JP2500634Y2

JP2500634Y2 - シ―トの上下調整装置

Info

Publication number: JP2500634Y2
Application number: JP6952490U
Authority: JP
Inventors: 聖二原; 洋悦長坂
Original assignee: Shiroki Corp
Current assignee: Shiroki Corp
Priority date: 1990-06-29
Filing date: 1990-06-29
Publication date: 1996-06-12
Anticipated expiration: 2005-06-29
Also published as: JPH0426831U

Description

【考案の詳細な説明】「技術分野」本考案は、車両のシート、特に乗用車の前席のシート
の上下位置を調整する、パワー化された上下調整装置に
関する。

「従来技術およびその問題点」シート位置の調整装置は、特に高級車において近時パ
ワー化が進み、またその調整方向も前後方向、シートバ
ックの傾斜角度のみならず、上下方向にも可能なものが
各種提案されている。

本出願人は、このような背景から、クッションシート
の上下動用のリンク機構を、“ロアブラケットに枢着し
た、クッションシートの前方、後方昇降用の一対のセク
タギヤ”と、“該一対のセクタギヤの揺動に伴ないクッ
ションシートの前後が独立して上下動するように該セク
タギヤとクッションシートを接続するリンク”とから構
成し、一対のセクタギヤのパワー駆動機構を、ロアブラ
ケットに支持した、一対のセクタギヤにそれぞれ噛み合
う一対のピニオンと、この一対のピニオンを個別に回転
駆動するモータ駆動機構とから構成したシートの上下調
整装置を提案した（特開昭60−45436号公報参照）。こ
のシートの上下調整装置は、クッションシートの前後位
置をパワー化された機構により独立して調整することが
でき、またパワー化したものでありながら、モータとセ
クタギヤとの連動を従来装置に比して簡単な機構とする
ことができる。

ところで、該シートの上下調整装置は、一対のピニオ
ンが同軸の二つのピニオンを有していて、その一方のピ
ニオンがロアブラケットの内側においてセクタギヤと噛
み合い、他方のピニオンは、ロアブラケットの外側に突
出されてモータユニットの動力取出ピニオンと噛み合っ
ている。このため、同軸の二つのピニオンを有する一対
のピニオンは軸方向に長くなるから、その強度も弱く、
ロアブラケットに支持するときは特別な軸受部を必要と
している。

さらに、モータ駆動機構のモータに取付けた動力取出
ピニオンを、ロアブラケットの外側に突出させたピニオ
ンと噛み合わせる関係上、このモータ駆動機構を支持す
る特別なブラケットが必要となっている。これにより、
シートの上下調整装置は、ブラケットを介して取り付け
たモータ駆動機構がロアブラケットの外側に大きく張り
出す等、装置の横幅を拡げる不都合を生じている。

「考案の目的」本考案は、モータ駆動機構を用いてパワー化されたも
のでありながら、装置の幅方向を小さくまとめ、構造を
簡単にすることのできるシートの上下調節装置を得るこ
とを目的としている。

「考案の概要」本考案は、車両床面側に固定されるロアブラケット
に、クッションシートの前方昇降用、後方昇降用の一対
のセクタギヤを枢着し、この一対のセクタギヤを、動力
取出ギヤを有する一対のモータ駆動ユニットによって駆
動するシートの上下調整装置において、上記一対のセク
タギヤと、これに噛み合う一対のピニオンとを、上記ロ
アブラケットの内側にそれぞれ配設し、上記モータ駆動
ユニットをロアブラケットの外側に直接固定するととも
に、その動力取出ピニオンをロアブラケットの内側に突
出させたことに特徴を有する。

「考案の実施例」以下図示実施例について本考案を説明する。ロアブラ
ケット11、11は左右一対の平行なシートトラック12、12
のアッパレール13、13上にそれぞれ固定されている。シ
ートトラック12は車両床面に固定されるロアレール14
と、このロアレール14に摺動自在に嵌めたアッパレール
13からなるもので、図示しない周知のロック機構が両ア
ッパレール13、ロアレール14間の摺動を許容しまたは阻
止する。

左右のロアブラケット11、11間には、その前方位置二
箇所に、揺動軸15、16が回動可能に渡架されており、こ
の揺動軸15、16の両端部、ロアブラケット11の内側に、
それぞれセクタギヤ17、18が固定されている。すなわち
左右のセクタギヤ17、18は一方が回動すると揺動軸15、
16を介し他方もこれに連動して回動する関係となってい
る。なお第１図下方のセクタギヤ17、18はギヤを有しな
い単なるリンクでもよいが、便宜上左右同一の符号を付
して説明する。

一対のセクタギヤ17、18のうち前方のセクタギヤ17は
クッションシート20（第２図）の前方昇降用、後方のセ
クタギヤ18は同後方昇降用であって、該後方のセクタギ
ヤ18は主としてシートバックのリクライニング機構（と
もに図示せず）との干渉を避けるため、ロアブラケット
11の中間部分より前方に設けられている。そしてセクタ
ギヤ17とクッションシート20のシートフレーム21の前方
とは、接続リンク22およびその両端の枢着ピン23、24に
より直接接続されていて、セクタギヤ17の揺動によりク
ッションシート20の前部が上下動するように構成されて
いる。

他方セクタギヤ18とシートフレーム21の後部とは位置
が対応しないため、ロアブラケット11の後部にピン25に
より揺動クランク26を枢着してその一方の腕26aとシー
トフレーム21の後部とをピン27で枢着し、さらにこの揺
動クランク26の他方の腕26bとセクタギヤ18とを連動リ
ンク28およびその両端の枢着ピン29、30により連結し
て、セクタギヤ18の揺動によりクッションシート20の後
部が上下動するように構成している。

次に上記リンク機構のパワー駆動装置について説明す
る。このパワー駆動装置は前後のセクタギヤ17および18
につきほぼ同じ構成となっているため、前方のセクタギ
ヤ17用の駆動装置の構成要素の符号にはＦのサフィック
ス、後方のセクタギヤ18用のそれにはＲのサフィックス
を付して以下の説明を行なう。また第３図、第４図には
前方のみを示している。

ロアブラケット11にはその内側に、支持ピン50を介し
てピニオン33F、33Rが回転自在に支持されている。この
ピニオン33F、33Rは、ロアブラケット11の直内側に位置
して上記セクタギヤ17、18に噛み合う第一ピニオン34
F、34Rと、該第一ピニオン34F、34Rよりさらに内側に位
置する第二ピニオン35F、35Rを一体にかつ同軸に有して
いる。このようにピニオン33F、33Rは、それぞれその第
一ピニオンと第二ピニオンとが密着した一体構造である
から、これら第一ピニオンと第二ピニオンの間をシャフ
トによって連結する場合に比してその強度を向上させる
ことができる。さらにピニオン33F、33Rはその全体の形
状が薄く形成されているから、ロアレール11の内側にお
いても、必要以上に内側に張り出すことはない。

ロアブラケット11には取付孔37F、37Rが形成されてお
り、該取付孔37F、37Rを貫通させた取付ビス38F、38Rに
よりモータユニット40F、40Rが取り付けられている。モ
ータユニット40F、40Rはモータ41F、41R、減速機構42
F、42R、および回転軸51に取り付けた動力取出ピニオン
43F、43Rを一体化したもので、該動力取出ピニオン43
F、43Rが、ロアブラケット11の透孔39F、39Rを通って上
記第二ピニオン35F、35Rに噛み合っている。

したがって上記構成の本装置は、モータユニット40F
のモータ41Fを正逆に回転すると、その回転が動力取出
ピニオン43Fを介してピニオン33Fの第二ピニオン35Fに
伝達され、その結果第二ピニオン35Fと一体の第一ピニ
オン34Fもともに回転してセクタギヤ17を回転させ、揺
動軸15を介し両側のセクタギヤ17を同時に揺動させる。
よって接続リンク22を介しクッションシート20の前方が
上下に位置を変えることとなる。

またモータユニット40Rのモータ41Rを正逆に回転させ
れば、同様に揺動軸16を介し両側のセクタギヤ18が同時
に揺動し、その結果、連動リンク28および揺動クランク
26を介してクッションシート20の後部が上下に位置を変
える。したがってモータ41F、41Rを独立に回転制御する
ことにより、クッションシート20の前後の上下位置を自
由に調整できることとなる。

モータユニット40F、40Rは市販品として入手が容易で
あり、また大きい駆動力を小型軽量のユニットで得るこ
とができるため、本装置全体の小型軽量化に役立つとい
う利点があるが、本考案は他のモータ駆動装置によりピ
ニオン33F、33Rを駆動するようにしても良い。

また実施例のようにロアブラケット11の外側にモータ
ユニット40F、40Rを直接ビス止めし、その回転軸51に取
付けた動力取出ピニオン43F、43Rをロアブラケット11の
内側に突出させ、この動力取出ピニオン43F、43Rを、第
一ピニオン34F、34Rおよび第二ピニオン35F、35Rを有す
るピニオン33F、33Rに連係させれば、装置を幅方向に広
げることなくコンパクトに構成することができる。これ
により、車両のフロア形状の自由度を広げることがで
き、その強度も向上させることができる。なおこの連動
構造は、クッションシート20の前後の上下位置を独立し
て調整する場合のみでなく、例えば前後いずれか一方に
モータ駆動装置を設け、他方を単にこれに連動させるよ
うにした場合においても適用可能であることは勿論であ
る。

「考案の効果」以上のように本考案のシートの上下調整装置によれ
ば、モータ駆動装置をロアブラケットに直接固定し、さ
らにロアブラケットの内側において、動力取出ピニオン
をピニオンと噛合させ、かつ該ピニオンをセクタギヤと
噛合させているから、モータ駆動装置を幅方向に張り出
すことなくコンパクトにまとめることができる。またピ
ニオンは、ロアブラケットの内側に支持され、該ブラケ
ットの外側に突出することはないから、軸方向を短く構
成して強度を向上させることができ、またこの強度向上
に伴い、ピニオンの支持構造も簡略化させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシートの上下調整装置の実施例を示す
平面図、第２図は第１図のII−II線に沿う断面図、第３図は第２図の矢印Ａ方向から見た図、第４図はシートの上下調整装置の要部の分解斜視図であ
る。 11……ロアブラケット、12……シートトラック、13……
アッパレール、14……ロアレール、15,16……揺動軸、1
7,18……セクタギヤ、20……クッションシート、21……
シートフレーム、22,23,24……接続リンク，枢着ピン、
25,26,27,28,29,30……ピン，揺動クランク，ピン，連
動リンク，枢着ピン、33F,33R……ピニオン、34F,34R…
…第一ピニオン、35F,35R……第二ピニオン、37F,37R…
…取付孔、38F,38R……取付ビス、39F,39R……透孔、40
F,40R……モータユニット、41F,41Rモータ、42F,42R…
…減速機構、43F,43R……動力取出ピニオン、50……支
持ピン、51……回転軸。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車両床面側に固定されるロアブラケット
に、クッションシートの前方昇降用、後方昇降用の一対
のセクタギヤを枢着し、この一対のセクタギヤを、動力
取出ギヤを有する一対のモータ駆動ユニットによって駆
動するシートの上下調整装置において、上記一対のセクタギヤと、これに噛み合う一対のピニオ
ンとを、上記ロアブラケットの内側にそれぞれ配設し、上記モータ駆動ユニットをロアブラケットの外側に直接
固定するとともに、その動力取出ピニオンをロアブラケ
ットの内側に突出させたことを特徴とするシートの上下
調整装置。
【請求項２】請求項１において、セクタギヤと噛み合う
ピニオンはそれぞれ、同軸一体に、ともにロアブラケッ
トの内側に位置するもう一つのピニオンを有し、このも
う一つのピニオンがモータ駆動ユニットの動力取出ピニ
オンと噛み合っているシートの上下調整装置。