JP2505898Y2 - 蒸気発生機能を有する給湯器付風呂装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、給湯用熱交換器と浴槽水の循環追焚き用熱
交換器とを具備し、給湯用熱交換器の出湯管から分岐さ
れた分岐出湯管を浴槽水の循環追焚管路に接続し、給湯
用熱交換器により加熱した湯を循環追焚管路を軽油して
浴槽中に湯張りし、必要に応じ追焚き用熱交換器により
浴槽中の湯を循環追焚きすることができるようにした給
湯器付風呂装置を改良して、前記追焚き用熱交換器を利
用して蒸気を発生せしめ得るようにした、蒸気発生機能
を有する給湯器付風呂装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の給湯器付風呂装置の一例を第５図について説明
する。

第５図において、１は器具本体で、給湯用熱交換器2a
およびそのバーナ2bと、浴槽水の循環追焚き用熱交換器
3aおよびそのバーナ3bとを具備している。４は給水管
で、給水センサ５を具備している。６は出湯管で、給湯
用熱交換器2aにより加熱された湯を所望の出湯栓から供
給し得るように給湯配管に接続すると共に、その出湯管
から分岐された分岐出湯管６′を電磁開閉弁７および逆
止弁８を介して浴槽水の循環追焚管路（第５図の場合戻
り管９）に接続している。10は循環追焚き用ポンプ、11
は追い焚き時の流水センサ、12は追い焚き時の入水温検
出用センサ、13は循環追焚管路の往管で、この往管13と
前記戻り管９とを浴槽14の循環金具15に接続する。16は
給湯温度検出用センサである。

上記の構成よりなる風呂装置は、各センサによる検出
信号を、リモコンを備えた自動制御装置（共に図示せ
ず）に入力させ、リモコンに設定した条件に従って自動
的に浴槽中に湯張りし、あるいは追焚き運転を行なう。
例えば、リモコンに浴槽水位と沸き上がり湯温とを設定
しておき、自動運転ボタンをオンすると、給湯用熱交換
器2aにより給水を設定温度よりやや低い温度に加熱する
と共に電磁開閉弁７を開いて循環追焚管路を経由して浴
槽中に給湯し、浴槽中の水位が設定水位に達したことを
検出すると、電磁開閉弁７を閉じると共に給湯用熱交換
器2aによる給水の加熱を停止し、ポンプ10を駆動し乍ら
循環追焚き用熱交換器3aにより浴槽中の湯を循環加熱
し、浴槽中の湯温が設定温度に達するとポンプ10を停止
させると共に熱交換器3aによる加熱を停止させるように
なっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記の如き風呂装置を有する場合であって、浴室内お
よび脱衣所の暖房を行ないたい場合や、浴室内をサウナ
にしたい場合には、前記の如き風呂装置の外に60〜80℃
の温水を利用した放熱器を有する装置が必要であって、
このため装置が大型かつ複雑化するばかりでなく、60〜
80℃の温水を利用するため温度差がとれないことと熱搬
送媒体の単位重量あたりの持つ熱量が小さいため、大熱
量を得るためには放熱器を大きくするとともに媒体の流
量を多くする必要がある。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、暖
房などのために別の熱源機を設置する必要がなく、風呂
装置そのものを利用して暖房などを行なうことができ、
しかも上記の蒸気発生用の水源として浴槽内の湯を使用
することも水道などの供給水を使用することもできるよ
うにした、蒸気発生機能を有する給湯器付風呂装置を提
供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の目的を達成するため、給湯用熱交換
器と浴槽水の循環追焚き用熱交換器とを具備し、給湯用
熱交換器の出湯管から分岐された分岐出湯管を浴槽水の
循環追焚管路の戻り管に接続するとともに、上記分岐出
湯管中に電磁開閉弁を介挿接続した給湯器付風呂装置に
おいて、 浴槽水の循環追焚管路の往管に三方弁を介して蒸気発
生管を接続するとともに、浴槽水の循環追焚管路の戻り
管の前記分岐出湯管との接続点より下流側に開閉弁と水
量調整弁とを並列に接続し、 かつ、前記の電磁開閉弁，三方弁，開閉弁および水量
調整弁を制御する自動制御装置を設け、 上記の自動制御装置は、通常の追焚運転の指令を受け
たときは三方弁を浴槽側に連通させるとともに開閉弁を
開いて循環追焚管路を全通させ、 浴槽中に温水が有るとき蒸気発生の指令を受けた場合
は三方弁を蒸気発生管に切換えるとともに開閉弁を閉じ
て水量調整弁を絞り、 浴槽中に温水が無いとき蒸気発生の指令を受けた場合
は三方弁を蒸気発生管に切換えるとともに開閉弁を閉じ
て水量調整弁を絞り、かつ、電磁開閉弁を開くように制
御するものであることを特徴とする。

〔作用〕

本考案の給湯器付風呂装置は、前記の如き構成よりな
るので、循環追焚管路の往管に配設した三方弁を蒸気発
生管側に切換えると共に戻り管に配設した開閉弁を閉
じ、水量調整弁を絞った状態で追焚き用熱交換器により
給水を加熱すると、蒸気発生管から高温の蒸気を噴出さ
せることができる。そして、この場合の蒸気用水源とし
ては、浴槽中に残り湯がある場合にはポンプを駆動して
浴槽中の湯を利用することができ、残り湯がない場合に
は給水を給湯用熱交換器により加熱し、この給湯用熱交
換器により加熱された湯を蒸気用水源として利用して追
焚き用熱交換器により蒸気化することができる。

これらの場合、蒸気用水源の選択に伴って該蒸気用水
源の温度が変化するが、前記の水量調整弁と並列に接続
されている開閉弁を閉じて該水量調整弁によって循環追
焚き用熱交換器の流通水量を調節すると、蒸気用水源の
温度変化に応じて適正な蒸気発生作用を行なわせること
ができる。

〔実施例〕

次に、本考案の一実施例を第１図について説明する。

第１図において、１は器具本体、2a,2bは給湯用熱交
換器およびそのバーナ、3a,3bは追焚き用熱交換器およ
びそのバーナ、４は給水管、５は給水センサ、６は出湯
管、６′は分岐出湯管、７は電磁開閉弁、８は逆止弁、
９は循環追焚管路の戻り管、13は同往管、10はポンプ、
11は流水センサ、12は入水温検出センサ、14は浴槽、15
は循環金具である。

本考案においては、循環追焚管路の往管13に電磁切換
三方弁17を介して蒸気発生管18を配設し、常態において
は往管13を浴槽の循環金具15と連通させているが、リモ
コンから蒸気発生の指示が出されると、自動制御装置25
が電磁切換三方弁17を切換えて往管13を蒸気発生管18側
と連通させるように構成する。

また、循環追焚管路の戻り管９の分岐出湯管６′との
接続点より下流側に、電磁開閉弁19と水量調整弁20との
並列管路を挿入してある。前記の自動制御装置25は、通
常運転の指令を受けたとき、電磁開閉弁19を開いて循環
追焚管路の戻り管９を熱交換器3aと連通させているが、
リモコンから蒸気発生の指示が出ると、前記自動制御装
置25が電磁開閉弁19を閉じると共に、水量調整弁20を給
水温に応じて絞って熱交換器3aにより加熱された湯が蒸
気化されるようにする。21は循環追焚管路の戻り管９の
分岐出湯管との接続点より上流側に配設した逆止弁、22
は同じく電極式スケール付着防止装置、23は給水管の入
口側に配設した電極式スケール付着防止装置である。

なお、前記電極式スケール付着防止装置とは、電気化
学ポテンシャルの異なる２種類の電極を用い、その一方
の電極を管状に構成するとともに他方の電極を杆状にし
て管状電極内に同心に配設し、前記管状電極中に通水す
る構造のものであって、特開昭63-39690号公報「液体の
イオン化方法およびその装置」に開示されている。

本考案の給湯器付風呂装置は、上記の如く構成されて
いるので、以下述べるようにして高温蒸気を発生させる
ことができる。

浴槽中に温水がある場合 自動制御装置25は、電磁切換三方弁17を蒸気発生管18
側に切換えるとともに、電磁開閉弁19を閉じる。このと
きの常態を第２図に示す。この常態において自動制御装
置25は水量調整弁20をそのときの浴槽湯温に応じて絞り
制御しつつ、追焚運転におけると同様に循環追焚用熱交
換器3a用のバーナ3bに燃焼作動を行なわせる。

このようにすると、浴槽中の湯が循環追焚管路の戻り
管９を通って追焚き用熱交換器3aに供給されるが、その
流量は浴槽中の湯温に応じて水量調整弁20によって絞ら
れているので、追焚き用熱交換器3aによって高温の蒸気
となり、第２図に矢印で示すように蒸気発生管18を経て
噴射される。

浴槽中に温水がない場合 自動制御装置25は、第３図に示すように電磁切換三方
弁17を蒸気発生管18側に切換えるとともに、電磁開閉弁
19を閉じ、水量調整弁20を絞り、さらに、分岐出湯管路
６′の電磁開閉弁７を開いて給湯用熱交換器2aおよびそ
のバーナ2bと追焚き用熱交換器3aおよびそのバーナ3bと
を運転する。

このようにすると、給水管４から供給された水は給湯
用熱交換器2aにより加熱され、この加熱された湯が水量
調整弁20によって絞られた後追焚き用熱交換器3aによっ
て加熱されるので、給水は第２図の場合と同様に高温の
蒸気となり、蒸気発生管18を経て噴出される。

なお、通常の追焚運転に際しては自動制御装置25は、
第４図に示すように、電磁切換三方弁17を浴槽循環金具
15側と連通させ、電磁開閉弁19を開いて追焚運転を行な
う。このようにすると、従来の風呂装置と全く同様に追
焚運転を行なうことができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、給湯用熱交換器
と循環追焚き用熱交換器とを具備する風呂装置を利用し
て、他に何等の熱源機を使用することなく暖房用その他
の蒸気を発生させることができ、特に、蒸気の搬送熱量
は温水の搬送熱量に比較すると格段に大きいことから放
熱器を小型化して装置をコンパクト化することができ
る。

その上、蒸気発生用の水源として浴槽内の温水、もし
くは水道などの供給水の何れかを選択して用いることが
できる。蒸気発生用水源の選択に伴って該蒸気発生用水
源の温度が比較的広範囲に変化するが、蒸気発生に兼用
される循環追焚き用熱交換器の通水流量を調節して適正
な蒸気発生作用を行なわせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施の一例を示す系統図、第２図は浴
槽中の温水利用蒸気発生時の説明図、第３図は浴槽中に
温水がない場合の給水利用蒸気発生時の説明図、第４図
は浴槽中の湯の循環追焚時の説明図である。第５図は従
来の給湯器付風呂装置の一例を示す系統図である。 2a……給湯用熱交換器、3a……循環追焚き用熱交換器、
６……出湯管、６′……分岐出湯管、９……循環追焚管
路の戻り管、13……同往管、10……ポンプ、17……三方
弁、18……蒸気発生管、19……開閉弁、20……水量調整
弁、25……自動制御装置。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯用熱交換器（2a）と浴槽水の循環追焚
   き用熱交換器（3a）とを具備し、給湯用熱交換器の出湯
   管（６）から分岐された分岐出湯管（６′）を浴槽水の
   循環追焚管路の戻り管（９）に接続するとともに、上記
   分岐出湯管（６′）中に電磁開閉弁（７）を介挿接続し
   た給湯器付風呂装置において、 浴槽水の循環追焚管路の往管（13）に三方弁（17）を介
   して蒸気発生管（18）を接続するとともに、浴槽水の循
   環追焚管路の戻り管（９）の前記分岐出湯管（６′）と
   の接続点より下流側に開閉弁（19）と水量調整弁（20）
   とを並列に接続し、 かつ、前記の電磁開閉弁（７），三方弁（17），開閉弁
   （19）および水量調整弁（20）を制御する自動制御装置
   （25）を設け、 上記の自動制御装置（25）は、通常の追焚運転の指令を
   受けたとき前記三方弁（17）を浴槽側に連通させるとと
   もに開閉弁（19）を開いて循環追焚管路を全通させ、 浴槽中に温水が有るとき蒸気発生の指令を受けた場合は
   前記三方弁（17）を蒸気発生管（18）に切換えるととも
   に開閉弁（19）を閉じて水量調整弁（20）を絞り、 浴槽中に温水が無いとき蒸気発生の指令を受けた場合は
   前記三方弁（17）を蒸気発生管（18）に切換えるととも
   に開閉弁（19）を閉じて水量調整弁（20）を絞り、か
   つ、電磁開閉弁（７）を開くように制御するものである
   ことを特徴とする蒸気発生機能を有する給湯器付風呂装
   置。