JP2501054Y2 - 時計エレメントの接続構造 - Google Patents

時計エレメントの接続構造

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JP2501054Y2
JP2501054Y2 JP1988097255U JP9725588U JP2501054Y2 JP 2501054 Y2 JP2501054 Y2 JP 2501054Y2 JP 1988097255 U JP1988097255 U JP 1988097255U JP 9725588 U JP9725588 U JP 9725588U JP 2501054 Y2 JP2501054 Y2 JP 2501054Y2
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全雄 真舩
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は時計エレメントの少なくとも一つを平面的に
重合させないよう配置した時のエレメントの接続構造に
関する。
〔従来の技術〕
近年の電子技術のめざましい向上に伴ない、腕時計分
野に於いても単に時刻の表示のみでなく、種々の他の情
報を伝える腕情報機器としての性格を有するようになっ
てきた。腕情報機器としていろいろの情報を伝えるため
には、高容量の電池や多くの容量をメモれる高容量メモ
リIC等の電子部品が必要となり、従って時計としてもエ
ネルギー源としての電池を複数化したり、サイズの大き
い電池を収納するためのスペースや、高容量のメモリー
を可能とする広い回路スペースや、広い表示部、操作の
複雑化を防止するための広い外部操作部、あるいは音声
情報を良くするためのスピーカやマイクロフォン等の時
計エレメントを配置するための広いスペースを必要とす
る。しかし、現在一般的に使用されている腕時計の構造
では、上述の各時計エレメントを時計の側の中に入れよ
うとすると、時計の側が厖大に大きくなってしまった
り、平面的スペースをできる限り小さくしようとすれば
各時計エレメントが重なり合うため非常に厚くなってし
まう等のため、腕に装着することが大変見苦しくなって
しまう。
この改良として、時計側だけでなく従来はバンド部と
して使用されていた部分へもいくつかの時計エレメント
を収納しようという案も提案されている。その一つとし
て例えば特開昭51-104862号公報が上げられる。これは
部品をばらしてバンド上に配設するという考え方は非常
に良いのではあるが、樹脂にてモールドする際樹脂流れ
による成形圧が数百kgも加わるため、単に部品を半田付
や接着によって固定しておいただけでは、一体成形する
ことは困難であるという大きな欠点を有している。更に
この改良として実開昭62-81088号公報に開示されたもの
が提案されている。これは、時刻表示部と計算機の操作
部とを平面的に重合しない位置に配置し、両エレメント
を折り曲げ可能な軟質樹脂製の中間部で接続するととも
に、中間部の中にFPCを配し両エレメントを電気的に接
続した構造を有するものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、実開昭62-81088号公報に開示されたFP
Cは両エレメント間を直線的につないでいるものである
が、一般にFPCは可撓性のある絶縁体の樹脂シートに導
電パターンとして銅や金等の導電性のある金属やカーボ
ン等の薄膜を設けたもののため、一時的な引張りや曲げ
等の破壊に対しては耐久力があるが、繰り返しの破壊に
対しては断線等の問題が発生し易いもので、上記の如き
直線状に張られたFPCにおいては特に引張りや曲げの繰
り返し応力に対する耐久性に弱い欠点を有している。ま
たFPCをインサートモールドする時、樹脂流れの成形圧
により上下どちらかに偏り曲がりが生じ、規定位置に加
工することは困難である。
更に実開昭62-81088号公報に開示された中間部の樹脂
部には溝部2a1が形成されているが、側面から見た時溝
部2a1は上下同じ位置に形成されているため折り曲げた
時の樹脂に発生する応力は溝部の極く近傍にのみ発生
し、樹脂自体も繰り返し耐久に弱い欠点を有している。
本考案の目的は、上述の欠点を解消するもので、平面
的に離して配置されたエレメント間の電気的接続と機械
的接続の信頼性を高める構造を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するための本考案の要旨は、時刻表示
部、回路部、電源部、スイッチ部、を個々の内胴に収納
した各エレメントを、他のエレメントとは平面的に重合
しないよう、且つ前記時刻表示部に対し12時方向の側に
前記電源部を、6時方向の側に前記スイッチ部と前記回
路部を配置するとともに、隣接する各エレメントを可撓
性の導電部材で電気的に接続させ、前記内胴を前記導電
部材を含めて一体的に軟質の樹脂部材にて被覆し、前記
導電部材は前記隣接するエレメントの間の接続部におい
て、3時−9時方向の表示部側が凸条の山となるように
山形形状に形成すると共に、接続部における樹脂は前記
導電部材の山形形状に沿って溝を形成し、該溝を側面か
ら見た時上下に重ならないよう、表示側に2個を、表示
側と反対側には表示側の2個の間にくるように1個を互
い違いに形成したことを特徴としている。
〔実施例〕
以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。第1
図は本考案の実施例による時計の要部断面図、第2図は
時計の平面図、第3図は腕に装着した状態を示す要部断
面図、第4図はエレメントの接続部を示す斜視図であ
る。第2図は本考案の時計の一例を示しており、時計1
は中央に時刻表示部であるアナログ表示部2を有し文字
板15上の切分15aと時針16、分針17により時刻表示を行
なう。3は回路部であり、時計1の電気的駆動の制御を
行なう回路素子とデジタル表示部4を有している。5は
スイッチ部であり、時刻修正等のための外部入力操作部
である。6は音声部で、時計としては比較的大きい圧電
スピーカ等により形成されている。7は電源部で、時計
1へ電気エネルギーを供給している。本考案の時計1は
第2図の如く、アナログ表示部2を中央に、その右側で
あるアナログ表示部2の12時側に操作や可視部分とは直
接関係の無い音声部6と電源部7とを、また左側である
アナログ表示部2の6時側に操作や可視部分と直接的に
関係してくるスイッチ部5と回路部3というように各エ
レメントをそれぞれ重合しないように配列されていて、
各エレメントを後述する接続部8でそれぞれつないでい
る。本実施例の時計を第1図、第4図を用いて更に詳し
く説明する。11はアナログ表示部2の各部品を収納する
内胴IIIで、文字板15を一体化したムーヴメント14に時
針16、分針17が取付けられており、表面は風防18で裏面
は裏蓋19で覆われる構成となっている。9は回路部3の
各部品を収納する内胴Iで、回路チップ21や水晶22等の
電子部品を搭載した回路基板20を収納するとともに、デ
ジタル表示部4を構成する液晶表示素子23と回路基板20
とは導電コネクター24で接続し、裏蓋25で裏面よりカバ
ーされる構成となっている。10はスイッチ部5の部品を
収納する内胴IIであり、表面に印刷を施こした所定形状
のスイッチ板26で形成されていて裏面は裏蓋27で覆われ
ている。12は音声部6の各部品を収納する内胴IVで、圧
電素子29を固着した振動板28を収納して裏蓋30で裏面を
覆っている。13は電源部7の各部品を収納する内胴V
で、(+)リード板32と(−)リード板33に接続される
電池31を納め、裏面より電池ハッチ34を固定している。
さて本実施例の時計1は各エレメントが平面的に重合し
ないように配列されているが、各エレメントを電気的に
接続する必要があり、これを達成しているのが各エレメ
ントの下方に配置された可撓性回路基板35であり、この
可撓性回路基板35の防水性をとることと各エレメントを
接続するために各エレメントの必要個所を除いた部分と
接続部8及び必要に応じて図示していないがバンド部を
含めて軟質性樹脂36にてほゞ全体を樹脂モールドする構
成となっている。次に接続部8の構造を第4図により詳
述すると、エレメントを電気的に接続する導通パターン
35aを有する可撓性回路基板35は接続部8のほゞ中央部
において山形形状を成す弛緩部37が形成されており、軟
質性樹脂36は可撓性回路基板35の形状に沿って上側に2
条の溝である上凹部36bがまた下側に1条の下凹部36aが
形成されている。この接続部8の形状は、溝を側面から
見た時上下に重ならないように、表示側に2個を、表示
側と反対側には表示側の2個の間にくるように1個を互
い違いに形成した形状を有している。これによって後述
のように、繰り返しの折り曲げ応力に強く、また複数の
エレメントを接続しても必要以上に長くはならず、腕へ
の装着性も良くなる。
以上のような構成のものを腕に装着した時の様子を第
3図により説明する。アナログ表示部2を腕38の上部の
最も見易い位置に載置し、全体を腕38に巻き付けてゆく
と、各エレメントは元の形状を変形させることはないが
接続部8は図のように軟質性樹脂36の上凹部36bは溝巾
が広がり、下凹部36aは溝巾が狭まりながら腕38にうま
くフィッチするようになっている。この際、可撓性回路
基板35は接続部8においてその長さ等は大きく変わるこ
とはなく、従って大きな応力がかかることもなく、各エ
レメント間の電気的接続は充分な信頼性を得ることがで
きる。
次に第5図を用いて特に接続部の加工法を簡単に説明
する。第5図は加工法の金型断面を示す要部断面図であ
る。第5図(イ)において、金型39に図示しない位置決
めピン等を用いて例えば内胴IV12と内胴V13等を位置決
めし、コマ押エピンI40で内胴を固定、且つ基板押エピ
ン41で可撓性回路基板35の弛緩部37を形成する。その状
態で軟質性樹脂36をモールドして内胴IVとV12、13を覆
い、接続部8の上凹部36bを成形する。次に第5図
(ロ)の如く、コマ押エピンI40と基板押エピン41を取
り除き、コマ押エピンII42と接続部押エピン43により内
胴12、13や接続部8を押エ更に樹脂モールドすると、第
5図(イ)で樹脂成形できなかった部分と接続部の下凹
部36a等を成形できる。これは2色成形法とも呼ばれる
成形法で、これにより第1図や第2図に示す時計1が完
成する。
〔考案の効果〕
以上述べた如く、エレメントを並列配置させるとき、
スイッチ部のような外部より操作の必要なものは手前側
に、操作の不必要なものは遠い側に配置するよう構成し
たので、使い易い時計を得ることが出来るものであり、
また一体で被覆形成してあるのでエレメントや導電部材
の組み込み性も良く、接続部の強度も強くなる。接続部
の強度の面から言えば、被覆した樹脂に導電部材の山形
状に沿った溝を形成し、この溝が、上下に重ならないよ
う、表示側に2個が、反対側に1個がくるように互い違
いになるように形成したので、接続部の引っ張りやねじ
れに充分耐えることのできる構造と成すことができ、ま
た溝部の存在により折り曲げの繰り返しにも充分な耐久
を有している。更には山形形状が1個で形成されている
ためエレメント間の間隔も小さくなり、腕時計として充
分使用可能な範囲である。このような本考案によれば、
強度的にも大きさ的にも腕時計として充分実用化が可能
であり、腕時計としての商品的価値あるいはその商品バ
ラエティーを増やし、産業上への多大な貢献を成し得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例による時計の要部断面図、第2
図は第1図の時計の平面図、第3図は腕に装着した状態
を示す要部断面図、第4図はエレメントの接続部を示す
斜視図、第5図(イ)(ロ)は接続部の加工法を示す要
部断面図である。 1……時計、2……アナログ表示部、3……回路部、4
……デジタル表示部、5……スイッチ部、6……音声
部、7……電源部、8……接続部、9、10、11、12、13
……内胴、14……ムーヴメント、20……回路基板、21…
…回路チップ、23……液晶表示素子、26……スイッチ
板、28……振動板、29……圧電素子、31……電池、35…
…可撓性回路基板、36……軟質性樹脂、36a……下凹
部、36b……上凹部、37……弛緩部、39……金型、41…
…基板押エピン、43……接続部押エピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−120972(JP,A) 特開 昭58−42987(JP,A) 実開 昭57−86492(JP,U) 実開 昭58−8319(JP,U) 実開 昭62−81088(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】時刻表示部、該時刻表示部を駆動するため
    の回路素子を有する回路部、エネルギーを供給する電池
    を有する電源部、時刻修正等を行なうための外部操作部
    材を有するスイッチ部を個々の内胴に収納した各エレメ
    ントを少なくとも備えた時計において、前記各エレメン
    トを他のエレメントとは平面的に重合しないよう、且つ
    前記時刻表示部に対し12時方向の側に前記電源部を、6
    時方向の側に前記スイッチ部と前記回路部を配置すると
    ともに、前記の隣接する各エレメントを可撓性の導電部
    材で電気的に接続させ、前記内胴を前記導電部材を含め
    て一体的に軟質の樹脂部材にて被覆し、前記導電部材は
    前記隣接するエレメントの間の接続部において、3時−
    9時方向の表示部側が凸条の山となるように山形形状に
    形成すると共に、該接続部における樹脂は前記導電部材
    の山形形状に沿って溝を形成し、該溝を側面から見た時
    上下に重ならないよう、表示側に2個を、表示側と反対
    側には表示側の2個の間にくるように1個を互い違いに
    形成したことを特徴とする時計エレメントの接続構造。
JP1988097255U 1988-07-22 1988-07-22 時計エレメントの接続構造 Expired - Lifetime JP2501054Y2 (ja)

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