JP6748741B2 - 締結工具 - Google Patents

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Description

本発明は、溝が形成された軸部にヘッド部が一体形成されたボルトと、当該ボルトに係合可能な中空筒状のカラーを備えたファスナを介して、ヘッド部とカラー間に配された作業材を締結する締結工具に関する。
上記のように構成されたファスナによる作業材の締結に関しては、ボルトの軸部の端部領域が当該軸部と一体となった状態を維持したまま加締めを完了する形態や、あるいは軸部の端部領域が破断して当該軸部から除去された状態で加締めを完了する形態が知られている。前者の形態(第1の形態)では、軸部の破断がない状態での締結が可能であるため、コーティング剤を破断箇所に再塗布する等といった追加工程を不要にできる利点があり、後者の形態(第2の形態)では、軸部の端部領域を破断して除去することにより、加締め完了に際してのファスナ高を抑制することができる利点がある。
上記第1の形態に係るファスナに関する締結工具の一例として、国際公開WO2002/023056号では、軸部の端部領域を把持可能なボルト把持部と、カラーに係合可能なアンビルとを備えるとともに、ピストン・シリンダによる流体圧を利用して、ボルト把持部をアンビルに対して相対移動させ、これによってアンビルがカラーを押圧し、カラーとヘッド部とで作業材を挟着する締結工具が開示されている。
上記第1の形態に係るファスナを用いた作業材の締結工具については、加締めの際に軸部の端部領域を破損することがないよう、加締め作業時に綿密な出力管理が必要であるが、上記公報開示の締結工具では、流体圧を用いた出力制御を行うため、加締めに必要な出力管理が容易である一方、装置構成の簡素化ないしコンパクト化が困難という問題点がある。
また上記ファスナとは別に、例えば特開2013−248643号公報のように、いわゆるブラインドリベットを用いた電動式の締結工具も知られているが、かかるブラインドリベットは、軸部が破断した状態で締結を完了する形態であるため、上記第1の形態に係るファスナのような加締め作業時における綿密な出力管理の必要性に乏しい。
上記問題点に鑑み、本発明は、上記第1の形態、すなわちボルトの軸部とその端部領域が一体となった状態で加締めを完了する形態のファスナが用いられる締結工具に関して、加締めに必要な出力管理が容易であるとともに、装置構成のコンパクト化に寄与し得る技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく、本発明に係る締結工具が構成される。当該締結工具は、溝が形成された軸部にヘッド部が一体形成されたボルトと、当該ボルトに係合可能な中空筒状のカラーを備えたファスナを介して、前記ヘッド部と前記カラー間に配された作業材を締結する。当該ボルトはヘッド部付きのピンとも称呼される。
本発明に係る締結工具は、ボルト把持部と、アンビルと、モータと、制御部と、を有する。前記ボルト把持部は、前記軸部の端部領域を把持可能である。前記アンビルは、前記カラーに係合可能である。前記モータは、前記ボルト把持部を駆動して、前記アンビルに対し所定の長軸方向に相対移動させるように構成されている。前記制御部は、前記モータの駆動制御を行うように構成されている。
本発明においては、前記軸部の端部領域を把持した状態の前記ボルト把持部が、前記アンビルに対して、前記長軸方向のうちの所定の第1方向へと相対移動する。これにより、前記アンビルが、前記軸部に嵌合された状態の前記カラーを、前記長軸方向のうちの前記第1方向とは反対の第2方向、および前記カラーの径方向内側へと押圧する。これにより、前記ファスナの加締め(Swage、スウェージ)が開始される。そして、締結工具は、前記カラーと前記ヘッド部とで前記作業材を挟着するとともに、前記カラーの中空部を前記溝に圧着することで、前記端部領域が前記軸部と一体となった状態を維持しつつ前記ファスナの加締めを完了可能に構成される。
本発明では、ボルトの軸部の端部領域を把持するボルト把持部を、カラーに係合したアンビルに対して、モータを介して所定の長軸方向に相対移動させる構成が採用されている。これにより流体圧を利用する締結工具と比して構成の簡素化・コンパクト化が実現できる。
さらに本発明における前記制御部は、前記モータの駆動電流が所定の目標電流値となるように制御して前記ボルト把持部を前記第1方向に駆動することで、前記ファスナの加締めを遂行する。
ファスナを用いて作業材を締結する場合、カラーを塑性変形させて加締めるために強い出力が必要とされる。当該出力が不十分な場合には当該カラーの塑性変形が十分に遂行されず、加締め不足に陥る可能性がある。一方、当該出力が過大の場合、ボルト把持部ないしボルトの軸部に強い力が作用して機材破損の可能性が生じることになる。
本発明では、モータの駆動電流が所定の目標電流値となるように制御してボルト把持部を第1方向に駆動し、ファスナの加締めを遂行する構成が採用されている。
「目標電流値となるように」とは、モータの駆動電流につき、所定の目標電流値に基づいてフィードバック制御を行う態様をいう。また過大なモータ出力に起因する機材破損を確実に回避するべく、少なくとも、カラーの塑性変形限界が近づく加締め作業完了直前においては、特に過大出力防止の観点から、モータの駆動電流が所定の目標電流値を超えないように駆動制御する態様が好適である。
前記ファスナの加締め作業の開始から当該加締め作業の完了まで、前記モータの駆動電流が所定の目標電流値となるようにフィードバック制御して加締め作業を遂行することにより、モータの駆動電流の過少化に起因する不具合(締結不足)の懸念を払拭し、モータの駆動電流の過大化に起因する不具合(機材破損)の懸念も払拭し、制御システムの複雑化を回避しながら出力最適化が図られる。すなわち当該構成により、シンプルな構成にして、ファスナの締結に必要十分な出力の確保および機材破損可能性の回避が可能な制御が可能となる。
本発明における「所定の目標電流値」については、例えば、いわゆるモータ定電流制御の一環として、予め定められた所定値を目標電流値に設定する態様が好適に採用可能である。また締結作業において複数の目標電流値が逐次的に設定される態様、目標電流値が曲線的ないし連続的に変化する態様、締結作業の遂行過程において、目標電流値が設定される領域と設定されない領域が混在する態様等が好適に包含される。
さらに本発明における前記制御部は、前記モータの回転数に基づいて前記ボルト把持部の駆動を停止することで、前記端部領域が前記軸部と一体となった状態を維持してファスナの加締めを完了する。所定の目標電流値に基づいてモータの駆動制御を行う場合、出力の最適化が図られる代わりに、どのタイミングで加締め作業を完了するかについて、別途定める必要が生じてくる。本発明では、モータの回転数に基づいて、ボルト把持部の第1方向への駆動を停止することで加締め作業を完了する構成が採用されている。
「モータの回転数に基づいて」とは、例えばファスナがこれ以上塑性変形できない状態に置かれることに対応して、モータが所定の低回転数に至った場合、あるいはモータ回転数がゼロとなった場合に、加締め作業を完了する態様が好適に包含される。かかる構成により、モータの回転による慣性力を十分に低減させて、あるいはモータが停止して慣性力がゼロになった上で加締め作業を完了できるので、高速回転するモータを急停止する等の制御が不要となり、制御効率および機材保護の観点で優れる。
また「モータの回転数」に基づくとは、文字通りにモータの単位時間当たりの回転数に基づく場合の他、モータの回転数の変化量(例えば微分や差分)に基づく態様や、モータの回転数の累積量、すなわちモータ駆動における所定の時間経過に基づく態様、あるいはモータ駆動電源における電圧降下や内部抵抗等の諸値、すなわちモータの回転数と相関関係を有する指標が好適に包含可能である。
本発明における「モータ」としては、小型で大出力が得られるブラシレスモータが好適に採用可能であるが、これに限定されるものではない。
またモータの駆動電流供給手段としては、締結工具に取り付けられるDCバッテリが好適であるが、例えばAC電源を用いることも可能である。
また本発明における制御対象の一つである「モータの駆動電流」については、例えば、締結工具におけるモータ駆動回路における電流値、あるいは駆動源としてバッテリが用いられる場合には、当該バッテリにおける出力電流値等を適宜に利用できる。
本発明における「作業材」は、典型的には、それぞれ貫通孔を有する複数の締結対象部材で構成される。締結対象部材としては、締結強度が要求される金属材料等が好適に用いられる。この場合、各締結対象部材を、互いの貫通孔が合致した状態で重合し、あるいは締結対象部材を重合させた状態で貫通孔を形成した上で、各貫通穴にファスナのボルトの軸部を貫通し、合致した貫通孔の一方端側にボルトのヘッド部が位置し、他方端側にカラーが位置するようにファスナを設定するのが好適である。
本発明に係る「締結工具」の用途としては、例えば航空機や自動車等の輸送機器の製造工程、ソーラパネルやプラント工場の設置基材等のように、作業材を特に高強度にて締結する必要がある場面に好適に用いられる。
本発明における「ボルト把持部」は、軸部の端部領域にそれぞれ係合可能な複数の爪(ジョーとも称呼される)で構成することができる。
本発明において、カラーの中空部が圧着される「溝」は、少なくとも軸部における圧着箇所に形成されていれば足りる。一方、軸部におけるカラーの中空部の圧着箇所以外の部分、あるいは軸部の全体に溝部を形成する態様も包含される。圧着箇所以外の溝は、例えばカラーの位置決めや仮留め等に利用可能である。
本発明における「アンビル」は、加締め力によってカラーを変形させる金属床として構成され、当該カラーの外郭部を受承するためのテーパー部を有するボア(開口中空部)を設けることが好ましい。その具体態様として、ボア径は、カラーの加締め領域の外径よりも小径に設定する一方、ボアに形成されたテーパー部の開口については、カラーの加締め領域外径よりも大径に設定することで、カラーをボア内へと誘導可能に構成することが好ましい。これにより、ボルト把持部がアンビルに対して締結動作方向に相対動作する際に、アンビルがテーパー部開口に当接し、当該カラーを長軸方向に押圧しつつ、さらなる相対動作に応じ、テーパー部によってカラーが径方向に圧搾されながらアンビルのボア内に受承されていくことになる。この結果、カラーは、ヘッド部との間で作業材を長軸方向に狭着するとともに、アンビルのボアによってカラーが径方向に圧搾されて縮径変形することで、カラーの中空部が軸部の溝に圧着され、これによってカラーがボルトに加締められ、ファスナによって作業材が締結される。
本発明では、前記制御部は、前記ファスナの加締め作業の開始から当該加締め作業の完了まで、前記モータの駆動電流が前記目標電流値となるようにフィードバック制御して前記ボルト把持部を駆動するよう構成する。
加締め作業開始から完了までは、カラーの変形を伴う押圧が行われる。この期間中、モータの駆動電流が目標電流値となるようにフィードバック制御することで、過少出力に起因する加締め不足を回避し、また過大出力に起因する機材破損を回避することができる。ファスナの加締め作業の開始については、例えばモータの回転数の減少や、カラー押圧に伴ってモータの駆動電流が増大すること等を検出する等、適宜に検知可能である。
また本発明の好ましい態様として、締結工具は、作業者の手動での投入操作が可能な、前記モータ駆動のための操作部材を有することができる。また、前記制御部は、前記操作部材の投入操作から前記ファスナの加締め完了まで、前記モータの駆動電流が前記目標電流値となるように制御して前記ボルト把持部を駆動する構成とすることができる。かかる「操作部材」は、典型的には作業者による引き操作が可能なトリガ等で構成することが好適である。
モータを駆動するべく作業者が手動で操作部材を投入操作するという検知容易な動作に基づいて、モータの駆動電流が目標電流値となるように制御を開始する構成が得られるため、モータ駆動制御の複雑化が回避されることになる。
また本発明の好ましい態様として、前記制御部は、前記モータの前記回転数が所定の回転数まで低下した場合に、前記ボルト把持部の駆動を停止して、前記ファスナの加締めを完了する構成とすることができる。また本発明の好ましい態様として、前記制御部は、前記モータが回転停止した場合に、前記ボルト把持部の駆動を停止して、前記ファスナの加締めを完了する構成とすることができる。
これらの態様は、本発明における「モータの回転数に基づいて」加締めを完了する構成についての具体態様である。モータの駆動電流が目標電流値となるように制御する場合、当該目標電流値は、機材破損を回避しつつ、加締め遂行に必要なモータ出力が得られるように最適化されることに起因して、加締めが完了するに際しては、ファスナがこれ以上塑性変形できない状態に置かれた場合に、モータに駆動電流が印加されつつも、ボルト把持部はアンビルに対して第1方向に相対移動することができない状態となることが想定される。かかる状態をもって締結完了と判断し、ファスナの加締めを確実に完了させることができる。モータの回転による慣性力を十分に低減させて、あるいは、モータが停止し、当該モータの慣性力がゼロになった上で加締め作業を完了できるので、制御効率および機材保護の観点で優れる。
また本発明の好ましい態様として、前記目標電流値は変更調節可能に構成することができる。
作業材を締結するファスナが、例えばアルミ等の比較的軟質性の材料である場合と、鉄鋼等の比較的硬質性の材料である場合では、ファスナの加締めに必要とされる締結力(軸力)が相違する。このため、所要軸力に応じたモータの駆動電流が求められるため、これに対応して、目標電流値についても変更調節可能とすることが好ましい。「変更調節」は、作業者の操作によって手動で変更調節する態様、締結対象や他の締結条件を検知して、当該検知結果に基づいて自動で変更調節する態様等が好適に包含される。
また本発明の好ましい態様として、前記ボルト把持部が前記アンビルに対して所定の相対位置に置かれる初期位置が設定されるとともに、前記制御部は、前記ファスナの加締めが完了した場合に、前記モータを所定の目標回転数で駆動制御することで、前記ボルト把持部を前記アンビルに対して前記第2方向に相対移動させて前記初期位置に復帰させる構成とすることができる。
本態様では、ファスナの加締め作業において、モータの駆動電流が目標電流値となるように制御することで、締結工具ないしファスナの破損を防止しつつ、加締めに必要なモータ出力を確保する構成が採用されている。その一方、加締めを完了した後で、締結工具を初期状態に復帰させて次の締結作業に備える場合には、かかる部材破損のリスクを考慮する必要がなく、むしろ初期状態への復帰を迅速化することが合理的である。この点を考慮して、制御部は、ファスナの加締めが完了した場合に、モータを所定の目標回転数で駆動制御することで、ボルト把持部を初期位置に復帰させる。なお「所定の目標回転数」については、典型的には、モータをいわゆる定回転制御で駆動する態様が採用される。また復帰動作において、複数の目標回転数が逐次的に設定される態様、目標回転数が曲線的ないし連続的に変化する態様等も好適に包含される。
本発明の好ましい態様として、前記ボルト把持部が前記アンビルに対して所定の相対位置に置かれる初期位置が設定されるとともに、前記制御部は、前記モータの前記回転数に基づいて前記アンビルに対する前記ボルト把持部の前記第1方向への相対移動を停止した後、前記ボルト把持部を前記アンビルに対して前記第2方向に相対移動させて前記初期位置に復帰させる構成とすることができる。
本態様は、制御部が自動的に(つまり、制御部に対する何らかの指示を要することなく)ボルト把持部の第2方向への相対移動を開始する態様ということもできる。なお、制御部に対する何らかの指示は、例えば、作業者によって手動操作される操作部材(例えば、モータ駆動のための操作部材等)を介して制御部に入力されうる。本態様によれば、制御部は、加締めを完了した後、締結工具を迅速に初期位置に復帰させることができる。このため、ファスナを用いた締結作業が連続して複数回行われる場合に、作業効率を向上することができる。なお、制御部は、ボルト把持部の第1方向への相対移動を停止した後、直ちに、あるいは、所定時間の経過後に、ボルト把持部の第2方向への相対移動を開始することができる。
本発明によれば、ボルトの軸部とその端部領域が一体となった状態で加締めを完了する形態に係るファスナが用いられる締結工具に関して、加締めに必要な出力管理が容易であるとともに、装置構成のコンパクト化に寄与し得る技術が提供されることとなった。
本発明の実施形態に係る作業材およびファスナを示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係る締結工具の全体構成を示す正面断面図である。 締結工具におけるアウタハウジングの一部構成を示す部分断面図である。 締結工具におけるインナハウジングの詳細な構成を示す部分断面図である。 図4の部分断面図に対応した平面断面図である。 締結工具におけるモータ駆動制御機構の構成を模式的に示すブロック図である。 締結工具の作動状態を示す部分断面図である。 締結工具の作動状態を示す部分断面図である。 締結工具の作動状態を示す部分断面図である。 モータ駆動制御機構における処理ステップを示すフロー図である。 目標電流に基づくモータ駆動制御処理態様を示すブロック図である。 モータの駆動電流、モータの回転数、モータ駆動用出力Dutyの経時的変化を複合的に示すグラフである。 モータ逆転駆動時における、モータ回転数、モータ駆動電流、モータ駆動用出力Dutyの経時的変化を複合的に示すグラフである。 モータ駆動制御機構における処理ステップの変形例を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態として、ファスナを介して作業材を締結する締結工具について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る作業材Wおよびファスナ1が示される。本実施形態に係る作業材Wは、一例として板状金属製の締結作業部材W1、W2からなる。各締結作業部材W1、W2は、夫々に予め形成された貫通孔W11、W21が互いに合致するように重ね合されている。
ファスナ1は、ボルト2およびカラー6を主体として構成される。ボルト2は、ヘッド3と、ボルト軸4を有する。ボルト軸4は、当該ヘッド3と一体形成されるとともに、外周部に溝5が形成されている。ヘッド3は本発明の「ヘッド部」に対応する。溝5は、ボルト軸4の長軸方向に関し、略全長に渡って形成されている。カラー6は、カラー中空部7を有する円筒状に形成されている。カラー6は、当該カラー中空部7がボルト軸4に挿通されることで、ボルト2と係合する。カラー中空部7の内壁は、平滑面として処理されている。また、カラー中空部7の内壁には、特に図示しないものの、カラー6をボルト軸4に挿通した場合の仮留め用係合部が形成されている。図1に示すファスナ1は、カラー6がボルト軸4の溝5に係合して仮留めされた状態が示されている。
図2に、本発明の実施形態に係る締結工具100の全体構成が示される。当該締結工具100は、リベッタないしロックボルトツール等とも称呼される。
なお、以下の説明においては、符号「FR」を締結工具100の前側方向(図2における紙面左側方向)と定義し、さらに符号「RR」を後側方向(図2における紙面右側方向)、符号「U」を上側方向( 図2における紙面上側方向)、符号「B」を下側方向(図2における紙面下側方向)、符号「L」を左側方向(図5における紙面下側方向)、符号「R」を右側方向(図5における紙面上側方向)と定義し、さらに符号「LD」を締結工具の長軸が延在する方向、すなわち長軸方向(図2における紙面左右方向)と定義するとともに、各図において適宜に図示することとする。
本実施形態における後側方向RRは本発明の「第1方向」に対応し、前側方向FRは本発明の「第2方向」に対応し、長軸方向LDは本発明の「長軸方向」に対応する。
図2に示すように、締結工具100の外郭は、アウタハウジング110、当該アウタハウジングに連接するグリップ部114を主体として構成されている。
アウタハウジング110は、モータ135を収容するモータ収容領域111と、インナハウジング120を収容するインナハウジング収容領域113と、コントローラ131を収容するコントローラ収容領域117を主体として構成されている。インナハウジング120は、遊星ギア減速機構140、ベベルギア減速機構150およびボールネジ機構160の収容部材であり、その詳細については後述する。コントローラ収容領域117の下部には、モータ135の駆動電源となるバッテリ130を締結工具100に取外し自在に接続するためのバッテリ装着部118が設けられている。
図2においては、インナハウジング収容領域113のうち、モータ収容領域111に隣接する領域は、遊星ギア減速機構140およびベベルギア減速機構150を収容する減速ギア収容領域112として示されている。
また、モータ収容領域111とコントローラ収容領域117の連接領域には、モータ135の駆動電流に関する目標電流値設定用の操作ダイアル132が設けられている。操作ダイアル132の上面表示部には、特に図示しないものの、目標電流値に対応した設定値表示(本実施形態では無段階レベル)が印字されている。作業者の選択および操作ダイアル132の手動操作により、任意の設定値が選択可能とされる。なお目標電流値に関する詳細については後述する。
またアウタハウジング110の上面部には、発光によって締結作業の完了を報知するLED191が設置されている。
グリップ部114には、作業者が手動操作可能なトリガ115および当該トリガ115の手動操作に応じてオン・オフされる電気スイッチアセンブリ116が配置されている。
上記コントローラ収容領域117、モータ収容領域111、インナハウジング収容領域113(減速ギア収容領域112を含む)、およびグリップ部114は、連続状に配置されてクローズループをなす。
図3に、モータ収容領域111および減速ギア収容領域112の詳細な構造が示される。モータ収容領域111に収容されるモータ135には、DCブラシレスモータが採用されている。冷却ファン138が取り付けられたモータ出力軸136は、各端部領域においてベアリング137,137によって軸支されている。モータ出力軸136の一方端は、遊星ギア減速機構140における第1サン・ギア141Aに一体回転可能に連結されている。
減速ギア収容領域112に収容される遊星ギア減速機構140は、2段減速式である。遊星ギア減速機構140の減速第1段は、第1サン・ギア141Aと、複数の第1遊星ギア142Aと、第1インターナルギア143Aを主体として構成されている。複数の第1遊星ギア142Aは、第1サン・ギア141Aに噛合い係合する。第1インターナルギア143Aは、各第1遊星ギア142Aに噛合い係合する。また、遊星ギア減速機構140の減速第2段は、第2サン・ギア141Bと、複数の第2遊星ギア142Bと、第2インターナルギア143Bと、キャリア144を主体として構成されている。第2サン・ギア141Bは、第1遊星ギア142Aのキャリアを兼ねている。複数の第2遊星ギア142Bは、第2サン・ギア141Bに噛合い係合する。第2インターナルギア143Bは、各第2遊星ギア142Bに噛合い係合する。キャリア144は、各第2遊星ギア142Bの公転動作を受承して回動される。
キャリア144は、ベベルギア減速機構150の駆動側中間軸151に一体回転可能に連結されている。ベベルギア減速機構150は、減速ギア収容領域112において、遊星ギア減速機構140に隣接した状態で収容されている。
ベベルギア減速機構150は、駆動側中間軸151と、駆動側ベベルギア153と、被動側中間軸154と、被動側ベベルギア156と、ボールナット駆動ギア157を主体として構成されている。駆動側中間軸151は、ベアリング152,152に両端で支持されている。駆動側ベベルギア153は、駆動側中間軸151に設けられている。被動側中間軸154は、ベアリング155,155に両端で支持されている。被動側ベベルギア156およびボールナット駆動ギア157は、被動側中間軸154に設けられている。なお「中間軸」とは、上記モータ出力軸136から、後述するボールネジ機構160(図4参照)へと、モータ135の回転出力を伝達する経路における中間の軸を意味するものである。なお、モータ出力軸136および駆動側中間軸151の延在方向EDは、被動側中間軸154の延在方向、すなわち長軸方向LDと傾斜状に交差する。
図4および図5に、インナハウジング収容領域113の詳細な構造が示される。インナハウジング収容領域113に収容されるインナハウジング120は、既に述べたように、遊星ギア減速機構140、ベベルギア減速機構150およびボールネジ機構160の収容部材である。本実施形態では、インナハウジング120のうち、遊星ギア減速機構140を収容する領域は樹脂で形成されている。ベベルギア減速機構150およびボールネジ機構160を収容する領域は金属で形成されている。これらの領域はネジによって相互に一体結合されている(便宜上、図示を省略)。
図4に示すように、インナハウジング120の後側方向RRには、ガイドフランジ取付アーム122を介して、ガイドフランジ123が連結されている。ガイドフランジ123には、長軸方向LDへと延在する長穴状のガイド穴124が形成されている。
またインナハウジング120の前側方向FRには、ジョイントスリーブ127を介してアンビル181係止のためのスリーブ125が連結されている。スリーブ125は、長軸方向LDに延在するスリーブボア126を有する円筒体として構成されている。
インナハウジング120はボールネジ収容領域121を有し、当該ボールネジ収容領域121にはボールネジ機構160が収容される。
ボールネジ機構160は、ボールナット161およびボールネジシャフト169を主体として構成される。ボールナット161の外周部には、ボールナット駆動ギア157に噛合い係合する被動ギア162が形成されている。当該被動ギア162がボールナット駆動ギア157からモータの回転出力を受けることにより、ボールナット161は長軸LD周りに回動可能とされている。またボールナット161には長軸方向LDに延在するボア163が形成され、当該ボア163には溝部164が設けられている。
ボールナット161は、長軸方向LDに離間した状態で配置された複数のラジアルニードルベアリング168を介して、長軸方向LD周りに回動可能な状態でインナハウジング120に両持ち状に支持される。一方、ボールナット161の前側方向FRにおける前方側端部161Fにおいては、スラストボールベアリング166がボールナット161とインナハウジング120の間に介在配置される。長軸方向LDへの軸力(スラスト荷重)がボールナット161に作用した状態であっても、スラストボールベアリング166が、当該軸力を確実に受けつつ、ボールナット161が長軸方向LD周りに円滑に回動することを許容し、ボールナット161の長軸方向LD周りの回動動作が強い軸力によって阻害されるリスクを未然回避している。
またボールナット161の後側方向RRにおける後方側端部161Rについては、スラストニードルベアリング167がボールナット161とインナハウジング120の間に介在配置されている。長軸方向LDに作用する軸力(スラスト荷重)が作用した状態であっても、当該スラストニードルベアリング167が、長軸方向LDに作用する軸力を確実に受けつつ、ボールナット161の長軸方向LD周りの回動動作を許容し、強い軸力がボールナット161の長軸方向LD周りの回動動作に悪影響を及ぼすリスクを未然回避している。なお本実施形態では、ボールナット161とスラストボールベアリング166、およびボールナット161とスラストニードルベアリング167の間にはスラストワッシャ165が更に介在配置されている。
図4に示されるように、スラストボールベアリング166およびスラストニードルベアリング167は、ボールナット161の前方側端部161Fおよび後方側端部161Rにおける当該ボールナット161の外径寸法よりも大径となるように設定されている。ボールナット161に作用する軸力(スラスト荷重)の単位面積当たりの受圧量が、小径化に起因して増大することを回避することで、動作性および耐久性向上が図られている。
図4、図5に示すように、ボールネジシャフト169は、長軸方向LDに延在する長尺体として構成されている。ボールネジシャフト169は、その外周部に形成された溝部(便宜上図示を省略)が、ボールナット161の溝部164にボールを介して係合しており、ボールナット161が長軸方向LD周りに回動することでボールネジシャフト169は長軸方向LDに直線動作するように構成されている。すなわちボールネジシャフト169は、ボールナット161の長軸方向LD周りの回転運動を長軸方向LDへの直線運動に変換する運動変換機構として働く。
なお被動ギア162の外周部は、インナハウジング120に形成された切欠き状の孔部120Hを通じて、当該インナハウジング120の外郭部と略面一となるように寸法設定がなされている。換言すれば、被動ギア162の外周がインナハウジング120の外郭を超えて上側方向Uへと突出しないように構成されている。これにより、ボールネジシャフト169のシャフトライン169Lからアウタハウジング110の上側方向Uの外郭部までの高さ(センターハイトとも称呼される)CHの低減化が図られている。
ボールネジシャフト169は、その前側方向FRの端部領域に設けられた螺合部171を介して、後述するボルト把持機構180の第3連結部189と一体状に連結される。またボールネジシャフト169の後側方向RRの端部領域には、エンドキャップ174が設けられている。図5に示すように、エンドキャップ174に隣接した状態で、左側方向Lおよび右側方向Rにそれぞれ突出するローラシャフト172を介して、左右一対のローラ173,173が設けられる。各ローラ173は、ガイドフランジ123のガイド穴124にそれぞれ転動可能に支持される。従ってボールネジシャフト169は、インナハウジング120に支持されたボールナット161、およびローラ173が嵌合されるガイド穴124を介して、長軸方向LDにおいて異なる2つの領域で安定的に支持されることになる(両持ち式の支持)。なお、ボールナット161の長軸方向LD周りの回転に伴い、ボールネジシャフト169には長軸方向LD周りの回転トルクが作用する可能性もあるが、上記ローラ173およびガイド穴124の当接により、かかる回転トルクに起因するボールネジシャフト169の長軸方向LD周りの回転が規制されている。
さらに図4に示すように、ボールネジシャフト169には、エンドキャップ174に隣接して、アーム取付ネジ175およびアーム176を介し、磁石177が設けられている。当該磁石177はボールネジシャフト169と一体化されており、ボールネジシャフト169が長軸方向LDに移動動作する際に磁石177も一体に移動動作する。
アウタハウジング110には、図4においてボールネジシャフト169が前側方向FRに最大限移動した状態における磁石177の位置に対応して、初期位置センサ178が設けられている。また、後側方向RRに最大限移動した状態における磁石177の位置に対応して、最後端位置センサ179が設けられている。初期位置センサ178および最後端位置センサ179はそれぞれホール素子で形成され、磁石177の位置検出を行う位置検知機構を構成する。本実施形態における初期位置センサ178および最後端位置センサ179は、磁石177がそれぞれ検知可能範囲に置かれた場合に当該磁石177の位置検知が行われるよう設定されている。なお、図4には、締結工具100が「初期位置」に置かれた状態が示されている。
図4に示すように、ボルト把持機構180は、アンビル181と、ボルト把持爪185を主体として構成されている。ボルト把持機構180ないしボルト把持爪185は本発明の「ボルト把持部」に対応する。
アンビル181は、長軸方向LDに延在するアンビルボア183を有する円筒体として構成される。アンビルボア183においては、前側方向FRにおける開口部181Eから長軸方向LDに所定距離分だけテーパー部181Tが設けられている。テーパー部181Tは、後側方向RRに向かうに従って逐次的に狭くなるように角度αの傾斜角が付与されている。
アンビル181は、その外周に形成されたスリーブ係止リブ182を介してスリーブ125およびスリーブボア126に係止され、インナハウジング120に一体状に連結されている。
アンビルボア183の径は、図1に示すカラー6の外径よりも僅かに小さく設定されており、カラー6の変形を促す強い締結力(軸力)が作用する場合にのみ、当該カラー6が開口部181Eからアンビルボア183へと変形を伴いながら入り込む構成とされている。一方、アンビルボア183の開口部181Eの径は、カラー6の外径よりも僅かに大きく設定されており、当該カラー6のアンビルボア183への挿入ガイド部を形成している。
なおテーパー部181Tは、長軸方向LDにつき、カラー6の高さ寸法よりも長く形成されている。よって、カラー6がアンビルボア183内に最大限入り込んだ場合であっても、当該カラー6は、長軸方向LDについてテーパー部181Tの形成領域内に位置することになる。
ボルト把持爪185は、ジョー(顎、Jaw)とも称呼されうる。本実施形態では、特に図示しないものの、長軸方向LDに視て合計3つのボルト把持爪185が仮想円周状に等間隔で配置されており、図1に示すファスナ1のボルト軸端部領域41を把持するように構成されている。なお、ボルト軸端部領域41は本発明の「端部領域」に対応する。また、各ボルト把持爪185は、ボルト把持爪基部186と一体化されている。図4および図5に示すように、ボルト把持爪基部186は、第1連結部187A、第2連結部187B、係止部188、第3連結部189、螺合部171を介してボールネジシャフト169に連結されている。なお、図4、図5に示すように、第2連結部187Bと係止部188は、当該第2連結部187Bの後端に形成された係止フランジ187Cと、係止部188の前端に形成された係止端部188Aとが長軸方向LDについて互いに係合することで連結される。係止フランジ187Cと係止端部188Aの連結態様として、第3連結部189が後側方向RRに移動する場合には、第2連結部187Bと第3連結部189が一体状に移動する。すなわち、後側方向RRに関しては、ボールネジシャフト169が移動動作する場合、当該ボールネジシャフト169とボルト把持爪185が一体状に後側方向RRに移動動作するものである。一方、第3連結部189が前側方向FRに移動する場合は、第3連結部189は、係止端部188Aの前方に形成されたスペース190に対応する形で、第2連結部187Bに対し相対移動するように構成されている。
なお螺合部171においては、ボールネジシャフト169に小径部が形成されることにより、第3連結部189の外周径とボールネジシャフト169の外周径が略面一となるように構成されている。
図6に、本実施形態に係る締結工具100におけるモータ駆動制御機構101の電気的構成がブロック図として示される。モータ駆動制御機構101は、コントローラ131、3相インバータ134、モータ135、およびバッテリ130を主体として構成されている。コントローラ131は本発明の「制御部」に対応し、電気スイッチアセンブリ116、操作ダイアル132、初期位置センサ178、最後端位置センサ179、モータ135の駆動電流検出アンプ133の各検出信号が入力される。また当該コントローラ131にはLED191が接続され、加締め作業が完了した場合に発光して作業者に報知する。
また駆動電流検出アンプ133は、モータ135の駆動電流をシャント抵抗によって電圧に変換し、更にアンプによって増幅した信号をコントローラ131に出力する。
本実施形態では、モータ135として、小型にもかかわらず相対的に高い出力が得られるDCブラシレスモータが採用されている。モータ135におけるロータ角は、ホールセンサ139によって検出され、当該ホールセンサ139による検出値がコントローラ131に送られる。また3相インバータ134は、本実施形態では120°通電矩形波駆動方式にてブラシレス式のモータ135を駆動する。
次に本実施形態に係る締結工具100の作用について説明する。
図7に示すように、作業者は、締結作業部材W1,W2を重合した状態で、各貫通孔W11、W21にボルト2のボルト軸4を貫通させる。作業者は、ヘッド3が締結作業部材W1に当接するとともに、締結作業部材W2側にボルト軸4が突出した状態で、当該ボルト軸4にカラー6を係合させ、ヘッド3とカラー6とで作業材Wを狭着する(予備組み付け)。
そして当該予備組み付け状態において、作業者が締結工具100を手で保持し、ボルト軸端部領域41に、締結工具100におけるボルト把持爪185を係合させる。このとき、ボルト軸4の略全長に渡って溝5が形成されるとともに、ボルト軸端部領域41の溝は特に大きく形成されているため(図1参照)、ボルト把持爪185はボルト軸端部領域41に容易かつ確実に係合できる。
図7は、ボルト把持爪185がボルト軸端部領域41を把持した状態、すなわち締結作業の初期状態を示している。この初期状態におけるボルト把持爪185のアンビル181に対する相対位置関係が、本発明における「初期位置」に対応する。
当該締結作業の初期状態においては、長軸方向LDに関し、ボールネジシャフト169に連結された磁石177が初期位置センサ178に対応した状態に置かれている。
初期状態において作業者がトリガ115(図2参照)を手動で投入操作することにより、電気スイッチアセンブリ116がオン状態となり、コントローラ131が3相インバータ134を介してモータ135を正転駆動する。なお「正転駆動」とは、ボールネジシャフト169が後側方向RRに移動することで、ボルト把持爪185が後側方向RRに移動動作する駆動態様を指す。
本実施の形態では、モータ135の正転駆動においては、上記した操作ダイアル132(図6参照)を介して目標電流値が設定される。そして、コントローラ131においては、駆動電流検出アンプ133を介して検出されるモータの135の駆動電流が、当該目標電流値となるように制御が行われつつ、加締め作業が遂行されることになる。
当該目標電流値には、ファスナ1の締結に必要十分な出力の確保、および当該ファスナ1(ないしボルト把持機構180)の破損の可能性回避という双方の要請を充足するのに適した数値が採用される。
モータ135が正転駆動されると、図8に示すように、ベベルギア減速機構150における最終ギアであるボールナット駆動ギア157と噛合い係合した被動ギア162が回転駆動される。これによってボールナット161が長軸方向LD周りに正転方向(後側方向RRから前側方向FRに視て右回り)に回転駆動される。
ボールナット161に形成されるボール転動溝は、右ネジとしての螺旋方向に形成されている。ボールナット161が正転方向に回転されると、ボールネジシャフト169は、ボールナット161の回転動作を直線運動に変換する形で、後側方向RRへと移動動作する。これによりボールネジシャフト169とともに、ボルト把持爪185も後側方向RRへと一体状に移動動作する。このとき、ボールネジシャフト169に連結された磁石177は、初期位置センサ178から後側方向RRへと移動し、初期位置センサ178の検知可能範囲から離脱する。
ボルト把持爪185が、初期位置から後側方向RRに移動動作することで、ボルト把持爪185に係合把持されたボルト軸端部領域41も後側方向RRに引張られることになる。カラー6の外径は、アンビルボア183の内径よりもわずかに大きく設定されているものの、ボルト把持爪185がボルト軸端部領域41を後側方向RRへと強く引張ることで、カラー6は、アンビル181に当接するとともに、前側方向FRおよび当該カラー6の径方向内側へと押圧されることで実際の加締め作業が開始されることになる(ロードスタートとも称呼)。
加締め作業が開始された後、更なるボルト把持爪185の後側方向RRへの移動動作に伴って、カラー6は、開口部181Eからアンビルボア183のテーパー部181Tへと縮径しながら進入することとなる。カラー6は、テーパー部181Tに進入する際、テーパー部181Tの傾斜角α(図4参照)の長軸方向成分および径方向成分に対応する形で、前側方向FRおよび当該カラー6の径方向内側へと押圧され変形することになる。
図9に示すように、更にボールナット161が正転方向に回転駆動され、ボールネジシャフト169が後側方向RRに移動すると、ボルト把持爪185が、ボルト軸端部領域41を、図8に示す状態から更に後側方向RRに引張ることとなる。これによりアンビル181に係止されたカラー6は更にテーパー部181Tの奥へと入り込む。この結果、カラー6は更に前側方向FRおよび当該カラー6の径方向内側へと強く押圧され、平滑面として形成されたカラー中空部7が、ボルト軸4に形成された溝5(図1参照)に強く圧着される。当該圧着によりカラー中空部7と溝5との間で塑性変形による噛み込みが生じ、これによってボルト軸端部領域41がボルト軸4と一体となった状態を維持しつつファスナ1の加締めが完了し、作業材Wの締結作業が完了するに至る。
締結作業完了に至る際、図9に示すように、長軸方向LDについて、初期位置センサ178から離間した磁石177が、最後端位置センサ179に近接するよりも前に、カラー6が、それ以上アンビルボア183の奥へと入り込むことができない状態に陥り(すなわち締結作業の最終段階に入り)、モータ135の回転数が減少することになる。
図6に示すコントローラ131は、ホールセンサ139から入力されるモータ135の回転数につき、予め設定された所定の回転設定値(以下、単に設定値という)と比較する。そしてモータ135の回転数が当該設定値を下回る場合、加締めによる締結作業が完了したものとして、コントローラ131は、3相インバータ134を介してモータ135を停止させる。
このとき、アウタハウジング110上面に設けられたLED191が発光し、加締めによる締結作業の完了を作業者に報知する。なお、本実施形態のようにLED発光による報知の他、画像表示等による視覚的報知、音による報知、振動などの触覚による報知等、各種の報知態様が採用可能である。
なお、本実施形態では、モータ135の回転数が所定の設定値を下回る場合に加締め作業完了としているが、モータ135の回転数がゼロになった場合に加締め作業を完了する態様を採用することも可能である。
本実施形態では、モータ135の駆動電流が目標電流値となるように制御し、加締め作業時の出力管理の最適化により、図1に示すファスナ1につき、ボルト軸4と一体となった状態を維持したまま締結作業を完了できる。また目標電流値の設定による出力最適化に伴い、ボルト把持爪185がボルト軸端部領域41を必要以上に強く把持・駆動することを回避できるため、ボルト2の保護を徹底することができる。以上により、ボルト把持爪185がボルト軸端部領域41に傷をつける等のアクシデントを未然に防止し、再コーティング等の追加工程が不要となり、作業効率の向上が図られる。
上記の通り、図9には、加締めによる締結作業が完了した状態の締結工具100が示されているが、次の締結作業に備えるには、当該締結工具100を、図9の作業完了状態から図7に示す初期状態に復帰させ、ボルト2に加締められた状態のカラー6をアンビル181から離脱させる必要がある。
本実施形態では、締結作業が完了し、作業者がトリガ115(図2参照)をオフにした場合、図6に示すコントローラ131が、3相インバータ134を介してモータ135を逆転駆動させる。
本実施形態では、モータ135を所定の目標回転数に基づいて逆転駆動制御する構成を採用している。上記のように、ファスナ1の加締め作業では、モータ135の駆動電流が所定の目標電流値となるように制御することで、ボルト2(ないしボルト把持爪185)の破損を防止しつつ、加締めに必要な出力を確保している。一方、加締めを完了した後で、モータ135を逆転駆動して初期状態に復帰させる場合には、むしろ当該復帰動作を極力迅速化する方が合理的である。この点を考慮して、制御部は、締結作業が完了してトリガ115がオフとなった場合、モータ135を所定の目標回転数で駆動制御しながら逆転動作させる。
当該モータ135の逆転動作は、ベベルギア減速機構におけるボールナット駆動ギア157に噛合い係合する被動ギア162を介してボールナット161に伝達される。これによってボールネジシャフト169が前側方向FRに移動し、当該ボールネジシャフト169と一体状に、ボルト把持爪185が前側方向FRに移動することとなる。この時、加締めに際しての強い負荷に起因して、カラー6はアンビルボア183に強固に圧着されているため、カラー6をアンビル181から離脱させるには相応に強い負荷が必要とされる。この負荷は、ボルト把持爪185、ボルト把持爪基部186、第1連結部187A、第2連結部187B、係止部188、第3連結部189、ボールネジシャフト169を経由し、後側方向RRへの軸力として、ボールナット161に作用することとなる。
本実施形態では、ボールナット161の後方側端部161Rが、(スラストワッシャ165および)スラストニードルベアリング167を介してインナハウジング120に支持されている。よって、当該スラストニードルベアリング167が、長軸方向LD周りに転動してボールナット161の回転動作を許容しつつ、後側方向RRへの軸力を確実に受け、当該軸力がボールナット161の円滑な回転動作の妨げとなることを未然に防止している。
なお、本実施形態では、図4に示すボールネジシャフト169の長軸方向LDに関する最大可動範囲として、初期位置センサ178と最後端位置センサ179の離間距離相当分が割り当てられている。換言すれば、磁石177が初期位置センサ178に対応する位置から、最後端位置センサ179に対応する位置までの間の距離が、ボールネジシャフト169の最大可動範囲として与えられる。例えば、ボルト把持爪185がボルト2に係合していない状態でトリガ115をオン操作した場合、ボールネジシャフト169は、磁石177が最後端位置センサ179に到達するまで、後側方向RRに移動動作可能である。磁石177が最後端位置センサ179に達した状態は、締結工具100が「停止位置」にあると定義される。
一方、ボルト把持爪185がファスナ1のボルト2を把持し、上述した加締めによる締結作業を行う場合は、当該締結作業完了に際してモータ135の回転数が減少して所定の設定値を下回ることから、磁石177が最後端位置センサ179の検出可能範囲に到達するよりも前に、モータ135が駆動停止制御される。
図10に、モータ駆動制御機構101における駆動制御フローの概要が示される。なお当該駆動制御フローにおける判断は、特に注記のない限り、上記コントローラ131が行うものとし、また各構成部材の符号については、上記した図1〜図9に記載の符号をそのまま流用し、特に図10で再掲しないものとする。
モータ駆動制御ルーチンにおいては、まずステップS11として、トリガ115および電気スイッチアセンブリ116のオン・オフ状態がモニタされる。トリガ115のオン状態が検出された場合、ステップS12として、3相インバータ134において、モータ135を駆動するためのDuty比算出およびPWM信号の生成が行われ、ステップS13としてモータ135が正転駆動される。既に述べたように、本実施形態では、モータの駆動電流が所定の目標電流値になるように制御が行われている。この点の詳細については、「目標電流に基づくモータ駆動制御処理」として、下記に詳述する。
モータ135の正転駆動は、図4に示すボールネジシャフト169が後側方向RRに直線動作し、ボルト把持爪185がアンビル181に対し後側方向RRに移動する動作に対応している。ステップS13におけるモータ135の正転駆動により、図1に示すファスナ1において、カラー6のボルト2に対する加締めが行われる。
ステップS14においては、上述したモータ135の回転数が所定の設定値を下回ることで締結作業が完了したか否か、または、磁石177が最後端位置センサ179に達したか(停止位置に置かれたか)、が判別される。
ステップS14において、締結作業の完了、または停止位置が検出された場合、ステップS15において、モータ135の出力停止が行われる。また、特にフローには表示しないものの、コントローラ131を介してLED191が発光し、締結作業の完了を作業者に報知する。
次に、ステップS16において、作業者によるトリガのオフ操作が検知された場合、ステップS17aにおいて、モータ135を逆転駆動するためのDuty比算出およびPWM信号の生成がなされ、ステップS17bにおいて、モータ135の逆転駆動が行われる。当該逆転駆動は、上述の通り、所定の目標回転数にてモータ135を駆動制御することで行われるとともに、磁石177が初期位置センサ178に達するまで継続される。そしてステップS18における初期位置検出に伴い、電気ブレーキによるモータ135停止がなされ(ステップS19)、モータ駆動処理が終了する。
なお、上記ステップS17bにおける目標回転数でのモータ135の逆転駆動に関し、初期位置センサ178の作動不良等に備えて、当該モータ135の駆動電流値を検出し、当該駆動電流値が所定の閾値を超える場合には、初期位置センサ178の検出信号がなくてもモータ135を停止する処理を付加し、機材保護の万全を期す構成も採用可能である。
次に、モータ正転時における「目標電流に基づくモータ駆動制御処理」について、図11のモータ駆動制御ブロック図に基づいて説明する。なお当該モータ駆動制御処理は、いずれも図6に示すコントローラ131(ないし3相インバータ134)における処理要素によって遂行されるものである。図11に示すように、加合せ点(加算点)201において、目標電流値(A:アンペア)がプラス値、モータ駆動電流値(A)がマイナス値として合算されて、電流差分値(A:アンペア)が得られる。当該電流差分値(A)は、比例要素を構成する増幅器203においてPゲイン(比例ゲイン)処理がなされ、電圧値としてのP出力(比例出力)(V:ボルト)が得られる。
一方、電流差分値(A)は、積分要素を構成する積分処理部205および増幅器207において、それぞれ積分処理およびIゲイン(積分ゲイン)処理がなされ、(積分)電圧値としてのI出力(積分出力)(V:ボルト)が得られる。P出力とI出力は加合せ点209で合算されることで、(PI出力としての)電圧出力(V:ボルト)が得られる。この電圧出力(V)は、制御系における所謂PI動作に対応し、定常偏差の是正効果を併有する。当該電圧出力(V)は、次に出力リミッタ処理部211に送られる。
上記電圧出力(V)は、出力リミッタ処理部211において電源電圧(V:ボルト)(本実施形態では図2に示すバッテリ130の電圧値)に基づいて出力調整がなされた上で、加合せ点213に送られる。出力リミッタ処理部211は、電源電圧(V)に応じて電圧出力(V)を按分処理するものであり、電源における電圧降下・電圧変動の影響にも効果的に対処可能である。
こうして得られた出力リミッタ処理部211で調整された電圧出力は、加合せ点213において、電源電圧(V)との比率計算処理がなされ、さらに増幅器215において百分率換算がなされることで、モータ135を駆動するためのDuty比が算出され、PWM信号が生成されることとなる。
本実施形態では、フィードバック制御の一環として、図11に示すように、出力リミッタ処理部211における電圧出力(V)が積分処理部205にフィードバックされる。当該フィードバックは、電圧出力(V)が、ゼロV以下、電源電圧(V)以上で行われ、さらにフィードバック先の積分処理部205においては、出力飽和中、上記電流差分(A)に応じて積分処理が禁止されるように構成され、モータ135の駆動電流が目標電流に達していない状態の場合のみ上記PI動作が行われるようにしている。
なお本実施形態では、モータ135の駆動電流と目標電流値の電流差分を電圧出力に変換することで、電源電圧降下等に対処可能な制御処理を行っているが、電圧出力への変換を省略して、電流差分から直接的に出力Duty比を算出してPWM信号を生成する処理ステップとすることも可能である。
上記モータ駆動制御処理を介した締結作業における、モータ駆動電流、モータ回転数およびモータ駆動用出力Dutyの変化について図12に示す。
図12は、締結作業時(すなわちモータ正転駆動時)における、モータ135の駆動電流、回転数、および出力Dutyの経時的変化を複合的に示したグラフである。最上段のグラフ(モータ135の駆動電流の経時的変化を示すグラフ)の縦軸におけるTHIは、モータ135の駆動電流の目標電流値である。一方、グラフ横軸におけるTM1は、実際に加締め作業が開始される時間、具体的には、図8に示すようにカラー6がアンビル181に当接して制止され、その後、テーパー部181Tへと縮径しながら進入するに至るという、一連のカラー6の押圧動作が開始されるロードスタート時間に該当する。また、TM2は、締結完了時間、すなわちモータ回転数が設定値を下回り、締結完了として、モータ135が出力停止される時間を示す(併せて図10のステップS15参照)。
図10を参照して述べたように、ステップS11においてトリガ115のオン状態が検出された場合、ステップS12において、モータの駆動電流が所定の目標電流値になるように駆動電流制御処理が行われる。図12に示すように、モータ135の駆動初期の段階で、相対的に大きな起動電流が発生するが(最上段のグラフにおけるI1領域)、目標電流値THIに至らないため、特に目標電流値THIに応じた抑制は行われていない。その後、実際に加締め作業が開始されるロードスタート時間に相当するTM1から、当該加締めに必要な出力増大に対応する形で、駆動電流値が上昇する(I2領域)。これをモータ135の回転数で見た場合、モータ回転数は当初は相対的に高いR1領域で推移し、ロードスタート時間であるTM1からは、加締めに必要な出力増大に伴って回転数が減少していく(中段のグラフにおけるR2領域)。
既に述べたように、本実施形態では、モータ135の駆動電流が目標電流値となるように制御して加締め作業が遂行される。その間、モータ135の駆動電流は、当該目標電流値THIを維持した状態で推移する(最上段のグラフにおけるI3領域)。加締め作業中、モータ135の駆動電流がTHIで定常的に推移するということは、モータ135の回転数は、要求出力の増大と逆相関する形で減少してくことになる。この状態が中段のグラフにおけるR2〜R3領域に示される。
最上段のグラフに示すように、I3領域では、目標電流値THIに合せたモータ135の駆動電流の制御が行われているが、やがて加締め作業が終結に近づき、カラー6がこれ以上は塑性変形できない限界に向かう場合であっても当該駆動電流制御が維持される。一方、カラー6につき、それ以上の押圧が困難になるに従い、モータ135の回転は徐々に低下することになる。当該モータ135の回転数が減少する状態が、中段のグラフにおけるR3領域に示される。
そして、図10のステップS14に示すように、モータ135の回転数が所定の設定値を下回ると判断された場合、すなわち図12の中段のグラフに示すように、モータ135の回転数がR4領域において設定値THRを下回る状態に至った場合、締結作業が完了したものとして、時間TM2においてモータ135の出力停止がなされる。
また、トリガ115のオン動作検出から加締め開始を経て締結作業完了に至るまでのモータ135駆動用の出力Dutyの推移が図12の最下段のグラフに示される。最下段のグラフでは、実際の加締め作業が開始されるまでの出力Dutyの初期段階がD1領域で示され、ロードスタート時間TM1以降において、目標電流値による制御に対応して、出力Dutyが減少していく状態がD2〜D4領域で示される。
なお本実施形態では、トリガ115のオン動作検出から加締め作業完了に至るまで、モータ135の駆動電流が所定の目標電流値THIとなるように制御する態様を採用しているが、トリガ115のオン動作検出からロードスタート時間TM1までは、異なる目標電流値に基づく制御を行い、TM1から加締め作業完了に至るまでを目標電流値THIに基づく制御としてもよい。あるいはトリガ115のオン動作検出からロードスタート時間TM1までは、目標電流値ではなく、例えば目標回転数に基づく駆動制御に代えることもできる。更に、加締め作業が完了する直前のみ目標電流値THIに基づく制御を行い、それ以外の領域では、他の駆動制御(例えば目標回転数に基づく駆動制御)とすることもできる。
また、加締めを完了した後でモータ135を目標回転数にて逆転駆動する場合の、当該モータ回転数、モータ駆動電流およびモータ駆動用出力Dutyの変化について図13に示す。
図13の最上段のグラフでは、モータ逆転駆動時においてモータ回転数が目標回転数へと立ち上がっていくとともに、フィードバック制御により当該目標回転数へとオーバーシュート部分が収束変化していく状態がRR1領域に示され、更に目標回転数にて安定的に逆転駆動される状態がRR2領域に示される。また図13の中段のグラフでは、かかる目標回転数に対応したモータ駆動電流の変化態様がRI1領域およびRI2領域として示される。さらに図13の最下段のグラフでは、かかる目標回転数に対応した出力Dutyの変化態様がRD1領域およびRD2領域として示される。
以上の構成および作用に照らし、本実施形態によれば、ボルト軸端部領域41が破損することなくボルト軸4と一体となった状態を維持しつつファスナ1の加締めを完了する締結工具100につき、コンパクトで綿密な軸力管理を行うことができる合理的な構成が得られることとなった。なお上記各実施形態は、それぞれ単独で、あるいは適宜に組み合わせることで更に綿密な軸力管理を遂行できる。
以下、図14を参照して、モータ駆動制御機構101における駆動制御フローの変形例について説明する。本変形例は、図10に示す駆動制御フローから、ステップS16が省略された制御フローに相当するため、図14では、図10の駆動制御フローと同一内容のステップについては同じステップ番号が付されている。
図14に示すように、本変形例でも、上記実施形態と同様、トリガ115(電気スイッチアセンブリ116)のオン状態が検出された後、目標電流に基づくモータ駆動制御処理を通じて加締め作業が遂行される(ステップS11からステップS13)。そして、モータ135の回転数が所定の設定値を下回った場合、または、ボールネジシャフト169が停止位置に達した場合(磁石177が最後端位置センサ179によって検知された場合)、モータ135の出力が停止される(ステップS14およびステップS15)。本変形例では、ステップS15でモータが停止されると、コントローラ131(ないし3相インバータ134)によって直ちにモータ135の逆転駆動が行われる(ステップS17aおよびS17b)。つまり、ボルト把持爪185がアンビル181に対して前側方向FRへ移動される。その後、ボルト把持爪185が初期位置に復帰すると(つまり、磁石177が初期位置センサ178によって検出されると)、モータ135が停止される(ステップS18およびS19)。
以上に説明したように、本変形例では、コントローラ131は、ボルト把持爪185の後側方向RRへの移動を停止した後、自動的に、ボルト把持爪185の前側方向FRへの移動を開始し、ボルト把持爪185を初期位置に復帰させる。つまり、コントローラ131は、トリガ115(電気スイッチアセンブリ116)がオフ状態とされるのを待つことなく、ボルト把持爪185を初期位置に復帰させる。よって、本変形例では、上記実施形態と同じ制御処理によって得られる効果に加え、ファスナ1を用いた締結作業が複数回連続して行われる場合に、作業効率を向上することができる。なお、コントローラ131は、ボルト把持爪185の後側方向RRへの移動を停止した後、所定時間(予め設定された比較的短い時間)の経過後に、ボルト把持爪185の前側方向FRへの移動を開始してもよい。
さらに本件発明および実施形態の趣旨に基づき、以下の態様が適宜に採用される。また以下の態様を、それぞれ独立して、あるいは複数組み合わせて、本件特許請求の範囲に記載の各発明に付加することで更なる態様が採用される。
(態様1)
「前記制御部は、前記モータの回転数の変化量に基づいて、前記ボルト把持部の駆動を停止することで前記ファスナの加締めを完了する」
モータの回転数の変化量に基づくことで、制御の迅速性を増すことが可能となる。
(態様2)
「前記ファスナの加締め完了を報知する報知部が設けられている」
締結工具作業者への締結完了の報知を行うことで、作業効率の更なる向上に資する。報知態様としては、本実施形態のようにLED発光の他、画像表示等による視覚的報知、音による報知、振動などの触覚による報知等、各種の報知態様が採用可能である。
あるいは報知部の報知タイミングにつき、締結完了に加えて、あるいは締結完了に代えて、操作の投入操作時、および/または、ロードスタート時、および/または、締結作業後の初期位置への復帰時、あるいは他の任意のタイミングにおいて、作業者に報知を行う態様も適宜に採用可能である。
(態様3)
「少なくとも前記ファスナの加締め完了直前に、前記モータの駆動電流が所定の目標電流値となるように制御して前記ボルト把持部を前記第1方向に駆動する」
特に出力が増大し易い加締め作業完了直前に目標電流値に基づく制御を行うことで、機材保護の万全を期しつつ、締結作業の更なる合理化が図れる。
(態様4)
「前記制御部は、前記モータの駆動電流値と値前記目標電流値との差に基づいて電圧出力を算出し、前記モータの電源電圧との対比に基づいて前記モータの駆動制御を行う」
電源電圧の変動を考慮しながらモータ駆動制御を行うことができるので、締結作業時の外乱による制御支障リスクを低減することができる。
W 作業材
W1,W2 締結作業部材
W11、W21 貫通孔
1 ファスナ
2 ボルト
3 ヘッド
4 ボルト軸
41 ボルト軸端部領域
5 溝
6 カラー
7 カラー中空部
100 締結工具
101 モータ駆動制御機構
110 アウタハウジング
111 モータ収容領域
112 減速ギア収容領域
113 インナハウジング収容領域
114 グリップ部
115 トリガ
116 電気スイッチアセンブリ
117 コントローラ収容領域
118 バッテリ装着部
120 インナハウジング
120H 孔部
121 ボールネジ機構収容領域
122 ガイドフランジ取付アーム
123 ガイドフランジ
124 ガイド穴
125 スリーブ
126 スリーブボア
127 ジョイントスリーブ
130 バッテリ
131 コントローラ
132 操作ダイアル
133 駆動電流検出アンプ
134 3相インバータ
135 モータ
136 モータ出力軸
137 ベアリング
138 冷却ファン
139 ホールセンサ
140 遊星ギア減速機構
141A 第1サン・ギア
142A 第1遊星ギア
143A 第1インターナルギア
141B 第2サン・ギア
142B 第2遊星ギア
143B 第2インターナルギア
144 キャリア
150 ベベルギア減速機構
151 駆動側中間軸
152 ベアリング
153 駆動側ベベルギア
154 被動側中間軸
155 ベアリング
156 被動側ベベルギア
157 ボールナット駆動ギア
160 ボールネジ機構
161 ボールナット
161F 前方側端部
161R 後方側端部
162 被動ギア
163 ボア
164 溝部
165 スラストワッシャ
166 スラストボールベアリング
167 スラストニードルベアリング
168 ラジアルニードルベアリング
169 ボールネジシャフト
169L 回転軸
171 螺合部
172 ローラシャフト
173 ローラ
174 エンドキャップ
175 アーム取付ネジ
176 アーム
177 磁石
178 初期位置センサ
179 最後端位置センサ
180 ボルト把持機構
181 アンビル
181T テーパー部
182 スリーブ係止リブ
183 アンビルボア
185 ボルト把持爪
186 ボルト把持爪基部
187A 第1連結部
187B 第2連結部
187C 係止フランジ
188 係止部
188A 係止端部
189 第3連結部
190 スペース
191 LED
201 加合せ点
203 増幅器
205 積分処理部
207 増幅器
209 加合せ点
211 出力リミッタ処理部
213 加合せ点
215 増幅器

Claims (7)

  1. 溝が形成された軸部にヘッド部が一体形成されたボルトと、当該ボルトに係合可能な中空筒状のカラーを備えたファスナを介して、前記ヘッド部と前記カラー間に配された作業材を締結する締結工具であって、
    前記軸部の端部領域を把持可能なボルト把持部と、前記カラーに係合可能なアンビルと、前記ボルト把持部を駆動して、前記アンビルに対し所定の長軸方向に相対移動させるモータと、前記モータの駆動制御を行う制御部と、を有し、
    前記軸部の端部領域を把持した状態の前記ボルト把持部が、前記アンビルに対して、前記長軸方向のうちの所定の第1方向へと相対移動することにより、前記アンビルが、前記軸部に嵌合された状態の前記カラーを、前記長軸方向のうちの前記第1方向とは反対の第2方向、および前記カラーの径方向内側へと押圧することで前記ファスナの加締めが開始され、
    前記締結工具は、前記カラーと前記ヘッド部とで前記作業材を挟着するとともに、前記カラーの中空部を前記溝に圧着することで、前記端部領域が前記軸部と一体となった状態を維持しつつ前記ファスナの加締めを完了可能に構成され、
    前記制御部は、前記ファスナの加締め作業の開始から当該加締め作業の完了まで、前記モータの駆動電流が所定の目標電流値となるようにフィードバック制御して前記ボルト把持部を前記第1方向に駆動することで、前記ファスナの加締めを遂行するとともに、前記モータの回転数に基づいて前記ボルト把持部の駆動を停止することで前記端部領域が前記軸部と一体となった状態を維持して前記ファスナの加締めを完了することを特徴とする締結工具。
  2. 請求項1に記載の締結工具であって、
    作業者の手動による投入操作が可能な、前記モータ駆動のための操作部材を有し、
    前記制御部は、前記操作部材の投入操作から前記ファスナの加締め完了まで、前記モータの駆動電流が前記目標電流値となるように制御して前記ボルト把持部を駆動することを特徴とする締結工具。
  3. 請求項1または2に記載の締結工具であって、
    前記制御部は、前記モータの前記回転数が所定の回転数まで低下した場合に、前記ボルト把持部の駆動を停止して、前記ファスナの加締めを完了することを特徴とする締結工具。
  4. 請求項1または2に記載の締結工具であって、
    前記制御部は、前記モータが回転停止した場合に、前記ボルト把持部の駆動を停止して、前記ファスナの加締めを完了することを特徴とする締結工具。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の締結工具であって、
    前記目標電流値は変更調節可能に構成されていることを特徴とする締結工具。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の締結工具であって、
    前記ボルト把持部が前記アンビルに対して所定の相対位置に置かれる初期位置が設定されており、
    前記制御部は、前記ファスナの加締めが完了した場合に、前記モータを所定の目標回転数で駆動制御することで、前記ボルト把持部を前記アンビルに対して前記第2方向に相対移動させて前記初期位置に復帰させることを特徴とする締結工具。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の締結工具であって、
    前記ボルト把持部が前記アンビルに対して所定の相対位置に置かれる初期位置が設定されており、
    前記制御部は、前記モータの前記回転数に基づいて、前記アンビルに対する前記ボルト把持部の前記第1方向への相対移動を停止した後、前記ボルト把持部を前記アンビルに対して前記第2方向に相対移動させて前記初期位置に復帰させることを特徴とする締結工具。
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