JP2505266Y2 - 車両用シ―トのエア―サスペンション - Google Patents

車両用シ―トのエア―サスペンション

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JP2505266Y2
JP2505266Y2 JP1990033934U JP3393490U JP2505266Y2 JP 2505266 Y2 JP2505266 Y2 JP 2505266Y2 JP 1990033934 U JP1990033934 U JP 1990033934U JP 3393490 U JP3393490 U JP 3393490U JP 2505266 Y2 JP2505266 Y2 JP 2505266Y2
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air spring
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、空気ばねに圧縮空気を供給(給気)、排
気して、着座者の体重に対応したサスペンション力を生
じる車両用シートのエアーサスペンションに関する。
〔従来の技術〕
車床に伝達された衝撃、振動等から着座者を隔離する
とともに、着座者に起因する衝撃、振動等を減衰させる
サスペンションが、車両のシート等に装着されている。
このような車両用シートのサスペンションでは、着座者
の体重と無関係に、シートの高さ(ヒップポイント)を
所定の位置(ニュートラル位置)に維持することが好ま
しい。
この種のサスペンションとして、空気ばねを利用した
エアーサスペンションが知られている。公知のエアーサ
スペンションでは、シートを積置した上枠(アッパーフ
レーム)が、たとえば、略X字形に組立てられた伸縮自
在な一対のリンクを介して、下枠(ロアフレーム)に支
持され、空気ばねが上枠、下枠間に設けられている。
そして、供給ピン、排気ピンを備えた切換制御弁が、
空気ばねへの圧縮空気の吸気、排気を制御するように、
コンプレッサーのような空気供給源と、空気ばねとの間
に配設されている。また、リンクの伸縮に連動して切換
制御弁の供給ピン、排気ピンを押圧して切換制御弁を切
換えるために、切換手段、たとえば、カムが一対のリン
クの連結点に取付けられている。
このような構成のエアーサスペンションによれば、シ
ートが上下に移動してニュートラル位置からずれると、
リンクの伸縮に伴って、カムが時計方向または反時計方
向に回動する。そして、回動方向に応じて、カムは切換
制御弁の吸気ピンまたは排気ピンを押圧して、切換制御
弁を切換える。すると、切換制御弁が、コンプレッサ
ー、空気ばね間を連通、遮断し、圧縮空気がコンプレッ
サーから空気ばねに供給、排気されて、空気ばねの内
圧、つまり、サスペンション力が調整され、シートはニ
ュートラル位置に戻される。
このように、カム、切換制御弁間の位置関係によっ
て、シートは、ニュートラル位置に維持される。また、
着座者がない場合でも、シートはニュートラル位置に待
機している。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記のように、シートは、着座者の体重に対応した空
気ばねのサスペンション力のもとで、ニュートラル位置
に維持されている。そのため、着座者が降車のためにシ
ートから尻部を離反させると、無負荷状態となったシー
トが、着座時のサスペンション力によって持ち上げられ
る。そして、シートが、着座者の尻部に追従して持ち上
げられて、着座者の降車を妨害するため、容易に降車で
きない。
降車の際、シートの上昇に伴ってリンクが伸長する
と、リンクの伸長に対応してカムが回動し、切換制御弁
の排気ピンを押圧する。すると、圧縮空気が空気ばねか
ら排気されて、空気ばねの内圧を下げるため、サスペン
ション力が低下する。サスペンション力の低下に伴っ
て、シートが下降しニュートラル位置に至ると、カムに
よる排気ピンの押圧が中断されて、排気ピンが初期位置
に戻り、空気ばねからの排気が阻止される。そして、シ
ートの自重、サスペンション力がバランスしたニュート
ラル位置にシートは維持される。
ここで、シートのニュートラル位置は、着座者のヒッ
プポイントおよびアイポイントを基準として予め設定さ
れるため、比較的高い位置に設けられ、ドライバーシー
トにおいては、シート、ステアリングホイール間に、十
分な隙間が確保されない。そのため、ステアリングホイ
ールに妨げられて、容易に乗車できない。加えて、シー
トの自重、サスペンション力がバランスした状態でシー
トが維持され、サスペンション力が極めて小さいため、
着座と同時にシートが沈み、着座者のバランスを崩し
て、着座者に不慮の負傷を負わせる虞れがある。
シートのニュートラル位置が、広範囲の着座者の好み
に合致するように固定的に設定されており、調整できな
い。そのため、着座者が、好みや身長(座高)の高低等
から、ニュートラル位置より上下にずれた位置にシート
を調整しようとしても、調整できず、着座者の希望を充
足できない。
この考案は、シート位置を手動調整できるとともに、
降車時にシートが着座者の尻部に追従して持ち上げられ
たり、乗車時にシートが沈んでバランスを崩すことのな
い車両用シートのエアーサスペンションの提供を目的と
している。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するために、この考案によれば、空気
供給源から空気ばねに至る主流路に切換制御弁、およ
び、流入口、流出口間の流路の導通、遮断の切り換え可
能な手動自動切換弁を設けるとともに、空気供給源、切
換制御弁間、手動自動切換弁、空気ばね間にそれぞれ設
けた3方継手の連結によって、主流路とは別のバイパス
を空気供給源、空気ばね間に形成している。そして、こ
のバイパスに、流入口、流出口間の導通、流出口、排出
口間の導通、および、これらの遮断のいずれかに切り換
え可能な手動調整弁が設けられている。
〔作用〕
この構成によれば、着座時、手動自動切換弁を自動
(ON)にして手動自動切換弁の流入口、流出口を接続す
れば、リンクの伸縮に連動した切換制御弁の切換えによ
って、空気供給源、空気ばねが連通、遮断され、シート
位置の自動調整機能が作用する。
しかし、手動自動切換弁を手動(OFF)にすれば、手
動自動切換弁を介した流路(主流路)が遮断される。そ
して、バイパスを介した給気、排気が、手動調整弁のO
N,OFFによって行なえ、シート位置の手動調整が可能と
なる。
また、降車時、手動調整弁をOFFとし、バイパスから
連続的に排気すれば、シートを最下位置に移動できる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながらこの考案の実施例について
詳細に説明する。
第1図に示すように、この考案に係る車両用シートの
エアーサスペンション10は、シート11を支持する上枠
(アッパーフレーム)12と、車床に取付けられる下枠
(ロアフレーム)14との間に、2組のリンク16,18を備
え、これらのリンクは上枠、下枠間で左右サイドにそれ
ぞれ配設されて上枠を昇降可能に支持している。
実施例では、リンク18が内方に、リンク16が外方に位
置している。リンク16,18は同じ長さに形成され、たと
えば、中央交差点において枢支ピン20,21で連結され
て、上下方向に伸縮自在な略X字形に構成されている。
つまり、略X字形のリンクが、上枠12、下枠14間で左右
サイドにそれぞれ設けられている。第1図に加えて第2
図を見るとよくわかるように、リンク16,18の前端は、
たとえば、(フロント)コネクティングロッド24、25に
よってそれぞれ連動可能に連結され、コネクティングロ
ッド24を下枠14の前端部に、コネクティングロッド25を
上枠12の前端部にそれぞれ回動可能に取付けている。ま
た、リンク16,18の後端は、たとえば、(リヤ)コネク
ティングロッド30,31によってそれぞれ連動可能に連結
されている。そして、リヤコネクティングロッド30,31
のそれぞれの端末に、たとえば、ローラ32を設け、コネ
クティングロッド30を上枠12の後端部に、コネクティン
グロッド31を下枠14の後端部にそれぞれ前後方向に移動
可能に取付けている。
このような構成によれば、リンク16,18の伸縮(回
動)と上枠12の昇降とが連動され、リンクの伸縮による
フロント、リヤのコネクティングロッド24,25,30,31の
間隔の変化は、リンク後端の移動によって補償される。
リンク16,18は、上枠12を昇降可能に支持すれば足
り、略X字形の構成に限定されず、他の構成としてもよ
い。
ブラケット36が両サイドのリンク18に架設されるとと
もに、別のブラケット38が両サイドの下枠14に架設され
ている。そして、空気ばね34がブラケット36,38間に配
設され、下枠14、リンク18を介在して、上枠12にサスペ
ンション力を付加している。
空気ばね34への圧縮空気の供給、排気を制御する切換
制御弁40が、リンク18に固定されている。第3図、第4
図(A)に示すように、切換制御弁40は、流入口(IN)
42、流出口(OUT)44、排出口(ETH)46を持つ3ポート
3位置弁から形成されている。そして、流出口44に連動
可能な供給ピン50と、排出口46に連動可能な排気ピン52
とが、制御弁本体40aから突出している。
たとえば、供給ピン50、排気ピン52への押力が除かれ
ると、内蔵するリターンばねの偏倚力によって供給ピ
ン、排気ピンを初期位置(突出位置)にそれぞれ復帰さ
せるスプリングオフセット形の弁が、切換制御弁40とし
て利用できる。そして、供給ピン50を押込むと、流入口
42が流出口44に接続され(第4図(B)参照)、押力を
除いて供給ピンが制御弁本体40aから突出すると、流入
口、流出口の接続が断たれる。また、排気ピン52を押込
むと、流出口44が排出口46に接続され、排気ピンが制御
弁本体40aから突出すると、流出口、排出口の接続が断
たれる。
切換制御弁の供給ピン50、排気ピン52をリンク16,18
の伸縮に連動して押圧する切換手段54が、第1図、第2
図に加えて第3図を見るとよくわかるように、リンク1
6,18の枢支ピン20を利用して、リンク16,18の連結点に
設けられている。切換手段54は、たとえば、カムとさ
れ、カムは、切換制御弁の供給ピン50、排気ピン52をそ
れぞれ押圧可能な第1、第2のカム面56,57を持ち、リ
ンク16に固定された操作ピン60の挿通される挿通孔62
が、カムに形成されている。操作ピン60は、リンク16、
カム54を連動可能とするために設けられ、十分な遊びを
有して挿通孔62に遊挿されている。
このような構成では、カム54の動作は、操作ピン60、
挿通孔62間の遊びに対応してリンク16の回動から遅延す
る。そして、車両の走行中に常に生じる僅かな振動が、
挿通孔62、操作ピン60間の遊びに吸収され、僅かな振動
による切換制御弁40の不要な切換えが防止される。
ここで、図示のように、挿通孔62を円筒形状とし、挿
通孔の側壁に、たとえば、対向する一対のアジャストス
クリュー65を取付ければ、着座者の好みに応じて、操作
ピン60、挿通孔間の遊び量が調整できる。
切換手段は、カム面56,57を備えたカム54として具体
化されているが、シート11の昇降に対応して、切換制御
弁40を切換えれば足り、カムに限定されない。
第1図、第2図に示すように、ショックアブゾーバー
66が、上枠12、下枠14間に架設されて、上下枠の衝撃、
振動を吸収している。ショックアブゾーバー66は、その
前端を上枠前端部のブラケット68に、後端を下枠中間部
のブラケット69にそれぞれ回動可能に取付けて配設され
ている。ショックアブゾーバー66は公知の構成とされ、
この考案の趣旨でないため、詳細な説明を省略する。
また、手動自動切換弁70が、第1図に示すように、着
座者の操作可能な位置、たとえば、上枠12の前端中央に
取付けられている。たとえば、切換スイッチ(レバース
イッチ)70aへの操作力を除いても切換え位置(ONまた
はOFF)に保持される自己保持型で、流入口72、流出口7
4を持つ2ポート2位置弁が手動自動切換弁70として利
用できる。
ここでは、流入口72、流出口74間の導通された位置が
手動自動切換弁70のON位置として、流入口、流出口間の
遮断された位置が手動自動切換弁のOFF位置として、そ
れぞれ形成されている。
さらに、手動調整弁80が、上枠12の左サイドに取付け
られている。たとえば、手動調整弁80は、リターンばね
の内蔵された切換制御弁40と同様のスプリングオフセッ
ト形とされ、流入口(IN)82、流出口(OUT)84間の導
通、流出口、排出口(ETH)86間の導通、および、これ
らの遮断のいずれかに切り換え可能な3ポート3位置弁
として、手動調整弁は形成されている。手動調整弁80の
切換えは、切換スイッチ(プッシュスイッチ)80aを初
期位置(中立位置)からONサイドまたはOFFサイドに押
すことによって、行なわれる。
空気ばね34、切換制御弁40、手動自動切換弁70、手動
調整弁80は以下のように接続されている。
第4図(A)、第5図からよくわかるように、空気供
給源88は、導管90を介して、切換制御弁の流入口(IN)
42に接続され、空気供給源として、通常、コンプレッサ
ーが利用される。導管90とともに主流路93を構成する導
管92が、切換制御弁の流出口(OUT)44から手動自動切
換弁70を介して空気ばね34までのびている。無論、手動
自動切換弁の流入口(IN)72は切換制御弁の流出口42
に、手動自動切換弁の流出口(OUT)74は空気ばね34に
それぞれ接続される。
3方継手94が導管90に、3方継手96が手動自動切換弁
70、空気ばね間で導管92に設けられ、3方継手94,96を
導管97で結んでバイパスを形成している。そして、手動
調整弁80が、その流入口82を3方継手94に、流出口84を
3方継手96に接続して、バイパスに配設されている。
上記のような構成の車両用シートのエアーサスペンシ
ョン10は、以下のように作動する。
シート11のニュートラル位置を初期位置と仮定し、ニ
ュートラル位置での切換制御弁40、カム(切換手段)54
の位置関係を第3図に、手動自動切換弁70、切換制御弁
の接続状態を第4図(A)に示す。第3図に示すよう
に、ニュートラル位置において、カム(切換手段)54は
切換制御弁の吸気ピン50、排気ピン52をいずれも押圧し
ない位置にある。また、第4図(A)に示すように、流
入口72、流出口74を接続させるように、手動自動切換弁
の切換スイッチ70aは自動制御位置つまりONとされ、コ
ンプレッサー88からの圧縮空気の供給を可能な状態とし
ている。手動調整弁80は非動作位置(中立位置)に放置
され、手動調整弁の流入口82、流出口84の接続が断たれ
て、バイパス(導管)97を遮断している。
ニュートラル位置では、切換制御弁の流入口42、流出
口44の接続が遮断されて、主流路93の導通が断たれてい
る。そのため、空気ばね34内の圧縮空気は空気ばねに封
じ込められ、コンプレッサー88からの空気ばねへの圧縮
空気の供給も断たれる。従って、空気ばね34は、シート
11上の負荷に対応した適切なサスペンション力でシート
をニュートラル位置に維持できる。
このニュートラル位置において、たとえば、走行中の
大きな振動によって、シート11がニュートラル位置より
沈み込むと、上枠12は、空気ばね34のサスペンション力
に抗して下降し、リンク16,18は、第3図に実線で矢視
するように、回動して上下に縮む。すると、切換制御弁
40は、リンク18の回動に伴って傾斜される。また、リン
ク16の回動に伴って、リンク16の操作ピン60が上方のア
ジャストスクリュー65を押圧して、カム54は、枢支ピン
20の回りで時計方向に回動し、カムの第1カム面56が切
換制御弁の供給ピン50を押圧する。
供給ピン50が押圧されると、第4図(B)に示すよう
に、切換制御弁の流入口42、流出口44が接続され、主流
路93が導通されて、コンプレッサー88、空気ばね34が連
通する。そのため、圧縮空気は、主流路93を流れ、コン
プレッサー88から、3方継手94、切換制御弁40、手動自
動切換弁70、3方継手96を経て、空気ばね34に流入し、
空気ばねを加圧して、空気ばねのサスペンション力を増
加させる。
空気ばね34のサスペンション力の増加に伴って、リン
ク16,18は回動されて上下に伸長し、上枠12を上昇させ
る。このとき、リンク16の操作ピン60は、押圧していた
上方のアジャストスクリュー65から離反し、下方のアジ
ャストスクリューを押圧するまで、リンク16はカム54に
先行して反時計方向に回動する。操作ピン60が遊び相当
分だけ移動して下方のアジャストスクリュー65を押圧す
ると、カム54は、リンク16に追従して反時計方向に、押
圧、回動され、第1カム面56が切換制御弁の供給ピン50
から離反する。すると、切換制御弁40、カム54は、第3
図に示すニュートラル位置に復帰する。
第1カム面56の離反によって、供給ピン50が突出位置
に復帰すると、切換制御弁の流入口42、流出口44の接続
が遮断されて、主流路93の導通が断たれる。そのため、
コンプレッサー88、空気ばね34の連通が断たれ、空気ば
ねへの圧縮空気の供給が阻止されるとともに、空気ばね
内の圧縮空気が封じ込められ、着座者の体重に応じた適
切なサスペンション力のもとで、空気ばね34が維持され
る。
このように、シート11がニュートラル位置より沈み込
む(下降する)と、切換制御弁40、カム54によって、空
気ばね34に圧縮空気を供給し、空気ばねのサスペンショ
ン力を調整して、シートがニュートラル位置に維持され
る。
また、走行中の振動によって、または、着座者が故意
に尻部を浮かせて、シート11がニュートラル位置より浮
き上ると、上枠12は、空気ばね34のサスペンション力に
よって持ち上げられ、リンク16,18は、第3図に一点鎖
線で矢視するように回動して、伸長される。このとき、
操作ピン60の遊び相当分だけ、リンク16はカム54に先行
して反時計方向に回動し、操作ピン60が下方のアジャス
トスクリュー65を押圧すると、カムがリンク16の回動に
伴って反時計方向に回動する。また、切換制御弁40は、
リンク18と一体的に時計方向に回動される。
カム54が反時計方向に、切換制御弁40が時計方向に回
動すると、カムの第2カム面57が切換制御弁の排気ピン
52を押圧して、切換制御弁が切換えられて、第4図
(C)に示すように、切換制御弁の流出口44、排出口46
を接続させる。すると、切換制御弁の流入口42、流出口
44の接続が遮断されて、コンプレッサー88、空気ばね34
の連通が断たれる。そして、空気ばね34内の圧縮空気
は、手動自動切換弁70を経て、切換制御弁の流出口44に
逆流し、排出口46から大気中に流出、排気されるため、
空気ばね34は減圧され、空気ばねのサスペンション力を
低下させる。
空気ばね34のサスペンション力の低下に伴って、リン
ク16,18は、回動して上下に縮み、上枠12を下降させ
る。リンク16,18のそれぞれの回動に伴うカム54、切換
制御弁40の回動によって、第2カム面57が排気ピン52か
ら離反し、切換制御弁は、第4図(A)に示す初期位置
に復帰する。初期位置への切換制御弁40の復帰によっ
て、切換制御弁の流出口44、排出口46の接続が断たれ、
空気ばね34内の圧縮空気の排出が妨げられるため、空気
ばねのサスペンション力の低下が阻止される。そして、
着座者の体重の対応した適切なサスペンション力が空気
ばね34に設定されて、シート11はニュートラル位置に維
持される。
上記のように、ニュートラル位置からシート11が上下
に移動しても、カム54による切換制御弁40の切換えによ
って、圧縮空気が主流路93を経て供給(給気)、排気さ
れて、サスペンション力が調整される。そして、シート
11は、ニュートラル位置に自動的に復帰し、適切なサス
ペンション力のもとで、ニュートラル位置に維持され
る。このように、切換制御弁40、カム54は、適切なサス
ペンション力のもとで、シート11をニュートラル位置に
自動的に設定するオートレベライザーとして機能する。
実施例では、切換制御弁40をリンク18に、カム(切換
手段)54をリンク16,18の枢支ピン20にそれぞれ取付け
ているが、この構成に限定されない。
上記のように、手動自動切換弁70がON(自動制御)
に、手動調整弁80が非動作位置(中立位置)に維持され
ると、自動調整機能によって、サスペンション力を調整
しながらシート11がニュートラル位置に自動的に設定さ
れる。
しかし、手動自動切換弁70をOFF(手動制御)として
自動調整機能を解除すれば、手動調整弁80の操作によっ
て、以下のように、シート位置が手動調整できる。
手動自動切換弁70をOFFとした状態で、たとえば、手
動調整弁の切換スイッチ80aをONサイドに押圧して、手
動調整弁80をONに切換える。第6図(A)に示すよう
に、手動自動切換弁70がOFFであるため、切換制御弁の
流入口42、流出口44、排出口46間の接続と無関係に、主
流路93の導通が断たれる。しかし、手動調整弁80がONと
されたため、手動調整弁の流入口82、流出口84が接続さ
れてバイパス97を導通し、コンプレッサー88、空気ばね
34がバイパスを介して連通される。そのため、圧縮空気
が、バイパス97を流れて空気ばね34に流入し、空気ばね
を加圧してサスペンション力を増加させて、シート11を
上昇させる。
このように、手動調整弁80をONサイドに押圧し続ける
ことによって、シート11が所望位置まで上昇し、着座者
の好みのシート位置が任意に設定できる。そして、エア
ーサスペンション10は、シートリフターとして機能す
る。
ここで、シート11を上げすぎて手動調整弁80をOFFサ
イドに切換えれば、第6図(B)に示すように、手動調
整弁の流出口84、排出口86が接続されて、バイパス97が
断たれる。しかし、流出口84、排出口86が接続されてい
るため、空気ばね34内の圧縮空気は、バイパス97を逆流
し、排出口から大気中に流出、排気されて、空気ばねの
サスペンション力が低下する。そのため、シート11は降
下し、手動調整弁のプッシュボタン80aの押力を除い
て、手動調整弁80を中立位置に復帰させれば、シート11
の降下が阻止され、任意の位置にシートを調整できる。
上記のように、シート11の昇降距離は、手動調整弁の
切換スイッチ80aをONサイド、OFFサイドに押圧した時間
によって決まり、手動調整弁80の操作によって、シート
位置が手動調整でき、着座者の好みのシート位置が正確
に設定される。
なお、手動調整によって、シート位置がニュートラル
位置から大きくずれると、カム54によって切換制御弁の
供給ピン50、排気ピン52が押圧される。供給ピン50が押
圧されて、切換制御弁の流入口42、流出口44を接続した
り、排気ピン52が押圧されて、流出口44、排気口46を接
続しても、手動自動制御弁70がOFF(手動制御)とされ
て、主流路93が遮断されている。そのため、圧縮空気が
主流路93を流れる虞れはなく、シートの手動調整を妨げ
る余地はない。このように、手動調整では、手動自動制
御弁70がOFFとなっているため、切換制御弁40の切換え
状態と無関係に、シートの位置調整が自由に行なえる。
上記では、シート11を任意の位置から昇降させる場合
について述べたが、自動調整によって、シート11をニュ
ートラル位置に一旦設定し、その後、手動自動制御弁を
OFFとし、手動調整によって、好みの位置にシートを移
動させてもよい。この方法では、好みのシート位置が、
迅速、容易に設定できる。
また、降車時、手動調整弁80をOFFサイドに押し続け
れば、サスペンション力の低下に伴って、シート11が下
降する。そして、空気ばねのサスペンション力をシート
11の自重以下にすれば、着座者がシートから尻部を離反
させても、シートは持ち上げられない。そして、シート
11を最下位置まで下降させ、手動調整弁80の押力を除け
ば、手動調整弁は中立位置に復帰し、シート11は最下位
置に維持される。従って、着座者はシートに妨害される
ことなく迅速に降車できる。特に、ドライバーシートに
この考案のエアーサスペンション10を装着すれば、ステ
アリングホイール、シート間に十分な隙間が設定され、
ドライバーはステアリングホイールに妨害されることな
く降車できる。
シート11が最下位置に維持されているため、乗車時に
おいても、シートに邪魔されることなく乗車できる。そ
して、着座者は、乗車後、手動自動切換弁70をONに切換
えて、シート11を上昇させ、手動調整によって、好みの
シート位置が設定できる。
このように、手動自動切換弁70をOFFに切換えるだけ
で、シート11が最下位置まで下降して維持されるため、
降車、乗車が容易になり、乗降性が改善される。
また、乗車の際、最下位置のシート11に着座して、手
動自動切換弁70を中立位置にしたまま、手動自動切換弁
を手動(OFF)から自動(ON)に切換えれば、適切なサ
スペンション力のもとで、シートはニュートラル位置に
自動的に復帰する。
つまり、最下位置では、切換制御弁の供給ピン50が押
圧されているため、主流路93が導通し、第4図(B)に
示す接続状態(給気)が再現される。そのため、圧縮空
気が、コンプレッサー88から主流路93を経て空気ばね34
に流入し、空気ばねを加圧し、サスペンション力を増加
させて、シート11がニュートラル位置まで自動的に上昇
される。
操作性、価格から、手動切換弁70を2ポート2位置の
自己保持型弁、手動調整弁80を3ポート3位置弁とする
ことが好ましいとはいえ、他の弁としてもよい。
上記のように、この考案のエアーサスペンション11を
自動車のドライバーシートに装着すると乗降性が十分に
改善されて効果が大きい。しかし、ドライバーシートに
限定されず、他のシート、たとえば、自動車のアシスタ
ントシート、リヤシート、新幹線等の電車、飛行機、船
舶等の通常のシートに、このエアーサスペンション10を
装着してもよい。
上述した実施例は、この考案を説明するためのもので
あり、この考案を何等限定するものでなく、この考案の
技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの考
案に包含されることはいうまでもない。
〔考案の効果〕 上記のように、この考案の車両用シートのエアーサス
ペンションによれば、空気供給源から切換制御弁、手動
自動切換弁を経て空気ばねに至る主流路に加えて、空気
供給源から手動調整弁を経て空気ばねに至るバイパスが
設けられている。
そのため、手動自動切換弁の切換えによって、主流路
を導通させれば、自動調整機能により、適切なサスペン
ション力のもとで、シートをニュートラル位置に自動的
に設定できる。また、主流路を遮断し、手動調整弁の切
換えによってバイパスを連通、遮断すれば、シートの昇
降が手動調整でき、好みのシート位置が任意に設定でき
る。
このように、自動調整、手動調整が任意に選択でき、
汎用性に富むエアーサスペンションが得られる。
また、降車時、手動調整弁をOFF(手動制御)に維持
すれば、シートが最下位置に下降して、維持されるた
め、降車、乗車が容易になり、乗降性が改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案に係る車両用シートのエアーサスペ
ンションの概略斜視図、 第2図は、第1図の線II-IIに沿ったエアーサスペンシ
ョンの概略断面図、 第3図は、シートのニュートラル位置での切換手段、切
換制御弁の関係を示す、エアーサスペンションの部分正
面図、 第4図(A)は、自動調整のもとで、シートがニュート
ラル位置にある場合での空気供給源、空気ばね間の接続
図、 第4図(B),(C)は、自動調整の給気時および排気
時での空気供給源、空気ばね間の各接続図、 第5図は、空気供給源、空気ばね間の接続を概略的に示
す模式図、 第6図(A),(B)は、手動調整の給気時および排気
時での空気供給源、空気ばね間の各接続図である。 10:車両用シートのエアーサスペンション、11:シート、
12,14:上枠、下枠、16,18:リンク、20,21:リンクの枢支
ピン、34:空気ばね、36,38:ブラケット、40:切換制御
弁、40a:制御弁本体、42,44,46:切換制御弁の流入口(I
N)、流出口(OUT)、排出口(ETH)、50,52:切換制御
弁の供給ピン、排気ピン、54:切換手段(カム)、56,5
7:カム面、60:操作ピン、62:挿通孔、65:アジャストス
クリュー、66:ショックアブゾーバー、68,69:ブラケッ
ト、70:手動自動切換弁、70a:切換スイッチ、72,74:手
動自動切換弁の流入口(IN)、流入口(OUT)、80:手動
調整弁、80a:手動調整弁の切換スイッチ、82,84,86:手
動調整弁の流入口(IN)、流出口(OUT)、排出口(ET
H)、88:空気供給源(コンプレッサー)、90,92:導管、
93:主流路,94;96:3方継手、97:導管(バイパス)。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用シートを積置した上枠が伸縮自在な
    リンクを介して下枠に支持され、空気ばねを上枠、下枠
    間に設け、切換制御弁を空気供給源、空気ばね間に配設
    し、リンクの伸縮によって切換制御弁を切換え、空気供
    給源から圧縮空気を空気ばねに供給、排気して、着座者
    の体重に対応したサスペンション力を維持する車両用シ
    ートのエアーサスペンションにおいて、 空気供給源が第1の3方継手を介して切換制御弁の流入
    口に接続されるとともに、空気ばねが流入口、流出口間
    の流路の導通、遮断の切換え可能な手動自動切換弁を介
    して切換制御弁の流出口に接続され、 空気ばね、手動自動切換弁間に第2の3方継手を設け、
    第1、第2の3方継手を連結して形成した空気供給源、
    空気ばね間のバイパスに、流入口、流出口間の導通、流
    出口、排出口間の導通、および、これらの遮断のいずれ
    かに切換え可能な手動調整弁を設けたことを特徴とする
    車両用のシートのエアーサスペンション。
  2. 【請求項2】車両用シートを積置した上枠が伸縮自在な
    リンクを介して下枠に支持され、空気ばねを上枠、下枠
    間に設け、切換制御弁を空気供給源、空気ばね間に配設
    し、リンクの伸縮によって切換制御弁を切換え、空気供
    給源から圧縮空気を空気ばねに供給、排気して、着座者
    の体重に対応したサスペンション力を維持する車両用シ
    ートのエアーサスペンションにおいて、 空気供給源から空気ばねに至る主流路に、切換制御弁、
    および、流入口、流出口間の流路の導通、遮断の切換え
    可能な手動自動切換弁を設けるとともに、空気供給源、
    切換制御弁間、手動自動切換弁、空気ばね間にそれぞれ
    3方継手を設け、これらの3方継手を連結したバイパス
    に、流入口、流出口間の導通、流出口、排出口間の導
    通、および、これらの遮断のいずれかに切換え可能な手
    動調整弁を設けたことを特徴とする車両用シートのエア
    ーサスペンション。
  3. 【請求項3】手動自動切換弁が2ポート2位置の自己保
    持型弁、手動調整弁が3ポート3位置弁である請求項1
    または2記載の車両用シートのエアーサスペンション。
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