JP2505287Y2 - エア―カ―テン式レンジフ―ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、一般家庭の台所、業務用の調理場等にお
いて、ガステーブルこんろ等の煮炊具の上方部に装置し
て蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染空気を室外
に強制排出するエアーカーテン式レンジフードに関す
る。

〔従来の技術〕

一般家庭の台所、業務用の調理場等において、ガステ
ーブルこんろ等の煮炊具の上方部に設置して蒸気、オイ
ルミスト、油煙等を含んだ汚染空気を室外に強制排出す
るレンジフードの油汚れ等は、油脂の酸化により通常の
洗剤では落ち難く、また、その清掃作業にも困難性をと
もなうために非常にやっかいなものである。

そこで、これらの難点を補うパック剤も市販されてい
るが、１回当たりの単価が高いために、あまり普及して
いないなど主婦等の泣き所となっている。

しかし、従来のこの種のレンジフードは、たとえば、
第４図に示されているように、フード部７′と排気ダク
ト部８′からなるレンジフードＢ′が１枚の板体１′で
一体形成され、フード部７′と排気ダクト部８′との略
境界部に排気用ファンF₁′を設けた構造となっているに
すぎない。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術は、レンジフードＢ′が１枚の板体で形成
されているにすぎず、前記問題点を解決する技術的手段
は何ら採られていない。

この考案は、従来の技術の有する斯かる問題点に鑑
み、レンジフードの内周面にエアーカーテンを形成せし
めて蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染空気がエ
アーカーテンに遮られてレンジフードの内周面に接触す
ることなく排出されるようにして油汚れ等の全く生じな
い掃除不要のエアーカーテン式レンジフードの提供を目
的としている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記目的を達成するために、この考案のエアーカーテ
ン式レンジフードの請求項１の考案は、ガステーブルこ
んろ等の煮炊具の上方部に設置して蒸気、オイルミス
ト、油煙等の汚染空気を室外に強制排出するレンジフー
ドにおいて、該レンジフードを内壁と外壁間に通気間隙
を有する二重構造とし、その内壁に通気用ファンで吸引
排出される汚染空気の排出方向に方向性をもたせた多数
の空気流出口を設け、かつ、前記通気間隙に給気用ファ
ンの吐出口を接続し、該給気用ファンから通気間隙内に
吹き込まれる空気が前記空気流出口から流出してレンジ
フードの内周面に空気流によるエアーカーテンを形成す
る構成としたことを特徴とするものである。また、請求
項２の考案は、請求項１の特定考案における排気用ファ
ンを廃して給気用ファンによる強制給気でエアーカーテ
ンを形成するとともに、該エアーカーテンを形成する空
気流による誘引力で汚染空気の強制排出をも可能とした
ものであり、請求項３の考案は、請求項１の特定考案に
おける給気用ファンを廃し、レンジフードの入口側に抵
抗体を設け、出口側に排気用ファンを設けて、該排気用
ファンによる吸引力で通気間隙からの空気を空気流出口
から吸引流出してエアーカーテンを形成せしめるととも
に汚染空気の強制排出をも可能としたものである。

〔作用〕

上記構成としたこの考案によるエアーカーテン式レン
ジフードの請求項１記載の考案にあっては、給気用ファ
ンによって通気間隙に吹き込まれる空気が内壁に設けた
多数の空気流出口から汚染空気の排出方向に向けて流出
するため、レンジフードの内周面に空気流によるエアー
カーテンが形成される。したがって、排気用ファンで吸
引排出される蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染
空気はエアーカーテンに遮られてレンジフードの内周壁
に接触することなく排出される。

請求項２記載の考案は、レンジフードのメインファン
である排気用ファンを廃し給気用ファンだけとしたの
で、該給気用ファンによって通気間隙に吹き込まれる空
気でレンジフードの内周面にエアーカーテンを形成せし
めるとともに、該エアーカーテンを形成する空気流によ
る誘引力で汚染空気の強制排出をも行い、また、請求項
３記載の考案は、給気用ファンを廃し、レンジフードの
入口側に抵抗体を、出口側に排気用ファンを設けたの
で、該排気用ファンによる吸引力によって通気間隙から
の空気をレンジフードの入口からの吸引量が抵抗体で抑
制されることと相まって空気流出口から確実に吸引流出
し、該空気流でレンジフードの内周面にエアーカーテン
を形成せしめるとともに、汚染空気の強制排出をも行う
ものである。

〔実施例〕

以下この考案のエアーカーテン式レンジフードの実施
例について図面を参照して説明する。

実施例１ 第１図において、Ｂはガステーブルこんろ等の煮炊具
Ａの上方部に設置して煮炊具Ａによる各種の調理から出
る蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染空気ａを室
外に強制排出するレンジフードで、フード部７と排気ダ
クト部８からなり、該フード部７と排気ダクト部８との
略境界部に排気用ファンF₁を設け、フード部７の開口部
13を室内の煮炊具Ａの略直上に位置させ、排気ダクト部
８は壁９等を貫通して室外に位置させ、その排出口14を
下向きとして設置するものである。

前記レンジフードＢは内壁１と外壁２との間に通気間
隙３を有する二重構造に形成され、該レンジフードＢの
内壁１に排気用ファンF₁で吸引排出される汚染空気ａの
排出方向に方向性をもたせた多数の空気流出口４を設け
ている。方向性をもたせる手段として各々の空気流出口
４に案内片10を汚染空気ａの排出方向に向けて斜状に設
け、各々の空気流出口４から案内片10にガイドされて汚
染空気ａの排出方向に向けて流出する空気流でレンジフ
ードＢの内周面のすべてにエアーカーテンｂが形成され
るようになしている。なお、実施例１のように案内片10
を切起片で形成すると、該案内片10と空気流出口４が同
時に形成できるから製作上有益である。

F₂は給気用ファンで、前記レンジフードＢの室外の排
気ダクト部８に設置され、その吐出口5aを通気間隙３に
接続開口して、該給気用ファンF₂から通気間隙３内に吹
き込まれる新鮮空気が前記空気流出口４から汚染空気ａ
の排出方向に向けて流出しレンジフードＢの内周面に空
気流によるエアーカーテンｂを形成せしめるようになし
ている。なお、図中、11は調理用の鍋、12はキッチンセ
ットのガス台である。

前記構成において、給気用ファンF₂によって排気ダク
ト部８の通気間隙３に吹き込まれる新鮮空気は通気間隙
３の各部に至り内壁１に設けた多数の空気流出口４から
案内片10にガイドされて排気用ファンF₁で吸引排出され
る汚染空気ａの排出方向ｃに向けて流出するので（第１
図の矢印ｄ参照）、レンジフードＢの内周面のすべてに
空気流による空気層、すなわち、エアーカーテンｂが形
成される。したがって、排気用ファンF₁で吸引排出され
る汚染空気ａ、すなわち、煮炊具Ａによる各種の調理か
ら出る蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染空気ａ
はエアーカーテンｂに遮られてレンジフードＢの内周壁
に接触することなく強制排出される。また、レンジフー
ドＢは通気間隙３を有する二重構造となっているから、
該通気間隙３を給気用ファンF₂からの冷たい空気が流れ
ることと相まって断熱効果を併有する。

実施例２ 実施例２は第２図に示したように、実施例１のレンジ
フードからメインファンである排気用ファンF₁を廃し給
気用ファンF₂だけとし、該給気用ファンF₂をレンジフー
ドＢのフード部７に設置し、その吐出口5aを通気間隙３
に接続開口し、吸入口5bは壁９を貫通して室外に開口せ
しめて給気用ファンF₂から通気間隙３に吹き込まれる新
鮮空気で先に説明した実施例１と同一の理によりレンジ
フードＢの内周面にエアーカーテンｂを形成せしめると
ともに、該エアーカーテンｂを形成する空気流による誘
引力煮炊具Ａによる各種の調理から出る蒸気、オイルミ
スト、油煙等を含んだ汚染空気ａの強制排出をも前記エ
アーカーテンｂでレンジフードＢの内周壁に接触するこ
となく確実に行いうる構造としたもので、その他の構造
及び作用は実施例１と同一につき同一部分に同一符号を
付してその説明は省略する。

実施例３ 実施例３は第３図に示したように、実施例１のレンジ
フードから給気用ファンF₂を廃し、レンジフードＢの入
口側、すなわち、フード部７の開口部13に、たとえば、
単純なオリフイスを設けた抵抗体６を設け、出口側、す
なわち、排気ダクト部８の排出口14の近傍に排気用ファ
ンF₁を設け、かつ、排気ダクト部８に通気間隙３に通ず
る空気取入口15を開口せしめて、出口側の排気用ファン
F₁による吸引力で空気取入口15から通気間隙３に流入す
る新鮮空気を入口側の開口部13からの吸引量が抵抗体６
で抑制されることと相まって空気流出口４から確実に吸
引流出し、該空気流でレンジフードＢの内周面にエアー
カーテンｂを形成するとともに、煮炊具Ａによる各種の
調理から出る蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚染
空気ａの強制排出をも前記エアーカーテンｂでレンジフ
ードＢの内周壁に接触することなく確実に行いうる構造
としたもので、その他の構造及び作用は実施例１と同一
につき同一部分に同一符号を付してその説明は省略す
る。

〔考案の効果〕

この考案によるエアーカーテン式レンジフードの請求
項１記載の考案は、給気用ファンによって通気間隙に吹
き込まれる空気が内壁に設けた多数の空気流出口から汚
染空気の排出方向に向けて流出し、レンジフードの内周
面に空気流によるエアーカーテンを形成する構造とした
から、排気用ファンで吸引排出される蒸気、オイルミス
ト、油煙等を含んだ汚染空気はエアーカーテンに遮られ
てレンジフードの内周壁に接触することなく排出される
ために油汚れ等の全く生じない掃除不要のレンジフード
が提供できる。また、レンジフードはその周壁が通気間
隙を有する二重構造となっているから、該通気間隙内を
給気用ファンからの新鮮な冷たい空気が流れることと相
まってその断熱効果は顕著であるため使用上安全であ
る。さらに、構造も至って簡単で製作も容易であるから
コスト的にも廉価となるなど実用価値の高いものであ
る。

請求項２記載の考案は、排気用ファンを廃して給気用
ファンだけでエアーカーテンの形成と汚染空気の強制排
出とが行いうる構造としたから、請求項１記載の考案の
奏する前記効果のほか、レンジフード内の排気用ファン
が省略できるので、排気用ファンの油汚れによる清掃等
の手間が省け、また、コスト的にも有利となる。

請求項３記載の考案は、給気用ファンを廃しレンジフ
ードの入口側に抵抗体を、出口側に排気用ファンを設け
て、該排気用ファンによる吸引力で通気間隙から空気を
抵抗体による抑制作用と相まって空気流出口から確実に
吸引流出してレンジフードの内周面にエアーカーテンを
形成せしめるとともに、汚染空気の強制排出をも確実に
行いうる構造としたから、請求項１記載の考案の奏する
前記効果のほか、給気用ファンが省略できるので、コス
ト的に有利となる。なお、抵抗体をフイルター兼備と
し、その取替えを自由とすると、該抵抗体で汚染空気に
含有するオイルミスト、油等を入口側で除去するから、
レンジフードの油汚れ等がエアーカーテンとの相乗作用
で効果的に防止できる。

また、実施例のように、空気流出口から流出する空気
に方向性をもたせる案内片を切起片で形成すると、該案
内片と空気流出口がプレス加工等によって同時に形成で
きるから、均一な製品の量産が可能となり実施上有益で
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案のエアーカーテン式レンジフードの実施
例を示したもので、第１図は実施例１の使用状態の断面
図、第２図は実施例２の同断面図、第３図は実施例３の
同断面図、第４図は従来例の同断面図である。 Ａ…煮炊具、ａ…汚染空気、Ｂ…レンジフード、１…内
壁、２…外壁、３…通気間隙、F₁…排気用ファン、F₂…
給気用ファン、４…空気流出口、5a…吐出口、６…抵抗
体。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガステーブルこんろ等の煮炊具（Ａ）の上
   方部に設置して蒸気、オイルミスト、油煙等を含んだ汚
   染空気（ａ）を室外に強制排出するレンジフード（Ｂ）
   において、該レンジフード（Ｂ）を内壁（１）と外壁
   （２）間に通気間隙（３）を有する二重構造とし、その
   内壁（１）に排気用ファン（F₁）で吸引排出される汚染
   空気（ａ）の排出方向に方向性をもたせた多数の空気流
   出口（４）を設け、かつ、前記通気間隙（３）に給気用
   ファン（F₂）の吐出口（5a）を接続し、該給気用ファン
   （F₂）から通気間隙（３）内に吹き込まれる空気が前記
   空気流出口（４）から流出してレンジフード（Ｂ）の内
   周面に空気流によるエアーカーテン（ｂ）を形成する構
   成としたことを特徴とするエアーカーテン式レンジフー
   ド。
2. 【請求項２】特定考案における排気用ファン（F₁）を廃
   して給気用ファン（F₂）による強制給気でエアーカーテ
   ン（ｂ）を形成するとともに、該エアーカーテン（ｂ）
   を形成する空気流による誘引力で汚染空気（ａ）の強制
   排出をも可能とした請求項１記載のエアーカーテン式レ
   ンジフード。
3. 【請求項３】特定考案における給気用ファン（F₂）を廃
   し、レンジフード（Ｂ）の入口側に抵抗体（６）を設
   け、出口側に排気用ファン（F₁）を設けて、該排気用フ
   ァン（F₁）による吸引力で通気間隙（３）からの空気を
   空気流出口（４）から吸引流出してエアーカーテン
   （ｂ）を形成せしめるとともに、汚染空気（ａ）の強制
   排出をも可能とした請求項１記載のエアーカーテン式レ
   ンジフード。