JP2500145B2 - コンクリ―ト壁面のライニング構造 - Google Patents

コンクリ―ト壁面のライニング構造

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JP2500145B2
JP2500145B2 JP5273728A JP27372893A JP2500145B2 JP 2500145 B2 JP2500145 B2 JP 2500145B2 JP 5273728 A JP5273728 A JP 5273728A JP 27372893 A JP27372893 A JP 27372893A JP 2500145 B2 JP2500145 B2 JP 2500145B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート壁面にラ
イニング板を展張して被覆し、ライニング壁面を形成す
る際に、このライニング板の仮固定時に使用されるアン
カーボルトの端面を覆い隠す仕上げ処理に用いられる蓋
部材を具備したコンクリート壁面のライニング構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】下水道施設などの汚水処理槽や浄化槽
は、一般にコンクリートで構築されており、このような
槽の内壁面は、槽内に収容されている汚水や下水汚泥に
より、この壁面が腐食してしまうという不具合がある。
そこで、この腐食し損傷した内壁面を補修するととも
に、この補修工事後には壁面の腐食が起こらないよう
に、硬質塩化ビニル樹脂製のライニング板を展張し被覆
する補修工事を行っていた。
【0003】このライニング板は、略短冊形状に形成さ
れ、これらライニング板を多数連結して壁面に展張させ
るが、この展張方法としては、まず、コンクリート内壁
面にアンカーボルトを複数打ち込み、これらアンカーボ
ルトに対応させた仮固定孔をライニング板に穿設して、
このライニング板をコンクリート壁面に沿わせて展張さ
せる。そして、コンクリート壁面とライニング板との間
に所定の間隔の間隙を設け、この間隙内にモルタルなど
を打設して、このモルタルが固化したのちに、アンカー
ボルトを切断し取り除き、このアンカーボルトの切断端
面が表れるライニング板の仮固定孔をウレタン樹脂など
で充填し閉塞して、仕上げていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の展張方法におけるライニング板の仮固定孔の閉
塞処理は、略液体状のウレタン樹脂材を仮固定孔に充填
させ、アンカーボルトの端面を埋設し固化させることで
仕上げるが、このライニング板に形成される仮固定孔
は、板面に多数穿設されているため、全ての仮固定孔に
樹脂を充填させる作業が煩雑であり、また多大な時間を
要するという問題がある。
【0005】そこで本発明は、上記問題点を解消するた
めに、コンクリート壁面にライニング板を展張させる施
工時に、このライニング板の仮固定のためのアンカーボ
ルトの端部およびライニング板に穿設されている仮固定
孔を容易に閉塞させることができる蓋部材を具備したコ
ンクリート壁面のライニング構造を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、上記の目的を達成
するための手段を、実施例に対応する図1乃至図3を参
照して説明する。この発明のコンクリート壁面のライニ
ング構造は、コンクリート壁面Wにライニング板10を
展張し、該コンクリート壁面Wを被覆するコンクリート
壁面のライニング構造において、前記コンクリート壁面
Wより突出し、前記ライニング板10に穿設されて該ラ
イニング板10を展張する際に用いられる仮固定孔10
bより突出するアンカーボルト11の端部に螺着され該
端部を覆う雌ねじ3が裏面1b中央に形成されるととも
に、周縁が前記仮固定孔10bの周囲に当接して該仮固
定孔10aを閉塞し被覆する前記ライニング板10と同
材質な可撓性を有する蓋部材1を具備することを特徴と
している。
【0007】また、この発明のコンクリート壁面のライ
ニング構造は、コンクリート壁面Wにライニング板10
を展張し、該コンクリート壁面Wを被覆するコンクリー
ト壁面のライニング構造において、前記コンクリート壁
面Wに埋設され、前記ライニング板10に穿設されて該
ライニング板10を展張する際に用いられる仮固定孔1
0bより表出する雌ねじ孔12aを有する埋込部材12
に螺着され該埋込部材12の端面を覆う雄ねじ23が裏
面中央に突出形成されるとともに、周縁が前記仮固定孔
10bの周囲に当接して該仮固定孔10bを閉塞し被覆
する前記ライニング板10と同材質な可撓性を有する蓋
部材21を具備することを特徴としている。
【0008】なお、前記蓋部材1,21本体の形状は、
略円板状に形成するとともに表面1a,21aを略球面
状に形成してもよく、また、前記蓋部材1,21本体の
表面1a,21aに、締結用の溝部4,24を形成して
もよい。
【0009】
【作用】裏面1b中央に雌ねじ3が形成されている蓋部
材1では、コンクリート壁面Wより突出し、このコンク
リート壁面Wに展張されるライニング板の仮固定孔10
bより突出するアンカーボルト11の端部に、この雌ね
じ3を螺着させ、アンカーボルト11に取り付けられ
る。これにより、アンカーボルト11の端部が覆われ、
仮固定孔10bが閉塞され被覆される。
【0010】また、裏面21b中央に雄ねじ23が形成
されている蓋部材21では、コンクリート壁面Wに埋設
され、このコンクリート壁面Wに展張されるライニング
板10の仮固定孔10bより表出する埋込部材12の雌
ねじ孔12aに、この雄ねじ23を螺着させて取り付け
られる。これにより、埋込部材12の端面が覆われ、仮
固定孔10bが閉塞されて被覆される。
【0011】なお、各蓋部材1,21の表面1a,21
aに締結用の溝部4,24を形成することで、ドライバ
ーなどの工具にて容易に螺着が行える。
【0012】
【実施例】図1は本発明によるコンクリート壁面のライ
ニング構造の一実施例を示す側断面図、図2は同実施例
による蓋部材の正面図である。
【0013】このコンクリート壁面のライニング構造に
具備される蓋部材1は、可撓性を有するとともに、後述
するライニング板10と同材質の樹脂などよりなり、図
1に示すように、湾曲した円板状で、表面1aが例えば
略凸球面状に形成されているとともに、凹面状の裏面1
bの中央に雌ねじ3が螺刻形成されている。また、表面
1aの略中央には、図2に示すように、ドライバーなど
の工具に対応する溝部4が形成されている。
【0014】そして、この蓋部材1は、図1に示すよう
に、コンクリート壁面Wを補修するために被覆されたラ
イニング板10の表面に突出するアンカーボルト11に
螺着される。
【0015】さて、この発明の蓋部材1が使用されるコ
ンクリート壁面Wの補修構造について説明する。このコ
ンクリート壁面Wの補修構造は、塩化ビニル樹脂などの
硬質なプラスチックよりなり一方の面に互いに平行な多
数のリブ片10aが一体に形成されたライニング板10
と、アンカーボルト11や埋込部材としての支持駒12
などより構成される支持部材13と、モルタルなどの充
填材14とで構成されている。
【0016】そして、支持部材13を構成するアンカー
ボルト11は、コンクリート壁面Wに対して垂直となる
ように等間隔に多数打ち込まれ、これらアンカーボルト
11には埋込部材である支持駒12が螺着などにより装
着される。また、ライニング板10は、これら支持部材
13の位置に対応した箇所へ仮固定孔10bが穿設され
る。
【0017】その後、ライニング板10を、各仮固定孔
10bにアンカーボルト11を貫通させるとともに、各
リブ片10aを垂直方向となるようにコンクリート壁面
Wに展張させる。展張時には、ライニング板10の裏面
が支持駒12に当接するように行う。
【0018】そして、ライニング板10の表面側に支持
材(図示せず)を配設し、仮固定部材(図示せず)をア
ンカーボルト11に螺着させた後、この支持部材13に
よるコンクリート壁面Wとライニング板10との間隙に
モルタルなどの充填材14を注入し充填させる。充填材
14が固化すると、仮固定部材および支持材は取り外さ
れ、ライニング板10の表面より延出しているアンカー
ボルト11を切断する。
【0019】切断されたアンカーボルト11の端部に
は、前述した本発明の蓋部材1が螺着され、この切断端
部を覆い隠すとともに、蓋部材1の周縁がライニング板
10に穿設されている仮固定孔10bの外周表面に当接
し、この仮固定孔10bを閉塞する。
【0020】なお、この蓋部材1の螺着の際は、ドライ
バーなどの工具を用い、表面1aに形成された十字形の
溝部4にて螺着締結を行い、すなわち、ライニング板1
0をコンクリート壁面Wへ押さえるように取り付け、ま
た、螺着時に接着剤などを使用してライニング板10に
対して接着し、強固に固定させてもよい。この接着剤に
よる固定の場合では、密閉性がさらに向上する。
【0021】また、この蓋部材1は、可撓性を有してい
るので、螺着される部分の周囲が平滑でなくても、周縁
部分が撓むことで対応できる。
【0022】従ってこのように構成された上記蓋部材1
を具備したコンクリート壁面のライニング構造では、腐
食などにより損傷したコンクリート壁面Wをライニング
板10を展張し補修する補修工事等の際に、このライニ
ング板10の仮固定のためのアンカーボルト11がライ
ニング板面より表出している場合、このアンカーボルト
11の端部を螺着によって容易に覆い隠すことができ、
施工性が向上し短時間で作業を行うことができる。
【0023】また、この仮固定のためにライニング板1
0に穿設した仮固定孔10bもその周縁部分で覆うこと
ができ、また可撓性を有しているので、この蓋部材1を
螺着させることにより、ライニング板10とともに、補
修される壁面を隙間なく完全に覆うことができ、さら
に、表面1aを略球面状に形成した場合では、平滑なラ
イニング板11に対して突出することなく仕上げ状態が
良好となる。
【0024】なお、上述した実施例では、裏面1bに雌
ねじ3が形成されている蓋部材1の例について述べた
が、図3に示すように裏面21b中央に雄ねじ23を突
出形成させた形状の蓋部材21としてもよい。この蓋部
材21では、例えば、上述したコンクリート壁面Wの補
修工事において、アンカーボルトが埋込部材である支持
駒12から離脱できるような構造の場合に用いられ、埋
設状態の支持駒12に形成されている雌ねじ孔12a
に、雄ねじ23を螺着させることで、この支持駒12の
端面を覆い、そして、ライニング板10の仮固定10b
を閉塞し被覆するようになる。
【0025】なお、この実施例の蓋部材21の表面21
aにもドライバーなどの工具に対応する締結用の十字形
などの溝部24を形成させる。
【0026】また、上述した各実施例では、本発明の蓋
部材1,21を、下水処理槽などのコンクリート壁面W
にライニング板10を展張被覆し補修を行う工事にて使
用する例について述べたが、これに限らず、例えば、図
4および図5に示すように型枠にてライニング板10で
被覆される構築物を製造する際や、型枠にてライニング
板が被覆されるコンクリート管を製造する際などの型枠
仮固定に使用される支持部材を取り除いた後の仕上げと
して使用してもよく、さらには、コンクリート壁面を構
築する際の仕上げとしてのアンカーボルト端部の処理、
若しくは埋込部材の端面の処理に使用してもよい。
【0027】さらに、上述した各実施例では蓋部材1,
21本体の形状を略円板状に形成するとともに、表面1
a,21aを略球面状に形成した例について述べたが、
図6および図7に示すように、円形平板状に形成すると
ともに、周縁の形状を球帯状に形成してもよい。なお、
この形状の場合にも表面1a,21aにドライバーなど
の工具に対応する締結用の溝部を形成させるとよい。
【0028】また、この蓋部材1,21の外形状を図8
に示すような略多角形状に形成してもよく、この場合で
は、工具を使用せず、作業者の手作業にてアンカーボル
ト11若しくは埋込部材12に取り付けることが可能と
なる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明による請求項
1のコンクリート壁面のライニング構造では、腐食など
により損傷したコンクリート壁面をライニング板を展張
し補修する補修工事や、ライニング板にて被覆されるコ
ンクリート壁面を有する構築物の施工工事等の際に、こ
のライニング板の仮固定のためのアンカーボルトがライ
ニング板の仮固定孔より突出している場合、蓋部材の裏
面に形成された雌ねじをこのアンカーボルトの端部に螺
着させることによって、この端部を容易に覆い隠すこと
ができる。すなわち、この螺着作業のみでアンカーボル
トの端部が覆い隠されるので、施工性が向上するととも
に、短時間で作業を行えるという効果がある。
【0030】また、ライニング板の仮固定のためにこの
ライニング板に穿設された仮固定孔も、蓋部材の周縁部
分が仮固定孔の周囲に当接することで覆うことができ、
またこの蓋部材は可撓性を有しているので、螺着される
部分の周囲が平滑でなくても周縁部分が撓むことで対応
でき、この蓋部材をアンカーボルトに螺着させることに
より、ライニング板とともに、補修される壁面を隙間な
く完全に覆うことができるという効果がある。さらに、
この蓋部材を具備したライニング構造によれば、コンク
リート壁面を被覆するライニング板と同材質とされるの
で、コンクリート壁面に対する被覆状態が均一な材質で
構成されることとなり、防食効果にバラツキのないライ
ニング構造を得ることができる。
【0031】また、本発明による請求項2のコンクリー
ト壁面のライニング構造では、コンクリート壁面に埋設
される埋込部材の雌ねじ孔に、蓋部材の裏面に形成され
ている雄ねじを螺着させることで、容易にこの埋込部材
の端面を覆い隠すことができるとともに、前記請求項1
と同様に作業が簡便に行えるという効果がある。
【0032】さらに、請求項3の蓋部材によれば、蓋部
材本体の表面を略球面状に形成することで平滑なライニ
ング板に対して突出することがなく、ライニング面とし
て仕上げ状態が良好なコンクリート壁面のライニング構
造が得られるという効果がある。
【0033】さらに、請求項4の蓋部材によれば、蓋部
材本体の表面に形成された締結用の溝部により、ドライ
バーなどの工具にて、この蓋部材を容易にアンカーボル
トの端部、あるいは埋込部材の端面に螺着させることが
でき、作業性が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蓋部材の一実施例を示す側断面図
【図2】同実施例による蓋部材の正面図
【図3】本発明による蓋部材の他の実施例を示す側断面
【図4】他の実施例による蓋部材の側断面図
【図5】他の実施例による蓋部材の側断面図
【図6】他の実施例による蓋部材の側断面図
【図7】他の実施例による蓋部材の側断面図
【図8】他の実施例による蓋部材の正面図
【符号の説明】
1,21…蓋部材 1a,21a…表面 1b,21b…裏面 3…雌ねじ 4,24…溝部 10…ライニング板 10b…仮固定孔 11…アンカーボルト 12…埋込部材(支持駒) 12a…雌ねじ孔 23…雄ねじ W…コンクリート壁面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート壁面にライニング板を展張
    し、該コンクリート壁面を被覆するコンクリート壁面の
    ライニング構造において、 前記コンクリート壁面より突出し、前記ライニング板に
    穿設されて該ライニング板を展張する際に用いられる仮
    固定孔より突出するアンカーボルトの端部に螺着され該
    端部を覆う雌ねじが裏面中央に形成されるとともに、周
    縁が前記仮固定孔の周囲に当接して該仮固定孔を閉塞し
    被覆する前記ライニング板と同材質な可撓性を有する蓋
    部材を具備することを特徴とするコンクリート壁面のラ
    イニング構造。
  2. 【請求項2】 コンクリート壁面にライニング板を展張
    し、該コンクリート壁面を被覆するコンクリート壁面の
    ライニング構造において、 前記コンクリート壁面に埋設され、前記ライニング板に
    穿設されて該ライニング板を展張する際に用いられる仮
    固定孔より表出する雌ねじ孔を有する埋込部材に螺着さ
    れ該埋込部材の端面を覆う雄ねじが裏面中央に突出形成
    されるとともに、周縁が前記仮固定孔の周囲に当接して
    該仮固定孔を閉塞し被覆する前記ライニング板と同材質
    な可撓性を有する蓋部材を具備することを特徴とするコ
    ンクリート壁面のライニング構造。
  3. 【請求項3】 前記蓋部材本体は、略円板状に形成され
    るとともに表面が略球面状に形成されることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のコンクリート壁面のライニング
    構造
  4. 【請求項4】 前記蓋部材本体の表面には、締結用の溝
    部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又
    は3記載のコンクリート壁面のライニング構造
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JPH0225929Y2 (ja) * 1985-03-20 1990-07-16
JP3104517U (ja) * 2004-04-08 2004-09-30 壮太 鈴木

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