JP2501274Y2 - 自立型鋼製煙突構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自立型鋼製煙突構造に係るものである。

（従来の技術） 自立型鋼製煙突は、鋼製円筒状の外筒と、同外筒の内
部に配設された内筒とから構成されている。

（考案が解決しようとする課題） 前記の自立型鋼製煙突を建設する場合、外筒の風によ
る風向直角方向の揚力振動のため、大型、中型の煙突を
建設することは構造的に困難であり、且つ不経済であっ
た。

本考案はこのような従来技術の有する問題点に鑑みて
提案されたもので、その目的とする処は、風による外筒
における揚力振動の発生を抑制し、軽量で経済的な大型
の自立型鋼製煙突の建設を可能ならしめる点にある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案に係る自立型鋼製
煙突構造は、内筒が、この内筒に沿って基部より適当な
高さまで設置された外筒との間のばね及びダンパよりな
る減衰機構を介して支持される自立型鋼製煙突におい
て、前記内筒に風が当たらぬように、前記内筒を前記外
筒より僅かに高く形成して、支持する側の前記外筒の揺
れを支持される側の前記内筒を利用して制振させたこと
を特徴とする （作用） 本考案に係る自立型鋼製煙突構造は前記したように、
外筒と内筒との間の水平連結部分にばねとダンパとより
なる減衰機構が設けられているので、外筒に発生した風
向直角方向の揚力振動が前記減衰機構を介して内筒に伝
わり、外筒に比して剛性が低く、重量の大きい同内筒が
大きく振動し、このとき前記減衰機構による制振機能が
作用し、内筒の振動エネルギを吸収し、自立型鋼製煙突
全体の振動が抑制される。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

第１図及び第２図は自立型鋼製煙突を示し、鋼製円筒
状の外筒（１）の内部に、同外筒（１）に比して重量が
大で、剛性が遥かに低く構成された複数の内筒（２）が
配設されている。

而して同内筒（２）と前記外筒（１）との間が、高さ
方向及び平面的に複数個所でばね（３）及びダンパ
（４）で連結されている。

図示の実施例は前記したように構成されているので、
矢印ａで示す風向と直角方向の揚力振動ｂが外筒（１）
に発生しようとした場合、内筒（２）と、同内筒（２）
より剛性の高い外筒（１）とは同一の振れとはならず、
内筒（２）の重量と、ばね（３）及びダンパ（４）とに
よって制振システムが構成され、制振効果が生起する。

即ち先ず外筒（１）に発生した揚力振動はばね（３）
を介して内筒（２）に伝わり、外筒（１）に比して剛性
が低く重量の大きい同内筒（２）は大きく振動を起す
が、このとき前記制振システムとしての機能が働いて、
同内筒（２）の振動エネルギは前記外筒（１）との間に
介装されたダンパ（４）に吸収され、自立型煙突構造全
体の振動が抑制される。

（考案の効果） このように本考案によるときは外筒内にばね及びダン
パよりなる水平の減衰機構を介して支持される内筒は、
これに風が当たらぬように外筒より僅かに高く形成した
から、支持する側の外筒が風で揺れようとすると、その
振動が水平支持の減衰機構を介して内筒に伝わり、柔ら
かく且つ重量の大きい内筒が大きく振動し両者の間に相
対変位が発生し、この相対変位を水平支持の減衰機構に
より減衰性が付与されて外筒の揺れが抑制され、従来の
自立型鋼製煙突の欠点であった風による揚力振動が抑制
されるため、軽量で構造的に合理的で而も経済的な自立
型鋼製煙突の設計、施工が可能となる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自立型鋼製煙突構造の一実施例を
示す縦断面図、第２図はその横断平面図、第３図はその
揚力振動説明図である。 （１）……外筒、（２）……内筒 （３）……ばね、（４）……ダンパ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内筒が、この内筒に沿って基部より適当な
   高さまで設置された外筒との間のばね及びダンパよりな
   る減衰機構を介して支持される自立型鋼製煙突におい
   て、前記内筒に風が当たらぬように、前記内筒を前記外
   筒より僅かに高く形成して、支持する側の前記外筒の揺
   れを支持される側の前記内筒を利用して制振させたこと
   を特徴とする自立型鋼製煙突構造。