JP2500704Y2 - 自動車の後部車体構造 - Google Patents

自動車の後部車体構造

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JP2500704Y2 JP1915590U JP1915590U JP2500704Y2 JP 2500704 Y2 JP2500704 Y2 JP 2500704Y2 JP 1915590 U JP1915590 U JP 1915590U JP 1915590 U JP1915590 U JP 1915590U JP 2500704 Y2 JP2500704 Y2 JP 2500704Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動車の後部車体構造に関し、特に車体
後部下端のピラー部材と車体下部コーナ部のパネル部材
とのスポット溶接のための十分な作業スペースを確保す
るとともに、上記ピラー部材の両側端部での剛性を向上
するための構造に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に自動車の車体は複数のパネルをスポット溶接な
どにより接合して作られているが、車体のコーナ部で
は、車体側面を構成するパネルの端部が集中するため、
溶接箇所も多く、またスポット溶接のための作業スペー
スも限られてくる。このため従来はこのような車体コー
ナ部における表面側のパネルと裏面側のパネルとのスポ
ット溶接作業は上記表面側のパネルに形成された既設の
開口等を利用して行っている。
第2図〜第5図は車体後部コーナ部の従来のパネル接
合構造を説明するための図であり、第2図(a)は車体
後面を示す背面図、第2図(b)は車体後部側面を示す
側面図、第3図は第2図のA部分を車外側から見た斜視
図、第4図は該A部分を車室内側から見た斜視図、第5
図は第4図のV−V線断面図である。
図において、21は車体20の後部両側に配設されたリヤ
フロアサイドメンバで、その後端近傍にはマフラハンガ
ー22とトランスポートフック23とが取付けられている。
また上記リヤフロアサイドメンバ21の後端フランジ21a
にはリヤインナパネル24が接合されている。このリヤイ
ンナパネル24の下端フランジ24aにはリヤアウタパネル2
5の下端フランジ25aが固着され、またリヤインナ,及び
アウタパネル24,25の上端フランジ24b,25bにはそれぞれ
リヤアッパパネル26の前,後端フランジ26a,26bが固着
されている。これにより車体後部下端のピラー部29が形
成されている。また上記リヤアウタパネル25のリヤフロ
アサイドメンバ21後端に対向する部分には開口25cが形
成されており、バンパ28の取付用ブラケット27が上記開
口25cを介してリヤフロアサイドメンバ21側に取付けら
れている。
また上記リヤインナ,及びアウタパネル24,25の両側
部にはそれぞれ車体後部下端のコーナ部を構成するクォ
ータインナ,及びアウタパネル30,31が接合されてい
る。該クォータインナパネル30はコーナ部側面側のサイ
ドインナパネル32と、該パネル32の後端フランジ32aに
前端フランジ33aが接合されたコーナ部後面側のバック
インナパネル33とから構成されている。そしてこのバッ
クインナパネル33の車幅方向内側端は車両前後方向に折
り曲げられ、さらにその先端が車幅方向に曲げられてお
り、断面視略U字形部34が一体に形成されている。この
U字形部34の根本部34aは上記リヤインナパネル24の側
端部24cに、先端部34bは上記リヤアウタパネル25の側端
部25eに接合されている。
一方上記クォータアウタパネル31はコーナ部側面側に
サイドアウタパネル35と、該パネル35の後端フランジ35
aに前端フランジ36aが接合されたコーナ部後面側のバッ
クアウタパネル36とから構成されている。このバックア
ウタパネル36の車幅方向内側端部36bは上記リヤアウタ
パネル25の開口側縁部25bにスポット溶接されている。
第3図の×印はスポット溶接部分を示している。またこ
の部分の溶接は第5図に示すように上記開口25aからス
ポットガンGを挿入して行われる。
なおここで37は上記バックインナパネル33の上端部に
接合されたルーフサイドリヤインナパネル、39は上記バ
ックアウタパネル36の上端部に接合されたルーフバック
ドアオープニングパネルである。また38は上記パネル37
及びその下側のバックインナパネル33に対向して配設さ
れたバックドアオープニングロアパネルで、その前端フ
ランジ38aの上部は上記パネル37の前端フランジ37aに、
下部はサイドインナパネル32のフランジ32a近傍部分に
接合されている。また上記オープニングロアパネル38の
後端フランジ38bは上記オープニングパネル39の内側フ
ランジ39a近傍部からバックアウタパネル36の上部フラ
ンジ36c近傍部を介してその前端フランジ36a近傍部に渡
ってこれらの部分と接合されている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところが、従来の車体後部構造では、車体後部下端の
コーナ部はリヤバンパ28の意匠上の要請からその外表
面,つまりクォータアウタパネル31やリヤアウタパネル
25の側部側が丸みを帯びた形状となっており、この平面
ラウンドの影響により上記ピラー部29の両側端部内側の
空間が狭くなっている。このため上記バックアウタパネ
ル36の内側端部36bと上記リヤアウタパネル25の開口側
縁部25dとをスポット溶接する際、スポットガンGを所
定位置に挿入しにくいという問題があった。
また上記ピラー部29両側端部の断面積が小さく、該ピ
ラー部29の剛性確保という点で不利な構造であるという
問題もあった。
本考案はこのような問題点を解決するためになされた
もので、リヤバンパの意匠上の要請を満たしつつ、車体
後部下端のピラー部構成パネルと、該ピラー両端側の車
体コーナ部構成パネルとのスポット溶接の作業性を向上
するとともに上記ピラー部両側端部で十分な剛性を確保
することができる自動車の後部車体構造を得ることを目
的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この考案に係る自動車の後部車体構造は、リヤフロア
サイドメンバの、車体後部下端のピラー部材との接合部
をその車幅方向外側が内側より車体前方に位置する形状
とするとともに、上記ピラー部材のインナパネルを上記
接合部の形状に合った形状とし、該ピラー部材のアウタ
パネルに形成した開口を利用して該開口側縁部を上記ピ
ラー部材両側のコーナ部構成パネルにスポット溶接する
ようにしたことを特徴としている。
〔作用〕
この考案においては、リヤフロアサイドメンバの、車
体後部下端のピラー部材との接合部をその車幅方向外側
が内側より車体前方に位置する形状とするとともに、上
記ピラー部材のインナパネルを上記接合部の形状に合っ
た形状にしたから、上記ピラー部材のアウタパネルの両
側端部をバンパの形状に合わせて大きな曲率半径を持つ
ような形状にした場合にも、バンパの形状に影響される
ことなく上記ピラー部材の両側端部の内側に十分な広さ
のスペースを確保することができる。つまり、上記アウ
タパネル側端部に形成した開口周縁部を上記ピラー部材
側方のコーナ部構成パネルにスポット溶接するための十
分な作業スペースを確保することができ、これによりス
ポット溶接の作業性を向上することができる。
また、上記ピラー部材の両側端部での断面積も十分な
広さとなり、上記ピラー部材の断面剛性を向上すること
ができる。
〔実施例〕
以下この考案の一実施例を図について説明する。
第1図は本考案の一実施例による自動車の後部車体構
造を説明するための断面図であり、第5図と同一部分を
示している。図において、第2図〜第5図と同一符号は
同一または相当部分を示す。1はリヤフロアサイドメン
バで、該リヤフロアサイドメンバ1の後端のフランジ1a
は車体後部下端のピラー部材2を構成するリヤインナパ
ネル3に接合されている。そして、該後端フランジ1aは
その車幅方向外側が内側より車体前方に位置する形状と
なっており、また上記リヤインナパネル3も該フランジ
形状に合った形状となっている。その他の構成は従来の
構造と同一であり、このリヤインナパネル3と、該パネ
ル3に対向して接合されたリヤアウタパネル25と、該両
パネル3,25の上端部間に配設されたリヤアッパパネル26
とにより上記ピラー部2が構成されている。そして該リ
ヤインナ,及びアウタパネル1,25はそれぞれ車体後部下
端のコーナ部を構成するクォータインナ,及びアウタパ
ネル30,31に接合されている。
次に作用効果について説明する。
このように本実施例では、リヤフロアサイドメンバ1
の、車体後部下端のピラー部材2との接合フランジ1aを
その車幅方向外側が内側より車体前方に位置する形状に
するとともに、上記ピラー部材2のインナパネル3を該
フランジ形状に合った形状にしたので、上記ピラー部材
2のアウタパネル25の両側端部をバンパの形状に合わせ
て大きな曲率半径を持つような形状にした場合にも、バ
ンパの形状に影響されることなく上記ピラー部材2の両
側端部の内側に十分な広さのスペースを確保することが
できる。このためスポットガンGの挿入スペースに余裕
ができ、上記アウタパネル25の開口周縁部25dを上記ピ
ラー部材2側方のパネルアウタパネル36にスポット溶接
する作業がし易くなり、これによりスポット溶接の作業
性を向上することができる。
また、上記インナパネル3が前方に曲屈した分だけピ
ラー部材2の両側端部での断面積も拡大され、上記ピラ
ー部材2の断面剛性を向上することができる。
なお、上記実施例では、クォータインナパネル30及び
クォータアウタパネル31をそれぞれコーナ部側面側とコ
ーナ部後面側の二枚のパネルから構成した場合を示した
が、上記クォータインナ及びアウタパネルはそれぞれ一
枚のパネルから構成してもよい。また車体後部コーナ部
のパネル接合構造は上記実施例の構造に限るものではな
い。
〔考案の効果〕
以上のようにこの考案に係る自動車の後部車体構造に
よれば、リヤフロアサイドメンバの、車体後部下端のピ
ラー部材との接合部をその車幅方向外側が内側より車体
前方に位置する形状にするとともに、上記ピラー部材の
インナパネルを該接合部の形状に合った形状にしたの
で、上記ピラー部材のアウタパネルの両側端部をバンパ
の形状に合わせて大きな曲率半径を持つような形状にし
た場合にも、バンパの形状に影響されることなく上記ピ
ラー部材の両側端部の内側に十分な広さのスペースを確
保することができる。このため上記アウタパネルに形成
した開口周縁部を上記ピラー部材側方のパネル部材にス
ポット溶接する作業が容易となり、意匠上の要請に応え
ながらスポット溶接の作業性を向上することができる効
果がある。
また、上記ピラー部材の両側端部での断面積も十分な
広さとなり、上記ピラー部材の断面剛性を向上できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例による自動車の後部車体構造
を説明するための図であり、第4図のV−V線断面に相
当する図、第2図〜第5図は従来の後部車体構造を説明
するための図であり、第2図(a)は車体後面を示す背
面図、第2図(b)は車体後部側面を示す側面図、第3
図は第2図のA部分を車外側から見た斜視図、第4図は
該A部分を車室内側から見た斜視図、第5図は第4図の
V−V線断面図である。 図において、1はリヤフロアサイドメンバ、1aはフラン
ジ、2はピラー部材、3はインナパネル、20は車体、25
はアウタパネル、25aは開口、31はクォータパネルであ
る。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体下部後端のピラー部材をインナパネル
    とアウタパネルとから構成し、リヤフロアサイドメンバ
    の後端を上記インナパネルに接続するとともに、上記ア
    ウタパネルの、上記リヤフロアサイドメンバ後端との対
    向部分に形成した開口を利用して該開口の車幅方向外側
    縁部を車体後部コーナ部を構成するパネルにスポット溶
    接してなる自動車の後部車体構造において、上記リヤフ
    ロアサイドメンバの、上記ピラー部材のインナパネルと
    の接合部をその車幅方向外側が内側より車体前方に位置
    する形状とするとともに、上記インナパネルを該接合部
    の形状に合った形状にしたことを特徴とする自動車の後
    部車体構造。
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