JP2501021B2 - ブラインドリベットの固定方法及び固定装置 - Google Patents

ブラインドリベットの固定方法及び固定装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定作業時に電動モー
タにより生成される締付け力を用いてブラインドリベッ
トおよびブラインドリベットナットを固定する固定方
法、ならびに電動モータにより駆動される締付け機構を
備えたブラインドリベットおよびブラインドリベットナ
ットの固定装置に関する。
【0002】以下にいう“ブラインドリベット”という
用語には、請求項1の引用部分を除き、特に別記されて
いない限り“ブラインドリベットナット”が含まれるも
のとする。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】この種
の固定方法およびこの種の固定装置は、ドイツ特許公報
第 41 26 602号から公知である。
【0004】ブラインドリベットを固定する際には多く
の場合、ブラインドリベットによって生成される接合力
が適正であることを明らかにすることが望ましく、必要
でさえある。とくに、ブラインドリベットが必要な強度
で固定されていることを確認する必要があろう。締付け
力が小さすぎると、必要な強度のリベット接合の得られ
ないおそれがあるし、締付け力が大きすぎると、材料が
破損したりブラインドリベットナットのねじ部が破損し
たりするおそれがあるからである。
【0005】欧州公開特許公報第 0 454 890号から、電
動式、油圧式、空圧式、または油圧空圧式固定装置とい
ったギア付き装置の締付け機構内に力測定装置を備え、
これによってリベット固定装置が所定の締付け力で作動
していることを確認する方式が公知である。この力測定
装置は、歪みゲージまたは圧力セルからなっており、い
ずれも機械的応力を電気量へ変換する。固定動作の判定
と監視はそれぞれ、電気的に行われる。すなわち到達し
測定された力を固定メモリに保存された目標値と比較す
ることにより行われる。この方式の欠点は、力を把握す
るために、ケーブル敷設や配線を必要とする歪みゲージ
または圧力セルという追加エレメントを要することにあ
る。加えて、これら追加エレメントが締付け機構部に配
置されているという問題、すなわちリベット固定装置の
毎日のメインテナンスの際に取り外さなければならない
部分に配置されているという問題もある。このため、メ
インテナンスに手間がかかるのである。さらに、測定装
置または測定回路を破損するおそれもある。そのうえ、
歪みゲージの取付けにともなう一連の要因が、測定値の
判定結果に悪影響を与える。すなわち、直径、締付け機
構の誤差、生産ロット間での素材の弾性率の変化、温度
影響などといった要因が測定結果に直接影響を与えるの
である。
【0006】米国特許公報第 5 105 719号は、リベット
ヘッドをなす工具をリベットマシン内で位置決めするた
めの油圧式リベット固定装置を開示している。この装置
では、成形工具が油圧シリンダによって作動する。油圧
シリンダは、ボールスクリューを介してモータと結合さ
れており、モータはさらにコントローラと結合されてい
る。コントローラには、モータによって生成されたモー
メント、ならびにモータの運動および運動速度の数値が
送られる。これと同時にコントローラは、油圧シリンダ
の動作に必要な油圧力を、モータによって生成されるモ
ーメントがゼロとなるように制御する。
【0007】ヨハネス フォーゲル(Johannes Vogel)
は、その著書「電気駆動技術の基礎と計算例」(第4
版、VEB- Verlag Technik社1989年発行)の2
54〜257ページにおいて、パワーコンバータにより
給電される直流および交流駆動装置について述べてい
る。ここでは、パワーコンバータやその他コントローラ
からの情報のフィードバックに関し複数の例が挙げられ
ている。
【0008】欧州公開特許公報第 0 549 333号は、モー
タの負荷が監視されているブラインドリベット固定装置
について述べたものである。この装置では、締付け機構
の締付け力が一定の値に達したあとには、負荷が適切な
値に達していなければならない。でないと装置が停止す
る。なんらかの障害が発生したと想定できるからであ
る。
【0009】かくして本発明の課題は、機械的構造を変
更することなく、電動固定装置の固定動作の監視を可能
たらしめることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】この課題は、請
求項1に記載の方法、すなわち、入力電流の目標電流範
囲をブラインドリベットやブラインドリベットナットの
材料と寸法に応じて選択するとともに、固定動作時の実
際の入力電流が上記目標電流範囲内の最大値に達してい
るかどうか監視することによって解決されている。
【0011】電動モータにおいては、その消費電流が、
そのモータが発生するモーメント(トルクとも呼ばれ
る)の直接的な尺度である。この発生モーメントと入力
電流との関係は、必ずしも線形とは限らない。この関係
はたとえば、二次関数的でもありうる。しかしいずれに
せよ、モーメントと入力電流とは互いに密接に関係して
いる。モータは一般に、既知のギア比をもつギアを介し
て締付け機構を駆動することから、モータが発生するモ
ーメントを締付け力へ換算することは比較的簡単であ
る。そして固定動作の際に生じる締付け力、とくにその
最大値から、リベット接合部の品質を帰納的に推定する
ことができる。モータと締付け装置間のギア比は変化し
ないので、締付け力を直接測定する必要はない。ブライ
ンドリベットを固定する際のモーメントが判明すれば充
分である。このモーメントは、入力電流によって表すこ
ともできる。摩擦などによる固定装置での損失は、ほと
んどの場合無視することができる。損失が固定力に比し
て無視できないほど大きい場合には、適宜その損失を考
慮に入れることができる。消費電流を求めることは、比
較的簡単に可能である。電動式のブラインドリベット固
定装置はそのほとんどが電子制御装置を備えており、こ
れを電流測定ができるように拡張しさえすればよいから
である。つまり、故障の潜在的原因である機械的電気的
な測定値検出エレメント、たとえば圧力セルや歪みゲー
ジを追加する必要はない。おそらく、装置内にある情
報、すなわち電流の推移を固定動作判定の基準として使
用することができるであろう。つまり固定動作中の電流
の推移を監視すればよい。しかも原理的に見て、電流の
推移によって表される力の推移のうち、固定動作が適正
に行われているか否かを判定するのに重要なのは、最大
値だけである。ブラインドリベット打ち作業においてこ
の最大値が生じるのは、リベットピンがつぶれた瞬間で
ある。ブラインドリベットナットで最大値が生じるの
は、やはり固定作業の最後においてである。最大値が小
さすぎて目標電流範囲から外れていれば、それはリベッ
ト打ち作業に欠陥があるか、またはリベット固定装置に
障害のあることを示している。たとえば、締付け装置の
チャックが摩耗していてピンが滑ったり、あるいはリベ
ットの固定力が弱すぎたりすると、これら欠陥や障害が
現れる。最大値が大きすぎると、汚れに起因する固定装
置での摩擦が増大したり、選択リベットが不適当となり
接合部品の破損を招いたりする。いずれの場合もエラー
表示により使用者への警告が行われる。
【0012】目標電流範囲は、請求項2に示すように、
温度および/ または入力電圧に応じて補正することが望
ましい。入力電流とモータが発生するモーメントとの関
係は、温度や入力電圧により変わってくることがある。
したがって、たとえば8時間交代での作業中に、モータ
の反復使用によってモータの温度が高くなった場合、温
度上昇によって誤ったエラー表示や余計なエラー表示が
行われないよう、温度補正を行うことができる。入力電
圧の変動についても、とくにモータがバッテリまたは電
池によって駆動式されているときにバッテリや電池の充
電状態に応じて入力電圧が低下した場合についても、同
様である。
【0013】目標電流範囲は、また請求項3に示すよう
に、所期の実際のリベット打ち作業に匹敵する条件のも
とで1回以上のリベット試打ちを行うことによって確定
することができる。これはたとえば、1つのサンプルリ
ベットで試打ちを行い、このとき必要な入力電流を測定
することにより実現可能である。この試打ち接合が適正
がどうかは、たとえば接合部材料の破壊検査により確認
でき、その後の実際のリベット打ち作業で基準値として
使用する目標電流範囲は、得られた最大電流値に基づき
設定することができる。
【0014】もっと簡単なのは、請求項4に示すよう
に、リベット試打ち時に電流の推移またはそれから導か
れた少なくとも1つの値をメモリへ保存し、この値を目
標電流範囲の設定に利用する方法である。この場合、電
流の推移またはそれから導かれた値、たとえば最大値
を、いったん読み出し、換算し、あらためて入力する必
要がない。電流の推移または値を、あとで目標電流範囲
を出力するため使用されるメモリへ直接保存することが
できるからである。
【0015】請求項5に示すように、入力電流があらか
じめ定められた最大値に達すれば、モータへの給電がた
だちに遮断されるようになっていると便利である。この
ような方法は、とくにブラインドリベット固定作業時に
有利である。この場合、入力電流があらかじめ定められ
た最大値に達すると、ブラインドリベットナットが必要
な力で確実に固着する。一方、締付け力は、ねじ部が破
損しないよう最大値によって制限される。
【0016】場合によっては、請求項6に示すように、
温度および/ または電圧に応じて補正された入力電流の
推移、またはそれから導かれた値が、連続的なリベット
固定動作にともなってメモリへ保存されるようになって
いると便利である。多くの製造分野では、2つ以上の部
品が、1回のリベット打ちによってだけでなく、数多く
のリベット打ちによって接合されている。この場合、メ
モリに保存された結果をあとで分析することにより、多
くのリベット接合が適正に実施されているか否かの情報
を得ることができる。さらに、電流の推移またはそれか
ら導かれた値を連続して保存することにより、装置のメ
インテナンスの必要性に関する情報も得ることができ
る。たとえば最大値が連続的に上昇していれば、それは
汚れが進んでいることの兆候である。これに対して、最
大値が目標電流範囲に達しない事態が繰り返し起これ
ば、それは締付け機構、とくにそのチャック部が摩耗し
ていることの兆候である。
【0017】さらに便利なのは、請求項7に示すよう
に、入力電流の推移またはそれから導かれた値を分類
し、各分類等級ごとに結果の数だけをメモリに保存する
方式である。この方式によって、重要な情報を失うこと
なく、所要メモリ容量を大幅に低減することができる。
【0018】この課題は、冒頭に述べた種類のある固定
装置では、請求項8に示すように、モータの消費電流を
監視する、分析装置と接続された電流測定装置を備えて
おり、分析装置にはコンパレータが内蔵されている制御
回路を設けることにより解決されている。
【0019】上述のとおり、締付け装置が生成する力は
モータ消費電流から直接に把握することができ、このこ
とは、リベット接合またはブラインドリベットナット固
定の適正さの帰納的推定を可能にする。このとき分析装
置は、リベット固定動作の直後に、たとえば“正常”ま
たは“異常”といったかたちで適正さの有無を表示する
ことができる。分析装置は、固定装置の不具合、または
メインテナンスや修理の必要性を指摘することができる
のである。すなわち、入力電流を数値によって把握し判
断する必要がなくなる。単に、入力電流が一定の閾値に
達するか否かを監視しさえすればよい。入力電流が閾値
に達していれば、それは固定動作が正常に行われている
ことを示している。
【0020】コンパレータを、請求項9に示すように、
あらかじめ選択可能な少なくとも2つの閾値のうち1つ
を出力する閾値発生器と接続すると便利である。閾値
は、たとえばリベットの材質および/ またはサイズに応
じて選択することができる。たとえばアルミニウム製の
ブラインドリベットとスチール製のそれとでは、必要な
締付け力が違ってくる。複数の閾値から、固定するブラ
インドリベットに応じてどれかを選択できることによっ
て、固定装置を各種ブラインドリベットに適用すること
が可能となる。
【0021】この場合、請求項10に示すように、モー
タ温度計および/ またはモータ電圧計を閾値発生器へ接
続し、閾値発生器がモータ温度および/ またはモータ電
圧に応じて、事前選択可能な閾値を変更するようにして
おくと便利である。これによって、特定のモータ温度お
よび/ または電圧状態に応じた閾値だけが用いられるよ
うになる。温度や入力電圧が変わると、閾値もそれに応
じた値となる。このようにするためには閾値発生器がた
とえば、モーメント、入力電流、温度、入力電圧間の特
徴的関係を、曲線または表のかたちで記憶しておくこと
のできるものであればよい。
【0022】閾値発生器は、請求項11に示すように、
各種の閾値が保存された記憶装置を備えていると便利で
ある。これによりそれぞれの閾値を、ブラインドリベッ
トの材質とサイズの組合せに対応させることができるか
らである。
【0023】この場合、請求項12に示すように、記憶
装置が、ピーク電流計と、複数のピーク電流を一時的に
保存しておくためのバッファと、保存されたピーク電流
値から平均値および/ または許容差を求めるための演算
ユニットとを備えた読取り装置に接続されているととり
わけ便利である。これによって、リベット試打ちの際、
リベット接合に必要な閾値を簡単に求めることができ、
必要ならこの閾値を所定の許容差で記憶装置へ保存する
こともできる。このようにして求めた値は、のちに類似
のリベット接合作業を行う場合に呼び出して利用するこ
とができる。
【0024】コンパレータは、請求項13に示すよう
に、ウィンドウコンパレータとなっている。このコンパ
レータでは、ウィンドウを作るために2つまたは1つの
閾値が必要である。ウィンドウは、目標電流範囲を示し
ている。したがって固定動作の際に求められた電流の最
大値は、このウィンドウのなかに入っていなければなら
ない。最大値が小さすぎると、リベットの固定に必要な
力が得られない。最大値が大きすぎる場合には、固定装
置に汚れまたは破損があるか、あるいは不適切なブライ
ンドリベットが使用されている。
【0025】締付け機構には、請求項14に示すよう
に、分析装置と接続された位置センサが備っていると便
利である。位置センサによって、特性点における電流の
推移を確認できるからである。位置センサはまた、特定
の動作範囲内の電流が所定の値に達しているか否かを確
認するのに用いることもできる。
【0026】請求項15に示すように、位置センサとし
てリミットスイッチを用いることもできる。これによ
り、固定動作中の、すなわち最終位置へ達する前に、必
要な最大電流が生じたかどうかを極めて簡単に確認する
ことができる。
【0027】
【実施例及び発明の効果】以下では、添付の図面に基づ
いて本発明の有利な実施例を説明する。添付の図1は、
本発明の固定装置の回路レイアウト図である。
【0028】ブラインドリベットまたはブラインドリベ
ットナットの固定装置には、図式的に示した締付け装置
1が備っており、この締付け装置はギア2を介して電動
モータ3により駆動される。
【0029】電動モータ3は、オペレータが操作スイッ
チ5を閉じると電源4から給電される。電源4とモータ
3との間には、第1の回路遮断器6と第2の回路遮断器
7が配置されている、これら遮断器の機能については後
述する。
【0030】モータ3と電源4との間にはさらに、電流
測定装置8が配置されている。これには、最もシンプル
なものとしては電流/ 電圧変換器を使用することができ
る。
【0031】ただし電流測定装置8に、電流値をデジタ
ル量へ変換するA/ D変換器を搭載することも可能であ
る。
【0032】電流測定装置は、切換スイッチ9を介して
ウィンドウコンパレータ10へ接続されている。ウィン
ドウコンパレータは、補償装置11を介して目標値メモ
リ12と接続されており、このメモリはキーボード13
から操作することができる。
【0033】モータ3には、回線TおよびUが示すとお
り補償装置と接続された温度センサ14および電圧計1
5が備っている。
【0034】ウィンドウコンパレータ10は、第2の回
路遮断器7と接続されている。ウィンドウコンパレータ
10からの信号によって、回路遮断器7が開く。
【0035】締付け機構1が最終位置に達するとリミッ
トスイッチ16が閉じ、これによって第1の回路遮断器
6が開くとともにその信号がウィンドウコンパレータ1
0へ送られる。
【0036】ウィンドウコンパレータ10には、表示装
置17と結果メモリ18(結果を記憶するメモリをい
う)とが接続されており、結果メモリには分類装置19
を前置することができる。
【0037】切換スイッチ9は、ウィンドウコンパレー
タ10と接続されていない別の出力部により、バッファ
20へ接続されており、このバッファは演算装置21を
介して目標値メモリ12(目標値を記憶するメモリをい
う)に接続されている。
【0038】この回路は、以下のように動作する。
【0039】キーボード13により、目標値メモリ12
から一対の目標値が、すなわち固定しようとするブライ
ンドリベットまたはブラインドリベットナットの材質と
サイズに応じた一対の目標値が選択される。この一対の
目標値は、キーボード13からあらかじめ入力しておく
こともできる。ただし、目標電流範囲を定義するこの一
対の目標値は、1回以上のリベット試打ちの際に切換ス
イッチ9を点線で示した位置へ切り替えるとともに、リ
ベット試打ち時に電流測定装置8により測定されたモー
タ3の電流の推移をバッファ20へ一時保存することに
よって、目標値メモリ12へ読み込むことも可能であ
る。多くの場合、電流の最大値をバッファ20へ保存す
るだけで充分である。演算装置21は、リベット試打ち
時に求められた値から目標電流範囲を算出する。すなわ
ち演算装置は、種類のリベットに応じて目標電流範囲の
上限値と下限値を設定する。次いでこの目標電流範囲
は、目標値メモリ内の、キーボード13によりあらかじ
め選択された位置へ格納される。目標電流範囲を設定す
るには、多くのやり方がある。たとえば演算装置21
は、バッファに保存された値から平均値を求めることが
できる。次いでこの平均値から、許容差を加算または減
算することによって目標電流範囲の上限値または下限値
が生成される。許容差は、リベット試打ち時の値のばら
つきを分析することにより求めることもできる。
【0040】目標値メモリ12から読み出された、目標
電流範囲を定義する目標値対は、補償回路11へ送られ
る。補償回路11は、ブラインドリベットまたはブライ
ンドリベットナットに所要の締付け力がモータ温度Tお
よび実際のモータ電圧Uのときにも加わるところの電流
範囲に即した閾値がウィンドウコンパレータ10へ送ら
れるよう、モータ温度Tおよびモータ電圧Uに応じて目
標値を換算する。
【0041】キーボード13からは、動作モード、すな
わちブラインドリベットを固定するのかブラインドリベ
ットナットを固定するのかを選択することもできる。
【0042】ブラインドリベットナットを固定する場
合、部分的に異なる判定基準を使用しなければならな
い。ブラインドリベットナットを固定する場合にはリベ
ットピンは潰れず、したがってモータ電流の急激な降下
が起こらないので、到達すべきではあるが大きく上回っ
てはならないところの最大電流を定義しないと、所期の
固定を行うことができない。
【0043】この最大電流も当然、使用するブラインド
リベットナットによって、すなわちそのサイズや材質に
よって変わってくる。この場合ウィンドウコンパレータ
10は、電流が閾値を下回るとただちに、第2の回路遮
断器7へ動作信号を送る。これにより第2の回路遮断器
7が開き、よって固定動作が停止される。この停止は最
大モーメントに達した瞬間、すなわち力が最大になった
瞬間に行われるので、ブラインドリベットナットを確実
に固定することができる。最大電流は制限されているの
で、ねじ部の破壊も防止される。
【0044】あらゆる固定動作において、リミットスイ
ッチ16は、固定動作の監視を助けるのに用いることが
できる。ブラインドリベットの固定では、リミットスイ
ッチ16が作動するまえに電流が最大値に達していなけ
ればならない。ブラインドリベットナットの固定では、
たとえば調節可能なストリッパを用いて、締付けストロ
ークを調節することができる。この場合、リミットスイ
ッチ16が作動するちょうどそのときに電流が最大値に
達していなければならない。でないと、リミットスイッ
チ作動時に電流が目標電流範囲におさまっているか否か
を判断できないからである。
【0045】結果メモリ18により、様々な分析が可能
である。たとえばこのメモリから、固定装置メインテナ
ンスの必要性についての情報を得ることができる。時間
とともに最大値が上昇しているのは、固定装置の汚れが
ひどくなって摩擦が大きくなり、モータの消費電力が増
大したことを示している。リベット打ち作業において電
流が目標電流範囲に達しないことが多いのは、チャック
部が摩耗していることを示している。この場合チャック
がリベットで滑って、リベットが適正に固定されない。
【0046】多くの場合、最大値それ自体をメモリに保
存しておく必要はない。分類装置19により最大値を各
種分類等級に分類し、各分類等級ごとの結果の数を保存
しておくことにより、メモリスペースを節約することが
できる。最も単純なりリベット打ち作業では、3通りの
分類だけで、すなわち電流が目標電流範囲に達しなかっ
た場合、目標電流範囲におさまった場合、および目標電
流範囲を上回った場合に分類するだけで充分である。
【0047】目標電流範囲をさらにいくつかの範囲に細
分することにより、情報を一層精密にし、統計的に分析
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固定装置の回路レイアウト図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ 締付装置 2・・・ ギア 3・・・ モータ 4・・・ 電源 5・・・ 操作スイッチ 6・・・ 第1回路遮断器 7・・・ 第2回路遮断器 8・・・ 電流測定装置 9・・・ 切換スイッチ 10・・・ ウインドウコンパレーター 11・・・ 補償装置 12・・・ 目標値メモリ 13・・・ キーボード 14・・・ 温度センサ 15・・・ 電圧計 16・・・ リミットスイッチ 17・・・ 表示装置 18・・・ 結果メモリ 19・・・ 分類装置 20・・・ バッファ 21・・・ 演算装置
フロントページの続き (72)発明者 フーベルツ クレイン ドイツ 64546 メルフェルデン−ヴァ ルドルフ バーリナー シュトラーセ 24 (56)参考文献 特開 平4−284937(JP,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータによって生成される締付け力を
    用いてブラインドリベットおよびブラインドリベットナ
    ットを固定する方法であって、入力電流の目標電流範囲
    がブラインドリベットまたはブラインドリベットナット
    の材質や寸法に応じて選択されるとともに、固定作業中
    の実際の入力電流の最大値が上記目標電流範囲におさま
    っているか否かが監視されることを特徴とするブライン
    ドリベットの固定方法。
  2. 【請求項2】目標電流範囲が温度および/ または入力電
    圧に応じて補正されることを特徴とする請求項1記載の
    固定方法。
  3. 【請求項3】所期の実際のリベット打ち作業に匹敵する
    条件のもとで1回以上のリベット試打ちを行うことによ
    って目標電流範囲を確定することができることを特徴と
    する請求項1または2記載の固定方法。
  4. 【請求項4】リベット試打ちの際、電流の推移またはそ
    れから導かれた少なくとも1つの値がメモリに保存さ
    れ、この値がのちに目標電流範囲の設定に利用されるこ
    とを特徴とする請求項3記載の固定方法。
  5. 【請求項5】入力電流があらかじめ設定された最大値に
    達するとただちにモータへの給電が遮断されることを特
    徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固定方
    法。
  6. 【請求項6】連続的なリベット固定動作にともなう、温
    度および/ または電圧に応じて適宜補正された入力電流
    の推移、またはそれから導かれた値がメモリへ保存され
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記
    載の固定方法。
  7. 【請求項7】入力電流の推移またはそれから導かれた値
    が分類され、各分類等級ごとに結果の数だけがメモリに
    保存されることを特徴とする請求項5記載の固定方法。
  8. 【請求項8】電動モータによって駆動される締付け機構
    によって、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法
    を実施するための固定装置であって、それに装備されて
    いる制御回路が、モータ(3)の消費電流を監視する分
    析装置と接続された電流測定装置(8)を備えており、
    この分析装置にはコンパレータ(10)が内蔵されてい
    ることを特徴とするブラインドリベットの固定装置。
  9. 【請求項9】コンパレータ(10)が、外部から選択可
    能な少なくとも2つの閾値を出力する閾値発生器(1
    1、12)に接続されていることを特徴とする請求項8
    記載の固定装置。
  10. 【請求項10】閾値発生器(11、12)と接続された
    モータ温度計(14)および/ またはモータ電圧計(1
    5)が備っており、閾値発生器(11、12)はあらか
    じめ選択可能な閾値をモータ温度(T)および/ または
    モータ入力電圧(U)に応じて変更することを特徴とす
    る請求項9記載の固定装置。
  11. 【請求項11】各種閾値を保存する記憶装置(12)が
    閾値発生器(11、12)に備っていることを特徴とす
    る請求項9または10記載の固定装置。
  12. 【請求項12】ピーク電流計(8、20)と、複数のピ
    ーク電流を一時的に保存しておくためのバッファ(2
    0)と、保存されたピーク電流値から平均値および/ ま
    たは許容差を求めるための演算ユニット(21)とを備
    えた読取り装置(20、21)に記憶装置(12)が接
    続されていることを特徴とする請求項11記載の固定装
    置。
  13. 【請求項13】コンパレータ(10)がウィンドウコン
    パレータをなしていることを特徴とする請求項8から1
    2のいずれか1項に記載の固定装置。
  14. 【請求項14】締付け機構(1)の位置センサ(16)
    が備っており、この位置センサ(16)が分析装置(1
    0)に接続されていることを特徴とする請求項8から1
    3のいずれか1項に記載の固定装置。
  15. 【請求項15】位置センサ(16)がリミットスイッチ
    をなしていることを特徴とする請求項14記載の固定装
    置。
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