JPH0532391Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車体のトランクの後壁を形成するリヤ
エンドパネルに関する。

（従来の技術） 車体後部のトランクの後壁は剛板からなるリヤ
エンドパネルにより形成され、所要の剛性を保持
できるよう形成される。このリヤエンドパネルは
通常、下縁部をトランクフロアの後縁に、左右縁
を左右リヤフエンダの後縁にそれぞれ接続され、
しかも、トランクの開口縁をなす上縁部はトラン
クリツドと気密性を保つて接合可能で、かつ、ト
ランクリツドと施錠時に上縁部が連結され、所要
の剛性を確保できるよう形成される。

たとえば、第５図に示すように、パネルリヤエ
ンドアウタ１及びパネルリヤエンドインナ２を接
合して車幅方向（紙面垂直方向）に長い閉断面Ｄ
を形成し、上縁剛性を確保したものが多い。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、パネルリヤエンドアウタ１及びイン
ナ２の両先端縁をトランク３の外側方向にそれぞ
れ折曲して接合フランジ４，５を形成し、両フラ
ンジを互いに溶接して、この部分をウエザストリ
ツプ６の取付部とした構造が知られている。

ところが、この接合構造を採ると、互いに隣り
合う一組のスポツト溶接部間に隙間が生じ易く、
ここより雨水が破線ａで示す経路で浸入し易いと
いう問題がある。

他方、第６図に示すように、パネルリヤエンド
アウタ１とインナ２の互いの平面部分を重合し、
両パネルのスポツト溶接部間の隙間の発生量を低
減させ、かつ、雨水浸入経路ｂを長くすることに
より耐水性を改善したものが知られている。

しかし、この場合でも、互いの平面部分の隙間
が生じ易く、より良好な耐水性を得られるリヤエ
ンドパネルが望まれている。

本考案の目的は、耐水性の良好なリヤエンドパ
ネルを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するため、本考案は、互いに
接合されるパネルリヤエンドインナ及びパネルリ
ヤエンドアウタを備え、上記両パネルの上側重合
部には後下がりに配設される傾斜板をそれぞれ形
成し、しかも、上記両パネルは互いに接合されて
車幅方向に長い閉断面を形成したものであつて、
特に、上記パネルエンドインナの斜視板部の先端
側に外向きの長片状折曲部を形成し、上記パネル
リヤエンドアウタには上記長片状折曲部との対向
部に外向凸条を形成したことを特徴とする構成を
採る。

（作用） 長片状折曲部がパネルリヤエンドインナの傾斜
板部の剛性を強化し、外向凸状が長片状折曲部と
の干渉を防ぐと共にパネルリヤエンドアウタの傾
斜板部の剛性を強化する。

（実施例） 第１図のリヤエンドパネルはパネリリヤエンド
インナ１０とパネルリヤエンドアウタ１１とで形
成され、全体は第２図に示すように、車幅方向ｘ
に長く略板状を呈し、第４図に示すように、車両
のトランク１２の後壁部をトランクリツド１３と
共に形成する。

パネルリヤエンドアウタ１１及びパネルリヤエ
ンドインナ１０は、互いに接合され、第１図に示
すような車幅方向ｘに長い閉断面Ｄ１を形成し、
その上部剛性を強化するよう形成される。

即ち、パネルリヤエンドアウタ１１はその下端
縁をリヤフロアメンバ１４の後端に溶接され、下
端より所要幅だけ上方位置をトランクの外側であ
る後方向に折曲して外向折曲部１８を形成し、更
に、複数位置を順次折曲しており、特に第１図に
示すような外向凸条１５、後下がりに配設される
傾斜板部１６、フランジ部１７をこの順で折曲形
成している。

他方、パネルリヤエンドインナ１０は、外向折
曲部１８の裏面に下縁が溶接され、同位置より所
要幅だけ離れた上側部分が順次折曲されており、
特に、第１図に示すような、上向板部１９、後下
がりに配設される傾斜板部２０、同傾斜板部２０
の先端側のトランクの外向きに折曲される長片状
折曲部２１をこの順で折曲形成している。

しかも、両パネル１０，１１の両傾斜板部１
６，２０はパネルリヤエンドインナ側のそれが下
側位置を保つたまま互いに重合され、複数個所で
溶接される。特に、長片状折曲部２１は外向凸条
１５に突入するよう配設される。

ところで、パネルリヤエンドインナ１０はプレ
ス成形されるが、その所定数の工程の内のトリム
工程時において、第３図に実線で示す形状を呈
し、更に、次の工程で、２点鎖線で示す上向板部
１９を形成する曲げ工程を行なう。

ここで行なうトリム工程において、長片状折曲
部２１と下端フランジ２２とは平行に形成され、
トリム加工方向Ｃが同一となり、加工性が良い。
即ち、従来構造（破線で示したｄ部）ではトリム
加工方向が平行でなく、トリム加工が複雑化して
いた。

次に、リヤエンドパネルの左右端縁は、左右リ
ヤフエンダ２３，２４側の後折曲部２３１，２４
１に重合され、溶接される。なお、この両後折曲
部はその端部の断面形状を、リヤエンドパネルの
左右端部に重合可能に形成されている。第４図中
符号２５はバンパを、第１図中符号２６はウエザ
ストリツプをそれぞれ示している。

このようなリヤエンドパネルは、特に、そのパ
ネルリヤエンドインナ及びアウタ１０，１１の両
傾斜板部１６，２０が長片状折曲部２１、外向凸
状１５によりその剛性を強化され、車幅方向ｘに
沿つた波打状の変位を抑えることができ、形状精
度がでると共に、溶接時の変位も少ない。しか
も、長片状折曲部２１と外向凸状１５の干渉もな
く、パネルリヤエンドインナの加工性も良好とな
る。

（考案の効果） パネルリヤエンドインナ及び同アウタの両傾斜
板部の剛性が向上し、両部の接合精度が向上し、
耐水性が強化されるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としてのリヤエンド
パネルの断面図、第２図は同上パネルの正面図、
第３図は同上パネル内のパネルリヤエンドインナ
の加工時形状説明図、第４図は同上パネルを装着
した車両の要部斜視図、第５図及び第６図は従来
パネルのそれぞれ異なる概略断面図をそれぞれ示
している。 １０……パネルリヤエンドインナ、１１……パ
ネルリヤエンドアウタ、１６，２０……傾斜板
部、１５……外向凸状、２１……長片状折曲部、
ｘ……車幅方向、Ｄ１……閉断面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに接合されるパネルリヤエンドインナ及び
   パネルリヤエンドアウタにより車幅方向に長い閉
   断面を形成し、かつ、上記両パネルの上側重合部
   には互いに接合されると共に後下がりに配設され
   る傾斜板部をそれぞれ形成した構成のリヤエンド
   パネルにおいて、上記パネルリヤエンドインナの
   傾斜板部の先端側に外向きの長片状折曲部を形成
   し、上記パネルリヤエンドアウタには上記長片状
   折曲部との対向部に外向凸条を形成したことを特
   徴とするリヤエンドパネル。