JP2503175B2 - 角錐形天窓 - Google Patents

角錐形天窓

Info

Publication number
JP2503175B2
JP2503175B2 JP702793A JP702793A JP2503175B2 JP 2503175 B2 JP2503175 B2 JP 2503175B2 JP 702793 A JP702793 A JP 702793A JP 702793 A JP702793 A JP 702793A JP 2503175 B2 JP2503175 B2 JP 2503175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
base frame
angle
cos
girders
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP702793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06212751A (ja
Inventor
巧 肉戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MARUHACHI KK
Original Assignee
MARUHACHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MARUHACHI KK filed Critical MARUHACHI KK
Priority to JP702793A priority Critical patent/JP2503175B2/ja
Publication of JPH06212751A publication Critical patent/JPH06212751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2503175B2 publication Critical patent/JP2503175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はビルディング、家屋な
ど建築物の屋根に設けられる角錐形の天窓に関する。
【0002】ビルなどの屋根に天窓を作ると自然の太陽
光を建物の内部に採り入れることができる。電気照明と
は違い、室内のムードをより柔らかく明るくすることが
できる。天窓であるから、透明板を主体として構成され
る。
【0003】単に平坦で水平の窓であると、面積が限ら
れてしまう。排水や物理的強度、製造の容易さなどを考
えると、平坦な水平の天窓というのは難しい。どうして
も半円球(ドーム)や角錐になる。しかし円球のもの
はガラスの形成が難しい。破損した時に修復するのも大
変である。角錐の天窓ということになると、透明体(ガ
ラス、プラスチック透明体)が三角形の異形のものには
なるが、平坦な板状の透明体を用いることができる。こ
こで角錐形というのは四角錐、六角錐、八角錐などであ
る。通常は正多角錐であるものを用いるのがよい。しか
し、本発明はもちろん正多角錐でないものにも利用する
ことができる。
【0004】
【従来の技術】実公平4−17696号は本出願人の創
始した角錐形の天窓を提供している。これは四角錐の場
合でいえば次のような構造を持つ。正方形をなす水平の
基礎枠がある。基礎の4隅から斜め上向き中心に向けて
4本の支持桁をとりつける。4本の支持桁は中心部で互
いに対向するが、そのままでは相互に連結できない。支
持桁の中心付近での対向端部は長手方向と直角に切断し
てあるからである。そこで四型の連結金具というもので
4本の支持桁の中心端部を相互に連結する。
【0005】連結金具は4角形に近い形状をしている
が、異形の金具である。これは中心の水平基板部と、こ
れの4辺から折立てられた4つの連結板部とを有する。
連結板部の傾斜は4本の支持桁の傾斜に対して直角をな
すように決められる。支持桁の端面が長手方向に直角で
あるからこれは当然のことである。
【0006】連結板部の4面に、4本の支持桁の端部を
コの字型の連結板とビスとを用いて固着する支持桁の斜
下方は基礎枠に固定する。こうして8本の金属棒材によ
る骨格ができる。枠の上へクッション材、コーキング材
を取付け、その上へ三角形のガラス板4枚を置く。ガラ
スの継目に当る稜線には傘形断面の押え板を当てがう。
押え板はボルトによって下方の支持桁に固定する。ガラ
スは押え板と支持桁の間で安定に支持される。上頂部は
押え板が届かないから、ここには小さい四角錐の母線形
状のトップカバーをビスでとりつける。トップカバーに
より上頂部の空隙をなくすことができる。もちろん押え
板や支持桁とガラス板の間にはパッキング(クッション
材、コーキング材)が介装してあるので、雨水の浸入、
すきま風の流入などを防ぐことができる。弾性材を用い
るのでガラスの損傷、振動などを有効に防ぐことができ
る。
【0007】支持桁はアルミサッシなどの型材であり、
押出し成形で作られるから、断面形状が同一の材料であ
る。これを一定の長さに鋸で切断するのである。この点
は基礎枠についても同じことである。基礎枠は隅部で4
5°をなす部分をつきあわせて90°とする。したがっ
て基礎枠の両端は長手方向と45°をなすように切り出
す。しかしこの場合でも切断面は長手方向の他の面に対
しては90°をなす。であるから、鋸(回転鋸)板に対
して45°をなす方向で型材を基盤に押しつけ、型材2
は鋸板を相対的に直進させて45°の面を切り出すこと
ができる。
【0008】回転鋸は型材を直角に切り出すことができ
るが、直角以外の角で切り出すことは難しい。鋸板の回
転は水平軸のまわりの回転である。基盤はこれまた水平
である。切断されるべき型材の断面の長方形の2辺を
A,Bとする。これは直行する2辺である。この辺を含
む面をA面、B面ともいうことにする。基盤面にA面を
当てて、型材を鋸板に対して角度Θをなすように切って
ゆけば、切断面CはA面に対しては直角でB面に対して
は角度Θをなす。
【0009】支持桁の下端部は長手方向に斜めになる面
で切り出す。しかし斜めといっても桁材の他の面に対し
ては直交する切断面であるから、鋸で切ることができ
る。
【0010】実公平−17696号では支持桁の上端
は長手方向に直交する面に切るので、これは極めて容易
に切断できる。このように、型材の切断が容易であると
いう利点があった。
【0011】支持桁の下端の切断角Θは、屋根の傾斜角
Φに依存する。屋根の傾きというのは頂点から基礎枠へ
引いた垂線が水平面となす角である。これは45°とか
30°とかいうふうに自在に決定できる。正方形屋根に
する場合は、支持枠下端の傾斜角Θ(切断角に等しい)
は、Θ=tan-1{(tanΦ/√2 }である。基礎枠
の切断角は45°である。いずれにしても切断面が、型
材の2組の面のいずれかに対して直交するので、その面
を基盤に置いて鋸板で切ることができるのである。
【0012】鋸板は上下方向に移動する場合もあり、こ
の場合は型材を下方に置いて、鋸板を下降させながら型
材を切断する。留め切りと呼ぶ。この場合でも、いずれ
かの面に直角な面であれば簡単に切り出すことができ
る。
【0013】
【発明の解決しようとする課題】支持桁4本を中心で纏
めるために四型の金具である連結金具を必要とした。連
結金具は中央に正方形の水平基板部を有し、4辺には折
立てた連結板部を持つ。
【0014】下方から天井を見上げると、4本の支持桁
が上方に延び一箇所で合体しているのであるが、合体し
たところで鋭い直線が途切れて正方形の基板部が見え
る。これはやはり見映えが良くない。4本の支持桁は最
後までスッキリと延びて一点に収束するようなものであ
ることが望ましい。連結金具が邪魔である。
【0015】これは意匠上の問題であるが、それ以外に
も問題がある。連結金具は異形の部材であるから製造コ
ストが嵩む。金属板を異形成形しなければならない。も
しも連結金具を除くことができれば、部品コストを下げ
ることができる。
【0016】もうひとつ力学的な問題を指摘することが
できる。隣接する2本の支持桁と基礎枠とによって二等
辺三角形ができる。これは力学的に強いはずである。し
かし実公平4−17696の場合、実際には上頂部に連
結金具が存在する。ためにこれは3角形を作らず4角形
になっている。4角形であるので変形に対する抵抗力が
弱い。連結金具を排除できれば骨格は3角形を形成し機
構学的に強固なものとなる。
【0017】これだけの問題があるのであるから、連結
金具を除去すれば良いように見える。しかしこれはそう
簡単ではない。連結金具を除く、4本の支持桁を直接に
つきあわせれば良い筈である。そうすると、支持桁の上
端部を90°で切断するという訳にゆかない。そうでは
なくて、支持桁の上端の右半分を135°の角で左半分
を反対向きに135°の角で切るということが必要にな
る。それでは135°になればいいと思うがそうではな
い。支持桁はそれ自身上方斜めを向いており、135°
というのは水平面へ投影した図面での話である。もしも
4本の支持桁を直接に突き合わすことができれば、連結
金具をなくすことができまことに好都合であるが、切断
の困難のためにこれが難しい。
【0018】既に延べたように、長方形の型材があり、
面A、面Bが直交する面とする時、いずれかに直交する
断面Cでこれを切ることができる。いずれにも直交しな
い断面Wがあったとすると、これを鋸でできることはで
きない。回転する鋸板は上下に動くので、水平に置かれ
た型材を非直交断面xに沿って切ることはできない。こ
れを切断の困難と呼ぶことにする。どうして困難かとい
うと、支持桁の上端部は平面図に投影したときに135
°の角度をなす面Wで切るべきである。ところが、支持
桁は水平面上にあるのではなく水平面に対して角Θだけ
起き上がっている。上端部を「へ」の字型に切るのであ
るがこの面Wは、支持桁のいずれの面A,Bに対しても
直角でない。
【0019】図8によってより厳密に述べる。xyz座
標系において、突き合わせ面をxz,yz面とする。支
持桁は4本あるがひとつだけを図示する。第1象限にあ
るもので代表する。支持桁はxy面(水平面)に対して
Θの角度をなす。また、これは投影においてx軸からφ
だけ傾いている。枠材の背中(上面)をA面とする。こ
れに立てた法線ベクトルaは a(sinΘcosφ,sinΘcosφ,cosΘ) である。枠材の側面をB面とする。これに立てた法線ベ
クトルbは、 b(sinφ,cosφ,0) である。上方から見て135°の角度をなすべき切断面
Wに立てた法線ベクトルWは W(0,−1,0) である。面BとWのなす角は135°である。ところが
面AとWのなす角はcos-1{sinΘsinφ}であ
るが、φ=45°としても、これはcos-1{sinΘ
/√2 }となって直角ではない。たとえばΦ=45°
(傾き角がΦ)とすると、Θは35°であるが、この場
合、面AWの交角は66°である。90°から24°も
食い違っているこれでは鋸板で切ることができない。
【0020】本発明はこのような支持桁の切断の困難を
解決することを目的とする。この切断の困難を解決でき
れば、角錐形天窓において、異形の連結金具を除くこと
ができる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の角錐形天窓は、
支持桁の底面を平坦にせず、これを2平面が交差する凹
面とし、正四角錐の場合は2平面のなす角度がcos-1
(cos2 Φ)となるようにしたものである。ただしΦ
は透明体(屋根板)の傾斜角である。
【0022】正四角錐の場合、本発明の角錐形天窓は正
方形に組合わされた基礎枠と、基礎枠の隅部に一端が固
着され基礎枠の隅部から正方形の中心に向かって斜め上
方に延びるように設けられ上面、底面、側面を有する4
本の支持桁と、隣接する支持桁と基礎枠とのなす三角形
の枠空間を覆うように取付けられる4枚の透明光とを含
み、透明板が基礎枠を含む面に対してなす傾斜角をΦと
して、4本の支持桁の中心側の先端部は隣接する支持桁
の2等分面に沿うように切断されており、支持桁の先端
部は切断部が互いにほぼ接触する状態で連結されてお
り、支持桁の底面は中央で窪むように左右の2平面が中
央で交差する凹面形状であって左右2平面のなす角度Ψ
がcos-1{cos2 Φ}であるようにしたことを特徴
とする。
【0023】
【作用】支持桁の切断の困難を、支持桁底面の2平面交
差凹面構造によって解決することができる。図8によっ
て説明したように、4本の支持桁を斜めにとりつけ、先
端を135°の角度で(上からみて)切断する構造は切
断の困難があって簡単には作れない。側面Bと切断面W
が135°であるのは仕方がない。これは4本の支持桁
を中央で接合するのであるからどうしてもこうなる。と
ころが、底面Dは少し事情が異なる。底面Dが上面Aと
同じように単なる平坦面であれば、D即ちAとWのなす
角度が、66°である(Φ=45°)ことは先に段落0
019で述べた。交角が66°であると面Wを切ること
ができない。しかし、底面Dを24°分だけ傾けること
ができれば、底面Dと切断面Wとを直角にすることがで
きよう。そうすれば上下動する(或いは水平動する)鋸
板によって切断面Wを切ることができる。
【0024】ところが切断面Wは左右両側に2面ある。
2面は互いに90°をなす面である。底面に傾斜をつけ
て一方の切断面W1 と90°をなすようにしても、もう
一方の切断面W2 と90°をなすようにすることができ
ない。W1 とW2 の両方に直交する面は基礎枠の作る水
平面だけである。このような面は支持桁の長手方向に平
行でないので作ることができない。底面を変形してでき
る面は当然長手方向に不変でなければならない。支持桁
は押出し成型するからである。
【0025】それで左右の切断面W1 ,W2 のそれぞれ
に直角な2面を底面に形成することができれば、これら
の面D1 ,D2 によってW1 ,W2 を切り出すことがで
きる。
【0026】底面Dが、2平面D1 2 に分割されてお
り全体として凹面状であるとする。そしてD1 とW1
は垂直、D2 とW2 とは垂直となるにはどうあればよい
のか?図9は支持桁の配置を示す略図である。底面の中
心線をEFとし、F点で基礎枠に接するものとする。E
点が中央での合一点である。切断面W1 は四角形である
が、これをELTSとする。
【0027】半底面D1 は、当然のことであるが、中心
線EFを含まなくてはならない。そして半底面D1 は切
断面W1 に直交しなければならない。ところで切断面W
1 というのは、この図ではxz面である。図8、図9
は、基礎枠に平行になるようx,y軸を取っており、4
つの支持桁は、x、yの正負の軸に対して45°の角度
をなす。そしてz軸上の一点で4つの支持桁が合体して
いる。隣接する支持桁の2等分面で、支持桁の先端を切
れば、ぴったりと先端部が対応する。2等分面というの
はxz面、yz面に他ならない。であるから、切断面W
1 はxz面で、W 2 はyz面なのである。
【0028】すると斜めの中心線EFを含みxz面に直
角な面は何か?ということになる。点Fよりx軸に下ろ
した垂線の脚をGとする。そのような面はEGF面に他
ならない。EGF面こそが、中心線EFを含みxz面に
直交する唯一の面である。
【0029】点Fよりy軸に下ろした垂線の脚をHとす
る。中心線EFを含みyz面に直角な面は何か?それは
EFH面である。
【0030】であるから、支持桁の底面Dは2分割して
1 ,D2 とした時、これらがEGF面、EFH面の一
部であるようにすれば、D1 とW1 とは垂直、D2 とW
2 とは垂直という面が得られるのである。支持桁は左右
対称であるので、この面D1,D2 を決定するには、こ
れらの面のなす角Ψを決定すればよい。
【0031】ところが透明体(ガラス板)の水平となす
角がΦであるので(Φは屋根の傾斜角)、φ=45°
(正方形基礎枠)のとき、面EGFのxy面に対する傾
きΦも、面EFHのxy面に対する傾きも同じでΦであ
る。
【0032】すると面EGFに立てた法線のベクトル
は、(sinΦ,0,cosΦ)となる。面EFHに立
てた法線のベクトルは(0,sinΦ,cosΦ)とな
る。一般に2面の交角は、法線ベクトルのなす角に等し
い。法線ベクトルのなす角は、単位法線ベクトルの内積
に等しい。従って、面EFHと面EGFのなす角Ψはc
osΨ=cos2 Φによって与えられる。つまり底面の
2分割面D1 ,D2 の交角Ψは、 Ψ=cos-1{cos2 Φ} (1) によって与えられる。こうすれば、D1 とW1 とは垂
直、D2 とW2 とは垂直となるから、鋸板によりW1
2 を切ることができる。
【0033】屋根の傾斜角が45°の場合、(Φ=45
°)Ψ′=120°となる。屋根の傾斜角が30°の場
合は、Ψ′=138.6°となる。その他任意の角度Φ
に対してΨを求めることができる。Φ=40°であれば
125°である。Φ=35°であれば132°である。
ただし2平面のなす角という場合、同じ方向にベクトル
を立ててその交角で定着するから、(1)式の場合、鋭
角(90°以下)が求められる。連続した凹面D1 ,D
2 と見てこの挟角をΨ′として、これを求めるには18
0°からΨを引いて、Ψ′=180°−Ψとして求めら
れる。
【0034】以上の説明は正四角錐の天窓の場合であ
り、基礎枠が正方形の場合である。本発明がこのような
場合に限られないのはもちろんである。
【0035】基礎枠が長方形の場合を述べる。図9にお
いてφが45°でない。この場合、屋根の傾斜角が2つ
になる。EGとGOとの角=Φ、EHとHOとの角=Φ
2 となりΦが2つの値をとる。基礎枠の長さの比はta
nΦ2 :tanΦ1 である。この場合、支持桁の底面D
1 ,D2 のなす角Ψは Ψ=cos-1{cosΦ1 cosΦ2 } (2) によって求められる。これも簡単なベクトルの計算によ
って容易に分かる。凹面のなす角Ψ′は180°からΨ
を引いて求める。たとえばΦ1 =30°、Φ2 =35°
であれば、基礎枠の比は1:0.82であり、Ψ′=1
35°である。
【0036】図9では上面が平坦であるとしている。し
かし、上面Aも中心で2分割A1 ,A2 してこれらがD
1 ,D2 とそれぞれ平行面になるようにしてもよい。こ
うすると、ガラスを置く時にガラス面とA1 ,A2 面と
が平行になる。コーキング材(ライナ、パッキン)が単
純な矩形断面をもつものでよいということになる。これ
を図10に示す。これはA1 とD1 とは平行、A2 とD
2 とは平行とするのでパッキン材のとりつけ、形状など
を容易にするだけである。もちろんA1 とW1とは垂
直、A2 とW2 とは垂直となるので、A1 ,A2 を鋸盤
の基盤に当てるということも考えらはれるが、凹面の方
が安定するので、実際にはありえない。
【0037】本発明は四角錐の天窓に限定されるもので
はない。三角錐、五角錐、六角錐、七角錐、八角錐など
任意の偶数のものに適用することができる。正n角錐の
場合を考える。図11は正n角錐の概略図である。基礎
枠はn本ある。回転中心軸から基礎枠を見込む角は2π
/nである。屋根の傾斜角をΦとする。m番目の屋根
(透明板)の中心軸まわりの角度をφmとする。m番目
の屋根に立てた単位法線ベクトルは(cosφm sin
Φ、sinΦm sinΦ、cosΦ)である。m番目と
(m+1)番目の法線ベクトルのなす角Ψはこれらの内
積によって与えられるので、 cosΨ=(cosφm cosφm 1 +sinφm sinφm 1 ) sin2 Φ+cos2 Φ (3) =cos(φm −φm 1 )sin2 Φ+cos2 Φ (4) =cos(2π/n)sin2 Φ+cos2 Φ (5) となるので、 Ψ=cos-1{cos(2π/n)sin2 Φ+cos2 Φ (6) によって求める。180°からΨを引いて凹面のなす角
がわかる。Φ=30°の六角錐(n=6)の場合は、
Ψ′=151°である。
【0038】
【実施例】図1は天窓の概略斜視図である。これは正四
角錐天窓の例である。正方形に組合わせた基礎枠1の隅
部に、4本の支持桁2の一端が斜めに取付けられてい
る。
【0039】支持桁2は中心方向斜上方に延び中央で一
体に結合される。結合部には連結金具のようなものを介
在させない。直接に先端部を突き合わせて固定する。支
持桁2と基礎枠1が作る三角形の部分に天窓ガラス3を
取付ける。4本の支持桁2を突き合わせた天頂部は4角
傘形のトップカバー4によって覆っている。
【0040】本発明の最も特徴的な部分は支持桁の形状
にある。図2は支持桁の断面図の例である。これはアル
ミニウム押出し成形などで作られるので、断面状が長手
方向に同一である。これは上面A1 ,A2 側面B、底面
1 ,D2 を有する型材である。側面Bは単に平行2側
面である。しかし底面が単なる平坦面ではなく、内側に
折曲る折線LMNの断面を持つ面となっている。2平面
の組合わせである。左右の分割平面をD1 ,D2 とす
る。D1 面は辺LMの部分を、D2 面は辺MNの部分を
意味する。この支持桁は屋根の傾斜角がΦ=45°の場
合のものである。本発明の思想に従って、底面D1 ,D
2 のなす角がΨ′=120°となっている。
【0041】D1 面、D2 面を鋸盤の基盤に当てて半分
の切断面W1 ,W2 を切り出すことができる。
【0042】上面Aは平坦であってもよいのであるが、
この例では、2分割し、A1 ,A2面となっている。A
1 ,A2 面の傾斜はD1 ,D2 面と等しくしている。A
1 とD1 とは平行、A2 とD2 とは平行である。このよ
うにすると、面A1 ,A2 がガラス面と平行になるので
ガラスライナが単純な矩形断面をもつもので良いことに
なる。もしも上面Aを平坦にすると、30°の傾斜を有
する断面形状のガラスライナが必要である。本発明にお
いては上面Aの傾斜角は任意である。この例では上面の
水平に対する傾斜をΨ/2とするのはガラス面と平行に
するためであって、ここが平行でなければならないとい
うことはない。ガラスライナの選択により任意の傾斜の
上面を採用することができる。
【0043】また上面は中央に長溝Qを持つ。これは後
に述べるように押え板を固定するためのものである。で
あるから上面は厳密にはA1 ,Q,A2 の3面に分割さ
れているのである。A1 ,A2 面の突条Rはライナを止
めるためのものである。
【0044】屋根の傾斜角Φの函数として、底面の傾斜
角Ψ/2が変化する。つまり底面の開き角Ψ′=180
°−Ψも変わる。図3は屋根の傾斜角が30°の場合の
支持桁の断面図である。この例では底面D1 ,D2 の傾
斜角Ψ/2は20.7°であり、2面D1 ,D2 の開き
角Ψは138.6°である。上面は平坦面であってもよ
いのであるが、この例もA1 ,Q,A2 に分割され、A
1 とD1 とは平行、A 2 とD2 とは平行となるようにな
っている。
【0045】ここに記したものはΦ=45°、30°の
2つの場合だけである。しかし、先述のように、底面の
傾斜を与える角Ψはcos-1{cos2 Φ}に与えられ
るので任意のΦに対して、支持桁の傾きを求めるのは容
易である。
【0046】しかしながら支持桁の断面形状は本発明の
特長の全てを表しているわけではない。むしろ本発明の
特長は、支持桁の先端を平面図で見て135°の角度で
切断しえたというところにある。平面図で見て、という
のは、支持桁は斜めであるがこれを基礎面を含む水平面
に投影して、という意味である。
【0047】図4は支持桁4本を中心部で結合する直前
の状態を示す分解斜視図である。支持桁4の先端は13
5°の切断面W1 ,W2 を有する。向かって左の切断面
をW 1 、右の切断をW2 とする。支持桁に番号kを付け
てそれらの切断面をW1k , 2kとすると、W2kとW1k
1 (k=1,2,3,4)との面が対向接近し、あるい
は接触するように配置される。つまり、従来例で説明し
たような四形の連結金具なしで直接にこれらの部材を連
結するのである。このように4本の支持桁を連結した場
合、切断面W1 ,W2 は常に隣接する支持桁の2等分面
に平行になる。逆に隣接する支持桁の2等分面に平行に
なるように支持桁を切断するといっても良い。
【0048】ここで2つの半直線(頂点を共有する)の
2等分面というのは、その面内の任意の点から半直線へ
下ろした垂線の長さが常に等しい面として定義される。
【0049】これらの支持桁の任意の隣接する2つは、
翼形金具5によって結合される。翼形金具5は単純なL
形の金具と少し違う。直角に折曲げた2片からなるが、
この片が折曲げ軸に対して直角ではなく屋根の傾角Φに
よって決まる支持桁の傾角Θだけ傾いている。4角錐の
場合tanΘ=tanΦ/√2 という関係があり、屋根
の傾斜Φが45°のときΘ=35°、Φが30°のとき
Θ=22°である。
【0050】この例はΦ=45°、Θ=35°の例であ
る。4つの等価な翼形金具5が図示されているが、その
開き角が随分と違うように見える。これは折曲げ片が軸
に対して下方に35°傾いているためである。遠い方の
翼形金具5は、折曲りの凸部の方から眺め、近い方の翼
形金具5は折曲りの凹部の方から眺めることになるので
このように開き角が違うように見えている。しかし同じ
物である。
【0051】翼形金具5には螺穴6が穿孔されている。
支持桁2の側面には対応する位置に通し穴7が穿孔され
る。翼形金具5を支持桁2の側内面に当て、ビス8を通
し穴7から差入れ、螺穴6に螺着するのである。
【0052】支持桁の結合状態の断面図を図5と図6に
示す。図5は支持桁の中心線を含む面で切断したもので
ある。これは2等分面の方向をxy、yz面とする座標
系ではx=y式はx=−yという面で切断したもので軸
方向はx(上バー付きx)y,xy(上バー付きy)と
して示している。この断面には支持桁の内部構造が現れ
る。翼形金具5とビス8によって支持桁2が固定された
状態がよく分かる。また支持桁2の底辺の断面に応じ
て、稜線L1 2 が右方の支持桁に、稜線N1 2 が左
方の支持桁に現れる。断面線は中心線に沿うものでM1
2 、M1 3 である。中央の支持桁において底面の中
心線M1 4 が見えるがこれは、稜線N13 ,L1
3 よりも奥にある線である。
【0053】接合部線M1 1 ,M1 1 が見えるの
は、底面が凹面になっているからである。
【0054】図6は隣接する2つの支持桁の結合部を示
す斜視図である。これは切断面W1,W2 を明らかに示
している。切断面W1 ,W2 は面一(つらいち)になっ
ている。これは少し前傾した状態を描いている。
【0055】図7はガラスを取付けた状態での支持桁に
直角に切った断面図である。透明体としてはガラス、プ
ラスチックなど光をいくらかでも通しうるものを使用す
る。完全に透明である必要はない。支持桁2の上面
1 ,A2 には長手方向に延びるガラスライニング9が
取付けられる。ガラスライニング9の断面形状は単純な
長手方向である。これは上面A1 ,A2 がガラス面と平
行になるように傾斜がついているからである。もちろん
上面を側面Bに直角な面として、くさび型断面のガラス
ライニング9を用いてもよい。板状のガラス3の端を、
ガラスライニング9に載せる。への字型断面の押え板1
1は下面端に長手方向に沿ってパッキン材10を取付け
てある。この押え板11によってガラス板3の上端縁を
押える。パッキン材10の外側にはシール材12を充填
し、ごみ、雨水の浸入を防ぐ。押え板11の上にはへの
字型断面のカバー板13を嵌込んで止める。押え板11
は長いボルト14を、溝Qのボルト穴15に螺込むこと
により、支持桁に対して固定する。押え板11は中央に
溝16を有する。カバー板13は中央下方に下向きの一
対の爪17を有する。爪17を溝16に嵌込むことによ
りカバー板13が抜け止めされる。
【0056】本発明で最も重要なことは、底面D1 ,D
2 をcos-1{cos2 Φ}の角をなす2面としたこと
により、上下動、水平動する鋸(回転鋸刃)によって切
断面W1 ,W2 を切ることができるということである。
図12は切断の状態を示す略図である。水平の基盤の端
に、支持桁材の一方めの傾斜底面D1 を当てがう。する
と、水平面と切り出すべき切断面W1 が直交する関係に
なる。鋸の刃は鉛直面に平行であり、水平面とは直角で
ある。そこで鋸の刃面と支持桁材が45°をなすように
方向を決める。たの状態で鋸刃を上下にあるいは水平に
動かして一方の切断面W1 を切ることができる。
【0057】次に切断されたものについて他方の切断面
2 を切る。この場合は底面D2 を基盤に当てがう。方
向の設定も先程の工程と90°異なる。
【0058】
【発明の効果】支持桁の底面を2分割し傾斜面としたの
で、この傾斜面を利用して、側面と135°の角をなし
屋根の傾斜角だけ傾いた面を切断することができるよう
になった。このような対称な切断面W1 ,W2 を切り出
すことができるので、4つの支持桁を直接に(連結金具
なしで)連結することができる。
【0059】連結金具がなくて、4本の支持桁が最後ま
で延びて一体に結合されるので、室内から天窓を見上げ
た時の美観が優れている。底面が平坦でなく2分割面で
あるがこれも単なる棒材よりもより意匠的に好ましい。
【0060】なによりも、異形の連結金具を不要とする
ので部品点数を減らすことができる。連結金具の部品コ
ストを削減することができるのでより安価に天窓を作る
ことができる。
【0061】本発明は正方形基礎枠上の天窓に限らず、
長方形基礎枠上の天窓の支持桁にも適用することができ
る。また四角錐に限らず、正n多角錐の場合にも適用す
ることができる。
【0062】また支持桁と基礎枠とが三角形を形づくる
ので力学的により堅牢な構造になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】角錐形天窓の全体概略図である。
【図2】屋根の傾斜角が45°である場合に本発明で用
いる支持桁の断面図である。
【図3】屋根の傾斜角が30°である場合に本発明で用
いる支持桁の断面図である。
【図4】4本の支持桁の結合部の分解斜視図である。
【図5】支持桁の結合部の支持桁中心線を含む面で切っ
た断面図である。
【図6】2本の支持桁の結合部を示す斜視図である。
【図7】ガラスを取付けた支持桁の断面図である。
【図8】支持桁の配置と切断面や各面との関係を示す座
標系斜視図である。
【図9】本発明の思想に従い支持桁の底面を2分割傾斜
面した時の各面とのなす角を説明するための座標系斜視
図である。
【図10】支持桁の底面だけでなく上面も分割面として
傾斜面とした時の座標系斜視図である。
【図11】正n角形の角錐体において隣接面のなす角を
求めるための斜視図である。
【図12】鋸板により切断面を切り出すことができるこ
とを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基礎枠 2 支持桁 3 ガラス 4 トップカバー 5 翼形金具 6 螺穴 7 通し穴 8 ビス 9 ガラスライニング 10 パッキン材 11 押え板 12 シール材 13 カバー板 14 ボルト 15 ボルト穴 16 溝 17 爪

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正方形に組合された基礎枠と、基礎枠の
    隅部に一端が固着され基礎枠の隅部から正方形の中心に
    向かって斜め上方に延びるように設けられ上面、底面、
    側面を有する4本の支持桁と、隣接する支持桁と基礎枠
    とのなす三角形の枠空間を覆うように取付けられる4枚
    の透明板とを含み、透明板が基礎枠を含む面に対してな
    す傾斜角をΦとして、4本の支持桁の中心側の先端部は
    隣接する支持桁の2等分面に沿うように切断されてお
    り、支持桁の先端部は切断部が互いにほぼ接触する状態
    で連結されており、支持桁の底面は中央で窪むように左
    右の2平面が中央で交差する凹面形状であって左右2平
    面のなす角度Ψがcos-1{cos2 Φ}であるように
    したことを特徴とする角錐形天窓。
  2. 【請求項2】 支持桁の上面は左右の2平面を含みこれ
    ら2平面のなす角度Xがcos-1{cos2 Φ}である
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の角錐形天
    窓。
  3. 【請求項3】 正n角形に組合わされた基礎枠と、基礎
    枠の隅部に一端が固着され基礎枠の隅部から正n角形の
    中心に向かって斜め上方に延びるように設けられ上面、
    底面、側面を有するn本の支持桁と、隣接する支持桁と
    基礎枠とのなす三角形の枠空間を覆うように取付けられ
    るn枚の透明板とを含み、透明板が基礎枠を含む面に対
    してなす傾斜角をΦとして、n本の支持桁の中心側の先
    端部は隣接する支持桁の2等分面に沿うように切断され
    ており、支持桁の先端部は切断面が互いにほぼ接触する
    状態で連結されており、支持桁の底面は中央で窪むよう
    に左右の2平面が中央で交差する凹面形状であって左右
    2平面のなす角Ψがcos-1{cos2 Φ+cos(2
    π/n)sin-2 Φ}であるようにしたことを特徴と
    する角錐形天窓。
  4. 【請求項4】 長方形に組合された基礎枠と、基礎枠の
    隅部に一端が固着され基礎枠の隅部から長方形の中心に
    向かって斜め上方に延びるように設けられ上面、底面、
    側面を有する4本の支持桁と、隣接する支持桁と基礎枠
    とのなす三角形の枠空間を覆うように取付けられる4枚
    の透明板とを含み、隣接する透明板が基礎枠を含む面に
    対してなす傾斜角をΦ1 ,Φ2 として、4本の支持桁の
    中心側の先端部は隣接する支持桁の2等分面に沿うよう
    に切断されており、支持桁の先端部は切断面が互いほぼ
    接触する状態で連結されており、支持桁の底面は中央で
    窪むように左右の2平面が中央で交差する凹面形状であ
    って左右2平面のなす角度Ψがcos-1{cosΦ1
    osΦ2 }であるようにしたことを特徴とする角錐形天
    窓。
JP702793A 1993-01-19 1993-01-19 角錐形天窓 Expired - Fee Related JP2503175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP702793A JP2503175B2 (ja) 1993-01-19 1993-01-19 角錐形天窓

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP702793A JP2503175B2 (ja) 1993-01-19 1993-01-19 角錐形天窓

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06212751A JPH06212751A (ja) 1994-08-02
JP2503175B2 true JP2503175B2 (ja) 1996-06-05

Family

ID=11654564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP702793A Expired - Fee Related JP2503175B2 (ja) 1993-01-19 1993-01-19 角錐形天窓

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2503175B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9045905B2 (en) 2013-03-15 2015-06-02 Bellwether Design Technologies, Llc Skylight and method of fabricating the same
CN116498009B (zh) * 2023-03-31 2023-12-01 中建三局集团华南有限公司 一种可适应不同斜面交角的异形钢梁构造制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06212751A (ja) 1994-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4766712A (en) Space framing system
CN112796455A (zh) 一种椭圆形多曲面grg吊顶的倒扣式单元设计结构
JP2503175B2 (ja) 角錐形天窓
JPH09228549A (ja) 多目的柱状体
JP3960380B2 (ja) 建物の外装及びそのパネル取付治具
JP3119300B2 (ja) 縦葺き外装材の取り付け構造
KR101816749B1 (ko) 돔 하우스 시공용 허브 커넥터
CA2935765C (en) Assembly outdoor balcony
CN214658167U (zh) 一种椭圆形多曲面grg吊顶的倒扣式单元设计结构
JPS6016161Y2 (ja) 柱の取付装置
JPH0319529Y2 (ja)
JPH04132125U (ja) 外装材の取付け構造
JPH0734081Y2 (ja) パネル目地部の水密構造
JP2573163Y2 (ja) プラスチックフェンスのコーナー接続具
JPH066573Y2 (ja) パラボラ等アンテナの固定具
JPH056340Y2 (ja)
JPH0339521Y2 (ja)
JP3204377B2 (ja) 縦葺き外装材の取り付け構造
JPS5825043Y2 (ja) バルコニ−用入隅固定金具
JPS6345490Y2 (ja)
JPH0425515Y2 (ja)
JPH0232727Y2 (ja)
JPH062373A (ja) 床部伸縮継手の施工法
JP2585431Y2 (ja) 天窓用型材の連結構造
JPH019841Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960206

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees