部に空気や液体を収納するための空間を有するものとなっている のであり、その蛇腹部11bにて図示上下方向に伸縮自在なものとなっているの である。勿論、この液撃吸収体11の下端は、図1及び図3に示したように、ヘ ッダー30側に固定されている取付基部14の取付部14bに取付けられるべき 開口取付部11aが形成してある。そして、この液撃吸収体11内は、これを取 付基部14に取付けたとき、取付基部14の連通穴14aを介してヘッダー30 内、従ってこのヘッダー30に連結されている管路20内に連通するものである 。
【0029】 この液撃防止器10の外周を覆うための保護筒12は、合成樹脂や金属等の剛 性のある材料によって形成したものであり、液撃吸収体11の蛇腹部11bが最 大限に伸びきったときの長さよりも僅かに高い高さを有したものとしてある。従 って、この保護筒12を、その下端に形成した開口取付部12aにて取付基部1 4の外周に気密的に取付けたとき、この保護筒12の上端と液撃吸収体11の頂 部11c間には、図1に示したような形状の空気室13が形成されるものである 。そして、この保護筒12は、この空気室13内の空気の出入を許容しないよう に、また当該液撃防止器10を土中や壁内に埋設した場合に土や水が内部に入ら ないようにするために、取付基部14の取付部14bの外周に気密的に取付けら れるべき開口取付部12a以外は穴を全く有していないものとしてあるのである 。
【0030】 本実施例の液撃防止器10においては、液撃吸収体11の外径と取付基部14 の内径とを略同一にするとともに、取付基部14の内面に液撃吸収体11のため の潤滑剤を塗布してある。このようにすることによって、液撃吸収体11の作動 の確実性を確保しながら、液撃防止器10全体のコンパクト化を図っているので ある。
【0031】 図4には、請求項2に係る液撃防止器10の断面図が示してあるが、この液撃 防止器10は、前述した請求項1に係るそれと、液撃吸収体11と保護筒12間 にさらに第二液撃吸収体15を配置した点以外ではどの基本的構成が同様なもの である。従って、この液撃防止器10の説明は、第二液撃吸収体15を中心にし て行い、その他の共通的構成部分については、図1において使用したのと同一符 号を付して、その説明を省略する。
【0032】 この液撃防止器10における液撃吸収体11は、前述したように蛇腹形状のも のであるが、第二液撃吸収体15は有蓋筒状のものであり、その図示下端に開口 取付部15aにて液撃吸収体11側の開口取付部11aに連結されるものである 。また、この第二液撃吸収体15の全体的な大きさは、保護筒12の直径を45 mm、高さを約100mmとした場合に、第二液撃吸収体15の直径を約34m m、高さを約68mmとしたものである。そして、この第二液撃吸収体15は、 硬度70゜の合成ゴムによって厚さ約4mmのものとしたものであり、これに対 して内側の液撃吸収体11は硬度50゜の合成ゴムによって厚さ約4mmのもの としたものである。なお、この第二液撃吸収体15内では、液撃吸収体11が摺 接しながら伸縮するのであるから、この第二液撃吸収体15の内面にも液撃吸収 体11に対する潤滑剤を塗布しておくとよいものである。
【0033】 また、この第二液撃吸収体15は、その頂部15cの上下に、液撃吸収体11 の頂部11c及び保護筒12の頂部間に位置することになる空気室13をそれぞ れ積極的に形成できるような形状のものとしてある。この第二液撃吸収体15は 、前述したように比較的硬質な合成ゴムによって有蓋筒状に形成したものである ため、液撃吸収体11側で吸収できなかった液撃を膨張によって確実に吸収する ものとなるのであるが、そのために、当該第二液撃吸収体15の側面と保護筒1 2との間に約3mm程度の隙間を形成するよにしている。
【0034】 そして、本実施例に係る第二液撃吸収体15においては、その図示下端に位置 する開口取付部15aを液撃吸収体11の開口取付部11aの外周に螺着すると ともに、この液撃吸収体11の開口取付部11aを取付基部14の取付部14b に螺着することにより、取付基部14の連通穴14aを内部に連通された液撃吸 収体11の全体を吸収するようにしているのである。なお、液撃吸収体11側の 開口取付部11aに対しては、図4に示しているように、当該液撃吸収体11を 固定するための固定部11cが一体的に形成しておくものであり、この固定部1 1cを液撃吸収体11の下端開口縁内に埋設することによって液撃吸収体11と 開口取付部11aとの一体化を図っているものである。また、この液撃吸収体1 1側の開口取付部11aと取付基部14側の連通穴14aとの間にはヘッダー3 0リングが介在させてあり、これにより、当該液撃防止器10の管路20やヘッ ダ30に対する液密化を図っているものである。
【0035】 なお、以上の実施例において適用されているヘッダー30は、図3及び図5に 示すように、液撃防止器10を構成するための取付基部14と、湯を各機器に分 配するための複数の分配管31とを一体的に形成したものであり、一方が管路2 0に接続される開口となっており、他方は密閉したものである。そして、このヘ ッダー30は、図2に示したように、水道の本管や給湯器に接続されるものであ り、その各分配管31には、図6に示すように、水や湯を使用する各機器のため の管路20が接続されるのである。この分配管31としては、図7に示したよう な態様のものとすることにより、所謂ビニール管からなる管路20を接続するよ うにもなされるものである。
【0036】 以上は、本考案に係る液撃防止器10をヘッダー30に設けた例であるが、本 考案の液撃防止器10は、図8〜図10に示したような管路20途中に配される ニップルに直接取付けて実施してもよいものである。図8は両内ネジニップル4 1を示すものであり、その両端に管路20を接続するための内ネジを形成すると ともに、その略中央部にこの両内ネジニップル41の軸心に直交する状態で液撃 防止器10を取付けるための取付基部14を一体的形成したものである。これに 対して図9は両外ネジニップル42を示すものであり、この両外ネジニップル4 2の両端は管路20を接続するための外ネジが形成してある。さらに、図10は 内ネジと外ネジとを両側に有するものであり、その中央部に液撃防止器10を構 成するための取付基部14を一体的に形成したものであることは、上述した両内 ネジニップル41あるいは両外ネジニップル42と同様である。
【0037】 以上のような両内ネジニップル41,両外ネジニップル42、あるいは内外ネ ジニップル43は、本考案の液撃防止器10を言わば一体的に有したものであり 、これを管路20の適宜な場所に介在させることにより、管路20に接続されて いる各機器にて生ずる液撃を最適な場所で防止するようにできるものである。つ まり、これらの両内ネジニップル41、両外ネジニップル42、あるいは内外ネ ジニップル43は、液撃の生じそうな場所に近接している管路20内に簡単に介 装できるものであり、液撃防止を容易に防止することができるのである。
【0038】
【考案の効果】
以上説明した通り、請求項1に係る考案においては、上記各実施例にて例示し た如く、 「管路20の途中に設けられて当該管路20中に連通する連通穴14aを設けた 取付基部14と、これに取付けられる液撃吸収体11と保護筒12とを備えた液 撃防止器10であって、 液撃吸収体11を、弾性材料によって取付基部14の連通穴14aにのみ連通 する有蓋筒状でかつ伸縮可能な蛇腹形状に形成するとともに、保護筒12を、液 撃吸収体11の周囲を完全に包み込み、その頂部11cとの間に空気室13を形 成するものとして形成して、 液撃吸収体11又は保護筒12の各開口取付部11a・12aを取付基部14 に気密的に取付けた」 ことにその構成上の特徴があり、これにより、液撃吸収体の作動が確実に行える ことは当然として、耐久性にも優れて種々な場所に適用することのできる液撃防 止器を簡単な構造によって提供することができるのである。
【0039】 また、請求項2に係る液撃防止器10においては、液撃吸収体11と保護筒1 2との間に第二液撃吸収体15を介在させたことにその特徴があり、これにより 、上記請求項1の液撃防止器10と同様な効果を発揮することができる他、管路 20内等に生ずる液撃が大きく変化しても十分対処して確実に液撃を吸収するこ とができ、結果として、当該液撃防止器10一種類でどのような場所の液撃に対 しても対応することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の考案に係る液撃防止器の断面図であ
る。
【図2】家庭における水道水及び湯の配管経路を示す概
略構成図である。
【図3】図2の配管経路中に使用されているヘッダーに
本考案の液撃防止器を適用する場所の一部破断分解図で
ある。
【図4】請求項2の考案に係る液撃防止器の断面図であ
る。
【図5】ヘッダーの部分破断正面図である。
【図6】図5に示したヘッダーの分配管における管接続
を示す部分拡大断面図である。
【図7】他のヘッダーを示す部分破断正面図である。
【図8】本考案の液撃防止器を適用した両内ネジニップ
ルの正面図である。
【図9】本考案の液撃防止器を適用した分配管の正面図
である。
【図10】本考案の液撃防止器を適用した両外ネジニッ
プルの正面図である。
【図11】従来の液撃防止器を示す断面図である。
【図12】請求項2に係る液撃防止器の後流側に位置す
る3Kの圧力のある管路内での、(イ)で示した液撃が
あった場合の圧力変化を(ロ)で示したグラフである。
【図13】圧力4Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図14】圧力5Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図15】圧力6Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【図16】圧力7Kの管路中で、請求項2の液撃防止器
を設けない場合(イ)と設けた場合(ロ)の圧力変化を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 液撃防止器 11 液撃吸収体 11a開口取付部 11b蛇腹部 11c頂部 12 保護筒 12a開口取付部 13 空気室 14 取付基部 14a連通穴 14b取付部 15 第二液撃吸収体 15a開口取付部 15c頂部 20 管路 30 ヘッダー 31 分配管 41 両内ネジニップル 42 両外ネジニップル 43 内外ネジニップル

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管路の途中に設けられて当該管路中に連
    通する連通穴を設けた取付基部と、これに取付けられる
    液撃吸収体と保護筒とを備えた液撃防止器であって、 前記液撃吸収体を、弾性材料によって前記取付基部の連
    通穴にのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能な蛇腹形状
    に形成するとともに、前記保護筒を、前記液撃吸収体の
    周囲を完全に包み込み、その頂部との間に空気室を形成
    するものとして形成して、 前記液撃吸収体及び保護筒の各開口取付部を前記取付基
    部に気密的に取付けたことを特徴とする液撃防止器。
  2. 【請求項2】 管路の途中に設けられて当該管路中に連
    通する連通穴を設けた取付基部と、これに取付けられる
    液撃吸収体と保護筒とを備えた液撃防止器であって、 前記液撃吸収体と保護筒との間にさらに第二液撃吸収体
    を配置して、この第二液撃吸収体を、前記液撃吸収体の
    周囲を完全に包み込み、液撃吸収体の頂部との間に空気
    室を形成するものとして形成し、かつこれらの第二液撃
    吸収体と液撃吸収体とを、弾性材料によって前記取付基
    部の連通穴にのみ連通する有蓋筒状でかつ伸縮可能なも
    のに形成するとともに、 前記保護筒を、前記第二液撃吸収体の周囲を完全に包み
    込み、その頂部との間に空気室を形成するものとして形
    成して、前記液撃吸収体、第二液撃吸収体及び保護筒の
    各開口取付部を前記取付基部に気密的に取付けたことを
    特徴とする液撃防止器。
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