JP2504341B2 - 高温耐熱強度部材の製造方法 - Google Patents

高温耐熱強度部材の製造方法

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JP2504341B2 JP3041903A JP4190391A JP2504341B2 JP 2504341 B2 JP2504341 B2 JP 2504341B2 JP 3041903 A JP3041903 A JP 3041903A JP 4190391 A JP4190391 A JP 4190391A JP 2504341 B2 JP2504341 B2 JP 2504341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温耐熱強度部材の製造
方法に係り、特に、炭素繊維/炭素複合材料(以下「C
Cコンポジット」と称す)の耐熱性を損なうことなく、
耐酸化性、耐水素劣化性を改善した高温耐熱強度部材
工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CCコンポジットは、極めて優れた耐熱
性を有する反面、耐酸化性が全くなく、また、水素劣化
性もあることから、その利用分野が限定されるという欠
点がある。例えば、ロケットエンジンのノズルのような
高温酸化雰囲気にさらされる用途には不適である。ま
た、炉心管や熱処理用、焼結用セッタでは、不活性雰囲
気中、特に水素による炭素劣化の問題がある。更に、C
Cコンポジットは、ガスや液の浸透性があるため、この
点からも用途が限定される。
【0003】このため、CCコンポジットの熱酸化性等
を向上させる目的で、従来、各種の表面処理方法が提案
されている。例えば、次の〜の方法がある。 S
i蒸気又は溶融Siの含浸による表面の珪化。即ち、表
面にSiCを形成する。 表面にCVD法によりSi
Cコーティングを施す。 上記の処理後、クラックを
シールするために各種の溶融ガラス(例えば、硼珪酸ガ
ラス)を含浸する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CCコ
ンポジットとSiCとでは熱膨張係数が大きく異なるこ
とから、前記、のように、表面にSiC層を形成し
たものでは、熱膨張差に起因するクラックが生じ、CC
コンポジットを十分に保護し得ない。の処理を施すこ
とによりクラックをシールすることができるが、クラッ
クを根本的に解決することはできない。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決し、CC
コンポジットの表面に、クラック発生の少ないSiC又
はSi34 層を形成することにより、その耐酸化性及
び耐水素劣化性改善された高温耐熱強度部材を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の高温耐熱強度
部材の製造方法は、炭素繊維/炭素複合材料よりなる基
材の表面に、セラミック及び耐熱金属よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の粉末及び/又は短繊維と、該粉
末及び/又は繊維同志の間隙に含浸されたSiC又はS
34 とで構成され、その表面側が緻密質であり基材
側が多孔質である被覆層を形成して高温耐熱強度部材を
製造する方法であって、該基材の表面に前記粉末及び/
又は繊維を接着剤により付着させた後、気相蒸着法によ
りSiC又はSi 34 を蒸着させることを特徴とす
る。
【0007】請求項2の高温耐熱強度部材の製造方法
は、請求項1の方法において、多孔質層を構成する粉末
及び/又は短繊維が酸化によりB23 を生じさせるボ
ロン含有物質よりなることを特徴とする。
【0008】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明
する。第1図は本発明で製造される高温耐熱強度部材の
一実施例を示す模式的な断面図である。
【0009】本発明において、基材となるCCコンポジ
ット1は、通常に提供されるものでも良く、例えば、炭
素繊維割合が35〜60体積%、マトリックス炭素(又
は黒煙)割合が25〜40体積%、空孔率が10〜30
体積%のCCコンポジットを用いることができる。
【0010】このようなCCコンポジット1の表面に形
成される被覆層2は、セラミック及び耐熱金属よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の粉末及び/又は短繊維
を含み、該粉末及び/又は繊維同志の間隙に、気相蒸着
法によりSiC又はSi34 を含浸してなるベース層
3を有するものである。
【0011】本発明において、該ベース層3の粉末及び
/又は繊維を構成するセラミック及び耐熱金属として
は、黒鉛、炭素、SiC、B4 C、AlN、TiB2
MoSi2 、TaN、WC、W2 C等のセラミック、及
びW、Mo等の耐熱金属よりなる群から選ばれる1種又
は2種以上の粉末及び/又は短繊維が挙げられる。な
お、粉末の場合、その平均粒径は0.2〜100μm程
度とするのが好ましい。また、短繊維の場合、その平均
繊維径は0.2〜30μm、平均繊維長さは20〜20
0μmであることが好ましい。
【0012】本発明においては、特に、ベース層3を構
成する粉末及び/又は短繊維がボロン(B)元素を含む
物質よりなることが好ましい。即ち、Bを含む物質より
なる多孔質層であれば、万が一クラックが発生した場合
でも、含有されるBが酸素により酸化されてB23
なり(2B+2/3O2 →B23 )、このものがガラ
ス状となって、或いはこのものとSiC又はSi34
との酸化により生成した硼珪酸ガラスがクラックをシー
ルする。このため、CCコンポジットの耐酸化性、耐水
素劣化性はより確実に向上する。このようなことから、
ベース層3を構成する物質はBを含有することが好まし
いが、Bの含有割合が過度に高いと耐熱性が低下する。
従って、本発明においては、多孔質層のB含有率は1〜
30重量%であることが好ましい。なお、Bを含む物質
としては、ボロン、ボロンカーバイド(B4 C)、ボロ
ンナイトライド(BN)等が挙げられる。
【0013】本発明において、ベース層3の粉末及び/
又は短繊維同志の間の間隙が狭過ぎると十分なSiC又
はSi34 の含浸がなされない。従って、含浸前の粉
末及び/又は短繊維の層の空孔率は50〜99%である
ことが好ましい。また、被覆層2の厚さは薄過ぎると十
分なクラック防止効果が得られず、厚過ぎると基材表面
までSiC又はSi34が蒸着含浸できず、被覆層と
基材との結合が不十分になり、被覆層が脱落、剥離しや
すくなる。従って、ベース層3の厚さは0.1〜1.0
mm程度が好ましい。
【0014】本発明においては、このような粉末及び/
又は短繊維を接着剤によりCCコンポジットの表面に付
着させる。例えば、CCコンポジット表面へフェノール
樹脂等の接着剤をスプレーガン又はハケにて塗布した
後、粉末及び/又は短繊維をふりかけ、ハケ又はヘラで
余分の粉末及び/又は短繊維を除去し、次いで、接着剤
を硬化させ、更に無機化することにより容易にCCコン
ポジットに固着させることができる(以下、この方法を
「接着法」と称す。)。
【0015】本発明の高温耐熱強度部材の製造方法
は、このCCコンポジット表面に固着された粉末及び/
又は短繊維同志の間隙に、CVD法又はCVI等の気相
蒸着法によりSiC又はSi34 を、被覆層表面側が
緻密質、基材側が多孔質となるように、含浸、蒸着させ
る。
【0016】ここで、CVI法又はCVD法の好適なS
iCの蒸着条件の一例を下記表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】このような条件にてSiC又はSi34
を蒸着することにより、自ずと、表面側により多量のS
iC又はSi34 が蒸着されて緻密質となり、基材側
により少量のSiC又はSi34 が蒸着されて多孔質
となる、SiC又はSi34 濃度がその厚さ方向で表
面側ほど高くなるように変化する被覆層2が得られる。
【0019】被覆層2のSiC又はSi34 含浸率
は、少な過ぎるとSiC又はSi34 による耐酸化性
等の改善効果が十分に得られず、多すぎてもそれ以上の
効果は得られず経済的ではない。従って、SiC又はS
34 は、被覆層中の体積%で1〜50%となるよう
に含浸させるのが好ましい。
【0020】本発明において、被覆層2は、更に、表面
にSiC又はSi34 の気相蒸着膜5が形成されたも
のであっても良い。このような気相蒸着膜5を形成する
ことにより、耐酸化性、耐水素劣化性はより一層向上す
る。
【0021】
【作用】本発明の方法で製造される高温耐熱強度部材
は、CCコンポジットの表面に、セラミック及び耐熱金
属よりなる群から選ばれる少なくとも1種の粉末及び/
又は短繊維で形成された層が形成されており、かつ、こ
の層の空孔が気相蒸着法により生成したSiC又はSi
34 で、表面側が緻密質、基材側が多孔質となるよう
に含浸されている。
【0022】このような、SiC又はSi34 濃度が
傾斜する被覆層は、基材のCCコンポジットに対して応
力緩和層として作用するため、CCコンポジットとSi
C又はSi34 との熱膨張係数の差に起因する被覆層
のクラック発生は少なくなる。このため、CCコンポジ
ットは、SiC又はSi34 が含浸された被覆層によ
り、良好な耐酸化性、耐水素劣化性、ガス、液不透性が
与えられる。
【0023】特に、被覆層を構成する物質がBを含む場
合には、万が一被覆層にクラックが入った場合において
も、Bのガラス化による目詰め作用で、基材の劣化は防
止される。本発明の方法によれば、このような高温耐熱
強度部材を前記接着法を採用することにより、極めて容
易かつ低コストに製造することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0025】実施例1,比較例1 炭素繊維含有率:40体積%、マトリックス炭素含有
率:35体積%、空孔率:25体積%のCCコンポジッ
トに、接着法にて、平均粒径2μmのSiC粉末を用い
て、厚さ0.3mm、空孔率70体積%の層を形成し
た。次いで、この多孔質層に前記表1のCVI法の条件
にて、SiCを含浸させた。SiCの含浸率は、得られ
る被覆層に対して30体積%とし、更に、表面に厚さ5
0μmのSiC蒸着膜を形成した。
【0026】得られた高温耐熱強度部材を大気中で13
00℃に20時間加熱したときのCCコンポジットの重
量減少率を調べたところ、重量減少率は30%であっ
た。一方、比較例1として、同一のCCコンポジットに
直接50μm厚さのCVD−SiCコーティング膜を形
成したものについて同様に加熱試験を行なったところ、
CCコンポジットは完全に燃焼した。
【0027】実施例2 炭素繊維含有率:40体積%、マトリックス炭素含有
率:35体積%、空孔率:25体積%のCCコンポジッ
トに、接着法にて、平均粒径2μmのSiC粉末及び平
均粒径3μmのB4 C粉末を用いて、厚さ0.3mm、
B含有率20重量%、空孔率70体積%の多孔質層を形
成した。次いで、この多孔質層に前記表1のCVI法の
条件にて、SiCを含浸させた。SiCの含浸率は、得
られる被覆層に対して30体積%とし、更に、表面に厚
さ50μmのSiC蒸着膜を形成した。
【0028】得られた高温耐熱強度部材を大気中で13
00℃に20時間加熱したときのCCコンポジットの重
量減少率を調べたところ、重量減少率は12%であっ
た。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の高温耐熱強
度部材の製造方法によれば、CCコンポジットの優れた
耐熱性を備え、しかも、耐酸化性、耐水素劣化性及びガ
ス、液不透性が大幅に改善された高温耐熱強度部材を容
易かつ効率的に、低コストに製造することができる。特
に、請求項2によれば、より優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明で製造される高温耐熱強度部材
の一実施例を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 CCコンポジット 2 被覆層 3 ベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 41/87 C04B 41/87 S 41/88 41/88 S // C23C 14/06 8939−4K C23C 14/06 16/32 16/32 16/34 16/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維/炭素複合材料よりなる基材の
    表面に、セラミック及び耐熱金属よりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種の粉末及び/又は短繊維と、該粉末及
    び/又は繊維同志の間隙に含浸されたSiC又はSi3
    4 とで構成れ、その表面側が緻密質であり基材側が
    多孔質である被覆層形成して高温耐熱強度部材を製造
    する方法であって、該基材の表面に前記粉末及び/又は繊維を接着剤により
    付着させた後、気相蒸着法によりSiC又はSi 34
    を蒸着させることを特徴とする高温耐熱強度部材の製造
    方法
  2. 【請求項2】 多孔質層を構成する粉末及び/又は短繊
    維が酸化によりB23 を生じさせるボロン含有物質よ
    りなることを特徴とする請求項1に記載の高温耐熱強度
    部材の製造方法
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