JPS6135855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は家庭用給湯装置に関するものである。

従来のこの種の家庭用給湯装置としては、第１
図に示すように、給湯器０１から比較的大口径の
給湯用配管０２を導出または延設させて、その末
端に給湯栓０３を取り付けているが、給湯器０１
と給湯栓０３との距離が長い条件下では、給湯栓
０３を開成してから適温の湯が出るまで時間がか
かるという使い勝手の悪さがあるばかりでなく、
その間に給湯器０１と給湯栓０３との間の配管０
２内に残留していて給湯需要に応えられない低温
水は捨ててしまわなければならないため、給湯用
水に無駄が生じる欠点があつた。

そこで、このような欠点を解消する手段とし
て、第２図に示すように、ホテル、ビルなどの比
較的大容量の給湯を要する業務用としている給湯
装置は、給湯器０１と給湯栓０３との間に亘つて
常に適温の湯をポンプ０４を介して循環させるも
のがあるが、給湯配管している給湯往管０５およ
び給湯戻り管０６が比較的大口径で、配管材料が
高価であるばかりでなく、施工の時間と費用がか
さみ一般的でない。なお、この方法で給湯往管０
５および給湯戻り管０６を比較的小口径のものを
使用することが考えられるが、その場合は圧力損
失が大きくなり、特に給湯距離が長い条件下では
所望する給湯量が得られないという欠点がある。

本考案は上記従来例が有する諸欠点を克服する
もので、給湯栓のすぐ手前まで適温の湯が絶えず
供給され、しかも使用時には所望とする給湯量が
得られると共に、施工の簡易化、配管材料費の低
減を図ることができる家庭用給湯装置を提供せん
とするものである。

以下、本考案の一実施例を第３図および第４図
に基づいて説明する。

第３図において、給湯器１の入口側に給水管２
およびガス管３を接続すると共に、出口側の上部
に往路ヘツダー４、下部に戻り管ヘツダー５をそ
れぞれ接続し、前記給湯器１内には、前記ガス管
３の末端に配設したバーナ６と、該バーナ６の燃
焼により生じた熱を吸収する熱交換器７が配設さ
れている。該熱交換器７の上流は前記給水管２
に、また下流の送湯管８はポンプ９を介して前記
往管ヘツダー４に接続されると共に、前記熱交換
器７の上流の給水管２からの分岐管１０が逆止弁
１１および電磁三方弁（以下単に三方弁という）
１２を介して前記戻り管ヘツダー５に接続され、
さらに前記熱交換器７とポンプ９の間の送湯管８
から前記三方弁１２に連通するバイパス路１３が
配設されている。

１４は前記バーナ６の上流でガス管３の途中に
配設された電磁ガス弁（以下単にガス弁とい
う）、１５は前記熱交換器７と分岐点の間の送湯
管８に挿設された温度センサー、１６は前記三方
弁１２と戻り管ヘツダー５の間の分岐管１０に配
設した圧力センサー、１７は前記温度センサー１
５からの信号により、前記ガス弁１４を開閉させ
ると共に、前記圧力センサー１６からの信号によ
り前記三方弁１２を切替えるように構成された電
気制御部である。

１８は前記往管ヘツダー４から給湯栓０３に接
続される複数個の比較的小口径の往管、１９は前
記戻り管ヘツダー５と前記給湯栓０３の直前の前
記往管１８との合流点２１に接続される前記往管
と同数で、かつ同口径の戻り管で、該戻り管１９
と前記往管１８は前記往管ヘツダー４および戻り
管ヘツダー５の連結口附近から前記合流点２１ま
で近接して配管されると共に、破線で囲んだ断熱
材２０によつて前記往管１８および戻り管１９を
一体的に被覆形成され、給湯配管部からの放熱が
防止されている。

第４図に示す実施例は、基本的には第３図に示
す実施例と同一であるが、ポンプ９を、逆止弁１
１と給水管２との間に配設した点が異なるだけで
あるので、第３図と同一部分に同一符号を付して
その説明を省略する。

次に、以上のような構成をもつ本考案の家庭用
給湯装置の作用を説明する。

なお、前記電気制御部１７は公知であるから、
その構成および作用の詳細な説明は省略する。

まず、給湯器１を使用するにあたつて、給水管
２およびガス管３の各元栓（図示せず）を開成
し、電気制御部１７の電源スイツチ（図示せず）
をオンにすれば、ポンプ９は駆動され、水は給水
管２から流入して熱交換器７、ポンプ９を通り、
往管ヘツダー４に達し、ここで複数の往管１８に
分流して給湯栓０３に至る。しかし給湯栓０３は
閉成されているので、合流点２１から複数の戻り
管１９を経由して流出し、戻り管ヘツダー５で合
流し、三方弁１２を通り逆止弁１１を経由して給
水管２から流入する水と合流して再び熱交換器７
に戻るループ形態の管路を循環する。なお、この
とき給湯栓０３を閉成している状態では、圧力セ
ンサー１６が配設された分岐管１０の水圧は給水
管２の元圧にほぼ等しい高圧であるため、この圧
力を電気制御部１７が受信して、三方弁１２を戻
り管ヘツダー５から逆止弁１１の方向へ開成し、
送湯管８へ連通するバイパス路１３への流出を阻
止している。

一方、ガスは前記電源スイツチをオンにすれ
ば、温度センサー１５が挿設された送湯管８の水
温が予め設定した設定した設定温度よりも低いた
め、電気制御部１７の作用によりガス弁１４が全
開してバーナ６に送出され、適宜な点火手段で着
火されて、バーナ６が最大能力で燃焼する。この
ようにして前述の循環している水がバーナ６で加
熱されているうちに、温度センサー１５附近の送
湯管８を循環する水温が上昇し、設定温度以上に
なるとガス弁１４を絞るように電気制御部１７が
コントロールし、絶えず給湯栓０３附近には適温
の湯が循環されることになる。

次に、このような状態から給湯栓０３を開成し
て給湯を開始すれば、戻り管１９内の圧力は往管
１８よりも低下し、この圧力降下を圧力センサー
１６が検知し、その信号を電気制御部１７が受信
し、比較演算を行つて、三方弁１２を制御して逆
止弁１１への通路を閉塞し、バイパス路１３から
戻り管５への通路を開放させるので、二水路から
給湯されることになる。すなわち、熱交換器７か
らポンプ９、往管ヘツダー４、往管１８を経由す
る給湯水と、給水管２の元水圧で熱交換器７を流
出したのち、送湯管８から分岐してバイパス路１
３、三方弁１２、戻り管ヘツダー５、戻り管１９
を経由する給湯水が合流点２１で合流して、適温
で所望の給湯量の湯が給湯栓０３から給湯される
ことになる。なお、このとき、第４図に示す実施
例においては、三方弁１２の切替と同時にポンプ
９を停止させる。

以上述べたように、本考案の家庭用給湯装置に
よれば、給湯不要時においては絶えず適温の湯が
給湯配管内を循環しているため、給湯需要に応え
られない低温水が残留することがないので、使用
頻度が少く、しかも短時間しか使用しない洗面所
などの給湯に適している。また浴槽など比較的給
湯量が多く要求されるところでも、往管１８およ
び戻り管１９の両方から給湯されるので、比較的
小口径の給湯配管ですむ。

さらに、往管ヘツダー４および戻り管ヘツダー
５に接続した往管１８および戻り管１９で構成さ
れる循環式の給湯配管は、比較的小口径の両管を
断熱材で一体的に成型して一度に配管するので、
配管材料を節減し、その材料費の低減を図ること
ができるのみならず、その施工が簡単で、特に長
い距離に亘る給湯配管の工事費を低減させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の給湯システム用回
路の概略図、第３図および第４図は本考案に係る
給湯装置の一実施例を示す給湯システム用回路の
概略説明図である。 １……給湯器、２……給水管、３……ガス管、
４……往管ヘツダー、５……戻り管ヘツダー、６
……バーナ、７……熱交換器、８……送湯管、９
……ポンプ、１０……分岐管、１１……逆止弁、
１２……三方弁、１３……バイパス路、１４……
ガス弁、１５……温度センサー、１６……圧力セ
ンサー、１７……電気制御部、１８……往管、１
９……戻り管、２０……断熱材、２１……合流
点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通水路の往路に熱交換器、温度センサーを配設
   し、復路に圧力センサー、三方弁、逆止弁を配設
   したループ形態の給湯器にポンプを配設し、かつ
   該給湯器に前記往路の途中から分岐して前記復路
   に配設した三方弁に連通するバイパス路を設ける
   と共に、前記給湯器の往路出口と復路入口には往
   管ヘツダーおよび戻り管ヘツダーを配設し、該各
   ヘツダーから比較的小口径の往管および戻り管を
   断熱材で被覆して一体的に給湯配管させ、給湯不
   要時には前記三方弁を切替えて前記バイパス路を
   閉塞すると同時に、前記ポンプを駆動させていつ
   でも適温の湯が給湯できるように循環させ、一方
   給湯時には前記三方弁を切替えて前記バイパス路
   を開き、前記往管および戻り管の両方から給湯さ
   せるようにしたことを特徴とする家庭用給湯装
   置。