JP2721765B2 - 耐食性の耐火性複合材料の製造方法 - Google Patents
耐食性の耐火性複合材料の製造方法Info
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- C04B35/515—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
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- C04B35/78—Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents containing non-metallic materials
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/22—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
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- C23C16/32—Carbides
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火性複合材料を腐食
から、より詳しく言うと高温での酸素又は可能性のある
水の作用から保護することに関する。本発明が適用され
る複合材料は、マトリックスにより緻密化された耐火性
繊維強化材を含んでなり、そしてマトリックスが同様に
耐火性である材料である。
から、より詳しく言うと高温での酸素又は可能性のある
水の作用から保護することに関する。本発明が適用され
る複合材料は、マトリックスにより緻密化された耐火性
繊維強化材を含んでなり、そしてマトリックスが同様に
耐火性である材料である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】繊維強
化材の繊維を構成する材料は一般に、炭素、又は例えば
炭化ケイ素のようなセラミックスである。耐火性マトリ
ックスは、炭素により、あるいは少なくとも一部が例え
ば炭化ケイ素もしくは耐火性酸化物のようなセラミック
スにより構成される。界面、詳しく言うと窒化ホウ素又
は熱分解炭素を、強化用繊維上に形成させて、繊維強化
材とマトリックスとの結合を十分なものにすることもあ
る。
化材の繊維を構成する材料は一般に、炭素、又は例えば
炭化ケイ素のようなセラミックスである。耐火性マトリ
ックスは、炭素により、あるいは少なくとも一部が例え
ば炭化ケイ素もしくは耐火性酸化物のようなセラミック
スにより構成される。界面、詳しく言うと窒化ホウ素又
は熱分解炭素を、強化用繊維上に形成させて、繊維強化
材とマトリックスとの結合を十分なものにすることもあ
る。
【0003】繊維強化材は、液体技術又は気体技術を使
用してマトリックスで緻密化され、この緻密化は、繊維
強化材の利用できる気孔を繊維強化材の体積の全体を通
して少なくとも部分的に充填する役に立つ。
用してマトリックスで緻密化され、この緻密化は、繊維
強化材の利用できる気孔を繊維強化材の体積の全体を通
して少なくとも部分的に充填する役に立つ。
【0004】液体技術の場合には、繊維強化材にマトリ
ックス前駆物質例えば樹脂を含浸させる。含浸後、熱処
理を行って、その間に前駆物質の変化によってマトリッ
クスを構成する材料が得られる。いくつかの連続する含
浸及び熱処理サイクルを行うことがある。
ックス前駆物質例えば樹脂を含浸させる。含浸後、熱処
理を行って、その間に前駆物質の変化によってマトリッ
クスを構成する材料が得られる。いくつかの連続する含
浸及び熱処理サイクルを行うことがある。
【0005】気体技術の場合には、繊維強化材を閉鎖容
器に入れ、これへ特定の温度及び圧力条件下で分解又は
反応して強化用繊維上に、且つその体積全体にわたって
堆積物を生成するガスを入れる。セラミックス材料の場
合にとりわけ、耐火材料に化学気相浸透を施す方法はよ
く知られており、浸透は繊維−マトリックス結合界面を
形成後に任意的に行われる。フランス国特許出願公開第
2401888号、欧州特許出願公開第0085601
号及び欧州特許出願公開第0172082号各明細書を
参照することができる。
器に入れ、これへ特定の温度及び圧力条件下で分解又は
反応して強化用繊維上に、且つその体積全体にわたって
堆積物を生成するガスを入れる。セラミックス材料の場
合にとりわけ、耐火材料に化学気相浸透を施す方法はよ
く知られており、浸透は繊維−マトリックス結合界面を
形成後に任意的に行われる。フランス国特許出願公開第
2401888号、欧州特許出願公開第0085601
号及び欧州特許出願公開第0172082号各明細書を
参照することができる。
【0006】耐火性複合材料は、それらの熱構造特性す
なわちそれらを構造部材として適当なものにする機械的
性質のために、またこれらの機械的性質を高温に至るま
で保つそれらの能力のために、注目すべき材料である。
従ってこれらの材料は、特に航空及び宇宙用途に利用さ
れる。
なわちそれらを構造部材として適当なものにする機械的
性質のために、またこれらの機械的性質を高温に至るま
で保つそれらの能力のために、注目すべき材料である。
従ってこれらの材料は、特に航空及び宇宙用途に利用さ
れる。
【0007】とは言うものの、耐火性複合材料を使用中
に攻撃的な雰囲気中に置くと、それらは腐食攻撃によっ
て強化材の繊維、繊維−マトリックス界面又はマトリッ
クスに損傷を与えやすい。
に攻撃的な雰囲気中に置くと、それらは腐食攻撃によっ
て強化材の繊維、繊維−マトリックス界面又はマトリッ
クスに損傷を与えやすい。
【0008】実際問題として特に苛酷な問題を提起する
腐食の一つのタイプは、そのような材料の繊維強化材又
はマトリックスが被酸化性の物質(例えば炭素、窒化ホ
ウ素等)を含有していて、空気、燃焼ガス、湿分、雨水
等の存在下で高温に昇温されると起こる、酸素の作用又
は酸素と水の一緒になった作用である。これは、例え
ば、ターボジェットの燃焼室を構成する材料、あるいは
大気圏へ再突入する際の宇宙船の外側部分に起こること
である。
腐食の一つのタイプは、そのような材料の繊維強化材又
はマトリックスが被酸化性の物質(例えば炭素、窒化ホ
ウ素等)を含有していて、空気、燃焼ガス、湿分、雨水
等の存在下で高温に昇温されると起こる、酸素の作用又
は酸素と水の一緒になった作用である。これは、例え
ば、ターボジェットの燃焼室を構成する材料、あるいは
大気圏へ再突入する際の宇宙船の外側部分に起こること
である。
【0009】腐食性物質の作用は、耐火性複合材料の実
際上避けられない割れによって増進される。そのような
物質が使用されると、複合材料にかかる機械的応力のた
めに、あるいは繊維強化材とマトリックスとの熱膨張率
の違いのために、割れ(一般には微小割れ)が現れる。
際上避けられない割れによって増進される。そのような
物質が使用されると、複合材料にかかる機械的応力のた
めに、あるいは繊維強化材とマトリックスとの熱膨張率
の違いのために、割れ(一般には微小割れ)が現れる。
【0010】添付の図1に非常に模式的に示すように、
各割れは、腐食性物質をマトリックスMの材料に近づか
せるだけでなく、任意的に界面相Iによって覆われるこ
ともある繊維Fにも近づかせる。複合材料の殆んど避け
られない残留の多孔度のために(繊維強化材の緻密化が
完全であることは稀である)、腐食性物質が気孔内に運
ばれるせいで、表面ばかりでなく複合材料の芯部でもこ
の現象が起こる。
各割れは、腐食性物質をマトリックスMの材料に近づか
せるだけでなく、任意的に界面相Iによって覆われるこ
ともある繊維Fにも近づかせる。複合材料の殆んど避け
られない残留の多孔度のために(繊維強化材の緻密化が
完全であることは稀である)、腐食性物質が気孔内に運
ばれるせいで、表面ばかりでなく複合材料の芯部でもこ
の現象が起こる。
【0011】空気と接触する、そしてことによると湿分
の存在下での、高温用途について言えば、耐火性複合材
料を保護することが必要である。
の存在下での、高温用途について言えば、耐火性複合材
料を保護することが必要である。
【0012】耐火性複合材料の保護、特に炭素を含有し
ている複合材料を酸化から保護することに関する現状の
技術は、最も豊富である。しばしば、使用される技術
は、材料中に現れる割れをふさぎ、充填し又は埋めるた
めに修復する性質のある保護を形成することに依存す
る。複合材料の使用中は、熱応力及び機械的応力の変化
が割れの形状に変化を生じさせ、詳しく言えばそれらの
ヘリの間の隙間を広げあるいは狭める原因になる。従っ
て、修復性材料はそれ自体が割れることなしにそのよう
な動きに追従できることが必要である。このため、保護
材料は通常は、ガラスを生成する物質、あるいはガラス
を例えば酸化された後に生成することのできる物質であ
って、このガラスは使用温度で粘性挙動を示すものであ
る。
ている複合材料を酸化から保護することに関する現状の
技術は、最も豊富である。しばしば、使用される技術
は、材料中に現れる割れをふさぎ、充填し又は埋めるた
めに修復する性質のある保護を形成することに依存す
る。複合材料の使用中は、熱応力及び機械的応力の変化
が割れの形状に変化を生じさせ、詳しく言えばそれらの
ヘリの間の隙間を広げあるいは狭める原因になる。従っ
て、修復性材料はそれ自体が割れることなしにそのよう
な動きに追従できることが必要である。このため、保護
材料は通常は、ガラスを生成する物質、あるいはガラス
を例えば酸化された後に生成することのできる物質であ
って、このガラスは使用温度で粘性挙動を示すものであ
る。
【0013】図2及び3に示すように、ガラスVは、腐
食性物質が材料の割れに入り込むのを防止するバリヤー
を形成することによって保護機能をもたらす。図2で
は、ガラスVは複合材料に付着させた物質から作られ
る。図3では、ガラスVはマトリックス材料中に含まれ
ていた物質の腐食(酸化)により生成される。
食性物質が材料の割れに入り込むのを防止するバリヤー
を形成することによって保護機能をもたらす。図2で
は、ガラスVは複合材料に付着させた物質から作られ
る。図3では、ガラスVはマトリックス材料中に含まれ
ていた物質の腐食(酸化)により生成される。
【0014】耐火性複合材料は、ケイ素化合物から作ら
れた層を付着させ及び/又はホウ素化合物から作られた
層を付着させ、それにより酸化ホウ素(B2O3 )系の
ガラスもしくはシリカ(SiO2 )系のガラスあるいは
両者の組み合わせを形成することによって、酸化から保
護することができる。現状技術の実例として、米国特許
第4668579号及び欧州特許出願公開第01760
55号各明細書を参照することができる。
れた層を付着させ及び/又はホウ素化合物から作られた
層を付着させ、それにより酸化ホウ素(B2O3 )系の
ガラスもしくはシリカ(SiO2 )系のガラスあるいは
両者の組み合わせを形成することによって、酸化から保
護することができる。現状技術の実例として、米国特許
第4668579号及び欧州特許出願公開第01760
55号各明細書を参照することができる。
【0015】米国特許第4668579号明細書(発明
者Strangmanら)では、炭素−炭素(C/C)
複合材料が内側の炭化ホウ素部分と外側の炭化ケイ素部
分とを含んでなる少なくとも一つの保護層を形成するこ
とによって酸化から保護される。この保護層は好ましく
は、複合材料の緻密化の完了前、典型的には繊維強化材
を統合後、すなわち強化用繊維を一緒に結合するのに丁
度十分な程度まで部分的な緻密化を行ってから、形成さ
れる。保護層の各部分の厚さは0.5〜5μm(0.0
2〜0.2ミル)の範囲内である。
者Strangmanら)では、炭素−炭素(C/C)
複合材料が内側の炭化ホウ素部分と外側の炭化ケイ素部
分とを含んでなる少なくとも一つの保護層を形成するこ
とによって酸化から保護される。この保護層は好ましく
は、複合材料の緻密化の完了前、典型的には繊維強化材
を統合後、すなわち強化用繊維を一緒に結合するのに丁
度十分な程度まで部分的な緻密化を行ってから、形成さ
れる。保護層の各部分の厚さは0.5〜5μm(0.0
2〜0.2ミル)の範囲内である。
【0016】欧州特許出願公開第0176055号明細
書(発明者Holzlら)では、炭素本体(これはC/
C複合材料でもよい)が、初めに当該炭素本体を酸化ホ
ウ素で化学エッチングして、最低定められた深さまで達
し且つその深さまで当該炭素本体の初期体積のおよそ半
分を占める隙間を形成することによって、酸化から保護
される。こうして作り出された多孔性は、反応によって
実質上等部数のホウ化ケイ素及び炭化ケイ素から作られ
た層を生じさせるケイ素又はケイ素合金を挿入すること
により充填される。別の、例えば炭化ケイ素の、表面コ
ーティングが、ホウ素又はホウ素化合物の中間層を用い
てあるいは用いずに形成される。こうして処理された炭
素本体は、約1370℃の温度で空気中での酸化に非常
によく耐える。
書(発明者Holzlら)では、炭素本体(これはC/
C複合材料でもよい)が、初めに当該炭素本体を酸化ホ
ウ素で化学エッチングして、最低定められた深さまで達
し且つその深さまで当該炭素本体の初期体積のおよそ半
分を占める隙間を形成することによって、酸化から保護
される。こうして作り出された多孔性は、反応によって
実質上等部数のホウ化ケイ素及び炭化ケイ素から作られ
た層を生じさせるケイ素又はケイ素合金を挿入すること
により充填される。別の、例えば炭化ケイ素の、表面コ
ーティングが、ホウ素又はホウ素化合物の中間層を用い
てあるいは用いずに形成される。こうして処理された炭
素本体は、約1370℃の温度で空気中での酸化に非常
によく耐える。
【0017】米国特許第4889686号及び第494
4904号各明細書も、多孔質プレフォームに溶融した
ケイ素化合物を入れて酸化から保護される複合材料を製
造することに関する。プレフォームは、溶融ケイ素と直
接接触するのを防ぐため窒化ホウ素コーティングを有
し、また場合によってはケイ素による漏れを増進させる
ため追加の熱分解炭素コーティングを有する繊維から作
られる。このようにコーティングされた繊維は、次い
で、樹脂のような結合剤と混合した炭素短繊維若しくは
炭化ケイ素ウィスカー及び/または粉末炭素の形をした
浸透促進剤で含浸される。繊維質プレフォームは、含浸
された繊維に形をつけてそれらを熱処理にかけ、その後
溶融状態のケイ素とホウ素の混合物を使って液体浸透を
行って調製され、この混合物中のホウ素の量はケイ素に
関して好ましくは1〜3重量%の比率である。その結果
得られた複合材料は、その場で生成された炭化ケイ素に
より、又はその場で生成されてホウ素を含有している炭
化ケイ素により構成される主相と、ケイ素とホウ素の溶
液により構成される追加の相とを有するマトリックスを
含んでなる。
4904号各明細書も、多孔質プレフォームに溶融した
ケイ素化合物を入れて酸化から保護される複合材料を製
造することに関する。プレフォームは、溶融ケイ素と直
接接触するのを防ぐため窒化ホウ素コーティングを有
し、また場合によってはケイ素による漏れを増進させる
ため追加の熱分解炭素コーティングを有する繊維から作
られる。このようにコーティングされた繊維は、次い
で、樹脂のような結合剤と混合した炭素短繊維若しくは
炭化ケイ素ウィスカー及び/または粉末炭素の形をした
浸透促進剤で含浸される。繊維質プレフォームは、含浸
された繊維に形をつけてそれらを熱処理にかけ、その後
溶融状態のケイ素とホウ素の混合物を使って液体浸透を
行って調製され、この混合物中のホウ素の量はケイ素に
関して好ましくは1〜3重量%の比率である。その結果
得られた複合材料は、その場で生成された炭化ケイ素に
より、又はその場で生成されてホウ素を含有している炭
化ケイ素により構成される主相と、ケイ素とホウ素の溶
液により構成される追加の相とを有するマトリックスを
含んでなる。
【0018】非酸化法を実施する結果として生成するこ
とのできるガラスの中で、ホウ素に基づくものは低圧性
能が限られ、また湿分の影響に過敏である。同じこと
は、シリカに基づくガラスには当てはまらないが、シリ
カガラスは中位の温度で有効でない(それらの粘度が高
過ぎるため)。
とのできるガラスの中で、ホウ素に基づくものは低圧性
能が限られ、また湿分の影響に過敏である。同じこと
は、シリカに基づくガラスには当てはまらないが、シリ
カガラスは中位の温度で有効でない(それらの粘度が高
過ぎるため)。
【0019】ホウ素とシリカの混合物に基づくガラスす
なわち「ホウケイ酸」ガラスは、それらの欠点に悩まさ
れることがなく、あるいは少なくともそれらは非常に軽
減される。ホウ素系ガラスのための前駆物質とシリカ系
ガラスのための前駆物質の並列する層、例えば上述の現
状の技術におけるような炭化ホウ素(B4 C)の内層及
び炭化ケイ素(SiC)の外側は、ホウケイ酸ガラスを
生じよう。
なわち「ホウケイ酸」ガラスは、それらの欠点に悩まさ
れることがなく、あるいは少なくともそれらは非常に軽
減される。ホウ素系ガラスのための前駆物質とシリカ系
ガラスのための前駆物質の並列する層、例えば上述の現
状の技術におけるような炭化ホウ素(B4 C)の内層及
び炭化ケイ素(SiC)の外側は、ホウケイ酸ガラスを
生じよう。
【0020】図4に非常に模式的な形で示すように、B
4 CとSiCの二つの層を重ねて酸化条件に暴露する
と、割れの壁で、B4 C層及びSiC層のレベルに、対
応する酸化物(それぞれB2 O3 及びSiO2 )が生成
される。これらの酸化物は割れに沿って互いに隣接して
生成される。ホウケイ酸塩型のガラスの直接の生成は起
こらない。このように、初期の酸化の段階において、ホ
ウ素系ガラス及びシリカ系ガラスの上述の欠点が並列し
ていることが分る。その上、B4 C層とSiC層とは同
じ速度で酸化せず、またそれらの物理化学的性質は同じ
でなく、特にそれらの熱膨張率は同じでない。
4 CとSiCの二つの層を重ねて酸化条件に暴露する
と、割れの壁で、B4 C層及びSiC層のレベルに、対
応する酸化物(それぞれB2 O3 及びSiO2 )が生成
される。これらの酸化物は割れに沿って互いに隣接して
生成される。ホウケイ酸塩型のガラスの直接の生成は起
こらない。このように、初期の酸化の段階において、ホ
ウ素系ガラス及びシリカ系ガラスの上述の欠点が並列し
ていることが分る。その上、B4 C層とSiC層とは同
じ速度で酸化せず、またそれらの物理化学的性質は同じ
でなく、特にそれらの熱膨張率は同じでない。
【0021】こうして、高温の酸化性雰囲気では、図5
に示すように酸化物B2 O3 がB4 C層とSiC層の間
の界面の方へ進んでゆくことが認められる。この複合材
料を次いで湿分の存在下に置けば、酸化物B2 O3 は水
和して、この酸化物よりも体積が大きいB2 O3 ・nH
2 Oになる。これは、B4 C層とSiC層の間の界面を
これらの層に対して垂直な方向に裂いて、それによりこ
れらの層を分離させる傾向がある(図6)。最悪の場
合、SiCの外層が剥げ落ち、いずれにしても、B4 C
とSiCの界面に少なくとも割れができて、上記の現象
の繰返しになる。B4 CとSiCの層に関連する保護に
あって遭遇するこれらの現象は、特に、C.W.Ohl
horstらの論文“Performance cvaluations of oxi
dation-resistant carbon-carbon composites ”(Fift
h National Aerospace Plane Symposium, October 18-2
1, 1988, Paper No.69)に記載される。
に示すように酸化物B2 O3 がB4 C層とSiC層の間
の界面の方へ進んでゆくことが認められる。この複合材
料を次いで湿分の存在下に置けば、酸化物B2 O3 は水
和して、この酸化物よりも体積が大きいB2 O3 ・nH
2 Oになる。これは、B4 C層とSiC層の間の界面を
これらの層に対して垂直な方向に裂いて、それによりこ
れらの層を分離させる傾向がある(図6)。最悪の場
合、SiCの外層が剥げ落ち、いずれにしても、B4 C
とSiCの界面に少なくとも割れができて、上記の現象
の繰返しになる。B4 CとSiCの層に関連する保護に
あって遭遇するこれらの現象は、特に、C.W.Ohl
horstらの論文“Performance cvaluations of oxi
dation-resistant carbon-carbon composites ”(Fift
h National Aerospace Plane Symposium, October 18-2
1, 1988, Paper No.69)に記載される。
【0022】本発明の目的は、割れの生じた複合材料が
高温で酸化性雰囲気下に置かれるとホウケイ酸ガラスの
少なくとも一つの修復層を形成することによって、少な
くとも1700℃までの広い温度範囲にわたって腐食か
ら保護される耐火性複合材料を得るための方法を提供す
ることである。
高温で酸化性雰囲気下に置かれるとホウケイ酸ガラスの
少なくとも一つの修復層を形成することによって、少な
くとも1700℃までの広い温度範囲にわたって腐食か
ら保護される耐火性複合材料を得るための方法を提供す
ることである。
【0023】
【発明の概要】本発明によれば、この目的は、元素のす
なわち化学的に結合されないケイ素、ホウ素及び炭素の
前駆物質の混合物を含んでなるガスを使用する化学気相
成長又は化学気相浸透により得られるケイ素−ホウ素−
炭素(Si−B−C)三元系により構成される少なくと
も一つの連続相を、マトリックス内又はその表面に形成
する工程を含む方法によって達成され、上記の前駆物質
の混合物は当該Si−B−C三元系におけるホウ素濃度
を5原子%以上にするような混合物である。
なわち化学的に結合されないケイ素、ホウ素及び炭素の
前駆物質の混合物を含んでなるガスを使用する化学気相
成長又は化学気相浸透により得られるケイ素−ホウ素−
炭素(Si−B−C)三元系により構成される少なくと
も一つの連続相を、マトリックス内又はその表面に形成
する工程を含む方法によって達成され、上記の前駆物質
の混合物は当該Si−B−C三元系におけるホウ素濃度
を5原子%以上にするような混合物である。
【0024】「連続層」という用語は、ここでは、複合
材料の外表面と繊維強化材の繊維との間で連続のバリア
を構成する相を指示するために用いられる。
材料の外表面と繊維強化材の繊維との間で連続のバリア
を構成する相を指示するために用いられる。
【0025】化学気相成長又は浸透法は、Si−B−C
三元系を形成する堆積される元素を均一に分布させるの
を可能にし、特に、ホウケイ酸ガラスのための前駆物質
であるSi元素とB元素を均一に混合し且つ均一に分布
させることを可能にするので、特別に有利である。本明
細書全体を通して、「Si−B−C相」という用語はS
i,B及びC元素が均一に分布しているSi−B−C三
元系材料を指す。
三元系を形成する堆積される元素を均一に分布させるの
を可能にし、特に、ホウケイ酸ガラスのための前駆物質
であるSi元素とB元素を均一に混合し且つ均一に分布
させることを可能にするので、特別に有利である。本明
細書全体を通して、「Si−B−C相」という用語はS
i,B及びC元素が均一に分布しているSi−B−C三
元系材料を指す。
【0026】こうして、高温でのこの相の酸化は、ホウ
ケイ酸ガラスを直接生成させ、それによりホウ素系のガ
ラスのため及びシリカ系のガラスのための前駆物質の重
なる層がある場合に遭遇する欠点が回避される。
ケイ酸ガラスを直接生成させ、それによりホウ素系のガ
ラスのため及びシリカ系のガラスのための前駆物質の重
なる層がある場合に遭遇する欠点が回避される。
【0027】Si−B−C三元系は、マトリックスの外
層を構成して表面を保護することができる。
層を構成して表面を保護することができる。
【0028】とは言うものの、マトリックスの内部に生
成されるSi−B−C三元系には、表面の保護だけの場
合に起こりかねないような局所的な損傷によりだめにな
る可能性のない完全な保護を行うことが有利である。
成されるSi−B−C三元系には、表面の保護だけの場
合に起こりかねないような局所的な損傷によりだめにな
る可能性のない完全な保護を行うことが有利である。
【0029】マトリックスについてはSi−B−C相に
よって本質的に構成されるということが可能でさえあ
り、その相は下層により強化用繊維から任意的に切離し
てもよく、またそれ自体を別の表面保護被覆でコーティ
ングしてもよい。
よって本質的に構成されるということが可能でさえあ
り、その相は下層により強化用繊維から任意的に切離し
てもよく、またそれ自体を別の表面保護被覆でコーティ
ングしてもよい。
【0030】複合材料が強化用繊維の成分としてかある
いは繊維とマトリックスの間の界面相の成分として炭素
を含有する場合には、この炭素をホウ素を含有しない耐
火材料、例えば耐火性炭化物、例を挙げれば炭化ケイ
素、炭化ジルコニウム又は炭化ハフニウムといったよう
なものにより、Si−B−C系から切離すことが有利で
ある。そのような耐火材料を間に挟むことは、炭素がS
i−B−C系により生成されたガラスと反応することを
防ぎ、またそれはホウ素が炭素中へ拡散するのを防ぐ。
いは繊維とマトリックスの間の界面相の成分として炭素
を含有する場合には、この炭素をホウ素を含有しない耐
火材料、例えば耐火性炭化物、例を挙げれば炭化ケイ
素、炭化ジルコニウム又は炭化ハフニウムといったよう
なものにより、Si−B−C系から切離すことが有利で
ある。そのような耐火材料を間に挟むことは、炭素がS
i−B−C系により生成されたガラスと反応することを
防ぎ、またそれはホウ素が炭素中へ拡散するのを防ぐ。
【0031】最後に、つまり製造の終了時には、複合材
料に酸化物又は耐火性炭化物例えば炭化ケイ素の表面コ
ーティングを施し、こうして酸素に対する追加のバリア
を構成してもよい。
料に酸化物又は耐火性炭化物例えば炭化ケイ素の表面コ
ーティングを施し、こうして酸素に対する追加のバリア
を構成してもよい。
【0032】本発明による方法のもう一つの利点は、S
i−B−C三元系における元素の割合を、特に使用する
ガスの成分の相対比率を選ぶことによって、正確に制御
することが可能であるという事実に由来する。結果とし
て、Si−B−C三元系の組成を正確に調整して、複合
材料の設計使用温度に適応するホウケイ酸ガラス、すな
わちその温度での粘度特性が複合材料のマトリックスの
割れに関して最適な修復機能をもたらすのに適切である
ガラスを生成するのを可能にすることができる。
i−B−C三元系における元素の割合を、特に使用する
ガスの成分の相対比率を選ぶことによって、正確に制御
することが可能であるという事実に由来する。結果とし
て、Si−B−C三元系の組成を正確に調整して、複合
材料の設計使用温度に適応するホウケイ酸ガラス、すな
わちその温度での粘度特性が複合材料のマトリックスの
割れに関して最適な修復機能をもたらすのに適切である
ガラスを生成するのを可能にすることができる。
【0033】現状の技術は、マトリックスがSi,B及
びC元素を含有する複合材料を確かに包含する。例え
ば、前述の米国特許第4889686号及び第4944
904号各明細書に開示されたマトリックスは、SiC
相を含んでなり、このSiCはことによるとBと、そし
てSi+B相とを含有しいる。しかしながら、本発明に
よる方法と対照的に、これらの特許明細書に記載された
方法、すなわち元素の炭素浸透とこれに続く溶融したケ
イ素及びホウ素による液体含浸は、同一相内にSi,B
及びC元素がきちんと分布したこれらの元素の均一混合
物を得ることを可能としない。更に、それは、上述の同
一相中のSi,B及びC元素の相対量の正確な制御を可
能とせず、ホウ素の割合広い範囲にわたって、例えば5
原子量%から60原子量%まで、変化する可能性があ
る。しかもこれらの二つの条件、すなわち同一相内にS
i,B及びC元素が均一に分布する均一混合物、そして
それらの相対量の正確な制御という条件は、最高の可能
な条件下で所望のホウケイ酸ガラスを得るのに必要であ
る。
びC元素を含有する複合材料を確かに包含する。例え
ば、前述の米国特許第4889686号及び第4944
904号各明細書に開示されたマトリックスは、SiC
相を含んでなり、このSiCはことによるとBと、そし
てSi+B相とを含有しいる。しかしながら、本発明に
よる方法と対照的に、これらの特許明細書に記載された
方法、すなわち元素の炭素浸透とこれに続く溶融したケ
イ素及びホウ素による液体含浸は、同一相内にSi,B
及びC元素がきちんと分布したこれらの元素の均一混合
物を得ることを可能としない。更に、それは、上述の同
一相中のSi,B及びC元素の相対量の正確な制御を可
能とせず、ホウ素の割合広い範囲にわたって、例えば5
原子量%から60原子量%まで、変化する可能性があ
る。しかもこれらの二つの条件、すなわち同一相内にS
i,B及びC元素が均一に分布する均一混合物、そして
それらの相対量の正確な制御という条件は、最高の可能
な条件下で所望のホウケイ酸ガラスを得るのに必要であ
る。
【0034】更に、そして液体含浸技術に反して、本発
明による化学気相成長あるいは浸透は、Si−B−C相
の厚さの正確な制御も行なえ、それをマトリックスに固
定することも行なえる。
明による化学気相成長あるいは浸透は、Si−B−C相
の厚さの正確な制御も行なえ、それをマトリックスに固
定することも行なえる。
【0035】本発明の方法のもう一つの特別な利点は、
マトリックスにおける他の相がやはり化学気相成長ある
いは化学気相浸透により生成される場合に、Si−B−
C三元系をこれらの他の相と連続して作ることが可能な
ことである。このような状況下では、使用するガスの組
成を、恐らく温度や圧力といったような種々のパラメー
ターをやはり変更しながら、単に変えるだけで、Si−
B−C相から他の相へ移行すること(あるいは逆に移行
すること)が可能である。
マトリックスにおける他の相がやはり化学気相成長ある
いは化学気相浸透により生成される場合に、Si−B−
C三元系をこれらの他の相と連続して作ることが可能な
ことである。このような状況下では、使用するガスの組
成を、恐らく温度や圧力といったような種々のパラメー
ターをやはり変更しながら、単に変えるだけで、Si−
B−C相から他の相へ移行すること(あるいは逆に移行
すること)が可能である。
【0036】詳しく言うと、SiCからSi−B−Cへ
の移行、あるいは逆の移行は、元素のホウ素のための前
駆物質の割合を増加させ又は減少させてガスの組成を変
更することを必要とするだけである。この変更は、Si
C相とSi−B−C相との間の連続の移り変わりが達成
されるように漸進的に行うことができる。
の移行、あるいは逆の移行は、元素のホウ素のための前
駆物質の割合を増加させ又は減少させてガスの組成を変
更することを必要とするだけである。この変更は、Si
C相とSi−B−C相との間の連続の移り変わりが達成
されるように漸進的に行うことができる。
【0037】
【好ましい態様の説明】以下に示す例において、保護さ
れるべき耐火性複合材料は一般的に、二次元(2D)型
のもの又は三次元(3D)型のものであって、炭素/炭
素(C/C)製又は炭素/炭化ケイ素(C/SiC、強
化用繊維の組織が炭化ケイ素により本質的に構成される
マトリックスによって緻密化されたもの)製である。当
然ながら、本発明は、他の2D又は3D耐火性複合材
料、例えば、炭化ケイ素と炭化ケイ素(SiC/Si
C)の2D複合材料であって強化用SiC繊維とSiC
マトリックスとの間に窒化ホウ素又は熱分解炭素中間相
のあるものに等しく適用できる。
れるべき耐火性複合材料は一般的に、二次元(2D)型
のもの又は三次元(3D)型のものであって、炭素/炭
素(C/C)製又は炭素/炭化ケイ素(C/SiC、強
化用繊維の組織が炭化ケイ素により本質的に構成される
マトリックスによって緻密化されたもの)製である。当
然ながら、本発明は、他の2D又は3D耐火性複合材
料、例えば、炭化ケイ素と炭化ケイ素(SiC/Si
C)の2D複合材料であって強化用SiC繊維とSiC
マトリックスとの間に窒化ホウ素又は熱分解炭素中間相
のあるものに等しく適用できる。
【0038】2D複合材料は、繊維強化材の繊維が、任
意的にはいくつかの重ねた層に配置された、布又は糸も
しくはケーブルのシートにより構成される二次元系を形
成している材料である。
意的にはいくつかの重ねた層に配置された、布又は糸も
しくはケーブルのシートにより構成される二次元系を形
成している材料である。
【0039】3D複合材料は、強化用繊維が三次元系を
形成している材料である。強化用組織は例えば、三次元
の製織により、あるいは布、フエルト、又は糸もしくは
ケーブルのシートの二次元プライを重ねそして相互につ
なげること、等によって得られ、プライは針で縫い、糸
を差し込み、等々によって相互につなげられる。
形成している材料である。強化用組織は例えば、三次元
の製織により、あるいは布、フエルト、又は糸もしくは
ケーブルのシートの二次元プライを重ねそして相互につ
なげること、等によって得られ、プライは針で縫い、糸
を差し込み、等々によって相互につなげられる。
【0040】複合材料には、その芯部又はその表面に少
なくとも一つの連続の保護層が浸透法によりあるいは化
学気相成長法により与えられる。このためには、フラン
ス国特許第2594119号明細書に記載されたような
装置を使用してもよい。
なくとも一つの連続の保護層が浸透法によりあるいは化
学気相成長法により与えられる。このためには、フラン
ス国特許第2594119号明細書に記載されたような
装置を使用してもよい。
【0041】この装置(図7)は、閉鎖容器12の内部
に位置し、ターンテーブル16の上に処理すべき複合材
料の加工物が配置される反応室14の範囲を定める黒鉛
のサセプタ10を含んでなる。このサセプタはその周り
に配置された誘導子18により加熱される。
に位置し、ターンテーブル16の上に処理すべき複合材
料の加工物が配置される反応室14の範囲を定める黒鉛
のサセプタ10を含んでなる。このサセプタはその周り
に配置された誘導子18により加熱される。
【0042】反応室14には、閉鎖容器12の壁を通り
抜けそして反応室の上部を閉じる蓋14aを経て反応室
14内で終える管20を経由して、所望の堆積物をもた
らすガスが供給される。
抜けそして反応室の上部を閉じる蓋14aを経て反応室
14内で終える管20を経由して、所望の堆積物をもた
らすガスが供給される。
【0043】残留ガスは、反応窒の底部14bに口を開
けて閉鎖容器の外で吸気装置26へ通じる管24につな
がれる1又は2以上のダクト22によって反応室から除
去される。
けて閉鎖容器の外で吸気装置26へ通じる管24につな
がれる1又は2以上のダクト22によって反応室から除
去される。
【0044】サセプタ10の周囲且つ閉鎖容器12の内
側の容積は、窒素N2 といったような不活性ガスで一掃
され、反応室の周りに緩衝部を形成する。
側の容積は、窒素N2 といったような不活性ガスで一掃
され、反応室の周りに緩衝部を形成する。
【0045】ガス源32,34,36及び38が、反応
室へ入れられるガスのための成分を供給する。各ガス源
は、それぞれの自動制御コック42,44,46及び4
8と、それぞれの質量流量計52,54,56及び58
を含むダクトを経由して管20に接続され、これらの流
量計はガス中の成分の相対比率を調整することを可能に
する。
室へ入れられるガスのための成分を供給する。各ガス源
は、それぞれの自動制御コック42,44,46及び4
8と、それぞれの質量流量計52,54,56及び58
を含むダクトを経由して管20に接続され、これらの流
量計はガス中の成分の相対比率を調整することを可能に
する。
【0046】Si−B−C三元系を堆積させるため、ガ
スは水素H2 のような還元元素と一緒に、Si,B及び
C元素のための前駆物質の混合物から構成される。
スは水素H2 のような還元元素と一緒に、Si,B及び
C元素のための前駆物質の混合物から構成される。
【0047】炭素元素及びケイ素元素は、それぞれ炭化
水素族及びシラン又はクロロシラン族に属する前駆物質
から生じさせてもよい。それらはまた、メチルトリクロ
ロシラン(MTS)のような有機シラン前駆物質を分解
させて一緒に生成させてもよい。
水素族及びシラン又はクロロシラン族に属する前駆物質
から生じさせてもよい。それらはまた、メチルトリクロ
ロシラン(MTS)のような有機シラン前駆物質を分解
させて一緒に生成させてもよい。
【0048】ホウ素(B)元素は、ボラン又はハロゲン
化物、例えば三塩化ホウ素(BCl3 )のようなもの、
から生成される。
化物、例えば三塩化ホウ素(BCl3 )のようなもの、
から生成される。
【0049】結果として、ガス源32,34及び36は
それぞれH2 源、MTS源及びBCl3 源である。
それぞれH2 源、MTS源及びBCl3 源である。
【0050】ガス源38は、炭化水素例えばメタンのガ
ス源であって、元素の炭化を供給するのを可能にして、
それにより使用する装置が、マトリックスが少なくとも
一部分は炭素により構成される場合に複合材料のマトリ
ックスを形成し、あるいは複合材料の強化用繊維とセラ
ミックスマトリックスの間に熱分解炭素中間相を形成す
ることを可能にする。そのような状況下で、セラミック
スマトリックスが炭化ケイ素で構成される場合、それは
メタンにより構成されるガスをMTSと水素の混合物で
構成されるガスと取替えることによって中間相の後に形
成してもよい。
ス源であって、元素の炭化を供給するのを可能にして、
それにより使用する装置が、マトリックスが少なくとも
一部分は炭素により構成される場合に複合材料のマトリ
ックスを形成し、あるいは複合材料の強化用繊維とセラ
ミックスマトリックスの間に熱分解炭素中間相を形成す
ることを可能にする。そのような状況下で、セラミック
スマトリックスが炭化ケイ素で構成される場合、それは
メタンにより構成されるガスをMTSと水素の混合物で
構成されるガスと取替えることによって中間相の後に形
成してもよい。
【0051】Si−B−C三元系の組成は、詳しく言え
ば、ガス中の前駆物質MTSとBCl3 の相対比率の関
数である。図8は、H2 の質量流量とMTSの質量流量
とが所定の比率であるものについて、反応室内の温度が
927℃である場合、Si−B−C三元系の組成がMT
Sの質量流量とBCl3 の質量流量との比率の関数とし
てどのように変化するかを示す(各元素の原子百分率
で)。図9は、反応室内の温度が1027℃であること
を除いて、同様の変化を示す。
ば、ガス中の前駆物質MTSとBCl3 の相対比率の関
数である。図8は、H2 の質量流量とMTSの質量流量
とが所定の比率であるものについて、反応室内の温度が
927℃である場合、Si−B−C三元系の組成がMT
Sの質量流量とBCl3 の質量流量との比率の関数とし
てどのように変化するかを示す(各元素の原子百分率
で)。図9は、反応室内の温度が1027℃であること
を除いて、同様の変化を示す。
【0052】このように、ガス中のMTSとBCl3 の
相対比率を選ぶことによって、Si−B−C三元系の組
成を比較的正確に制御することが可能である。従って、
複合材料の使用温度に応じて、Si−B−C三元系の組
成をその温度において所望の性質を有するホウケイ酸塩
型のガラスを得るのに適合させることが可能である。
相対比率を選ぶことによって、Si−B−C三元系の組
成を比較的正確に制御することが可能である。従って、
複合材料の使用温度に応じて、Si−B−C三元系の組
成をその温度において所望の性質を有するホウケイ酸塩
型のガラスを得るのに適合させることが可能である。
【0053】その上、SiCにより構成されるマトリッ
クスからSi−B−Cにより構成されるマトリックスへ
の、あるいはその逆の切換えが、極めて容易である。こ
れは、そうでなければMTSとH2 から構成されるガス
にBCl3 前駆物質を単に入れるだけ又は入れないだけ
のことによって行うことができる。
クスからSi−B−Cにより構成されるマトリックスへ
の、あるいはその逆の切換えが、極めて容易である。こ
れは、そうでなければMTSとH2 から構成されるガス
にBCl3 前駆物質を単に入れるだけ又は入れないだけ
のことによって行うことができる。
【0054】ガスの組成のこの変化は、滑らかに行っ
て、そうしてSiCとSi−B−Cとの間の連続の移り
変わりを可能にすることができ、あるいはそれを急激に
行ってもよい。図10は、連続のSi−B−C相を統合
したC/SiC複合材料を示す。マトリックスは、炭素
繊維とSi−B−C相との間の第一の中間相、そしてS
i−B−Cの上に形成されたSiCの外側相を含む。第
一の中間相からSi−B−C相への移り変わりは滑らか
で、これら二つの相の間に組成勾配を生じさせている。
対照的に、SiCの外側相とSi−B−C相との界面は
急なものである。
て、そうしてSiCとSi−B−Cとの間の連続の移り
変わりを可能にすることができ、あるいはそれを急激に
行ってもよい。図10は、連続のSi−B−C相を統合
したC/SiC複合材料を示す。マトリックスは、炭素
繊維とSi−B−C相との間の第一の中間相、そしてS
i−B−Cの上に形成されたSiCの外側相を含む。第
一の中間相からSi−B−C相への移り変わりは滑らか
で、これら二つの相の間に組成勾配を生じさせている。
対照的に、SiCの外側相とSi−B−C相との界面は
急なものである。
【0055】MTS,BCl3 及びH2 の混合物を含有
しているガスから複合材料中へのSi−B−Cの化学気
相浸透は、800〜1150℃の範囲の温度及び0.1
×103 〜50×103 N/m 2 の範囲の圧力で行われ
る。当然ながら、外側のSi−B−Cの堆積は同様の条
件下で行うことができる。
しているガスから複合材料中へのSi−B−Cの化学気
相浸透は、800〜1150℃の範囲の温度及び0.1
×103 〜50×103 N/m 2 の範囲の圧力で行われ
る。当然ながら、外側のSi−B−Cの堆積は同様の条
件下で行うことができる。
【0056】図11は、繊維強化材の繊維とマトリック
スとの間に熱分解炭素(PyC)中間相を有するSiC
/SiC型複合材料を示す。このマトリックスは、化学
気相浸透により、PyC中間相上に生成される統合され
たSi−B−C相を含み、マトリックスの残りはSi−
B−C相の続きとして化学気相浸透によって堆積された
SiCにより構成されていて、これら二つの間の移り変
わりは堆積させるホウ素の比率を漸進的に減少させるこ
とによって滑らかにされている。
スとの間に熱分解炭素(PyC)中間相を有するSiC
/SiC型複合材料を示す。このマトリックスは、化学
気相浸透により、PyC中間相上に生成される統合され
たSi−B−C相を含み、マトリックスの残りはSi−
B−C相の続きとして化学気相浸透によって堆積された
SiCにより構成されていて、これら二つの間の移り変
わりは堆積させるホウ素の比率を漸進的に減少させるこ
とによって滑らかにされている。
【0057】図12は、Castaingマイクロプロ
ーブを使って図11の材料をX軸に沿って分析した結果
を示す。この分析によって、酸素(O)、炭素(C)、
ケイ素(Si)及びホウ素(B)の量を評価した。
ーブを使って図11の材料をX軸に沿って分析した結果
を示す。この分析によって、酸素(O)、炭素(C)、
ケイ素(Si)及びホウ素(B)の量を評価した。
【0058】酸素の量に相当する曲線は、繊維の部分で
高い平坦域を形成するが、これは使用した繊維(日本カ
ーボン社より「ニカロン(Nicalon)」の商品名
で市販される繊維)が有意の量の酸素を含有していると
いう事実によって説明することができる。対照的に、酸
素は複合材料の残りの部分にはない。
高い平坦域を形成するが、これは使用した繊維(日本カ
ーボン社より「ニカロン(Nicalon)」の商品名
で市販される繊維)が有意の量の酸素を含有していると
いう事実によって説明することができる。対照的に、酸
素は複合材料の残りの部分にはない。
【0059】炭素含有量は、炭素含有量に相当する曲線
で示されるように、繊維の部分で平坦域を形成し、次い
でPyC中間相で当然ながら上昇する。この曲線は、P
yC中間相の部分では平坦域を形成しない。と言うの
は、プローブは直径がPyC層の厚さよりも大きいスポ
ットを使用する(スポットの直径は約1μm、層の厚さ
は約0.5μm)ので、プローブの分解能が十分でない
からである。次いで、Si−B−Cの層及びSiCの層
では、炭素含有量は実質的に一定の値まで下がる。
で示されるように、繊維の部分で平坦域を形成し、次い
でPyC中間相で当然ながら上昇する。この曲線は、P
yC中間相の部分では平坦域を形成しない。と言うの
は、プローブは直径がPyC層の厚さよりも大きいスポ
ットを使用する(スポットの直径は約1μm、層の厚さ
は約0.5μm)ので、プローブの分解能が十分でない
からである。次いで、Si−B−Cの層及びSiCの層
では、炭素含有量は実質的に一定の値まで下がる。
【0060】ケイ素含有量を示す曲線は、PyC中間相
で低下する前に繊維の部分で平坦域を形成し、次いでS
i−B−Cの部分で再び上昇する。その後、曲線はマト
リックスの残りのSiC相で高い平坦域を形成する。
で低下する前に繊維の部分で平坦域を形成し、次いでS
i−B−Cの部分で再び上昇する。その後、曲線はマト
リックスの残りのSiC相で高い平坦域を形成する。
【0061】ホウ素含有量を示す曲線は、繊維の部分と
PyC中間相で平坦域を形成し、Si−B−C層の始ま
るところで急激に上昇する。その後は、ホウ素含有量は
低下して、Si−B−C層と外側からSiCへの移り変
わりが滑らかなことを示す。
PyC中間相で平坦域を形成し、Si−B−C層の始ま
るところで急激に上昇する。その後は、ホウ素含有量は
低下して、Si−B−C層と外側からSiCへの移り変
わりが滑らかなことを示す。
【0062】このように、図12は、ガスの組成を単純
に変えるだけで、化学気相浸透法を中断することなしに
Si−B−C層からSiC層へ移ることが可能であると
いうことを示す。SiC層からSi−B−C層へと反対
の方向に進むことが等しく可能である。
に変えるだけで、化学気相浸透法を中断することなしに
Si−B−C層からSiC層へ移ることが可能であると
いうことを示す。SiC層からSi−B−C層へと反対
の方向に進むことが等しく可能である。
【0063】図11の複合材料は、本質的にはSi−B
−C層とSiC層との間のそのように滑らかな移り変わ
りが可能であることを確かめるために作製して分析した
ものである。先に述べたように、Si−B−C層がPy
C中間相と接触しているのでこの材料で起こっていると
は言え、Si−B−C層を炭素と直接接触させて堆積さ
せるのは避けることが好ましい。
−C層とSiC層との間のそのように滑らかな移り変わ
りが可能であることを確かめるために作製して分析した
ものである。先に述べたように、Si−B−C層がPy
C中間相と接触しているのでこの材料で起こっていると
は言え、Si−B−C層を炭素と直接接触させて堆積さ
せるのは避けることが好ましい。
【0064】化学気相浸透法は、Si−B−C相の組成
の正確な制御とSi−B−C相からSiC相への容易な
遷移を可能にするだけでなく、Si−B−C相の厚さの
制御とそれをマトリックス中に固定することも可能にす
る。詳しく述べると、一続きのマトリックス、すなわち
例えばSiC相のような別の相により互いに切離されて
いるいくつかのSi−B−C相を含んでなるマトリック
スを有する複合材料を製造することが可能である。
の正確な制御とSi−B−C相からSiC相への容易な
遷移を可能にするだけでなく、Si−B−C相の厚さの
制御とそれをマトリックス中に固定することも可能にす
る。詳しく述べると、一続きのマトリックス、すなわち
例えばSiC相のような別の相により互いに切離されて
いるいくつかのSi−B−C相を含んでなるマトリック
スを有する複合材料を製造することが可能である。
【0065】図13は、三つのSi−B−C相がより明
るい部分に見られる、上記の如き一続きのマトリックス
の複合材料を示す。この複合材料においては、SiC繊
維が、SiC層によりSi−B−C相から切離されたP
yC相(暗い方の部分に見られる)で被覆されている。
三つのSi−B−C相はSiC相により切離され、また
外側のSiC相は最後のSi−B−C相の上に形成され
る。
るい部分に見られる、上記の如き一続きのマトリックス
の複合材料を示す。この複合材料においては、SiC繊
維が、SiC層によりSi−B−C相から切離されたP
yC相(暗い方の部分に見られる)で被覆されている。
三つのSi−B−C相はSiC相により切離され、また
外側のSiC相は最後のSi−B−C相の上に形成され
る。
【0066】図14〜16は、複合材料に統合されたS
i−B−C層を有し、繊維FとマトリックスMとの間に
中間相Iが形成されていることの効果を、非常に模式的
に示す。
i−B−C層を有し、繊維FとマトリックスMとの間に
中間相Iが形成されていることの効果を、非常に模式的
に示す。
【0067】酸化が起こる場合には、Si−B−C層に
かかる割れの壁に(SiO2 ,B2 O3 )複合体が形成
される(図14)。こうして、割れを閉ざすホウケイ酸
ガラスVが形成され(図15)、そしてそれは最後には
繊維を覆う(図16)。
かかる割れの壁に(SiO2 ,B2 O3 )複合体が形成
される(図14)。こうして、割れを閉ざすホウケイ酸
ガラスVが形成され(図15)、そしてそれは最後には
繊維を覆う(図16)。
【0068】図17は、二つのSiC相の間にSi−B
−C相があり、割れがこれらのSiC相及びSi−C−
B相を通過していて、その層がホウケイ酸ガラスにより
封止されている複合材料のマトリックスを示す。
−C相があり、割れがこれらのSiC相及びSi−C−
B相を通過していて、その層がホウケイ酸ガラスにより
封止されている複合材料のマトリックスを示す。
【0069】図18は、図13に示されたような、Si
C繊維製の強化材と、二の別個のSi−B−C相のある
一続きのSiC及びSi−B−Cマトリックスとを含ん
でなる複合材料の断片を示す。SiC繊維とPyC中間
相を暴露するように、複合材料に孔をあけた。この孔の
壁を、850℃で16時間空気中に暴露してから検査し
た。図19からはっきりと分るように、孔をあけた際に
破壊された繊維の先端は、ガラスの連続且つ均一な保護
層で被覆されていた。
C繊維製の強化材と、二の別個のSi−B−C相のある
一続きのSiC及びSi−B−Cマトリックスとを含ん
でなる複合材料の断片を示す。SiC繊維とPyC中間
相を暴露するように、複合材料に孔をあけた。この孔の
壁を、850℃で16時間空気中に暴露してから検査し
た。図19からはっきりと分るように、孔をあけた際に
破壊された繊維の先端は、ガラスの連続且つ均一な保護
層で被覆されていた。
【0070】Si−B−Cにより耐火性複合材料に耐食
保護を施すことの効果を、以下の例でもって説明する。
保護を施すことの効果を、以下の例でもって説明する。
【0071】これらの例の大部分において、マトリック
スの上にSi−B−C相を外層として施し、任意的に続
けてSiCの表面コーティングを施した。これは、既に
述べたように、Si−B−Cはマトリックス内に統合さ
れた場合に、とりわけそれが表面で損傷を受けるのを避
けるために、なお一層有利であることから、単に保護の
効果を説明するためである。当然なから、マトリックス
内のそのような統合は、SiCマトリックス又はC−S
iCマトリックス(内側のマトリックスが炭素そして外
側のマトリックスが炭化ケイ素)を有する複合材料に当
てはまるように、マトリックスが少なくともその外側部
分以外に炭素を含有しない場合にのみ意味がある。炭素
マトリックスを有する複合材料は、例えばC/C複合材
料では、Si−B−C層は当然ながら炭素層の後に、そ
して任意的にはSiCの表面コーティングより前に、施
される。
スの上にSi−B−C相を外層として施し、任意的に続
けてSiCの表面コーティングを施した。これは、既に
述べたように、Si−B−Cはマトリックス内に統合さ
れた場合に、とりわけそれが表面で損傷を受けるのを避
けるために、なお一層有利であることから、単に保護の
効果を説明するためである。当然なから、マトリックス
内のそのような統合は、SiCマトリックス又はC−S
iCマトリックス(内側のマトリックスが炭素そして外
側のマトリックスが炭化ケイ素)を有する複合材料に当
てはまるように、マトリックスが少なくともその外側部
分以外に炭素を含有しない場合にのみ意味がある。炭素
マトリックスを有する複合材料は、例えばC/C複合材
料では、Si−B−C層は当然ながら炭素層の後に、そ
して任意的にはSiCの表面コーティングより前に、施
される。
【0072】例1 2D複合材料の長方形の試料を使用する。これらの試料
の寸法は、20mm×10mm×2mmである。これらの試料
は、炭素の2D繊維組織を作り(幾プライかのカーボン
クロスを積重ねる)、次いでSiCの化学気相浸透によ
る緻密化によって得られる。
の寸法は、20mm×10mm×2mmである。これらの試料
は、炭素の2D繊維組織を作り(幾プライかのカーボン
クロスを積重ねる)、次いでSiCの化学気相浸透によ
る緻密化によって得られる。
【0073】これらの試料に、Si−B−C三元化合物
の化学気相成長により耐食性コーティングを施す。これ
は、約1050℃の温度及び約4×104N/m2 の圧
力でMTS,BCl3 及びH2 の混合物を含んでなるガ
スを使って得られる。成長は、所望の厚さに達するまで
続ける。
の化学気相成長により耐食性コーティングを施す。これ
は、約1050℃の温度及び約4×104N/m2 の圧
力でMTS,BCl3 及びH2 の混合物を含んでなるガ
スを使って得られる。成長は、所望の厚さに達するまで
続ける。
【0074】Si−B−C三元系をもたらす異なるガス
組成物を使って、次に掲げる厚さ及び組成(原子百分率
で表される)を有する三組の保護された試験片A,B及
びCを作製する。 試験片A:厚さ35μm,Si(44%)−B(1%)
−C(55%) 試験片B:厚さ35μm,Si(48%)−B(3%)
−C(49%) 試験片C:厚さ40μm,Si(45%)−B(6%)
−C(49%)
組成物を使って、次に掲げる厚さ及び組成(原子百分率
で表される)を有する三組の保護された試験片A,B及
びCを作製する。 試験片A:厚さ35μm,Si(44%)−B(1%)
−C(55%) 試験片B:厚さ35μm,Si(48%)−B(3%)
−C(49%) 試験片C:厚さ40μm,Si(45%)−B(6%)
−C(49%)
【0075】腐食に対する保護の効果を、試験片A,
B,Cを1300℃の温度で様々な時間空気へ暴露し、
そして試験片の相対質量変化dm/mを測定して確かめ
る。質量の喪失は炭素が酸化により失われたことを意味
する。
B,Cを1300℃の温度で様々な時間空気へ暴露し、
そして試験片の相対質量変化dm/mを測定して確かめ
る。質量の喪失は炭素が酸化により失われたことを意味
する。
【0076】図20の曲線I,II,III は、それぞれ試
験片A,B,Cについて時間の関数として質量の喪失の
進展を示す。これらの曲線は、所定の温度において粘度
を低下させることによって生成されるホウケイ酸塩の封
止能力を増大させるのに十分なだけホウ素に富む三元系
を作ることが必要なことを示す。ホウ素含有量は原子百
分率で5%以上であるべきである、ということが明らか
であろう。
験片A,B,Cについて時間の関数として質量の喪失の
進展を示す。これらの曲線は、所定の温度において粘度
を低下させることによって生成されるホウケイ酸塩の封
止能力を増大させるのに十分なだけホウ素に富む三元系
を作ることが必要なことを示す。ホウ素含有量は原子百
分率で5%以上であるべきである、ということが明らか
であろう。
【0077】例2 保護されるべき複合材料の試料として、例1と同じもの
を使用する。
を使用する。
【0078】これらの試料に、SiCの内層及びとSi
−B−C三元系の層とを連続して構成する耐食コーティ
ングを化学気相成長により施す。
−B−C三元系の層とを連続して構成する耐食コーティ
ングを化学気相成長により施す。
【0079】内側のSiC層は、MTSとH2 の混合物
を含んでなるガスを使って得られ、反応室内の温度は約
1050℃、圧力は約4×104 N/m2 である。成長
は、所望の厚さに達するまで続ける。
を含んでなるガスを使って得られ、反応室内の温度は約
1050℃、圧力は約4×104 N/m2 である。成長
は、所望の厚さに達するまで続ける。
【0080】Si−B−C三元組成の層は、例1で規定
された通りに得られる。三元のSi−B−C化合物は、
ガスの組成をこれにBCl3 を加えて変え、MTSの流
量とBCl3 の流量との比率を三元系にとって所望の組
成の関数として選定することだけによって、SiCの内
層の堆積に続けて堆積させる。成長はこのようにして、
所望の厚さが得られるまで続ける。
された通りに得られる。三元のSi−B−C化合物は、
ガスの組成をこれにBCl3 を加えて変え、MTSの流
量とBCl3 の流量との比率を三元系にとって所望の組
成の関数として選定することだけによって、SiCの内
層の堆積に続けて堆積させる。成長はこのようにして、
所望の厚さが得られるまで続ける。
【0081】SiCの厚さ30μmの内層と、原子百分
率で表してSi(45%)−B(6%)−C(49%)
の組成を有する厚さ8μmのSi−B−C三元系の層と
を使って上述のようにして耐酸化保護処理を施した試験
片Dについて、1300℃の空気中での酸化試験を行
う。質量変化dm/mを図20に曲線IVで示す。
率で表してSi(45%)−B(6%)−C(49%)
の組成を有する厚さ8μmのSi−B−C三元系の層と
を使って上述のようにして耐酸化保護処理を施した試験
片Dについて、1300℃の空気中での酸化試験を行
う。質量変化dm/mを図20に曲線IVで示す。
【0082】例3 手順は例2と同じであるが、耐酸化保護コーティング層
を作る順番を逆にして、それにより、原子百分率組成が
Si(45%)−B(6%)−C(49%)である厚さ
8μmのSi−B−C三元系の層と、SiCの厚さ30
μmの外層とを有する試験片Eを得る。
を作る順番を逆にして、それにより、原子百分率組成が
Si(45%)−B(6%)−C(49%)である厚さ
8μmのSi−B−C三元系の層と、SiCの厚さ30
μmの外層とを有する試験片Eを得る。
【0083】図20の曲線Vは、1300℃での酸化試
験の間の時間の関数として試験片Eの質量変化dm/m
を示す。
験の間の時間の関数として試験片Eの質量変化dm/m
を示す。
【0084】図20の曲線IVとVは、少なくとも一つの
SiC層をSi−B−C層と連合させることが有利であ
ることを示す。内側のSiC層はSi−B−C層を下に
ある炭素から隔離して、それにより炭素が、複合材料を
もっと脆いものにするであろうホウ素−炭素化合物を生
じさせるであろうホウ素と反応するのを防止する。それ
はまた、炭素と酸化の間に生成される酸化ホウ素との間
で高温反応が起こることも防止する。SiCの外層は、
酸化に抗する追加のバリアを構成し、またホウ素含有量
を増加させるにつれて増加するホウケイ酸ガラスの揮発
性を抑制するのを可能にする。明らかに、これらの利点
は、SiC内層、Si−B−C中間層、及びSiC外層
の存在によって累加するであろう。
SiC層をSi−B−C層と連合させることが有利であ
ることを示す。内側のSiC層はSi−B−C層を下に
ある炭素から隔離して、それにより炭素が、複合材料を
もっと脆いものにするであろうホウ素−炭素化合物を生
じさせるであろうホウ素と反応するのを防止する。それ
はまた、炭素と酸化の間に生成される酸化ホウ素との間
で高温反応が起こることも防止する。SiCの外層は、
酸化に抗する追加のバリアを構成し、またホウ素含有量
を増加させるにつれて増加するホウケイ酸ガラスの揮発
性を抑制するのを可能にする。明らかに、これらの利点
は、SiC内層、Si−B−C中間層、及びSiC外層
の存在によって累加するであろう。
【0085】例4 直径25mm、厚さ5mmの3D複合材料の円筒形試料を使
用する。これらの試料は、積重ねそして針で縫って一緒
にした、円板の形をしたカーボンクロスのプライにより
構成される強化用組織を、炭素の化学気相浸透により緻
密化して得られる。
用する。これらの試料は、積重ねそして針で縫って一緒
にした、円板の形をしたカーボンクロスのプライにより
構成される強化用組織を、炭素の化学気相浸透により緻
密化して得られる。
【0086】これらの試料に、SiCの内層、Si−B
−Cの中間層、そしてSiCの外層の連続する化学気相
成長により耐食保護処理を施す。これらのSiC層は例
2で説明したようにして得られ、Si−B−C層は例1
で説明したようにして得られる。内側のSiC層、Si
−B−C層及び外側のSiC層の厚さはそれぞれ120
μm、50μm及び60μmであり、またSi−B−C
層の組成は、原子百分率でもってSi(30%)−B
(40%)−C(30%)である。
−Cの中間層、そしてSiCの外層の連続する化学気相
成長により耐食保護処理を施す。これらのSiC層は例
2で説明したようにして得られ、Si−B−C層は例1
で説明したようにして得られる。内側のSiC層、Si
−B−C層及び外側のSiC層の厚さはそれぞれ120
μm、50μm及び60μmであり、またSi−B−C
層の組成は、原子百分率でもってSi(30%)−B
(40%)−C(30%)である。
【0087】空気中にて1300℃で60時間、次に1
500℃で60時間酸化処理をした後に、測定された相
対質量損失はわずか0.4%に過ぎない。
500℃で60時間酸化処理をした後に、測定された相
対質量損失はわずか0.4%に過ぎない。
【0088】例5 3D型C/C複合材料の長方形の試料を使用する。これ
らの試料の寸法は20mm×10mm×3mmである。通常の
ように、炭素繊維の布の長方形のプライを積重ねて針で
縫って繊維強化材を作り、次いでこれを化学気相浸透に
より炭素で緻密化して、これらの試料を作る。
らの試料の寸法は20mm×10mm×3mmである。通常の
ように、炭素繊維の布の長方形のプライを積重ねて針で
縫って繊維強化材を作り、次いでこれを化学気相浸透に
より炭素で緻密化して、これらの試料を作る。
【0089】これらの試料に、例4におけるように、S
iCの内層、Si−B−Cの中間層及びSiCの外層の
化学気相成長によって耐食保護処理を施す。
iCの内層、Si−B−Cの中間層及びSiCの外層の
化学気相成長によって耐食保護処理を施す。
【0090】次に掲げる表1は、異なる厚さ(μm単
位)の保護層について及び空気中での異なる酸化処理に
ついて得られた結果(相対質量損失を測定)を示す。比
較として、単にSiCの層だけを備えた試料でも試験を
行う。単にSi−B−Cの層だけを備えた試料でも試験
を行う。
位)の保護層について及び空気中での異なる酸化処理に
ついて得られた結果(相対質量損失を測定)を示す。比
較として、単にSiCの層だけを備えた試料でも試験を
行う。単にSi−B−Cの層だけを備えた試料でも試験
を行う。
【0091】
【表1】
【0092】Si−B−Cの層を有することによりもた
らされる保護の効果はSiCの単一層で与えられるもの
よりかなり大きいということ、そしてこれは広い温度範
囲にわたって当てはまるということが分る。
らされる保護の効果はSiCの単一層で与えられるもの
よりかなり大きいということ、そしてこれは広い温度範
囲にわたって当てはまるということが分る。
【0093】例6 例1におけるのと同じ複合材料の試料を使用する。
【0094】下記の表2と表3は、任意的に内側及び外
側のSiC層と組み合わせた、Si−B−C層を含む種
々の耐食保護層について、及び空気中での異なる酸化処
理について得られた結果を示す。
側のSiC層と組み合わせた、Si−B−C層を含む種
々の耐食保護層について、及び空気中での異なる酸化処
理について得られた結果を示す。
【0095】表3は、比較として保護層なしの試料につ
いて行った試験の結果を示す。SiC及びSi−B−C
を堆積させる条件は上で説明したのと同じである。
いて行った試験の結果を示す。SiC及びSi−B−C
を堆積させる条件は上で説明したのと同じである。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】表2及び表3は、Si−B−Cの層を有す
ることによりもたらされる保護が優れていること、そし
てこの保護は1700℃までの広い温度範囲にわたって
効果的である(特に表3参照)ことを示す。
ることによりもたらされる保護が優れていること、そし
てこの保護は1700℃までの広い温度範囲にわたって
効果的である(特に表3参照)ことを示す。
【0099】例7 図10に示されたように、SiCマトリックス内に統合
されたSi−B−C保護層を使って、2D炭素強化材を
有する複合材料の試料を作製する。このために、繊維上
に厚さ1μmのSiCの第一の層を堆積させ、続いて厚
さ1.5μmのSi−B−Cの層の浸透を行ってから、
このSi−B−C層がマトリックスの約30%を構成す
るようにSiCの浸透により緻密化する。
されたSi−B−C保護層を使って、2D炭素強化材を
有する複合材料の試料を作製する。このために、繊維上
に厚さ1μmのSiCの第一の層を堆積させ、続いて厚
さ1.5μmのSi−B−Cの層の浸透を行ってから、
このSi−B−C層がマトリックスの約30%を構成す
るようにSiCの浸透により緻密化する。
【0100】原子百分率で表して、このSi−B−C層
の組成はSi(20%)−B(40%)−C(40%)
である。
の組成はSi(20%)−B(40%)−C(40%)
である。
【0101】空気中にて1300℃で40時間の酸化処
理後、相対質量損失を測定すると+0.2%に等しい
(すなわちSiCの酸化のため質量がわずかに増加)。
理後、相対質量損失を測定すると+0.2%に等しい
(すなわちSiCの酸化のため質量がわずかに増加)。
【0102】比較として、Si−B−C層を統合するの
を除いて同じ条件下で2D型のC/SiC複合材料の試
料を作製し、次いで空気中で同じように1300℃で、
しかし24時間だけの酸化処理にかける。種々の試料に
ついて測定した質量の相対変化dm/mは−7%〜−1
5%の範囲内にある。
を除いて同じ条件下で2D型のC/SiC複合材料の試
料を作製し、次いで空気中で同じように1300℃で、
しかし24時間だけの酸化処理にかける。種々の試料に
ついて測定した質量の相対変化dm/mは−7%〜−1
5%の範囲内にある。
【0103】このように、Si−B−C層を統合するこ
とは酸化に対する耐性をかなり向上させる。
とは酸化に対する耐性をかなり向上させる。
【0104】例8 2D型SiC強化材を有し、図13に示したものと同じ
種類の一続きのマトリックスを有する複合材料の試料を
作る。この一続きのマトリックスは、PyC層とSiC
層で被覆されたSiC繊維上に第一のSi−B−C相、
中間のSiC相、第二のSi−B−C相そして第三のS
iC相から連続して形成される。このマトリックスはお
よそ半分ずつのSiCとSi−B−Cから成り、Si−
B−Cの原子百分率で表した組成はSi(10%)−B
(60%)−C(30%)である。
種類の一続きのマトリックスを有する複合材料の試料を
作る。この一続きのマトリックスは、PyC層とSiC
層で被覆されたSiC繊維上に第一のSi−B−C相、
中間のSiC相、第二のSi−B−C相そして第三のS
iC相から連続して形成される。このマトリックスはお
よそ半分ずつのSiCとSi−B−Cから成り、Si−
B−Cの原子百分率で表した組成はSi(10%)−B
(60%)−C(30%)である。
【0105】これらの試料を、50.8mmの外側スパン
及び25.4mmの内側スパンを有する四点曲げを採用し
て、室温(RT)または高温で試験した。表4は、空気
中850℃で、最長100時間、150MPa〜200
MPaの範囲の異なる応力を適用し、室温(RT)また
はクリープ下で(四点曲げ技術を用いて)行われた結果
を示す。MPaで表した値は試料にかけられた相当曲げ
歪の値を表す。この表の第一の欄は、(クリープ試験に
かけられていない)受けとったままの試料について測定
した曲げの破壊応力の値を示す。比較のため,2D型S
iC強化材及びSiCマトリックスを有し、Si−B−
C相のない別の複合材料から作製した試料について行っ
た試験の結果も示す。
及び25.4mmの内側スパンを有する四点曲げを採用し
て、室温(RT)または高温で試験した。表4は、空気
中850℃で、最長100時間、150MPa〜200
MPaの範囲の異なる応力を適用し、室温(RT)また
はクリープ下で(四点曲げ技術を用いて)行われた結果
を示す。MPaで表した値は試料にかけられた相当曲げ
歪の値を表す。この表の第一の欄は、(クリープ試験に
かけられていない)受けとったままの試料について測定
した曲げの破壊応力の値を示す。比較のため,2D型S
iC強化材及びSiCマトリックスを有し、Si−B−
C相のない別の複合材料から作製した試料について行っ
た試験の結果も示す。
【0106】
【表4】
【0107】複合材料に加えられた持続した曲げ歪は、
マトリックスにかなりの微小割れを生じさせる。従っ
て、表4は、湾曲部の初期破壊歪のおよそ半分に等しい
歪の値の場合に、本発明に従う方法により得られた材料
にあっては100時間後に破壊が観測されないのに、S
i−B−C相を含有しない材料にあっては14時間後に
破壊が起こるということから、微小割れにもかかわらず
Si−B−C相が存在することにより、保護効果の得ら
れることを示す。
マトリックスにかなりの微小割れを生じさせる。従っ
て、表4は、湾曲部の初期破壊歪のおよそ半分に等しい
歪の値の場合に、本発明に従う方法により得られた材料
にあっては100時間後に破壊が観測されないのに、S
i−B−C相を含有しない材料にあっては14時間後に
破壊が起こるということから、微小割れにもかかわらず
Si−B−C相が存在することにより、保護効果の得ら
れることを示す。
【図1】耐火性複合材料における割れと腐食の現象を説
明する図である。
明する図である。
【図2】ガラスによる腐食バリヤーの形成を説明する図
である。
である。
【図3】ガラスによる腐食バリヤーの形成を説明する図
である。
である。
【図4】複合材料に生じた割れの壁にできる酸化物を示
す図である。
す図である。
【図5】B4 C層とSiC層の界面に進入した酸化物B
2 O3 を示す図である。
2 O3 を示す図である。
【図6】B4 C層とSiC層の界面に進入したB2 O3
のためにこれらの層が分離されることを示す図である。
のためにこれらの層が分離されることを示す図である。
【図7】本発明に従って保護される耐火性複合材料を製
造するための装置を非常に模式的に示す図である。
造するための装置を非常に模式的に示す図である。
【図8】927℃で化学気相成長又は浸透により得られ
たSi−B−C三元系の相の組成と使用したガスの組成
との関係を示すグラフである。
たSi−B−C三元系の相の組成と使用したガスの組成
との関係を示すグラフである。
【図9】1027℃で化学気相成長又は浸透により得ら
れたSi−B−C三元系の相の組成と使用したガスの組
成との関係を示すグラフである。
れたSi−B−C三元系の相の組成と使用したガスの組
成との関係を示すグラフである。
【図10】本発明に従って保護された、統合されたSi
−B−C相を有する耐火性複合材料における強化用繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。
−B−C相を有する耐火性複合材料における強化用繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。
【図11】統合されたSi−B−C相を有するSiC/
SiC型耐火性複合材料における強化用繊維の形状を示
す顕微鏡写真である。
SiC型耐火性複合材料における強化用繊維の形状を示
す顕微鏡写真である。
【図12】マイクロプローブにより酸素、炭素、ケイ素
及びホウ素の濃度を測定して得られた図11の複合材料
の元素分析値を示すグラフである。
及びホウ素の濃度を測定して得られた図11の複合材料
の元素分析値を示すグラフである。
【図13】SiC繊維強化材と、SiC相により切離さ
れた三つのSi−B−C相を含んでなる一続きのマトリ
ックスとを有する耐火性複合材料における強化用繊維の
形状を示す顕微鏡写真である。
れた三つのSi−B−C相を含んでなる一続きのマトリ
ックスとを有する耐火性複合材料における強化用繊維の
形状を示す顕微鏡写真である。
【図14】耐火性複合材料に生じた割れのSi−B−C
層部分の壁に形成された酸化物(SiO2 ,B2 O3 )
複合体を説明する図である。
層部分の壁に形成された酸化物(SiO2 ,B2 O3 )
複合体を説明する図である。
【図15】形成されたホウケイ酸ガラスが割れを閉ざす
ところを説明する図である。
ところを説明する図である。
【図16】形成されたホウケイ酸ガラスが最後に繊維を
覆うところを説明する図である。
覆うところを説明する図である。
【図17】本発明に従って保護された複合材料において
ホウケイ酸塩型ガラスにより封止された割れを示す顕微
鏡写真である。
ホウケイ酸塩型ガラスにより封止された割れを示す顕微
鏡写真である。
【図18】図13に示したもののような、複合材料の、
孔をあけた断片における強化用繊維の形状を示す顕微鏡
写真である。
孔をあけた断片における強化用繊維の形状を示す顕微鏡
写真である。
【図19】図18の複合材料にあけた孔の壁部分の熱処
理後の強化用繊維の形状を更に拡大して示す顕微鏡写真
である。
理後の強化用繊維の形状を更に拡大して示す顕微鏡写真
である。
【図20】Si−B−Cの層で被覆された2D型C/S
iC複合材料製の試験片について1300℃で酸化処理
を行う間の質量損失の変化を示すグラフである。
iC複合材料製の試験片について1300℃で酸化処理
を行う間の質量損失の変化を示すグラフである。
14…反応室 16…ターンテーブル 20…ガス供給管 32,34,36,38…ガス源 42,44,46,48…自動制御コック 52,54,56,58…質量流量計 F…繊維 I…界面相 M…マトリックス V…ガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャック レイ フランス国,33700 メリニャク,リュ ドゥ ラ バレール 2 (72)発明者 ジャンールク シャルベ フランス国,33160 サン メダール エン ジァル,ハスティニャ,リュ ジ ャン バプティスト クレーメン 54 (72)発明者 アンリ タビル フランス国,33110 ル ブスカ,アブ ニュ リヨン ブルム 34
Claims (10)
- 【請求項1】 マトリックス内又はその表面に、Si−
B−C三元系(系中ケイ素、ホウ素及び炭素元素の分布
が実質的に均一である)からなり、ホウ素濃度が原子百
分率で5%以上である、少なくとも一つの連続相を、元
素のケイ素、ホウ素及び炭素のための前駆物質の混合物
を含んでなるガスを使用して化学気相成長又は化学気相
浸透により形成する工程を含む、耐食性であって、且つ
マトリックスにより緻密化された繊維強化材を含んでな
る耐火性複合材料の製造方法。 - 【請求項2】 前記ガスの組成を、当該複合材料の所期
の使用温度においてマトリックスの割れに関して修復機
能を果すのに適当な粘度特性を有するホウケイ酸塩型の
ガラスを酸化雰囲気下で生成するSi−B−C三元系が
得られるように選ぶ、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記マトリックス内に少なくとも一つの
Si−B−C相を形成する、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 一つのSi−B−C層が前記マトリック
スの外側の層を構成する、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 当該マトリックスが前記Si−B−C相
により本質的に形成される、請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 繊維強化材又は繊維強化材とマトリック
スとの間の界面相を構成する、化学的に結合されない炭
素を含有してなる耐火性複合材料を腐食から保護するた
め、当該化学的に結合されない炭素と前記Si−B−C
相の間にホウ素を含有しない耐火性相を形成する工程を
含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 ホウ素を含有しない前記耐火性相が耐火
性の炭化物である、請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 ホウ素を含有しない前記耐火性相が炭化
ケイ素である、請求項6記載の方法。 - 【請求項9】 当該複合材料の表面に耐火性酸化物又は
炭化物の表面コーティングが形成される、請求項1記載
の方法。 - 【請求項10】 マトリックスがSi−B−C三元系に
より構成された前記少なくとも一つの連続相のほかに少
なくとも一つの炭化ケイ素(SiC)相を含 む複合材料
が製造され、このSiC相を元素のケイ素と炭素のため
の前駆物質の混合物を含むガスを使って化学気相成長又
は化学気相浸透により形成し、そしてSiC相の形成か
らSi−B−C相の形成への移行、あるいはその逆の移
行を前記ガス中のホウ素を増減させてガス組成を変える
ことによって行う、請求項1記載の方法。
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