JP2501892Y2 - 磁性流体シ―ル装置 - Google Patents

磁性流体シ―ル装置

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JP2501892Y2
JP2501892Y2 JP1990010572U JP1057290U JP2501892Y2 JP 2501892 Y2 JP2501892 Y2 JP 2501892Y2 JP 1990010572 U JP1990010572 U JP 1990010572U JP 1057290 U JP1057290 U JP 1057290U JP 2501892 Y2 JP2501892 Y2 JP 2501892Y2
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permanent magnet
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茂樹 松永
真幸 細谷
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案に係る磁性流体シール装置は、コンピュータ
等に組み込まれるハードディスク用駆動軸がケーシング
の壁面を貫通する部分の気密保持を図る場合等に利用す
る。
(従来の技術) コンピュータ等に組み込まれるハードディスクは、ケ
ーシング内に設けた磁気記憶素子である円板を、ケーシ
ング外に設けたモータにより回転駆動する。ところが、
ハードディスク自体、塵等による汚れを極端に嫌う為、
上記モータの駆動軸がケーシングの壁面を貫通する部分
に、塵を通過させない様にする為のシール装置を設ける
必要がある。
この様な部分に設置し、塵等の通過を阻止する為のシ
ール装置として従来から、特開昭62-110080号公報、実
開昭58-191423号公報、同61-13025号公報、同61-44067
号公報、同61-79070号公報、同62-195261号公報、同61-
204027号公報、同63-8419号公報、同63-139325号公報、
実公昭63-29944号公報、米国特許第4628384号明細書、
同4692826号明細書等に記載された磁性流体シール装置
が、一般的に使用されている。これら各先行技術文献に
記載された磁性流体シール装置の構造は、細部に於いて
は種々異なっているが、基本的には第9図に示す様な構
造を有する。
この第9図に示したハウジング1は、アルミニウム、
合成樹脂等の非磁性材により造られて、例えば前記ケー
シングの壁面等に固定される。このハウジング1の内側
には、鉄等の磁性材により造られた回転軸2が挿通され
ている。磁性流体シール装置本体3は、上記ハウジング
1の内周面4と回転軸2の外周面5との間の、円筒状の
空間6内に設置されている。
上記磁性流体シール装置本体3は、軸方向(第9図の
左右方向)に亙って着磁された円輪状の永久磁石7を、
磁性材により円輪状に造られた1対のポールピース8、
9によりサンドイッチ状に挟持すると共に、これら各ポ
ールピース8、9の内周縁と回転軸2の外周面5との間
の隙間11、11内に磁性流体10を、上記永久磁石7の磁力
によって保持する事により構成されている。上記永久磁
石7と1対のポールピース8、9との外径は、ハウジン
グ1の内径よりも僅かに小さくして、各部7、8、9、
10により構成される磁性流体シール装置本体3を、ハウ
ジング1の内周面に内嵌し更に接着する事により固定し
ている。
磁性流体シール装置本体3は、前述の様に構成され、
上述の様にハウジング1の内周面4と回転軸2の外周面
5との間に装着して、磁性流体シール装置を構成する。
この為、ハウジング1の内側での回転軸2の回転に拘ら
ず、この回転軸2の外周面5と各ポールピース8、9の
内周縁との間に保持された磁性流体10により、ハウジン
グ1の内周面4と回転軸2の外周面5との間のシール性
保持が図られる。
(考案が解決しようとする課題) ところが、上述の様に構成され作用する従来の磁性流
体シール装置の場合、組み立て手順に起因して、次に述
べる様な問題を生じる可能性がある。即ち、第9図に示
す様な構造の磁性流体シール装置を組み立てる場合、先
ず第10図に示す様に、磁性流体シール装置本体3をハウ
ジング1の内周面4に内嵌固定する。
次いで、注射器、或はスポイトの様な注入器具によ
り、第11図に示す様に、1対のポールピース8、9の側
面と永久磁石磁石7の内周面とで囲まれたポケット部分
12に磁性流体10を注入してから、第12図に示す様に、磁
性流体シール装置本体3の内側に、回転軸2を挿入す
る。
磁性材製の回転軸2の挿入に伴なって、1対のポール
ピース8、9の内周縁と回転軸2の外周面5との間に磁
界が形成される。この磁界により、上記ポケット部分12
に存在する磁性流体10が、第12〜13図に示す様に、回転
軸2の外周面5と各ポールピース8、9の内周縁との間
の隙間11、11に移り、この隙間11、11を塞ぐ。
上述の様にして磁性流体シール装置を組み立てる際、
第9図に示した様な構造を有する従来の磁性流体シール
装置の場合は、回転軸2の先端部が各ポールピース8、
9の内側に進入した瞬間に、上記ポケット部分12に存在
する磁性流体10が、隙間11、11に移ってしまう。
この様に磁性流体10の移動が瞬間的に行なわれると、
磁性流体10が隙間11、11に移った後に於いても、回転軸
2の挿入作業を継続して行なわなければならない。この
結果、余分な磁性流体10が、回転軸2の外周面5で、挿
入方向前方(第12〜13図の右方)に位置する部分に付着
することがある。
この様に回転軸2の外周面5で、隙間11、11から外れ
た部分に付着した磁性流体10は、回転軸2の回転に伴な
って周囲に飛散し易く、飛散した磁性流体がハードディ
スクの磁気記憶手段に付着した場合、この磁気記憶手段
が誤動作する原因となってしまう。
この様な不都合は、回転軸2を磁性流体シール装置本
体3の内側に挿入してから磁性流体10の注入作業を行な
ったり、回転軸2の挿入方向を工夫したり(磁気記憶手
段を設ける側から挿入したり)、或は回転軸2の外周面
5で磁性流体シール装置の組み立て完了時に隙間11、11
に対向する部分以外の部分に、磁性流体10の付着を防止
する表面処理を施したりする事により、或る程度防止出
来る。但し、磁性流体シール装置設置部分の構造上の問
題から、挿入後に磁性流体10の注入作業を行なえない場
合もあり、回転軸2の挿入方向は必ずしも選択出来ると
は限らない。又、表面処理による付着防止は、必ずしも
完全な効果が期待出来ない為、他の防止手段の実現が望
まれている。本考案の磁性流体シール装置は、上述の様
な事情に鑑みて考えたものである。
(課題を解決するための手段) 本考案の磁性流体シール装置は何れも、前述した従来
の磁性流体シール装置と同様に、円筒状の外周面を有す
る磁性材製の回転軸と、この外周面と同心の内周面を有
し使用時に回転しないハウジングと、上記外周面と内周
面との間の円筒状の空間内に挿入自在な大きさを有する
円輪状に形成され、上記回転軸及びハウジングの軸方向
に亙って着磁された永久磁石と、それぞれ円輪状に形成
されて上記永久磁石の両側面に固着されると共に、少な
くとも一方の外周縁又は上記永久磁石の外周縁を上記内
周面に嵌合する事により、上記ハウジングに対して固定
された1対のポールピースと、各ポールピースの内周縁
と上記回転軸の外周面との間に、上記永久磁石の磁力に
より保持された磁性流体とから構成される。
特に、本考案のうちで請求項1に記載した磁性流体シ
ール装置に於いては、上記各ポールピースと永久磁石と
の間に、ポールピースの内径よりも大きく永久磁石の内
径よりも小さな内径を有する間座を挟持している。
更に、請求項5に記載した磁性流体シール装置に於い
ては、上記ポールピースの内側に隙間空間を設け、この
隙間空間の一端を上記内周縁に、他端を中間部内側面で
上記永久磁石の内周面よりも直径方向内側部分に、それ
ぞれ開口させている。
(作用) 上述の様に構成される、本考案の磁性流体シール装置
により、ハウジングの内側での回転軸の回転を自在とし
つつ、このハウジングの内周面と回転軸の外周面との間
の隙間を塞ぐ作用は、従来から知られた磁性流体シール
装置の場合と同様である。
特に、本考案の磁性流体シール装置の場合、何れの構
造に於いても、ハウジングと回転軸とを組み合わせた
後、1対のポールピースの側面と永久磁石の内周面とで
囲まれたポケット部分に予め注入されていた磁性流体
が、各ポールピースの内周縁と回転軸の外周面との間の
隙間に移る迄の間に時間を要する。
このため、磁性流体が隙間に移った後に於いても、上
記ハウジングと回転軸との組み合わせ作業を継続して行
なう必要がなくなり、余分な磁性流体が、回転軸の外周
面で上記隙間から外れた部分に付着する事がなくなる。
即ち、請求項1に記載した磁性流体シール装置の場
合、ハウジングと回転軸との組み合わせ作業に伴なって
1対のポールピースの内周縁と回転軸の外周面との間に
形成された磁界に引かれ、上記ポケット部分に存在する
磁性流体が上記隙間に移る。請求項1に記載した磁性流
体シール装置の場合には、この様にポケットから隙間に
移る際に磁性流体は、間座の角部を乗り越えなければな
らない。
又、請求項5に記載した磁性流体シール装置の場合に
は、上記ポケット部分に予め注入されていた磁性流体
は、毛細管現象により、各ポールピースに形成された隙
間空間内に、この隙間空間の他端開口から吸引される。
隙間空間内に吸引された磁性流体は、回転軸とハウジン
グとの組み合わせ作業に伴なって1対のポールピースの
内周縁と上記回転軸の外周面との間に形成された磁界に
引かれ、各ポールピースの内周縁に設けられた一端開口
から、これらポールピースの内周縁と回転軸の外周面と
の間の隙間に移動する。この移動は、磁性流体と隙間空
間の内面との間に作用する粘性抵抗により、比較的緩徐
に行なわれる。
この為、請求項1に記載した構造、請求項5に記載し
た構造の何れの場合に於いても、ポケット部分から隙間
への磁性流体の移動が遅れる。この結果、隙間に磁性流
体が移る前に、ハウジングと回転軸との組み合わせ作業
を完了出来る様になって、回転軸の外周面の一部で上記
隙間から外れた部分に、磁性流体が付着するのを防止出
来る。
(実施例) 第1〜3図は、請求項1に記載した考案に対応する、
本考案の第一実施例を示している。本考案の磁性流体シ
ール装置の基本構造は、前記第9図に示した従来の磁性
流体シール装置の場合と同様である。即ち、円筒状の外
周面5を有する磁性材製の回転軸2と、上記外周面5と
同心で円筒状の内周面4を有するハウジング1と、上記
内周面4と上記外周面5との間の円筒状の空間6内に挿
入自在な大きさを有する円輪状に形成され、軸方向(第
1〜3図の左右方向)に亙って着磁された永久磁石7
と、それぞれ円輪状に形成されて上記永久磁石7の両側
面に固着されると共に、それぞれの外周縁を上記ハウジ
ング1の内周面4に嵌合する事によりハウジング1の内
側に固定された1対のポールピース8、9と、これら各
ポールピース8、9の内周縁と上記外周面5との間に、
上記永久磁石7の磁力により保持された磁性流体10とか
ら構成されている。
更に、本考案の磁性流体シール装置に於いては、第1
〜3図に示す様に、上記各ポールピース8、9の内側面
と永久磁石7の両側面との間に、1対の間座13、13を挟
持している。これら各間座13、13の内径は、上記1対の
ポールピース8、9の内径よりも大きく、且つ永久磁石
7の内径よりも小さなものとしている。従って、永久磁
石7と間座13、13とポールピース8、9との内周面が、
中央部が凹んだ階段断面を成す。
上述の様に構成される本考案の磁性流体シール装置に
より、ハウジング1の内側での回転軸2の回転を自在と
しつつ、回転軸2の外周面5とハウジング1の内周面4
との間の隙間11、11を塞ぐ作用は、従来から知られた磁
性流体シール装置の場合と同様である。
又、磁性流体シール装置を組み立てる場合には、先ず
磁性流体シール装置本体3をハウジング1の内周面4に
内嵌固定してから、注射器、或はスポイトの様な注入器
具により、第1図に示す様に、1対の間座13、13の内側
面と永久磁石7の内周面とで囲まれたポケット部分14に
磁性流体10を注入する。そして、注入後、第2図に示す
様に、磁性流体シール装置本体3の内側に回転軸2を挿
入する。
磁性材製の回転軸2の挿入に伴なって、1対のポール
ピース8、9の内周縁と回転軸2の外周面5との間に磁
界が形成される。そして、上記ポケット部分14に存在す
る磁性流体10がこの磁界に吸引される事により、第3図
に示す様に、回転軸2の外周面5と各ポールピース8、
9の内周縁との間の隙間11、11に移り、この隙間11、11
を塞ぐ。
上述の組み立て手順に就いては、前述した従来の磁性
流体シール装置の場合と同様である。特に、本考案の磁
性流体シール装置の場合には、回転軸2が各ポールピー
ス8、9の内側に進入した後、上記ポケット部分14に予
め注入されていた磁性流体10が隙間11、11に移る迄に時
間を要する。
即ち、ハウジング1の内側に回転軸2を挿入する作業
の進行に伴なって、上記ポケット部分14に存在する磁性
流体10が、1対のポールピース8、9の内周縁と回転軸
2の外周面5との間に形成された磁界に引かれ、上記外
周面5と各ポールピース8、9の内周縁との間の隙間1
1、11に移る。本考案の磁性流体シール装置の組立時に
この際磁性流体10は、第2図に示す様に、1対の間座1
3、13の角部を乗り越えなければならない。この様に各
間座13、13の角部を乗り越える分だけ、磁性流体10がポ
ケット14から隙間11、11に移る迄の間に或る程度時間を
要する事になる。
この為、磁性流体10が隙間11、11に移る以前に、回転
軸2を磁性流体シール装置本体3の内側に挿入する作業
を完了する事が出来る。従って、磁性流体10が隙間11、
11に移った後に於いても、回転軸支2の挿入作業を継続
して行なう必要がなくなる。この結果、余分な磁性流体
10が、回転軸2の外周面5で上記隙間11、11から外れた
部分に付着する事がなくなる。
尚、間座13、13を構成する材料としては、鋼等の磁性
材でも、或は合成樹脂、オーステナイト系のステンレス
鋼等の非磁性材でも良い。但し、非磁性材製とする場合
は、その厚さ寸法を0.5mm以下とする事が好ましい。
又、間座13、13を磁性材製とする場合は、各間座13、13
と各ポールピース8、9とを一体に形成して、部品管理
や組立作業を簡略化する事も出来る。
又、第4図に示す第二実施例の様に、間座13、13の内
周縁部分で、永久磁石7の内周面から内方に突出した部
分を、各間座13、13の外側面が当接したポールピース
8、9から離れる方向に折り曲げる事もできる。この様
な構造を採用すれば、磁性流体シール装置本体3の内側
に回転軸2を挿入した後、ポケット部分14に存在する磁
性流体10が、回転軸2の外周面5と各ポールピース8、
9の内周縁との間の隙間11、11(第2〜3図参照)に移
る迄に要する時間をより長くして、回転軸2の挿入作業
に許される余裕時間を長くする事が出来る。
次に、第5〜6図は請求項5に記載した考案に対応す
る、本考案の第三実施例を示している。本実施例の磁性
流体シール装置に於いては、ハウジング1の内周面4に
内嵌固定された磁性流体シール装置本体3を構成する1
対のポールピース8、9に、それぞれ隙間空間15、15
を、各ポールピース8、9の全周に亙り、或は1乃至複
数箇所に部分的に設けている。これら各隙間空間15、15
は、それぞれの一端を各ポールピース8、9の内周縁
に、他端を中間部内側面で、上記1対のポールピース
8、9に挟持された永久磁石7の内周面よりも少しだけ
直径方向内側に寄った部分に、それぞれ開口させてい
る。
即ち、上記各ポールピース8、9は、それぞれ磁性材
製の2枚の板材16、17を重ね合わせる事により構成して
いる。そして、一方の板材16の側面内周側半部に形成し
た凹部18、18と、他方の板材17、17の直径方向中間部に
形成した小孔19、19とを連続させる事により、上記隙間
空間15、15としている。
上述の様に構成される、本考案の磁性流体シール装置
により、ハウジング1の内側での回転軸2の回転を自在
としつつ、ハウジング1の内周面4と回転軸2の外周面
5との間の隙間11、11を塞ぐ作用は、従来から知られた
磁性流体シール装置及び前記第一実施例の場合と同様で
ある。
特に、本考案の磁性流体シール装置の場合には、1対
のポールピース8、9の内側面と永久磁石7の内周面と
で囲まれたポケット部分12に、回転軸2の挿入に先立っ
て予め注入された磁性流体10が、毛細管現象により、各
ポールピース8、9に形成された隙間空間15、15内に、
この隙間空間15、15の他端開口を構成する小孔19、19を
通じて吸引される。そして、第5図に示す様に、上記隙
間空間15、15内に保持される。
この様に、隙間空間15、15内に吸引され、この隙間空
間15、15内に保持された磁性流体10は、磁性流体シール
装置本体3の内側に回転軸2を挿入する作業に伴なっ
て、1対のポールピース8、9の内周縁と回転軸2の外
周面5との間に形成される磁界に引かれ、上記隙間空間
15、15の一端開口で、各ポールピース8、9の内周縁部
分から隙間11、11に移動する。そして、第6図に示す様
に、各ポールピース8、9の内周縁と回転軸2の外周面
との間の隙間11、11に、永久磁石7の磁力により保持さ
れる。
この様に、隙間空間15、15内に保持された磁性流体10
の、回転軸2の挿入に伴なう隙間11、11への移動は、磁
性流体10と隙間空間15、15の内面との間に作用する粘性
抵抗により、比較的緩徐に行なわれる。
この為、隙間11、11への磁性流体10の移動がそれだけ
遅れる事になり、各隙間11、11に磁性流体10が移る前
に、ハウジング1の内側に内嵌固定された磁性流体シー
ル装置本体3の内側への回転軸2の挿入作業を完了出来
る様になる。この結果、回転軸2の外周面5で隙間11、
11から外れた部分に、磁性流体10が付着するのを防止出
来る。
尚、ポケット部分12に注入した磁性流体10が、隙間空
間15、15を通過して隙間11、11迄移動するのに要する時
間をより長くする為、第7図に示す第四実施例の様に、
板材16に形成した凹部18の深さ寸法を、この板材16の周
縁部に向かう程小さくしたり、或は第8図に示す第五実
施例の様に、板材17に形成した小孔19の径を、上記ポケ
ット部分12に向かう程小さくする事も出来る。
(考案の効果) 本考案の磁性流体シール装置は、以上に述べた通り構
成され作用するので、ハードディスク等、異物が付着す
る事を嫌う物品が存在する清浄空間に、磁性流体が飛散
する可能性を低く抑える事が出来る。この結果、磁性流
体シール装置を組み込んだ直記憶装置等の信頼性を向上
させる事が出来る。
更に、本考案の磁性流体シール装置の場合には、回転
軸の外周面と各ポールピースの内周縁との間の隙間に磁
性流体を保持する構造を採用しているので、上述の様に
回転軸の外周面の一部で上記隙間から外れた部分に、磁
性流体が付着するのを防止し、しかも上記回転軸の回転
に要するトルクの低減、必要とする磁性流体の量を少な
くする事によるコストの低減及び周囲空間の汚損防止、
磁性材製の回転軸をそのまま使用可能にする事によるコ
ストの低減及び小型軽量化を図れる。
即ち、上記隙間に磁性流体を保持する為、円環状に保
持された磁性流体の周長を短くして、この磁性流体の粘
性抵抗に基づいて回転軸の回転に要するトルクが上昇す
るのを低く抑える事が出来る。又、上記周長が短く、磁
性流体の量が少ない為、その分コストの低減を図れるだ
けでなく、長期間に亙る使用に伴う周囲空間への磁性流
体の飛散量を少なくして、この周囲空間の汚損防止を図
れる。更に、コストを高くする事なく剛性を確保する
為、磁性材である鋼製の回転軸を使用した場合に、この
回転軸の外周面をそのまま利用して磁性流体シール装置
を構成出来る為、コストの低減及び小型軽量化を図れ
る。
尚、これらトルクの低減、コストの低減、汚損防止、
小型軽量化と言った効果は、第9図に示した従来構造に
よっても得られるが、本考案の磁性流体シール装置の場
合には、これらの効果を損なう事なく、磁性流体シール
装置を組み込んだ磁気記憶装置等の信頼性を向上させる
事が出来ると言った、新たな効果を加える事が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は、請求項1に記載した考案に対応する、本
考案の第一実施例を示しており、第1図は磁性流体シー
ル装置本体の内側に回転軸を挿入する前の状態を示す半
部断面図、第2図は回転軸を挿入した直後の状態を示す
半部断面図、第3図は回転軸を挿入してから時間を経過
した後の状態を示す半部断面図、第4図は本考案の第二
実施例を示す、第1図同様の断面図、第5〜6図は請求
項5に記載した考案に対応する、本考案の第三実施例を
示しており、第5図は磁性流体シール装置本体の内側に
回転軸を挿入する前の状態を示す半部断面図、第6図は
回転軸を挿入してから時間を経過した後の状態を示す半
部断面図、第7〜8図は本考案の第四〜第五実施例を示
す、それぞれポールピースの断面図、第9図は従来の磁
性流体シール装置の基本構造の1例を示す断面図、第10
〜13図は従来の磁性流体シール装置を組み立てる状態を
工程順に示す半部断面図である。 1:ハウジング、2:回転軸、3:磁性流体シール装置本体、
4:内周面、5:外周面、6:空間、7:永久磁石、8、9:ポー
ルピース、10:磁性流体、11:隙間、12:ポケット部分、1
3:間座、14:ポケット部分、15:隙間空間、16、17:板
材、18:凹部、19:小孔。

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の外周面を有する磁性材製の回転軸
    と、この外周面と同心の内周面を有し使用時に回転しな
    いハウジングと、上記外周面と内周面との間の円筒状の
    空間内に挿入自在な大きさを有する円輪状に形成され、
    上記回転軸及びハウジングの軸方向に亙って着磁された
    永久磁石と、それぞれ円輪状に形成されて上記永久磁石
    の両側面に固着されると共に、少なくとも一方の外周縁
    又は上記永久磁石の外周縁を上記内周面に嵌合する事に
    より、上記ハウジングに対して固定された1対のポール
    ピースと、各ポールピースの内周縁と上記回転軸の外周
    面との間に、上記永久磁石の磁力により保持された磁性
    流体とから成る磁性流体シール装置に於いて、上記各ポ
    ールピースと永久磁石との間に、ポールピースの内径よ
    りも大きく永久磁石の内径よりも小さな内径を有する間
    座を挟持した事を特徴とする磁性流体シール装置。
  2. 【請求項2】間座の内周縁部分で永久磁石の内周面から
    突出した部分が、ポールピースから離れる方向に折れ曲
    がっている、請求項1に記載した磁性流体シール装置。
  3. 【請求項3】間座が磁性材である、請求項1〜2の何れ
    かに記載した磁性流体シール装置。
  4. 【請求項4】間座がポールピースと一体とされている、
    請求項3に記載した磁性流体シール装置。
  5. 【請求項5】円筒状の外周面を有する磁性材製の回転軸
    と、この外周面と同心の内周面を有し使用時に回転しな
    いハウジングと、上記外周面と内周面との間の円筒状の
    空間内に挿入自在な大きさを有する円輪状に形成され、
    上記回転軸及びハウジングの軸方向に亙って着磁された
    永久磁石と、それぞれ円輪状に形成されて上記永久磁石
    の両側面に固着されると共に、少なくとも一方の外周縁
    又は上記永久磁石の外周縁を上記内周面に嵌合する事に
    より、上記ハウジングに対して固定された1対のポール
    ピースと、各ポールピースの内周縁と上記回転軸の外周
    面との間に、上記永久磁石の磁力により保持された磁性
    流体とから成る磁性流体シール装置に於いて、上記ポー
    ルピースの内側に隙間空間を設け、この隙間空間の一端
    を上記内周縁に、他端を中間部内側面で上記永久磁石の
    内周面よりも直径方向内側部分に、それぞれ開口させた
    事を特徴とする磁性流体シール装置。
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