JP2501573Y2 - スクリュ―式過給機の吸込側構造 - Google Patents

スクリュ―式過給機の吸込側構造

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JP2501573Y2
JP2501573Y2 JP1861690U JP1861690U JP2501573Y2 JP 2501573 Y2 JP2501573 Y2 JP 2501573Y2 JP 1861690 U JP1861690 U JP 1861690U JP 1861690 U JP1861690 U JP 1861690U JP 2501573 Y2 JP2501573 Y2 JP 2501573Y2
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和也 宮下
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、スクリュー式過給機の吸込側構造に関
し、吸込カバーに取付けられるグリースベアリングの寿
命を延長できるようにしたものである。
[従来の技術] エンジンの性能向上を目的としてエンジン自身から駆
動力を得て2つのスクリュー式のロータを駆動するスク
リュー式過給機(スーパーチャージャ)を用いる場合が
あり、排気タービン過給機に比べて低速トルク、レスポ
ンス、熱負荷などの点において有利とされている。
このようなスクリュー式過給機は、その一例を第3図
に示すように、本体ケーシング1内にねじれた雄、雌の
一対のロータ2,3を噛み合わせるように入れ、各ロータ
2,3と一体のロータ軸4,5の吐出側の端部がボールベアリ
ングなどで構成された軸受部6で本体ケーシング1に回
転可能に支持されている。
そして、雌ロータ3のロータ軸5には、分割構造の入
力軸7が連結されるようになっており、入力軸7の先端
部に連結スペーサ8を介してプーリ9が連結され、ギヤ
カバー10の外周に設けられたボールベアリングなどで構
成された軸受部11で回転可能に支持されている。
さらに、入力軸7からの駆動力を雄ロータ2に伝達す
るため入力軸7とロータ軸5との間にタイミングギヤ12
がボルト13を介して締付けられるとともに、このタイミ
ングギヤ12の側面に入力軸7がボルト14で締付けられて
いる。
また、雄ロータ2のロータ軸4の端部にタイミングギ
ヤ12と噛み合うタイミングギヤ15がリーマピン16を介し
てボルト17で締付けられている。
一方、ロータ軸4,5の吸込側の端部は、第3図中に示
すように、本体ケーシング1に嵌合凹凸部(インロー)
18を介して連結された吸込カバー19に取付けたボールベ
アリングなどで構成された軸受部20によって支持されて
いる。
このようなスクリュー式過給機は、エンジンに搭載さ
れ、クランクプーリと入力軸7先端のプーリ9との間に
巻き掛けられたベルトを介してエンジンの駆動力の一部
が伝達されるとともに、吸込カバー19にスロットルバル
ブを備えた吸気管21が連結され、ねじれた歯溝内の容積
を雄、雌のロータ2,3の回転によって減少させ、圧縮し
た空気をエンジンに供給する。
[考案が解決しようとする課題] このようなスクリュー式過給機では、タイミングギヤ
12,15や軸受部6を潤滑するため本体ケーシング1のギ
ヤボックス部分22に潤滑油を封入してはね掛け式の潤滑
(封油式潤滑)を行うとともに、吸込側の軸受部20につ
いてはグリース封入式のボールベアリングを用いるよう
にしている。
ところで、グリース封入式のボールベアリングなどを
用いる吸込側の軸受部20は、吸込カバー19に形成したベ
アリング室23に取付けられ、このベアリング室23の過給
機の吸込側の端部が蓋24で密閉され、グリースが吸引さ
れないようにしている。
一方、エンジンの運転状態に応じてスロットルバルブ
が開閉されると、ベアリング室23の外側の吸気管21内が
大気圧状態から高真空状態まで圧力が変化し、ベアリン
グ室23内もロータ2,3側の吸込カバー19の隙間を介して
内部の圧力が変化する。
ところが、スロットルバルブの操作が急激に行われる
と、ベアリング室23内の圧力と蓋24の外側の圧力とに差
ができ、軸受部20に封入されているグリースが吸いださ
れてしまうという問題がある。
また、これらグリース封入式ベアリングは吸込カバー
19のベアリング室23に取付けられるが、この取付精度に
よって互いに噛み合わされるロータ2,3のクリアランス
が変化してしまう。このため、2つのベアリング室23の
軸心を所定の精度に加工しなければならないと同時に、
吸込カバー19を本体ケーシング1に取付ける場合にも2
つのロータ軸4,5の軸心が一直線上に位置する芯出し状
態にしなければならない。
そこで、本体ケーシング1と吸込カバー19との連結部
に、第4図に示すように、嵌合凹凸部(インロー)18を
形成するようにしている。
なお、第4図中、斜線で示す部分はスクリュー式過給
機の吸込スペースである。
この考案は、かかる従来技術の課題に鑑みてなされた
もので、グリース封入式の軸受部からのグリースの吸い
出しを防止して、グリースベアリングの寿命を延長でき
るスクリュー式過給機の吸込側構造を提供しようとする
ものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためこの考案のスクリュー式過給
機の吸込側構造は、スクリュー式過給機の本体ケーシン
グに連結される吸込カバーにロータ軸に対応してベアリ
ング室を形成し、これらベアリング室にグリース封入式
のころがり軸受を取付けてロータ軸を支持する一方、こ
れらベアリング室の空気吸込口側を蓋で覆うとともに、
これら蓋にベアリング室内外の圧力を均圧にする小孔を
形成したことを特徴とするものである。
[作用] このようなスクリュー式過給機の吸込側構造によれ
ば、吸込カバーに形成されるベアリング室の外側を小孔
が形成されたカバーで覆うようにしており、従来のよう
に吸気管内の圧力変化の影響がベアリング室内に及ばな
いように蓋で密閉するのでなく、吸気管の圧力変化に応
じてベアリング室内部の圧力も追従するようにしてお
り、常に均圧状態としてベアリングからのグリースの飛
び出しを防止するようにしている。
[実施例] 以下、この考案の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図及び第2図はこの考案のスクリュー式過給機の
吸込側構造の一実施例にかかり、第1図は拡大断面図、
第2図は第1図中のII-II矢視図であり、第3図で説明
したスクリュー式過給機と同一部分には同一番号を記し
てある。
このスクリュー式過給機の吸込側構造30では、本体ケ
ーシング1の吸込側に吸込カバー19が嵌合凹凸部(イン
ロー)31を介して位置決めされて連結され、ボルト32で
締付けられている。
この吸込カバー19には、ロータ軸4,5の吸込側の端部
を支持する軸受部20を取付ける円筒上のベアリング室33
が2つ互いに噛み合わせたロータ2,3の軸間距離に合わ
せて形成されている。これらベアリング室33は、第2図
に示すように、吸込カバー19の外周から3本のリブで支
持され、スクリュー式過給機の吸込スペース(第2図中
の斜線部)を塞がないようにしてある。
これらベアリング室33の円筒部には、グリース封入式
のボールベアリング34が軸受部20として嵌合してある。
そして、これらボールベアリング34にロータ軸4,5の吸
込側の端部が嵌合され、ナット35で固定されている。
このようなベアリング室33の吸込側の端部には、蓋36
が取付けられており、この蓋36の中心部には、均圧用の
小孔37が形成されている。この蓋36としては、例えば自
動車用さら形プラグ(JISB2103)を用い、これに小孔を
形成するようにすることで、安価に作ることができる。
このようなスクリュー式過給機の吸込側構造30では、
ロータ軸4,5の吸込側の端部の軸受部20に外部から潤滑
油を供給せず、独立したベアリング室33を形成し、この
ベアリング室33内にグリース封入式ボールベアリング34
を取付け、ベアリング室33の吸込側を均圧用小孔37が形
成された蓋36で塞ぐようにしているので、この小孔37を
介してベアリング室33内の圧力が吸気管21出口部分周囲
の圧力にバランスされる。
このため、スロットルバルブの操作が急激に行われ、
吸気管21出口部分周囲が大気圧状態から高負圧状態にな
ったり、逆に高負圧状態から大気圧状態になる場合に
も、ベアリング室33と吸気管21の出口側周囲との間に圧
力差が生ぜず、ボールベアリング34に封入されているグ
リースが吸気中に吸い出されることが防止される。
すなわち、この均圧用の小孔37がない場合には、スロ
ットルが閉じられた場合の負圧は、軸受34のロータ側
(第1図の左側)のみに発生し、蓋36側(第1図の右
側)は密閉されているので、グリースは軸受34のロータ
側へ吸い出される。
しかし、蓋36に均圧用の小孔37があると、軸受34の両
側がほぼ同時に負圧になるので、軸受34のグリースに差
圧が作用せず、グリースは軸受34のボールの近傍に保持
されると考えられる。なお、均圧用小孔37の有無による
効果は実験を行って確認してある。
したがって、軸受部20のグリース封入式ボールベアリ
ング34の寿命が長くなり、スクリュー式過給機が搭載さ
れたエンジンや車両の寿命まで問題なく使用することが
できる。
なお、上記実施例では、自動車用のスクリュー式過給
機を例に説明したが、これに限らず、他の用途のスクリ
ュー式過給機に適用することもできる。
また、この考案の要旨を変更しない範囲で各構成要素
に変更を加えるようにしても良い。
[考案の効果] 以上、一実施例とともに具体的に説明したようにこの
考案のスクリュー式過給機の吸込側構造によれば、吸込
カバーに形成されるベアリング室の外側を小孔が形成さ
れた蓋で覆うようにしたので、従来のように吸気管内の
圧力変化の影響がベアリング室内に及ばないように蓋で
密閉するのと異なり、吸気管の圧力変化に応じてベアリ
ング室内部の圧力を追従させることができ、常に均圧状
態としてベアリングからのグリースの飛び出しを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はこの考案のスクリュー拡大断面図、
第2図は第1図中のII-II矢視図である。 第3図は従来のスクリュー式過給機の断面図、第4図は
第3図中のIV-IV矢視図である。 1:本体ケーシング,2:雄ロータ、3:雌ロータ、4:雄ロー
タ軸、5:雌ロータ軸、6:軸受部、7:入力軸、8:連結スペ
ーサ、9:プーリ、10:ギヤカバー、11:軸受部、12:タイ
ミングギヤ、15:タイミングギヤ、16:リーマピン、17:
ボルト、18:嵌合凹凸部、19:吸込みカバー、20:軸受
部、21:吸気管、22:ギヤボックス部分、30:スクリュー
式過給機の吸込側構造、31:嵌合凹凸部(インロー)、3
2:ボルト、33:ベアリング室、34:グリース封入式ボール
ベアリング(ころがり軸受)、35:ナット、36:蓋、37:
均圧用小孔。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】スクリュー式過給機の本体ケーシングに連
    結される吸込カバーにロータ軸に対応してベアリング室
    を形成し、これらベアリング室にグリース封入式のころ
    がり軸受を取付けてロータ軸を支持する一方、これらベ
    アリング室の空気吸込口側を蓋で覆うとともに、これら
    蓋にベアリング室内外の圧力を均圧にする小孔を形成し
    たことを特徴とするスクリュー式過給機の吸込側構造。
JP1861690U 1990-02-26 1990-02-26 スクリュ―式過給機の吸込側構造 Expired - Lifetime JP2501573Y2 (ja)

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JPH03110139U JPH03110139U (ja) 1991-11-12
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