JP2501218Y2 - ベルト脱輪防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はナローベルト仕分け機と一般的に呼ばれる
複数個の細いベルトを用いたベルト仕分け機におけるベ
ルト脱輪防止装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、ナローベルト仕分け機と呼ばれる複数個の細い
ベルトを平行に間隔を置いて用いるベルト仕分け機にお
いては、搬送方向中間部分におけるベルトの蛇行を防止
するために溝付の案内ローラを設けてベルトを案内支持
したり、或はまた鋼板製のプレートをベルトの上から被
せてプレートの前後にベルトによって回転されるローラ
を取付けて、このローラの両側の設けられた丸ベルトを
該プレートの上を通るように設けることによって物品を
搬送する様にしたものが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ 併し、この様な従来のナローベルト仕分け機において
は、案内ローラによるベルトの脱輪防止が十分でなく特
別な手段を更に設ける必要があり、またベルトにプレー
トを被せて用いるものでは、ベルトの蛇行が発生した時
に、プレートによってベルトに損傷が与えられることが
有り、更に物品をプレートの上を越えて搬送する細い丸
ベルトが強度的に弱くて切れ易く、丸ベルトの取換えが
厄介で困難である等の問題点が見られる。

従って、この考案の目的はこの様な従来における問題
点を解決するために、蛇行および脱輪し易い複数個の細
いベルトを用いるベルト仕分け機において、ベルトを上
下から挟み込むプレートと、このプレートの上面より搬
送面が高くなるようプレートの上流側および下流側に設
けられた直径が幾分大きなローラとから成るベルト脱輪
防止装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上述の目的を達成するために、この考案に従えば、ベ
ルト脱輪防止装置は、複数個の細いベルトを用いたベル
ト仕分け機において、該複数個の細いベルトを上下より
挟み込む一対のプレートと、該一対のプレートの上流側
および下流側に設けられた複数個のローラとを備え、該
プレートに最も近いローラの直径を幾分大きくしてプレ
ートの上面よりもローラの搬送面が高くなるようにした
ことを特徴としている。

［作用］ そして、この考案は上述の手段によって、複数個の細
いベルトを一対のプレートにより挟み込んで支持するこ
とによってベルトの蛇行と脱輪を良好に防止することが
出来ると共に、このプレートの上流側および下流側に直
径が幾分大きくなったローラを設けることによってロー
ラの搬送面がプレートの上面よりも高くなり、これらロ
ーラによってプレートの上を通過する物品をプレートに
強く接触させることなく通過させることが出来るので、
ベルトや物品を何等損傷させることなく好適に搬送する
ことが出来る。

この考案の他の目的や特長および利点は以下の添付図
面に沿っての詳細な説明から明らかになろう。

［実施例］ 図面の第１図乃至第５図に示される様に、この考案の
ベルト脱輪防止装置10が設けられるベルト仕分け機１は
一対の間隔を置いた平行な側フレーム２間に適宜な間隔
を置いて平行に設けられた複数個の細いベルト３を電動
機の様な適宜な駆動装置４によって駆動するもので、搬
送方向に間隔を置いて設けられた支持ローラ５によって
ベルト３が支持されるようになっている。これら支持ロ
ーラ５は側フレーム２に回転自由に支承されている。

この様なベルト仕分け機１にこの考案のベルト脱輪防
止装置10が適宜な箇所、例えばベルト仕分け機１の最下
流部付近等のベルト３の脱輪する可能性の有る箇所にベ
ルト仕分け機１の機長に応じて１箇所または２箇所等に
設けられる。この考案のベルト脱輪防止装置10は第３
図、第４図および第５図にも詳しく示される様に、複数
個のベルト３を上下から挟み込むよう設けられた一対の
プレート11、12と、このプレートの上流側および下流側
に設けられた直径が幾分大きな複数個のローラ15とから
主に構成されている。一対のプレート11、12はベルト３
に損傷を与えないような材料、例えば合成樹脂等で造ら
れていて、図示される様に平行に間隔を置いて配設され
た複数個のベルト３を上下から挟み込むように設けら
れ、且つベルト３を左右から所要の間隔を置いて支持す
るように一対のプレート11、12の間にスペーサ14が設け
られていて、これによってベルト３の上下および左右の
蛇行を防止することが出来るように成っている。この様
なベルト３を上下および左右から挟み込む一対のプレー
ト11、12の前後にはベルト３のための溝空所部分18が形
成されたローラ15が少なくとも１個宛、好適には複数個
宛設けられている。図示の実施例の場合には２本宛設け
られている。従って、ベルト３はこれらローラ15の溝空
所部分18を何等抵抗なく通過することが出来ると共に、
またベルト15の間のローラ部分16は直径が幾分大きくな
っていてローラ15の搬送面がプレート11の上面より僅か
に高くなる様に成っており、ベルト３を挟み込んだプレ
ート11を物品Ａが強く接触する事なく通過できるように
成っている。また、ベルト３が通るローラ15の溝空所部
分18の溝深さは、常時はベルト３が抵抗なく通過するこ
とが出来、物品Ａが当該部分に到達した時に溝空所部分
18の溝にベルト３が軽く接触して物品Ａを搬送できる程
度の駆動力を与えて、物品Ａが無理なくプレート11の上
を乗り越える事ができるのが好適である。

更に、このプレート11に最も近いローラ15の次に設け
られるローラ20は、ローラ20の搬送面がベルト３の搬送
面とほゞ同じ高さに成るような直径に造られている。ま
た、この様なローラ15、20のローラ部分16、21は物品Ａ
との接触係合を良好にするために適宜な軟質合成樹脂材
料やゴム材料から造られるのが好適である。

この様に構成されたこの考案のベルト脱輪防止装置10
は、ベルト仕分け機１のベルト３が蛇行および脱輪し易
い適宜な箇所に設けられていて、ベルト３を損傷するこ
とのない軟質の合成樹脂材料等で造られた一対のプレー
ト11、12がベルト３を上下から挟み込んでいるために、
ベルト３の上下および左右の方向への動きが抑制されて
ベルト３の蛇行や脱輪が良好に防止され、更にこれらプ
レート11、12の上流側および下流側に設けられたローラ
15の直径が幾分大きく造られてローラ15の搬送面がプレ
ート11の上面よりも高くなるように選ばれているので、
物品Ａがベルト脱輪防止装置10のプレート11の上を通過
する時に物品Ａがプレート11に強く接触すること無く通
過させることが出来るので物品Ａやベルト３を何等損傷
させること無く好適に搬送できる。また、この考案のベ
ルト脱輪防止装置10はベルト３の蛇行や脱輪を防止する
ために一対のプレート11、12によってベルト３を上下か
ら挟み込み、また直径が幾分大きなローラ15によってロ
ーラ15の搬送面がプレート11の上面よりも高くなるよう
にローラ15の直径が選ばれるので、このローラ15によっ
て物品Ａがベルト３から離されてプレート11の上を楽に
通過する事が出来、ベルト３の蛇行や脱輪を良好に防止
できると共にベルト３を無理なく正常な状態に戻すこと
が出来る。

更に、この考案のベルト脱輪防止装置10はベルト３を
上下から挟み込む一対のプレート11、12と、プレート1
1、12の上流側および下流側に設けられるローラ15とか
ら構成されるので、装置自体を簡素に造ることが出来る
と共に製造費が安く出来、装置の維持管理が簡単であ
る。

また、図面の第６図にはこの考案のベルト脱輪防止装
置10′の別の実施例が示されており、この実施例では固
定のプレート11、12に対してプレート11、12の上流側お
よび下流側に設けられるローラ15′、20′が上下に昇降
できるようにローラ15′、20′を支承する支持部材22が
エアシリンダやアキュームレータ等の作動装置24によっ
て上下動されるように成っている。

すなわち、この実施例のベルト脱輪防止装置10′にお
いては、物品Ａが通過する時にのみエアシリンダ等の作
動装置24が作動されてローラ15′、20′の搬送面がプレ
ート11の上面とベルト３の搬送面の上方に位置されるよ
うにローラ15′、20′が押上げられ、物品が通過した後
は再びベルト３の搬送面の下に位置する様にローラ1
5′、20′が下げられるもので、この様なローラ15′、2
0′の上下動によって物品Ａがベルト脱輪防止装置10′
上を通過する時にのみベルト３がローラ15′、20′の溝
空所部分とプレート11、12とに接触するようにしてベル
ト３の接触時間を短くし、これによってベルト３に対す
る抵抗を極めて少なくして、ベルト３に何等損傷を与え
ないようにしている。

［考案の効果］ この様に構成されたこの考案のベルト脱輪防止装置に
依れば、複数個の細いベルトを用いるベルト仕分け機の
ベルトの蛇行および脱輪の生じ易い適宜な箇所にベルト
を上下から挟み込む一対のプレートを設け、これらプレ
ートの上流側および下流側にローラの搬送面がプレート
の上面よりも高くなるように直径が選ばれたローラを設
けることによって、ベルトの蛇行および脱輪を好適に且
つ確実に防止することが出来ると共に、ベルトの蛇行お
よび脱輪を防止するプレートの上を物品が楽に通過でき
て物品がプレートに強く接触することが無いので物品や
ベルトを何等損傷させること無く物品を搬送でき、また
一対のプレートとローラとの僅かな数の部品からのみベ
ルト脱輪防止装置を構成できるので、装置自体の構造が
簡単に成ると共に安価に製造することが出来、装置自体
の維持管理が簡単且つ良好に出来る等の効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のベルト脱輪防止装置が設けられたベ
ルト仕分け機の正面部分図で、第２図はその平面図、第
３図はこの考案のベルト脱輪防止装置の平面図で、第４
図はその正面図、第５図は端面図、第６図はこの考案の
ベルト脱輪防止装置の別の実施例の正面部分図である。
図中、1:ベルト仕分け機、2:側フレーム、3:ベルト、4:
駆動装置、5:支持ローラ、10:ベルト脱輪防止装置、1
1、12:プレート、14……スペーサ、15、15′、20、2
0′：ローラ、16:ローラ部分、18:溝空所部分、22:支持
部材、24:作動装置、A:物品。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の細いベルトを用いたベルト仕分け
   機において、該複数個の細いベルトを上下より挟み込む
   一対のプレートと、該一対のプレートの上流側および下
   流側に設けられた複数個のローラとを備え、該プレート
   に最も近いローラの直径を幾分大きくしてプレートの上
   面よりもローラの搬送面が高くなるようにしたことを特
   徴とするベルト脱輪防止装置。