<実施形態>
本実施形態について図1から図9を参照して説明する。
(錠剤印刷装置の構成例)
図1に示すように、本実施形態に係る錠剤印刷装置1は、供給装置10と、第1の印刷装置20と、第2の印刷装置50と、回収装置30と、制御装置40とを備える。
供給装置10は、ホッパ11、整列フィーダ12及び受渡フィーダ13を有する。この供給装置10は、第1の印刷装置20の一端側に位置付けられ、印刷対象物である錠剤Tを第1の印刷装置20に供給することが可能に構成されている。受渡フィーダ13は、供給搬送部(搬送装置)として機能する。
ホッパ11は、多数の錠剤Tを収容し、収容した錠剤Tを整列フィーダ12に順次供給する。整列フィーダ12は、供給された錠剤Tを一列に整列し、受渡フィーダ13に向けて搬送方向A1(時計回り方向)に搬送する。整列フィーダ12としては、例えば、ベルト搬送機構や振動フィーダが用いられる。受渡フィーダ13は、整列フィーダ12上に一列に並ぶ各錠剤Tを錠剤Tの上側から順次吸引して保持し、保持した各錠剤Tを第1の印刷装置20まで一列で搬送して第1の印刷装置20に渡す。受渡フィーダ13としては、例えば、ベルト搬送機構が用いられる。受渡フィーダ13のベルト搬送機構は、搬送方向A2(反時計回り方向)に回転する。供給装置10は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。
第1の印刷装置20は、搬送部21と、検出部22と、第1の撮像部23と、インクジェットヘッド24と、第2の撮像部25と、乾燥部27とを備える。搬送部21は、第1の搬送部(搬送装置)として機能する。インクジェットヘッド24は、第1のインクジェットヘッドとして機能する。
搬送部21は、搬送ベルト21a、駆動プーリ21b、複数の従動プーリ21c、モータ21d、位置検出器21e及び吸引チャンバ21fを有する。搬送ベルト21aは、無端状のベルトであり、駆動プーリ21b及び各従動プーリ21cに架け渡されている。駆動プーリ21b及び各従動プーリ21cは装置本体(図示せず)に回転可能に設けられており、駆動プーリ21bはモータ21dに連結されている。モータ21dは制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。位置検出器21eは、エンコーダなどの機器であり、モータ21dに取り付けられている。この位置検出器21eは電気的に制御装置40に接続されており、検出信号を制御装置40に送信する。搬送部21は、モータ21dによる駆動プーリ21bの回転によって各従動プーリ21cと共に搬送ベルト21aを走行させ、搬送ベルト21a上の錠剤Tを搬送方向A1(時計回り方向)に搬送する。
搬送ベルト21aには、図2に示すように、円形状の吸引孔21gが複数形成されている。これらの吸引孔21gは、それぞれ錠剤Tを吸着する貫通孔であり、一本の搬送路を形成するように搬送方向A1に沿って一列に並べられている。各吸引孔21gは、吸引チャンバ21f(図1参照)に形成された吸引路(図示せず)を介して吸引チャンバ21f内に接続されており、吸引チャンバ21fにより吸引力を得ることが可能になっている。吸引チャンバ21fには、ポンプが吸引管(いずれも図示せず)を介して接続されており、ポンプの作動により吸引チャンバ21f内が減圧される。吸引管は、吸引チャンバ21fの側面(搬送方向A1と平行な面)の略中央に接続されている。また、ポンプは制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。吸引チャンバ21f内が減圧されると、搬送ベルト21aの各吸引孔21g上に置かれた錠剤Tは吸引孔21gから吸引され、搬送ベルト21a上に保持される。
検出部22は、供給装置10が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、各吸引孔21gが並ぶ搬送路の上方に設けられている。この検出部22は、レーザ光の投受光によって検出部22の直下の検出位置に到達した錠剤T(錠剤Tの到来)、すなわち搬送ベルト21a上の錠剤Tの搬送方向A1の位置を検出する。検出部22としては、例えば、変位センサが用いられる。また、変位センサとしては、反射型レーザセンサなどの各種のレーザセンサが用いられる。検出部22は制御装置40に電気的に接続されており、制御装置40に検出信号を送信する。
第1の撮像部23は、検出部22が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、各吸引孔21gが並ぶ搬送路の上方に設けられている。この第1の撮像部23は、検出部22により検出された錠剤Tの搬送方向A1の位置情報に基づき、錠剤Tが第1の撮像部23の直下の撮像位置に到達した第1の撮像タイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む第1の画像を取得し、取得した第1の画像を制御装置40に送信する。第1の画像は、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向(図2参照)の位置を検出するために用いられる。第1の撮像部23としては、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第1の撮像部23は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。なお、必要に応じて撮像用の照明も設けられる。
ここで、錠剤TのX方向及びY方向の位置は、例えば、第1の撮像部23の撮像領域の中心(基準位置)に対するXY座標系の位置である。また、θ方向の位置は、例えば、第1の撮像部23の撮像領域のXY平面に沿った水平面内での錠剤Tの回転度合いを示す位置である。このθ方向の位置は、錠剤Tに割線が設けられている場合や錠剤Tが楕円形や長円形、三角形、四角形などに成型されている場合など、錠剤Tが方向性を有する形状である場合に検出される。なお、X方向およびY方向は、水平方向における位置である。
インクジェットヘッド24は、第1の撮像部23が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、各吸引孔21gが並ぶ搬送路の上方に設けられている。インクジェットヘッド24は、複数(例えば数百個から数千個)のノズル24a(図2参照)を有し、ノズル24aが一列に並ぶ方向(ノズル列)が水平面内で搬送方向A1と交差、例えば、直交するように設けられている。インクジェットヘッド24は、ノズル24aごとの駆動素子の動作によって各ノズル24aから個別にインクを吐出する。このインクジェットヘッド24としては、圧電素子、発熱素子又は磁歪素子などの駆動素子を有する各種のインクジェット方式の印刷ヘッドが用いられる。インクジェットヘッド24は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。
第2の撮像部25は、インクジェットヘッド24が設けられた位置よりも搬送方向A1の下流側に位置付けられ、各吸引孔21gが並ぶ搬送路の上方に設けられている。この第2の撮像部25は、検出部22により検出された錠剤Tの搬送方向A1の位置情報に基づき、錠剤Tが第2の撮像部25の直下の撮像位置に到達した第2の撮像タイミングで撮像を行い、錠剤Tの上面を含む第2の画像を取得し、取得した第2の画像を制御装置40に送信する。第2の画像は、錠剤Tに印刷された印刷パターンを検査するために用いられる。第2の撮像部25としては、前述の第1の撮像部23と同様、CCDやCMOSなどの撮像素子を有する各種のカメラが用いられる。第2の撮像部25は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。必要に応じて撮像用の照明も設けられる。
乾燥部27は、搬送ベルト21aに対向する位置に配置されており、例えば、搬送部21の下方に設けられている。この乾燥部27は、搬送ベルト21a上の各錠剤Tに塗布されたインクを乾燥させる。乾燥部27としては、エアなどの気体により乾燥を行う送風機、放射熱により乾燥を行うヒータ、あるいは、気体及びヒータを併用して温風や熱風により乾燥を行う送風機などの各種の乾燥機が用いられる。乾燥部27は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。
ここで、第1の印刷装置20及び第2の印刷装置50は、上下に搬送部21及び搬送部51の個々の一部が重なるように配置されており、上側の第1の印刷装置20で印刷された錠剤Tが下側の第2の印刷装置50に受け渡され、錠剤Tの両面が印刷される。例えば、第1の印刷装置20から第2の印刷装置50への錠剤Tのスムーズな受け渡しのため、第1の印刷装置20の搬送速度と第2の印刷装置50の搬送速度は常に同一である。
第2の印刷装置50は、第1の印刷装置20と同じ構造を有する。すなわち、第2の印刷装置50は、搬送部51、検出部52、第1の撮像部53、インクジェットヘッド54、第2の撮像部55及び乾燥部57を備える。搬送部51は、搬送ベルト51a、駆動プーリ51b、複数の従動プーリ51c、モータ51d、位置検出器51e及び吸引チャンバ51fを有する。この搬送部51は、搬送ベルト51a上の錠剤Tを搬送方向A2(反時計回り方向)に搬送する。搬送部51は、第2の搬送部(搬送装置)として機能する。インクジェットヘッド54は、第1のインクジェットヘッド又は第2のインクジェットヘッドとして機能する。なお、第2の印刷装置50を構成する各要素は、第1の印刷装置20を構成する各要素と基本的に同じ構造であるため、その説明を省略する。
回収装置30は、乾燥部57が設けられた位置よりも搬送方向A2の下流側に位置付けられ、搬送部51の下方に設けられている。この回収装置30は、再利用品回収部31、不良品回収部32及び良品回収部33を有する。回収装置30は、再利用品回収部31により再利用品の錠剤Tを回収し、不良品回収部32により不良品の錠剤Tを回収し、良品回収部33により良品の錠剤Tを回収する。例えば、再利用品は再利用可能な錠剤であり、無損傷及び異物未付着の非印刷錠である。また、不良品は異物付着の非印刷錠や無損傷及び異物未付着の印刷不合格錠(印刷済錠)などであり、良品は無損傷及び異物未付着の印刷合格錠(印刷済錠)である。なお、再利用品回収部31、不良品回収部32及び良品回収部33における搬送方向A2への並び順は、図1に示す並び順に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。回収装置30は制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。
再利用品回収部31は、噴射ノズル31a及び回収ボックス31bを有する。また、不良品回収部32は、噴射ノズル32a及び回収ボックス32bを有する。良品回収部33は、噴射ノズル33a及び回収ボックス33bを有する。これらの噴射ノズル31a、32a、33aは基本的に同じ構造を有し、各回収ボックス31b、32b、33bも基本的に同じ構造を有する。このため、代表として噴射ノズル31a及び回収ボックス31bについて説明する。
噴射ノズル31a及び回収ボックス31bは、搬送ベルト51aの各吸引孔(各吸引孔21gに相当)が並ぶ搬送路を挟んで互いに対向する位置に設けられている。噴射ノズル31aは、吸引チャンバ51f内に配置されており、例えば、搬送ベルト51aに向けて気体(例えばエア)を噴射し、搬送ベルト51aから錠剤Tを落下させる。このとき、噴射ノズル31aから噴射された気体は、搬送ベルト51aの吸引孔を通過して錠剤Tに当たる。噴射ノズル31aは制御装置40に電気的に接続されており、その駆動が制御装置40により制御される。回収ボックス31bは、噴射ノズル31aの直下であって搬送部51の下方に設けられている。この回収ボックス31bは、噴射ノズル31aから噴射された気体により搬送ベルト51aから落下した錠剤Tを受け取って収容する。
ここで、再利用品回収部31及び不良品回収部32を通過した錠剤Tは、搬送ベルト51aの移動に伴って搬送され、搬送ベルト51aにおける各従動プーリ51c側の端部付近の位置に到達する。この位置で吸引作用が錠剤Tに働かなくなるが、噴射ノズル33aによって錠剤Tの上方から錠剤Tに気体が吹き付けられ、錠剤Tは搬送ベルト51aから落下する。したがって、噴射ノズル33aを設けることで、搬送ベルト51aから錠剤Tを確実に落下させることができる。回収ボックス33bは、噴射ノズル33aから噴射された気体により搬送ベルト51aから落下した錠剤Tを受け取って収容する。
制御装置40は、各種情報及び各種プログラムに基づいて錠剤印刷装置1の各部、例えば、供給装置10や第1の印刷装置20、第2の印刷装置50、回収装置30などを制御する。また、制御装置40は、搬送部21の位置検出器21eや検出部22、搬送部51の位置検出器51eや検出部52からそれぞれ送信される検出データ(例えば検出信号)などを受信し、また、第1の撮像部23や第2の撮像部25、第1の撮像部53、第2の撮像部55からそれぞれ送信される画像データなどを受信する。制御装置40は、例えば、集積回路などの電子回路又はコンピュータなどにより実現される。
(錠剤印刷装置の移動機構の構成例)
次に、錠剤印刷装置1の移動機構(第1の移動機構13A、第2の移動機構24A、第3の移動機構51A及び第4の移動機構54A)の構成例について図3を参照して説明する。
図3に示すように、本実施形態に係る錠剤印刷装置1は、第1の移動機構13Aと、第2の移動機構24Aと、第3の移動機構51Aと、第4の移動機構54Aとを備える。これらの移動機構13A、24A、51A、54Aは、制御装置40に電気的に接続されており、それらの駆動が制御装置40により制御される。
第1の移動機構13Aは、受渡フィーダ13を高さ方向に移動させる機構である。第2の移動機構24Aは、インクジェットヘッド24を高さ方向に移動させる機構である。第3の移動機構51Aは、搬送部51を高さ方向に移動させる機構である。第4の移動機構54Aは、インクジェットヘッド54を高さ方向に移動させる機構である。高さ方向とは昇降方向であり、図3の例ではZ軸方向である。
各移動機構13A、24A、51A、54Aとしては、例えば、駆動源にモータを用い、ガイドにボールねじ又はリニアガイドを用いる移動機構が用いられるが、その他の移動機構が用いられてもよい。また、各移動機構13A、24A、51A、54Aのそれぞれは、同じ構成であっても、異なる構成であってもよい。
搬送部21は、固定されており(移動機構が設けられていない)、本実施形態においては高さ方向の移動を行わない。図3の例では、基準高さ位置Baおよび基準高さ位置Bcは、例えば、搬送部21の高さ方向の初期位置であり、固定値である。基準高さ位置Bbは、例えば、搬送部51の高さ方向の初期位置であり、固定値である。これらの基準高さ位置Ba、基準高さ位置Bcおよび基準高さ位置Bbは、例えば、予め把握されて記憶部42に保存されている。より具体的には、基準高さ位置Baは搬送部21に最初にセットされた搬送ベルト21aの上側の搬送面の高さ位置であり、基準高さ位置Bcは搬送部21に最初にセットされた搬送ベルト21aの下側の搬送面の高さ位置であり、基準高さ位置Bbは搬送部51に最初にセットされた搬送ベルト51aの上側の搬送面の高さ位置である。基準高さ位置Ba(および基準高さ位置Bc)は、第1の基準高さ位置として機能する。基準高さ位置Bbは、第2の基準高さ位置として機能する。
なお、整列フィーダ12は、搬送部21と同じように固定されており(移動機構が設けられていない)、本実施形態においては高さ方向の移動を行わない。整列フィーダ12の高さ位置は、整列フィーダ12の搬送面の高さ位置が搬送部21の搬送面の高さ位置と同じになるように調整された状態で固定されている(基準高さ位置Baと一致するように調整される)。なお、受渡フィーダ13およびインクジェットヘッド24、インクジェットヘッド54にも、基準高さ位置が設定される。
受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1は、第1の移動機構13Aにより受渡フィーダ13が高さ方向に移動することで調整される。搬送部21とインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2は、第2の移動機構24Aによりインクジェットヘッド24が高さ方向に移動することで調整される。搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3は、第3の移動機構51Aにより搬送部51が高さ方向に移動することで調整される。搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4は、第4の移動機構54Aによりインクジェットヘッド54が高さ方向に移動することで調整される。例えば、第4の移動機構54Aが搬送部51に一体に設けられている場合、第4の移動機構54Aは搬送部51の移動と共に移動することになる。本実施形態においては、インクジェットヘッド54および第4の移動機構54Aは搬送部51と一体に設けられるものとして説明する。
詳しくは、離間距離B1は、受渡フィーダ13の下側の搬送面と搬送部21の上側の搬送面との高さ方向の離間距離である。この離間距離B1は、例えば、受渡フィーダ13と搬送部21との間で錠剤Tの受け渡しがうまくいくように調整される。離間距離B2は、搬送部21の上側の搬送面とインクジェットヘッド24の吐出面との高さ方向の離間距離である。この離間距離B2は、インクジェットヘッド24から吐出されたインクがうまく搬送部21上の錠剤Tに着弾し、また、搬送部21上の錠剤Tがインクジェットヘッド24に衝突しないように調整される。なお、気流などの影響を抑え、インクジェットヘッド24から吐出されたインクがうまく搬送部21上の錠剤Tに着弾するためには、インクジェットヘッド24の吐出面を搬送部21上の錠剤Tの上面に近づけること、すなわち離間距離B2を短くすることが望ましい。
離間距離B3は、搬送部21の下側の搬送面と搬送部51の上側の搬送面との高さ方向の離間距離である。この離間距離B3は、例えば、搬送部21と搬送部51との間で錠剤Tの受け渡しがうまくいくように調整される。離間距離B4は、搬送部51の上側の搬送面とインクジェットヘッド54の吐出面との高さ方向の離間距離である。この離間距離B4は、インクジェットヘッド54から吐出されたインクがうまく搬送部51上の錠剤Tに着弾し、また、搬送部51上の錠剤Tがインクジェットヘッド54に衝突しないように調整される。なお、前述の離間距離B2と同様、離間距離B4を短くすることが望ましい。
前述の受渡フィーダ13の搬送面は、受渡フィーダ13において錠剤Tを搬送する面であって、受渡フィーダ13の下側の面(受渡フィーダ13の搬送部21側の面)である。搬送部21の搬送面は、搬送部21(搬送ベルト21a)において錠剤Tを搬送する面であって、搬送部21の上側の搬送面は、搬送部21のインクジェットヘッド24側の面であり、搬送部21の下側の搬送面は、搬送部21の搬送部51側の面である。同様に、搬送部51の搬送面は、搬送部51(搬送ベルト51a)において錠剤Tを搬送する面であって、搬送部51の上側の搬送面は、搬送部51のインクジェットヘッド54側の面である。また、インクジェットヘッド24の吐出面は、インクジェットヘッド24においてノズル24aが形成されている面であって、インクジェットヘッド24の搬送部21側の面である。同様に、インクジェットヘッド54の吐出面は、インクジェットヘッド54においてノズル(ノズル24aに相当)が形成されている面であって、インクジェットヘッド54の搬送部51側の面である。
なお、図3の例では、搬送部21は固定されているが、搬送部51と同様に移動機構により移動可能に構成されてもよい。また、整列フィーダ12も固定されているが、受渡フィーダ13と同様に移動機構により移動可能に構成されてもよい。ただし、整列フィーダ12、受渡フィーダ13、搬送部21及び搬送部51のいずれかが固定されることが望ましい。本実施形態のようにZ方向における中央に位置する搬送部21と整列フィーダ12が固定される場合、高さ位置の調整においてはその上下に位置する受渡フィーダ13および搬送部51を移動させればよく、受渡フィーダ13のみが固定されている場合、あるいは搬送部51のみが固定されている場合と比較すると移動すべき部材が少ないため好適である。また、例えば、移動機構の簡略化やサイズ抑制のためには、整列フィーダ12又は受渡フィーダ13が固定される場合に比べ、吸引管を介してポンプが接続される吸引チャンバ21fを含む搬送部21又は吸引チャンバ51fを含む搬送部51が固定されることが望ましい。つまり、搬送部21または搬送部51のいずれかを固定とすることが望ましく、なかでもZ方向において中央に位置する搬送部21を固定することがより望ましい。
また、図3の例では、インクジェットヘッド24は、第2の移動機構24Aにより高さ方向に移動可能に構成されているが、例えば、検出部22、第1の撮像部23、インクジェットヘッド24及び第2の撮像部25(図1参照)が筐体などに内蔵されている場合には、その筐体が第2の移動機構24Aにより高さ方向に移動可能に構成されてもよい。このような構成は、インクジェットヘッド54にも適用可能である。
(制御装置の構成例)
次に、制御装置40の構成例について図4を参照して説明する。
図4に示すように、制御装置40は、画像処理部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。この制御装置40には、入力装置40a及び出力装置40bが接続されている。入力装置40aは、例えば、スイッチやタッチパネル、キーボード、マウスなどにより実現される。また、出力装置40bは、例えば、ディスプレイやランプ、メータなどにより実現される。
画像処理部41は、第1の撮像部23又は第1の撮像部53により撮像された第1の画像及び第2の撮像部25又は第2の撮像部55によって撮像された第2の画像を取り込み、公知の画像処理技術を用いて画像を処理する。例えば、画像処理部41は、第1の撮像部23から得られた第1の画像を処理し、錠剤Tの損傷や異物付着の有無、また、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置を取得する。また、画像処理部41は、第2の撮像部25から得られた第2の画像を処理し、錠剤Tに印刷された印刷パターンの画像情報を取得する。画像処理部41は、取得した錠剤Tの損傷や異物付着の有無情報、各錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報、さらに、各錠剤Tに印刷された印刷パターンの画像情報を制御部43に送信する。
記憶部42は、各種プログラムや各種情報などを記憶する。この記憶部42は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部42には、生産データ(生産情報)、印刷に関する印刷データ、搬送速度データなどが記憶される。生産データとは、印刷された錠剤Tの生産(製造)に伴い、変わるデータのことを指す。生産データとしては、例えば、ロット番号が挙げられる。生産データは、ユーザが入力装置40aを用いて入力した情報に基づいて生成されてもよく、また、制御部43によって自動的に生成されてもよい。
制御部43は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMCU(Micro Control Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などのコンピュータであり、各部を制御する。この制御部43は、例えば、ハードウェア及びソフトウェアの一方又は両方により実現されてもよい。例えば、制御部43は、記憶部42に記憶された各種情報や各種プログラムに基づいて、供給装置10や第1の印刷装置20、第2の印刷装置50、回収装置30、画像処理部41、記憶部42、各移動機構13A、24A、51A、54Aなどを制御する。また、制御部43は、搬送部21の位置検出器21eや検出部22、搬送部51の位置検出器51eや検出部52からそれぞれ送信される検出信号などを受信する。
ここで、制御部43は、第1の印刷装置20において、検出部22から送信された検出情報、すなわち搬送ベルト21a上の錠剤Tが検出されたタイミングに基づき、搬送ベルト21aにおいて錠剤Tの搬送方向A1の位置を取得し、この錠剤Tの搬送方向A1の位置を示す位置情報に基づき、第1の撮像部23の第1の撮像タイミング、インクジェットヘッド24の印刷開始タイミング、第2の撮像部25の第2の撮像タイミングを設定し、それらのタイミングを示すタイミング情報を生成して記憶部42に保存する。印刷開始タイミングとは、インクジェットヘッド24の直下の印刷位置に到達した錠剤Tに対して印刷を開始するタイミングである。なお、制御部43は、位置検出器21eから送信された検出情報に基づき、搬送ベルト21aの移動量(回転量)や速度などの情報を取得することが可能である。
また、制御部43は、第1の印刷装置20において、画像処理部41から送信された錠剤Tの損傷や異物付着の有無情報(この情報は第1の画像に基づく情報である)に基づいて、その結果データが得られた錠剤Tに対する印刷可否を印刷可否情報として設定する。そして、制御部43は、印刷可に設定された錠剤Tに対して印刷条件を印刷条件情報として設定する。このとき、制御部43は、画像処理部41から送信された錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報(この情報は第1の画像に基づく情報である)に基づいて、その位置情報が得られた錠剤Tに対して印刷条件を設定する。
例えば、制御部43は、第1の印刷装置20において、印刷パターンに基づいてインクジェットヘッド24を制御するための印刷条件を設定する。具体的には、制御部43が、錠剤TのY方向の位置情報や印刷パターンに基づいて、インクジェットヘッド24において対象の錠剤Tの印刷に使用するノズル24aの範囲、すなわち使用ノズル範囲を決定し、その使用ノズル範囲や印刷開始タイミングなどを含む印刷条件を設定する。なお、錠剤Tが方向性を有する形状である場合、制御部43は、錠剤Tのθ方向の位置情報に基づいて、錠剤Tのθ方向の位置に対応させて印刷条件を設定する。一例として、制御部43は、印刷パターンの向きを0度から179度の範囲で1度ずつ回転させた180通りの印刷パターンを記憶部42に登録しておき、それらの印刷パターンの中から、錠剤Tのθ方向の位置に適合する角度の印刷パターンを選択して印刷条件を設定する。
また、制御部43は、第1の印刷装置20において、画像処理部41から送信された、錠剤Tに印刷された印刷パターンの印刷位置情報、形状情報及びサイズ情報(これらの情報は第2の画像に基づく情報である)に基づいて、印刷パターンが所定形状及び所定サイズで錠剤Tの所定位置に印刷されたか否か、すなわち印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かを判断し、錠剤Tの印刷良否情報を設定する(印刷状態検査)。例えば、制御部43は、印刷パターンの形状及びサイズ判断において、検査用の印刷パターンを記憶部42に登録しておき、その検査用の印刷パターンと実際の印刷後の錠剤T上の印刷パターン(錠剤Tに印刷された印刷パターン)とを比較する。
その後、制御部43は、検査用の印刷パターンと実際の印刷後の錠剤T上の印刷パターンとが許容範囲内で一致すると判定した場合、錠剤Tの印刷結果が良い(合格)と判断する。一方、制御部43は、検査用の印刷パターンと実際の印刷後の錠剤T上の印刷パターンとが許容範囲内で一致しないと判定した場合、錠剤Tの印刷結果が悪い(不合格)と判断する。印刷結果が悪いと判断された錠剤Tは、不良品回収部32(不良排出装置)によって排出される。
前述のような第1の印刷装置20における各種処理は、第2の印刷装置50でも同様に制御部43により実行される。なお、制御部43は、適宜各種情報(例えば、錠剤Tの位置情報、タイミング情報、印刷可否情報、印刷条件情報、印刷良否情報など)を記憶部42に保存するが、対象の錠剤Tが回収装置30により回収されると、例えば、搬送部51における搬送方向A2の下流側の端部から落下して所定時間(例えば数秒)が経過した時点で、記憶部42から各種情報を削除する。ただし、それらの情報が後工程などで必要となる場合には、錠剤Tごとの各種情報を消去せずに残しておいたり、装置外の保存用メディア(外部ストレージ)に保存しておいたりすることも可能である。錠剤Tごとの各種情報を保存しておく場合には、この情報と製造日時やロット番号などと紐づけて保存しておき、印刷後の錠剤Tについて出荷後に不良品が発生した場合などに遡って原因を追及することができるようにしてもよい。
(位置調整工程)
次に、前述の錠剤印刷装置1が行う位置調整工程について図5を参照して説明する。この位置調整工程が実行された後に、印刷工程(検査工程を含む)が実行される。なお、位置調整や印刷、検査に要するデータなどの各種情報は、記憶部42に予め記憶されている。
位置調整工程は、搬送部21の搬送ベルト21a及び搬送部51の搬送ベルト51aのどちらか一方又は両方がユーザにより交換された場合に実行される。例えば、ユーザは、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aのどちらか一方又は両方を交換し、入力装置40aを入力操作して位置調整工程を実行する旨を制御部43に指示する。なお、通常、搬送ベルトの厚さには個体差があるため、交換前後の搬送ベルトの厚さは±1mm程度異なることが多い。
ここから、入力装置40aを介して入力された情報に基づき、制御部43が実行する内容を説明する。
図5に示すように、ステップS11において、制御部43は、検出部22により搬送ベルト21aの厚み変化を測定し、検出部52により搬送ベルト51aの厚み変化を測定する。例えば、検出部22は、搬送ベルト21aの一周分の搬送面の高さ変化を検出することで、搬送ベルト21aの一周分の厚み変化を測定する。同様に、検出部52は、搬送ベルト51aの一周分の搬送面の高さ変化を検出することで、搬送ベルト51aの一周分の厚み変化を測定する。このような測定のため、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aが少なくとも一周分回転する間、検出部22は搬送ベルト21aの搬送面の高さを検出し、検出部52は搬送ベルト51aの搬送面の高さを検出する。
なお、搬送ベルト21a又は搬送ベルト51aにおいて、一周分の搬送面の高さ変化を検出しなくてもよく、例えば、数か所や一か所の搬送面の高さを検出するようにしてもよい。ただし、検出箇所が多いほど、測定精度は向上する。また、搬送ベルト21aおよび搬送ベルト51aのうち、交換を行ったベルトについてのみ、検出部22または検出部52による厚み変化を測定すればよい。また、基準高さ位置Ba、基準高さ位置Bcおよび基準高さ位置Bbについては予め同様の方法で測定され、記憶部42に保存されている。
検出部22は、例えば、レーザセンサである。レーザセンサは、投光部分から搬送ベルト21aの搬送面までの距離を検出し、順次検出値(検出信号)を出力している。レーザセンサは、その検出値の変化により錠剤Tの到来を検知するセンサとして機能するが、ステップS11では、搬送ベルト21aの搬送面の高さを検出するセンサとして機能する。これは、検出部52も同様である。位置調整工程では、錠剤Tがホッパ11に供給される前に、すなわち、ホッパ11が空である状態で、検出部22及び検出部52は、ON状態にされ、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aの個々の搬送面の高さ位置を計測するために用いられる。
なお、ホッパ11と整列フィーダ12との間に錠剤Tの通過を妨げるシャッターなどの機構を設け、錠剤Tが整列フィーダ12以降に供給されないようにした状態で、検出部22及び検出部52による高さ位置の測定を行うようにしてもよい。要するに、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aの、検出部22及び検出部52による検出対象領域に錠剤Tが存在しない状態で、検出部22及び検出部52による高さ位置の計測が行われればよい。
ステップS12において、制御部43は、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aのそれぞれ一周分の厚み変化(搬送面の一周分の高さ変化)に関する情報を用いて、補正値C1及び補正値C2を算出する。補正値C1は第1の補正値として機能し、補正値C2は第1の補正値又は第3の補正値として機能する。
補正値C1は、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1、搬送部21とインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3、及び、搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4を調整するための補正値である。また、補正値C2は、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3、及び、搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4を調整するための補正値である。
例えば、制御部43は、搬送ベルト21aの一周分の厚み変化(搬送面の一周分の高さ変化)に関する情報を用い、搬送ベルト21aの一周分の厚みを平均して平均値を求め、求めた平均値に基づいて搬送ベルト21aの高さ位置(搬送部21の高さ位置)を算出する。そして、制御部43は、搬送ベルト21aの高さ位置と基準高さ位置Baとの比較を行い、搬送ベルト21aの高さ位置と基準高さ位置Baとの差分を基に補正値C1を算出する。搬送ベルト21aの高さ位置は基準高さ位置Baに対して増加するとプラスであり、減少するとマイナスである。補正値がプラスの場合には、基準高さ位置Ba(基準高さ位置Bb)から上方への移動を行い、補正値がマイナスの場合には、基準高さ位置Ba(基準高さ位置Bb)から下方への移動を行う。なお、搬送ベルト21aの実際の高さ位置と基準高さ位置Baとの差分を補正値C1として用いるようにしてもよい。
また、例えば、制御部43は、搬送ベルト51aの一周分の厚み変化(搬送面の一周分の高さ変化)に関する情報を用い、搬送ベルト51aの一周分の厚みを平均して平均値を求め、求めた平均値に基づいて搬送ベルト51aの高さ位置(搬送部51の高さ位置)を算出する。そして、制御部43は、搬送ベルト51aの高さ位置と基準高さ位置Bbとの比較を行い、搬送ベルト51aの高さ位置と基準高さ位置Bbとの差分を基に補正値C2を算出する。搬送ベルト51aの高さ位置は基準高さ位置Bbに対して増加するとプラスであり、減少するとマイナスである。補正値C1および補正値C2は、求めた差分に基づいて、補正値C1、補正値C2の値のプラス、マイナスが適切に(動かす必要のある方向に応じて)変換され、適用される(詳しくは後述する)。なお、搬送ベルト51aの実際の高さ位置と基準高さ位置Bbとの差分を補正値C2として用いるようにしてもよい。
また、搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aのどちらか一方又は両方の交換前には、例えば、搬送部21の高さ位置、すなわち搬送ベルト21aの上側の搬送面の高さ位置は基準高さ位置Baとして予め把握されて記憶部42に保存されており、搬送ベルト21aの下側の搬送面の高さ位置は基準高さ位置Bcとして予め把握されて記憶部42に保存されている。同様に、搬送部51の高さ位置、すなわち搬送部51の上側の搬送面の高さ位置は、基準高さ位置Bbとして予め把握されて記憶部42に保存されている。
ステップS13において、制御部43は、算出した補正値C1及び補正値C2を記憶部42に保存する。
ステップS14において、制御部43は、これから印刷する錠剤Tの品種情報、すなわち錠剤品種情報を選択し、補正値D1を求める。補正値D1は、第2の補正値として機能する。
補正値D1は、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1、搬送部21とインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3、及び、搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4を調整するための補正値である。この補正値D1は、各離間距離B1~B4を錠剤Tの品種にとって最適なものとするための値である。
例えば、制御部43は、入力装置40aに対するユーザの入力操作に応じて錠剤品種情報を選択する。錠剤品種情報は、例えば、錠剤識別情報、錠剤厚み情報及び錠剤形状情報のいずれか又は全てを含む。錠剤識別情報は、例えば、錠剤Tの名称及び番号の一方又は両方を含む。錠剤厚み情報は、例えば、数mmなどの錠剤Tの厚みの情報を含む。錠剤形状情報は、例えば、円板や三角板、楕円板、紡錘形、レンズ形などの錠剤Tの形状の情報を含む。このような錠剤品種情報は、例えば、予め記憶部42に保存されている。
なお、制御部43は、外部装置から送信された、次に生産する錠剤品種情報を受け取ることで、錠剤品種情報を選択してもよい。外部装置としては、例えば、パーソナルコンピュータやサーバなどが用いられ、また、バーコードリーダが用いられる。バーコードリーダは、例えば、錠剤Tが収容されているボトルに貼り付けられたバーコードから錠剤品種情報を読み取る。
次に、制御部43は、選択された錠剤品種情報に基づいて、図6に示すような補正テーブルT1から補正値D1を求める。この補正テーブルT1は、例えば、記憶部42に予め保存されている。図6の例では、補正テーブルT1は、錠剤品種情報ごとに補正値D1を有している。錠剤品種情報としてはa1、b1及びc1・・・があり、補正値D1としてはa2、b2、c2・・・がある。この補正値D1は、錠剤Tの品種によって最適な条件となるように設定されている。a1、b1及びc1・・・のそれぞれは、例えば、錠剤識別情報、錠剤厚み情報及び錠剤形状情報のいずれか又は全てを含む。つまり、補正値D1は、識別情報ごとに設定されていても、錠剤厚み情報ごとに設定されていても、錠剤形状情報ごとに設定されていてもよく、また、それらの錠剤識別情報、錠剤厚み情報及び錠剤形状情報のいずれか二つ又は全てを含む情報ごとに設定されていてもよい。
錠剤Tは、品種によって厚みが異なる。また、厚みのばらつきも異なる。例えば、錠剤Tが糖衣錠である場合には、その厚みには±0.5mmの差が生じる。搬送ベルト21a上の錠剤Tの上面からインクジェットヘッド24の吐出面までの距離は約1~1.5mm程度であるため、錠剤Tが厚みの個体差が大きい品種の錠剤である場合、搬送ベルト21aとインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2は、錠剤Tが厚みの個体差の小さい品種の錠剤である場合よりも大きく設定される必要がある。これは、錠剤Tが厚みの個体差が大きい品種の錠剤である場合、搬送ベルト21aとインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2が、錠剤Tが厚みの個体差の小さい品種の錠剤である場合と同様に設定されると、錠剤Tがインクジェットヘッド24に衝突する恐れがあるためである。このようなことが考慮され、補正値D1は、錠剤Tの品種によって最適な条件となるように設定されている。
また、錠剤Tの品種の差には厚みの差のみならず、形状の差もある。平錠と呼ばれる扁平な錠剤Tや、糖衣錠のように搬送ベルト21aに接する面にアールを有する錠剤Tが存在し、様々な形状の錠剤Tがある。アールを有する錠剤Tは、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1、あるいは、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3を狭くしすぎると、錠剤Tの曲面が上下から強く挟み込まれた結果、錠剤Tが揺れ、錠剤Tの姿勢が変更されたり、錠剤Tが揺れ続けたりする。これは印刷不良につながる。このようなことが考慮され、補正値D1は、錠剤Tの品種によって最適な条件となるように設定されている。
ステップS15において、制御部43は、求めた補正値D1を記憶部42に保存する。
ステップS16において、制御部43は、記憶部42に保存された補正値C1及び補正値D1に基づき、受渡フィーダ13及びインクジェットヘッド24のそれぞれの適切な高さ位置を算出し、記憶部42に保存された補正値C1、補正値C2及び補正値D1に基づき、搬送部51の適切な高さ位置を算出する。なお、本実施形態では、移動機構54Aが搬送部51に固定されているため、インクジェットヘッド54の高さ位置の調整においては、補正値C1を用いない。
例えば、搬送部21の高さ位置の基準高さ位置Baとの差分が+1.0mmであり、補正値D1が+0.5mmである場合、補正値C1は+1.0mmとなり、受渡フィーダ13及びインクジェットヘッド24のそれぞれの適切な高さ位置は、それぞれの初期位置+1.5mm(=1.0+0.5mm)の位置となる。したがって、この場合には、受渡フィーダ13の移動機構13Aおよびインクジェットヘッド24の移動機構24Aは、予め記憶部42に保存されたそれぞれの初期位置から+1.5mmの位置(初期位置から1.5mm上昇した位置)となるように、受渡フィーダ13およびインクジェットヘッド24を移動させる。
このとき搬送部51に適用される補正値C1について説明する。搬送部21の差分が+1.0mmであるから、搬送ベルト21aの厚み変化の平均値は+1.0mmである。そうすると、搬送部21の搬送ベルト21aの搬送部51側(搬送ベルト21aの下側の搬送面)の高さ位置は、基準高さ位置Bc-1.0mmに位置していることになる。つまり、搬送部51に適用される補正値C1は-1.0mmということになる。これに加え、補正値D1を適用することになる。補正値D1の+0.5mmは、各離間距離B1~B4を所定の間隔に加えて0.5mmさらに離間させるということを表す。そうすると、搬送部21と搬送部51との離間距離B3をさらに0.5mm離間させるためには搬送部51を下降させる必要があるので、補正値D1の符号はマイナスにされ、-0.5mmとなる。したがって、移動機構51Aは、搬送部51の位置を、基準高さ位置Bbから-1.5mmの位置となるように移動させる。
また、例えば、搬送部21の差分が+1.0mmに加え、搬送部51の差分が+1.5mmである場合で、かつ補正値D1が+0.5mmである場合の、補正値C2、補正値D1の算出方法(つまり、搬送部51を移動させる量)について例示する。
搬送部51の差分は、+1.5mmである。これは、搬送ベルト51aの厚み変化の平均が+1.5mmであることを表す。つまり、搬送ベルト51aの上側の搬送面が1.5mm分だけ上昇したことに対応する必要から、補正値C2の符号はマイナスにされ、補正値C2は、-1.5mmとされる。これに加え、補正値D1を適用することになる。補正値D1の+0.5mmは、離間距離B1~B4を所定の間隔に加えて0.5mmさらに離間させるということを表す。そうすると、搬送部21と搬送部51との離間距離B3をさらに0.5mm離間させるためには搬送部51を下降させる必要があるので、補正値D1の符号はマイナスにされ、-0.5mmとなる。したがって、搬送部51の適切な高さ位置は、基準高さ位置Bb-3mm(=-1.0-1.5-0.5mm)の位置となる。インクジェットヘッド54は、先に述べたとおり搬送部51と一体に設けられている。したがって、補正値C1については考慮することなく、補正値C2および補正値D1についてのみ適用することとなる。すなわち、搬送部51の差分が+1.5mmであることから離間距離B4を確保するためにインクジェットヘッド54を上昇させる必要があるので、補正値C2は+1.5mmとなる。加えて補正値D1の+0.5mmを適用するので、インクジェットヘッド54の初期位置(例えば、前回位置)+2mm(=1.5mm+0.5mm)が適切な高さ位置となる。
なお、搬送ベルト21aが交換されていない場合には、補正値C1は0となる。また、搬送ベルト51aが交換されていない場合には、補正値C2は0となる。詳しくは、搬送ベルト21aが交換された場合には、通常、搬送部21の高さ位置と基準高さ位置Baがずれるため、補正値C1が設定されるが、搬送ベルト21aが交換されない場合には、搬送部21の高さ位置と基準高さ位置Baがずれないため、補正値C1は0に設定される。同様に、搬送ベルト51aが交換された場合には、通常、搬送部51の高さ位置と基準高さ位置Bbがずれるため、補正値C2が設定されるが、搬送ベルト51aが交換されない場合には、搬送部51の高さ位置と基準高さ位置Baがずれないため、補正値C2は0に設定される。なお、このように搬送ベルト21a、51aが交換されない場合においても、補正値D1は適用される。
ステップS17において、制御部43は、算出した適切な高さ位置までの個々の移動量を求め、それらの移動量だけ受渡フィーダ13、各インクジェットヘッド24、54及び搬送部51を移動させる。
このような位置調整工程によれば、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1、搬送部21とインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3、及び、搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4が適切に調整される。したがって、インクジェットヘッド24(又はインクジェットヘッド54)から吐出されたインクがうまく搬送ベルト21a(又は搬送ベルト51a)上の錠剤Tに着弾しなかったり、搬送ベルト21a(又は搬送ベルト51a)上の錠剤Tがインクジェットヘッド24(又はインクジェットヘッド54)に衝突したりすることを抑えることが可能になる。また、受渡フィーダ13や搬送部21、搬送部51などの各搬送機構の間で錠剤Tの受け渡しがうまくできず錠剤Tが落下したり、錠剤Tの受け渡しによって錠剤の位置ずれが起こったりすることを抑えることが可能になる。これらのことから、印刷不良を抑えることができる。
なお、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1を調整した結果、整列フィーダ12と受渡フィーダ13との離間距離が適正でなくなる可能性がある。例えば、離間距離B1を確保するために受渡フィーダ13の高さ位置を上昇させた場合、整列フィーダ12の高さ位置は固定であるため、整列フィーダ12と受渡フィーダ13との離間距離は適正な離間距離よりも大きくなりすぎることがある。このような場合には、受渡フィーダ13の、整列フィーダ12側の端部の高さ位置を整列フィーダ12との適正な離間距離に保ったまま、搬送部21側の端部の高さ位置のみを上昇させるようにしてもよい。すなわち、受渡フィーダ13が傾斜するように設けられることになる。反対に、整列フィーダ12と受渡フィーダ13との離間距離が小さくなりすぎるときには、受渡フィーダ13の、整列フィーダ12側の端部の方が搬送部21側の端部よりも上になるように、受渡フィーダ13が傾斜するように設けられてもよい。
(印刷工程)
前述の位置調整工程が完了すると、多数の錠剤Tがホッパ11に供給され、印刷工程が開始される。印刷工程では、供給装置10のホッパ11に印刷対象の錠剤Tが多数投入されると、錠剤Tはホッパ11から整列フィーダ12に順次供給され始め、整列フィーダ12により一列に並べられて移動する。この一列で移動する錠剤Tは受渡フィーダ13により第1の印刷装置20の搬送ベルト21aに順次供給される。搬送ベルト21aは、モータ21dによる駆動プーリ21b及び各従動プーリ21cの回転によって搬送方向A1に回転している。ランダムな間隔で搬送ベルト21a上に供給された錠剤Tは搬送ベルト21a上で一列に並んで所定の搬送速度で搬送されていく。
搬送ベルト21a上の錠剤Tは、検出部22によって検出される。詳しくは、搬送ベルト21a上の錠剤Tが、検出部22の直下の検出位置(例えば、レーザ光の照射位置)に到達すると検出部22によって検出され、その錠剤Tが検出されたタイミングに基づき、搬送ベルト21aにおいて錠剤Tの搬送方向A1の位置が制御部43によって認識される。そして、その錠剤Tの搬送方向A1の位置を示す位置情報が制御部43により生成され、記憶部42に保存される。
次に、搬送ベルト21a上の錠剤Tが第1の撮像部23によって撮像される。詳しくは、搬送ベルト21a上の錠剤Tが、第1の撮像部23の直下の撮像位置に到達した第1の撮像タイミングで第1の撮像部23によって撮像され、その第1の撮像部23による撮像により得られた第1の画像が制御装置40に送信される。この第1の画像は、制御装置40の画像処理部41によって処理される。詳しくは、第1の画像が画像処理部41により処理され、その第1の画像に基づいて、錠剤Tの損傷や異物付着の有無情報、また、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報が生成されて、記憶部42に保存される。
錠剤Tの損傷や異物付着の有無情報に基づき、対象の錠剤Tへの印刷可否が制御部43により判断される。対象の錠剤Tへの印刷が可であると判断されると、印刷がインクジェットヘッド24により実行される。なお、錠剤TのX方向、Y方向及びθ方向の位置情報や印刷パターンなどの情報に基づき、印刷可に設定された錠剤T(印刷可の錠剤T)に対する使用ノズル範囲や印刷開始タイミングなどを含む印刷条件が記憶部42に設定される。前述の印刷開始タイミング(錠剤Tに対して印刷を開始するタイミング)に基づいて、錠剤Tに対する吐出タイミング(錠剤Tに対してインクを吐出するタイミング)が決定される。一方、対象の錠剤Tへの印刷が否であると判断されると、対象の錠剤Tに対する印刷や検査に関する動作が制限される。なお、錠剤Tの印刷可否情報は、適宜記憶部42に保存される。なお、印刷や検査に関する動作の「制限」とは、少なくとも対象となる錠剤Tに対する印刷および検査に関する処理を行わないことを意味する。
上記の印刷条件に基づいて印刷がインクジェットヘッド24により実行される場合にはインクジェットヘッド24が、搬送ベルト21a上の印刷可の錠剤Tに所定の印刷パターンを印刷するように制御部43により制御される。詳しくは、第1の撮像部23の下方を通過した搬送ベルト21a上の印刷可の錠剤Tは、インクジェットヘッド24の直下の印刷位置に到達した印刷開始タイミングで、前述の印刷条件に基づいてインクジェットヘッド24によって印刷される。インクジェットヘッド24では、各ノズル24aからインクが適宜吐出され、錠剤Tの上面である被印刷面に印刷パターンが印刷される。
次に、搬送ベルト21a上の印刷済の錠剤Tが第2の撮像部25によって撮像される。詳しくは、搬送ベルト21a上の印刷済の錠剤Tは、第2の撮像部25の直下の撮像位置に到達した第2の撮像タイミングで第2の撮像部25によって撮像され、その第2の撮像部25による撮像により得られた第2の画像が制御装置40に送信される。この第2の画像は、制御装置40の画像処理部41によって処理される。詳しくは、第2の画像が画像処理部41によって処理され、錠剤Tにおいて印刷済の印刷パターンの印刷位置や形状、サイズを示す検査情報が生成され、記憶部42に保存される。
次いで、上記の検査情報に基づいて印刷状態検査が制御部43により実行される。詳しくは、記憶部42に保存された前述の印刷位置や形状、サイズに係る検査情報に基づき、印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否かが制御部43により判断され、錠剤Tの印刷良否を示す印刷良否情報が生成されて記憶部42に保存される。例えば、印刷状態検査では、印刷に使用した印刷パターンが検査用の印刷パターンとして記憶部42に保存され、検査用の印刷パターンの所定の印刷位置や形状、サイズに関する良品情報と、記憶部42に保存された実際の印刷済の印刷パターンの印刷位置や形状、サイズに関する検査情報とが比較され、印刷パターンが錠剤Tに正常に印刷されたか否か(合格又は不合格)が判断される。
第2の印刷装置50でも前述の印刷及び検査が繰り返される。なお、第1の印刷装置20で印刷された錠剤Tは、反転されて下側の第2の印刷装置50に受け渡され、第2の印刷装置50において前述の印刷及び検査が実行される。これにより、錠剤Tに対する両面印刷が実現される。なお、搬送ベルト51aは、モータ51dによる駆動プーリ51b及び各従動プーリ51cの回転によって搬送方向A2に回転している。このため、搬送ベルト51a上に受け渡された錠剤Tは搬送ベルト51a上で一列に並んで所定の搬送速度で搬送されていく。
その後、第2の印刷装置50の搬送ベルト51a上の錠剤Tが回収装置30により回収される。詳しくは、再利用品の錠剤Tが搬送ベルト51aの移動に伴って再利用品回収部31に到達すると、噴射ノズル31aによって錠剤Tの上方から錠剤Tに気体が吹き付けられ、錠剤Tは搬送ベルト51aから落下して回収ボックス31bにより収容される。同様に、不良品の錠剤Tが搬送ベルト21aの移動に伴って不良品回収部32に到達すると、噴射ノズル32aによって錠剤Tの上方から錠剤Tに気体が吹き付けられ、錠剤Tは搬送ベルト51aから落下して回収ボックス32bにより収容される。また、良品の錠剤Tが搬送ベルト51aにおける各従動プーリ51c側の端部付近の位置に到達すると、錠剤Tに吸引作用が働かなくなり、噴射ノズル33aによって錠剤Tの上方から錠剤Tに気体が吹き付けられ、錠剤Tは搬送ベルト51aから落下して回収ボックス33bにより収容される。このような気体の吹き付けに関する制御は、例えば、錠剤Tの位置情報、印刷可否情報、印刷良否情報(印刷状態検査の結果情報)などの各種の情報に基づいて制御部43により実行される。
最後に、印刷が終了したか否かが制御部43により判断される。例えば、印刷済の錠剤Tの数がカウントされ、その数が所定の生産数に達すると、印刷が終了したと判断され、処理が終了する。一方、印刷が終了していないと判断されると、前述の印刷及び検査が繰り返される。なお、印刷終了の判断に関して、入力装置40aに対するユーザの入力操作に応じて、例えば、ユーザが印刷終了ボタンを押下することに応じて、印刷が終了したと判断されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、錠剤印刷装置1は、錠剤を搬送する搬送装置(例えば、受渡フィーダ13、搬送部21又は搬送部51)と、錠剤に印刷を行う第1のインクジェットヘッド(例えば、インクジェットヘッド24又はインクジェットヘッド54)と、搬送装置又は第1のインクジェットヘッドを高さ方向に移動させる移動機構(例えば、第1の移動機構13A、第2の移動機構24A、第3の移動機構51A、第4の移動機構54A)と、移動機構を制御する制御装置40と、を備え、制御装置40は、搬送装置の高さ位置と第1の基準高さ位置(例えば、基準高さ位置Ba又は基準高さ位置Bb)との差に基づいて第1の補正値(例えば、補正値C1又は補正値C2)を生成し、錠剤の品種に関する錠剤品種情報に基づいて第2の補正値(例えば、補正値D1)を生成し、第1の補正値及び第2の補正値に基づいて移動機構を制御する。
これにより、搬送装置と第1のインクジェットヘッドとの離間距離(例えば、搬送部21とインクジェットヘッド24との高さ方向の離間距離B2、又は、搬送部51とインクジェットヘッド54との高さ方向の離間距離B4)が適切に調整されるので、例えば、第1のインクジェットヘッドから吐出されたインクがうまく搬送装置上の錠剤Tに着弾しなかったり、搬送装置上の錠剤Tが第1のインクジェットヘッドに衝突したりすることを抑えることが可能になる。したがって、印刷不良を抑えることができる。
また、搬送装置と他の搬送装置との離間距離(例えば、受渡フィーダ13と搬送部21との高さ方向の離間距離B1、又は、搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3)が適切に調整されるので、例えば、受渡フィーダ13や搬送部21、搬送部51などの各搬送機構の間で錠剤Tの受け渡しがうまくできず錠剤Tが落下したり、錠剤Tの受け渡しによって錠剤の位置ずれが起こったりすることを抑えることが可能になる。したがって、印刷不良を抑えることができる。
なお、前述の搬送装置と他の搬送装置との離間距離、すなわち搬送部21と搬送部51との高さ方向の離間距離B3が、補正値C2及び補正値D1に基づいて適切に調整される状況は、搬送部21の高さ位置が変化せず、搬送部51の高さ位置が変化した場合、すなわち搬送ベルト21aが交換されず、搬送ベルト51aが交換された場合である(補正値C1=0)。搬送ベルト21a及び搬送ベルト51aの両方が交換された場合には、補正値C2及び補正値D1に加え、搬送ベルト21aの交換に対応する補正値C1も必要となる。
<他の実施形態>
前述の説明においては、実施形態に係る錠剤印刷装置1(錠剤印刷方法)を用いて錠剤Tに印刷を行うが、これは、実施形態に係る錠剤印刷装置1(錠剤印刷方法)を用いて錠剤Tに印刷を行い、印刷済の錠剤Tを製造すると言い換えることも可能である。すなわち、錠剤印刷装置1を錠剤製造装置に、錠剤印刷方法を錠剤製造方法に言い換えることができる。
前述の説明においては、検出部22は、図2に示すように、搬送ベルト21aの各吸引孔21gが並ぶライン上の位置に光を照射するように設けられているが、例えば、図7に示すように、そのラインからY軸方向に所定距離だけずれた位置に光を照射するように設けられてもよい。つまり、検出部22は、平面視で各吸引孔21gが並ぶラインから所定距離(例えば、数mm)ずらして設けられてもよい。これにより、検出部22は、各吸引孔21gが並ぶライン上の位置に光を照射する場合に比べ、各吸引孔21gによる光の散乱などの影響を抑えることが可能になるので、例えば、搬送ベルト21aの一周分の高さを精度よく検出することができる。ただし、所定距離は、検出部22が錠剤Tの到来を正確に検出することが可能に設定される。図7の例のような構成は、検出部52にも適用可能である。
また、図8に示すように、検出部22Aが、検出部22に加えて新たに設けられてもよい。この検出部22Aは、例えば、搬送ベルト21aの一周分の高さを検出する。この場合、検出部22は、錠剤Tの到来を検出するためだけに用いられる。検出部22Aは、検出部22と同じ構成を有してもよく、あるいは、検出部22と異なる構成を有してもよい。図8の例でも、図7の例と同様、各吸引孔21gが並ぶライン上の位置に光を照射する場合に比べ、各吸引孔21gによる光の散乱などの影響を抑えることが可能になるので、例えば、搬送ベルト21aの一周分の高さを精度よく検出することができる。図8の例のような構成は、検出部52にも適用可能である。
また、図9に示すように、検出部22が移動機構22Bにより平面方向、例えばY軸方向に移動するように構成されてもよい。移動機構22Bは、例えば、Y軸方向に検出部22を移動させる機構である。この移動機構22Bは、制御装置40に電気的に接続されており、それらの駆動が制御装置40により制御される。例えば、制御装置40は、位置調整工程において、検出部22を各吸引孔21gが並ぶライン上の位置に光を照射する位置(初期位置)から、そのラインからY軸方向に所定距離だけずれた位置に光を照射する位置(検出位置)に移動させる。位置調整工程後、制御装置40は、検出部22を検出位置から初期位置に移動させる。検出位置は、検出部22から照射される光が搬送ベルト21aの搬送面における錠剤Tが実際に搬送される搬送範囲内に当たる位置であることが好ましい。図9の例でも、図7や図8の例と同様、各吸引孔21gが並ぶライン上の位置に光を照射する場合に比べ、各吸引孔21gによる光の散乱などの影響を抑えることが可能になるので、例えば、搬送ベルト21aの一周分の高さを精度よく検出することができる。図9の例のような構成は、検出部52にも適用可能である。
また、前述の説明においては、錠剤Tを一列で搬送することを例示したが、これに限るものではなく、その列数は二列以上の複数列であってもよく、特に限定されるものではなく、搬送ベルト21aの本数も二本以上であってもよく、特に限定されるものではない。このような構成は、搬送ベルト51aにも適用可能である。また、インクジェットヘッド24の個数も二個以上であってもよく、特に限定されるものではない。このような構成は、インクジェットヘッド54にも適用可能である。
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド24として、ノズル24aが一列に並ぶインクジェットヘッドを例示したが、これに限るものではなく、例えば、ノズル24aが複数列に並ぶインクジェットヘッドを用いるようにしてもよい。また、水平面内において搬送方向A1と直交する方向にインクジェットヘッド24を複数並べて用いるようにしてもよい。これらのような構成は、インクジェットヘッド54にも適用可能である。
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド24をノズル24aが並ぶ方向が水平面内において搬送方向A1と直交する方向になるように設けることを例示したが、これに限るものではなく、例えば、ノズル24aが並ぶ方向が水平面内において搬送方向A1と斜めに交差する方向になるように設けるようにしてもよい。このような構成は、インクジェットヘッド54にも適用可能である。
また、前述の説明においては、インクジェットヘッド54および第4の移動機構54Aは搬送部51と一体に設けられるものを例示したが、これに限るものではなく、例えば、インクジェットヘッド54単体で、搬送部51とは別に、移動機構54Aを備えるようにしてもよい。この場合には、前述のステップS16においてインクジェットヘッド54の高さ位置を算出する際に、補正値C1を用いて算出を行う。
また、前述の説明においては、錠剤Tが搬送ベルト21a上に一定間隔ではなくランダムに供給されるとしたが、これに限られるものではなく、一定間隔で供給されてもよい。また、前述の説明においては、搬送ベルト21a上に形成された吸引孔21gによって錠剤Tが吸引保持されるとしたが、これに限るものではなく、ポケットなどに収容保持され搬送されるようにしてもよく、あるいは、搬送ベルト21a上に自重により保持され搬送されるようにしてもよい。これらのような構成は、搬送ベルト51aにも適用可能である。
ここで、前述の錠剤Tとしては、医薬用、飲食用、洗浄用、工業用あるいは芳香用として使用される錠剤を含めることができる。また、錠剤Tとしては、裸錠(素錠)や糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠、ゼラチン被包錠、多層錠、有核錠などがあり、硬カプセルや軟カプセルなど各種のカプセル錠も錠剤Tに含めることができる。さらに、錠剤Tの形状としては、円盤形やレンズ形、三角形、楕円形など各種の形状がある。また、印刷対象の錠剤Tが医薬用や飲食用である場合には、使用するインクとして可食性インクが好適である。この可食性インクとしては、合成色素インク、天然色素インク、染料インク、顔料インクのいずれを使用しても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明の実施形態に係る錠剤印刷方法は、制御装置が、錠剤を搬送する搬送装置の高さ位置と第1の基準高さ位置との差に基づいて第1の補正値を生成することと、前記錠剤の品種に関する錠剤品種情報に基づいて第2の補正値を生成することと、前記第1の補正値及び前記第2の補正値に基づいて、前記錠剤に印刷を行う第1のインクジェットヘッドおよび前記搬送装置の少なくとも一方を高さ方向に移動させる移動機構を制御することと、を含む。