JPH1130054A - 筒型塔体の制振構造 - Google Patents

筒型塔体の制振構造

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JPH1130054A
JPH1130054A JP18520397A JP18520397A JPH1130054A JP H1130054 A JPH1130054 A JP H1130054A JP 18520397 A JP18520397 A JP 18520397A JP 18520397 A JP18520397 A JP 18520397A JP H1130054 A JPH1130054 A JP H1130054A
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JP
Japan
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inner cylinder
cylinder
outer cylinder
vibration
tower body
Prior art date
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Pending
Application number
JP18520397A
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English (en)
Inventor
Isao Kamei
功 亀井
Masaru Emura
勝 江村
Keizo Shimizu
敬三 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内筒をパッシブ制振装置の質量体として用い
ることにより、該内筒の重量を制振するに必要な比較的
小さな重量として形成して筒型塔体全体を軽量化し、か
つ、該内筒を外筒の頂部に支持させるのみで、その支持
構造を簡単にすることができる筒型塔体の制振構造を提
供する。 【解決手段】 基礎12から立設される外筒14と、外
筒14の内側に基礎から分離された状態で配置されて、
外筒14の頂部14aに揺動可能に吊り下げられる内筒
16とによって構成する。内筒16を、互いに並列関係
をもって配置されるばね18および減衰部材20を介し
て外筒14に支持し、これらばね18および減衰部材2
0と内筒16の質量とによって構成される振動系を、外
筒14の固有周期に同調させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上または地上の
構築物を基礎として、該基礎から筒状に立設される筒型
塔体の制振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の筒型塔体としては一般に煙突が
あり、鉄筋コンクリート等によって超高煙突として構築
された場合は、上空の風により常時振動が励起されるこ
とになる。このように居住性とは関係無い煙突にあって
も微少でも振動が繰り返し作用することにより、鉄筋コ
ンクリートが材料疲労して耐久性が低下する。このた
め、煙突の縦方向にプレストレスを導入してコンクリー
トのひび割れを抑制する試みが成されたものがあるが、
大地震や強風に対しては十分な強度を維持することがで
きない。
【0003】ところで、近年では中,高層ビル等にあっ
て質量体を移動自在に屋上に設置したパッシブ式の制振
装置が知られているが、この制振装置を上記煙突に適用
しようとすると、煙突の頂部に配置する質量体はその重
量を稼ぐために著しく大きなものとなり、実際の取付け
に無理が生じてしまう。そこで、煙突を外筒と内筒とで
構成し、内筒をばねおよびダンパーからなる振動吸収手
段を介して外筒に支持させることにより、内筒および外
筒の振動を抑制するようにしたのものが、特開平8−3
03058号公報(Int.Cl.E04H 12/00 )の二重筒型制
振煙突として提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の二重筒型制振煙突にあっては、上述したように該
煙突を外筒と内筒で構成してこれら両者間に振動吸収手
段を介在させてはあるが、外筒と内筒の両者は共に基礎
から立設されるようになっており、外筒,内筒はそれぞ
れに地震による振動が直接入力されて振動される。従っ
て、上記外筒,内筒を制振するためにはそれぞれに入力
された振動エネルギーを互いに打ち消す必要があり、そ
のために外筒,内筒両者の重量差を小さくしなければな
らないため、煙突全体の重量が著しく増大してしまう。
【0005】また、かかる従来の煙突では上下方向に適
宜間隔をもって水平長方形の板状梁と、これを摺動可能
に支持する受け台ブラケットとが設けられ、これら複数
の板状梁および受け台ブラケットを介して内筒が外筒に
水平移動可能に支持される。このため、内筒の支持構造
が複雑化し、これら板状梁および受け台ブラケットによ
り煙突全体の重量が更に増大されてしまう。このように
煙突が大重量化されることにより、これを設置するため
の基礎または構築物の強度を著しく増大する必要がある
という課題があった。
【0006】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、内筒をパッシブ制振装置の質量体として用いること
により、該内筒の重量を、制振するのに必要な比較的小
さな重量で形成して筒型塔体全体を軽量化し、かつ、該
内筒を外筒の頂部に支持させるのみで、その支持構造を
簡単にすることができる筒型塔体の制振構造を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示す筒型塔体の制振構造では、
基礎から立設される外筒と、該外筒の内側に基礎から分
離された状態で配置されて、該外筒の頂部に揺動可能に
吊り下げられる内筒とによって筒型塔体を構成すると共
に、該内筒を、互いに並列関係をもって配置されるばね
および減衰部材を介して外筒に支持し、これらばねおよ
び減衰部材と内筒の質量とによって構成される振動系
を、外筒の固有周期に同調させることにより構成する。
【0008】また、本発明の請求項2に示す筒型塔体の
制振構造では、上記外筒および上記内筒からなる筒型塔
体を煙突として用い、該内筒の下端部に可撓ダクトを介
して排煙ダクトを接続する構成とする。
【0009】以上の構成による筒型塔体の制振構造の作
用を以下述べると、請求項1では内筒が外筒の頂部に揺
動可能に吊り下げられるようになっており、地震や強風
等の外力により外筒が振動されると、この振動が外筒と
内筒との間に設けられるばねおよび減衰部材を介して内
筒に伝達されて振動されるが、これらばねおよび減衰部
材と内筒の質量とによって構成される振動系を、外筒の
固有周期に同調させてあるため、該内筒が同調型制振装
置を構成し、外筒の振動、延いては筒型塔体全体の振動
を防止することができる。従って、上記内筒は外筒の頂
部に揺動可能に1点で吊り下げれば良く、その支持構造
が簡単になると共に、該内筒は同調型制振装置として機
能する重量に設定すれば良く、従来のように無理に内筒
の重量を外筒の重量に近付ける必要がないため、筒型塔
体全体を軽量化することができる。
【0010】また、本発明の請求項2では、上記外筒お
よび上記内筒からなる筒型塔体を煙突として用い、該内
筒の下端部に可撓ダクトを介して排煙ダクトを接続する
構成としたので、排煙ダクトから送られてくる煙は可撓
ダクトおよび内筒を介して外方に排出することができ
る。このとき、内筒の下端部は可撓ダクトを介して固定
側となる排煙ダクトに接続されるので、内筒の下端部の
振動は可撓ダクトの変形によって自由に許容されるた
め、該内筒が同調型制振装置としての機能を十分に発揮
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1から図5は本発明の
筒型塔体の制振構造の一実施形態を示し、図1は筒型塔
体の縦断面図、図2は筒型塔体の横断面図、図3は図1
中A部に示す可撓ダクトの拡大図、図4は可撓ダクトの
作動状態を示す説明図、図5は筒型塔体の作動状態を示
す説明図である。
【0012】即ち、本発明の筒型塔体は超高煙突10に
例をとって示し、その基本構造は基礎12から立設され
る外筒14と、該外筒14の内側に基礎12から分離さ
れた状態で配置されて、該外筒14の頂部14aに揺動
可能に吊り下げられる内筒16とによって構成される。
該内筒16を、互いに並列関係をもって配置されるばね
18および減衰部材20を介して外筒14に支持し、こ
れらばね18および減衰部材20と内筒16の質量とに
よって構成される振動系を、外筒14の固有周期に同調
させることにより構成する。また、上記内筒16の下端
部16aに可撓ダクト22を介して排煙ダクト24を接
続する。
【0013】上記外筒14はRC(鉄筋コンクリート)
造として構築され、該外筒14内側の周方向に所定間隔
をもった空間Sを形成して上記内筒16が収納される。
内筒16は耐熱性のFRP(繊維強化プラスチック)等
の比較的軽量の材料を用いて形成される。また、このよ
うに軽量の材料で内筒16を形成した場合にも、その高
さが十分に高いため体積は大きなものとなり、後述する
同調型制振装置32に必要な質量体としての重量は十分
に稼ぐことができる。上記内筒16が吊り下げられる外
筒14の頂部14a内側には環状の鉄骨ステージ26が
取り付けられる一方、内筒16の上端部外周には鋼製リ
ング28が取り付けられ、該鋼製リング28を吊りシャ
フト30を介して上記鉄骨ステージ26に取り付けるこ
とにより、内筒16は外筒14に対して揺動可能に吊り
下げられることになる。
【0014】並列配置される上記ばね18および上記減
衰部材20は、それぞれが1組となって外筒14と内筒
16との間の空間Sの周方向に等間隔をもって複数組
(本実施形態では4組)が配置されると共に、該空間S
の上下方向に所定間隔をもって複数段(本実施形態では
4段)に配置され、もって内筒16は複数箇所で外筒1
4に弾性支持される。このように上記内筒16が外筒1
4に揺動可能に支持されると共に、複数箇所で弾性支持
されたことにより、該内筒16の質量と上記ばね18お
よび上記減衰部材20とによって振動系が構成され、こ
の振動系を、外筒14の固有周期に同調させることによ
り同調型制振装置32を構成してある。上記ばね18は
鋼製スプリング等の耐熱ばねが用いられると共に、上記
減衰部材20は鋼棒ダンパーなどの温度の影響を受け難
いものが用いられる。
【0015】上記可撓ダクト22としては、図3に示す
ように耐熱性ゴムで形成されるベロー式エキスパンジョ
イントが用いられる。該可撓ダクト22を介して内筒1
6を固定側となる排煙ダクト24に接続することによ
り、該可撓ダクト22が図4に示すように容易に撓み変
形して内筒16の揺動が自由に行われる。また、上記排
煙ダクト24が可撓ダクト22に接続される端部には、
該排煙ダクト24の外周と外筒14の内周との間を密閉
する環状閉止板34が取り付けられ、該環状閉止板34
により空間Sに侵入した煙が逆流するのを防止するよう
になっている。
【0016】以上の構成により本実施形態の超高煙突1
0にあっては、地震や強風等の外力により、外筒14が
振動されると、ばね18および減衰部材20を介して外
筒14の頂部14aに揺動可能に吊り下げられた内筒1
6に振動が伝達される。すると、該内筒16は図5中
(a)の静止状態から(b)に示すように、上記吊り下
げ点を中心として下端部16aが可撓ダクト22を変形
しつつ自由に振動される。このとき、内筒16は所定の
質量をもって形成されており、該内筒16の質量と上記
ばね18および減衰部材20とによって構成される振動
系を外筒14の固有周期に同調させてあるため、上記外
筒14の振動に対して内筒16は位相が遅れて振動され
ることになる。そして、外筒14の振動が伝達された内
筒16の振動が、外筒14側に逆に伝達されることにな
り、延いては該外筒14の振動を内筒16の振動で打ち
消すことができる。このため、上記外筒14の振動が効
果的に防止され、結果的に超高煙突10全体の振動を防
止することができる。
【0017】また、本実施形態の超高煙突10にあって
は、上記内筒16を外筒14の頂部14aに揺動可能に
1点で吊り下げれば良く、その支持構造を簡単にするこ
とができる。更に、上記内筒16は同調型制振装置32
として機能する重量に設定すれば良く、従来のように無
理に内筒16の重量を外筒14に近づける必要がないた
め、超高煙突10全体を軽量化することができる。上記
内筒16は下端部16aが可撓ダクト22を介して排煙
ダクト24に接続されているため、該排煙ダクト24か
ら送られてくる煙は上記内筒16の頂部から外方に排出
され、煙突として機能される。
【0018】ところで、本発明は超高煙突10に例をと
って筒型塔体を説明したが、該筒型塔体としては筒状に
形成されるタワー等にあっても本発明を適用することが
できることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す筒型塔体の制振構造にあっては、内筒を外筒の頂部
に揺動可能に吊り下げて、該内筒を並列配置されるばね
および減衰部材を介して外筒に弾性支持し、該内筒の質
量とばねおよび減衰部材とで形成される振動系を外筒の
固有周期に同調させるようにしたので、これらばねおよ
び減衰部材と内筒とによって同調型制振装置が構成さ
れ、地震や強風等の外力により外筒が振動されても、こ
の振動は上記同調型制振装置により減衰されて外筒の振
動、延いては筒型塔体全体の振動を効果的に防止するこ
とができる。そして、上記内筒は外筒の頂部に揺動可能
に1点で吊り下げれば良く、その支持構造を簡単にする
ことができると共に、該内筒は同調型制振装置として機
能する重量に設定すれば良く、従来のように無理に内筒
の重量を外筒に近づける必要がないため、該内筒自体の
重量、延いては筒型塔体全体を軽量化することができ
る。
【0020】また、本発明の請求項2に示す筒型塔体の
制振構造では、上記外筒および上記内筒からなる筒型塔
体を煙突として用い、該内筒の下端部に可撓ダクトを介
して排煙ダクトを接続する構成としたので、排煙ダクト
から送られてくる煙を可撓ダクトおよび内筒を介して外
方に排出することができると共に、内筒の下端部は可撓
ダクトの変形によって自由に振動できるため、該内筒が
同調型制振装置としての機能を十分に発揮することがで
きるという各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒型塔体の制振構造の一実施形態を示
す縦断面図である。
【図2】図1の筒型塔体の制振構造の横断面図である。
【図3】図1中A部の拡大図である。
【図4】図1の筒型塔体の制振構造における可撓ダクト
の作動状態の説明図である。
【図5】図1の筒型塔体の制振構造の作動状態を示す説
明図である。
【符号の説明】
10 超高煙突 12 基礎 14 外筒 16 内筒 18 ばね 20 減衰部材 22 可撓ダクト 24 排煙ダクト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎から立設される外筒と、該外筒の内
    側に基礎から分離された状態で配置されて、該外筒の頂
    部に揺動可能に吊り下げられる内筒とによって筒型塔体
    を構成すると共に、該内筒を、互いに並列関係をもって
    配置されるばねおよび減衰部材を介して外筒に支持し、
    これらばねおよび減衰部材と内筒の質量とによって構成
    される振動系を、外筒の固有周期に同調させたことを特
    徴とする筒型塔体の制振構造。
  2. 【請求項2】 上記外筒および上記内筒からなる筒型塔
    体を煙突として用い、該内筒の下端部に可撓ダクトを介
    して排煙ダクトを接続したことを特徴とする請求項1に
    記載の筒型塔体の制振構造。
JP18520397A 1997-07-10 1997-07-10 筒型塔体の制振構造 Pending JPH1130054A (ja)

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