JP2503059Y2 - タンデムポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、同一回転軸心上に複数のポンプユニットを
縦列して形成したタンデムポンプに係り、サクションパ
イプ等を取付ける複数個の取付孔を備えたタンデムポン
プに関する。

《従来の技術》 従来、この種のタンデムポンプは例えば第４図に示す
ように構成される。すなわちタンデムポンプ１は、フロ
ントカバー２と、センターボディ３と、リヤカバー４と
から成るハウジング５内に回転軸８を備えた２基のポン
プユニット6,7を直列に配置して構成される。センター
ボディ３には、このセンターボディ３の第４図中上側に
設けられる上側面3aに穿設された取付孔12と、この取付
孔12に取付けられるサクションパイプ13を有し、各ポン
プユニット6,7の流量制御部15a,15bと、ポンプユニット
6,7の吸込側とを連通する吸入油路14a,14bとを備え、且
つ、これら吸入油路14a,14bとを連通し、前記取付孔12
とも連通する連通油路11を仕切壁９内に備えている。こ
の連通油路11と各々の吸入油路14a,14bとの支点には過
給部17が形成される。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上記従来のタンデムポンプでは、取付孔
12がセンターボディ３の上側面3aに位置しているため、
多種多様なエンジンレイアウトに応じて、ポンプの吐出
口方向および吸入口方向が異なる時に取付孔12が下側面
に位置しているセンターボディをその都度、新設しなけ
ればならないという問題点があった。

また、流量制御部15aと吸入油路14aとの流線効率の向
上に影響する過給効果が過給部17で得にくいため、流量
制御部15aと吸入油路14aとの流線効率が充分でない等の
問題点があった。

本考案は上記の問題点を解決するためになされたもの
であり、その第１の目的とするところは、エンジンレイ
アウトに応じてセンターボディを新設する必要がなく、
構成部品の種類を減らすことが可能になるタンデムポン
プを提供することにある。

また、本考案の第２の目的とするところは、流量制御
部と吸入油路との流線効率の向上が計れるタンデムポン
プを提供することにある。

《課題を解決するための手段》 本考案に係るタンデムポンプは、上記の第１の目的を
達成するために請求項（１）に記載したように、吸入油
路をそれぞれ備えた２基のポンプユニットを有するタン
デムポンプにおいて、各ポンプユニットを区画するセン
ターボディに各吸入油路間を連通する連通油路を設け、
連通油路両端に取付孔を穿設し、取付孔の少くとも一方
にセクションパイプを着脱可能に取付け、他方に盲栓を
着脱可能に取付けた構成にしてある。

また、本考案に係るタンデムポンプは、第２の目的を
達成するために請求項（２）に記載したように、前記セ
ンターボディの取付孔において、各吸入油路と連通油路
との交点に形成される過給部における取付孔の先端をテ
ーパ形状にした構成にしてある。

《作用》 上記構成に係るタンデムポンプでは、請求項（１）に
記載した構成であるために、サクションパイプを上側
面、下側面の区別なく取付けることができるので、エン
ジンレイアウトに応じてポンプの吐出口方向および吸入
口方向が異なる時にセンターボディを新設することな
く、サクションパイプの取付位置の変更だけで配管等の
配置に対応できる。

また、本考案に係るタンデムポンプでは、請求項
（２）に記載した構成であるために、過給部にテーパ形
状が形成されるので、流量制御部と吸入油路との流線効
率が向上する。

《実施例》 以下本考案の実施例を第１図乃至第３図に基づいて説
明する。第１図は本考案に係るタンデムポンプの一実施
例を示す断面図である。

第１図に示すようにタンデムポンプ10は、回転軸18を
共有する軸心線上に縦列した２基のポンプユニット19a,
19bをフロントカバー20、センターボディ30、リヤカバ
ー40により成るハウジング50内に収容し、略構成されて
いる。

前記センターボディ30の第１図中における上側面30a
および下側面30bには、それぞれサクションパイプ取付
孔33a,33bが穿設され、一例として上側面30aにはサクシ
ョンパイプ34が設けられ、下側面30bには盲栓35が設け
られる。

このセンターボディ30には、仕切壁31内に穿設された
連通油路32とサクションパイプ取付孔33a,33bと吸入油
路21a,21bおよび流量制御部15a,15bとが配設される。前
記仕切壁31はセンターボディ30の内部に配設される各ポ
ンプユニット19a,19bの中間に位置しており、この仕切
壁31内部には取付孔33a,33bと吸入油路21a,21bとを連通
する連通油路32が穿設される。前記連通油路32と各々の
吸入油路21a,21bとの交点には、各過給部36a,36bが形成
される。これら過給部36a,36bには取付孔33a,33bを穿設
する際に図示しないドリルの肩部で形成されるテーパ形
状37a,37bが設けられている。

各ポンプユニット19a,19bの各流量制御部15a,15bはセ
ンターボディ30の内部に配設され、流量制御部15a,15b
の吸入側は不図示のドレン油路を介して各ポンプユニッ
ト19a,19bの高圧室38a,38bに連通される一方、吐出側は
吸入油路21a,21bに連通される。

次に作用を説明する。第２図、第３図に示すように矢
印方向にエンジンがある場合では、第２図においてサク
ションパイプ34はセンターボディ30の上側面30aに取付
けられ、盲栓35はセンターボディ30の下側面30bに取付
けられる。そして、第３図においてサクションパイプ34
はセンターボディ30の下側面30bに取付られ、盲栓35は
センターボディ30の上側面30aに取付けられる。

また、第１図において、サクションパイプ34を上側面
30aに取付け、下側面30bに盲栓35を取付けた時に過給部
36aのテーパ形状37aにより流量制御部15aから吐出され
た高圧の余剰油がサクションパイプ取付孔33aから連通
油路32を経て導入された作動油と合流して、ポンプユニ
ット19aに過給される際に、過給効果が得られて流量制
御部15aから吸入油路21aへの流線効率は向上する。

また、第１図においてサクションパイプ34を下側面30
bに取付け、盲栓35を上側面30aに取付けた時に、過給部
36bのテーパ形状37bにより流量制御部15bから吐出され
た高圧の余剰油がサクションパイプ取付孔33bから連通
油路32を経て導入された作動油と合流して、ポンプユニ
ット19bに過給される際に過給効果が得られ流量制御部1
5bから吸入油路21bへの流線効率は向上する。

《考案の効果》 以上のように本考案によるタンデムポンプは、請求項
（１）に記載したように、吸入油路をそれぞれ備えた２
基のポンプユニットを有するタンデムポンプにおいて、
各ポンプユニットを区画するセンターボディに各吸入油
路間を連通する連通油路を設け、連通油路両端に取付孔
を穿設し、取付孔の少くとも一方にサクションパイプを
着脱可能に取付け、他方に盲栓を着脱可能に取付けたこ
とにより、エンジンレイアウトに応じてポンプの吐出口
方向および吸入口方向が異なる時にサクションパイプの
取付位置の変更だけで配管等の配置に対応でき、センタ
ーボディを新設する必要がなくなるので、構成部品の種
類を減らすことができる。

また、本考案によるタンデムポンプは、請求項（２）
に記載したように、前記センターボディの取付孔におい
て、各吸入油路と連通油路との交点に形成される過給部
における取付孔の先端をテーパ形状にしたので、過給効
果が得られ、流量制御部と吸入油路との流線効率が向上
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるタンデムポンプの全体
構造を示す断面図、第２図（ａ）および（ｂ）は同タン
デムポンプの上側面にサクションパイプを取付けた状態
を示す側面図および正面図、第３図（ａ）および（ｂ）
は同タンデムポンプの下側面にサクションパイプを取付
けた状態を示す側面図および正面図、第４図は従来のタ
ンデムポンプの全体構造を示す断面図である。 10……タンデムポンプ、19a,19b……ポンプユニット、2
1a,21b……吸入油路、30……センターボディ、32……連
通油路、33a,33b……取付孔、34……サクションパイ
プ、35……盲栓、36a,36b……過給部、37a,37b……テー
パ形状。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吸入油路をそれぞれ備えた２基のポンプユ
   ニットを有するタンデムポンプにおいて、各ポンプユニ
   ットを区画するセンターボディに各吸入油路間を連通す
   る連通油路を設け、連通油路両端に取付孔を穿設し、取
   付孔の少くとも一方にサクションパイプを着脱可能に取
   付け、他方に盲栓を着脱可能に取付けたことを特徴とす
   るタンデムポンプ。
2. 【請求項２】前記センターボディの取付孔において、各
   吸入油路と連通油路との交点に形成される過給部におけ
   る取付孔の先端をテーパ形状にしたことを特徴とする請
   求項（１）記載のタンデムポンプ。