JP2501603Y2 - 副室付き2サイクルディ―ゼル機関の燃焼室構造 - Google Patents

副室付き2サイクルディ―ゼル機関の燃焼室構造

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JP2501603Y2
JP2501603Y2 JP6543190U JP6543190U JP2501603Y2 JP 2501603 Y2 JP2501603 Y2 JP 2501603Y2 JP 6543190 U JP6543190 U JP 6543190U JP 6543190 U JP6543190 U JP 6543190U JP 2501603 Y2 JP2501603 Y2 JP 2501603Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は副室付き2サイクルディーゼル機関の燃焼室
構造に関する。
〔従来の技術〕
給気弁周りのシリンダヘッド内壁面上に凹溝を形成
し、この凹溝内に給気弁を配置して燃焼室内におけるル
ープ掃気を確保するようにした2サイクル内燃機関の燃
焼室構造が公知である(実開昭62-95131号公報)。この
燃焼室構造では給気ポートから流入した吸入空気が凹溝
周壁面によってピストン頂面に向かって下向きに流れる
ように案内され、次いでこの吸入空気がピストン頂面上
において向きを変えてシリンダ内壁面に沿い排気ポート
に向けて流れるのでループ掃気を得ることができる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながらこの2サイクル内燃機関の燃焼室構造で
は排気弁下方のシリンダ内壁面に沿って上昇する掃気流
により排気ポートに向けて流れてきた残留既燃ガスの内
のかなりの部分が排気弁かさ部に当たることにより流れ
の向きを変え、その結果かなりの量の残留既燃ガスが排
気ポート内に排出されずにシリンダヘッド内壁面に沿っ
て給気弁側の流れてしまう。次いでこの残留既燃ガスは
給気ポートから流入した新気と混ざりつつ再び給気弁下
方のシリンダ内壁面に沿ってピストン頂面に向かって循
環していく。従って燃焼室内の残留既燃ガスが排気ポー
ト内へ排出されにくいために、燃焼室内の掃気効率が低
くなってしまうという問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本考案によればシリンダ
ヘッド内壁面上に給気弁および排気弁を備え、排気弁側
に位置する給気弁周縁部と弁座間に形成される開口をマ
スク壁によって覆うようにした2サイクルディーゼル機
関の燃焼室構造において、排気弁周りのシリンダヘッド
内壁面上に凹溝を形成して凹溝内に排気弁を配置すると
共に凹溝の深さを排気弁の最大リフト量よりも深く形成
し、ピストン頂面上に凹溝内に侵入可能な突出部を形成
し、凹溝を除くシリンダヘッド内壁面上に副室噴孔を配
置している。
〔作用〕
排気弁側に位置する給気弁周縁部と弁座間に形成され
る開口がマスク壁によって閉鎖されるので、吸入空気は
排気弁と反対側に位置する給気弁開口から主室内に流入
し、この吸入空気は給気弁下方のシリンダ内壁面に沿っ
てピストン頂面に向かい、次いでピストン頂面上におい
て向きを変えてシリンダ内壁面に沿い排気ポートに向け
て流れる。このループ掃気流により主室内の残留既燃ガ
スが排気弁周りの凹溝内に押し込まれる。次いで、この
凹溝周壁により残留既燃ガスが給気弁側へ循環すること
が阻止されるので、凹溝内に集まったほとんどの残留既
燃ガスが排気ポート内に排出される。一方、このように
残留既燃ガスが給気弁側へ循環しないので、副室内およ
び給気弁周りの主室内においては新気の割合が増大す
る。
〔実施例〕
第1図から第4図を参照すると、1はシリンダブロッ
ク、2はシリンダブロック1内で往復動するピストン、
3はシリンダブロック1上に固定されたシリンダヘッ
ド、4はシリンダヘッド3の内壁面3aとピストン2の頂
面間に形成された主室、6は給気弁、7は給気弁座、8
は給気ポート、9は排気弁、10は排気弁座、11は排気ポ
ート、12はシリンダヘッド3内に形成された副室、13は
副室噴孔、14は副室12内に配置された燃料噴射弁を夫々
示す。シリンダヘッド内壁面3a上に凹溝16が形成され、
この凹溝16の底壁面をなすシリンダヘッド内壁面部分3b
上に一対の排気弁9が配置される。なおこの凹溝16の深
さは排気弁9の最大リフト量よりも深く形成されると共
に、第2図に示す実施例ではこの凹溝16はほぼ半円形状
をなしている。一方、凹溝16を除くシリンダヘッド内壁
面部分3cはほぼ平坦をなし、このシリンダヘッド内壁面
部分3c上に一対の給気弁6が配置される。シリンダヘッ
ド内壁面部分3bとシリンダヘッド内壁面部分3cは凹溝16
の周壁16aを介して互いに接続されている。第2図に示
すように凹溝周壁16aは両排気弁9の中心を結ぶ線に対
してほぼ平行に延びている。各給気弁6の周りのシリン
ダヘッド内壁面部分3c上には夫々給気弁凹溝20が形成さ
れ、この給気弁凹溝20内に排気弁6が配置される。排気
弁9側に位置する給気弁凹溝20の周壁面部分20aは給気
弁6かさ部の周縁部に近接配置された部分円筒状をな
し、この部分円筒状周壁面部分20aによって排気弁9側
に形成される給気弁6の開口が閉鎖される。第1図に示
す実施例ではこの部分円筒状周壁面部分20aは最大リフ
ト位置にある給気弁6よりも下方まで主室4に向けて延
びている。従ってこの部分円筒状周壁面部分20aにより
排気弁9側に形成される給気弁6の開口が給気弁6の全
開弁期間に亘って閉鎖され、従ってこの部分円筒状周壁
面部分20aは排気弁9側の給気弁6の開口を給気弁6の
全開弁期間に亘って閉鎖するマスク壁を形成する。一
方、排気弁9と反対側に位置する給気弁凹溝20の周壁面
部分20bは主室4内に向けて拡開する部分円錐面部分
と、この部分円錐面部分の前方に接続された部分円筒面
部分とから形成されている。従って第1図に示すように
給気弁6が開弁すると吸入空気はこの給気弁凹溝周壁面
部分20bと給気弁6かさ部の間を通って主室4内に流入
することになる。
また凹溝16を除くシリンダヘッド内壁面3a上に副室噴
孔13が配置される。第2図に示す実施例ではこの副室噴
孔13は一対の給気孔6間に位置するシリンダヘッド内壁
面3aの周壁近傍のシリンダヘッド内壁面部分3c上に配置
されている。また本実施例では第3図に示すように副室
12内において矢印Sで示す新気の渦流が生じせしめられ
る。副室12内に配置された燃料噴射弁14は流速の最も速
い渦流部分に向けて燃料を噴射するように配置されてい
る。
また第1図、第3図および第4図に示すようにピスト
ン2の頂面上に凹溝16の形状に対応した突出部2aが形成
されている。このピストン突出部2aはピストン2が上死
点付近にあるときに凹溝16内部のほぼ全空間を埋めるよ
うに形成されている。なお第4図はこのピストン2を示
す斜視図である。
次に本実施例における掃気作用について説明する。上
述のように排気弁9側に位置する給気弁6周縁部と給気
弁座7間に形成される開口が給気弁凹溝20の部分円筒状
周壁面部分20aによって閉鎖されているので、第1図に
示すように給気弁6が開弁すると吸入空気は排気弁9と
反対側に位置する給気弁6開口から主室4内に流入す
る。この吸入空気は給気弁6下方のシリンダ内壁面に沿
ってピストン2の頂面に向かい、次いでピストン2の頂
面上において向きを変えてシリンダ内壁面に沿い排気ポ
ート11に向けて流れるので、良好なループ掃気流が形成
される。このループ掃気流により主室4内の残留既燃ガ
スが排気弁9周りの凹溝16内に押し込まれる。次いで凹
溝16内に押し込まれた残留既燃ガスが排気弁9のかさ部
前面に当たることによりシリンダヘッド内壁面3aに沿っ
て給気弁6へ向けて流れることが凹溝周壁16aによって
阻止されるので、この凹溝16内に集まった残留既燃ガス
は排気弁9が閉弁するまでに排気ポート11内に排出され
る。斯くして主室4内の残留既燃ガスが効率良く排気ポ
ート11内に排出されるので掃気効率が高められる。また
上述のループ掃気流に加えて、ピストン突出部2aにより
シリンダボア中央付近を上方に向かって流れる掃気流も
形成されるので、掃気効率が一層向上する。
一方、残留既燃ガスが凹溝16を介して排気ポート11内
に確実に排出され、従って残留既燃ガスが給気弁6近傍
に循環してくることがないので、給気弁6近傍の主室4
内および副室12内においては残留既燃ガス量に対する新
気量の割合が増大する。即ち第3図に示すようにピスト
ン2が上昇したときに、排気弁9周りの主室部分4a内で
は残留既燃ガスの割合が高く、一方給気弁6周りの主室
部分4b内および副室12内においては新気の割合が高くな
り、斯くして良好な燃焼と機関高出力を確保することが
できる。また、副室12内で燃料が着火した後、副室12内
から主室部分4b内に押し出された未燃燃料が、副室12か
ら出てきた燃焼ガスにより着火せしめられ、斯くして主
室部分4b内においても燃焼が起きる。従って主室部分4b
内の空気も燃焼に寄与することになるので、空気利用率
を高めることができる。またピストン2が上死点付近に
あるときにピストン突出部2aが凹溝16内部のほぼ全空間
を占めることになり、従って高い圧縮比を確保すること
ができる。
次に第5図および第6図を参照して本考案の別の実施
例について説明する。第2図に示した実施例ではシリン
ダヘッド内壁面3a上にほぼ半円形状をなす凹溝16が形成
されているが、第5図に示す実施例では幾分扇形形状に
近い凹溝26が形成され、この凹溝26の底壁面をなすシリ
ンダヘッド内壁面部分上に一対の排気弁9が配置され
る。なおこの凹溝26の深さは第2図に示す実施例の場合
と同様に、排気弁9の最大リフト量よりも深く形成され
る。また副室噴孔13が給気弁6と排気弁9間に位置する
シリンダヘッド内壁面3aの周壁近傍のシリンダヘッド内
壁面部分3c上に配置される。一方第6図に示すようにピ
ストン2の頂面上に凹溝26の形状に対応した突出部2bが
形成される。このピストン突出部2bはピストン2が上死
点付近にあるときに凹溝26内部のほぼ全空間を埋めるよ
うに形成されており、従って高い圧縮比を確保すること
もできる。なお、この第2実施例においても第1実施例
の場合と全く同様の掃気作用を得ることができる。
次に第7図から第9図を参照してピストン2の更に別
の実施例群について説明する。第1図に示した実施例で
はピストン2の周縁部近傍に位置するピストン突出部2a
の近傍領域Aにループ掃気流が行き渡らずに、従ってこ
のピストン突出部2aの周縁部近傍領域A内に滞留してい
る残留既燃ガスが排気されにくい場合がある。このよう
な場合に対処するために第7図に示す実施例では、ピス
トン突出部2a内を斜めに貫通する1個又は複数個の連通
穴28が形成されている。この結果、掃気流の一部が連通
穴28内を介して領域A内に流れ込むので、領域A内にお
ける良好な掃気が確保される。また第8図及び第9図に
示す実施例では、ピストン突出部2a上に1本又は複数本
のスリット29が斜めに形成される。この実施例の場合に
も掃気流の一部がスリット29内を介して領域A内に流れ
込むので、領域A内における良好な掃気が確保される。
なお第1図に示す実施例では給気弁凹溝20の部分円筒
状周壁面部分20aの高さが、最大リフト位置にある給気
弁6よりも下方まで主室4に向けて延びるように形成さ
れているが、部分円筒状周壁面部分20aの高さがもっと
低い場合に対しても本考案を適用することができる。
また給気弁6および排気弁9を1個ずつ備えた燃焼室
構造に対しても本考案を同様に適用しうることは云うま
でもない。
またピストン突出部2aの形状は、凹溝16に対する相補
的な形状に限定されるわけではなく、ピストン突出部2a
の形状を凹溝16の形状よりもかなり小さめに形成しても
よい。
〔考案の効果〕
排気弁側に位置する給気弁開口をマスク壁によって覆
うことによってシリンダ内壁面に沿って流れる良好なル
ープ掃気を確保することができる。これらの掃気流によ
って主室内の残留既燃ガスが凹溝内を介して排気ポート
内に効率良く排出されるので、掃気効率を高めることが
できる。また給気弁周りの主室内および副室内における
新気の割合が高くなるので、良好な燃焼と機関高出力を
確保することができる。またピストン上死点近傍におい
てピストン頂面上に形成された突出部が凹溝内に侵入せ
しめられ、従って高い圧縮比を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は2サイクルディーゼル機関の側面断面図、第2
図は第1図のシリンダヘッドの底面図、第3図はピスト
ンが上昇したところを示した第2図のIII−III線に沿っ
てみた断面図、第4図は第1図のピストンを示す斜視
図、第5図は別の実施例におけるシリンダヘッドの底面
図、第6図は別の実施例におけるピストンの斜視図、第
7図は更に別の実施例におけるピストンを示す図、第8
図は更に別の実施例におけるピストンを示す図、第9図
は第8図のピストンを示す斜視図である。 2…ピストン、2a…ピストン突出部、3a…シリンダヘッ
ド内壁面、6…給気弁、7…給気弁座、9…排気弁、12
…副室、13…副室噴孔、16…凹溝、20…給気弁凹溝、20
a…部分円筒状周壁面部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 3/28 F02F 3/28 B (72)考案者 梅花 豊一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)考案者 中江 公一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッド内壁面上に給気弁および排
    気弁を備え、排気弁側に位置する給気弁周縁部と弁座間
    に形成される開口をマスク壁によって覆うようにした2
    サイクルディーゼル機関の燃焼室構造において、排気弁
    周りのシリンダヘッド内壁面上に凹溝を形成して該凹溝
    内に排気弁を配置すると共に該凹溝の深さを排気弁の最
    大リフト量よりも深く形成し、ピストン頂面上に該凹溝
    内に侵入可能な突出部を形成し、該凹溝を除くシリンダ
    ヘッド内壁面上に副室噴孔を配置した副室付き2サイク
    ルディーゼル機関の燃焼室構造。
JP6543190U 1990-06-22 1990-06-22 副室付き2サイクルディ―ゼル機関の燃焼室構造 Expired - Lifetime JP2501603Y2 (ja)

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CN100532815C (zh) * 2005-02-18 2009-08-26 三菱自动车工业株式会社 内燃机的燃烧室结构

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